中綴じステープラ搭載フィニッシャ
【課題】簡単な構造によって、複数の用紙に折り目を付けた後に順次用紙受け上に載置して積層する。
【解決手段】折り目を付けた用紙3を積層状態にストックし、折り目に沿ってステープル止めする中綴じステープラ搭載フィニッシャにおいて、第1のローラ11aと第2のローラ11cとからなる用紙送りローラと、前記第1のローラ11aの送り方向下流側に設けられる第3のローラ11bと、前記第1のローラ11aと前記第3のローラ11bとの間に挿入可能に配置された折りブレード12と、前記第3のローラよりも更に送り方向下流側に設けられる用紙受け6と、を備える。
【解決手段】折り目を付けた用紙3を積層状態にストックし、折り目に沿ってステープル止めする中綴じステープラ搭載フィニッシャにおいて、第1のローラ11aと第2のローラ11cとからなる用紙送りローラと、前記第1のローラ11aの送り方向下流側に設けられる第3のローラ11bと、前記第1のローラ11aと前記第3のローラ11bとの間に挿入可能に配置された折りブレード12と、前記第3のローラよりも更に送り方向下流側に設けられる用紙受け6と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機等で処理された複数の用紙の中央部に折り目を付け、折り目に沿ってステープルで綴じるための中綴じステープラ搭載フィニッシャに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冊子、カタログ等のように複写機で複数の用紙を複写した後、さらに中綴じステープラによって用紙の中央部を綴じる中綴じ用ステープラ搭載フィニッシャは、ステープルを打ち出すドライバユニットと、ドライバユニットから打ち出されたステープルをクリンチするクリンチャユニットとを上下に分離し、ドライバユニットとクリンチャユニットとの間に用紙を通し、用紙の中央部をステープラで綴じるように構成されている。
【0003】
ところで、用紙が20枚以下の枚数であれば、中綴じ後一気に用紙束を折ることができるが、20枚以上になると、一気に折り目を付けることが困難なため、1枚ずつ折り目を付けて用紙を逆V字形の、一般的に鞍と呼ばれる用紙受け上に搬送して積層し、用紙受けの上下に配置したドライバユニットとクリンチャユニットによって綴じるようにしている。
【特許文献1】特開2006−219296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のフィニッシャは、用紙受けの上に用紙を載せるための用紙搬送経路が複雑になっていた。また、複数の用紙を綴じた後、用紙受けから排出する場合も、ステープルの脚部が引っかからないようにするため、機構や排出経路が複雑になっている。
【0005】
本発明は上記問題点を解消し、簡単な構造によって、複数の用紙に折り目を付けた後に順次用紙受け上に載置して積層することができる中綴じステープラ搭載フィニッシャを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、折り目を付けた用紙を積層状態にストックし、折り目に沿ってステープル止めする中綴じステープラ搭載フィニッシャにおいて、第1のローラと第2のローラとからなる用紙送りローラと、前記第1のローラの送り方向下流側に設けられる第3のローラと、前記第1のローラと前記第3のローラとの間に挿入可能に配置された折りブレードと、前記第3のローラよりも更に送り方向下流側に設けられる用紙受けと、を備え、前記用紙送りローラによって用紙の中央部が前記折りブレードに対応する位置に至るまで用紙が送られた後に、前記折りブレードによって用紙の中央部を前記第1のローラと前記第3のローラとの間に押し込んで用紙に折り目を付け、折り目を付けた用紙を前記用紙送りローラによって送ることで用紙を前記用紙受けに落下させて積層させたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記第3のローラは、前記用紙送りローラが用紙を送るときには、前記第1のローラから離反する位置に移動することを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、用紙の送り方向延長上に斜めに設けられたガイドと、前記用紙受けの一側に設けられたストッパと、を更に備え、折り目を付けた用紙を前記用紙送りローラによって送ったときに用紙の先端が前記ガイドに当接して下方に流れて前記ストッパに当たり、更に用紙が送られることで折り目の付いた用紙の中央部が前記ガイドに沿って上方に押し上げられることを特徴とする。
【0009】
【0010】
【発明の効果】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
本発明は、折り目を付けた用紙を積層状態にストックし、折り目に沿ってステープル止めする中綴じステープラ搭載フィニッシャにおいて、第1のローラと第2のローラとからなる用紙送りローラと、前記第1のローラの送り方向下流側に設けられる第3のローラと、前記第1のローラと前記第3のローラとの間に挿入可能に配置された折りブレードと、前記第3のローラよりも更に送り方向下流側に設けられる用紙受けと、を備え、前記用紙送りローラによって用紙の中央部が前記折りブレードに対応する位置に至るまで用紙が送られた後に、前記折りブレードによって用紙の中央部を前記第1のローラと前記第3のローラとの間に押し込んで用紙に折り目を付け、折り目を付けた用紙を前記用紙送りローラによって送ることで用紙を前記用紙受けに落下させて積層させた構成であるから、折り目の付いた用紙を自然落下により用紙受けにストックすることができる。また、折り目のついた用紙をそのまま落下させて用紙受けにストックするため、送り方向は一方向となり、複雑な用紙搬送機構を必要としない。さらに、ステープラではなく、用紙受けが移動して綴じ位置を変えられるため、中綴じステープラと用紙とを綴じる芯を合わせやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1(a)〜(d)は複写機(印刷機等でもよい)1で複写された複数の用紙をステープル止めする中綴じステープラ搭載フィニッシャを示すもので、複写機1内で複写された用紙3は順次フィニッシャに搬送されて所定位置に積層状態にストックされ、フィニッシャに搭載された中綴じステープラで綴じられるように構成されている。
