説明

両面印刷システム、両面印刷方法、プログラム、並びに記録媒体

【課題】連続紙の表面と裏面の上下関係と印刷の方向を一定とし、重ねてある連続紙をまとめて裁断しても、用紙を1枚毎に反転させて揃える作業を不要とし、低コストで生産性の良い後処理を可能とする。
【解決手段】印刷順序と連続紙の折りたたみ単位に印刷するページ数202を含む印刷情報を指定する印刷指定手段201と、第1印刷手段225と、第2印刷手段226とを有し、印刷ジョブの連続紙への両面印刷を行う装置であって、前記印刷情報から第1印刷手段225の印刷データを作成する第1出力データ作成・更新手段215と、前記印刷情報から第2印刷手段の印刷データを作成する第2出力データ作成・更新手段220と、連続紙の表面と裏面への両面印刷後に折りたたんで重ねた場合に、奇数枚目の表面と裏面の上下関係と印刷の方向と偶数枚目の表面と裏面の上下関係と印刷方向を一定にするための、印刷順序を制御する手段と回転手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続紙の表面・裏面への両面に画像を印刷する両面印刷システム、両面印刷方法、プログラム、並びに記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、連続紙を用いる印刷装置は、1枚ごとのカット紙を給紙搬送して印刷する装置に比べて、用紙搬送中に紙ジャムが発生し難く、印刷速度の高速性の面で有利であり、毎ページ用紙に印刷する位置の精度もよい。特に、薄紙や厚紙の対応能力は、カット紙の印刷装置に比べて優れている。また、一定間隔毎あるミシン目で折りたたむ連続紙は用紙の収容が容易であると共に、用紙を裁断する後処理への持ち運びなどのハンドリングもよい。このような連続紙の両面に印刷を行えば、紙面の有効利用が図れ、省資源化に有効である。この連続紙の両面印刷に関する技術が下記公報に開示されている。
【0003】
たとえば、特許文献1では、1つの印刷装置に連続紙の両面に印刷するために表面用の印字部およびメモリと裏面用の印字部およびメモリとを有することで、連続紙への両面印刷を実現している。また、特許文献2では、2台の片面印刷装置を用いることで連続紙への両面印刷を実現している。また、特許文献3では、2台の片面印刷装置で連続紙への両面印刷を行う印刷システムでの表面と裏面の印刷の一致確認を人手を介さずに行うことで、高信頼性で高速印刷を可能とする連続紙への両面印刷を実現している。また、特許文献4では、2台の片面印刷装置で連続紙への両面印刷を行う印刷システムでの使い勝手のよいエラーリカバリを実現している。
【0004】
一方、高速に大量印刷した印刷物、特に連続紙への印刷物は、後処理で裁断されることが多い。裁断の1つの方法としては、用紙に付加されているトンボなどの目印で位置決めを行い、重ねてある用紙をまとめて行う方法がある。このような裁断の方法では、連続紙の場合はミシン目で折りたたまれて重ねてある状態で裁断される。また、印刷の後処理で裁断する別の方法としては、連続紙に印刷した印刷物を1枚毎に裁断する後処理機で裁断する方法がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記に示されるような従来の技術にあっては、ミシン目で折りたたむ連続紙へ両面印刷した印刷物を後処理で重ねてある用紙をまとめて裁断する場合には、図18で示すように、用紙の表面と裏面の上下および印刷の方向の関係が、折りたたみ単位で逆になり、裁断した後の仕分けなどの作業に負担がかかるという問題点があった。
【0006】
印刷ジョブの奇数ページを用紙の表面に偶数ページを用紙の裏面に両面印刷すると、ミシン目で折りたたんで重ねてある連続紙では奇数枚目では奇数ページが上で偶数ページが下となるが、偶数枚目では偶数ページが上で奇数ページが下となり、印刷の方向も奇数枚目と偶数枚目で逆になる。たとえば、図19で示すミシン目で折りたたんで重ねてある連続紙を、302〜305のトンボを目印に301で囲まれている大きさにまとめ裁断すると、裁断した後に用紙の表面と裏面を合せるために、用紙を1枚毎に反転させて揃える作業が必要となっていた。
【0007】
また、連続紙に印刷した印刷物を1枚毎に裁断する後処理機で裁断する方法は、裁断後に用紙を1枚毎に反転させて揃える作業は不要になるが、高価な後処理機を購入する必要があり、負担となっていた。また、連続紙に印刷した印刷物を1枚毎に裁断する後処理機では、裁断中にジャムなどによる裁断不良が発生することが、重ねてある用紙をまとめて裁断する方法に比べて多く、裁断不良となったページのみ再度印刷、裁断し直し、仕分けする作業がオペレータの負担となっていた。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ミシン目で折りたたんで重ねてある連続紙の表面と裏面の上下関係と印刷の方向を一定とし、重ねてある連続紙をまとめて裁断しても、用紙を1枚毎に反転させて揃える作業を不要とすることで、低コストで生産性の良い後処理を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、印刷順序と連続紙の折りたたみ単位に印刷するページ数を含む印刷情報を指定する印刷指定手段と、前記連続紙の表面へ画像を印刷する第1印刷手段と、前記連続紙の裏面へ画像を印刷する第2印刷手段とを有し、印刷対象の印刷ジョブを受け入れ前記連続紙への両面印刷を行う両面印刷システムであって、第1の印刷順序として連続紙の表面には奇数ページを裏面には偶数ページの順に印刷する手段と、第2の印刷順序として連続紙の表面には印刷ジョブの1ページ目、4ページ目、5ページ目、8ページ目・・・・・((n×4)−3)ページ目、(n×4)ページ目の順に、裏面には印刷ジョブの2ページ目、3ページ目、6ページ目、7ページ目・・・・・・((n×4)−2)ページ目、((n×4)−1)ページ目の順に印刷する手段と、連続紙の表面と裏面への印刷順序を指定する手段と、印刷データを180度回転して印刷する機能を有する。第2の印刷順序で印刷する場合には、表面に印刷する4ページ目、8ページ目・・・・・(n×4)ページ目と裏面に印刷する3ページ目、7ページ目・・・・・・((n×4)−1)ページ目は、印刷データを180度回転して印刷を行う。ここで、nは連続紙の折りたたみを単位とする用紙の枚数(1枚目、2枚目・・・・・・n枚目)である。
【0010】
