説明

三脚ヘッド

本発明は、玉継手(5)を有する傾斜装置(2)と、カメラ、望遠鏡、双眼鏡、またはこれに類する光学機器を収容するための、前記玉継手に固定可能な保持装置(100)とを備える三脚ヘッドに関する。保持装置(100)は、交換プレート(101)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玉継手を有する傾斜装置を備える三脚ヘッドであって、玉継手が、軸受ケーシング内に旋回可能に支承された継手球を有していて、継手球が、軸受ケーシング内の2つの滑り軸受の間に支承されていて、前記2つの滑り軸受のうちの一方が、滑り軸受を離間させる方向に軸方向に移動可能に軸受ケーシング内に支承されており、玉継手が、三脚ヘッドの互いに反対の側の両端部に位置する接続箇所の間に配置されていて、該接続箇所の一方は、カメラ、望遠鏡、双眼鏡、またはこれに類する光学機器に結合されているか、または結合可能であり、前記接続箇所の他方は、少なくとも1つの三脚の脚、またはこれに類する保持部に結合されている、または結合可能である形式のものに関する。
【0002】
このような傾斜ユニットは、例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第102006001580号明細書から公知である。しかし、この場合、軸方向に移動可能な滑り軸受は、円錐形のピンによって、一箇所だけで支持されている。載置面が小さいため、滑り軸受を玉継手に押さえつけることが可能な力も相応して小さい。このため、三脚ヘッド全体の積載能力も全体的に少なくなる。さらに、力が一方から加えられるため傾倒モーメントが生じる。この傾倒モーメントによって、滑り軸受が、軸受ケーシング内で傾き、これによって、軸受ケーシングまたは滑り軸受が破損することもあり得る。
【0003】
欧州特許出願公開第1473510号明細書からは、ハウジング内部に継手球が回転可能かつ旋回可能に支承された、円筒形の軸受ケーシングを有する三脚ヘッドが知られている。この公知の三脚ヘッドの軸受ケーシング内には、継手球の円周に隣接した滑り面を有する軸受部材も、軸方向に移動可能かつ回転可能に配置されている。この軸受部材に、支持部が対応配置されている。この支持部は、調節装置と作用結合されており、この場合、軸受部材を、締め付け作用を得るために継手球に向かって移動させることができるようにされる。この調節装置は、調整ねじを介して互いに結合された円弧形の部品を有している。この調整ねじは、円弧形の両部品の領域において、逆方向のねじ山付き区分を有している。これらの円弧形の部品には、互いに平行に延びる斜面が設けられており、これらの斜面は、支持部の、継手球側とは反対の側の端面の、補完的な対向斜面と協働する。
【0004】
調整ねじによって生じた部品相互の相対運動を、支持部および該支持部上に位置した軸受部材の軸方向の運動に修正し、継手球の方を締め付ける運動に変換するには、これら公知の三脚ヘッドで提案されている斜面および対向斜面によって、高度の摩擦力を克服する必要がある。摩擦力が高いため、高い負荷がかかる継手球をしっかり締め付けるために必要とされる締め付け力が、継手球にほとんどかからない。従って、欧州特許出願公開第1473510号明細書から公知の三脚ヘッドは、重たいカメラまたはこれに類する光学機器にそれほど適していない。
【0005】
また、継手球と軸受部材との間の締め付け結合が緩んだ際に、これらの部品を出発位置に移動させる必要がある場合にも、比較的高い摩擦力を克服しなければならないことも欠点である。
【0006】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第2747677号明細書からは、交換プレートを有する三脚ヘッドが知られている。この交換プレートには、カメラ、望遠鏡、双眼鏡、またはこれに類する光学機器を固定させることが可能である。交換プレートに接して、三脚またはこれに類する設置台に固定可能な基板が配置されている。この基板には、交換プレートを移動可能に支承するための案内レールと、基板に対して相対移動が可能な締め付け装置とを備えるダブテール型案内部が設けられている。この締め付け装置は、交換プレートを案内レールの中に固定するためのものである。締め付け装置は、旋回レバーとして構成されていてよく、取り出しのために交換プレートを解放する開放位置と、交換プレートが移動可能に案内部内に収容される閉鎖位置との間で回転可能である。旋回レバーが開放位置にある場合は、旋回レバーが、基板内の交換プレート用の凹部を解放するが、旋回レバーが閉鎖位置にある場合は、交換プレートが基板を封鎖する。開放位置にあっても、交換プレートがまだ基板に固定されていること、および、交換プレートを基板に固定するには旋回レバーを回さなければならないことによって、この公知の三脚ヘッドは、操作者が1人で操作する場合、特に、操作者が重たい光学機器をドイツ連邦共和国特許出願公開第2747677号明細書から公知の三脚ヘッドに固定しようとする際には、取り扱いが難しい。
