説明

中継通信システム、中継サーバ及び中継通信方法

【課題】各装置にソフトウェアのバージョンアップの自由度を与えつつ、かつ、ソフトウェアのバージョンの違いにより装置間の通信ができなくなるのを抑制する。
【解決手段】保守中継サーバ2の通信はセンターサーバ1により管理されている。このような保守中継サーバ2はバージョン判定部94を含む。バージョン判定部94は、保守中継サーバ2にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、センターサーバ1が保持するソフトウェアのバージョンと、を比較する。そして、バージョン判定部94は、保守中継サーバ2にインストールされようとしているソフトウェアがセンターサーバ1のソフトウェアと互換性を有していない場合には、保守中継サーバ2へのソフトウェアのインストールを禁止し、そうでない場合には、保守中継サーバ2への前記ソフトウェアのインストールを許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継通信システム、中継サーバ及び中継通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭、オフィスあるいは工場などに設置されている電子機器の監視及び保守を、遠隔地から行う遠隔保守システムが実用化されている。遠隔保守システムでは、センターサーバがネットワークを介して複数の中継サーバに接続され、中継サーバ間の通信を管理する。このような遠隔保守システムにおいて、装置同士でインストールされているソフトウェアのバージョンが異なる場合には装置間の通信ができないことがある。特に、センターサーバと他の装置との通信が不可能となる場合には、他の装置はセンターサーバの管理下における通信を行うことができない。そのような不具合を防ぐために、特許文献1及び特許文献2の技術が提案されている。
特許文献1及び特許文献2では、各装置はソフトウェアのバージョンをチェックし、ソフトウェアのバージョンを随時最新のバージョンに更新する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−285769号公報
【特許文献2】特開2008−27149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、各装置の所有者の要望は多様であるにもかかわらず、特許文献1及び特許文献2の方法によれば各装置のソフトウェアは所有者の要望に関係なく随時、最新のバージョンに更新されてしまう。逆に、各装置の所有者がその要望により自由にソフトウェアをインストール可能であれば、ソフトウェアのバージョンが装置間で異なってしまい、装置間での通信ができなくなってしまう。
【0005】
本発明の課題は、各装置にソフトウェアのバージョンアップの自由度を与えつつ、かつ、ソフトウェアのバージョンの違いにより装置間の通信ができなくなるのを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0007】
本発明の一見地に係る中継通信システムは、ネットワークを介して通信可能に接続された複数の中継サーバと、ネットワークに接続され複数の中継サーバ間の通信を管理するセンターサーバと、を備える。
センターサーバは、複数の中継サーバ間の通信の可否を決定する通信管理部を有する。
各中継サーバは、バージョン取得部及びバージョン判定部を有する。バージョン取得部は、センターサーバが保持するソフトウェアのバージョンをセンターサーバから取得する。バージョン判定部は、各中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、センターサーバが保持するソフトウェアのバージョンと、を比較する。そして、バージョン判定部は、各中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアがセンターサーバのソフトウェアと互換性を有していない場合には、各中継サーバへのソフトウェアのインストールを禁止する。一方、そうでない場合には、バージョン判定部は各中継サーバへのソフトウェアのインストールを許可する。
【0008】
センターサーバは中継サーバの通信を管理しており、センターサーバの管理下において中継サーバは他の装置と通信が可能となる。例えば、センターサーバの管理下において、中継サーバと他の装置との間にVPN(Vertual Private Network)の設定がなされる。つまり、中継サーバは、他の装置と通信を行う前にまずはセンターサーバと通信が必要である。中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアが、センターサーバのソフトウェアと互換性を有していない場合には、センターサーバは中継サーバと通信することができず、中継サーバと他の装置との間の通信を確立させることができない。そこで、中継サーバは、各中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアが、センターサーバのソフトウェアと互換性を維持するように制御する。これにより、センターサーバと中継サーバとの間の通信が阻害されない。よって、センターサーバは中継サーバと通信が可能となり、中継サーバの通信を管理することが可能となる。ひいては、センターサーバの管理の下、中継サーバは他の装置と通信が可能となる。
【0009】
バージョン判定部は、各中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアのバージョンがセンターサーバのソフトウェアのバージョンを超える、もしくは下回る場合に互換性が無いと判定し、そうでない場合には互換性があると判定する。
【0010】
例えば、バージョンがx.y.zの3桁で表示される場合、バージョン判定部は、例えば上位2桁のx及びyの値を比較することによりソフトウェア間の互換性の有無を判断する。具体的に、中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアのバージョンが“1.5.4”であり、センターサーバのソフトウェアのバージョンが“1.5.3”であるとする。この場合、バージョン判定部は、各バージョンの上位2桁が同一であるため互換性があると判断し、中継サーバへの当該ソフトウェアのインストールを許可する。なお、最下位の桁であるzの値は、中継サーバが“4”でありセンターサーバは“3”であるため中継サーバの方が大きい。しかし、このような場合であっても、バージョン判定部は、上位2桁を比較することで互換性があると判断した場合には、中継サーバへの当該ソフトウェアのインストールを許可する。
なお、バージョン判定部でのバージョンの比較は、例えばx.y.zで記述されるバージョンの値の大小を単純に比較することにより行われてもよい。この方法の場合には、バージョン判定部はバージョン“1.5.4”がバージョン“1.5.3”より高いと判定し、当該ソフトウェアのインストールを禁止する。
【0011】
複数の中継サーバのうち少なくとも一の中継サーバには、一の中継サーバを介して他の中継サーバと通信可能であるクライアント端末が接続されている。センターサーバの通信管理部はクライアント端末の通信の可否をさらに決定する。
クライアント端末は、バージョン取得部及びバージョン判定部を含む。バージョン取得部は、センターサーバが保持するソフトウェアのバージョンを一の中継サーバから取得する。バージョン判定部は、クライアント端末にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、センターサーバが保持するソフトウェアのバージョンと、を比較する。そしてバージョン判定部は、クライアント端末にインストールされようとしているソフトウェアがセンターサーバのソフトウェアと互換性を有していない場合には、クライアント端末へのソフトウェアのインストールを禁止する。一方、そうでない場合には、バージョン判定部はクライアント端末へのソフトウェアのインストールを許可する。
【0012】
中継サーバに接続されているクライアント端末もまた、クライアント端末にインストールされようとしているソフトウェアが、センターサーバのソフトウェアのバージョンと互換性を有していない場合には、当該ソフトウェアのインストールを禁止する。これにより、センターサーバはクライアント端末の通信も管理することが可能となり、クライアント端末と他の装置との通信を確立できる。
