説明

上部にコンフォーマル層を有する多孔性基材を含む物品

製造物品は、入口と出口とを有する本体と、多孔性ポリマー基材が入口を出口から分離するように配置された、少なくとも1つの多孔性非セラミック基材の少なくとも一部と、を含む。多孔性非セラミック基材は、その内部表面の少なくとも一部にコンフォーマルコーティングを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は2009年9月22日出願の米国特許仮出願第61/244,696号及び同第61/244,713号の両方の利益を主張し、当該特許出願の開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、その内部表面にコンフォーマルコーティングを備える多孔性非セラミック基材を有する物品に関する。
【背景技術】
【0003】
原子層堆積(ALD)法は、もともと薄膜エレクトロルミネセンス(TFEL)フラットパネル・ディスプレイ用に開発された。ALDに対する関心は、原子レベルでそれら膜の組成及び厚さを制御して、非常に薄くて柔軟性のある膜を製造するその能力に起因して、ケイ素ベースマイクロ電子機器(ウエハ)をベースに長年にわたって著しく高まっている。ALDはまた、自己制限的で連続的な表面反応プロセスにより高アスペクト比表面をコーティングするその能力でよく知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうした高アスペクト比表面をコーティングするプロセスの能力は、反応ガスがこうした領域に拡散して、次の前駆体を加える前にこのガスが完全に放出されるのに時間が必要であるという大きな課題を抱えている。この拡散問題によって、この技術が多孔性材料へと拡張されるのが、及びALDコーティングを備えた多孔性基材を有する製品物品へと拡張されるのが、妨げられてきた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明により、多孔性基材におけるALDコーティングの使用が可能となり、このことが、更にまた、その内部表面の少なくとも一部にコンフォーマルコーティングを有する、フィルタ、抽出カラム、触媒反応体等の様々な製造物品を可能にする。一態様において、本発明は、入口と出口とを有する本体と、多孔性ポリマー基材が入口を出口から分離するように配置された、少なくとも1つの多孔性非セラミック基材の少なくとも一部と、を備える製造物品を提供する。多孔性非セラミック基材は、その内部表面の少なくとも一部にコンフォーマルコーティングを有する。第2の態様において、本発明は、その全厚さを貫通したその内部表面全てにコンフォーマルコーティングを有する多孔性非セラミック基材を備える製造物品を提供する。
【0006】
定義
本開示に関連して、用語「多孔性」とは、基材が、少なくともガスが通過することができるのに十分な開口部(即ち「細孔」)を含むことを意味する。
【0007】
用語「微小多孔性」とは、ガスが基材の細孔内を通過することができるように、基材が、1,000マイクロメートル以下の中央断面内寸(「メジアン細孔径」、例えば、円筒状細孔の場合の直径)を有する細孔を含むことを意味する。好ましい微小多孔性基材は、0.01マイクロメートル〜1,000マイクロメートル、より好ましくは0.1マイクロメートル〜100マイクロメートル、更により好ましくは0.2マイクロメートル〜20マイクロメートル、最も好ましくは0.3マイクロメートル〜3マイクロメートル、又は更に1マイクロメートルのメジアン細孔径を有する細孔を含む。本明細書を通して用いられる場合、メジアン細孔径は、ASTM規格F316−03に記載されているバブルポイント圧測定法を用いて決定された。
【0008】
用語「非多孔性」とは、基材が細孔を実質的に含まないことを意味する。
【0009】
用語「非セラミック」とは、コンフォーマルコーティングの堆積の前の基材に関し、基材が、無機金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、又はその他のセラミック物質を実質的に含まないことを意味する。好ましい「非セラミック」基材は、セラミック物質を完全に含まない、より好ましくは、繊維性有機材料(例えば、ポリマー繊維、天然繊維、炭素繊維等)から本質的になる、更により好ましくは、有機材料からのみなる。
用語「コンフォーマルコーティング」とは、下にある基材の形状に良好に接着して、これとぴったり合う材料の比較的薄いコーティングを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による物品の断面図。
【図2】実施例1の実験の間のプロセスの繰り返しの回数と比較した、基材全体の圧力低下における増加を比較したグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の物品は、非セラミック基材の内部表面の少なくとも一部の上にコンフォーマルコーティングを有する。多くの好都合な実施形態では、コンフォーマルコーティングは、少なくとも基材の全厚さを貫通した領域に適用される。好ましくは、コンフォーマルコーティングは、基材の内部表面全てに適用される。多くの好都合な実施形態では、コンフォーマルコーティングは、金属酸化物、金属窒化物、金属硫化物、又はこれらの組み合わせを含む。これらの例の金属は、様々な種類のものであってもよいが、ケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、及びイットリウムが特に適していると考えられる。好ましくは、金属は、ケイ素、チタン、又はアルミニウム、より好ましくは、金属はアルミニウムである。いくつかの好ましい実施形態では、コンフォーマルコーティングは酸化アルミニウムを含む。