【0007】
従って、特に重たい光学機器のために、上述の従来技術よりも積載可能量が多い三脚ヘッドを実現するという課題が存在している。
【0008】
この課題を解決するための本発明の提案は、請求項1の特徴部に記載の構成を特徴とする。
【0009】
本発明の他の提案は、請求項4に記載の特徴によって規定される。この請求項4に記載された、交換プレートを備える保持装置は、例えば写真または映画を撮る際に、例えば様々なフィルムまたは対物レンズを有する、場合によっては重たく、かつ、扱いにくい種々のカメラを、三脚において簡単に交換可能にするものであり、この際に、ねじを緩めてカメラを三脚ヘッドから取り外すという手間をかける必要はない。
【0010】
大きくて重たい光学機器には、通常、多数のねじで交換プレートを光学機器および三脚ヘッドに固定する交換システムが設けられていた。ここでは、ダブテール型案内部を有するシステムが知られている。ダブテール型案内部では、交換プレートは案内部の中に押し込まれ、動かないように、固定装置によって固定される。通常、交換プレートは光学機器よりも小さく、上からは見ることができないため、交換プレートを取り付ける際には、案内部を手探りで探すか、または使用者が身をかがめなければならない。こういったことは、重たい光学機器の場合、面倒または不可能である。
【0011】
従って、本発明の課題は、上述の従来技術よりも積載可能量が多く、特に重たい光学機器を容易に交換可能な三脚ヘッドを実現することにある。
【0012】
この課題は、本発明によれば、軸受ケーシング内に、隙間において拡張可能な締め付けリングが配置されていることによって解決される。この締め付けリングは、長手方向中心面に向かって、継手球の方向に向かって先細りに形成された斜面を有しており、該斜面は、軸方向に移動可能な滑り軸受の、補完的に形成された対向斜面と協働する。
【0013】
この締め付けリングが拡張すると、滑り軸受は、斜面において軸方向で継手球に向かって滑り、継手球を、固定された第2の滑り軸受に対して押さえつける。
【0014】
ここで、締め付けリングは、他方の面では、止め輪または同様の手段によって定位置で固定されるため、別の動きをすることは不可能である。
【0015】
締め付けリングが、狭い隙間に亘るまで、完全に全円周に亘って滑り軸受と協働するので、軸方向の力は、滑り軸受の円周上に均一に分配される。このため、傾倒モーメントは生じない。従って、傾くことによる、滑り軸受または軸受ケーシングの破損は実際に阻止されている。
【0016】
また継手球に、極めて大きな押圧力を加えることが可能であり、三脚ヘッドの積載能力は、従来技術よりも大幅に増大する。
【0017】
上述の課題はまた、長手方向軸線を中心に回転可能に支承された締め付け装置が取り付けられており、該締め付け装置が、主に2つの位置を取ることによっても解決される。第1の位置では、交換プレートが、移動可能に案内部の中で保持され、第2の位置では、交換プレートは、取り出しのために解放されている。
【0018】
本発明に係る保持装置の締め付け装置は、一方では、案内部の一部材として機能し、交換プレートを長手方向軸線に沿って移動させながら案内し、所望の位置で位置固定することが可能である。この部材は、保持された光学機器を調整するために重要である。
【0019】
保持装置はまた、開放位置において、交換プレート、ひいては光学機器を長辺側から快適に挿入することを可能にする。従って、交換プレートを、短辺側から案内部の中に取り付ける必要はない。通常、案内部は光学機器に隠れて見えず、手探りで探すしかないため、この固定手段は、特に重たい、および/または、かさばる光学機器の使用時に、極めて大きな負担軽減をもたらすものである。保持装置が水平位置にある時に、容易に、交換プレートを上から保持装置に引っ掛けることができる。これは、重たい装置の場合でも、容易に可能である。
【0020】
締め付け装置が解除されることは、固定装置によって阻止されるため、交換プレートが意図せずに案内部から外れることは起こりえない。交換プレートが意図せずに案内部から長手方向に押されることも、別の固定装置によって阻止される。