【0013】
クライアント端末のバージョン取得部は、一の中継サーバが保持するソフトウェアのバージョンをさらに取得する。
クライアント端末のバージョン判定部は、クライアント端末にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、一の中継サーバが保持するソフトウェアのバージョンと、をさらに比較する。クライアント端末のバージョン判定部は、クライアント端末にインストールされようとしているソフトウェアがセンターサーバのソフトウェアと互換性を有しており、かつ、クライアント端末にインストールされようとしているソフトウェアが一の中継サーバのソフトウェアと互換性を有していない場合には、クライアント端末の使用者にその旨を通知する。
【0014】
クライアント端末にインストールされようとしているソフトウェアが、センターサーバのソフトウェアと互換性を有している場合には、当該ソフトウェアのインストールは可能である。しかし、クライアント端末にインストールされようとしているソフトウェアが、クライアント端末が接続されている一の中継サーバのソフトウェアと互換性を有していない場合には、クライアント端末と一の中継サーバとの通信が困難となる。そこで、クライアント端末はディスプレイなどを通じてその使用者にその旨を通知する。あるいは、クライアント端末は一の中継サーバの所有者にその旨を通知するようにしても良い。例えば、クライアント端末は、一の中継サーバに当該ソフトウェアをインストールするように使用者に通知する。一の中継サーバに当該ソフトウェアがインストールされれば、一の中継サーバのソフトウェアとクライアント端末のソフトウェアとの互換性を確保でき、通信が可能となる。
【0015】
本発明の他の見地に係る中継サーバは、ネットワークを介してセンターサーバに接続されるとともに、センターサーバの管理下においてネットワークを介して相互に通信可能に接続される複数の中継サーバを有する中継通信システムに用いられる。中継サーバは、バージョン取得部及びバージョン判定部を備える。バージョン取得部は、センターサーバが保持するソフトウェアのバージョンをセンターサーバから取得する。バージョン判定部は、各中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、センターサーバが保持しているソフトウェアのバージョンと、を比較する。そして、バージョン判定部は、各中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアがセンターサーバのソフトウェアと互換性を有していない場合には、各中継サーバへのソフトウェアのインストールを禁止する。一方、そうでない場合には、バージョン判定部は各中継サーバへのソフトウェアのインストールを許可する。
【0016】
本発明のさらに他の見地に係る中継通信方法は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数の中継サーバと、ネットワークに接続され複数の中継サーバ間の通信を管理するセンターサーバと、を備える中継通信システムで実行される。
最初に、各中継サーバは、センターサーバが保持するソフトウェアのバージョンをセンターサーバから取得する。
次に、各中継サーバは、各中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、センターサーバが保持するソフトウェアのバージョンと、を比較する。
次に、各中継サーバは、各中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアがセンターサーバのソフトウェアと互換性を有していない場合には、各中継サーバへのソフトウェアのインストールを禁止する。一方、そうでない場合には、各中継サーバは、各中継サーバへのソフトウェアのインストールを許可する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、各装置にソフトウェアのバージョンアップの自由度を与えつつ、かつ、ソフトウェアのバージョンの違いにより装置間の通信ができなくなるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】中継通信システムの全体構成を示す構成図である。
【図2】センターサーバの機能構成を示す構成図である。
【図3】アクセス許可リストの一例である。
【図4】センターサーバのバージョンテーブルの一例である。
【図5】保守中継サーバの機能構成を示す構成図である。
【図6】保守中継サーバのバージョンテーブルの一例である。
【図7】保守クライアント端末の機能構成を示す構成図である。
【図8】保守クライアント端末のバージョンテーブルの一例である。
【図9】遠隔保守の流れを示すフローチャートの一例である。
【図10】センターサーバにアクセスを管理される各装置のバージョンアップ処理を示すフローチャートの一例である。
【図11】図10中のバージョンアップ判定処理を示すフローチャートの一例である。
【図12】バージョンアップ判定処理を示すフローチャートの別の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
遠隔保守システムの一例として、コールセンターのセンターサーバ、保守センターの保守中継サーバ及び客先の客先中継サーバがネットワークを介して接続されている中継通信システムがある。センターサーバは複数の中継サーバ間の接続を管理しており、センターサーバの許可に基づいて、中継サーバ間の通信、中継サーバに接続されたクライアント端末間の通信、クライアント端末と中継サーバ間の通信などが可能となる。本発明の中継通信システムでは、各装置の所有者及び管理者などが各装置においてソフトウェアのバージョンアップを行うか否かを決定することを前提としている。そして、各装置側でソフトウェアのバージョンアップの可否を決定することを前提とした上で、装置間での通信が行えなくなるのを防止するために、後述のバージョンアップ処理を行う。
以下に、本発明の実施形態に係る中継通信システムについて説明する。
【0020】
(1)中継通信システムの全体構成
図1は、中継通信システムの全体構成を示す構成図である。中継通信システム1000では、WAN(Wide Area Network)30を介して、センターサーバ1、保守中継サーバ2及び客先中継サーバ3が互いに通信可能に接続されている。センターサーバ1は図1のCD Server(Center Device Server)であり、例えば、ユーザからの問い合わせなどを受け付けるコールセンターに設置されている。センターサーバ1は、中継サーバとして機能するとともに、保守中継サーバ2及び客先中継サーバ3を介した通信の可否を管理する。保守中継サーバ2は図1のMD Server(Maintenance Device Server)であり、保守員が常駐する保守センターに設けられた中継サーバである。客先中継サーバ3は図1のTD Server(Terminal Device Server)であり、客先に設けられた中継サーバである。WAN30は、例えばインターネットなどの広域ネットワークである。
【0021】
LAN(Local Area Network)10はコールセンターに構築されるネットワークである。LAN10には、センターサーバ1及びセンタークライアント端末1aが接続されている。センタークライアント端末1aは図1中のCD ClientAである。コールセンターのセンター員は、センタークライアント端末1aによりセンターサーバ1に格納されている各種情報を確認することができる。
【0022】
LAN20は保守センターに構築されるネットワークである。LAN20には、保守中継サーバ2及び保守クライアント端末2aが接続されている。保守クライアント端末2aは図1中のMD ClientAである。保守センターの保守員は、センターサーバ1の管理下において、保守クライアント端末2aを用いて他の中継サーバにアクセスし遠隔保守を行うことができる。なお、保守員は、保守中継サーバ2を用いて遠隔保守を行うことも可能である。
LAN35は客先システムに構築されるネットワークである。LAN35には、客先中継サーバ3及び監視対象機器7aが接続されている。監視対象機器7aは図1中の監視対象機器Aである。本実施形態では、監視対象機器7aは、保守クライアント端末2aから遠隔保守される。
【0023】