【0017】
フィニッシャには、複写機1から搬送された複写済み用紙3を受ける用紙案内板4と、上記用紙3に折り目を付ける折り目付け機構5と、折り目の付いた用紙3をストックする用紙受け6と、用紙受け6に配置された中綴じステープラ7とが配置されている。
【0018】
上記用紙案内板4は水平板状に形成され、一端は複写機1の用紙3排出口の近傍に設けられ、他端にはストッパ8aが設けられている。用紙3は図示しない適宜の送り手段により上記一端から他端に向けて搬送され、他端のストッパ8aに当たったところで位置決めされる。ストッパ8aの位置は用紙3のサイズによって移動可能に設けられている。用紙3の中央部に対応する位置には開口部10が形成されている。
【0019】
折り目付け機構5は、用紙案内板4の開口部10の下部に配置された折りローラ11と上部に配置された折りブレード12とから構成されている。折りローラ11は水平に設けられた2つのローラ11a、11bからなり、2つのローラ11a、11bの接面部はストッパ8aに位置決めされた用紙3の中央部位置と対応するように設けられている。2つのローラ11a、11bは接面部が下向きになるように互いに逆回転するようになっている。また、折りブレード12は上記折りローラ11の中心の上部に上下動可能に配置されている。
【0020】
なお、折りローラ11と折りブレード12は用紙3の幅よりも長くなるように形成されるのが好ましいが、折りブレード12の幅は折りローラ11に用紙3を押し込める程度であればよく、用紙3の幅より小さくてもよい。
【0021】
次に、用紙受け6は略直角をなすV字形に形成され、一般には鞍と呼ばれているもので、底部には開口部13が形成されている。用紙受け6は折りローラ11の直下部と折りローラ11の軸方向と平行に移動して次の中綴じステープラ7に対応する位置とに移動可能に設けられている。
【0022】
中綴じステープラ7は、用紙受け6の開口部13の上下にそれぞれクリンチャユニット14とドライバユニット15とを設けてなるものである。図示はしないが、ドライバユニット15は、ドライバプレートによってステープルを上方に打ち出すものであり、クリンチャユニット14は、打ち出されたステープルの脚部を折り曲げて綴じるものである。なお、中綴じステープラ7は折りローラ11の下部ではなく、折りローラ11の軸方向にずれた位置に配置されている。
【0023】
次に、上記構成のフィニッシャの作動態様について説明する。まず、図1(a)に示されるように、複写された用紙3が用紙案内板4上に沿って送られ、折りローラ11を越えてストッパ8aに当たって停止する。次に、同図(b)に示されるように、折りブレード12が下動して用紙3の中央部を押し下げて折りローラ11の2つのローラ11a、11b間に押し込んだ後、上方に退避作動する。2つのローラ11a、11b間に押し込まれた用紙3の中央部には折り目が付けられ、その後2つのローラ11a、11bの間を通って落下する。同図(c)に示されるように、折りローラ11の下方には用紙受け6が配置されているので、折られた用紙3は用紙受け6上に載置される。同様にして、同図(d)に示されるように、複写された用紙3はV字形で用紙受け6上に落下し、折り目が揃った積層状態となってストックされる。
【0024】
用紙受け6上に所定の枚数の用紙3が溜まると、用紙受け6は中綴じステープラ7のクリンチャユニット14とドライバユニット15との間にスライド移動する。移動後、ステープラが作動し、折り目にステープルが打ち込まれて綴じられる。
【0025】
なお、綴じられた後、用紙受け6は再び折りローラ11の下部に移動する。用紙3は用紙受け6に沿って移動して排出され、縁部が裁断されて体裁が整えられる。
【0026】
上記構成によれば、各用紙3の中央部を折りローラ11の間に押し込んで折り目を付けた後、折り目のついた用紙をV字形の用紙受け6に順次落下させて積層させるようにしたから、簡単な構造によって、複数の用紙に折り目を付けた後に順次用紙受け6上に載置して積層することができる。このため、積層状態にストックされた用紙3の折り目に沿ってステープルで綴じることにより、中綴じされた用紙の束を得ることができる。
【0027】
次に、図2〜図5はフィニッシャの他の形態で、基本的な位置関係は図1のものと同じであるが、この場合、折りローラ11は用紙案内板4の上部に配置され、折りブレード12はその下部に配置されている。折りブレード12は折りローラ11の軸方向に移動可能に設けられている。また、用紙受け6は逆V字形に形成されている。また、ドライバユニット15は用紙受け6の上部に、クリンチャユニット14は用紙受け6の下部に配置されている。他の構成は図1〜図4に示したのと同じであり、同符号で示す。
【0028】
上記構成のフィニッシャの作動態様について説明すると、まず、図2のように、複写された用紙3が用紙案内板4上に沿って送られ、折りローラ11を越えてストッパ8bに当たって停止する。次に、折りブレード12が上動して用紙3の中央部を押し上げて折りローラの2つのローラ11a、11b間に押し込んだ後、図3に示すように下方に移動した後、図4のように、折りローラ11の軸方向に移動して退避作動する。2つのローラ11a、11b間に押し込まれた用紙3の中央部には折り目が付けられる。折りブレード12が退避した後、折りローラ11の2つのローラ11a、11bは逆回転して用紙3を解放する。これにより、用紙3は落下し、用紙受け6上に載置される。同様にして、折り目付けされた用紙3は用紙受け6上に落下し、折り目が揃った積層状態となってストックされる。
【0029】
用紙受け6上に所定の枚数の用紙3が溜まると、図5のように、用紙受け6は中綴じステープラ7のクリンチャユニット14とドライバユニット15との間にスライド移動する。移動後、ステープラが作動し、折り目にステープルが打ち込まれて綴じられる。その後、用紙受け6は再び折りローラ11の下部に移動する。用紙3は用紙受け6に沿って移動して排出され、縁部が裁断されて体裁が整えられる。