【0021】
本発明に係る傾斜装置および保持装置によって、全体として、積載能力が高く、特に光学機器を交換する際の操作が簡単な三脚ヘッドが提供される。
【0022】
本発明の他の有効な特徴は、請求項2以下および請求項5以下に記載の構成および以下に図面を参照しながらより詳細に説明する実施形態より提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る、保持装置および交換プレートを備える三脚ヘッドを示す縦断面図である。
【図2】三脚ヘッドの横断面図である。
【図3】保持装置と、半分程度係合された交換プレートとを示す横断面図である。
【図4】保持装置を示す図である。
【0024】
図1は、全体を1として示す三脚ヘッドを示している。この三脚ヘッドは、傾斜装置2と、この傾斜装置2に固定された保持装置100とを有している。保持装置100は、迅速交換プレート101を備えている。
【0025】
傾斜装置2は、ほぼ円筒形の軸受ケーシング3を有している。この軸受ケーシング3は、中空円筒として形成されている。軸受ケーシング3の上端部4には、図1には図示されていないが、直角に内部に向けられたフランジが配置されている。このフランジは、玉継手のための上側の軸受シェルを形成している。フランジには、同じくこの部分断面図には図示されていない滑り軸受が配置されている。この滑り軸受は、好ましくは球面状の滑り面を有しており、継手球5と協働する。
【0026】
継手球5は、軸受ケーシング3の軸方向において、ねじ山を備える直線状の突起部6を有している。突起部6には、積載物を固定することができる。継手球5の下方には、軸方向に可動の、別の滑り軸受7が配置されている。この滑り軸受7は、継手球5に適合された、球面状の軸受面8を備えている。滑り軸受7には、締め付けリング9が隣接している。全構成体は、支台10によって下側が支えられており、これによって、軸受ケーシング3内で保持されている。
【0027】
締め付けリング9は、軸受ケーシング3の内径よりも小さい円周を有している。さらに、締め付けリング9は、その上縁部に斜面12を有している。斜面12は、長手方向中心軸線11に向かって、継手球5の方向に向かって先細りに形成されており、該斜面12に対して補完的に形成された、滑り軸受7の下面の対向斜面13と協働する。
【0028】
軸受ケーシング3内では、締め付けリング9とほぼ同じ高さに、ねじ山付き孔14が配置されている。ねじ山付き孔14の中では、ボルト15が、軸受ケーシング3の長手方向中心軸線11に対して横方向に移動することができる。ボルト15の外側の端部16には、手動で作動させるためのハンドル車17が設けられている。内側の端部18は、ほぼ円錐形に形成されており、締め付けリング9内の軸方向の隙間19に係合している。ここで、隙間19は、ボルト15の円錐形の端部18と協働していて、この場合、ボルト15が隙間19の中に侵入するにつれて、締め付けリング9が拡張するようになっている。締め付けリング9がより容易に拡張するように、締め付けリング9は、隙間19のほぼ反対側に材料弱化部20を有している。
【0029】
締め付けリング9が拡張すると、斜面12と斜面13とが協働することによって、下側の滑り軸受7が、軸方向で継手球5の方向に押し出され、これによって高い押し付け圧力が形成される。こうして、継手球5が、上側の滑り軸受に対してより強く押しつけられ、高い摩擦によって固定される。締め付けリング9の広がりが大きいほど、継手球5はよりしっかりと保持される。
【0030】
締め付けリング9が滑り軸受7の全円周に亘って均一に作用するため、極めて均質的な力の作用が生じる。この締め付け工程では、滑り軸受7にトルクまたは傾倒モーメントが生じることはないため、傾くことによる、軸受ケーシング3または滑り軸受7の破損は実際に起こらない。さらに、滑り軸受7が円周全体に亘って支えられているため、傾斜装置2の積載可能量は、従来技術よりも大幅に高い。
【0031】
ボルト15を緩めると、締め付けリング9は、締め付けリング9の柔軟な弾性力によって、再び収縮する。滑り軸受7は、重量に応じて、下方に滑り落ちるため、継手球5は解放されて、動くことが可能である。
【0032】
ボルト15は、汚れから保護するために、軸受ケーシング3に一体成形された円筒形のブシュ21に取り囲まれている。ボルト15の溝には、O字型リング22が嵌め込まれている。O字型リング22の反対側は、ブシュ21の内壁に接触している。ボルト15の端部にあるハンドル車17は、軸受ケーシング3の方向に突出した縁部23を有している。縁部23は、ブシュ21を包囲しており、汚れがブシュ21に侵入することを防いでいる。
