説明

与信審査システム、与信審査方法、携帯型情報処理装置、及びコンピュータプログラム

【課題】 決済額の多寡に関わらず、携帯型情報処理装置を用いてクレジットカード決済の与信審査を行うことができる与信審査システム及び与信審査方法、並びにそのシステムに用いられる携帯型情報処理装置及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】
カードシステムCに設けられた与信情報送信装置1から携帯型電話機3に対して、クレジットカードの利用状況を示すカード利用状況情報が送信される。また、店舗端末4から携帯型電話機3に対して、クレジットカード決済の与信に係る利用金額を含む与信審査用情報が送信される。携帯型電話機3は、クレジットカードに関するカード情報を記憶しており、与信情報送信装置1から受信したカード利用状況情報に基づいて、前記カード情報を更新し、その更新したカード情報と店舗端末4から受信した与信審査用情報とに基づいて、クレジットカード決済の与信審査処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットカード決済の与信審査処理を行う与信審査システム、与信審査方法、携帯型情報処理装置、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカードの利便性を高めるために、携帯型電話機等を利用してクレジットカード決済の与信審査を行う技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、携帯端末とクレジットカード管理サーバとを備え、事前に携帯端末より有効期間及び利用限度額を設定してクレジットカード会社の与信を取得しておき、その情報を携帯端末及びクレジットカード管理サーバの双方で保持し、その有効期間及び利用限度額の範囲内の決済についてはこれらの携帯端末及びクレジットカード管理サーバで与信審査を行う与信審査システムが提案されている。
【0003】
上述したとおり、特許文献1に開示されている与信審査システムの場合、事前に設定された有効期間及び利用限度額の範囲内の決済については、クレジットカード会社側に問い合わせることなく、携帯端末及びクレジットカード管理サーバのみで与信審査処理を行うことができる。したがって、小額決済については、携帯端末及びクレジットカード管理サーバのみによる与信審査処理で足りるため迅速な処理を実現でき、しかも、クレジットカード会社側の与信照会システムでの処理が不要となるため、当該与信照会システムの負荷を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−48507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の与信審査ステムの場合、予め設定した利用限度額を超える決済、すなわち高額決済については、携帯端末及びクレジットカード管理サーバのみによる与信審査処理では対応することができず、通常の場合と同様に与信照会システムへの問い合わせが発生することになる。したがって、利用者は、小額決済については携帯端末を用いる一方で、高額決済についてはクレジットカードを用いる必要があるため、決済額に応じて使い分けをしなければならないという問題があった。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、決済額の多寡に関わらず、携帯型電話機等の携帯型情報処理装置を用いて与信審査を行うことができる与信審査システム及び与信審査方法、並びにその携帯型情報処理装置及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の与信審査システムは、クレジットカードの利用者が携帯する携帯型情報処理装置と、当該携帯型情報処理装置と通信可能に接続されるクレジットカード会社側のカードシステムと、クレジットカードが利用可能な店舗に設けられる店舗端末とを備え、クレジットカード決済の与信審査を行う与信審査システムにおいて、前記カードシステムが、クレジットカードの利用状況を示すカード利用状況情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するカード利用状況情報送信手段を具備し、前記店舗端末が、クレジットカード決済の与信を行う場合に、当該与信に係る利用金額を含む与信審査用情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信する与信審査用情報送信手段を具備し、前記携帯型情報処理装置が、クレジットカードに関するカード情報を記憶するカード情報記憶部と、前記カードシステムから受信したカード利用状況情報に基づいて、前記カード情報記憶部に記憶されているカード情報を更新するカード情報更新手段と、前記カード情報更新手段によって更新されたカード情報及び前記店舗端末から受信した与信審査用情報に基づいて、クレジットカード決済の与信審査処理を実行する与信審査処理手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
この態様において、前記カード利用状況情報送信手段が、前記店舗の周辺に設けられた無線アクセスポイントを介して前記カード利用状況情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0009】
また、前記態様において、前記カード利用状況情報送信手段が、クレジットカードの決済状況を含むカード利用状況情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0010】
また、前記態様において、前記カード利用状況情報送信手段が、クレジットカードの事故に関するカード事故情報を含むカード利用状況情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0011】
また、前記態様において、前記店舗端末が、前記利用者の生体情報を取得する生体情報取得手段を更に具備し、前記与信審査用情報送信手段が、前記生体情報取得手段によって取得された生体情報を含む与信審査用情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するように構成されており、前記携帯型情報処理装置が、前記利用者の生体情報を記憶する生体情報記憶部を更に具備し、前記与信審査処理手段が、前記店舗端末から受信した与信審査用情報に含まれる生体情報と前記生体情報記憶部に記憶されている生体情報との照合結果に基づいて、前記与信審査処理を実行するように構成されていてもよい。
