説明

不在検知装置及び不在検知方法

【課題】不在判断について精度の向上を図ることが可能な不在検知装置及び不在検知方法を提供する。
【解決手段】不在検知装置10は、周囲の音を検出する音検出部11と、音検出部11により単位時間毎に検出された音の音圧レベルから、音圧レベル毎の発生頻度を示す検出ヒストグラムデータを演算する演算部12と、不在環境における音圧レベル毎の発生頻度を示す不在ヒストグラムデータを記憶した記憶部13と、演算部12により演算された検出ヒストグラムデータと記憶部13により記憶された不在ヒストグラムデータとを比較して、不在を判断する判定部14と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不在検知装置及び不在検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、侵入者の存在を検知する侵入者検知装置が提案されている。この侵入者検知装置は、光学素子によって検知エリア内に侵入者が存在することを検知する。また、侵入者検知装置は、検知エリア内に侵入者が存在しないにも拘わらず、侵入者が存在するという誤動作を防止するために感音手段を備えている。この侵入者検知装置は、感音手段の出力信号レベルが所定値以上となった場合、光学素子による人体の検出感度を高くして検知エリアを広げる。一方、侵入者検知装置は、感音手段の出力信号レベルが所定値未満である場合、光学素子による人体の検出感度を低くして検知エリアを狭める(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−274562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来装置では、音圧レベルと所定値とを比較するため、不在環境において所定値以上の音圧レベルが得られる場合、不在の判断について誤った判断をしてしまう可能性があった。例えば、不在環境において物が落ちた場合など、単発的に音圧レベルが所定値以上となってしまい、不在であるにも拘わらず不在でないと判断されてしまう。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、不在判断について精度の向上を図ることが可能な不在検知装置及び不在検知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の不在検知装置は、周囲の音を検出する音検出手段と、音検出手段により単位時間毎に検出された音の音圧レベルから、音圧レベル毎の発生頻度を示す検出ヒストグラムデータを演算する演算手段と、不在環境における音圧レベル毎の発生頻度を示す不在ヒストグラムデータを記憶した記憶手段と、演算手段により演算された検出ヒストグラムデータと記憶手段により記憶された不在ヒストグラムデータとを比較して、不在を判断する不在判断手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の不在検知装置において、不在判断手段は、記憶手段により記憶された不在ヒストグラムデータにおいて最も発生頻度が高い音圧レベルを背景レベルとし、演算手段により演算された検出ヒストグラムデータにおいて背景レベル以下の音圧レベルの頻度合計と背景レベルを超える音圧レベルの頻度合計との割合に基づいて、不在を判断することが好ましい。
【0008】
また、本発明の不在検知装置において、不在判断手段は、演算手段により演算された検出ヒストグラムデータの分散と記憶手段により記憶された不在ヒストグラムデータの分散とを比較して、不在を判断することが好ましい。
【0009】
また、本発明の不在検知装置において、不在判断手段は、記憶手段により記憶された不在ヒストグラムデータにおいて最も発生頻度が高い音圧レベルを背景レベルとし、演算手段により演算された検出ヒストグラムデータにおいて、背景レベルを超える音圧レベルのうち所定頻度以上の音圧レベルについて除外したうえで、不在ヒストグラムデータとを比較して、不在を判断することが好ましい。
【0010】
また、本発明の不在検知装置において、記憶手段により記憶された不在ヒストグラムデータを更新する更新手段をさらに備え、更新手段は、演算手段により演算された検出ヒストグラムデータに基づいて不在判断手段により不在と判断された場合、当該検出ヒストグラムデータを蓄積し、蓄積された検出ヒストグラムデータから不在ヒストグラムデータを演算して記憶手段に記憶させることが好ましい。
【0011】
