説明

中綴じ冊子の自動包装方法および装置

【課題】荷崩れしたりすべったりしやすい中綴じ冊子を積み重ねたものの自動包装を実現する。
【解決手段】被包装物Pを両側面で拘束して上から包装材Cをかぶせ、底面よりも下まで垂れ下がらせ、支持部材の横移動と被包装物自体の横移動とにより両側の垂れ下がり部分を底面に巻き込み、テープを貼って固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立方体状に積み重ねられた複数の中綴じ冊子を、クラフト紙を折り畳んでこの立方体の少なくとも両脇面を除く四面、あるいは六面すべてを覆うように自動包装する自動包装方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
積み重ねられた複数の中綴じ冊子を、丈夫なクラフト紙などの包装材で包装して発送することが行われている。中綴じ冊子とは、重ねられた書類を背の部分に厚みのあるバインダで綴じて製本した冊子のことで、バインダの背の部分が中身よりも厚みがあるため、積み重ねると背の側が高くなってしまうので、通常何冊か毎に向きを逆にして背の部分が両側に均等に来るようにする「千鳥包装」が行われるが、結局それでも両側の背の部分が高く、後に図10で示すように、中央が低い状態になってしまう。
【0003】
通常の書籍の場合の自動包装方法および装置は、特許文献1に記載がある。まずこれを簡単に説明する。
図11は、通常の書籍を積み重ねたものの自動包装作業の手順を示す斜視図である。(a)は積み重ねられた書籍などの被包装物Pである。これに(b)に示すように上面から包装材Cをかぶせる。いま、横移動の進行方向を仮定して左を前、右を後とする。かぶせられた包装材Cは前後とも被包装物Pよりも長く、被包装物Pの底面よりも下まで垂れ下がっている。また両脇も被包装物Pの側面よりも外側に張り出している。
【0004】
つぎに(c)に示すように後方の垂れ下がり部分を折り返す。さらに(d)に示すように後側の両脇の張り出し部分を折り返す。
続いて前方の垂れ下がり部分の先端をくわえておいて被包装物Pを矢印方向に移動させることにより、(e)に示すように前方の垂れ下がり部分を折り返して、さきに折り返してあった後方の折り返しの下に重ね、この図では見えないが底面テープBを貼って固定する。
【0005】
つぎに(f)に示すように前側の両脇の張り出し部分を折り返し、最後に(g)、(h)に示すように両脇上下の水平方向に張り出している部分を上、下の順に折り返し、脇面テープSを貼って固定する。
装置については図示は省略するが、被包装物Pは下降した状態のリフトテーブル上に置かれ、被包装物Pの上面に包装材Cを送り出した後、上面を押えたままリフトテーブルを上昇させると前記の図11における(b)の状態となるが、このとき前方の垂れ下がり部分の先端が上昇したリフトテーブルによって固定される。後方の垂れ下がり部分の折り返しと、後側の両脇の張り出し部分の折り返しは、この状態で右側からプッシャを押し出して行う。続いての前方の垂れ下がり部分の折り返しは、前記の先端を固定したまま、被包装物Pを左方向に移動させることで行う。
【0006】
図12(a)は通常の書籍を積み重ねたものを包装した最終の荷姿、同じく(b)はこれを上下転倒して、底面を上にして示した斜視図で、Cはクラフト紙等の包装材、Sは折り畳んだ包装材の小口側の側面を押える脇面テープ、Bは底面の包装材の重なった部分を押える底面テープで、脇面テープS、底面テープBは例えば市販の幅50mmのクラフト粘着テープである。
【0007】
通常の書籍では背の部分と他の部分とで厚みがほとんど同じであるため、積み重ねてもほぼ六面体形状となっており、包装しやすく、上記のような包装方法が可能であった。