【0012】
また、前記態様において、前記与信用情報送信手段が、前記店舗を識別するための店舗識別情報を含む与信審査用情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するように構成されており、前記携帯型情報処理装置が、前記クレジットカード会社の加盟店を識別するための加盟店識別情報を記憶する加盟店識別情報記憶部を更に具備し、前記与信審査処理手段が、前記店舗端末から受信した与信審査用情報に含まれる店舗識別情報と前記加盟店識別情報記憶部に記憶されている加盟店識別情報とに基づいて、前記店舗が前記加盟店であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて、前記与信審査処理を実行するように構成されていてもよい。
【0013】
本発明の一の態様の与信審査方法は、クレジットカードの利用者が携帯する携帯型情報処理装置と、当該携帯型情報処理装置と通信可能に接続されるクレジットカード会社側のカードシステムと、クレジットカードが利用可能な店舗に設けられる店舗端末とを用いて、クレジットカード決済の与信審査を行う与信審査方法において、前記カードシステムが、クレジットカードの利用状況を示すカード利用状況情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するカード利用状況情報送信工程を実行し、前記店舗端末が、 クレジットカード決済の与信を行う場合に、当該与信に係る利用金額を含む与信審査用情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信する与信審査用情報送信工程を実行し、前記携帯型情報処理装置が、クレジットカードに関するカード情報を記憶するカード情報記憶部を具備しており、前記カードシステムから受信したカード利用状況情報に基づいて、前記カード情報記憶部に記憶されているカード情報を更新するカード情報更新工程と、前記カード情報更新手段によって更新されたカード情報及び前記店舗端末から受信した与信審査用情報に基づいて、クレジットカード決済の与信審査処理を実行する与信審査処理工程とを実行することを特徴とする。
【0014】
この態様の前記カード利用状況情報送信工程において、前記カードシステムが、前記店舗の周辺に設けられた無線アクセスポイントを介して前記カード利用状況情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するようにしてもよい。
【0015】
また、前記態様の前記カード利用状況情報送信工程において、前記カードシステムが、クレジットカードの決済状況を含むカード利用状況情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するようにしてもよい。
【0016】
また、前記態様の前記カード利用状況情報送信工程において、前記カードシステムが、クレジットカードの事故に関するカード事故情報を含むカード利用状況情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するようにしてもよい。
【0017】
本発明の一の態様の携帯型情報処理装置は、クレジットカードの利用者が携帯する携帯型情報処理装置において、クレジットカードに関するカード情報を記憶するカード情報記憶部と、クレジットカード会社側のカードシステムから、クレジットカードの利用状況を示すカード利用状況情報を受信するカード利用状況情報受信手段と、前記カード利用状況情報受信手段によって受信されたカード利用状況情報に基づいて、前記カード情報記憶部に記憶されているカード情報を更新するカード情報更新手段と、クレジットカードが利用可能な店舗に設けられる店舗端末から、クレジットカード決済の与信を行う場合に、当該与信に係る利用金額を含む与信審査用情報を受信する与信審査用情報受信手段と、前記カード情報更新手段によって更新されたカード情報及び前記店舗端末から受信した与信審査用情報に基づいて、クレジットカード決済の与信処理を実行する与信処理手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の一の態様のコンピュータプログラムは、クレジットカードに関するカード情報を記憶するカード情報記憶部を備える携帯型情報処理装置を、クレジットカード会社側のカードシステムから、クレジットカードの利用状況を示すカード利用状況情報を受信するカード利用状況情報受信手段と、前記カード利用状況情報受信手段によって受信されたカード利用状況情報に基づいて、前記カード情報記憶部に記憶されているカード情報を更新するカード情報更新手段と、クレジットカードが利用可能な店舗に設けられる店舗端末から、クレジットカード決済の与信を行う場合に、当該与信に係る利用金額を含む与信審査用情報を受信する与信審査用情報受信手段と、前記カード情報更新手段によって更新されたカード情報及び前記店舗端末から受信した与信審査用情報に基づいて、クレジットカード決済の与信処理を実行する与信処理手段として機能させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る与信審査システム、与信審査方法、携帯型情報処理装置、及びコンピュータプログラムによれば、決済額の多寡に関わらず携帯型情報処理装置を用いて与信審査処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る与信審査システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係る与信情報送信装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施の形態に係る携帯型電話機の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施の形態に係る携帯型電話機に設けられているカード情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係る携帯型電話機に設けられている加盟店情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図6】本発明の実施の形態に係る携帯型電話機に設けられている取引明細情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図7A】本発明の実施の形態の与信審査システムにおいて実行される与信審査処理の手順を示すフローチャート。