また、本発明の不在検知方法は、周囲の音を検出する音検出工程と、音検出工程において単位時間毎に検出された音の音圧レベルから、音圧レベル毎の発生頻度を示す検出ヒストグラムデータを演算する演算工程と、演算工程において演算された検出ヒストグラムデータと、予め記憶された不在環境における音圧レベル毎の発生頻度を示す不在ヒストグラムデータとを比較して、不在を判断する不在判断工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、判断精度の向上を図ることが可能な不在検知装置及び不在検知方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る不在検出装置を含む制御システムのブロック図である。
【図2】図1に示した制御システムの設置例を示す構成図である。
【図3】ヒストグラムデータの一例を示す図である。
【図4】不在ヒストグラムデータの一例を示す図である。
【図5】検出ヒストグラムデータの一例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る不在検知方法を示すフローチャートであって、在及び不在の判断処理を示している。
【図7】本実施形態に係る不在検知方法を示すフローチャートであって、不在ヒストグラムデータの更新処理を示している。
【図8】第2実施形態に係る不在検知方法を示すフローチャートであって、在及び不在の判断処理を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る不在検出装置を含む制御システムのブロック図であり、図2は、図1に示した制御システムの設置例を示す構成図である。
【0015】
図1に示すように、制御システム1は、家庭等に設置される各種機器30を制御するものであって、不在検知装置10と、制御装置20と、各種機器30とから構成されている。
【0016】
不在検知装置10は、家庭等においてユーザの在及び不在を検知するものである。制御装置20は、不在検知装置10からの検知結果に基づいて、各種機器30を制御するものである。例えば、制御装置20は、ユーザが不在の場合に各種機器30の電源をオフし、ユーザが在の場合に各種機器30の電源をオンする。また、第1機器31は例えば図2に示すようにテレビであり、第2機器32はエアコンであり、第3機器33は照明装置である。
【0017】
不在検知装置10は、音検出部(音検出手段)11と、演算部(演算手段)12と、記憶部(記憶手段)13と、判定部(不在判断手段)14と、更新部(更新手段)15とを備えている。
【0018】
音検出部11は周囲の音を検出するものである。この音検出部11は、例えば図2に示すようにマイクによって構成され、壁面等に埋め込み方式で設置されている。演算部12は、音検出部11により検出された音の音圧レベルから、ヒストグラムデータを演算して求めるものである。
【0019】
図3は、ヒストグラムデータの一例を示す図である。図3に示すように、ヒストグラムデータは、音圧レベル毎の発生頻度を度数で表わしたものである。このようなヒストグラムデータを演算するにあたり、演算部12は、音検出部11により単位時間で検出された音の音圧レベルを認識する。そして、演算部12は、その音圧レベルが5dB単位で何処のグループに属するかを判断する。演算部12は、属するグループについて度数を「1」だけ加算する。演算部12は、単位時間毎に上記を繰り返すことにより、ヒストグラムデータを演算する。
【0020】
再度、図2を参照する。記憶部13は、不在環境における音圧レベル毎の発生頻度を示すヒストグラムデータを記憶したものである。ここで、記憶部13に記憶されるヒストグラムデータを、不在ヒストグラムデータと称する。また、演算部12により演算されたヒストグラムデータを、検出ヒストグラムデータと称する。
【0021】
判定部14は、検出ヒストグラムデータと不在ヒストグラムデータとを比較することにより、不在を判断するものである。ここで、ヒストグラムデータは、音圧レベルとその発生頻度とを示すものであり、音環境を詳細に表わしたものである。このため、判定部14は、検出ヒストグラムデータと不在ヒストグラムデータとを比較することで、現在の音環境と不在環境における音環境とを比較することとなる。このように、ヒストグラムデータという音圧レベル毎の発生頻度を比較することにより、単発的に音圧レベルが所定値以上となって在と判断されてしまう事態を抑制することができる。
【0022】
詳細に説明すると、判定部14は、背景レベルを求める。ここで、背景レベルとは、記憶部13により記憶された不在ヒストグラムデータにおいて最も発生頻度が高い音圧レベルをいう。図4は、不在ヒストグラムデータの一例を示す図である。図4に示すように、最も発生頻度が高い音圧レベルは、40〜45dBである。このため、判定部14は、図4に示す例の場合、40〜45dBが背景レベルであると判断する。
【0023】
また、判定部14は、演算部12により演算された検出ヒストグラムデータにおいて背景レベル以下の音圧レベルの頻度合計と背景レベルを超える音圧レベルの頻度合計との割合に基づいて、不在を判断する。具体的に判定部14は、検出ヒストグラムデータにおいて背景レベル以下の音圧レベルの頻度合計が、背景レベルを超える音圧レベルの頻度合計よりも大きい場合に在を判断し、そうでない場合に不在と判断する。
