説明

下水道空気採熱システム

【課題】 公共施設に対する悪い影響を与えることは全く考えられない、安価で維持費も殆ど掛からず、年間を通して安定した採熱が可能であり、更に経年における温度低下も考えられない下水道空気採熱システムの提供。
【解決手段】 本発明を要約すると、一般的な住宅地の道路側のどちらかの角部には、下水公共桝が埋設されている、そこに住宅から、排水管を接続している、本発明は、下水公共桝の直上流に、私設集熱桝を埋設し、その中に、防錆処理した、螺旋状の長さで集熱面積を大きくした、採熱管を取り付ける。 この採熱管に循環パイプを接続し、その熱を活用する、下水道空気採熱システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖冷房空調・給湯の用に供する、ヒートポンプの採熱システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術は、一つは外気のおんどからの採熱、二つに地中熱からの採熱の方法が一般的に採用されている、前者は温度が不安定で、効率も良いとは言えない、後者は採熱に地下ボーリングするか、ある程度の広さの地中にパイプを相当量埋設する事でコスト高と経年に於ける温度低下を招く、その為夏期に地中に加温が必要な地域もあり維持費が掛かることと、初期投資が高額になるために、原価消却に時間を要する。
下水熱を利用するシステムは特定な施設など地域的に大規模な物はあるが、一般家庭の於いて安価で、維持費など殆ど掛からない、本発明以外にはこの様なシステムはない。
本発明は熱媒を器内通過などさせていない、下水=液体には、一切触れてはいない、マンホールの外面はおろか、何れにも触れていない、又下水道の機能に悪影響を及ぼす恐れもない、下水をくみ上げる水中ポンプなどの、メンテナンス・維持費など本システムは殆ど掛からない。
本件との類似点は全くなし、下水その物との接触はなく、まして溜まり部・水中ポンプ・熱交換機などの、大がかりな装置など一切存在しない、下水道の機能低下と、この装置の維持管理は、誰の責任と維持費は誰が負担するのか、
本発明は熱利用ではなく、採熱システムにある。
本発明は下水路の外面接触、又は接近して下水熱伝利用設備に非ず、
ヒートポンプ等の吸熱側に供給する事は既成の事実であり、類似とは言えない。
浴槽・温泉・工場からの俳湯を回収して俳湯槽に貯留排熱回収回路、云々と在るが、本件はその様な大掛かりな設備は必要とせず、従い設備投資と維持費が殆ど掛ない本発明とは、まったく違い、又お湯・水等に一切触れない本件との類似点は全く無い。
下水処理施設からの処理水からの、熱交換による熱利用であり、処理施設の公共設備として利用されている例は既に在るが、本発明のような特別な設備と維持費の掛からない、一般家庭用の本件との類似点は無い。
下水処理排水を直接熱交換するために、弁を多用して、下水熱回収している、処理施設周辺での特定施設での利用に限定される、本発明との原点が全然違う、本件はあくまでも一般家庭用を主な活用用途としている。
熱源水の濾過器と、同熱源水の熱を採取する熱交換器とを一体化した構成である、逆洗浄用熱源の供給など、複雑な設備とメンテナンスと維持費を考えた場合、得られる利益より、支払う経費の方が何倍にも成ると考えられる。
前記の如く、本発明は面倒な維持管理と費用がほとんど掛からなく、その点からと水などに一切触れていない、従い類似点は無い。
最大の違いは、地中に埋め込んだ地中熱の利用にある、本発明は地中熱では無く、下水道空気採熱であり、まったく発想からして違い、類似点は無い。
【特許文献1】 特開2003−322410号公報
【特許文献2】 特開2002−310533号公報
【特許文献3】 特開2002−13105号公報
【特許文献4】 特開平11−257791号公報
【特許文献5】 特開平7−116641号公報
【特許文献6】 特開平7−139846号公報
【特許文献7】 特開2003−279296号公報