【図7B】本発明の実施の形態の与信審査システムにおいて実行される与信審査処理の手順を示すフローチャート。
【図8】本発明の実施の形態の与信審査システムにおいて実行される引き落とし情報送受信処理の手順を示すフローチャート。
【図9】本発明の実施の形態の与信審査システムにおいて実行される事故情報送受信処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0022】
[与信審査システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る与信審査システムの構成を示すブロック図である。図1に示すとおり、本実施の形態の与信審査システムは、クレジットカード会社側に設けられているカードシステムCと、各クレジットカード会員(以下、「カード会員」という)が携帯する携帯型情報処理装置である携帯型電話機3と、クレジットカードが利用可能な店舗に設けられたPOS(Point Of Sale)端末である店舗端末4とを備えている。カードシステムCには、クレジットカードの利用状況等に関する情報であって、与信審査に用いられる与信情報を携帯型電話機3に対して送信する与信情報送信装置1と、店舗端末4から店舗精算情報を取得し、その店舗精算情報に基づいて、決済処理を行うための決済情報を生成する店舗精算システム2とが設けられている。与信情報送信装置1と携帯型電話機3とは、モバイルネットワークN1を介して通信可能に接続されている。また、店舗精算システム2と店舗端末4とは、専用線ネットワークN2を介して通信可能に接続されている。
【0023】
上述したとおり、本実施の形態では、カード会員が携帯する携帯型情報処理装置として携帯型電話機3を例示しているが、PDA(Personal Digital Assistant)及び携帯型音楽プレーヤー等のその他の携帯型情報処理装置(無線LAN等の接続が可能なもの)を用いるようにしてもよい。
【0024】
[与信情報送信装置の構成]
以下、上述した与信情報送信装置1の詳細な構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る与信情報送信装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すとおり、コンピュータ(与信情報送信装置)1は、CPU10、ROM11、RAM12、ハードディスク13、及び通信インタフェース(I/F)14を備えており、これらのCPU10、ROM11、RAM12、及び通信I/F14は、バス15によって接続されている。
【0025】
CPU10は、RAM12にロードされた各種のコンピュータプログラムを実行する。これにより、コンピュータ1が本実施の形態の与信情報送信装置1として機能することになる。
【0026】
ROM11は、マスクROM、PROM、EPROM(Erasable PROM)又はEEPROM(Electrically Erasable PROM)等によって構成されており、CPU10にて実行されるコンピュータプログラム及びその実行の際に用いられるデータ等が記憶されている。
【0027】
RAM12は、SRAM又はDRAMなどによって構成されている。このRAM12は、ハードディスク13に記憶されている各種のコンピュータプログラムの読み出し等に用いられる。また、CPU10が各種のコンピュータプログラムを実行するときに、CPU10の作業領域としても利用される。
【0028】
ハードディスク13には、CPU10に実行させるための各種のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータ等が予めインストールされている。また、このハードディスク13には、カード会員に関する会員情報が格納される会員情報データベース(DB)13Aと、クレジットカードの加盟店に関する加盟店情報が格納される加盟店情報データベース(DB)13Bと、クレジットカードの決済に関する決済情報が格納される決済情報データベース(DB)13Cと、クレジットカードの事故に関する事故情報が格納される事故情報データベース(DB)13Dとが設けられている。これらの各データベースの詳細については後述する。
【0029】
また、ハードディスク13には、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、各種のコンピュータプログラムが当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0030】
さらに、ハードディスク13には、携帯型電話機3にて実行されるコンピュータプログラムである与信審査プログラム13Eが記憶されている。与信情報送信装置1は、与信審査プログラム13Eを新たなバージョンが完成する都度等の適宜のタイミングで携帯型電話機3に対して送信する。
【0031】
通信I/F14は、モバイルネットワークN1を介して与信情報送信装置1が外部の装置と通信するためのインタフェース装置である。与信情報送信装置1は、この通信I/F14を介して、携帯型電話機3に対して各種のデータを送信する。
【0032】
以下、ハードディスク13に設けられている各データベースの詳細について説明する。
(A)会員情報DB13A
会員情報DB13Aに格納される会員情報には、クレジットカードを識別するためのカード番号、クレジットカードの種別及び有効期限、カード会員の氏名及び連絡先、家族会員の有無及びその詳細、並びにカード会員が携帯する携帯型電話機3宛にモバイルネットワークN1を介して各種の情報を送信する場合に用いられる送信先アドレス等が含まれている。
【0033】
(B)加盟店情報DB13B
加盟店情報DB13Bに格納される加盟店情報には、クレジットカード会社との間で加盟店契約が締結されている店舗の店舗店及びその店舗に設けられている店舗端末を識別するための識別情報、並びにその店舗の連絡先等の情報が含まれている。なお、この加盟店情報DB13Bに格納される加盟店情報は、後述するように携帯型電話機3に設けられている加盟店情報データベースに格納される加盟店情報と同様の内容である。
【0034】
(C)決済情報DB13C
決済情報DB13Cに格納される決済情報には、カード会員の取引金融機関の口座から決済金額が引き落とされたか否かを示す情報、並びに引き落とされた場合の引き落とし日及び引き落とし額等が含まれている。与信情報送信装置1は、カードシステムCに備えられている決済システム(図示せず)から上記の決済情報を取得し、決済情報DB13Cに蓄積する。