ところが、中綴じ冊子を積み重ねたものは前記したように両脇が高く、中央がくぼんだ状態となるため積み重ねても崩れやすく、また中綴じ冊子に多いカタログ等では、表紙に樹脂フィルムや上質紙を使用するためすべりやすいので、包装の途中でリフトテーブルにより上昇させるような従来の包装方法を採用することができない。すなわち中綴じ冊子専用に、上下移動のない包装方法を検討しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭2004−67104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記課題に応え、積み重ねたものが崩れたりすべったりすることのないよう、周囲を囲った状態のまま、かつ包装途中で積み重ねられた冊子を上下に移動させることのないようにした中綴じ冊子専用の自動包装方法および装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の本発明は、中綴じ冊子を積み重ねてなる被包装物の両脇面を除く四面を覆うように包装材を折り畳んで自動包装する中綴じ冊子の自動包装方法において、被包装物を両側面で拘束して被包装物の上面から包装材をかぶせ、両側面とも被包装物の底面よりも下まで垂れ下がらせ、被包装物を引き続き両側面で拘束するとともに被包装物を停止させたまま支持部材を横移動させて一方の垂れ下がり部分を底面に巻き込み、ついで他方の垂れ下がり部分を支持部材に係止しておいて被包装物を両側面で拘束したまま横移動させることにより他方の垂れ下がり部分も被包装物の底面に巻き込み、被包装物の両脇面を除く四面を包装材で覆った後、底面テープを貼って固定することを特徴とする中綴じ冊子の自動包装方法である。
【0011】
請求項2に記載の本発明は、中綴じ冊子を積み重ねてなる被包装物の六面を覆うように包装材を折り畳んで自動包装する中綴じ冊子の自動包装方法において、被包装物の幅よりも所定の包み代だけ幅の広い包装材を使用し、被包装物を両側面で拘束して被包装物の上面から包装材をかぶせ、両側面とも被包装物の底面よりも下まで垂れ下がらせ、被包装物を引き続き両側面で拘束するとともに被包装物を停止させたまま支持部材を横移動させて一方の垂れ下がり部分を底面に巻き込み、ついで他方の垂れ下がり部分を支持部材に係止しておいて、被包装物を両側面で拘束したまま横移動させることにより他方の垂れ下がり部分も被包装物の底面に巻き込み、被包装物の両脇面を除く四面を包装材で覆った後、底面テープを貼って固定し、ついで両脇の張り出した包装材を被包装物の脇面に対して折り返し、脇面テープを貼って固定することを特徴とする中綴じ冊子の自動包装方法である。
【0012】
請求項3に記載の本発明は、中綴じ冊子を積み重ねてなる被包装物の少なくとも両脇面を除く四面を覆うように包装材を折り畳んで自動包装する中綴じ冊子の自動包装装置において、積み重ねた中綴じ冊子である被包装物を搬入位置まで送り込むプッシャを備えた搬入テーブルと、被包装物の積み重ね幅に合わせた間隔に開いたガイド板を有し、搬入位置で被包装物を待機する下枠と、前記ガイド板で側面を拘束された被包装物の上面に包装材を供給する包装材供給部と、前記ガイド板で側面を拘束された被包装物の上方からこの被包装物の上面を押し下げつつ下降するプレス板と、前記ガイド板に代わって被包装物の側面を拘束する上折フレームとからなる上枠と、被包装物を支持し、被包装物の横方向の移動を許すとともに包装材の垂れ下がり部分を係止することのできるローラテーブルと、
前記上枠を横方向に移動させる横送り機構と、被包装物の底面にテープを貼って包装材を固定する底面テープ貼り手段と包装された被包装物を搬出する搬出テーブルと、からなることを特徴とする中綴じ冊子の自動包装装置である。
【0013】
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の構成に加えて両脇の張り出した包装材を被包装物の脇面に対して折り返す横折り機構と、この折り返し部分を脇面テープを貼って固定する脇面テープ貼り手段とを有することを特徴とする中綴じ冊子の自動包装装置である。
請求項5に記載の本発明は、前記ローラテーブルが複数の部分に分割されており、前記の包装材の垂れ下がり部分を係止する機能がこれらの複数の部分の接近や重なりによるものである請求項3または4に記載の中綴じ冊子の自動包装装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、積み重ねた中綴じ冊子を常に両側から拘束しており、また上下方向に移動させることもないので、荷崩れしたりすべったりするので従来不可能と考えられていた中綴じ冊子を安全に自動包装することができ、包装作業の効率化が達成されるという、すぐれた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明実施例の自動包装装置を示す正面図である。