保守中継サーバ2、保守クライアント端末2a及び客先中継サーバ3等は、センターサーバ1の管理の下、相互に通信可能な中継グループを構成しており、それぞれ中継グループの参加に必要な情報を格納している。
ポータブル保守端末40がWAN30に接続されていてもよく、保守員はポータブル保守端末40を用いて遠隔保守を行うことも可能である。ポータブル保守端末40については後述する。
【0024】
(2)中継通信システムの動作の概要
次に、図1に示す中継通信システム1000の動作の概要について説明する。中継通信システム1000は、例えば客先中継サーバ3からの要求に基づいて遠隔保守を行う。また、中継通信システム1000では、各中継サーバ及び各クライアント端末においてソフトウェアのバージョンアップを行う際に、バージョンアップが可能か否かを判定するバージョンアップ処理を行う。以下に、遠隔保守及びバージョンアップ処理の概要について説明する。
【0025】
(2−1)遠隔保守の概要
例えば、監視対象機器7aに障害が発生した場合には、監視対象機器7aの管理者は電話やメールなどでメンテナンス要求を保守サービス提供者に伝える。保守サービス提供者は、当該メンテナンス要求に対処する保守員を選択し、保守員は保守クライアント端末3aから監視対象機器7aの遠隔保守を行う。或いは、エラーが無くても保守クライアント端末3aは保守中継サーバ2を介して、センターサーバ1に、保守中継サーバ2と客先中継サーバ3との間でのルーティングセッションの確立を要求する。このルーティングセッションは、保守クライアント端末2aと監視対象機器7aとの間で転送される通信パケットをルーティング制御するためのメディアセッションである。保守員は、確立されたルーティングセッションを利用して、保守クライアント端末2aから保守中継サーバ2及び客先中継サーバ3介して監視対象機器7aの遠隔保守を行うことが可能となる。
【0026】
(2−2)バージョンアップ処理の概要
例えば、客先中継サーバ3の所有者又は管理者等(以下、単に所有者と言う)が、客先中継サーバ3のソフトウェアのバージョンアップを行う場合を説明する。ソフトウェアのバージョンアップとは、新たなバージョンのソフトウェアを装置にインストールすることを言う。
客先中継サーバ3は、起動時及びセンターサーバ1との接続の確認時などの所定のタイミングで、センターサーバ1との間でソフトウェアのバージョンの交換を行う。つまり、客先中継サーバ3がセンターサーバ1に客先中継サーバ3のソフトウェアのバージョンを送信すると、センターサーバ1もまた客先中継サーバ3にセンターサーバ1のソフトウェアのバージョンを送信する。
【0027】
客先中継サーバ3において所有者がソフトウェアのバージョンアップを行おうとする場合、客先中継サーバ3は、客先中継サーバ3にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、センターサーバ1のソフトウェアのバージョンとを比較する。客先中継サーバ3は、インストールされようとしているソフトウェアがセンターサーバ1のソフトウェアと互換性を有していない場合には、客先中継サーバ3でのソフトウェアのバージョンアップを禁止する。一方、客先中継サーバ3は、インストールされようとしているソフトウェアがセンターサーバ1のソフトウェアと互換性を有している場合には、客先中継サーバ3でのソフトウェアのバージョンアップを許可する。
【0028】
上記のようなバージョンアップ処理により、客先中継サーバ3のソフトウェアとセンターサーバ1のソフトウェアとの互換性を維持することができる。よって、客先中継サーバ3とセンターサーバ1との間の通信が、ソフトウェアのバージョンの違いにより阻害されない。ひいては、センターサーバ1のアクセス管理の下の各装置間の通信が阻害されない。
このようなバージョンアップ処理は、客先中継サーバ3だけでなく、保守中継サーバ2及び保守クライアント端末2aにおいても実行される。
【0029】
(3)各装置の具体的構成
次にセンターサーバ1、保守中継サーバ2、客先中継サーバ3及び保守クライアント端末2aの各装置の構成について説明する。
【0030】
(3−1)センターサーバの構成
図2はセンターサーバの機能構成を示す構成図である。センターサーバ1は、データベース格納部50、制御部60及びインターフェース部70を備える。
制御部60は、センターサーバ1の全体の制御を行う。制御部60は、アクセス制御部61及びバージョン交換部62を備える。アクセス制御部61は、保守クライアント端末2aから監視対象機器7aへのアクセスを制御し管理する。なお、保守クライアント端末2aが客先中継サーバ3にアクセス可能であれば、当該保守クライアント端末2aは、客先中継サーバ3の下位の監視対象機器7aにアクセス可能であるものとする。例えば,保守クライアント端末2aから保守中継サーバ2を介して、遠隔保守の要求がセンターサーバ1にあれば、センターサーバ1のアクセス制御部61は、保守中継サーバ2と客先中継サーバ3との間でルーティングセッションを確立する。
【0031】
センターサーバ1のバージョン交換部62は、センターサーバ1とセンターサーバ1に接続されている装置との間でソフトウェアのバージョンの交換を行う。例えば、バージョン交換部62は、保守中継サーバ2から保守中継サーバ2にインストールされているソフトウェアのバージョンを受信する。これに応じて、バージョン交換部62は、センターサーバ1にインストールされているソフトウェアのバージョンを後述のバージョンテーブル52から読み出して保守中継サーバ2に送信する。バージョン交換部62は、受信した保守中継サーバ2のソフトウェアのバージョンをバージョンテーブル52に格納する。
データベース格納部50は、アクセス許可リスト51及びバージョンテーブル52を備える。アクセス許可リスト51は、アクセス対象装置へのアクセスを許可される装置のリストである。
【0032】
図3はアクセス許可リストの一例である。アクセス許可リスト51は、アクセス対象装置と、アクセス対象装置へのアクセスが許可されているアクセス権保持装置と、を対応付けた情報である。図3は、一例として、アクセス対象装置である客先中継サーバ3へのアクセスが許可されているアクセス権保持装置の一覧を示している。図3において、客先中継サーバ3へのアクセス権が設定されているアクセス権保持装置は、保守中継サーバ2及び保守クライアント端末2aである。このようにセンターサーバ1は、アクセス許可リスト51を用いて、客先中継サーバ3にアクセスすることができる装置を一元的に管理している。本実施形態では、客先中継サーバ3は1つのみであるが、複数の客先中継サーバが中継通信システム1000に含まれていてもよく、アクセス許可リスト51において各客先中継サーバごとにアクセス権が設定されていてもよい。また、センターサーバ1は、アクセス許可リスト51を変更するだけで、客先中継サーバ3にアクセスすることができるアクセス権保持装置を容易に変更することができる。
【0033】
バージョンテーブル52は、センターサーバ1、センターサーバ1に接続可能な保守中継サーバ2、保守クライアント端末2a及び客先中継サーバ3の各装置にインストールされているソフトウェアのバージョンを記憶している。図4はセンターサーバのバージョンテーブルの一例である。センターサーバ1のバージョンテーブル52は、各装置とソフトウェアのバージョンとを対応付けて記憶している。本実施形態では、一例としてソフトウェアのバージョンはx.y.zの3桁で表示され、バージョンの順位はx、y、zの順に上位から下位となっている。図4を参照すると、センターサーバ1にインストールされているソフトウェアのバージョンは、“1.5.3”であり、現在、客先中継サーバ3にインストールされているソフトウェアのバージョンは“1.5.2”である。なお、図4のバージョンテーブル52では、センターサーバ1、客先中継サーバ3、保守中継サーバ2のバージョン情報を格納しているが、保守クライアント端末2aのバージョン情報を格納するようにしてもよい。
インターフェース部70は、プライベートIP(Internet Protocol)アドレスを利用してLAN10内の通信を行う。また、インターフェース部70は、グローバルIPアドレスを利用してWAN30を介した通信を行う。
【0034】
(3−2)中継サーバの構成
(3−2−1)保守中継サーバ
図5は、保守中継サーバの機能構成を示す構成図である。保守中継サーバ2は、データベース格納部80、制御部90及びインターフェース部100を備える。