【0035】
(D)事故情報DB13D
事故情報DB13Dに格納される事故情報には、クレジットカードの不正利用、盗難、及び紛失等に関する情報が含まれている。与信情報送信装置1は、カードシステムCに備えられている事故情報システム(図示せず)から上記の事故情報を取得し、事故情報DB13Dに蓄積する。
【0036】
[携帯型電話機の構成]
次に、携帯型電話機3の詳細な構成について説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る携帯型電話機3の構成を示すブロック図である。図3に示すとおり、携帯型電話機3は、制御部30と、この制御部30に接続されたメモリ31、RF(Radio Frequency)部32、入力部34、ディスプレイ35、音声入力部36、カメラ部37、及びICチップ38とを備えている。
【0037】
制御部30は、当該制御部30に接続されている各デバイスの動作を制御し、また、メモリ31に格納されているコンピュータプログラムを実行する。このメモリ31に格納されているコンピュータプログラムには、与信情報送信装置1からダウンロードされた与信審査プログラム13Eが含まれている。また、メモリ31には、携帯型電話機3を所有するカード会員及びその家族会員のクレジットカードに関するカード情報が格納されるカード情報データベース(DB)31Aと、クレジットカードの加盟店に関する加盟店情報が格納される加盟店情報データベース(DB)31Bと、携帯型電話機3にて与信審査を行った結果に関する取引明細情報が格納される取引明細情報データベース(DB)31Cとが設けられている。これらの各データベースの詳細については後述する。
【0038】
さらに、メモリ31には、携帯型電話機3を所有するカード会員の生体情報31Dが格納されている。この生体情報31Dは、生体認証においてテンプレートとして用いられる情報であり、当該カード会員の指紋、静脈、虹彩、及び声紋等で構成される。後述するように、携帯型電話機3と店舗端末4との間で実行される生体認証処理において、この生体情報31Dが利用される。
【0039】
RF部32は、無線通信を行うための通信インタフェース装置であり、アンテナ33を介して入出力される無線信号に対して各種の信号処理を施す。携帯型電話機3は、このRF部32を用いて、与信情報送信装置1との間のモバイルネットワークN1を介した通信を実現する。
【0040】
入力部34は、テンキー等を含む各種のキーからなる入力装置であり、ディスプレイ35は、液晶又は有機EL(Electro Luminescence)等から構成される表示装置である。また、音声入力部36は、通話中の音声等を入力するためのマイクであり、カメラ部37は、CCD(Charged Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)から構成される撮像装置である。なお、上記の生体情報31Dが声紋で構成される場合、携帯型電話機3は、音声入力部36を用いてカード会員の音声データを取得し、その音声データに基づいて生体情報31Dを生成することができる。また、上記の生体情報31Dが指紋、静脈及び虹彩で構成される場合、携帯型電話機3は、カメラ部37を用いてカード会員からこれらの情報を取得し、その取得した情報に基づいて生体情報31Dを生成することも可能である。
【0041】
ICチップ38は、所謂非接触型のICチップであり、携帯型電話機3に埋設されている。このICチップ38は、店舗端末4に設けられているリーダライタ(図示せず)から供給される電波により動作する。携帯型電話機3と店舗端末4とは、これらのICチップ38及びリーダライタを介して各種のデータの送受信を行う。
【0042】
以下、メモリ31に設けられている各データベースの詳細について説明する。
(A)カード情報DB31A
図4は、カード情報DB31Aのレイアウトの一例を示す図である。図4に示すように、カード情報DB31Aは、クレジットカード会社を識別するための会社コードが格納される会社コードフィールド301、クレジットカードを識別するためのカードIDが格納されるカードID302、当該クレジットカードの有効期限が格納される有効期限フィールド303、当該クレジットカードが利用可能な限度額が格納される限度額フィールド304、当該クレジットカードの利用額が格納される利用額フィールド305、クレジットカードの事故の種別(不正利用・盗難・紛失等)を示す事故コードが格納される事故コードフィールド306、家族会員が所有するクレジットカード(以下、「家族カード」という)の有無を示す情報が格納される家族カードフィールド307、家族カードを識別するための家族カードIDが格納される家族カードIDフィールド308、及び家族会員が所有する携帯型電話機で受信可能な電子メールのアドレスである家族アドレスが格納される家族アドレスフィールド309を有している。
【0043】
上記のカード情報DB31Aに蓄積されるカード情報は、与信情報送信装置1から受信した情報で構成されている。与信情報送信装置1は、会員情報DB13Aの中からカード情報を構成する情報を抽出し、その抽出した情報を携帯型電話機3に対して送信する。各情報が更新された場合、与信情報送信装置1は、適宜のタイミングでその更新情報を携帯型電話機3に対して送信し、携帯型電話機3は受信した情報を用いてカード情報を更新する。これにより、カード情報DB31Aに格納されるカード情報は最新の内容に保たれることになる。
【0044】
(B)加盟店情報DB31B
図5は、加盟店情報DB31Bのレイアウトの一例を示す図である。図5に示すように、加盟店情報DB31Bは、加盟店を識別するための加盟店コードが格納される加盟店コードフィールド311、加盟店に設けられている店舗端末4を識別するための端末IDが格納される端末IDフィールド312、加盟店の店舗名が格納される加盟店名フィールド313、加盟店の住所が格納される加盟店住所フィールド314、加盟店の連絡先である電話番号が格納される加盟店連絡先フィールド315、及び加盟店の業種(例えば、飲食業、衣料品販売業等)を示す業種コードが格納される業種コードフィールド316を有している。
【0045】
上述したように、加盟店情報DB31Bに蓄積される加盟店情報は、与信情報送信装置1の加盟店情報DB13Bと同様の内容であり、携帯型電話機3は、加盟店情報DB13Bに格納されている各情報を与信情報送信装置1から受信し、その受信した情報に基づいて加盟店情報DB31Bを形成する。この加盟店情報も、カード情報の場合と同様に、適宜のタイミングで更新される。