【図2】本発明実施例の自動包装装置を示す平面図である。
【図3】本発明実施例の自動包装装置を示す左側面図である。
【図4】図2を模式的に示した説明図である。
【図5】本発明実施例における下枠を示す斜視図である。
【図6】本発明実施例における上枠を示す斜視図である。
【図7】本発明実施例におけるローラテーブルを示す正面図である。
【図8】本発明実施例における自動包装方法の前半部分を説明する説明図である。
【図9】本発明実施例における自動包装方法の後半部分を説明する説明図である。
【図10】本発明における中綴じ冊子を積み重ねた被包装物を示す斜視図である。
【図11】従来公知の、通常の書籍を積み重ねたものの自動包装作業の手順を示す斜視図である。
【図12】通常の書籍を積み重ねたものを包装した最終の荷姿を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下本発明の実施例を図面により説明する。
図10(a)は本発明において包装しようとする中綴じ冊子を積み重ねた被包装物Pを示す斜視図である。荷崩れを抑制するため、綴じ代部分を適当な冊数毎に逆向きにして積み重ねており、これを「千鳥包装」という。冊子の小口寸法aは、A5判相当の148mmからA4判を千鳥包装した場合のずらし代を加えた240mmの範囲、天地寸法bは210mmからA4判の297mmとし、積み重ねの最大高さhは220mmとする。
【0017】
図10(b)は包装を終わった包装体Wの最終の荷姿を示す斜視図で、縦横の寸法a’、b’は包装紙の厚みが加わっただけであるから数値的にはほとんど変わらない。高さh’のみは包装時に圧縮されるので最大80mmとなっている。
図10(b)に示す包装体Wに対しては、図手前および奥の両脇小口側の包装紙の重ね合わせ部分に脇面テープ、図では見えないが底面の包装紙の重ね合わせ部分に底面テープを貼って固定してある。使用するテープは例えば前記のものと同じ市販のクラフト粘着テープである。
【0018】
図1は実施例の自動包装装置を示す正面図、図2は平面図、図3は左側面図、図4は図2を分かりやすく模式的に示した説明図である。この装置は架台1、包装材であるクラフト紙を供給する包装材供給部2、積み重ねられた冊子Pを搬入する搬入テーブル3、搬入された積み重ねられた冊子(被包装物)を崩れないように囲う下枠4、同じく上枠5、被包装物Pを支持するとともに包装材Cを巻き付け、下流側に搬送するローラテーブル6、脇面の包装材を折り畳む横折り機構7、包装されたワークWを搬出する搬出テーブル8などにより構成される。作業員は図2に示すように搬入テーブル3の脇に配置され、11はスタート、非常停止などのボタンを備える操作盤である。
【0019】
この内、搬入テーブル3、搬出テーブル8はいずれもワークがすべって移動する上面の開いたコの字断面のガイドウエイ31、81と、移動させるプッシャ32、82を備え、従来の包装装置と特に変わりはない。また包装材や各テープの供給部分も一般の包装機器に使用されているものと同じである。横折り機構7は特許文献1に記載の従来のものと同様である。よってこれらについては、詳しい説明を省略し、以下、被包装物の頂面に包装材をかぶせ、両側面に沿って垂れ下げ、垂れ下がり部分を底面に下り畳むまでの作業を中心にして説明する。
【0020】
まず図4によりワークの動きを説明する。作業者が冊子を所定の高さまで積み重ね、小口部分を前後に向けて搬入テーブル3に載せ、プッシャにより、図4に太線で示した「搬入位置」まで押し込む。ここには下枠4が待機していて被包装物はその中に挿入され、ワークの重量はローラテーブル6に支持される。被包装物の上面に包装材が供給され、続いて上方に待機していた上枠5が下降し、プレス板により被包装物の頂面を押し下げるのに同調して下枠は下方に逃げ、これに代わって上枠5がワークの側面を保持する。ついで上枠5が図に2点鎖線で示す範囲を横移動し、この間に、追って説明するように垂れ下がっていた包装材が底面に折り畳まれ、続いて横折り機構7により小口側の側面の包装材が折り畳まれ、底面、側面に固定のためのテープが貼られて包装が完了し、搬出テーブル8から搬出される。