【0012】
原子層制御成長技術を介して適用され得るコーティングが好ましい。コーティングのうち、かかる方法で容易に適用されるのは、二成分物質、即ち、Qの形の物質であり、Q及びRは異なる原子を表し、x及びyは、静電気的に中性の物質を反映する数字である。好適な二成分物質は、種々の無機酸化物(例えば、二酸化ケイ素、及びジルコニア、アルミナ、シリカ、酸化ホウ素、イットリア、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、TiO等などの金属酸化物など)、無機窒化物(例えば、窒化ケイ素、AlN、及びBNなど)、無機硫化物(例えば、硫化ガリウム、硫化タングステン、及び硫化モリブデンなど)、並びに無機りん酸である。更に、コバルト、パラジウム、プラチナ、亜鉛、レニウム、モリブデン、アンチモン、セレン、タリウム、クロム、プラチナ、ルテニウム、イリジウム、ゲルマニウム、及びタングステンなどの種々の金属コーティングが有用である。
【0013】
自己制限的で連続的なコーティングの適用の有用な議論は、例えば6,713,177号、同第6,913,827号、及び同第6,613,383号に見出すことができる。
【0014】
ALD反応の分野に精通している者は、上述のコンフォーマルコーティングを生成するために、第1及び第2の反応ガスのどちらが自己制限的な反応にとって適切な選択であるのかを容易に決定することができる。例えば、アルミニウム含有化合物が所望の場合、トリメチルアルミニウム又はトリイソブチルアルミニウムガスを、2種類の反応ガスの一方として使用してもよい。所望のアルミニウム含有化合物が酸化アルミニウムの場合、その繰り返しにおけるもう一方の反応ガスは、水蒸気又はオゾンであり得る。所望のアルミニウム含有化合物が窒化アルミニウムの場合、その繰り返しにおけるもう一方の反応ガスは、アンモニア又は窒素/水素プラズマであり得る。所望のアルミニウム含有化合物が硫化アルミニウムの場合、その繰り返しにおけるもう一方の反応ガスは、硫化水素であり得る。
【0015】
同様に、アルミニウム化合物の代わりにケイ素化合物がコンフォーマルコーティングにおいて望ましい場合、2種類の反応ガスの一方は、例えば、テトラメチルシラン又は四塩化ケイ素であり得る。上記で組み込まれた引例は、所望の最終結果に応じた好適な反応ガスに関する更なるガイダンスを提供する。
【0016】
議論される反応ガスを伴う単一繰り返しは、ある目的に適し得る分子層を形成することができるが、この方法の多くの有用な実施形態は、実施工程を少なくとも8回、10回、20回、又はそれ以上の繰り返しを繰り返す。各繰り返しは、コンフォーマルコーティングに厚みを加えてゆく。したがって、いくつかの実施形態では、繰り返しの回数は、多孔性非セラミック基材に所定の気孔率又は平均内部細孔径が得られるように選択される。いくつかの実施形態では、実施する繰り返しの回数を制御することによって、所望の気孔率(例えば、所望の平均内部細孔径)を達成するために、コンフォーマルコーティングを用いて多孔性非セラミック基材の気孔率を制御可能に低減する(例えば、基材の見掛け孔径を制御する)ことができる。例えば、コンフォーマルコーティングは、多孔性非セラミック基材の気孔率を5%以上、25%以上、又は更に50%以上低減することができる。同様に、基材が細孔を含む場合、コンフォーマルコーティングは、平均内部細孔径を5nm以上低減してもよい。
【0017】
ある用途では、この方法を適用する目的は、基材の内部表面上に親水性を得るためである。こうした用途では、当該工程は、例えば、72ダイン/cm(一般に用いられる親水性の定義)を目標とするような表面エネルギーが達成されるまで繰り返される。更に、出口に最も近い多孔性非セラミック基材の外部表面は、72ダイン/cmを超える表面エネルギーを有することもまた望ましくあり得、そのような場合には、当該実施工程は、目標が達成されるまで繰り返される必要がある。反対に、いくつかの特定の実施形態では、内部表面を親水性とする一方で、出口に最も近い多孔性非セラミック基材の外部表面を疎水性(例えば、72ダイン/cm未満)のままとするのが望ましい場合がある。
【0018】
本発明の物品へのコンフォーマルコーティングの適用は、基材に損傷を与えない任意の有用な温度で行われることができる。いくつかの実施形態では、この方法は、例えば、約300℃以下、約200℃以下、約70℃以下、又は更に約60℃以下の温度で行われる。
【0019】
本発明の多くの有用な実施形態では、多孔性非セラミック基材は多孔性ポリマー基材である。そのような実施形態では、第1及び第2の反応ガスの導入は、基材又は細孔の熱変形を引き起こさないように、多孔性ポリマー基材の融解温度を下回る温度で行われるのが好都合な場合が多い。例えば、本発明の方法は、基材の構造的一体性にとって望ましい場合は、例えば、300℃未満で行われることができる。
【0020】