また、折りたたみ単位の片面に印刷するページ数mを指定する手段を有し、第3の印刷順序として連続紙の表面には印刷ジョブの((n×4×m)−((4×m)−1))ページ目〜((n×4×m)−((4×m)−1)+(m−1))ページ目、(n×4×m)ページ目〜((n×4×m)−(m−1))ページ目の順に、裏面には印刷ジョブの((n×4×m)−((4×m)−(m+1)))ページ目〜((n×4×m)−((4×m)−(m+1))+(m−1))ページ目、((n×4×m)−((4×m)−((2×m)+1))+(m−1))ページ目〜((n×4×m)−((4×m)−((2×m)+1)))ページ目の順に印刷する手段を有する。尚、折りたたみ単位の片面に印刷するページ数mが2以上の場合には、表面に印刷する(n×4×m)ページ目〜((n×4×m)−(m−1))ページ目と、裏面に印刷する(n×4×m)−((4×m)−((2×m)+1))+(m−1))ページ目〜((n×4×m)−((4×m)−((2×m)+1)))ページ目の印刷順序は降順で行い、印刷データの180度回転も行う。例えば、片面に印刷するページ数が2のときの表面に印刷する5ページ目と6ページ目の印刷順序は、6ページ目、5ページ目の順序で、印刷データを180度回転して印刷を行う。ここで、nは連続紙の折りたたみを単位とする用紙の枚数(1枚目、2枚目・・・・・・n枚目)である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、連続紙の表面と裏面への両面印刷後に折りたたんで重ねた場合に、奇数枚目の表面と裏面の上下関係と印刷の方向と偶数枚目の表面と裏面の上下関係と印刷方向を一定にするので、重ねてある連続紙をまとめて裁断しても、用紙を1枚毎に反転させて揃える作業が不要となる。よって、低コストで生産性の良い後処理が実現するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、この実施の形態にかかる連続紙の両面印刷システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示した連続紙の両面印刷システムにおけるこの実施の形態にかかる印刷データの作成処理でプログラムが使用するテーブルの位置付けを示すブロック図である。
【図3】図3は、この実施の形態にかかる連続紙の両面印刷システムの機能構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、この実施の形態にかかる連続紙の両面印刷システムにおける第1の印刷順序、第2の印刷順序、第3の印刷順序を示す説明図である。
【図5】図5は、この実施の形態にかかる両面印刷システムでの連続紙への両面印刷結果例を示す説明図である。
【図6】図6は、この実施の形態にかかる両面印刷システムでの折りたたみ単位に2ページ印刷する連続紙への両面印刷結果例を示す説明図である。
【図7】図7は、印刷順序管理テーブルを構成する要素と、第1の印刷順序と第2の印刷順序および第3の印刷順序を指定した場合の設定内容の例を示す説明図である。
【図8−1】図8−1は、印刷ページ管理テーブルを構成する要素と、第1の印刷順序と第2の印刷順序を指定した場合に作成される内容の例を示す図である。
【図8−2】図8−2は、印刷ページ管理テーブルを構成する要素と、第3の印刷順序を指定した場合に作成される内容の例を示す図である。
【図9−1】図9−1は、第1印刷出力テーブルと第2印刷出力テーブルを構成する要素と、第1の印刷順序を指定した場合に1〜2ページ目の印刷データに対する第1印刷出力テーブルと第2印刷出力テーブルが作成される状態の例を示す図である。
【図9−2】図9−2は、第1印刷出力テーブルと第2印刷出力テーブルを構成する要素と、第1の印刷順序を指定した場合に3〜4ページ目の印刷データに対する第1印刷出力テーブルと第2印刷出力テーブルが作成される状態の例を示す図である。
【図10−1】図10−1は、第1印刷出力テーブルと第2印刷出力テーブルを構成する要素と、第2の印刷順序を指定した場合に1〜2ページ目の印刷データに対する第1印刷出力テーブルと第2印刷出力テーブルが作成される状態の例を示す図である。
【図10−2】図10−2は、第1印刷出力テーブルと第2印刷出力テーブルを構成する要素と、第2の印刷順序を指定した場合に3〜4ページ目の印刷データに対する第1印刷出力テーブルと第2印刷出力テーブルが作成される状態の例を示す図である。
【図11−1】図11−1は、第1印刷出力テーブルと第2印刷出力テーブルを構成する要素と、第3の印刷順序を指定した場合に1〜4ページ目の印刷データに対する第1印刷出力テーブルと第2印刷出力テーブルが作成される状態の例を示す図である。
【図11−2】図11−2は、第1印刷出力テーブルと第2印刷出力テーブルを構成する要素と、第3の印刷順序を指定した場合に5〜8ページ目の印刷データに対する第1印刷出力テーブルと第2印刷出力テーブルが作成される状態の例を示す図である。
【図12−1】図12−1は、印刷順序管理テーブルを作成する処理の1/2を示すフローチャートである。
【図12−2】図12−2は、印刷順序管理テーブルを作成する処理の2/2を示すフローチャートである。
【図13−1】図13−1は、ページメモリ作成処理の1/2を示すフローチャートである。
【図13−2】図13−2は、ページメモリ作成処理の2/2を示すフローチャートである。
【図14−1】図14−1は、印刷要求処理の1/2を示すフローチャートである。
【図14−2】図14−2は、印刷要求処理の2/2を示すフローチャートである。
【図15−1】図15−1は、第1印刷タスク処理を示すフローチャートである。
【図15−2】図15−2は、第2印刷タスク処理を示すフローチャートである。
【図16】図16は、この実施の形態にかかる制御処理プログラムをコンピュータに実行させる場合の構成例を示すブロック図である。
【図17】図17は、この実施の形態にかかる制御処理プログラムをコンピュータネットワークで配信する場合の構成例を示すブロック図である。
【図18】図18は、連続紙の表面に奇数ページ、裏面に偶数ページを印刷した例を示す図である。
【図19】図19は、トンボを目印に重ねてある連続紙を裁断する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる両面印刷システム、両面印刷方法、プログラム、並びに記録媒体の一実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態)
図1は、この実施の形態にかかる連続紙の両面印刷システムの構成を示すブロック図である。この本発明による連続紙両面印刷システムは、上位装置101と、印刷制御装置102と、第1印刷装置111と、第2印刷装置112と、用紙反転機113とを備える。
【0015】