データベース格納部80はバージョンテーブル81を備える。図6は保守中継サーバのバージョンテーブルの一例である。バージョンテーブル81は、センターサーバ1及び保守中継サーバ2にインストールされているソフトウェアのバージョンを記憶している。
【0035】
制御部90は、保守中継サーバ2の全体の制御を行う。制御部90は、ルーティングセッション確立部91、ルーティング制御部92、バージョン交換部93及びバージョン判定部94を備える。ルーティングセッション確立部91は、センターサーバ1によるアクセス管理の下、ルーティングセッションを確立する。ルーティングセッション確立部91は、センターサーバ1のアクセス制御部61の制御に基づいて、保守中継サーバ2と、客先中継サーバ3と、の間にルーティングセッションを確立する。つまり、ルーティングセッション確立部91は、保守中継サーバ2と客先中継サーバ3間にルーティングセッションを確立する。ルーティング制御部92は、ルーティングセッションを利用して、保守クライアント端末2aと監視対象機器7aとの間で通信パケットのルーティング制御を行う。
【0036】
保守中継サーバ2のバージョン交換部93は、センターサーバ1とソフトウェアのバージョンの交換を行う。例えば、バージョン交換部93は、保守中継サーバ2にインストールされているソフトウェアのバージョンをバージョンテーブル81から読み出してセンターサーバ1に送信する。また、バージョン交換部93は、センターサーバ1にインストールされているソフトウェアのバージョンをセンターサーバ1から受信する。バージョン交換部93は、受信したセンターサーバ1のソフトウェアのバージョンをバージョンテーブル81に格納する。
【0037】
バージョン判定部94は、保守中継サーバ2の所有者が、保守中継サーバ2のソフトウェアのバージョンアップをしようとしている場合、バージョンアップを禁止するか許可するかを決定する。具体的に、バージョン判定部94は、バージョンテーブル81からセンターサーバ1にインストールされているソフトウェアのバージョンを読み出す。次に、バージョン判定部94は、保守中継サーバ2にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、センターサーバ1のソフトウェアのバージョンとを比較する。バージョン判定部94は、バージョンの比較の結果、ソフトウェア間に互換性があるか否かを判定する。バージョン判定部94は、比較の結果、保守中継サーバ2にインストールされようとしているソフトウェアが、センターサーバ1のソフトウェアと互換性を有してないと判断した場合には、保守中継サーバ2でのソフトウェアのバージョンアップを禁止する。一方、保守中継サーバ2は、インストールされようとしているソフトウェアがセンターサーバ1のソフトウェアと互換性を有していると判断した場合には、保守中継サーバ2でのソフトウェアのバージョンアップを許可する。
【0038】
バージョン判定部94での互換性の有無の判定は、例えば、上位2桁のx及びyの値を比較することにより判断してもよい。例えば、保守中継サーバ2にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンが“1.5.4”であり、センターサーバ1のソフトウェアのバージョンが“1.5.3”であるとする。この場合、バージョンの値の大小が単純に比較された場合には、保守中継サーバ2にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンの方が、センターサーバ1のソフトウェアのバージョンよりも高い。しかし、バージョン判定部94は、各バージョンの上位2桁が同一であるため互換性があると判断し、保守中継サーバ2への当該ソフトウェアのインストールを許可する。
【0039】
その他、互換性の有無の判定は、例えばx.y.zで記述されるバージョンの値の大小を単純に比較することにより行われてもよい。例えば保守中継サーバ2にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンが“1.5.4”であり、センターサーバ1のソフトウェアのバージョンが“1.5.3”であるとする。バージョン判定部94は、保守中継サーバ2にインストールされようとしているソフトウェアのバージョン“1.5.4”は、センターサーバ1のソフトウェアのバージョン“1.5.3”を超えており互換性が無いと判定する。よって、バージョン判定部94は、バージョンが“1.5.4”のソフトウェアを保守中継サーバ2にインストールするのを禁止する。このような互換性の判断方法は適宜設定可能であり、設定された判断方法により互換性が判断される。
【0040】
インターフェース部100は、プライベートIPアドレスを利用してLAN20内の通信を行い、グローバルIPアドレスを利用してWAN30を介した通信を行う。
【0041】
(3−2−2)客先中継サーバ
客先中継サーバ3は保守中継サーバ2と同一の構成であるため、客先中継サーバ3の構成は図5を用いて以下に簡単に説明する。
客先中継サーバ3のデータベース格納部80はバージョンテーブル81を備える。客先中継サーバ3のバージョンテーブル81はセンターサーバ1及び客先中継サーバ3にインストールされているソフトウェアのバージョンを記憶している。
客先中継サーバ3の制御部90は、客先中継サーバ3の全体の制御を行う。客先中継サーバ3の制御部90は、ルーティングセッション確立部91、ルーティング制御部92、バージョン交換部93及びバージョン判定部94を備える。
【0042】
客先中継サーバ3のルーティングセッション確立部91は、センターサーバ1によるアクセス管理の下、ルーティングセッションを確立する。客先中継サーバ3のルーティング制御部92は、ルーティングセッションを利用して通信パケットのルーティング制御を行う。
客先中継サーバ3のバージョン交換部93は、センターサーバ1とソフトウェアのバージョンの交換を行い、客先中継サーバ3のバージョンテーブル81に格納する。客先中継サーバ3のバージョン判定部94は、客先中継サーバ3の所有者が、客先中継サーバ3のソフトウェアのバージョンアップをしようとしている場合、バージョンアップを禁止するか許可するかを決定する。
客先中継サーバ3のインターフェース部100は、グローバルIPアドレスを利用してWAN30を介した通信を行う。
【0043】
(3−3)保守クライアント端末の構成
図7は保守クライアント端末の機能構成を示す構成図である。保守クライアント端末2aは、データベース格納部110、制御部120及びインターフェース部130を備える。
データベース格納部110はバージョンテーブル111を備える。図8は保守クライアント端末のバージョンテーブルの一例である。バージョンテーブル111は、センターサーバ1、保守中継サーバ2及び保守クライアント端末2aにインストールされているソフトウェアのバージョンを記憶している。なお、バージョンテーブル111は、保守中継サーバ2にインストールされているソフトウェアのバージョンを必ずしも記憶する必要はない。例えば、後述の図12に示す処理が行われる場合には、バージョンテーブル111は、保守中継サーバ2にインストールされているソフトウェアのバージョンを記憶する。
【0044】
制御部120は、保守クライアント端末2aの全体の制御を行う。制御部120は、バージョン交換部121及びバージョン判定部122を備える。バージョン交換部121は、上位の保守中継サーバ2から、センターサーバ1及び保守中継サーバ2にインストールされているソフトウェアのバージョンを取得する。バージョン交換部121は、取得したセンターサーバ1及び保守中継サーバ2のソフトウェアのバージョンをバージョンテーブル111に格納する。また、バージョン交換部121は、保守クライアント端末2aにインストールされているソフトウェアのバージョンを、センターサーバ1及び/又は保守中継サーバ2に送信してもよい。バージョン判定部122は、保守クライアント端末2aの所有者が、保守クライアント端末2aのソフトウェアのバージョンアップをしようとしている場合、バージョンアップを禁止するか許可するかを判定する。この判定方法は、保守中継サーバ2及び客先中継サーバ3と同様であるので詳細は省略する。
インターフェース部130は、プライベートIPアドレスを利用してLAN20内の通信を行う。
【0045】
(4)中継通信システムの具体的動作
以下に、中継通信システム1000における遠隔保守、バージョンアップ処理及びバージョン監視処理を具体的に説明する。まず遠隔保守の動作について説明する。