多孔性ポリマー基材を使用する場合、熱誘起相分離(TIPS)、蒸気誘起相分離(VIPS)などの誘起相分離法、又は、米国特許出願公開第2008/0241503号に記載の相分離を誘起する共キャスティング法(co-casting method)によって多孔性にされた基材を使用することが好都合であり得る。
【0021】
ポリマー材料から多孔性基材を形成する他の方法は、本発明を用いる当業者には明らかであろう。例えば、ステッチボンドウェブ又はヒドロエンタングルド(hydro-entangled)ウェブなどの短繊維不織布、並びに、メルトブローンウェブ又はスパンボンドウェブなどのスパンレイド不織布を使用してもよい。他の用途では、天然繊維、炭素繊維、融解された金属、又はガラスなどの非ポリマー非セラミック材料が好適であり得る。
【0022】
本発明に関連して、多孔性非セラミック基材の物理トポロジーは重要でない。最終用途に応じて、多孔性非セラミック基材は、平坦、プリーツ状、管状、細い中空糸の形態、単一若しくは束にされた(potted)繊維カートリッジ、又は任意のその他の有用な形体であってもよい。
【0023】
入口と出口とを有する反応器の中で本発明に従って物品を作製する場合、少なくとも第2の多孔性非セラミック基材の少なくとも一部を、第2の多孔性非セラミック基材もまた入口を出口から分離するように配置することが可能であり、また好都合である場合がある。3つ以上の多孔性非セラミック基材を、該方法を用いて同時に成功裏に処理することができることが証明されている。
【0024】
多孔性非セラミック基材はバッチ処理で処理されることができ、又は、多孔性非セラミック基材は不定長の材料のウェブの形態であってもよく(may by)、また、位置決め手段は、ロールツーロールプロセスを可能にするタイプであり得る。かかるロールツーロールプロセスは、ステップアンドリピートタイプのものであってもよく、又は連続移動プロセスであり得る。
【0025】
該方法の1つの好都合な変形は、反応器自体が最終消費者を対象とした製品の中に組み込まれるようなバッチ反応器の中でプロセスを実行することである。例えば、反応器はフィルタ本体の形態であってもよく、フィルタ本体、及びコンフォーマルコーティングがその場で提供される多孔性非セラミックは、最終消費者に販売されるフィルタの一部であり得る。いくつかの実施形態では、複数のフィルタを、直列又は並列に接続された流路の中で同時に処理することができる。
【0026】
多くの好都合な実施形態では、多孔性非セラミック基材は、コンフォーマルコーティングがひとたび内部表面に適用されてしまえば、その最終用途に適している。しかしながら、コンフォーマルコーティングに二次加工を実施するのが有用な場合がある。二次加工は、反応器の中又は別の好都合な装置の中のいずれかで行われ得る。例えば、多孔性非セラミック基材の内側表面が親水性にされている場合でさえも、多孔性非セラミック基材の外側表面の一方又は両方を、最終的なサイズコーティングで処理して疎水性にすることができる。この技術は、例えば、液体水を通さずにガス及び水分だけを通す必要がある気管内チューブのための通気フィルタを調製するために用いられ得る。
【0027】
実施することができる別の二次加工は、コンフォーマルコーティングに化学部分をグラフトすることである。例えば、ポリエチレンイミン配位基及びビグアニド配位基から選択されるグラフト化配位基(grafted ligand group)を用いた本発明によるコンフォーマルコーティングを有する多孔性非セラミック基材を提供するために外挿することができる技術の議論は、米国特許出願公開第2010/0075131号及び同第2010/0075560号に見出すことができる。放射又は粒子エネルギーによるグラフティングを用いて、シランなどの他の有用な配位子、抗体などの生物活性部分、キレート剤、及び触媒コーティングを結合させることもまた可能である。
【0028】
本発明の方法によりコンフォーマルコーティングが施された多孔性非セラミック基材は、多くの用途に役立つ。例えば、液体及びガスの両方の濾過は、処理された基材を使用することによって促進され得る。例えば、水の濾過に関しては、多孔性フィルタ要素に親水性を提供するコンフォーマルコーティングは、抵抗を減少させて、フィルタを通る流れを促進させるように作用し得る。これは、フィルタが重力流条件下及び低圧仕様で使用される場合に特に有用である。細孔の物理的寸法及び間隔、並びにコンフォーマルコーティングは、特定の効果を得るように選択され得る。例えば、多孔性非セラミック基材は、液体が一定圧力未満で開口部を通過するのを防止することができる繊維間の間隔を有する(即ち、液体抵抗)、微細なメルトブロー繊維又はナノ繊維ウェブであり得る。
【0029】
上述のようなある種のコンフォーマルコーティングを使用して、本発明に従って作製されるフィルタ要素の中にスケール沈積が起こるのを低減することができる。これは、二次加工において、スケール物質との相溶性を低減するように設計されたコーティングを適用することによって達成され得る。銀又は他の抗菌性材料もまた、多孔性非セラミック基材の表面上に細菌膜(bio-film)が形成されかつ増殖するのを防止するのを助けるように、又は濾過される液体を処理するように、記載されているコーティングの一部に結合することができる。更に、例えば、金属酸化物コーティング自体が、二次処理なしに、かかるフィルタがより高い使用温度で作動するのを可能にして、温水又は水/蒸気を含む用途を潜在的に可能にすることができると考えられている。