【特許文献8】 特開2003−14385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明により解決する課題は、従来活用されていない、公共施設の有効活用であり、公共施設の持つ意義に合致する、本発明システムの設置に伴い、公共施設に対して悪い影響を与えることは全く無い、安価で維持費もほとんど掛からず、年間を通して安定した採熱が可能であり、且つ経年劣化がほとんど無い、下水道空気採熱システムである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、複雑な技術と高額な設備費用を必要としない事を、趣旨としている、実行に際しても、特殊な技術を必要とせず、給排水衛生業者で可能で、従来の住宅施工工事と平行して本システムの施工が可能である、従って費用も安価である、本システムの工事に必要な設備部資材も可能な限り、現在実在する物を活用し、あえて特殊にして高額に成るような部資材は使用しない、目的は多くの人々に利用され、京都議定書の目標の達成に寄与することにあるからである。
従い本システムの実施に当たり、住宅地内の下水公共桝の、直上流に私設の断熱・保温処理をした、集熱桝を埋設しその中に、螺旋状に長さを確保し、採熱面積を大きくした採熱管を取り付ける、該集熱桝内の採熱管に保護管内の循環パイプを接続し、この循環パイプの他端をヒートポンプの一次側に接続してなる、下水道空気採熱システムである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、年間を通して安定した下水道の空気からの採熱が可能であり、極めてシンプルでありこの設備自体の維持・メンテナンス・ランニングコストは限りなく、零に近い、更にヒートポンプの高効率が期待できる(COP=4〜5)事から温室効果ガス(CO2)の排出を抑制する事が出来、地球温暖化防止のための民生部門の内、住宅の持つ社会的責任を果たし、地球環境保全に大きく貢献する、近年温暖化に伴うと思われる、異常気象及び生態系の変化が、至る所で見受けられ、感じられる。
地球環境保全は、1時間の遅れが、回復に10年を要するとも言われる、本発明の活用で一時も早く多くの人々(地球人)に協力と義務を果たして貰いたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施は、住宅等の工事で、新設にあっては、基礎の施工と相前後して、給排水・衛生工事が行われるのが一般的である、この時期に同じ業者が平行して本システムの施工が出来、基礎工事とも同時に行うことが出来るため、無駄な労力と時間を省くことにより、安価で提供が可能である。
既設の住宅等のリフォームにおいても、さほど大掛かりな工事とならず、同様に給排水・衛生業者で施工が可能である。
以下、図面に示す実施例に従って、本発明の本発明の実施形態について説明する。図−1は、本システムの構成を示す平面図であり、標準的な宅地と住宅の配置に対し、宅地の道路側角部に在る、い、の下水公共桝の直上流(住宅側)に、1、の私設集熱桝を埋設し、その中に設置した、図−2、に示す、B、の採熱管に、図−3、に示すC、の保護管内のD・E、の循環パイプを接続し、その他端を、3、のヒートポンプの一次側に引き込んで、下水道空気採熱システムを構成するものである。
【産業上の利用可能性】
【0007】
本発明は、主に一般住宅の暖冷房・給湯に供するが、採熱の場所は都市の下水道施設の在るエリアと成るが、下水道施設の無いエリアに在っては、一般的な浄化槽の処理熱から同様な方法で、又、農村地帯に在っては、堆肥の発酵熱からの採熱も可能である、用途においては、さまざま考えられるが、本発明はあくまでも、下水道空気採熱システムで在り、各分野での活用の可能性は多くあると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図−1】 本発明の実施例における、システムの平面図
【図−2】 保温・断熱集熱桝、及び採熱管の断面図
【図−3】 保温被覆循環パイプ、及び保護管と固定スペーサーの姿図
【符号の説明】
【0009】
1 施設集熱桝及び採熱管
2 保護管、及び循環パイプ
3 ヒートポンプ等
A 保温・断熱集熱桝
B 採熱管
C 保護管
D 循環パイプ(往)
E 循環パイプ(復)
F 保温被覆
G 固定スペーサー
い 下水公共桝
ろ 一般排水管(雑排水・汚水)
【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅地内の下水公共桝の直上流に、私設の保温・断熱処理を施した集熱桝を設け、該集熱桝に防錆処理を施し螺旋状に巻くことにより採熱面積を大きくした採熱管を取り付け、該採熱管と地中に埋設する循環パイプを接続し、前記集熱桝から取り出す熱をヒートポンプに接続して成る、下水道空気採熱システム。