【0030】
上記構成によれば、折り目のついた用紙3をそのまま落下させて用紙受け6にストックするため、複雑な用紙搬送機構が不要である。
【0031】
図6〜図9はフィニッシャのさらに別の形態を示すもので、基本的な位置関係は図1(a)〜(d)および図2〜図5に示したものと同じであるが、折りローラ11のローラ11a、11bは用紙案内板4の端部に形成された開口部10を塞ぐように上下に並べて配置されている。用紙案内板4の複写機1側の端部にはストッパ8cが設けられている。用紙案内板4の中間部より開口部10側位置には小開口16が形成されている。小開口16の上下部には湾曲した2つの仮折り板17a、17bがそれぞれ間隔をおいて配置されている。そして、隣り合う上下の仮折り板17a、17bの間にはガイドプレート18が配置されている。仮折り板17a、17bは上下の逆方向に移動可能に設けられ、ガイドプレート18は上端の支軸19を中心に回動して用紙案内板4から退避可能に設けられている。
【0032】
折りブレード12は用紙案内板4の上面に浮いた状態で水平に配置されている。折りブレード12は用紙案内板4に沿って折りローラ11側に移動可能に構成されている。
【0033】
上記構成のフィニッシャの作動態様について説明すると、まず、図6に示されるように、複写された用紙3が用紙案内板4上を折りブレード12の上面に沿って送られると、その先には上下の仮折り板17a、17bとガイドプレート18とによってU字形の案内壁が形成されているので、送られた用紙3は上記案内壁によって折り返され、用紙案内板4と折りブレード12との間を通って送り方向と逆の方向に移動する。そして、先端は図7に示されるように、ストッパ8cに当たって停止し、位置決めされる。
【0034】
次に、ガイドプレート18が支軸19を中心にして時計方向に回転して用紙3の中央部となる折り返し部が開放されると同時に仮折り板17a、17bが上下動して用紙3の折り返し部を挟み込み、折り目を付けやすいように折り癖を付ける。さらに、折りブレード12が仮折り板17a、17bの間を通り、用紙3を折りローラ11の間に押し込む。その後、折りブレード12は元の位置に戻る。
【0035】
用紙3は折りローラ11の2つのローラ11a、11bの間を通り、図8のように折り目が付いた状態で用紙案内板4から排出され、落下し、折り目が揃った積層状態となってストックされる。
【0036】
用紙受け6上に所定の枚数の用紙3が溜まると、図9のように、用紙受け6は中綴じステープラ7のクリンチャユニット14とドライバユニット15との間にスライド移動する。移動後、ステープラが作動し、折り目にステープルが打ち込まれて綴じられる。その後、用紙受け6は再び折りローラ11の下部に移動する。用紙3は用紙受け6に沿って移動して排出され、縁部が裁断されて体裁が整えられる。
【0037】
上記構成によれば、用紙受け6が移動して中綴じステープラの綴じ位置に移動するので、中綴じステープラのクリンチャユニット14とドライバユニット15と用紙3とを綴じる芯を合わせやすい。
【0038】
次に、図10〜図14はさらに他のフィニッシャの形態を示すもので、用紙案内板4の端部には、駆動ローラ(上部ローラ)と従動ローラ(下部ローラ)11cとからなる用紙送りローラが配置され、駆動ローラ11aはさらに第3のローラ11bと水平に並んで配置されている。第3のローラ11bは支軸19aを中心に、駆動ローラ11aと水平に当接する位置と離反する位置とに回動可能に設けられている。したがって、駆動ローラ11aと第3のローラ11bとが当接することにより折りローラ11が構成されるようになっている。折りブレード12は折り用ローラ11bと駆動ローラ11aとの間に挿入できるように上下動可能に設けられている。
【0039】
また、用紙案内板4の延長上には斜めの第1用紙ガイド20が設けられ、第1用紙ガイド20は第2用紙ガイド21と対になって、下方に広がるハの字形をなすように配置されている。第1用紙ガイド20の位置は送られる用紙の種類のうち最も小さいものに合わせて決められる。また、位置第1用紙ガイド20は背面側の軸を中心に回動できるようになっている。そして、第1用紙ガイド20と第2用紙ガイド21の下方には逆V字形の用紙受け6が配置されている。用紙受け6の中央部にはクリンチャユニット14が固定されている。なお、クリンチャユニット14の両側には用紙3の端部を受けるストッパ8d、8eが上下動可能に配置されている。
【0040】
上記構成のフィニッシャの作動態様について説明すると、まず、図10に示すように、複写された用紙3が用紙案内板4上を用紙送りローラ11a、11cによってさらに送られると、その先の第1用紙ガイド20によって下方に移動するように案内される。複写機側でどの大きさの用紙が送られるかは予めわかっているので、用紙の大きさに応じて送り量は決まっている。そして、所定量だけ送られて用紙3の中央部が折りブレード12に対応する位置に至ったとき用紙送りローラ11a、11cは回転を停止し、用紙3も移動を停止する。このとき、用紙3の中央部は降りてきた第3のローラ11bと駆動ローラ11aとによって構成された折りローラの間に位置するので、図11に示されるように、折りブレード12によって用紙3を、上から回動して降りてきた第3のローラ11bと駆動ローラ11aとの間に押し込んで用紙3の中央部に折り目を付ける。
【0041】
用紙3に折り目が付けられると、図12のように、折りブレード12と第3のローラ11bは定位置に戻る。折り目の付いた用紙3は、再び用紙送りローラ11a、11cによってさらに送られる。用紙3の先端は第1用紙ガイド20に沿って下方に流れ、用紙3の始端はストッパ8dに当たって止まる。しかし、用紙送りローラ11a、11cは回転し続けるので、用紙3の送りは止まらないので、折り目の付いた中央部は上方に押し上げられ、第1用紙ガイド20と第2用紙ガイド21との間に入り込む。そして、用紙3の終端が用紙送りローラ11a、11cを越えると、図13に示されるように、上記終端は落下して他方のストッパ8eに係合する。