【0046】
(C)取引明細情報DB31C
図6は、取引明細情報DB31Cのレイアウトの一例を示す図である。図6に示すように、取引明細情報DB31Cは、利用したクレジットカードを発行しているクレジットカード会社を識別するための会社コードが格納される会社コードフィールド321、クレジットカードを利用した日時が格納される利用日時フィールド322、クレジットカードを利用した加盟店の名称が格納される利用加盟店フィールド323、クレジットカードを利用して購入した商品の種別が格納される購入商品フィールド324、クレジットカードの利用金額が格納される利用金額フィールド325、及び与信審査処理の結果が格納される与信結果フィールド326を有している。携帯型電話機3は、後述する与信審査処理を行う都度、その結果を含む上記の取引明細情報を生成し、取引明細情報DB31Cに格納する。
【0047】
なお、上述したとおり、携帯型電話機3は、カード情報DB31A及び加盟店情報31Bに格納される各情報を、与信情報送信装置1から取得する。この場合、携帯型電話機3は、モバイルネットワークN1を介して与信情報送信装置1から各情報を受信するようにしてもよいが、その他にも、クレジットカードを利用する店舗内又はその近隣に設けられている無線アクセスポイントを介して、Wi−Fi(登録商標)等の無線方式により受信するようにしてもよい。この場合、カード会員が店舗を訪れる都度情報の更新を行う等の運用が可能となり、カード情報DB31A及び加盟店情報31Bを迅速に最新の状態にすることが可能になる。
【0048】
[与信審査システムの動作]
次に、上述したように構成された本実施の形態の与信審査システムの動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。なお、本実施の形態の与信審査システムが実行する主な処理には、(1)クレジットカード決済の与信審査のための与信審査処理、(2)クレジットカードの利用金額が所定の金融機関の口座から引き落とされたことを示す引き落とし情報の送受信のための引き落とし情報送受信処理、(3)クレジットカードの事故に関する事故情報の送受信のための事故情報送受信処理がある。以下では、これらの各処理の詳細について説明する。
【0049】
(1)与信審査処理
クレジットカードを利用して商品の購入を行うカード会員は、購入代金の支払の際に、自らが携帯している携帯型電話機3を、店舗端末4に設けられているリーダライタに近付ける。これにより、携帯型電話機3が備えるICチップ38が動作し、携帯型電話機3と店舗端末4との間の通信が可能となり、以下の与信審査処理が実行される。
【0050】
図7A及び図7Bは、本実施の形態の与信審査システムにおいて実行される与信審査処理の手順を示すフローチャートである。
店舗の店員は、店舗端末4に対して、カード会員が購入しようとしている商品の価格及び商品名等を含む商品情報を入力する。この商品情報の入力は、店舗端末4が備えるバーコードリーダ等を用いて行われる。店舗端末4は、商品情報の入力を受け付けた場合(S101)、カード会員の生体情報の入力を促すメッセージをディスプレイ上に表示する。ここで、カード会員の生体認証に用いる生体情報が指紋、静脈及び虹彩の場合は店舗端末4が備える撮像装置等によりこれらの情報を取得し、また、当該生体情報が声紋の場合は店舗端末4が備える音声入力装置等を用いてカード会員の声紋を取得する。店舗端末4は、上記の何れかの方法によりカード会員の生体情報を取得し(S102)、その生体情報、ステップS101にて入力を受け付けた商品情報、並びに当該店舗の店舗名及び加盟店コード等の店舗を特定する情報を含む与信審査用情報を携帯型電話機3に対して送信する(S103)。
【0051】
携帯型電話機3は、店舗端末4から送信された与信審査用情報を受信した場合(S201)、与信審査用情報に含まれている生体情報とメモリ31に格納されている生体情報31Dとの照合を行い、これらの生体情報が一致するか否かを判定する(S202)。ここで、一致すると判定した場合(S202でYES)、携帯型電話機3は、与信審査用情報に含まれている加盟店コードをキーとして加盟店情報DB31Bを検索することにより、利用しようとしているクレジットカードを発行するクレジットカード会社と利用店舗との間に加盟店契約が締結されているか否かを判定する(S203)。
【0052】
ステップS203において加盟店契約が締結されていると判定した場合(S203でYES)、携帯型電話機3は、与信審査用情報に含まれている商品の価格と、カード情報DB31Aの限度額フィールド304及び利用額フィールド305にそれぞれ格納されている限度額及び利用額とを用いて、今回のクレジットカードの決済が利用限度額の範囲内であるか否かを判定する(S204)。より具体的には、限度額から利用額を差し引いた額(すなわち、利用可能額)が商品の価格以上であるか否かを判定する。
【0053】
ステップS204において利用限度額の範囲内であると判定した場合(S204でYES)、携帯型電話機3は、カード情報DB31Aの事故フィールド306に格納されている情報に基づいて、利用しようとしているクレジットカードが事故に係るカード(不正利用されているクレジットカード及び紛失の申請がなされているクレジットカード等)でないかどうかを判定する(S205)。ここで、事故に係るカードではないと判定した場合(S205でNO)、携帯型電話機3は後述するステップS208に進む。
【0054】
他方、ステップS202において生体情報が一致しないと判定した場合(S202でNO)、ステップS203において加盟店契約が締結されていないと判定した場合(S203でNO)、ステップS204において利用限度額の範囲内ではないと判定した場合(S204でNO)、又はステップS204において事故に係るカードであると判定した場合(S205でYES)、携帯型電話機3は、与信審査の結果が不承認であると判断し、与信の承認がされなかったこと及びその理由(生体情報の不一致、加盟店契約の不存在、利用限度額オーバー、又は事故に係るカード)を示す不承認情報を店舗端末4に対して送信し(S206)、何が原因で不承認となったのかを示す不承認画面をディスプレイ35上に表示する(S207)。この不承認画面を参照することにより、カード会員は、与信が承認されなかったこと及びその理由を知ることができる。なお、事故に係るカードであることが理由で不承認となった場合、当該クレジットカードの利用者が不正利用者である可能性があり、当該利用者に不承認の理由を伝える必要はないので、不承認画面には不承認の理由を含めないようにしてもよい。