【0030】
水及び水溶液以外の他の液体の濾過も同様に、本発明による処理された基材の利益を享受することができる。例えば、高い使用温度を可能にするコンフォーマルコーティングは、加熱された油の濾過を可能にすることができる。一部のコンフォーマルコーティングは、酸性又は高pH環境において耐化学性をもたらすことができる。様々な汚染化学物質を制限又は吸収して「深層濾過」を提供することができるように適合させる本発明の変更がそれぞれに与えられた数個のフィルタ要素を有するフィルタを提供することができる。
【0031】
上述の処理は、空気濾過にも役立つ。上述のように、コンフォーマルコーティングは、空気濾過用途においても同様に、高い使用温度を可能にすることができる。十分な繰り返しにより、例えば、ディーゼル排気の濾過に関して十分な耐熱性を有する空気フィルタを、本発明に従って提供することができることが考えられる。二次的な抗菌、吸着、又は触媒コーティングは、例えば、メルトブローン基材を、生物医学的用途のための又は個人的保護装置としてのマスクとしての使用に適合させることができる。例えば、ナノ金触媒は、コンフォーマルコーティングに結合されて、このコンフォーマルコーティングを保護マスクの一酸化炭素除去剤として機能させるようにすることができる。
【0032】
濾過の他に、本発明方法は、多孔性断熱材の処理に役立つ。二次加工で適用される抗菌性材料は、例えば、湿潤環境における生物学的汚染の可能性を低減することができる。十分な繰り返しにより、難燃性を有する断熱材を提供することができると考えられる。
【0033】
更に、本発明による多孔性非セラミック基材、特に二次加工で生体適合性層が付与された多孔性非セラミック基材を、種々の医学的用途用の組織スキャフォールドとして使用することができる。
【0034】
本発明による特定の多孔性非セラミック基材は、いくつかの用途に関して特に適している場合がある。例えば、親水性にされたポリフッ化ビニリデン(PVDF)は、濾過、アニオン交換膜のための基材、気管内チューブのための通気フィルタ、及び食品安全のための試料調製装置における用途に特に適している可能性があり、親水性にされたナイロンは、タンパク質精製及び浄水(例えば、4級アンモニウム塩シランの付着を介する)における用途に特に適している可能性があり、また、親水性にされた不織布は、感染予防のためのクリーニングワイプス、深層濾過、及び食品安全のための大きな(ample)調製装置などの用途に特に適している可能性がある。
【0035】
ここで図1を参照すると、本発明の物品20の断面図が示されている。図示されている物品20は、本発明に関連したバッチ処理に適しており、入口24と出口26を含む本体22を有する。入口24及び出口26は、入口24でD1の方向に導入された反応ガスが、多孔性非セラミック基材30a、30b、及び30cの一部の全てを必ず通過して、出口26に向けてD2の方向に方向付けられるように、多孔性非セラミック基材30a、30b、及び30cの3つの個別部分の対向側にある。図の実施形態では、基材30a、30b、及び30cの一部は、両面フランジ32a、32b、32c、及び32dによってそれらの縁部で好都合に把持されているが、この目的のために他の手段を用いることができることが当業者には認識されよう。
【実施例】
【0036】
本発明の目的及び利点は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に、本発明を過度に制限するものと解釈されるべきではない。
【0037】
試料の表面エネルギーの試験方法
コンフォーマル層又はコーティングを上部に有する多孔性基材のいくつかの試料を、実施例と共に以下に記載する。試料の表面エネルギーについて論じる場合、以下の方法で測定値を得た。様々な濃度のダインテスト溶液を得た。ASTM規格D−2578に準拠した30〜70ダイン/cmの濃度範囲の溶液を、Jemmco,LLC(Mequon,WI)から購入した。表1に示される量のMgCl・6HOを十分な脱イオン水と混合することによって、72〜86ダイン/cmの濃度範囲の溶液を調製し、合計で25グラムの溶液を作製した。
【0038】
【表1】

【0039】
これらのダインテスト溶液を使用して、以下の通りにテストされる必要がある基材を、ASTM規格ASTM D7541−09のセクション12に記載の落下試験に供した。
【0040】
基材Aの調製
米国特許第5,120,594号(Mrozinski)及び同第4,726,989号(Mrozinski)に概ね記載されている通りに熱誘導相分離(TIPS)法を用いて微小多孔性ポリプロピレン基材を調製した。より詳細には、核化ポリプロピレン/鉱油ブレンドを調製し、滑らかで冷却されたキャスティングホイールに押し出し、そこでこの材料は固液相分離を生じた。この材料の連続基材を収集し、1,1,1−トリクロロエタン槽を通過させて鉱油を除去した。こうして形成された微小多孔性ポリプロピレン基材は、244μm(9.6ミル)の厚さを有した。次に、微小多孔性ポリプロピレン基材をASTM規格F316−03に準拠してテストし、0.90μmのバブルポイント孔径に応じた69.7kPa(10.11psi)のイソプロピルアルコールバブルポイント圧を有することが分かった。更に、気孔率は83.3%であり、純水透過性能は477L/(m−h−kPa)であった。基材は強疎水性であり、29ダイン/cmの表面エネルギーを有していた。