【0042】
用紙3の両端がストッパ8d、8eに係合すると、図13に示されるように、ストッパ8d、8eは下方に移動し、用紙3も同時に下降し、折り目が用紙受け6の頂点に係合してとどまる。そして、ストッパ8d、8eが矢印Pのように円弧状に動いて再びもとの位置に戻る。
【0043】
以上の動作を繰り返すことによって複数の用紙3が折り目が揃った積層状態となって用紙受け6上にストックされる。
【0044】
用紙受け6上に所定の枚数の用紙3がストックされると、用紙受け6はドライバユニット15とクリンチャユニット14の中間にスライド移動し、ステープラが作動して折り目にステープルが打ち込まれて綴じられる。綴じ後、図14に示されるように、一方のストッパ8eが上方に移動すると、綴じられた用紙3の束の一方が持ち上げられ、中央部が第1用紙ガイド20の下部を押すので、第1用紙ガイド20は軸を中心に回動して用紙3の折り目部分のガイドとなり、用紙3を排出ローラ22,23に押し込むように移動案内させる。用紙3は排出ローラ22、23により排出方向に送られ、さらに縁部が裁断されて体裁が整えられる。
【0045】
上記構成によれば、折り目のついた用紙3をそのまま落下させて用紙受け6にストックするため、送り方向は一方向となり、複雑な用紙搬送機構を必要としない。
【0046】
また、用紙受け6は逆V字形であるから、折り目の付いた用紙3を自然落下により用紙受け6にストックすることができる。
【0047】
さらに、ステープラではなく、用紙受け6が移動して綴じ位置を変えられるため、クリンチャユニット14とドライバユニット15と用紙とを綴じる芯を合わせやすい。
【0048】
なお、用紙3に折り目を付けた後に所定位置に搬送して綴じた後に裁断するまでの形態を図15に基づいて説明する。
【0049】
同図において、1枚ずつ折り目が付けられた用紙3が用紙受け部24に送られてストッパ8fに当たって位置決めされる。ストッパ8fが移動して用紙3を押し出す。押し出された用紙3はガイドプレート28の間を通り、ガイドプレート28の角度に合わせて取付けられたステープラのクリンチャユニット14のV字形用紙受け6とドライバユニット15の間に入り、ストッパ8gで停止し、位置決めされる。ここで、所定の用紙3の枚数がストックされて積層状態になると、ステープラが作動し、その位置で綴じられる。
【0050】
なお、ステープラの取付角度、つまりドライバユニット15とクリンチャユニット14は、ガイドプレート28の角度に合わせて90°以外にも自由に変えることができる。
【0051】
用紙3が綴じられると、ストッパ8gが下方に移動しながらスライドして逃げる。このとき、用紙3はストッパ8gがスライドすることによって綴じ部が用紙受け6から浮き、さらにストッパ8gが下へ移動してドライバユニット15を通過すると、90°回転して落下し、2個の受けローラ25に受けられる。
【0052】
用紙3が受けローラ25に受けられると、押し出し用ブレード27が用紙3の折り目を押し出し、その先にある再折りローラ26に送られる。再折りローラ26で折り目を付けられた用紙3はそのまま排出され、断裁される。
【0053】
上記構成によれば、用紙3の流れをシンプルにするとともに、ステープラの取付角度によりフィニッシャの奥行きサイズを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】(a)〜(d)は本発明に係るフィニッシャによる作動の流れを示す説明図
【図2】フィニッシャの折り目付け機構の他の形態を示す概観図
【図3】上記機構の作動態様説明図
【図4】折り目の付いた用紙が用紙受けに落下する状態を示す説明図
【図5】用紙受けが中綴じステープラのクリンチャユニットに移動した状態を示す説明図
【図6】フィニッシャの折り目付け機構のさらに他の形態を示す概観図
【図7】上記機構の作動態様説明図
【図8】折り目の付いた用紙が用紙受けに落下する状態を示す説明図
【図9】用紙受けが中綴じステープラに移動した状態を示す説明図
【図10】フィニッシャの折り目付け機構のさらに他の形態を示す概観図
【図11】上記機構の作動態様説明図
【図12】折り目の付いた用紙が用紙受けに落下する途中の状態を示す説明図
【図13】折り目の付いた用紙が用紙受けに落下した状態を示す説明図
【図14】綴じられた後に用紙が次の工程に搬送される受けが中綴じステープラに移動した状態を示す説明図
【図15】折り目を付けた用紙を裁断工程まで搬送する態様を示す流れ図
【符号の説明】
【0055】
3 用紙
6 用紙受け
11 折りローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機等で処理された複数の用紙の中央部に折り目を付け、折り目に沿ってステープルで綴じるための中綴じステープラ搭載フィニッシャに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冊子、カタログ等のように複写機で複数の用紙を複写した後、さらに中綴じステープラによって用紙の中央部を綴じる中綴じ用ステープラ搭載フィニッシャは、ステープルを打ち出すドライバユニットと、ドライバユニットから打ち出されたステープルをクリンチするクリンチャユニットとを上下に分離し、ドライバユニットとクリンチャユニットとの間に用紙を通し、用紙の中央部をステープラで綴じるように構成されている。
【0003】
ところで、用紙が20枚以下の枚数であれば、中綴じ後一気に用紙束を折ることができるが、20枚以上になると、一気に折り目を付けることが困難なため、1枚ずつ折り目を付けて用紙を逆V字形の、一般的に鞍と呼ばれる用紙受け上に搬送して積層し、用紙受けの上下に配置したドライバユニットとクリンチャユニットによって綴じるようにしている。
【特許文献1】特開2006−219296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のフィニッシャは、用紙受けの上に用紙を載せるための用紙搬送経路が複雑になっていた。また、複数の用紙を綴じた後、用紙受けから排出する場合も、ステープルの脚部が引っかからないようにするため、機構や排出経路が複雑になっている。