【0055】
店舗端末4は、携帯型電話機3から送信された不承認情報を受信した場合(S104)、何が原因で不承認となったのかを示す不承認画面をディスプレイ上に表示する(S105)。この不承認画面を参照することにより、店員は、与信が承認されなかったこと及びその理由を知ることができる。ここで生体情報の不一致により不承認となった場合は、ステップS102に戻って生体情報を取得し直し、与信審査処理を再度試みるようにしてもよい。
【0056】
ステップS205において事故に係るカードではないと判定した場合(S205でNO)、携帯型電話機3は、図7Bに示すように、与信が承認されたと判断し、その承認がされたことを示す承認情報を店舗端末4に対して送信する(S208)。
【0057】
店舗端末4は、携帯型電話機3から送信された承認情報を受信した場合(S106)、与信の承認を受け付けたことを示す受付完了情報を携帯型電話機3に対して送信する(S107)。なお、店舗端末4は、受信した承認情報を蓄積しておき、蓄積されている承認情報に基づいて店舗精算に関する店舗精算情報を生成し、閉局される際に専用線ネットワークN2を介して店舗精算システム2に対して当該店舗精算情報を送信する。この店舗精算情報を受信した店舗精算システム2は、上述したように、受信した店舗精算情報に基づいて決済を行うために必要な決済用情報を生成する。このようにして生成された決済用情報は、店舗精算システム2からカードシステムCに設けられている決済システムに対して送られることになる。
【0058】
携帯型電話機3は、店舗端末4から送信された受付完了情報を受信した場合(S209)、今回の与信に係る取引に関する取引明細情報を生成し、取引明細情報DB31Cに登録する(S210)。次に、携帯型電話機3は、カード情報DB31Aの利用額フィールド305に格納されている利用額に今回のクレジットカードの利用額を加算することによって利用額の更新処理を行う(S211)。
【0059】
次に、携帯型電話機3は、カード情報DB31Aの家族カードフィールド307に格納されている情報を参照し、今回利用されたクレジットカードについて家族カードが存在するか否かを判定する(S212)。ここで、家族カードは存在しないと判定した場合(S212でNO)、携帯型電話機3は処理を終了する。他方、家族カードは存在すると判定した場合(S212でYES)、携帯型電話機3は、利用額の更新がなされたことを示す利用額更新情報を含む電子メールを、カード情報DB31Aの家族アドレスフィールド309に格納されているアドレス宛に送信する(S213)。なお、家族カードが複数存在する場合は、各家族カードと関連づけられた複数のアドレスに対して当該電子メールが送信される。これにより、すべての家族会員が携帯する携帯型電話機に対して当該電子メールが送信されることになる。
【0060】
携帯型電話機3と同様の構成である家族会員用携帯型電話機は、携帯型電話機3から送信された電子メールに含まれている利用額更新情報を受信した場合(S301)、上記のステップS211の場合と同様に、自己のメモリ内に設けられているカード情報DB31Aの利用額フィールド305に格納されている利用額に今回のクレジットカードの利用額を加算することによって利用額の更新処理を行う(S302)。これにより、本会員のみではなく家族会員が携帯する携帯型電話機内の利用額も更新されるため、その後の与信審査を適切に行うことが可能になる。なお、与信審査処理の対象が家族カードの場合であって、与信が承認されたときは、上記と同様にして本会員カード(及びその他の家族カードが存在する場合は当該家族カード)に係る利用額の更新が行われることになる。
【0061】
上記の与信審査処理を実行することにより、カード利用者は、クレジットカード自体を用いることなく、携帯型電話機3のみでクレジットカード決済の与信審査を完了させることができる。なお、適切な与信審査を行うためには、カード情報DB31Aの内容を最新の状態に保つことが必要となる。以下の引き落とし情報送受信処理及び事故情報送受信処理はそれぞれ、そのようにカード情報DB31Aの利用額フィールド306及び事故コードフィールド306に格納される各情報を最新の内容にするための処理である。
【0062】
(2)引き落とし情報送受信処理
下記の引き落とし情報送受信処理は、与信情報送信装置1において決済情報DB13Cの内容が更新される都度等のタイミングで繰り返し実行される。
図8は、本実施の形態の与信審査システムにおいて実行される引き落とし情報送受信処理の手順を示すフローチャートである。与信情報送信装置1は、カード会員の取引金融機関の口座から決済金額が引き落とされたために決済情報DB13Cの内容が更新された場合に、図8に示すように、引き落とし額を含む引き落とし情報を生成し(S401)、その引き落とし情報を引き落としが行われたカード会員の携帯型電話機3に対して送信する(S402)。なお、この送信は、モバイルネットワークN1を介して行ってもよく、店舗内又はその近隣に設けられている無線アクセスポイントを介して行うようにしてもよい。無線アクセスポイントを介して行う場合は、カード利用者が店舗内にいるときに当該カード利用者が携帯する携帯型電話機3に対して引き落とし情報を確実に送信することができるというメリットがある。
【0063】
携帯型電話機3は、与信情報送信装置1から送信された引き落とし情報を受信した場合(S501)、カード情報DB31Aの利用額フィールド305に格納されている利用額をゼロに更新する(S502)。
【0064】
以上の引き落とし情報送受信処理の結果、決済額の引き落としがなされたことがカード情報DB31Aに反映されることになる。これにより、カード情報DB31Aの内容を最新の状態にすることができる。
【0065】
なお、毎月一回等のタイミングで、会員情報DB13Aに登録されているすべてのクレジットカードについて上記の引き落とし情報送受信処理を実行することも可能であるが、その場合は一時的に与信情報送信装置1の負荷が高くなることが考えられる。他方、カード会員の金融機関の口座から決済額が引き落とされる都度、そのカード会員のクレジットカードについて上記の引き落とし情報送受信処理を行うようにした場合、金融機関によって引き落とし日が異なることがあるために処理が分散され、与信情報送信装置1の負荷の増大を回避することができる。
【0066】
(3)事故情報送受信処理