印刷制御装置102は、上位I/F103、受信バッファ104、CPU105、プログラムメモリ106、ページメモリ107、プリンタI/F109、プリンタI/F110を備える。
【0016】
第1印刷装置111と第2印刷装置112は、たとえば電子写真方式の高速な連続紙印刷装置である。上位装置101は印刷ジョブにより印刷データを生成し、印刷データを印刷制御装置102に送信する。印刷制御装置102は、上位I/F103を介して印刷データを受信バッファ104に受信し、印刷イメージのドットパターンに展開して1ページ単位でページメモリ107に格納する。続いて印刷制御装置102は、ページメモリ107に格納したドットイメージをプリンタI/F109とプリンタI/F110を介してビデオデータとして1ページ単位に第1印刷装置111と第2印刷装置112に送出する。たとえば第1印刷装置111には奇数ページのドットパターンを送出し、第2印刷装置112には偶数ページのドットパターンを送出する。
【0017】
第1印刷装置111は、給紙部114から供給される連続紙の片方の面、たとえば表面に印刷制御装置102からビデオデータとして受信した印刷イメージのドットパターンのトナーを転写し、用紙反転機113に連続紙を搬送する。
【0018】
用紙反転機113は、第1印刷装置111から搬送された連続紙を反転して第2印刷装置112で裏面を印刷ができるようにして、第2印刷装置112に連続紙を供給する。第2印刷装置112は、用紙反転機113から供給される連続紙の裏面に印刷制御装置102からビデオデータとして受信した印刷イメージのドットパターンのトナーを転写し、排紙部115に連続紙を搬送して出力する。排紙部115では、連続紙がミシン目で折りたたまれて重なった状態で収納される。
【0019】
このように連続紙の表面には奇数ページが印刷され、裏面には偶数ページが印刷されて、連続紙の両面に印刷される。この場合、排紙部115の連続紙は、図18で示すように用紙の表面と裏面の上下の関係が折りたたみ単位で逆に収納される。
【0020】
図2は、図1に示した連続紙の両面印刷システムにおける印刷データの作成処理でプログラムが使用するテーブルの位置付けを示すブロック図である。この図2では、印刷制御装置102が上位装置101からの印刷ジョブを第1印刷装置111、第2印刷装置112で連続紙の表面・裏面にそれぞれ印刷するための印刷データを生成するプログラムが使用するテーブルの位置付けと関係を主に示している。このテーブルを使うプログラムの具体的な処理内容については後述するとおりである。
【0021】
図3は、この実施の形態にかかる連続紙の両面印刷システムの機能構成を示すブロック図である。図3において、符号200は連続紙へ両面印刷する印刷対象の印刷ジョブ、符号201は印刷順序および片面に印刷するページ数202を指定する印刷指定手段、符号210は印刷制御手段、符号211は印刷順序管理テーブル作成手段、符号212は印刷ページ管理テーブル作成・更新手段、符号215は第1出力データ作成・更新手段、符号220は第2出力データ作成・更新手段、符号225は第1印刷手段、符号226は第2印刷手段である。
【0022】
この両面印刷システムは、印刷制御装置102のCPU105がプログラムメモリ106(図1参照)に格納されるプログラムが印刷制御手段210を実現する。印刷制御手段210は、本発明の両面印刷システムを実現する一例として、印刷順序管理テーブル作成手段211、印刷ページ管理テーブル作成・更新手段212、第1出力データ作成・更新手段215、第2出力データ作成・更新手段220を含んでいる。
【0023】
印刷指定手段201は、連続紙の折りたたみ単位の片面に印刷するページ数202と、第1の印刷順序203、第2の印刷順序204、第3の印刷順序205の何れかの印刷順序を指定するものである。この印刷指定手段229は、印刷ジョブ200の中で指定、または操作パネル108から指定することで実現される。
【0024】
印刷順序管理テーブル作成手段211は印刷順序管理テーブル601を作成するもの、印刷ページ管理テーブル作成手段・更新212は印刷ページ管理テーブル701を作成・更新するもの、第1出力データ作成・更新手段215は第1印刷出力テーブル801を作成・更新するもの、第2出力データ作成・更新手段220は第2印刷出力テーブル807を作成・更新するものであり、印刷制御装置102のプログラムで実現される。第1印刷手段225は第1印刷装置111で実現され、第2印刷手段226は第2印刷装置112で実現される。
【0025】
つぎに、この実施の形態にかかる連続紙の両面印刷システムの動作について説明する。図4は、この実施の形態にかかる連続紙の両面印刷システムにおける第1の印刷順序、第2の印刷順序、第3の印刷順序を示す図である。印刷順序の指定は、たとえば印刷制御装置102の操作パネル108から指定する。なお、印刷順序の指定は上位装置101で生成する印刷データの中で指定することも可能であることは言うまでもない。
【0026】
この図4に示すように、この実施の形態にかかる連続紙の両面印刷システムでは、第1の印刷順序として連続紙の表面には奇数ページを裏面には偶数ページの順に印刷する。
【0027】
また、第2の印刷順序での連続紙への両面印刷については、印刷制御装置102が第1印刷装置111には印刷ジョブの1ページ目、4ページ目、5ページ目、8ページ目・・・・・((n×4)−3)ページ目、(n×4)ページ目の順に、第2印刷装置112には印刷ジョブの2ページ目、3ページ目、6ページ目、7ページ目・・・・・・((n×4)−2)ページ目、((n×4)−1)ページ目の順に印刷イメージのドットパターンを送出する。また、第1印刷装置111に印刷する4ページ目、8ページ目・・・・・(n×4)ページ目と、第2印刷装置112に印刷する3ページ目、7ページ目・・・・・・((n×4)−1)ページ目は、印刷データを180度回転して印刷を行う。ここで、nは連続紙の折りたたみを単位とする用紙の枚数(1枚目、2枚目・・・・・・n枚目)である。
【0028】
これにより、排紙部115に収納される連続紙の印刷結果は、図5に示すようにミシン目で折りたたんで重ねてある連続紙の表面と裏面の上下関係と印刷の方向が一定となる。このような印刷結果であれば、重ねてある連続紙をまとめて裁断しても、用紙を1枚毎に反転させて揃える作業は不要となる。
【0029】
つぎに、折りたたみ単位の片面に印刷するページ数が2ページ以上とする場合の第3の印刷順序での連続紙への両面印刷について図4を参照して説明する。まず、印刷順序と折りたたみ単位の片面に印刷するページ数mを指定する手段として、たとえば印刷制御装置102の操作パネル108から指定する。なお、印刷順序の指定は上位装置101で生成する印刷データの中で指定することも可能であることは言うまでもない。