【0046】
(4−1)遠隔保守
図9は、遠隔保守の流れを示すフローチャートの一例である。初期状態では、客先中継サーバ3は、センターサーバ1からのアクセスを受け付け、保守中継サーバ2及び保守クライアント端末2aからのアクセスを拒否する状態にある。
【0047】
ステップS1:遠隔保守を担当する保守員は、保守クライアント端末2aからセンターサーバ1にログインする。
ステップS1.1:センターサーバ1は、認証が成功した場合にはクライアント端末2aに認証成功を通知する。
【0048】
ステップS2:センターサーバ1は、保守中継サーバ2に、客先中継サーバ3との間でルーティングを行うよう指示する。
ステップS2.1:保守中継サーバ2は、客先中継サーバ3にルーティング確立を要求する。
【0049】
ステップ3:保守中継サーバ2は、ルーティング確立要求に対するOKレスポンスを客先中継サーバ3から受信する。
ステップ3.1:保守中継サーバ2は、OKレスポンスに応答して確認信号(ACK)を客先中継サーバ3に送信する。
ステップ3.2:さらに保守中継サーバ2は、前記ルーティング指示に対するOKレスポンスをセンターサーバ1に送信する。
【0050】
ステップS4:ステップS2.1,S3の処理により、客先中継サーバ3と保守中継サーバ2との間に、ルーティングセッションが確立される。
ステップS4.1:保守中継サーバ2のルーティングセッション確立部91は、ルーティングセッションが確立されたことを示すセッション確立通知をセンターサーバ1に送信する。
ステップS4.2:保守中継サーバ2は、保守クライアント端末2aが接続されているLAN20のネットワークアドレスを客先中継サーバ3に送信する。これにより、保守クライアント端末2aは、保守中継サーバ2を介して客先中継サーバ3と通信が可能となる。よって、保守員は、保守クライアント端末2aを用いて、監視対象機器7aに対する遠隔保守を開始することができる。
【0051】
例えば、保守員が、保守クライアント端末2aを操作して監視対象機器7aの制御コマンドを入力する。保守クライアント端末2aは、制御コマンドが格納された通信パケットを生成する。通信パケットの送信先には、監視対象機器7aのIPアドレスが設定される。通信パケットの送信元には、保守クライアント端末2aのIPアドレスが設定される。保守クライアント端末2aは、生成した通信パケットを、ルーティングセッションに基づいて保守中継サーバ2を介して客先中継サーバ3に送信する。客先中継サーバ3は、ルーティングセッションを介して受信した通信パケットの送信先IPアドレスが、LAN35のネットワークアドレスに対応していることを確認する。客先中継サーバ3は、受信した通信パケットを監視対象機器7aに送信する。監視対象機器7aは、制御コマンドに関する処理を実行する。
【0052】
監視対象機器7aは、客先中継サーバ3を介して、制御コマンドの応答情報を格納した通信パケット(以下、「応答通信パケット」と言う)を送出する。応答通信パケットの送信先には、保守クライアント端末2aのIPアドレスが設定される。送信元には、監視対象機器7aのIPアドレスが設定される。これにより、応答通信パケットが、ルーティングセッションを介して監視対象機器7aから保守クライアント端末2aに転送される。このようにして、保守クライアント端末2aと監視対象機器7aとの通信が行われる。
【0053】
ステップS5:保守員は、遠隔保守が完了した場合、保守クライアント端末2aを用いて保守中継サーバ2にルーティングセッションの切断を指示する。保守中継サーバ2のルーティングセッション確立部91は、ルーティングセッションの切断要求を客先中継サーバ3に送信する(ステップS5.1)。保守中継サーバ2のルーティングセッション確立部91は、切断要求に対するOKレスポンスを客先中継サーバ3から受信した後に、ルーティングセッションを切断する(ステップS5.2)。客先中継サーバ3は、ルーティングセッションの切断後、保守中継サーバ2からのアクセスを拒否する状態に戻る。
ステップS5.3:ルーティングセッションの切断後に、保守中継サーバ2のルーティングセッション確立部91は、ルーティングセッションの切断通知を、センターサーバ1に送信する。
【0054】
(4−2)バージョンアップ処理
次に、バージョンアップ処理について具体的に説明する。図10は、センターサーバ1にアクセスを管理される各装置のバージョンアップ処理を示すフローチャートの一例である。図10には、保守中継サーバ2、保守クライアント端末2a及び客先中継サーバ3におけるバージョンアップ処理がそれぞれ示されている。図11は、図10中のバージョンアップ判定処理を示すフローチャートの一例である。
【0055】
(4−2−1)保守中継サーバのバージョンアップ処理
ステップS11:保守中継サーバ2のバージョン交換部93は、起動時及びセンターサーバ1との接続の確認時などの所定のタイミングで、保守中継サーバ2にインストールされているソフトウェアのバージョンをセンターサーバ1に送信する。
ステップS12:センターサーバ1のバージョン交換部62は、保守中継サーバ2から送信されたバージョンと、保守中継サーバ2とを対応付けてバージョンテーブル52に格納する。また、センターサーバ1のバージョン交換部62は、センターサーバ1にインストールされているソフトウェアのバージョンを保守中継サーバ2に送信する。保守中継サーバのバージョン交換部93は、センターサーバ1から送信されたバージョンと、センターサーバ1とを対応付けてバージョンテーブル81に格納する。
【0056】
ステップS13:保守中継サーバ2のバージョン判定部94は、所有者からソフトウェアのバージョンアップ要求を受け付けたか否かを判定する。例えば、保守中継サーバ2のバージョン判定部94は、所有者が新たなバージョンのソフトウェアをインストールしようとしているか否かを判定する。バージョン判定部94は、バージョンアップ要求を受け付けた場合はステップS14に進む。そうでない場合は、バージョン判定部94は、バージョンアップ要求の受け付けを待機する。
ステップS14:保守中継サーバ2のバージョン判定部94は、バージョンアップ要求を受け付けた場合は、図11に示すバージョンアップ判定処理を行う。
【0057】
(4−2−2)バージョンアップ判定処理
図11のバージョンアップ判定処理を説明する。
ステップSa:バージョン判定部94は、保守中継サーバ2にインストールされようとしているソフトウェアのバージョン(self ver.)と、センターサーバ1のソフトウェアのバージョン(CD Server ver.)とを比較する。なお、ここでの比較はバージョンのx、y、zのうち上位2桁x、yの値を比較するものとする。保守中継サーバ2にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンがセンターサーバ1のバージョンと等しくない場合(self ver.≠CD Server ver.)には、ステップSdに進む。一方、保守中継サーバ2にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンがセンターサーバ1のバージョンと等しい場合(self ver.=CD Server ver.)には、ステップSbに進む。
【0058】
ステップSb:バージョン判定部94は、self ver.=CD Server ver.である場合には、当該ソフトウェアのバージョンアップを許可する。
ステップSc:バージョン判定部94は、許可されたソフトウェアのバージョンアップを実行する。
ステップSd:バージョン判定部94は、self ver.≠CD Server ver.である場合には、当該ソフトウェアのバージョンアップを禁止する。
【0059】
(4−2−3)保守クライアント端末のバージョンアップ処理
次に、保守クライアント端末2aにおけるバージョンアップ処理について説明する。保守中継サーバ2におけるバージョンアップ処理と同様の処理については簡単に説明する。
ステップS15:保守クライアント端末2aのバージョン交換部121は、保守クライアント端末2aにインストールされているソフトウェアのバージョンを保守中継サーバ2に送信する。
【0060】
ステップS16:保守中継サーバ2のバージョン交換部93は、センターサーバ1にインストールされているソフトウェアのバージョンを保守クライアント端末2aに送信する。保守クライアント端末2aのバージョン交換部121は、受信したバージョンを各装置と対応付けてバージョンテーブル111に格納する。