下記の事故情報送受信処理は、与信情報送信装置1において事故情報DB13Dの内容が更新される都度等のタイミングで繰り返し実行される。
図9は、本実施の形態の与信審査システムにおいて実行される事故情報送受信処理の手順を示すフローチャートである。与信情報送信装置1は、事故情報システムから最新の事故情報を受信したために事故情報DB13Dの内容を更新した場合、図9に示すように、更新された事故情報を携帯型電話機3に対して送信する(S601)。この場合、更新された事故情報に係る携帯型電話機3、すなわち不正利用が確認されたクレジットカード及び紛失の申請がなされたクレジットカード等と紐付けられた携帯型電話機3に対して事故情報が送信される。なお、この送信も、上記の引き落とし情報送受信処理の場合と同様に、モバイルネットワークN1を介して行ってもよく、無線アクセスポイントを介して行うようにしてもよい。
【0067】
携帯型電話機3は、与信情報送信装置1から送信された事故情報を受信した場合(S701)、受信した事故情報に基づいて、カード情報DB31Aの事故コードフィールド306に格納されている事故コードを更新する(S702)。
【0068】
以上の事故情報送受信処理の結果、最新の事故情報がカード情報DB31Aに反映されることになる。これにより、不正利用の拡大等を防止することが可能になる。
【0069】
なお、与信情報送信装置1は、携帯型電話機3のみではなく、各店舗端末4に対して事故情報を送信するようにしてもよい。この場合、上記の(1)与信審査処理において、店舗端末4が、与信情報送信装置1から受信した事故情報に基づき、与信審査に係るクレジットカードが事故に係るカードであるか否かを判定する。これにより、携帯型電話機3及び店舗端末4の両方で事故に係るカードであるか否かの確認を行うことが可能になる。
【0070】
以上のように、カード情報DB31Aの内容を最新の状態に保ちながら与信審査処理を実行することができるため、決済額の多寡に関わらず、クレジットカードによる決済を利用することが可能になる。
【0071】
(その他の実施の形態)
携帯型電話機3のカード情報DB31Aの内容が最新の状態でない場合に与信審査が承認となることを防止するために、次のような処理を行うようにしてもよい。
与信情報送信装置1は、例えば週に1回等の所定の時間間隔で、携帯型電話機3に対して特定の情報(例えばカードID等)を繰り返し送信する。携帯型電話機3は、その特定の情報を受信した場合、受信日時をメモリ31内に記憶しておく。そして、与信審査処理において、携帯型電話機3は、記憶している受信日時と現在の日時とを比較して、前記の特定の情報を一定期間内(例えば1週間以内等)に受信しているか否かを判定する。ここで受信していれば上記の(1)与信審査処理と同様の処理を実行する一方で、受信していなければ与信情報送信装置1に対してカード情報DB31Aに格納される各情報の送信要求を行い、カード情報DB31Aの内容を最新の状態とした上で上記の(1)与信審査処理と同様の処理を実行するようにする。これにより、携帯型電話機3の内容を確実に最新の状態とすることができるため、誤って与信審査が承認されることを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の与信審査システム及び与信審査方法はそれぞれ、携帯型電話機等の携帯型情報処理装置を用いてクレジットカード決済の与信審査を行う与信審査システム及び与信審査方法等として有用である。また、本発明の携帯型情報処理装置及びコンピュータプログラムはそれぞれ、クレジットカード決済の与信審査に用いられる携帯型情報処理装置及びコンピュータプログラム等として有用である。
【符号の説明】
【0073】
1 与信情報送信装置
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 ハードディスク
13A 会員情報データベース
13B 加盟店情報データベース
13C 決済情報データベース
13D 事故情報データベース
13E 与信審査プログラム
14 通信インタフェース
15 バス
2 店舗精算システム
3 携帯型電話機
30 制御部
31 メモリ
31A カード情報データベース
31B 加盟店情報データベース
31C 取引明細情報データベース
31D 生体情報
33 アンテナ
34 入力部
35 ディスプレイ
36 音声入力部
37 カメラ部
38 ICチップ
4 店舗端末
C カードシステム
N1 モバイルネットワーク
N2 専用線ネットワーク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレジットカードの利用者が携帯する携帯型情報処理装置と、当該携帯型情報処理装置と通信可能に接続されるクレジットカード会社側のカードシステムと、クレジットカードが利用可能な店舗に設けられる店舗端末とを備え、クレジットカード決済の与信審査を行う与信審査システムにおいて、
前記カードシステムが、
クレジットカードの利用状況を示すカード利用状況情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するカード利用状況情報送信手段を具備し、
前記店舗端末が、
クレジットカード決済の与信を行う場合に、当該与信に係る利用金額を含む与信審査用情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信する与信審査用情報送信手段を具備し、
前記携帯型情報処理装置が、
クレジットカードに関するカード情報を記憶するカード情報記憶部と、
前記カードシステムから受信したカード利用状況情報に基づいて、前記カード情報記憶部に記憶されているカード情報を更新するカード情報更新手段と、
前記カード情報更新手段によって更新されたカード情報及び前記店舗端末から受信した与信審査用情報に基づいて、クレジットカード決済の与信審査処理を実行する与信審査処理手段と
を具備することを特徴とする、与信審査システム。
【請求項2】
前記カード利用状況情報送信手段が、前記店舗の周辺に設けられた無線アクセスポイントを介して前記カード利用状況情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するように構成されている、請求項1に記載の与信審査システム。
【請求項3】
前記カード利用状況情報送信手段が、クレジットカードの決済状況を含むカード利用状況情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するように構成されている、請求項1又は2に記載の与信審査システム。