【0033】
図2では、緩んだ状態の締め付けリング9が、材料弱化部20の領域においてのみ軸受ケーシングの内壁に接触しており、そのため、拡張するために十分な空間があることが分かる。締め付けリング9内の隙間19は、標準状態では、材料の厚さとほぼ同じくらい広い。本実施形態では、支台10は、締め付けリング9の下方の、軸受ケーシング内の内部環状溝の中に配置された固定リングによって形成されている。別の2つのブシュ24,25が形成されているが、これらは他の機能のために設けられているものであり、本発明の対象ではない。
【0034】
図1にはさらに、保持装置100が示されている。保持装置100は、主に、中央にねじ山付き孔127を備える基板102を有している。ねじ山付き孔127の中には、継手球5のねじ山付き突起部6がねじ込まれる。
【0035】
基板102は、ダブテール型案内部として成形された、交換プレート101のための収容部を有している。交換プレート101は、光学機器に固定されている。この光学機器は、基板102に結合されると望ましい。
【0036】
ほぼ四角形であるこの基板102には、一方の長手方向の側部(Laengsseite)103において、ダブテール型案内部の案内レール104が形成されている。基板102の反対側の長手方向の側部105には、ほぼ円筒形の溝106が設けられており、この溝106の中には、円筒形の締め付け装置107が嵌め込まれている。締め付け装置107が、長手方向128に溝106から落ちないように、締め付け装置107の両端部には、それぞれ、溝106を超えて突き出たカラー108が形成されている。締め付け装置107は、長手方向128に一貫して延びるセグメント形の開口部109を有している。開口部109は、ダブテール型案内部の対向案内部を形成している。本発明によれば、締め付け装置107は、回転可能に溝106の中に支承されており、主に2つの位置を取る。
【0037】
図1に示した閉鎖位置では、嵌め込まれた交換プレート101は、案内部において移動可能に保持されている。
【0038】
交換プレート101を取り外す、または上から嵌め込むことが可能な、締め付け装置107の第2の開放位置は、図3に示されている。この開放位置では、交換プレート101を嵌め込む際に、まず、図示したように、交換プレート101の一方の側を、固定した案内レール104の中に引っ掛けて、その後、下に降ろす。交換プレート101を締め付け装置107の上に載せると、締め付け装置107は、載置による力(Auflagekraft)によって閉鎖位置に回転する。
【0039】
係止装置110は、ばね111と係止球112とから構成されている。係止球112は、基板102内の穴113内に、締め付け装置107のほぼ中央に配置されていて、締め付け装置107の球状の窪み114と協働する。締め付け装置107の開放位置は、係止装置110によって、規定された位置となる。
【0040】
図1と図3との比較から明らかなように、締め付け装置107は、ばね111によって締め付け装置107の円周部に対して押さえつけられる係止球112によって負荷される。締め付け装置107の円周上には、好ましくは球状、または他の球の形の窪み114が設けられている。締め付け装置107のトルクおよび回転が伝達されることによって、係止球112がこの窪みの中に進入し、取り外し位置となることが可能である。カメラに取付けられた交換プレート101を締め付け装置107から持ち上げる際、締め付け装置107は、まだ完全に取り出し位置まで回転せず、締め付け装置107は、むしろ、窪み114の中に移動する係止球112がもたらすトルクによって、取り出し位置まで完全に回転する。この取り出し位置では、交換プレート101は、隣接する長手方向の縁部に設けられたばねによって、向きを変えることが可能であり、締め付け装置107の、補完的に形成された長手方向の溝に強く負荷をかけなくてもよい。
【0041】