【0005】
本発明は上記問題点を解消し、簡単な構造によって、複数の用紙に折り目を付けた後に順次用紙受け上に載置して積層することができる中綴じステープラ搭載フィニッシャを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、折り目を付けた用紙を積層状態にストックし、折り目に沿ってステープル止めする中綴じステープラ搭載フィニッシャにおいて、第1のローラと第2のローラとからなる用紙送りローラと、前記第1のローラの送り方向下流側に設けられる第3のローラと、前記第1のローラと前記第3のローラとの間に挿入可能に配置された折りブレードと、前記第3のローラよりも更に送り方向下流側に設けられる用紙受けと、を備え、前記用紙送りローラによって用紙の中央部が前記折りブレードに対応する位置に至るまで用紙が送られた後に、前記折りブレードによって用紙の中央部を前記第1のローラと前記第3のローラとの間に押し込んで用紙に折り目を付け、折り目を付けた用紙を前記用紙送りローラによって送ることで用紙を前記用紙受けに落下させて積層させたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記第3のローラは、前記用紙送りローラが用紙を送るときには、前記第1のローラから離反する位置に移動することを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、用紙の送り方向延長上に斜めに設けられたガイドと、前記用紙受けの一側に設けられたストッパと、を更に備え、折り目を付けた用紙を前記用紙送りローラによって送ったときに用紙の先端が前記ガイドに当接して下方に流れて前記ストッパに当たり、更に用紙が送られることで折り目の付いた用紙の中央部が前記ガイドに沿って上方に押し上げられることを特徴とする。
【0009】
【0010】
【発明の効果】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
本発明は、折り目を付けた用紙を積層状態にストックし、折り目に沿ってステープル止めする中綴じステープラ搭載フィニッシャにおいて、第1のローラと第2のローラとからなる用紙送りローラと、前記第1のローラの送り方向下流側に設けられる第3のローラと、前記第1のローラと前記第3のローラとの間に挿入可能に配置された折りブレードと、前記第3のローラよりも更に送り方向下流側に設けられる用紙受けと、を備え、前記用紙送りローラによって用紙の中央部が前記折りブレードに対応する位置に至るまで用紙が送られた後に、前記折りブレードによって用紙の中央部を前記第1のローラと前記第3のローラとの間に押し込んで用紙に折り目を付け、折り目を付けた用紙を前記用紙送りローラによって送ることで用紙を前記用紙受けに落下させて積層させた構成であるから、折り目の付いた用紙を自然落下により用紙受けにストックすることができる。また、折り目のついた用紙をそのまま落下させて用紙受けにストックするため、送り方向は一方向となり、複雑な用紙搬送機構を必要としない。さらに、ステープラではなく、用紙受けが移動して綴じ位置を変えられるため、中綴じステープラと用紙とを綴じる芯を合わせやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1(a)〜(d)は複写機(印刷機等でもよい)1で複写された複数の用紙をステープル止めする中綴じステープラ搭載フィニッシャを示すもので、複写機1内で複写された用紙3は順次フィニッシャに搬送されて所定位置に積層状態にストックされ、フィニッシャに搭載された中綴じステープラで綴じられるように構成されている。
【0017】
フィニッシャには、複写機1から搬送された複写済み用紙3を受ける用紙案内板4と、上記用紙3に折り目を付ける折り目付け機構5と、折り目の付いた用紙3をストックする用紙受け6と、用紙受け6に配置された中綴じステープラ7とが配置されている。
【0018】
上記用紙案内板4は水平板状に形成され、一端は複写機1の用紙3排出口の近傍に設けられ、他端にはストッパ8aが設けられている。用紙3は図示しない適宜の送り手段により上記一端から他端に向けて搬送され、他端のストッパ8aに当たったところで位置決めされる。ストッパ8aの位置は用紙3のサイズによって移動可能に設けられている。用紙3の中央部に対応する位置には開口部10が形成されている。
【0019】
折り目付け機構5は、用紙案内板4の開口部10の下部に配置された折りローラ11と上部に配置された折りブレード12とから構成されている。折りローラ11は水平に設けられた2つのローラ11a、11bからなり、2つのローラ11a、11bの接面部はストッパ8aに位置決めされた用紙3の中央部位置と対応するように設けられている。2つのローラ11a、11bは接面部が下向きになるように互いに逆回転するようになっている。また、折りブレード12は上記折りローラ11の中心の上部に上下動可能に配置されている。
【0020】
なお、折りローラ11と折りブレード12は用紙3の幅よりも長くなるように形成されるのが好ましいが、折りブレード12の幅は折りローラ11に用紙3を押し込める程度であればよく、用紙3の幅より小さくてもよい。
【0021】
次に、用紙受け6は略直角をなすV字形に形成され、一般には鞍と呼ばれているもので、底部には開口部13が形成されている。用紙受け6は折りローラ11の直下部と折りローラ11の軸方向と平行に移動して次の中綴じステープラ7に対応する位置とに移動可能に設けられている。
【0022】
中綴じステープラ7は、用紙受け6の開口部13の上下にそれぞれクリンチャユニット14とドライバユニット15とを設けてなるものである。図示はしないが、ドライバユニット15は、ドライバプレートによってステープルを上方に打ち出すものであり、クリンチャユニット14は、打ち出されたステープルの脚部を折り曲げて綴じるものである。なお、中綴じステープラ7は折りローラ11の下部ではなく、折りローラ11の軸方向にずれた位置に配置されている。