【0030】
たとえば、折りたたみ単位の片面に印刷するページ数として2ページ、第3の印刷順序が操作パネル108で指定されると、印刷制御装置102は第1印刷装置111には印刷ジョブの1ページ目、2ページ目、8ページ目、7ページ目、9ページ目、10ページ目、16ページ目、15ページ目・・・・・((n×4×2)−7)ページ目、((n×4×2)−7+1)ページ目、(n×4×2)ページ目、((n×4×2)−1)ページ目の順に、第2印刷装置112には印刷ジョブの3ページ目、4ページ目、6ページ目、5ページ目、11ページ目、12ページ目、14ページ目、13ページ目・・・・・((n×4×2)−5)ページ目、((n×4×2)−5+1)ページ目、((n×4×2)−3+1))ページ目、((n×4×2)−3)ページ目の順に印刷イメージのドットパターンを送出する。ここで、nは連続紙の折りたたみを単位とする用紙の枚数(1枚目、2枚目・・・・・・n枚目)である。
【0031】
また、印刷制御装置102は、第1印刷装置111に印刷する8ページ目、7ページ目、16ページ目、15ページ目・・・・・(n×4×2)ページ目、((n×4×2)−1)ページ目と、第2印刷装置112に印刷する6ページ目、5ページ目、14ページ目、13ページ目・・・・・・((n×4×2)−3+1))ページ目、((n×4×2)−3)ページ目は、印刷データを180度回転して印刷を行う。
【0032】
これにより、折りたたみ単位の片面に印刷するページ数が2ページの場合でも、排紙部115に収納される連続紙の印刷結果は、図6に示すようにミシン目で折りたたんで重ねてある連続紙の表面と裏面の上下関係と印刷の方向が一定となる。このような印刷結果であれば、重ねてある連続紙をまとめて裁断しても、用紙を1枚毎に反転させて揃える作業は不要となる。同様に、折りたたみ単位の片面に印刷するページ数が3ページ以上であっても、排紙部115に収納される連続紙の印刷結果は、ミシン目で折りたたんで重ねてある連続紙の表面と裏面の上下関係と印刷の方向が一定となる。
【0033】
つぎに、上述した連続紙への両面印刷動作における印刷データ作成処理、ページメモリ作成処理、印刷要求処理、印刷タスク処理などについて詳細に説明する。図7は、印刷順序管理テーブル601を構成する要素と、第1の印刷順序と第2の印刷順序および第3の印刷順序を指定した場合の設定内容の例をそれぞれ(a)、(b)、(c)に示している。ここでは、印刷順序管理テーブル601を構成する要素として、Nextエントリ602、片面印刷ページ数603、印刷面604、ページ回転605、ページ順序606、レイアウト順序607を構成する。
【0034】
有効なエントリ数は、片面に印刷するページ数mにより決まり、(m×4)エントリが有効になる。(片面に印刷することが可能な最大ページ数×4)が最大エントリとして用意される。この印刷順序管理テーブル601は、印刷順序が指定されたとき、または片面に印刷するページ数mが指定されたときに、その都度印刷順序と片面に印刷するページ数mをパラメータとして作成する。
【0035】
Nextエントリ602は、つぎの有効なエントリを示していて、最後の有効エントリのNextエントリ602には先頭のエントリ(エントリ0)を示すことにより、リングテーブルとして使われる。たとえば、第1の印刷順序の場合には、印刷データの1ページ目を処理する場合にはエントリ0が参照され、2ページ目はエントリ1、3ページ目はエントリ2、4ページ目はエントリ3が参照され、5〜8ページ目は再度エントリ0〜3が参照される管理テーブルである。
【0036】
片面印刷ページ数603は片面に印刷するページ数mが設定され、印刷面604にはそのページが印刷される面(表または裏)が設定され、ページ回転605にはそのページが印刷される回転角度が設定され、ページ順序606には片面に印刷するページ数mに対する受信した印刷データのページ順が設定され、レイアウト順序607には片面に印刷するページ数mに対する印刷データの割付け順序が設定される。
【0037】
図8−1、図8−2は、印刷ページ管理テーブル701を構成する要素と、第1の印刷順序と第2の印刷順序および第3の印刷順序を指定した場合に作成される内容の例をそれぞれ(a)、(b)、(c)に示している。この印刷ページ管理テーブル701は、Nextエントリ702、片面印刷ページ数703、印刷面704、ページ回転705、レイアウト順序706、ページメモリアドレス707を構成する。
【0038】
印刷ページ管理テーブル701は、印刷データを受信してページメモリ107にドットパターンイメージを作成した際に、1ページに対して1エントリを順次作成する。この印刷ページ管理テーブル701は、片面に印刷することが可能な最大ページ数以上のエントリが用意される。Nextエントリ702はつぎのエントリを示していて、最後のエントリのNextエントリ702には先頭のエントリ(エントリ0)を示すことにより、リングテーブルとして使われる。
【0039】
片面印刷ページ数703、印刷面704、ページ回転705、レイアウト順序706は、印刷順序管理テーブル601の片面印刷ページ数603、印刷面604、ページ回転605、レイアウト順序607と同じ内容である。ページメモリアドレス707には、印刷データからドットパターンイメージを作成したページメモリ107のアドレスが格納される。
【0040】
図9−1、図9−2は、第1印刷出力テーブル801と第2印刷出力テーブル807を構成する要素と、第1の印刷順序を指定した場合に1〜4ページ目の印刷データに対する第1印刷出力テーブル801と第2印刷出力テーブル807が作成される状態の例を(a)〜(d)に示している。この第1印刷出力テーブル801は、Nextエントリ802、有効フラグ803、印刷面804、ページ回転805、ページメモリアドレス806を構成する。また、第2印刷出力テーブル807は、Nextエントリ808、有効フラグ809、印刷面810、ページ回転811、ページメモリアドレス812を構成する。
【0041】
第1印刷出力テーブル801は、印刷ページ管理テーブル701から作成され第1印刷タスクがプリンタI/F109を介して第1印刷装置111に印刷データを送出するために使用される、少なくとも片面に印刷することが可能な最大ページ数以上で、第1印刷装置111の性能を十分に達成することが可能なエントリ数が用意される。
【0042】