【0061】
ステップS17:保守クライアント端末2aのバージョン判定部122は、所有者からソフトウェアのバージョンアップ要求を受け付けた場合はステップS18に進む。そうでない場合は、バージョン判定部122は、バージョンアップ要求の受け付けを待機する。
ステップS18:保守クライアント端末2aのバージョン判定部122は、バージョンアップ要求を受け付けた場合は、図11と同様に保守クライアント端末2aにインストールされようとするソフトウェアのバージョンとセンターサーバ1のソフトウェアのバージョンとを比較するバージョンアップ判定処理を行う。なお、ここでの比較もバージョンのx、y、zのうち上位2桁x、yの値を比較するものとする。
【0062】
(4−2−4)客先中継サーバのバージョンアップ処理
次に、客先中継サーバ3におけるバージョンアップ処理について説明する。保守中継サーバ2におけるバージョンアップ処理と同様の処理については簡単に説明する。
ステップS19、S20:客先中継サーバ3のバージョン交換部93及びセンターサーバ1のバージョン交換部62は、客先中継サーバ3及びセンターサーバ1のソフトウェアのバージョンを互いに交換し、各々のバージョンテーブルに格納する。
ステップS21:客先中継サーバ3のバージョン判定部94は、所有者からソフトウェアのバージョンアップ要求を受け付けた場合はステップS22に進む。そうでない場合は、バージョン判定部94は、バージョンアップ要求の受け付けを待機する。
ステップS22:客先中継サーバ3のバージョン判定部94は、バージョンアップ要求を受け付けた場合は、図11に示すバージョンアップ判定処理を行う。
【0063】
(4−3)バージョン監視処理
次に、センターサーバ1での各装置のバージョンの監視処理について説明する。
ステップS23:センターサーバ1のバージョン交換部62は、センターサーバ1のバージョンテーブル52に格納されている各装置とバージョンとの対応付けをセンタークライアント端末1aに送信する。
ステップS24:センタークライアント端末1aは、センタークライアント端末1aのディスプレイに各装置とバージョンとの対応付けを表示する。これにより、センタークライアント端末1aを操作するセンター員は、装置とバージョンとの対応付けを確認して遠隔保守に役立てることができる。
【0064】
(5)実施形態の作用効果
上記実施形態は、下記のように表現可能である。
(A)中継通信システム1000(中継通信システムの一例)は、WAN30(ネットワークの一例)を介して通信可能に接続された複数の保守中継サーバ2及び客先中継サーバ3(中継サーバの一例)と、WAN30に接続され中継サーバ2、3間の通信を管理するセンターサーバ1(センターサーバの一例)と、を備えている。
センターサーバ1は中継サーバ2、3間の通信の可否を決定するアクセス制御部61(通信管理部の一例)を含む。
【0065】
各中継サーバ2、3は、バージョン交換部93(バージョン取得部の一例)及びバージョン判定部94(バージョン判定部の一例)を有する。バージョン交換部93は、センターサーバ1が保持するソフトウェアのバージョンをセンターサーバ1から取得する。バージョン判定部94は、各中継サーバ2,3にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、センターサーバ1が保持するソフトウェアのバージョンと、を比較する。そして、バージョン判定部94は、各中継サーバ2,3にインストールされようとしているソフトウェアがセンターサーバ1のソフトウェアと互換性を有していない場合には、各中継サーバ2,3へのソフトウェアのインストールを禁止する。一方、そうでない場合には、バージョン判定部94は、各中継サーバ2,3への前記ソフトウェアのインストールを許可する。
【0066】
上記の構成において、センターサーバ1は中継サーバ2、3の通信を管理しており、センターサーバ1の管理下において中継サーバ2、3は他の装置と通信が可能となる。例えば、センターサーバ1の管理下において、中継サーバ2、3と他の装置との間にVPN(Vertual Private Network)の設定がなされる。つまり、中継サーバ2、3は、他の装置と通信を行う前にまずはセンターサーバ1と通信が必要である。中継サーバ2、3にインストールされようとしているソフトウェアが、センターサーバ1のソフトウェアと互換性を有していない場合には、センターサーバ1は中継サーバ2、3と通信することができず、中継サーバ2、3と他の装置との間の通信を確立させることができない。そこで、中継サーバ2、3は、各中継サーバ2,3にインストールされようとしているソフトウェアが、センターサーバ1のソフトウェアと互換性を維持するように制御する。これにより、センターサーバ1と中継サーバ2、3との間の通信が阻害されない。よって、センターサーバ1は中継サーバ2、3と通信が可能となり、中継サーバ2、3の通信を管理することが可能となる。ひいては、センターサーバ1の管理の下、中継サーバ2、3は他の装置と通信が可能となる。
【0067】
(B)バージョン判定部94は、各中継サーバ2,3にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンがセンターサーバ1のソフトウェアのバージョンを超える、もしくは下回る場合に互換性が無いと判定し、そうでない場合には互換性があると判定する。
例えば、バージョンがx.y.zの3桁で表示される場合、バージョン判定部94は、例えば上位2桁のx及びyの値を比較することによりソフトウェア間の互換性の有無を判断する。具体的に、中継サーバ2、3にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンが“1.5.4”であり、センターサーバ1のソフトウェアのバージョンが“1.5.3”であるとする。この場合、バージョン判定部94は、各バージョンの上位2桁が同一であるため互換性があると判断し、中継サーバ2、3への当該ソフトウェアのインストールを許可する。なお、最下位の桁であるzの値は、中継サーバ2、3が“4”でありセンターサーバは“3”であるため中継サーバ2、3の方が大きい。しかし、このような場合であっても、バージョン判定部94は、上位2桁を比較することで互換性があると判断した場合には、中継サーバ2、3への当該ソフトウェアのインストールを許可する。
【0068】
なお、バージョン判定部94でのバージョンの比較は、例えばx.y.zで記述されるバージョンの値の大小を単純に比較することにより行われてもよい。この方法の場合には、バージョン判定部94はバージョン“1.5.4”がバージョン“1.5.3”より高いと判定し、当該ソフトウェアのインストールを禁止する。
【0069】
(C)複数の中継サーバ2、3のうち少なくとも一の中継サーバ2には、一の中継サーバ2を介して他の中継サーバ3と通信可能であるクライアント端末2a(クライアント端末の一例)が接続されている。
センターサーバ1のアクセス指示部61はクライアント端末2aの通信の可否をさらに決定する。
クライアント端末2aは、バージョン交換部121(バージョン取得部の一例)及びバージョン判定部122(バージョン判定部の一例)を含む。バージョン交換部121は、センターサーバ1が保持するソフトウェアのバージョンを一の中継サーバから取得する。バージョン判定部122は、クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、センターサーバ1が保持するソフトウェアのバージョンと、を比較する。バージョン判定部122は、クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアがセンターサーバ1のソフトウェアと互換性を有していない場合には、クライアント端末2aへのソフトウェアのインストールを禁止する。一方、そうでない場合には、バージョン判定部122、クライアント端末2aへの前記ソフトウェアのインストールを許可する。
【0070】
中継サーバ2に接続されているクライアント端末2aもまた、クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアが、センターサーバ1のソフトウェアと互換性を有していない場合には、当該ソフトウェアのインストールを禁止する。これにより、センターサーバ1はクライアント端末2aの通信も管理することが可能となり、クライアント端末2aと他の装置との通信を確立できる。