【0024】
ここで、在及び不在の判断の一例について説明する。まず、図3に示したヒストグラムデータが検出ヒストグラムデータであるとする。この場合、背景レベル以下の音圧レベルは、40〜45dBのみである。これに対し、背景レベルを超える音圧レベルは、45〜50dB、50〜55dB、及び、55〜60dBが該当する。図3の例によると、40〜45dBのみの度数合計よりも45〜50dB、50〜55dB、及び、55〜60dBの度数合計の方が大きい。よって、図3に示す例の場合、判定部14は、在と判断することとなる。
【0025】
このように、判定部14は割合により在及び不在を判断するため、単発的な音圧レベルの上昇によって誤った判断をしてしまうことを一層抑制することができる。
【0026】
さらに、判定部14は、不適切な音圧レベルについて検出ヒストグラムデータから除外する。不適切な音圧レベルとは、例えば周囲で工事などの大きな雑音が発生している場合などに発生する。このように、突発的に発生した音については除外した方が不在判断について適切に判断できることとなる。
【0027】
具体的に判定部14は、演算部12により演算された検出ヒストグラムデータにおいて、背景レベルを超える音圧レベルのうち所定頻度以上の音圧レベルについて除外する。図5は、検出ヒストグラムデータの一例を示す図である。図5に示す検出ヒストグラムデータにおいて、背景レベルは40〜45dBであるとする。このため、判定部14は、背景レベルを超える45dB以上の音圧レベルにおいて所定度数以上の音圧レベルがあるか判断する。図5に示す例では、55〜60dBの音圧レベルが所定度数以上であるため、判定部14は、55〜60dBの音圧レベルを除外することとなる。
【0028】
再度、図1を参照する。更新部15は、記憶部13に記憶される不在ヒストグラムデータを更新するものである。この更新部15は、検出ヒストグラムデータに基づいて不在と判断された場合、その検出ヒストグラムデータに基づいて不在ヒストグラムデータを更新する。詳細に説明すると、更新部15は、不在と判断された場合の検出ヒストグラムデータを蓄積していく。そして、更新部15は、蓄積数がある一定値(例えば1時間分)に達した場合、蓄積されたヒストグラムデータの平均等により、不在ヒストグラムデータを算出する。その後、更新部15は、算出した不在ヒストグラムデータを記憶部13に記憶させる。なお、不在ヒストグラムデータは、平均により算出する場合に限らず、他の方法によって算出してもよい。
【0029】
このように、更新部15は、不在時における検出ヒストグラムデータを蓄積して更新するため、装置10の設置環境に相違があったとしても、不在ヒストグラムデータはその設置環境にあったものに更新されていくこととなる。
【0030】
次に、本実施形態に係る不在検知方法について説明する。図6は、本実施形態に係る不在検知方法を示すフローチャートであって、在及び不在の判断処理を示している。図6に示すように、まず、演算部12は、音検出部11により単位時間毎に検出された音の音圧レベルから、検出ヒストグラムデータを演算する(S1)。
【0031】
次に、判定部14は、不在ヒストグラムデータから背景レベルを特定し、背景レベルを超える音圧レベルのうち所定度数以上の音圧レベルがあるか否かを判断する(S2)。所定度数以上の音圧レベルがないと判断した場合(S2:NO)、処理はステップS4に移行する。一方、所定度数以上の音圧レベルがあると判断した場合(S2:YES)、判定部14は、その音圧レベルについて検出ヒストグラムデータから削除する(S3)。そして、処理はステップS4に移行する。
【0032】
ステップS4において判定部14は、背景レベル以下の音圧レベルの合計度数が、背景レベルを超える音圧レベルの合計度数よりも大きいか否かを判断する(S4)。背景レベルを超える音圧レベルの合計度数よりも大きいと判断した場合(S4:YES)、判定部14は、不在であると判断し(S5)、処理はステップS7に移行する。一方、背景レベルを超える音圧レベルの合計度数よりも大きくないと判断した場合(S4:NO)、判定部14は、在であると判断し(S6)、処理はステップS7に移行する。
【0033】
ステップS7において判定部14は、在及び不在の判定結果、及び、検出ヒストグラムデータを送信する(S7)。このとき、判定部14は、更新部15に対し、判定結果及び検出ヒストグラムデータを送信し、制御装置20に対し、判定結果を送信する。その後、図6に示す処理は終了する。
【0034】
図7は、本実施形態に係る不在検知方法を示すフローチャートであって、不在ヒストグラムデータの更新処理を示している。図7に示すように、まず、更新部15は、判定部14から送信された判定結果が不在であるか否かを判断する(S11)。不在でないと判断した場合(S11:NO)、図7に示す処理は終了する。