【0021】
以上の手順をやや詳しく説明すると、図3に想像線で示すように、搬入テーブル3に配置されている作業員が冊子を積み重ねた被包装物Pをガイドウエイ31上に載せ、プッシャ32で装置内の図4における「搬入位置」に送り込む。ここには下枠4が上昇して待機しており、被包装物Pはそのガイド板42の内側に挿入される。
図5は下枠4の斜視図である。下枠4はベースプレート41の両側の部分に1対のガイド板42が向かい合って取り付けられており、基部には昇降機構44と係合する係合部43が設けられている。
【0022】
被包装物Pは縦向きに、つまり小口側を前後方向として送り込まれるので、ガイド板42の間隔は図10(a)における被包装物Pの寸法aに対応する。包装に最適の位置に小口を揃えて被包装物Pが停止するよう、送り込みの最奥位置にストッパ45が設けられている。ストッパ45は図1に示されている。昇降機構44は例えば昇降シリンダとリニアガイドとの組み合わせで、下枠4を直線状に昇降させることができる。このように、包装前の被包装物Pはガイド板42の内側に送り込まれるので、この時点での荷崩れは発生しない。なお追って説明するように上枠5が下降するとき、上枠5の下端部と下枠4のガイド板42の上縁部との間で包装材がすべるため、ガイド板42の上端にはすべりのよい樹脂材421を取り付けてある。
【0023】
つぎに図6は上枠5を示す斜視図である。上枠5は水平方向から見て逆U字形の上折フレーム51とこれを昇降させるシリンダ511、上折フレーム51の隙間に挿入された水平方向のプレス板52とこれを昇降させるシリンダ521、上枠5全体を横方向(図6における左右方向)に移動させる横送り機構53とから構成される。図6ではシリンダ521には3本のロッドが見えるが、中央がシリンダロッドで、両側2本はガイドロッドである。横送り機構53はギヤドモータ、タイミングベルト等からなる通常の移送機構で、図1、図2に示されている。上折フレーム51の左右の内側間隔も、前記下枠4のガイド板42の間隔と同じである。これら下枠4、上枠5の機能については追って説明する。
【0024】
下枠4内荷に送り込まれた被包装物Pは、ローラテーブル6の一部、すなわち下枠4の内側にある部分に支持される。図7はローラテーブル6全体を示す正面図で、ローラテーブルは第1のローラテーブル61ないし第5のローラテーブル65の5種類に区分される。第1から第3のローラテーブル61〜63は共通の移動フレーム66上に取り付けられ、シリンダ661により横移動が可能であり、第1のローラテーブル61はさらに移動フレーム66上でシリンダ611を介して第2のローラテーブル62に対して横移動が可能である。第2のローラテーブル62は移動フレーム66に固定されているが、第3のローラテーブル63はシリンダ631により移動フレーム66上で昇降が可能である。
【0025】
第4のローラテーブル64は右端を支点にシリンダ641により矢印に示すように開閉が可能である。以上いずれもローラ自身は自由に回転するのみで駆動されてはいない。第5のテーブル65は単なる板状の固定テーブルである。以上のうち、「搬入位置」において下枠4、あるいは上枠5の内側に位置するのは第2のローラテーブル62および第3のローラテーブル63である。
【0026】
次に本発明実施例における中綴じ冊子の自動包装方法について図面により説明する。図8は自動包装方法の前半部分を説明する説明図である。(a)は被包装物Pが搬入テーブル3から「搬入位置」にある下枠4内へ送り込まれた状況を示している。被包装物Pは重量を第2、第3のローラテーブル62、63で支持され、両脇を下枠4のガイド板42にはさまれているので、荷崩れは発生しない。この状態で包装材Cが供給される。図1に示した包装材供給部2のロールが巻き戻されて、紙送りロール21により被包装物Pの上面に包装材Cが送り込まれる。このとき被包装物Pの上を包装材Cがスムースに通過させるため、両脇に後退していたシャッタ22が前進してガイドする。所定長さの包装材Cが供給されると、図示しない剪断装置により後端部分がカットされる。
【0027】