【0023】
次に、上記構成のフィニッシャの作動態様について説明する。まず、図1(a)に示されるように、複写された用紙3が用紙案内板4上に沿って送られ、折りローラ11を越えてストッパ8aに当たって停止する。次に、同図(b)に示されるように、折りブレード12が下動して用紙3の中央部を押し下げて折りローラ11の2つのローラ11a、11b間に押し込んだ後、上方に退避作動する。2つのローラ11a、11b間に押し込まれた用紙3の中央部には折り目が付けられ、その後2つのローラ11a、11bの間を通って落下する。同図(c)に示されるように、折りローラ11の下方には用紙受け6が配置されているので、折られた用紙3は用紙受け6上に載置される。同様にして、同図(d)に示されるように、複写された用紙3はV字形で用紙受け6上に落下し、折り目が揃った積層状態となってストックされる。
【0024】
用紙受け6上に所定の枚数の用紙3が溜まると、用紙受け6は中綴じステープラ7のクリンチャユニット14とドライバユニット15との間にスライド移動する。移動後、ステープラが作動し、折り目にステープルが打ち込まれて綴じられる。
【0025】
なお、綴じられた後、用紙受け6は再び折りローラ11の下部に移動する。用紙3は用紙受け6に沿って移動して排出され、縁部が裁断されて体裁が整えられる。
【0026】
上記構成によれば、各用紙3の中央部を折りローラ11の間に押し込んで折り目を付けた後、折り目のついた用紙をV字形の用紙受け6に順次落下させて積層させるようにしたから、簡単な構造によって、複数の用紙に折り目を付けた後に順次用紙受け6上に載置して積層することができる。このため、積層状態にストックされた用紙3の折り目に沿ってステープルで綴じることにより、中綴じされた用紙の束を得ることができる。
【0027】
次に、図2〜図5はフィニッシャの他の形態で、基本的な位置関係は図1のものと同じであるが、この場合、折りローラ11は用紙案内板4の上部に配置され、折りブレード12はその下部に配置されている。折りブレード12は折りローラ11の軸方向に移動可能に設けられている。また、用紙受け6は逆V字形に形成されている。また、ドライバユニット15は用紙受け6の上部に、クリンチャユニット14は用紙受け6の下部に配置されている。他の構成は図1〜図4に示したのと同じであり、同符号で示す。
【0028】
上記構成のフィニッシャの作動態様について説明すると、まず、図2のように、複写された用紙3が用紙案内板4上に沿って送られ、折りローラ11を越えてストッパ8bに当たって停止する。次に、折りブレード12が上動して用紙3の中央部を押し上げて折りローラの2つのローラ11a、11b間に押し込んだ後、図3に示すように下方に移動した後、図4のように、折りローラ11の軸方向に移動して退避作動する。2つのローラ11a、11b間に押し込まれた用紙3の中央部には折り目が付けられる。折りブレード12が退避した後、折りローラ11の2つのローラ11a、11bは逆回転して用紙3を解放する。これにより、用紙3は落下し、用紙受け6上に載置される。同様にして、折り目付けされた用紙3は用紙受け6上に落下し、折り目が揃った積層状態となってストックされる。
【0029】
用紙受け6上に所定の枚数の用紙3が溜まると、図5のように、用紙受け6は中綴じステープラ7のクリンチャユニット14とドライバユニット15との間にスライド移動する。移動後、ステープラが作動し、折り目にステープルが打ち込まれて綴じられる。その後、用紙受け6は再び折りローラ11の下部に移動する。用紙3は用紙受け6に沿って移動して排出され、縁部が裁断されて体裁が整えられる。
【0030】
上記構成によれば、折り目のついた用紙3をそのまま落下させて用紙受け6にストックするため、複雑な用紙搬送機構が不要である。
【0031】
図6〜図9はフィニッシャのさらに別の形態を示すもので、基本的な位置関係は図1(a)〜(d)および図2〜図5に示したものと同じであるが、折りローラ11のローラ11a、11bは用紙案内板4の端部に形成された開口部10を塞ぐように上下に並べて配置されている。用紙案内板4の複写機1側の端部にはストッパ8cが設けられている。用紙案内板4の中間部より開口部10側位置には小開口16が形成されている。小開口16の上下部には湾曲した2つの仮折り板17a、17bがそれぞれ間隔をおいて配置されている。そして、隣り合う上下の仮折り板17a、17bの間にはガイドプレート18が配置されている。仮折り板17a、17bは上下の逆方向に移動可能に設けられ、ガイドプレート18は上端の支軸19を中心に回動して用紙案内板4から退避可能に設けられている。
【0032】
折りブレード12は用紙案内板4の上面に浮いた状態で水平に配置されている。折りブレード12は用紙案内板4に沿って折りローラ11側に移動可能に構成されている。
【0033】
上記構成のフィニッシャの作動態様について説明すると、まず、図6に示されるように、複写された用紙3が用紙案内板4上を折りブレード12の上面に沿って送られると、その先には上下の仮折り板17a、17bとガイドプレート18とによってU字形の案内壁が形成されているので、送られた用紙3は上記案内壁によって折り返され、用紙案内板4と折りブレード12との間を通って送り方向と逆の方向に移動する。そして、先端は図7に示されるように、ストッパ8cに当たって停止し、位置決めされる。
【0034】
次に、ガイドプレート18が支軸19を中心にして時計方向に回転して用紙3の中央部となる折り返し部が開放されると同時に仮折り板17a、17bが上下動して用紙3の折り返し部を挟み込み、折り目を付けやすいように折り癖を付ける。さらに、折りブレード12が仮折り板17a、17bの間を通り、用紙3を折りローラ11の間に押し込む。その後、折りブレード12は元の位置に戻る。
【0035】
用紙3は折りローラ11の2つのローラ11a、11bの間を通り、図8のように折り目が付いた状態で用紙案内板4から排出され、落下し、折り目が揃った積層状態となってストックされる。
【0036】