【0071】
(D)クライアント端末2aのバージョン交換部121は、一の中継サーバ2が保持するソフトウェアのバージョンをさらに取得する。クライアント端末2aのバージョン判定部122は、クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、一の中継サーバ2が保持するソフトウェアのバージョンと、をさらに比較する。そして、バージョン判定部122は、クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアがセンターサーバ1のソフトウェアと互換性を有しており、かつ、クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアが一の中継サーバ2のソフトウェアと互換性を有していない場合には、クライアント端末2aの使用者にその旨を通知する。
【0072】
クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアが、センターサーバ1のソフトウェアと互換性を有している場合には、当該ソフトウェアのインストールは可能である。しかし、クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアが、クライアント端末2aが接続されている一の中継サーバ2のソフトウェアと互換性を有していない場合には、クライアント端末2aと一の中継サーバ2との通信が困難となる。そこで、クライアント端末2aはクライアント端末2aの使用者にその旨を通知する。例えば、クライアント端末2aは、ディスプレイ等を介して、一の中継サーバ2への当該ソフトウェアのインストールを使用者に通知する。一の中継サーバ2に当該ソフトウェアがインストールされれば、一の中継サーバ2のソフトウェアとクライアント端末2aのソフトウェアとの互換性を確保でき、通信が可能となる。
【0073】
(E)中継サーバ2,3は、ネットワークを介してセンターサーバ1に接続されるとともに、センターサーバの管理下においてネットワークを介して相互に通信可能に接続される複数の中継サーバ2,3を有する中継通信システム1000に用いられる。
各中継サーバ2、3は、バージョン交換部93及びバージョン判定部94を備える。バージョン交換部93は、センターサーバ1が保持するソフトウェアのバージョンをセンターサーバ1から取得する。バージョン判定部94は、各中継サーバ2,3にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、センターサーバ1が保持するソフトウェアのバージョンと、を比較する。そして、バージョン判定部94は、各中継サーバ2,3にインストールされようとしているソフトウェアがセンターサーバ1のソフトウェアと互換性を有していない場合には、各中継サーバ2,3へのソフトウェアのインストールを禁止する。一方、そうでない場合には、バージョン判定部94は、各中継サーバ2,3への前記ソフトウェアのインストールを許可する。
【0074】
(F)中継通信方法は、WAN30を介して通信可能に接続された複数の中継サーバ2、3と、WAN30に接続され中継サーバ2、3間の通信を管理するセンターサーバ1と、を備える中継通信システム1000で実行される。
最初に、各中継サーバ2、3は、センターサーバ1が保持するソフトウェアのバージョンをセンターサーバ1から取得する。
次に、各中継サーバ2、3は、各中継サーバ2,3にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、センターサーバ1が保持するソフトウェアのバージョンと、を比較する。
次に、各中継サーバ2、3は、各中継サーバ2,3にインストールされようとしているソフトウェアがセンターサーバ1のソフトウェアと互換性を有していない場合には、各中継サーバ2,3へのソフトウェアのインストールを禁止する。一方、そうでない場合には、各中継サーバ2、3は、各中継サーバ2,3へのソフトウェアのインストールを許可する。
【0075】
(6)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0076】
(a)前記実施形態では、保守を行う保守端末及び保守対象の被保守端末を含む遠隔保守システムを例に挙げた。しかし、本発明は、遠隔保守システム以外のシステムにも適用可能である。例えば、複数の中継サーバ又は端末がネットワークを介してセンターサーバに接続されている通信システムにも本発明を適用可能である。
【0077】
(b)前記実施形態では、保守クライアント端末2aは、保守中継サーバ2及び客先中継サーバ3を介して監視対象機器7aを遠隔保守する。しかし、遠隔保守する装置は監視対象機器7aに限られず、客先中継サーバ3に接続される他の監視対象機器であってもよい。
【0078】
(c)前記実施形態では、保守クライアント端末2aは、保守クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアとセンターサーバ1のソフトウェアとの間で互換性の判定を行う。しかし、保守クライアント端末2aは、保守クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアとセンターサーバ1のソフトウェアとの互換性の判定に加えて、さらに、保守クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアと保守中継サーバ2のソフトウェアとの互換性の判定を行ってもよい。
図12は、バージョンアップ判定処理を示すフローチャートの別の一例である。
ステップSa1:保守クライアント端末2aのバージョン判定部122は、保守クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアのバージョン(self ver.)と、センターサーバ1のソフトウェアのバージョン(CD Server ver.)とを比較する。保守クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアのバージョンがセンターサーバ1のバージョンと等しくない場合(self ver.≠CD Server ver.)には、ステップSdに進む。一方、保守クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアのバージョンがセンターサーバ1のバージョンと等しい場合(self ver.=CD Server ver.)には、ステップSa2に進む。なお、この処理に先立って、保守クライアント端末2aのバージョン交換部121及び保守中継サーバ2のバージョン交換部93は、保守クライアント端末2aにインストールされているソフトウェアのバージョン及びセンターサーバ1にインストールされているソフトウェアのバージョンを交換している。
【0079】
ステップSa2:保守クライアント端末2aのバージョン判定部122は、保守クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアのバージョン(self ver.)と、保守クライアント端末2aの上位の保守中継サーバ2のソフトウェアのバージョン(MD Server ver.)とを比較する。保守クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアのバージョンが保守中継サーバ2のバージョンと等しくない場合(self ver.≠MD Server ver.)には、ステップSdに進む。一方、保守クライアント端末2aにインストールされようとしているソフトウェアのバージョンが保守中継サーバ2のバージョンと等しい場合(self ver.=MD Server ver.)には、ステップSbに進む。なお、この処理に先立って、保守クライアント端末2aのバージョン交換部121及び保守中継サーバ2のバージョン交換部93は、保守クライアント端末2aにインストールされているソフトウェアのバージョン及び保守中継サーバ2にインストールされているソフトウェアのバージョンを交換している。
【0080】
ステップSb:バージョン判定部122は、self ver.=CD Server ver.であり、かつ、self ver.=MD Server ver.である場合には、当該ソフトウェアのバージョンアップを許可する。
ステップSc:バージョン判定部122は、許可されたソフトウェアのバージョンアップを実行する。