【0041】
基材Bの調製
別の微小多孔性基材を、Solvay Advanced Polymers,L.L.C.(Alpharetta,GA)から商品名及び等級表示(grade designation)HALAR 902で市販のエチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)から調製した。これは、米国特許出願公開第2009/0067807号に概ね記載されているTIPSプロセスによって行われた。より詳細には、微小多孔性ECTFE材料は、水を充填した急冷槽の上に配置されたパターン化されたキャスティングホイールの上方に位置する、融解ポンプ、ネックチューブ、及びシートダイを備えた2軸押出成形機を使用して作製された。この設備を使用して、ECTFEと、希釈剤と、溶媒とを含む流延用ドープ(casting dope)を溶融押し出しに供し、このドープをキャストした後急冷し、希釈剤を除去するために溶媒洗浄し、得られた基材を48μm(1.9ミル)の最終厚さまで延伸することによって、微小多孔性ECTFE基材を作製した。次に、この微小多孔性ECTFE基材をASTM規格F316−03に準拠してテストした。0.34μmのバブルポイント孔径に応じた186.1kPa(26.99psi)のイソプロピルアルコールバブルポイント圧、65.3%の気孔率、及び48L/(m−h−kPa)の純水透過性能を有することが分かった。この膜は疎水性であり、37ダイン/cmの表面エネルギーを有していた。
【0042】
基材Cの調製
別の微小多孔性基材である不織布(メルトブロー)ポリプロピレンウェブを以下の通りに調製した。Total Petrochemical(Houston,TX)からTotal 3960として市販のポリプロピレンペレットを使用して、従来技術を用いて、具体的には、溶融ポリプロピレンを、7.6ポンド/時間の速度及び285℃(公称)の溶解温度で、Naval Research Lab(NRL)タイプの幅10インチ(25.4cm)のメルトブローダイを通して、ダイから12インチ(30.5cm)の距離に置かれた収集ドラムに向けて押し出すことにより、メルトブローウェブを形成した。得られたウェブは10フィート/分(305cm/分)で収集された。観察された坪量は67g/mであった。空気の温度及び速度を調整して、有効繊維直径(EFD)7.9ミクロンを得た。このEFDは、「The Separation of Airborne Dust and Particles,」(Institution of Mechanical Engineers,London、会報1B、1952年)に記載の方法に従って計算された。
【0043】
基材Dの調製
Fiber Materials,Inc.(Biddeford,ME)から「GRADE GH」として市販の、公称厚さが0.25インチ(6.35mm)であるグラファイトフェルトの形態の別の微小多孔性基材を得た。
【0044】
基材Eの調製
3M Company(St.Paul,MN)から「1210NC」として市販の、ガラス繊維マットの形態の別の微小多孔性基材を得た。
【0045】
反応器
図1に全体的に示されているような反応器を、Kimball Physics Inc.(Wilton,NH)からConFlat両面フランジ(600−400−D CF)として市販の、直径6インチ(15.24cm)の両面フランジを3枚使用して作製した。フランジの積層体の上流側になる方に、Kimball Physics Inc.から入手の、1/8”(0.32cm)NPT側孔を1つ有する直径6インチ(15.24cm)のConFlat Double Side Flange(600DXSP12)を1つ取り付けた。この側孔は、プロセスの間の圧力をモニタすることができるように、MKS Instruments(Andover,MA)から市販のBaratron(10torr(1.33kPa))圧力計を取り付けるために使用された。この要素の積層体の各末端部を、Kimball Physics Inc.から市販の直径6インチ(15.24cm)のConFlat Zero−Length Reducer Flange(600x275−150−0−T1)で塞いだ。積層体の接合点のそれぞれにおいて、適切な寸法の銅ガスケットを使用して良好な真空封止を形成した。
【0046】
要素のこの積層体に、最初に、直径2.75インチ(7cm)のConFlat両面フランジ(275−150−D CF)を入口側に取り付け、続いて、直径2.75インチ(7cm)の、2つの1/8”(0.32cm)NPT側孔(標準的な1つの側孔に対して2つの側孔に用に変更された275DXSP12)を備えるConFlat両面フランジを取り付け、更に引き続き直径2.75インチ(7cm)のConFlat Solid/Blankフランジを取り付けた。2つの側孔は、以下に説明するように、反応ガスを導入するために使用される。
【0047】