用紙受け6上に所定の枚数の用紙3が溜まると、図9のように、用紙受け6は中綴じステープラ7のクリンチャユニット14とドライバユニット15との間にスライド移動する。移動後、ステープラが作動し、折り目にステープルが打ち込まれて綴じられる。その後、用紙受け6は再び折りローラ11の下部に移動する。用紙3は用紙受け6に沿って移動して排出され、縁部が裁断されて体裁が整えられる。
【0037】
上記構成によれば、用紙受け6が移動して中綴じステープラの綴じ位置に移動するので、中綴じステープラのクリンチャユニット14とドライバユニット15と用紙3とを綴じる芯を合わせやすい。
【0038】
次に、図10〜図14はさらに他のフィニッシャの形態を示すもので、用紙案内板4の端部には、駆動ローラ(上部ローラ)と従動ローラ(下部ローラ)11cとからなる用紙送りローラが配置され、駆動ローラ11aはさらに第3のローラ11bと水平に並んで配置されている。第3のローラ11bは支軸19aを中心に、駆動ローラ11aと水平に当接する位置と離反する位置とに回動可能に設けられている。したがって、駆動ローラ11aと第3のローラ11bとが当接することにより折りローラ11が構成されるようになっている。折りブレード12は折り用ローラ11bと駆動ローラ11aとの間に挿入できるように上下動可能に設けられている。
【0039】
また、用紙案内板4の延長上には斜めの第1用紙ガイド20が設けられ、第1用紙ガイド20は第2用紙ガイド21と対になって、下方に広がるハの字形をなすように配置されている。第1用紙ガイド20の位置は送られる用紙の種類のうち最も小さいものに合わせて決められる。また、位置第1用紙ガイド20は背面側の軸を中心に回動できるようになっている。そして、第1用紙ガイド20と第2用紙ガイド21の下方には逆V字形の用紙受け6が配置されている。用紙受け6の中央部にはクリンチャユニット14が固定されている。なお、クリンチャユニット14の両側には用紙3の端部を受けるストッパ8d、8eが上下動可能に配置されている。
【0040】
上記構成のフィニッシャの作動態様について説明すると、まず、図10に示すように、複写された用紙3が用紙案内板4上を用紙送りローラ11a、11cによってさらに送られると、その先の第1用紙ガイド20によって下方に移動するように案内される。複写機側でどの大きさの用紙が送られるかは予めわかっているので、用紙の大きさに応じて送り量は決まっている。そして、所定量だけ送られて用紙3の中央部が折りブレード12に対応する位置に至ったとき用紙送りローラ11a、11cは回転を停止し、用紙3も移動を停止する。このとき、用紙3の中央部は降りてきた第3のローラ11bと駆動ローラ11aとによって構成された折りローラの間に位置するので、図11に示されるように、折りブレード12によって用紙3を、上から回動して降りてきた第3のローラ11bと駆動ローラ11aとの間に押し込んで用紙3の中央部に折り目を付ける。
【0041】
用紙3に折り目が付けられると、図12のように、折りブレード12と第3のローラ11bは定位置に戻る。折り目の付いた用紙3は、再び用紙送りローラ11a、11cによってさらに送られる。用紙3の先端は第1用紙ガイド20に沿って下方に流れ、用紙3の始端はストッパ8dに当たって止まる。しかし、用紙送りローラ11a、11cは回転し続けるので、用紙3の送りは止まらないので、折り目の付いた中央部は上方に押し上げられ、第1用紙ガイド20と第2用紙ガイド21との間に入り込む。そして、用紙3の終端が用紙送りローラ11a、11cを越えると、図13に示されるように、上記終端は落下して他方のストッパ8eに係合する。
【0042】
用紙3の両端がストッパ8d、8eに係合すると、図13に示されるように、ストッパ8d、8eは下方に移動し、用紙3も同時に下降し、折り目が用紙受け6の頂点に係合してとどまる。そして、ストッパ8d、8eが矢印Pのように円弧状に動いて再びもとの位置に戻る。
【0043】
以上の動作を繰り返すことによって複数の用紙3が折り目が揃った積層状態となって用紙受け6上にストックされる。
【0044】
用紙受け6上に所定の枚数の用紙3がストックされると、用紙受け6はドライバユニット15とクリンチャユニット14の中間にスライド移動し、ステープラが作動して折り目にステープルが打ち込まれて綴じられる。綴じ後、図14に示されるように、一方のストッパ8eが上方に移動すると、綴じられた用紙3の束の一方が持ち上げられ、中央部が第1用紙ガイド20の下部を押すので、第1用紙ガイド20は軸を中心に回動して用紙3の折り目部分のガイドとなり、用紙3を排出ローラ22,23に押し込むように移動案内させる。用紙3は排出ローラ22、23により排出方向に送られ、さらに縁部が裁断されて体裁が整えられる。
【0045】
上記構成によれば、折り目のついた用紙3をそのまま落下させて用紙受け6にストックするため、送り方向は一方向となり、複雑な用紙搬送機構を必要としない。
【0046】
また、用紙受け6は逆V字形であるから、折り目の付いた用紙3を自然落下により用紙受け6にストックすることができる。
【0047】
さらに、ステープラではなく、用紙受け6が移動して綴じ位置を変えられるため、クリンチャユニット14とドライバユニット15と用紙とを綴じる芯を合わせやすい。
【0048】
なお、用紙3に折り目を付けた後に所定位置に搬送して綴じた後に裁断するまでの形態を図15に基づいて説明する。
【0049】
同図において、1枚ずつ折り目が付けられた用紙3が用紙受け部24に送られてストッパ8fに当たって位置決めされる。ストッパ8fが移動して用紙3を押し出す。押し出された用紙3はガイドプレート28の間を通り、ガイドプレート28の角度に合わせて取付けられたステープラのクリンチャユニット14のV字形用紙受け6とドライバユニット15の間に入り、ストッパ8gで停止し、位置決めされる。ここで、所定の用紙3の枚数がストックされて積層状態になると、ステープラが作動し、その位置で綴じられる。
【0050】
なお、ステープラの取付角度、つまりドライバユニット15とクリンチャユニット14は、ガイドプレート28の角度に合わせて90°以外にも自由に変えることができる。