【0035】
一方、不在であると判断した場合(S11:YES)、更新部15は、検出ヒストグラムデータを蓄積し(S12)、1時間分の検出ヒストグラムデータが蓄積されたか否かを判断する(S13)。1時間分の検出ヒストグラムデータが蓄積されていないと判断した場合(S13:NO)、図7に示す処理は終了する。
【0036】
一方、1時間分の検出ヒストグラムデータが蓄積されたと判断した場合(S13:YES)、更新部15は、不在ヒストグラムデータを算出し(S14)、記憶部13に記憶させて不在ヒストグラムデータを更新する(S15)。その後、図7に示す処理は終了する。
【0037】
このようにして、本実施形態に係る不在検知装置10及び不在検出方法によれば、単位時間毎に検出された音の音圧レベルから、音圧レベル毎の発生頻度を示す検出ヒストグラムデータを演算するため、音圧レベルとその発生頻度との音環境を詳細に求めることとなる。また、検出ヒストグラムデータと、不在環境における音圧レベル毎の発生頻度を示す不在ヒストグラムデータとを比較して、不在を判断する。このため、明らかとなった音環境と、不在環境における音環境とを比較することとなる。このように、ヒストグラムデータという音圧レベル毎の発生頻度を比較することにより、単発的に音圧レベルが所定値以上となって在と判断されてしまう事態を抑制することができる。従って、不在判断について精度の向上を図ることができる。
【0038】
また、演算された検出ヒストグラムデータにおいて背景レベル以下の音圧レベルの頻度合計と背景レベルを超える音圧レベルの頻度合計との割合に基づいて、不在を判断する。このように、割合に基づいて判断することで、一層単発的な音圧レベルの上昇によって誤った判断をしてしまうことを抑制することができる。従って、不在判断について一層精度の向上を図ることができる。
【0039】
また、記憶された不在ヒストグラムデータにおいて最も発生頻度が高い音圧レベルを背景レベルとし、演算された検出ヒストグラムデータにおいて、背景レベルを超える音圧レベルのうち所定頻度以上の音圧レベルについて除外したうえで、不在を判断する。このため、周囲で工事などの大きな雑音が発生している場合など、その音圧レベルに基づいて不在にも拘わらず在と判断されてしまう事態を抑制することができる。従って、不在判断について一層精度の向上を図ることができる。
【0040】
また、不在と判断された場合、検出ヒストグラムデータを蓄積し、蓄積された検出ヒストグラムデータから不在ヒストグラムデータを演算して記憶させる。このように、不在時における検出ヒストグラムデータを蓄積して更新するため、装置10の設置環境に相違があったとしても、不在ヒストグラムデータはその設置環境にあったものに更新されていくこととなる。従って、不在判断について一層精度の向上を図ることができる。
【0041】
次に、第2実施形態に係る不在検知装置10及び不在検知方法について説明する。第2実施形態に係る不在検知装置10は、第1実施形態のものと同様であるが、判定部14の在及び不在の判断方法が異なっている。以下、第1実施形態との相違点のみを説明する。
【0042】
図1に示す判定部14は、演算部12により演算された検出ヒストグラムデータの分散と、記憶部13により記憶された不在ヒストグラムデータの分散とを比較して、不在を判断する。より詳細に、判定部14は、検出ヒストグラムデータの分散が、不在ヒストグラムデータの分散よりも大きい場合に、在であると判断する。ここで、分散が大きい場合とは、多様なレベルの音が入力されたといえ、在環境である可能性が高い。また、分散を採用することから、単発的な音圧レベルの上昇によって誤った判断をしてしまうことを一層抑制することができる。
【0043】
次に、第2実施形態に係る不在検知方法について説明する。図8は、第2実施形態に係る不在検知方法を示すフローチャートであって、在及び不在の判断処理を示している。図8に示すように、まず、ステップS21〜S23において図6に示したステップS1〜S3と同様の処理が実行される。
【0044】
次に、判定部14は、検出ヒストグラムデータの分散が不在ヒストグラムデータの分散よりも大きいか否かを判断する(S24)。検出ヒストグラムデータの分散が不在ヒストグラムデータの分散よりも大きいと判断した場合(S24:YES)、判定部14は、在であると判断し(S25)、処理はステップS27に移行する。一方、検出ヒストグラムデータの分散が不在ヒストグラムデータの分散よりも大きくないと判断した場合(S24:NO)、判定部14は、不在であると判断し(S26)、処理はステップS27に移行する。そして、ステップS27において判定部14は、在及び不在の判定結果、及び、検出ヒストグラムデータを送信する(S27)。その後、図8に示す処理は終了する。