Nextエントリ802はつぎのエントリを示していて、最後のエントリのNextエントリ802には先頭のエントリ(エントリ0)を示すことにより、リングテーブルとして使われる。有効フラグ803は、第1印刷出力テーブル801の各エントリが作成されるときに“有効”が設定され、第1印刷タスクがプリンタI/F109を介して第1印刷装置111に印刷データの送出が完了すると“無効”に設定される。
【0043】
印刷面804、ページ回転805、ページメモリアドレス806は、印刷ページ管理テーブル701の印刷面704、ページ回転705、ページメモリアドレス707と同じ内容である。第2印刷出力テーブル807は、第1印刷出力テーブル801と同様の内容であるが、第2印刷タスクがプリンタI/F110を介して第2印刷装置112に印刷データを送出するために使用される。
【0044】
図10−1、図10−2は、第1印刷出力テーブル801と第2印刷出力テーブル807を構成する要素と、第2の印刷順序を指定した場合に1〜4ページ目の印刷データに対する第1印刷出力テーブルと第2印刷出力テーブルが作成される状態の例を(a)〜(d)に示している。
【0045】
図11−1、図11−2は、第1印刷出力テーブル801と第2印刷出力テーブル807を構成する要素と、第3の印刷順序を指定した場合に1〜4ページ目の印刷データに対する第1印刷出力テーブルと第2印刷出力テーブルが作成される状態の例を(a)〜(d)に示している。
【0046】
図12−1、図12−2は、印刷順序管理テーブル601を作成する処理を示すフローチャートである。印刷制御装置102は、印刷制御手段210の1つである印刷順序管理テーブル作成手段としてこの処理を実行する。この印刷順序管理テーブル作成処理は、印刷順序が指定されたとき、および片面に印刷するページ数mが指定されたときに、起動されて印刷順序管理テーブル601を作成する。
【0047】
図12−1においてまず、S1101で印刷面の初期化、S1102でページ回転の初期化、S1103で作成する印刷順序管理テーブルエントリのカウンタ初期化、S1104で作成する印刷順序管理テーブルエントリ数の設定を行う。
【0048】
作成する印刷順序管理テーブルエントリ数は、片面に印刷するページ数×4エントリに設定する。これは、第2および第3の印刷順序で印刷する場合には、表→裏→裏→表の4面を繰り返すためである。S1106〜S1116は、片面に印刷されるページ数分の印刷順序管理テーブル601のエントリが作成されるまで、繰り返し処理される。
【0049】
さらに、S1105〜S1128は、必要な印刷順序管理テーブル601のエントリの全てが作成されるまで、繰り返し処理される。S1106で各エントリのNextエントリ602に現在示しているエントリのつぎ(Entry+1)を設定し、S1107で片面印刷ページ数603に操作パネル108などで指定された片面に印刷するページ数(Layout)を設定し、S1108で印刷面604に現在示している印刷面(Face)を設定し、S1109でページ回転605に現在示しているページ回転(Rotate)を設定、S1110でページ順序606に現在示しているページカウンタ(LayoutCnt+1)からページ順序を設定する。ページカウンタLayoutCntは、S1105により印刷面毎に初期化される。
【0050】
つぎに、レイアウト順序607を設定するためにS1111でページ回転をチェックして、ページ回転が0°であれば、S1112で1,2,3・・・と昇順(LayoutCnt+1)にレイアウト順序を設定し、ページ回転が0°でなければ、S1113で・・・3,2,1と降順(Layout-LayoutCnt)にレイアウト順序を設定する。
【0051】
これにより印刷順序管理テーブル601の1エントリ分を作成すると、S1114でエントリカウンタの更新(Entry+1)と、S1115で片面ページ数カウンタの更新(Layoutcnt+1)を行い、S1116で片面分の設定が完了したかをチェックする。片面の設定が完了していなければS1106に戻り、S1106〜S1116により次のページの処理を行う。片面の設定が完了すると、S1117〜S1127によりつぎの面に対する印刷面(Face)とページ回転(Rotate)の更新を行う。
【0052】
まず、S1117により操作パネル108などで指定された印刷順序のチェックを行う。第1の印刷順序が指定されていれば、S1118〜S1120により、印刷面(Face)を表→裏→表→裏と表と裏を交互に更新する。第2または第3の印刷順序が指定されていれば、S1121〜S1127により、印刷面(Face)を表→裏→裏→表という順序の繰り返しで更新する。
【0053】
すなわち、S1121により印刷面が表のとき、ページ回転が0°(S1122)であれば印刷面を表→裏に更新(S1123)し、ページ回転が0°(S1122)でなければ印刷面は表のままでページ回転を180°→0°に更新(S1124)する。S1121により印刷面が裏のとき、ページ回転が180°(S1125)であれば印刷面を裏→表に更新(S1126)し、ページ回転が180°(S1125)でなければ印刷面は裏のままでページ回転を0°→180°に更新(S1127)する。S1128で必要な印刷順序管理テーブルの全エントリの設定が完了したかをチェックする。完了していなければS1105に戻り、次の印刷面の処理を行う。必要な印刷順序管理テーブルの全エントリの設定が完了した場合には、S1129により最後のNextエントリを印刷順序管理テーブル601の先頭エントリを示すように再設定する。S1130で印刷順序管理テーブル601の先頭のエントリを示すようにポインタPrtSeqPtrを初期化する。
【0054】
以上のようにS1101〜S1130により、印刷順序管理テーブル601の作成が完了する。第1の印刷順序が指定されると図7の(a)、第2の印刷順序が指定されると図7の(b)、第3の印刷順序が指定されると図7の(c)で示すように印刷順序管理テーブル601は設定される。
【0055】
図13−1、図13−2は、ページメモリ作成処理を示すフローチャートである。印刷制御装置102は、印刷制御手段210の一部としてこの処理を実行する。また、この処理は印刷ページ管理テーブル作成・更新手段212、および第1出力データ作成・更新手段215と第2出力データ作成・更新手段220の一部を有している。印刷制御装置102は1ページ分の印刷データを受信すると、ページメモリ作成処理を起動して、S1201でページメモリ107に印刷データのドットパターンイメージを展開し、S1202〜S1206により印刷ページ管理テーブル701に1エントリ(1ページ分)の管理データを設定する。S1202でドットパターンイメージに展開したページメモリアドレスを印刷ページ管理テーブル701のページメモリアドレス707に設定する。