締め付け装置107にはまた、固定装置115が設けられている。固定装置115は、締め付け装置107が意図せずに回転すること、およびこの回転によって交換プレート101が外れることを回避するものである。また、図4から明らかなように、基板102には、縦方向128で、締め付け装置107の隣に、スプリングピン116が配置されている。このスプリングピン116は、異なる3つの直径117,118,119を有していて、締め付け装置107のカラー108には、切込みが配置されている。締め付け装置107が閉鎖位置にある場合、この切込みは、スプリングピン116の中程度の直径を有する部分118に当接して、これにより締め付け装置107の回転運動を停止させる。内部にある別のより大きな直径117は、長手方向128でカラー108に当接して、締め付け装置107が開放位置および閉鎖位置の両方にある場合に、スプリングピン116が穴121から外れることを阻止する。固定装置115を開くには、スプリングピン116を、ばね120に抗して内側に押圧する必要がある。これによって、最も小さい直径を有する部分119が、カラーの円周と向かい合い、切込みとの係合が解除されて、締め付け装置107の回転が可能になる。交換プレート101を案内部から持ち上げることによって、締め付け装置107は、開放位置に回転する。
【0042】
ダブテール型案内部において交換プレート101が移動することを回避するために、締め付け装置107を、付加的に横方向122に運動させることも可能である。このため、溝106は、基板102の横方向122において、締め付け装置107の直径よりも幾分大きくなっており、締め付け装置107の直線的な運動が可能である。
【0043】
締め付け装置107を作動するために、操作部材123が設けられている。操作部材123は、回転可能に基板102に支承されており、締め付け装置107と協働する偏心輪124を有している。これによって、操作部材123の回転運動は、締め付け装置107の横方向の運動に変換される。
【0044】
図4から明らかなように、締め付け装置107は、操作部材が接触する領域において、円周状の球面溝125を有している。偏心輪124の円周上にも、同じく球面溝126が設けられている。球面溝126は、円周が変化するのに応じた偏心度に対応して深くなっており、締め付け装置107内の溝125と協働する。この球面溝126は、締め付け装置107が付加的に回転可能であるため、必要とされるものである。
【0045】
図示していないが、交換プレート101が誤って案内部から外れることは、別の固定ピンによって阻止されている。
【0046】
回転可能な締め付け装置107を備える保持装置100は、重たい、または、かさばる光学機器を三脚ヘッド1の上に簡単に設置することを可能にする。使用者は身をかがめる必要もないし、または、保持装置100内の案内部を手探りで探す手間をかける必要もない。また、継手球5の均一な締め付けによって、積載可能量が従来技術よりも多くなるため、本発明に係る球ヘッド2は、重たい機器を確実に収容し、ロックすることが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 三脚ヘッド
2 傾斜装置
3 軸受ケーシング
4 上端部
5 継手球
6 ねじ山付き突起部
7 滑り軸受
8 軸受面
9 締め付けリング
10 支台
11 長手方向中心軸線
12 斜面
13 対向斜面
14 ねじ山付き孔
15 ボルト15
16 外側の端部
17 ハンドル車/負荷部材
18 内側の端部
19 隙間
20 材料弱化部
21 ブシュ
22 O字型リング
23 縁部
24 ブシュ
25 ブシュ
100 保持装置
101 交換プレート
102 基板
103 長手方向の側部(固定)
104 案内レール(固定)
105 長手方向の側部
106 溝
107 締め付け装置
108 カラー
109 開口部
110 係止装置
111 ばね
112 球
113 穴
114 窪み
115 固定装置
116 スプリングピン
117 直径 大
118 直径 中
119 直径 小
120 ばね
121 穴
122 横方向
123 操作部材
124 偏心輪
125 溝 締め付け装置
126 溝 偏心器
127 ねじ山付き孔
128 長手方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玉継手を有する傾斜装置(100)を備える三脚ヘッドであって、前記玉継手が、軸受ケーシング(3)内に旋回可能に支承された継手球(5)を有しており、該継手球(5)が、軸受ケーシング(3)内の2つの滑り軸受の間に支承されていて、該2つの滑り軸受のうちの一方の滑り軸受(7)が、該滑り軸受(7)を離間させる方向で軸方向に移動可能に軸受ケーシング(3)内に支承されており、前記玉継手が、傾斜装置(100)の、互いに反対の側の両端部に位置する接続箇所の間に配置されていて、該接続箇所の一方が、カメラ、望遠鏡、双眼鏡、またはこれに類する光学機器、または保持装置に結合されているか、または結合可能であり、前記接続箇所の他方が、少なくとも1つの三脚の脚、またはこれに類する保持部に結合されているか、または結合可能である形式のものにおいて、軸受ケーシング(3)内に、斜面(12)を有する、隙間において拡張可能な締め付けリング(9)が配置されており、前記斜面(12)が、長手方向中心面に向かって、継手球(5)の方向に向かって先細りに形成されており、該斜面(12)が、軸方向に移動可能な滑り軸受(7)の、補完的に形成された対向斜面(13)と協働することを特徴とする三脚ヘッド。