要素のこの積層体に、最初に、25 ISO〜275 CFのReducer(QF25X275)を出口側に取り付けた。この要素は、それ自体も25 ISO〜275 CFのReducerを備える275 ConFlat 4 way Cross(275−150−X)の底部に接続された。この方法により、試料の装填及び除去のために主要反応器本体を支持システムからより迅速に取り外すのを目的とした容易な設定が可能となった。次に、275 ConFlat 4 way Crossを、真空源及び制御装置のための仕切り弁が備え付けてある可撓性ステンレス鋼真空ホース、バイパスサンプリングを有するSRS PPR300 Residual Gas Analyzer、及び次の膜圧読み取りのためのMKS Baratron(10torr(1.33kPa))ゲージを介して、XDS−5 Scrollポンプ(洗浄機能を備えている)に接続した。1/16インチ(0.16cm)のドリルで開けられたオリフィスを有する弁付き粗/バイパスラインを、ポンピングの減速を可能にするために仕切り弁の周りに設置したが、表面処理中に反応器の圧力を大きくするのを可能にするための二次ポンプラインとしても有用であることが分かった。
【0048】
第1及び第2の反応ガスの入口には、上述のような直径2.75インチ(7cm)のConFlat両面フランジの1/8”(0.32cm)NPT側孔が配置された。第1及び第2の反応ガスをそれぞれのポートで入れることにより、入口ラインの中で生じる反応のあらゆる可能性が最小限に抑えられる。更に、第1の反応ガスの入口ラインは、ポートから出るガスの連続したポジティブフローを維持して、第1の反応ガスの供給ラインの中に第2の反応ガスが逆流しないのを確実にするために、ラインにプロセス窒素(N)を加えるのを可能にする「T字型」接続部を備えていた。
【0049】
第1及び第2の反応ガスの入口ラインの不慮の交差汚染に対する更なる保護として、第1の反応ガスのラインは、普段は閉じている弁を通って方向付けられ、第2の反応ガスのラインは、普段は開いている弁を通って方向付けられた。こうした制御ポートの2つの弁は、2つのラインが前駆体ガスを反応器に同時に加えることができないのを確実にするために、同じスイッチによって相前後して作動されるように設定された。
【0050】
ラインのそれぞれは、前駆体ガスのそれぞれの流速を正確に制御するためのSS Metering Bellows−Sealed Valveタイプのインラインニードル弁を備えた別個の弁システムによって、オンとオフとを二次的に制御された。これら絞り弁のそれぞれの上流は、Swagelok Company(Solon,OH)から316L VIM/VAR UHP Diaphragm−Sealed Valveとして市販の流速制御弁であった。これら流速制御弁のそれぞれの上流は、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)からカタログ番号Z527068として市販の、容量300mLのステンレス鋼バブラーの形態の反応ガス供給タンクであった。上述されたこの反応器/装置は、反応器及びそのガス供給の温度を制御するために、従来型の様々なバンドヒータ、加熱テープ、及びカートリッジヒータを具備していた。
【0051】
(実施例1)
反応器の両面フランジのそれぞれを使用して、上で基材Aとして記載された多孔性ポリプロピレン膜から切断されるディスクを支持した。両面接着テープでディスクを銅ガスケットに取り付け、この銅ガスケットを直径6インチ(15.24cm)のConFlat両面フランジの間の通常の封止位置に設置することによって、ディスクの3つの試料のそれぞれを反応器の中に置いた。反応器が一緒に封止されて堅く締められて反応器本体を形成すると、ConFlat両面フランジシールは膜を貫通し、従来の銅ガスケット封止機構を介して気密のシールを形成した。この封止された反応器の壁もまた、膜を定位置に保持するのを助け、また、膜の縁部を封止していかなる反応ガスが膜を迂回するのを防止した。
【0052】
膜が定位置に取り付けられた反応器は、次に、先述のように真空及びガスハンドリングシステムに取り付けられた。第1の反応ガスの供給タンクを、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)からカタログ番号257222として市販の97%のトリメチルアルミニウム(TMA)で充填した。第2の反応ガスの供給タンクを、Sigma−Aldrichからカタログ番号320072として市販のACS試薬水で充填した。このシステムを、真空バイパス弁を介して1〜10torr(0.13〜1.33kPa)の圧力まで徐々に真空にした。完全に真空に引かれると、真空システムがまだ動作している状態で、反応器をNパージで流速10〜25sccmフラッシングして、残留余剰水及び大気ガス並びに/又は汚染物質を除去した。この間に、反応器、第1及び第2の入口ライン、及びパージガスラインを加熱器で50℃に加熱した。第1のガス供給タンクも同様に30℃に加熱した。
【0053】