【0056】
続いて、印刷順序管理テーブル601のエントリポインタ(PrtSeqPtr)で示されるエントリデータを参照して、S1203で片面印刷ページ数703を設定し、S1204で印刷面704を設定し、S1205でページ回転705を設定し、S1206でレイアウト順序706を設定する。
【0057】
続いて、S1207で印刷面の最初のページかどうかのチェックを行い、最初のページであればS1208で印刷ページ管理テーブル701のエントリポインタを退避(WkPagePtr)する。S1209で片面に印刷するページ数分の作成が完了したかどうかをチェックし、印刷面が完了していなければ、S1220で印刷ページ管理テーブル701のエントリポインタ(PrtPagePtr)を更新し、S1221で印刷順序管理テーブル601のエントリポインタ(PrtSeqPtr)を更新してページメモリ作成処理を終了する。印刷面が完了していればS1210〜S1219により下記の印刷要求処理を実行する。
【0058】
まず、S1210〜S1216により片面に印刷する全てのページに対応する一時印刷出力テーブルのエントリを作成する。一時印刷出力テーブルの形式は、第1印刷出力テーブル801および第2印刷出力テーブル807と同じである。印刷データの受信順に作成されている印刷ページ管理テーブル701のエントリから、一時印刷出力テーブルのエントリは出力順に作成する。S1210で印刷ページ管理テーブル701のレイアウト順序706の値から印刷出力テーブルのエントリ位置(i)を求める。エントリ位置(i)で示される一時印刷出力テーブルに、S1211で印刷面を設定し、S1212でページ回転を設定し、S1213でページメモリアドレスを設定し、S1214で有効フラグに“有効”を設定する。
【0059】
続いて、S1215で印刷面の全ページ分の一時印刷出力テーブルのエントリを設定完了したかどうかをチェックし、設定完了していなければS1216で印刷ページ管理テーブルの退避エントリポインタ(WkPagePtr)を更新してS1210〜S1215を繰り返し実行する。設定完了していれば、S1217とS1218により、一時印刷出力テーブルの有効フラグに有効データの終端として“無効”を設定する。
【0060】
S1219では、印刷要求処理を起動して一時印刷出力テーブルの有効エントリを第1印刷出力テーブル801または第2印刷出力テーブル807に設定する。印刷要求処理を実行した後、S1220で印刷ページ管理テーブル701のエントリポインタ(PrtPagePtr)を更新し、S1221で印刷順序管理テーブル601のエントリポインタ(PrtSeqPtr)を更新してページメモリ作成処理を終了する。
【0061】
つぎに、図14−1、図14−2に示すフローチャートを参照して印刷要求処理について説明する。印刷制御装置102は、印刷制御手段210の一部としてこの処理を実行する。また、この処理は、第1出力データ作成・更新手段215と第2出力データ作成・更新手段220の一部を有している。
【0062】
まず、S1301で一時印刷出力テーブルのポインタを初期化(i=0)する。S1302で一時印刷出力テーブルの設定値から印刷面が表か裏かをチェックする。印刷面が表であればS1303〜S1311により、一時印刷出力テーブルの内容を第1印刷出力テーブル801に設定する。印刷面が裏であればS1312〜S1320により、一時印刷出力テーブルの内容を第2印刷出力テーブル807に設定する。
【0063】
続いて、第1印刷出力テーブル801への設定では、まずS1303により、第1印刷出力テーブル801の入力ポインタPrtInPtr_1で示されるエントリが空いているかをチェックする。
【0064】
有効フラグ803が“有効”であれば、空いていないので、空き待ち(有効フラグ803=“無効”)を行う。空き待ちは、たとえばS1304のように100msスリープして、S1303で再度空きチェックすることで、スリープ中に第1印刷タスクが該当エントリのデータを処理して空き(有効フラグ803=“無効”)となるまで繰り返すことで行う。該当エントリが空き(有効フラグ803=“無効”)であれば、S1305〜S1308により、一時印刷出力テーブルのエントリデータを第1印刷出力テーブル801の入力ポインタPrtInPtr_1で示されるエントリに設定する。
【0065】
続いて、S1305で印刷面804を設定し、S1306でページ回転805を設定し、S1307でページメモリアドレス806を設定し、最後にS1308で有効フラグ803を“有効”に設定する。S1309で第1印刷出力テーブル801の入力ポインタPrtInPtr_1を更新し、S1310で一時印刷出力テーブルのエントリポインタを更新する。S1311でつぎの一時印刷出力テーブルのエントリの有効フラグをチェックし、“有効”であれば、S1303〜S1311を繰り返し、第1印刷出力テーブル801のつぎのエントリデータの設定を行う。
【0066】
続いて、S1311で、つぎの一時印刷出力テーブルのエントリの有効フラグのチェックで“無効”を検出すると、この印刷要求処理での第1印刷出力テーブル801への設定を終了する。第2印刷出力テーブル807へのエントリデータ設定についても、S1303〜S1311で第1印刷出力テーブル801のエントリデータを設定するのと同様な処理をS1312〜S1320により行う。
【0067】
つぎに、第1印刷タスク処理および第2印刷タスク処理について説明する。図15−1は、ページメモリ107に作成したドットパターンイメージを第1印刷装置111に転送して印刷を行う第1印刷タスク処理を示すフローチャートである。また、図15−2は第2印刷装置112に転送して印刷する第2印刷タスク処理を示すフローチャートである。印刷制御装置102は、印刷制御手段210の一部としてこの処理を実行する。この処理は、第1出力データ作成・更新手段215と第2出力データ作成・更新手段220の一部を有している。
【0068】
第1印刷タスクと第2印刷タスクは、印刷制御装置102の立ち上がりで起動されて、それぞれ第1印刷出力テーブル801と第2印刷出力テーブル807のエントリが有効になるのを監視していて、有効を検出するとその有効エントリのデータに従いページメモリ107に作成されているドットパターンイメージをそれぞれ第1印刷装置111と第2印刷装置112に転送して印刷する。
【0069】
図15−1の第1印刷タスクが起動されると、S1401で第1印刷出力テーブル801を初期化(クリア)し、S1402で第1印刷出力テーブル801の入力ポインタ(PrtInPtr_1)を初期化し、S1403で第1印刷出力テーブル801の出力ポインタ(PrtOutPtr_1)を初期化する。