ステップSd:バージョン判定部122は、self ver.≠CD Server ver.であるか、あるいは、self ver.≠MD Server ver.である場合には、当該ソフトウェアのバージョンアップを禁止する。この場合、保守クライアント端末2aのバージョン判定部122は、例えば保守クライアント端末2aの所有者に保守中継サーバ2のソフトウェアをバージョンアップするように通知する。保守中継サーバ2においてソフトウェアのバージョンアップが行われれば、保守中継サーバ2と保守クライアント端末2aとの間の通信が、バージョンの違いにより阻害されない。
【0081】
(d)前記実施形態では、保守クライアント端末2aは保守中継サーバ2を介してWAN30に接続されている。しかし、ポータブル保守端末40は、装置内に中継サーバ機能を有しており、保守中継サーバ2を介することなくWAN30にアクセス可能である。つまり、ポータブル保守端末40は、前述の保守中継サーバ2及び保守クライアント端末2aの両方の機能を有している。よって、センターサーバ1による管理の下、保守員はポータブル保守端末40を用いて遠隔保守を行うことが可能である。具体的処理は、前述の保守中継サーバ2及び保守クライアント端末2aが行う処理と同様である。
【0082】
(e)前記実施形態では、各LANに1つのクライアント端末が接続されている構成のみが示されているが、各LANには複数のクライアント端末が接続されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、センターサーバ及び複数の装置がネットワークを介して接続されている通信システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0084】
1 センターサーバ
1a センタークライアント端末
2 保守中継サーバ
2a 保守クライアント端末
3 客先中継サーバ
6 中継サーバ
7 中継サーバ
6a クライアント端末
7a クライアント端末
10 LAN
20 LAN
30 WAN
35 LAN
40 ポータブル保守端末
50 データベース格納部
51 アクセス許可リスト
52 バージョンテーブル
60 制御部
61 アクセス制御部
62 バージョン交換部
70 インターフェース部
81 バージョンテーブル
90 制御部
91 ルーティングセッション確立部
92 ルーティング制御部
93 バージョン交換部
94 バージョン判定部
100 インターフェース部
111 バージョンテーブル
120 制御部
121 バージョン交換部
122 バージョン判定部
130 インターフェース部
1000 中継通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して通信可能に接続された複数の中継サーバと、前記ネットワークに接続され前記複数の中継サーバ間の通信を管理するセンターサーバと、を備える中継通信システムであって、
前記センターサーバは、
前記複数の中継サーバ間の通信の可否を決定する通信管理部を有し、
各前記中継サーバは、
前記センターサーバが保持するソフトウェアのバージョンを前記センターサーバから取得するバージョン取得部と、
各中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、前記センターサーバが保持するソフトウェアのバージョンと、を比較し、各中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアが前記センターサーバのソフトウェアと互換性を有していない場合には、各中継サーバへの前記ソフトウェアのインストールを禁止し、そうでない場合には各中継サーバへの前記ソフトウェアのインストールを許可するバージョン判定部と、
を有する、中継通信システム。
【請求項2】
前記バージョン判定部は、各中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアのバージョンがセンターサーバのソフトウェアのバージョンを超える、もしくは下回る場合に互換性が無いと判定し、そうでない場合には互換性があると判定する、請求項1に記載の中継通信システム。
【請求項3】
前記複数の中継サーバのうち少なくとも一の中継サーバには、前記一の中継サーバを介して他の中継サーバと通信可能であるクライアント端末が接続されており、
前記センターサーバの通信管理部は前記クライアント端末の通信の可否をさらに決定しており、
前記クライアント端末は、
前記センターサーバが保持するソフトウェアのバージョンを前記一の中継サーバから取得するバージョン取得部と、
前記クライアント端末にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、前記センターサーバが保持するソフトウェアのバージョンと、を比較し、前記クライアント端末にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンが前記センターサーバのソフトウェアと互換性を有していない場合には、前記クライアント端末への前記ソフトウェアのインストールを禁止し、そうでない場合には前記クライアント端末への前記ソフトウェアのインストールを許可するバージョン判定部と、
を含む、請求項1に記載の中継通信システム。
【請求項4】
前記クライアント端末のバージョン取得部は、前記一の中継サーバが保持するソフトウェアのバージョンをさらに取得し、
前記クライアント端末のバージョン判定部は、
前記クライアント端末にインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、前記一の中継サーバが保持するソフトウェアのバージョンと、をさらに比較し、
前記クライアント端末にインストールされようとしているソフトウェアが前記センターサーバのソフトウェアと互換性を有しており、かつ、前記クライアント端末にインストールされようとしているソフトウェアが前記一の中継サーバのソフトウェアと互換性を有していない場合には、前記クライアント端末の使用者にその旨を通知する、請求項3に記載の中継通信システム。
【請求項5】
ネットワークを介してセンターサーバに接続されるとともに、前記センターサーバの管理下において前記ネットワークを介して相互に通信可能に接続される複数の中継サーバを有する中継通信システムに用いられる中継サーバであって、
前記センターサーバが保持するソフトウェアのバージョンを前記センターサーバから取得するバージョン取得部と、
前記中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、前記センターサーバが保持しているソフトウェアのバージョンと、を比較し、前記中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアが前記センターサーバのソフトウェアと互換性を有していない場合には、前記中継サーバへの前記ソフトウェアのインストールを禁止し、そうでない場合には前記中継サーバへの前記ソフトウェアのインストールを許可するバージョン判定部と、
を備える中継サーバ。
【請求項6】
ネットワークを介して通信可能に接続された複数の中継サーバと、前記ネットワークに接続され前記複数の中継サーバ間の通信を管理するセンターサーバと、を備える中継通信システムで実行される中継通信方法であって、
各中継サーバは、
前記センターサーバが保持するソフトウェアのバージョンを前記センターサーバから取得し、
各中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアのバージョンと、前記センターサーバが保持するソフトウェアのバージョンと、を比較し、各中継サーバにインストールされようとしているソフトウェアが前記センターサーバのソフトウェアと互換性を有していない場合には、各中継サーバへの前記ソフトウェアのインストールを禁止し、そうでない場合には各中継サーバへの前記ソフトウェアのインストールを許可する、中継通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−105187(P2013−105187A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246231(P2011−246231)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】