システムがパージされ、加熱器がそれらのそれぞれの設定点で安定した後、第1の反応ガスを第1の反応ガス供給タンクから放出した。第1の反応ガスラインのニードル弁は、ガス流が、真空システムの影響を受けて、Nの等価流速である1〜25sccmと一致して、ディスクを通って出口まで流れるように調整された。第1の反応ガスが3枚のディスクの表面を十分に飽和した後(前駆体の存在及び最後の膜を出て行く副生成物のガスの還元でRGAによって検出される)、第1の反応ガスの流れは終了し、システムを10〜25sccmの流速でNパージで再度フラッシングした。パージが完了した時点で、再び3枚のディスクが十分に飽和されるまで、第2の反応ガスを同じような方法で(異なるポートであるが)第2の供給タンクから放出した。10〜25sccmの流速でNパージによる別のフラッシングを行った。この添加サイクル(即ち、第1の反応ガス−パージ−第2の反応ガス−パージ)を継続し、ディスクは35回の繰り返しを受けた。
【0054】
各繰り返しの完了時、乾燥窒素での最終パージの終わりに、ディスクの入口側と出口側との間で反応器内圧力差が観察された。このデータを記録して、一定のガス流速で膜全体に酸化アルミニウムを添加したことにより生じたデルタ圧を決定した。半サイクルが進行したときに、プロセスガスに対する膜全体の検出可能な圧力の上昇が存在したことが判明した。このデルタ圧の上昇は、図2のグラフで示されている。
【0055】
35回の繰り返しを行った後、反応器を開き、試料Aの3枚のディスクのそれぞれの表面エネルギーを評価した。各ディスクは86ダイン/cmを超える表面エネルギーを有し、高度の親水性を示すことが判明した。
【0056】
(実施例2)
実験は、使用した基材が基材Aでなく基材Bであり、反応器、第1及び第2の入口ライン、及びパージガスラインを加熱器で60℃に加熱し、繰り返しの回数が35回でなく20回であったことを除いて、概ね実施例1の手順に従って実施された。20回の繰り返しを行った後、反応器を開き、試料Bの3枚のディスクのそれぞれの表面エネルギーを評価した。各ディスクは86ダイン/cmを超える表面エネルギーを有し、高度の親水性を示すことが判明した。
【0057】
(実施例3)
実験は、使用した基材が基材Aでなく基材Cであり、反応器、第1及び第2の入口ライン、及びパージガスラインを加熱器で60℃に加熱し、繰り返しの回数が35回でなく17回であったことを除いて、概ね実施例1の手順に従って実施された。17回の繰り返しを行った後、反応器を開き、試料Cの3枚のディスクのそれぞれの表面エネルギーを評価した。各ディスクは86ダイン/cmを超える表面エネルギーを有し、高度の親水性を示すことが判明した。
【0058】
(実施例4)
実験は、使用した基材が試料Aでなく基材Dであり、反応器を加熱器で60℃に加熱し、第1及び第2の入口ライン及びパージガスラインを加熱器で70℃に加熱し、繰り返しの回数が35回でなく20回であったことを除いて、概ね実施例1の手順に従って実施された。20回の繰り返しを行った後、反応器を開いた。基材がコーティングされたことを実証するためにX線分析を行った。
【0059】
(実施例5)
実験は、使用した基材が試料Aでなく基材Eであり、反応器を加熱器で60℃に加熱し、第1及び第2の入口ライン及びパージガスラインを加熱器で70℃に加熱し、繰り返しの回数が35回でなく20回であったことを除いて、概ね実施例1の手順に従って実施された。20回の繰り返しを行った後、反応器を開いた。基材がコーティングされたことを実証するためにX線分析を行った。
【0060】
本明細書中に引用される刊行物の完全な開示は、それぞれが個々に組み込まれたかのように、その全体が参照により組み込まれる。本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の様々な変更や改変は、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書で述べる例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではないこと、また、こうした実施例及び実施形態は、本明細書において以下に記述する「特許請求の範囲」によってのみ限定されると意図する本発明の範囲に関する例示のためにのみ提示されることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口と出口とを有する本体と、
多孔性非セラミック基材が前記入口を前記出口から分離するように配置された、少なくとも1つの前記多孔性非セラミック基材の少なくとも一部と、
を備えた製造物品であって、
前記多孔性非セラミック基材が、その内部表面の少なくとも一部にコンフォーマルコーティングを有する、製造物品。
【請求項2】
前記コンフォーマルコーティングが、少なくとも8つの分子層を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記コンフォーマルコーティングが、少なくとも20の分子層を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記コンフォーマルコーティングが、72ダイン/cmを超える表面エネルギーを有する、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記出口に最も近い前記多孔性非セラミック基材の外部表面が、72ダイン/cm未満の表面エネルギーを有する、請求項2に記載の物品。
【請求項6】
前記多孔性非セラミック基材が多孔性ポリマー基材である、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
前記多孔性ポリマー基材がTIPS基材である、請求項6に記載の物品。
【請求項8】