【0070】
S1404で第1印刷出力テーブル801の出力ポインタ(PrtOutPtr_1)で示されるエントリが“有効”であるかをチェックする。“有効”でなければ、たとえばS1405のように100msスリープして、S1404で再度エントリが“有効”であるかをチェックする。“有効”であれば、S1406〜S1408によりページ回転や作成されているドットパターンイメージのページメモリ107のアドレスをプリンタI/F109に設定して起動する。プリンタI/F109を起動すると、S1409とS1410により前記ドットパターンイメージの第1印刷装置111への転送と印刷が終了するのを待つ。
【0071】
転送と印刷が終了すると、S1411で現在の第1印刷出力テーブル801の出力ポインタ(PrtOutPtr_1)で示すエントリを“無効”にし、S1412で出力ポインタ(PrtOutPtr_1)を更新してS1404に戻り、つぎのエントリに対する処理を繰り返す。同様に、図15−2の第2印刷タスクは、S1413〜S1420により第2印刷出力テーブル807とプリンタI/F110を使い、第2印刷装置112にドットイメージデータを転送して印刷を行う。
【0072】
したがって、上述したようにプログラムが動作することにより、第1の印刷順序および本発明の第2の印刷順序と第3の印刷順序で印刷することができ、第2の印刷順序と第3の印刷順序での印刷ではミシン目で折りたたんで重ねてある連続紙の表面と裏面の上下関係と印刷の方向が一定となる。
【0073】
このように、上述したこの実施の形態では、連続紙への両面印刷について、連続紙の折りたたみ単位で表面と裏面を入れ替えて用紙に印刷すると共に、表面と裏面を入れ替えた用紙への印刷では印刷データを180度回転する。これにより、ミシン目で折りたたんで重ねてある連続紙の表面と裏面の上下関係と印刷の方向を一定とし、重ねてある連続紙をまとめて裁断しても、用紙を1枚毎に反転させて揃える作業が不要になるため、低コストで生産性の良い後処理が可能となる。また、重ねてある用紙をまとめて裁断する方法は、印刷物を1枚毎に裁断する後処理機で裁断する方法に比べ、低コストであるばかりでなく、短時間に大量の裁断が可能であり生産性も良い。さらに、本発明のシステムは、用紙ジャムなどの裁断不良が少ないので、印刷後の後処理のオペレータの作業負担が軽減される。
【0074】
ところで、これまで説明してきた実施の形態における連続紙への両面印刷の機能、手段、処理方法の各工程をプログラム化し、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録し、コンピュータ上で実行することもできる。また、この処理方法の一部をネットワーク上の装置やシステムに有し、通信回線を通して実現することもできる。
【0075】
すなわち、この実施の形態で説明した処理方法は、図16に示すように、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータ(CPU130)で実行することにより実現される。このプログラムは、キーボード135の操作などにより、メモリ131、ハードディスク134、フレキシブルディスク137、CD−ROM(Compact−Disc Read Only Memory)136、MO(Magneto Optical)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータ(CPU130)によって記録媒体から読み出し、必要に応じて表示装置133に表示することによって実行される。また、必要に応じてこの処理方法のデータを通信装置132から外部装置に送受信することも可能である。
【0076】
また、このプログラムは、図17に示すように、上記記録媒体を介して、インターネット140などのネットワークによってパーソナルコンピュータなどの装置141〜143に配布することができる。
【0077】
すなわち、このプログラムは、たとえばコンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスクに、あらかじめインストールした状態で提供することができる。また、このプログラムは、プログラムを記録媒体に一時的あるいは永続的に格納し、コンピュータにユニットとして組み込んだり、あるいは着脱式の記録媒体として利用することで、パッケージプログラムとして提供することができる。
【0078】
記録媒体としては、たとえば、フレキシブルディスク、CD−ROM、MOディスク、DVD、磁気ディスク、半導体メモリなどが利用できる。
【0079】
プログラムは、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)やインターネットといったネットワークを介して、有線または無線でコンピュータに転送し、そのコンピュータにおいて、内蔵するハードディスクなどの記憶装置にダウンロードさせるようにすることができる。
【0080】
なお、この実施の形態では、第1印刷装置111と第2印刷装置112の2台の印刷装置で連続紙の両面に印刷する連続紙両面印刷システムの例について説明したが、手動で1台の印刷装置で両面印刷するシステムについても本発明は適用可能である。また、本発明は、ロール紙を給紙して印刷した後に折り畳み装置で用紙を折り畳んで排紙する印刷システムについても適用可能である。さらに、この実施の形態では第1印刷装置111と第2印刷装置112の2台の印刷装置を構成するシステム例について示したが、比較的小サイズの連続紙などを用いる場合など、第1印刷装置111と第2印刷装置112の2つの機能を1台の装置にまとめた装置構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上のように、本発明にかかる両面印刷システム、両面印刷方法、プログラム、並びに記録媒体は、一定間隔毎に折りたたみ目を有する連続紙の両面へ印刷することに有用であり、特に、連続紙の両面印刷を行う両面印刷システム、両面印刷方法、プログラム、並びに記録媒体に適している。
【符号の説明】
【0082】
101 上位装置
102 印刷制御装置
103 上位I/F
105 CPU
106 プログラムメモリ
107 ページメモリ
108 操作パネル
109,110 プリンタI/F
111 第1印刷装置
112 第2印刷装置
601 印刷順序管理テーブル
701 印刷ページ管理テーブル
801 第1印刷出力テーブル
802 第2印刷出力テーブル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】