【0051】
用紙3が綴じられると、ストッパ8gが下方に移動しながらスライドして逃げる。このとき、用紙3はストッパ8gがスライドすることによって綴じ部が用紙受け6から浮き、さらにストッパ8gが下へ移動してドライバユニット15を通過すると、90°回転して落下し、2個の受けローラ25に受けられる。
【0052】
用紙3が受けローラ25に受けられると、押し出し用ブレード27が用紙3の折り目を押し出し、その先にある再折りローラ26に送られる。再折りローラ26で折り目を付けられた用紙3はそのまま排出され、断裁される。
【0053】
上記構成によれば、用紙3の流れをシンプルにするとともに、ステープラの取付角度によりフィニッシャの奥行きサイズを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】(a)〜(d)は本発明に係るフィニッシャによる作動の流れを示す説明図
【図2】フィニッシャの折り目付け機構の他の形態を示す概観図
【図3】上記機構の作動態様説明図
【図4】折り目の付いた用紙が用紙受けに落下する状態を示す説明図
【図5】用紙受けが中綴じステープラのクリンチャユニットに移動した状態を示す説明図
【図6】フィニッシャの折り目付け機構のさらに他の形態を示す概観図
【図7】上記機構の作動態様説明図
【図8】折り目の付いた用紙が用紙受けに落下する状態を示す説明図
【図9】用紙受けが中綴じステープラに移動した状態を示す説明図
【図10】フィニッシャの折り目付け機構のさらに他の形態を示す概観図
【図11】上記機構の作動態様説明図
【図12】折り目の付いた用紙が用紙受けに落下する途中の状態を示す説明図
【図13】折り目の付いた用紙が用紙受けに落下した状態を示す説明図
【図14】綴じられた後に用紙が次の工程に搬送される受けが中綴じステープラに移動した状態を示す説明図
【図15】折り目を付けた用紙を裁断工程まで搬送する態様を示す流れ図
【符号の説明】
【0055】
3 用紙
6 用紙受け
11 折りローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り目を付けた用紙を積層状態にストックし、折り目に沿ってステープル止めする中綴じステープラ搭載フィニッシャにおいて、
第1のローラと第2のローラとからなる用紙送りローラと、
前記第1のローラの送り方向下流側に設けられる第3のローラと、
前記第1のローラと前記第3のローラとの間に挿入可能に配置された折りブレードと、
前記第3のローラよりも更に送り方向下流側に設けられる用紙受けと、
を備え、
前記用紙送りローラによって用紙の中央部が前記折りブレードに対応する位置に至るまで用紙が送られた後に、
前記折りブレードによって用紙の中央部を前記第1のローラと前記第3のローラとの間に押し込んで用紙に折り目を付け、
折り目を付けた用紙を前記用紙送りローラによって送ることで用紙を前記用紙受けに落下させて積層させたことを特徴とする、中綴じステープラ搭載フィニッシャ。
【請求項2】
前記第3のローラは、前記用紙送りローラが用紙を送るときには、前記第1のローラから離反する位置に移動することを特徴とする、請求項1記載の中綴じステープラ搭載フィニッシャ。
【請求項3】
用紙の送り方向延長上に斜めに設けられたガイドと、
前記用紙受けの一側に設けられたストッパと、
を更に備え、
折り目を付けた用紙を前記用紙送りローラによって送ったときに用紙の先端が前記ガイドに当接して下方に流れて前記ストッパに当たり、更に用紙が送られることで折り目の付いた用紙の中央部が前記ガイドに沿って上方に押し上げられることを特徴とする、請求項1又は2記載の中綴じステープラ搭載フィニッシャ。
【請求項1】
折り目を付けた用紙を積層状態にストックし、折り目に沿ってステープル止めする中綴じステープラ搭載フィニッシャにおいて、
第1のローラと第2のローラとからなる用紙送りローラと、
前記第1のローラの送り方向下流側に設けられる第3のローラと、
前記第1のローラと前記第3のローラとの間に挿入可能に配置された折りブレードと、
前記第3のローラよりも更に送り方向下流側に設けられる用紙受けと、
を備え、
前記用紙送りローラによって用紙の中央部が前記折りブレードに対応する位置に至るまで用紙が送られた後に、
前記折りブレードによって用紙の中央部を前記第1のローラと前記第3のローラとの間に押し込んで用紙に折り目を付け、
折り目を付けた用紙を前記用紙送りローラによって送ることで用紙を前記用紙受けに落下させて積層させたことを特徴とする、中綴じステープラ搭載フィニッシャ。
【請求項2】
前記第3のローラは、前記用紙送りローラが用紙を送るときには、前記第1のローラから離反する位置に移動することを特徴とする、請求項1記載の中綴じステープラ搭載フィニッシャ。
【請求項3】
用紙の送り方向延長上に斜めに設けられたガイドと、
前記用紙受けの一側に設けられたストッパと、
を更に備え、
折り目を付けた用紙を前記用紙送りローラによって送ったときに用紙の先端が前記ガイドに当接して下方に流れて前記ストッパに当たり、更に用紙が送られることで折り目の付いた用紙の中央部が前記ガイドに沿って上方に押し上げられることを特徴とする、請求項1又は2記載の中綴じステープラ搭載フィニッシャ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−40050(P2013−40050A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−259405(P2012−259405)
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2008−330605(P2008−330605)の分割
【原出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2008−330605(P2008−330605)の分割
【原出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]