【0045】
このようにして、本実施形態に係る不在検知装置10及び不在検知方法によれば、第1実施形態と同様に、不在判断について精度の向上を図ることができる。
【0046】
さらに、第2実施形態によれば、演算された検出ヒストグラムデータの分散と記憶された不在ヒストグラムデータの分散とを比較して、不在を判断する。ここで、分散が大きいということは、多様なレベルの音が入力されたといえ、在環境である可能性が高い。また、分散を採用することから、単発的な音圧レベルの上昇によって誤った判断をしてしまうことを一層抑制することができる。従って、不在判断について一層精度の向上を図ることができる。
【0047】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、各実施形態を組み合わせてもよい。
【0048】
例えば、上記実施形態において不在検知装置10は、各種機器30を制御する制御システム1の一部として用いられているが、これに限らず、防犯システム等に用いられてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1…制御システム
10…不在検知装置
11…音検出部(音検出手段)
12…演算部(演算手段)
13…記憶部(記憶手段)
14…判定部(不在判断手段)
15…更新部(更新手段)
20…制御装置
30…各種機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲の音を検出する音検出手段と、
前記音検出手段により単位時間毎に検出された音の音圧レベルから、音圧レベル毎の発生頻度を示す検出ヒストグラムデータを演算する演算手段と、
不在環境における音圧レベル毎の発生頻度を示す不在ヒストグラムデータを記憶した記憶手段と、
前記演算手段により演算された検出ヒストグラムデータと前記記憶手段により記憶された不在ヒストグラムデータとを比較して、不在を判断する不在判断手段と、
を備えることを特徴とする不在検知装置。
【請求項2】
前記不在判断手段は、前記記憶手段により記憶された不在ヒストグラムデータにおいて最も発生頻度が高い音圧レベルを背景レベルとし、前記演算手段により演算された検出ヒストグラムデータにおいて前記背景レベル以下の音圧レベルの頻度合計と前記背景レベルを超える音圧レベルの頻度合計との割合に基づいて、不在を判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の不在検知装置。
【請求項3】
前記不在判断手段は、前記演算手段により演算された検出ヒストグラムデータの分散と前記記憶手段により記憶された不在ヒストグラムデータの分散とを比較して、不在を判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の不在検知装置。
【請求項4】
前記不在判断手段は、前記記憶手段により記憶された不在ヒストグラムデータにおいて最も発生頻度が高い音圧レベルを背景レベルとし、前記演算手段により演算された検出ヒストグラムデータにおいて、背景レベルを超える音圧レベルのうち所定頻度以上の音圧レベルについて除外したうえで、前記不在ヒストグラムデータとを比較して、不在を判断する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の不在検知装置。
【請求項5】
前記記憶手段により記憶された不在ヒストグラムデータを更新する更新手段をさらに備え、
前記更新手段は、前記演算手段により演算された検出ヒストグラムデータに基づいて前記不在判断手段により不在と判断された場合、当該検出ヒストグラムデータを蓄積し、蓄積された検出ヒストグラムデータから前記不在ヒストグラムデータを演算して前記記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の不在検知装置。
【請求項6】
周囲の音を検出する音検出工程と、
前記音検出工程において単位時間毎に検出された音の音圧レベルから、音圧レベル毎の発生頻度を示す検出ヒストグラムデータを演算する演算工程と、
前記演算工程において演算された検出ヒストグラムデータと、予め記憶された不在環境における音圧レベル毎の発生頻度を示す不在ヒストグラムデータとを比較して、不在を判断する不在判断工程と、
を有することを特徴とする不在検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−204076(P2011−204076A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71628(P2010−71628)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】