【特許文献1】特開昭56−99585号公報
【特許文献2】特開平7−237336号公報
【特許文献3】特開2001−287421号公報
【特許文献4】特開2009−51096号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷順序を含む印刷情報を指定する印刷指定手段と、連続紙の表面へ画像を印刷する第1印刷手段と、前記連続紙の裏面へ画像を印刷する第2印刷手段とを有し、印刷対象の印刷ジョブを受け入れ前記連続紙への両面印刷を行う両面印刷システムであって、
前記印刷指定手段で指定される第1の印刷順序として前記連続紙の表面には奇数ページを裏面には偶数ページの順に印刷する第1順序印刷手段と、
前記印刷指定手段で指定される第2の印刷順序として前記連続紙の表面には印刷ジョブの1ページ目、4ページ目、5ページ目、8ページ目・・・、((n×4)−3)ページ目、(n×4)ページ目の順に、裏面には印刷ジョブの2ページ目、3ページ目、6ページ目、7ページ目、・・・、((n×4)−2)ページ目、((n×4)−1)ページ目の順に印刷する第2順序印刷手段と、
印刷データを180度回転する回転手段と、
を備え、
前記第2順序印刷手段が第2の印刷順序で印刷する場合には表面に印刷する4ページ目、8ページ目、・・・(n×4)ページ目と裏面に印刷する3ページ目、7ページ目、・・・、((n×4)−1)ページ目は印刷データを前記回転手段によって180度回転して印刷を行うことを特徴とする連続紙へ両面印刷を行う両面印刷システム。
ここで、nは連続紙の折りたたみを単位とする用紙の枚数(1枚目、2枚目、・・・n枚目)である。
【請求項2】
さらに、前記印刷指定手段は連続紙の折りたたみ単位に片面に印刷するページ数mを指定する手段を有し、前記印刷指定手段で指定されるページ数mおよび第3の印刷順序として連続紙の表面には印刷ジョブの((n×4×m)−((4×m)−1))ページ目〜((n×4×m)−((4×m)−1)+(m−1))ページ目、(n×4×m)ページ目〜((n×4×m)−(m−1))ページ目の順に、裏面には印刷ジョブの((n×4×m)−((4×m)−(m+1)))ページ目〜((n×4×m)−((4×m)−(m+1))+(m−1))ページ目、((n×4×m)−((4×m)−((2×m)+1))+(m−1))ページ目〜((n×4×m)−((4×m)−((2×m)+1)))ページ目の順に印刷する第3順序印刷手段と、
を備え、
前記第3順序印刷手段が第3の印刷順序で印刷する折りたたみ単位の片面に印刷するページ数mが2以上の場合には表面に印刷する(n×4×m)ページ目〜((n×4×m)−(m−1))ページ目と裏面に印刷する(n×4×m)−((4×m)−((2×m)+1))+(m−1))ページ目〜((n×4×m)−((4×m)−((2×m)+1)))ページ目の印刷順序は降順で行い印刷データを前記回転手段によって180度回転して印刷することを特徴とする請求項1に記載の両面印刷システム。
【請求項3】
印刷指定手段が印刷順序を含む印刷情報を指定する印刷指定工程と、連続紙の表面へ画像を印刷する第1印刷手段と、前記連続紙の裏面へ画像を印刷する第2印刷手段とを有し、印刷対象の印刷ジョブを受け入れ前記連続紙への両面印刷を行う両面印刷方法であって、
第1順序印刷手段が前記印刷指定工程で指定される第1の印刷順序として前記連続紙の表面には奇数ページを裏面には偶数ページの順に印刷する第1順序印刷手段と、
第2順序印刷手段が前記印刷指定工程で指定される第2の印刷順序として前記連続紙の表面には印刷ジョブの1ページ目、4ページ目、5ページ目、8ページ目・・・、((n×4)−3)ページ目、(n×4)ページ目の順に、裏面には印刷ジョブの2ページ目、3ページ目、6ページ目、7ページ目、・・・、((n×4)−2)ページ目、((n×4)−1)ページ目の順に印刷する第2順序印刷工程と、
回転手段が印刷データを180度回転する回転工程と、
を含み、
前記第2順序印刷工程において第2の印刷順序で印刷する場合には表面に印刷する4ページ目、8ページ目、・・・(n×4)ページ目と裏面に印刷する3ページ目、7ページ目、・・・、((n×4)−1)ページ目は印刷データを前記回転工程で180度回転して印刷を行うことを特徴とする連続紙への両面印刷を行う両面印刷方法。
ここで、nは連続紙の折りたたみを単位とする用紙の枚数(1枚目、2枚目、・・・n枚目)である。
【請求項4】
さらに、前期印刷指定手段は連続紙の折りたたみ単位に印刷するページ数を含む印刷情報を指定する手段を有し、前記印刷指定手段で指定されるページ数mおよび第3の印刷順序として連続紙の表面には印刷ジョブの((n×4×m)−((4×m)−1))ページ目〜((n×4×m)−((4×m)−1)+(m−1))ページ目、(n×4×m)ページ目〜((n×4×m)−(m−1))ページ目の順に、裏面には印刷ジョブの((n×4×m)−((4×m)−(m+1)))ページ目〜((n×4×m)−((4×m)−(m+1))+(m−1))ページ目、((n×4×m)−((4×m)−((2×m)+1))+(m−1))ページ目〜((n×4×m)−((4×m)−((2×m)+1)))ページ目の順に印刷する第3順序印刷工程と、
を備え、
前記第3順序印刷工程において第3の印刷順序で印刷する折りたたみ単位の片面に印刷するページ数mが2以上の場合には表面に印刷する(n×4×m)ページ目〜((n×4×m)−(m−1))ページ目と裏面に印刷する(n×4×m)−((4×m)−((2×m)+1))+(m−1))ページ目〜((n×4×m)−((4×m)−((2×m)+1)))ページ目の印刷順序は降順で行い印刷データを前記回転工程で180度回転して印刷することを特徴とする請求項3に記載の両面印刷方法。
【請求項5】
前記請求項3または4に記載の両面印刷方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
前記請求項3または4に記載の両面印刷方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータで読取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−178035(P2011−178035A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44648(P2010−44648)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】