【請求項4】
前記カード利用状況情報送信手段が、クレジットカードの事故に関するカード事故情報を含むカード利用状況情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するように構成されている、請求項1乃至3の何れかに記載の与信審査システム。
【請求項5】
前記店舗端末が、
前記利用者の生体情報を取得する生体情報取得手段を更に具備し、
前記与信審査用情報送信手段が、前記生体情報取得手段によって取得された生体情報を含む与信審査用情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するように構成されており、
前記携帯型情報処理装置が、
前記利用者の生体情報を記憶する生体情報記憶部を更に具備し、
前記与信審査処理手段が、前記店舗端末から受信した与信審査用情報に含まれる生体情報と前記生体情報記憶部に記憶されている生体情報との照合結果に基づいて、前記与信審査処理を実行するように構成されている、請求項1乃至4の何れかに記載の与信審査システム。
【請求項6】
前記与信用情報送信手段が、前記店舗を識別するための店舗識別情報を含む与信審査用情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するように構成されており、
前記携帯型情報処理装置が、
前記クレジットカード会社の加盟店を識別するための加盟店識別情報を記憶する加盟店識別情報記憶部を更に具備し、
前記与信審査処理手段が、前記店舗端末から受信した与信審査用情報に含まれる店舗識別情報と前記加盟店識別情報記憶部に記憶されている加盟店識別情報とに基づいて、前記店舗が前記加盟店であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて、前記与信審査処理を実行するように構成されている、請求項1乃至5の何れかに記載の与信審査システム。
【請求項7】
クレジットカードの利用者が携帯する携帯型情報処理装置と、当該携帯型情報処理装置と通信可能に接続されるクレジットカード会社側のカードシステムと、クレジットカードが利用可能な店舗に設けられる店舗端末とを用いて、クレジットカード決済の与信審査を行う与信審査方法において、
前記カードシステムが、
クレジットカードの利用状況を示すカード利用状況情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信するカード利用状況情報送信工程を実行し、
前記店舗端末が、
クレジットカード決済の与信を行う場合に、当該与信に係る利用金額を含む与信審査用情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信する与信審査用情報送信工程を実行し、
前記携帯型情報処理装置が、
クレジットカードに関するカード情報を記憶するカード情報記憶部を具備しており、
前記カードシステムから受信したカード利用状況情報に基づいて、前記カード情報記憶部に記憶されているカード情報を更新するカード情報更新工程と、
前記カード情報更新手段によって更新されたカード情報及び前記店舗端末から受信した与信審査用情報に基づいて、クレジットカード決済の与信審査処理を実行する与信審査処理工程と
を実行することを特徴とする、与信審査方法。
【請求項8】
前記カード利用状況情報送信工程において、前記カードシステムが、前記店舗の周辺に設けられた無線アクセスポイントを介して前記カード利用状況情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信する、請求項7に記載の与信審査方法。
【請求項9】
前記カード利用状況情報送信工程において、前記カードシステムが、クレジットカードの決済状況を含むカード利用状況情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信する、請求項7又は8に記載の与信審査方法。
【請求項10】
前記カード利用状況情報送信工程において、前記カードシステムが、クレジットカードの事故に関するカード事故情報を含むカード利用状況情報を前記携帯型情報処理装置に対して送信する、請求項7乃至9の何れかに記載の与信審査方法。
【請求項11】
クレジットカードの利用者が携帯する携帯型情報処理装置において、
クレジットカードに関するカード情報を記憶するカード情報記憶部と、
クレジットカード会社側のカードシステムから、クレジットカードの利用状況を示すカード利用状況情報を受信するカード利用状況情報受信手段と、
前記カード利用状況情報受信手段によって受信されたカード利用状況情報に基づいて、前記カード情報記憶部に記憶されているカード情報を更新するカード情報更新手段と、
クレジットカードが利用可能な店舗に設けられる店舗端末から、クレジットカード決済の与信を行う場合に、当該与信に係る利用金額を含む与信審査用情報を受信する与信審査用情報受信手段と、
前記カード情報更新手段によって更新されたカード情報及び前記店舗端末から受信した与信審査用情報に基づいて、クレジットカード決済の与信処理を実行する与信処理手段と
を備えることを特徴とする、携帯型情報処理装置。
【請求項12】
クレジットカードに関するカード情報を記憶するカード情報記憶部を備える携帯型情報処理装置を、
クレジットカード会社側のカードシステムから、クレジットカードの利用状況を示すカード利用状況情報を受信するカード利用状況情報受信手段と、
前記カード利用状況情報受信手段によって受信されたカード利用状況情報に基づいて、前記カード情報記憶部に記憶されているカード情報を更新するカード情報更新手段と、
クレジットカードが利用可能な店舗に設けられる店舗端末から、クレジットカード決済の与信を行う場合に、当該与信に係る利用金額を含む与信審査用情報を受信する与信審査用情報受信手段と、
前記カード情報更新手段によって更新されたカード情報及び前記店舗端末から受信した与信審査用情報に基づいて、クレジットカード決済の与信処理を実行する与信処理手段として機能させるためのコンピュータプログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−113555(P2012−113555A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262735(P2010−262735)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)