前記多孔性ポリマー基材が不織布基材である、請求項6に記載の物品。
【請求項9】
前記入口を前記出口から分離するように配置される、少なくとも第2の多孔性非セラミック基材も更に含む、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
前記本体が、濾過体としての機能を果たすように適合される、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
前記本体が、抽出カラムとしての機能を果たすように適合される、請求項1に記載の物品。
【請求項12】
前記コンフォーマルコーティングが、金属酸化物、金属窒化物、金属硫化物、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項13】
前記金属が、ケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、及びイットリウムからなる群から選択される、請求項12に記載の物品。
【請求項14】
前記金属が、ケイ素、チタン、及びアルミニウムからなる群から選択される、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
前記金属がアルミニウムである、請求項14に記載の物品。
【請求項16】
前記コンフォーマルコーティングが酸化アルミニウムを含む、請求項12に記載の物品。
【請求項17】
前記コンフォーマルコーティングに化学的にグラフトされた少なくとも1つの配位子で形成される流体接触層を更に含む、請求項12に記載の物品。
【請求項18】
前記配位子が、シラン、抗体などの生物活性部分、キレート剤、及び触媒コーティングからなる群から選択される、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
その全厚さを貫通したその内部表面全てにコンフォーマルコーティングを有する多孔性非セラミック基材を備える製造物品。
【請求項20】
前記コンフォーマルコーティングが外側表面にまで及ぶ、請求項19に記載の物品。
【請求項21】
前記コンフォーマルコーティングが少なくとも8つの分子層を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項22】
前記コンフォーマルコーティングが少なくとも20の分子層を有する、請求項19に記載の物品。
【請求項23】
前記コンフォーマルコーティングが、72ダイン/cmを超える表面エネルギーを有する、請求項1に記載の物品。
【請求項24】
前記多孔性非セラミック基材が多孔性ポリマー基材である、請求項19に記載の物品。
【請求項25】
前記多孔性ポリマー基材がTIPS基材である、請求項24に記載の物品。
【請求項26】
前記多孔性ポリマー基材が不織布基材である、請求項24に記載の物品。
【請求項27】
前記コンフォーマルコーティングが、金属酸化物、金属窒化物、金属硫化物、又はこれらの組み合わせを含む、請求項19に記載の物品。
【請求項28】
前記金属が、ケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、及びイットリウムからなる群から選択される、請求項27に記載の物品。
【請求項29】
前記金属が、ケイ素、チタン、及びアルミニウムからなる群から選択される、請求項28に記載の物品。
【請求項30】
前記金属がアルミニウムである、請求項29に記載の物品。
【請求項31】
前記コンフォーマルコーティングが酸化アルミニウムを含む、請求項27に記載の物品。
【請求項32】
前記コンフォーマルコーティングに化学的にグラフトされた少なくとも1つの配位子で形成される流体接触層を更に含む、請求項19に記載の物品。
【請求項33】
前記配位子が、シラン、抗体などの生物活性部分、キレート剤、及び触媒コーティングからなる群から選択される、請求項32に記載の物品。
【請求項34】
前記コンフォーマルコーティングが、前記多孔性非セラミック基材の気孔率を所定量だけ低減する、請求項19に記載の物品。
【請求項35】
前記コンフォーマルコーティングが、前記多孔性非セラミック基材の気孔率を5%以上低減する、請求項34に記載の物品。
【請求項36】
前記コンフォーマルコーティングが、前記多孔性非セラミック基材の気孔率を25%以上低減する、請求項35に記載の物品。
【請求項37】
前記コンフォーマルコーティングが、前記多孔性非セラミック基材の気孔率を50%以上低減する、請求項36に記載の物品。
【請求項38】
前記多孔性非セラミック基材が細孔を含み、前記コンフォーマルコーティングが平均内部細孔径を5nm以上低減する、請求項36に記載の物品。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−505156(P2013−505156A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530946(P2012−530946)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/049250
【国際公開番号】WO2011/037831
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】