【請求項2】
締め付けリング(9)が、隙間(19)のほぼ反対側に、材料弱化部(20)を有している、請求項1に記載の三脚ヘッド。
【請求項3】
負荷部材(17)が設けられており、該負荷部材(17)が、ほぼ円錐形に形成された、締め付けリング(9)の隙間(19)に係合する端部(18)を備えていて、該負荷部材(17)が、軸受ケーシング(3)のねじ山付き孔(14)内に回転可能に支承されている、請求項1または2に記載の三脚ヘッド。
【請求項4】
カメラ、望遠鏡、双眼鏡、またはこれに類する光学機器を収容するための保持装置(100)を有する三脚ヘッドであって、保持装置(100)が、交換プレート(101)と、該交換プレート(101)を移動可能に支承するための案内レール(104)を有するダブテール型案内部を備える、三脚またはこれに類する設置台に取り付けるための基板(102)と、該基板(102)と相対的に可動の、交換プレート(101)を案内レール(104)内に固定するための締め付け装置(107)とを有しており、締め付け装置(107)が、長手方向軸線を中心として回転可能に支承されていて、かつ主に2つの位置を有しており、閉鎖位置では、交換プレート(101)が、移動可能に案内部内に収容されており、開放位置では、交換プレート(101)が、収容のために解放されている形式のものにおいて、前記ダブテール型案内部の案内レール(104)が、基板(102)の長手方向の側部に形成されていて、案内レール(104)の反対側に位置する長手方向の側部(105)に、溝(106)が配置されていて、該溝(106)内に、円筒形の締め付け装置(107)が回転可能に支承されており、締め付け装置(107)が、長手方向に向けられたセグメント形の開口部(109)を有しており、該開口部(109)が、前記ダブテール型案内部の対向案内部を形成しており、締め付け装置(107)が、前記光学機器と結合可能な交換プレート(101)を載置することによって、開放位置から閉鎖位置に回転可能であることを特徴とする、三脚ヘッド。
【請求項5】
締め付け装置(107)が、交換プレート(101)を固定するために、長手方向軸線に対して横方向かつ直線状に可動に支承されており、回転可能に支承された、手動で作動するための操作部材(123)と、操作部材(123)の回転運動を締め付け装置(107)の直線運動に伝達するための手段(124)とを有している、請求項4に記載の三脚ヘッド。
【請求項6】
締め付け装置(107)に、ばねによって負荷された、意図しない回転を阻止する固定装置(115)が設けられている、請求項4または5に記載の三脚ヘッド。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の傾斜装置と、請求項4〜6のいずれか1項に記載の保持装置(100)とを備える、三脚ヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−501081(P2011−501081A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531445(P2010−531445)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【国際出願番号】PCT/EP2008/008892
【国際公開番号】WO2009/056249
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(510122094)エフエルエム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング フォト−, リヒト− ウント メステヒニッシェス ツーベヘア (1)
【氏名又は名称原語表記】FLM GmbH Foto−, Licht− und Messtechnnisches Zubehoer
【住所又は居所原語表記】Schuetzenstrasse 18, D−79312 Emmendingen, Germany