つぎに(b)に示すように上方から上枠5が降下する。プレス板52が包装材Cを介して被包装物Pを押さえつけている間に上折フレーム51が下降を続け、下枠のガイド板42もこれに同調して下降する。包装材Cはプレス板52により被包装物Pの頂面で押さえつけられているのでこの部分でずれることはなく、両脇の垂れ下がった部分のみが上折フレーム51とガイド板42との間の隙間をすべって、被包装物Pの両側面に接して行く。
【0028】
(c)は上折フレーム51がほぼ被包装物Pの底面まで下降した状態を示し、(d)は下枠のガイド板42がさらに下降して、包装材Cが被包装物Pの両脇に垂れ下がった状態を示す。さきに(a)の段階で包装材Cをカットするとき、この(d)の状態における両脇の垂れ下がりが被包装物Pの小口寸法aの1/2以上で、後に折り畳んだとき重なり合う寸法であることが必要である。
【0029】
次に(e)に示すように、第1のローラテーブル61が右方向に移動して、第2のローラテーブル62に接近する。続いて共通の移動フレーム66上にある第1ないし第3のローラテーブル61〜63が揃って右方向へ移動すると、各ローラは自由に回転するからワークが移動することはなく、(f)に示すように包装材Cの垂れ下がり部分のみが右方向へなびいた状態となる。そして第3のローラテーブル63は被包装物Pの下部から抜け出るので被包装物Pの支持は第1のローラテーブル61および第2のローラテーブル62に肩代わりされる。
【0030】
続いて自動包装方法の後半部分である図9の説明に移る。(g)に示すように、被包装物Pの支持から解放された第3のローラテーブル63が下降し、これまで上方に開いていた第4のローラテーブル64が閉じてその上に重なり、第3のローラテーブル63との間にある包装材Cの右側の垂れ下がり部分をはさむ。
続いてワーク(被包装物)Pの横移動が開始される。図1、図2に示した横送り機構53により、上枠5全体が右方向に横移動し、この中に囲まれているワークPもローラテーブル上をすべりながら移動する。しかしローラテーブル自体の位置は変わらないから、(h)に示すように包装材Cの先端を下部のローラテーブル63、64にはさまれたままワークPのみが移動するので先端部はワークの下部に巻き込まれ、(i)に示すように底部の包装材Cは互いに重なり合った状態となる。この状態で第5のローラテーブル65、あるいはそれに続く部分に設けた底面テープ貼り手段67により底面テープを貼って、全周の包装が完了する。
【0031】
四面包装の場合はこれで包装作業のすべてが終了であるが、六面包装の場合は引き続いて横折り機構7により両脇面の折り込みを行い、脇面テープ貼り手段71によって脇面テープSで固定することが必要である。
以上の説明から明らかなように、「搬入位置」に送り込まれたワークは当初は下枠4のガイド板42に両側面をはさまれており、ついで上枠5の上折フレーム51が下降してこれに代わって両側面を拘束し、底面の折り返しが固定されるまで拘束が継続する。また包装の途中でワークを上下方向に移動させることもないから、本発明において中綴じ冊子の積み重ねが崩れることがない。
【0032】
なお、取り扱う冊子のサイズが変わる場合、ガイド板42や上折フレーム51の間隔やローラテーブル6の各ローラの本数などを変更しなければならないが、これらは手作業で行うものとして、図面における説明は省略した。
【符号の説明】
【0033】
1 架台
2 包装材供給部
3 搬入テーブル
4 下枠
5 上枠
6 ローラテーブル
7 横折り機構
8 搬出テーブル
11 操作盤
21 紙送りロール
22 シャッタ
31、81 ガイドウエイ
32、82 プッシャ
41 ベースプレート
42 ガイド板
43 係合部
44 昇降機構
45 ストッパ
51 上折フレーム
52 プレス板
53 横送り機構
61〜64 ローラテーブル
65 テーブル
66 移動フレーム
67 底面テープ貼り手段
71 脇面テープ貼り手段
421 樹脂材
511、521、611、631、641、661 シリンダ
B 底面テープ
C 包装材
P 被包装物(ワーク)
S 脇面テープ
W 包装体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中綴じ冊子を積み重ねてなる被包装物の両脇面を除く四面を覆うように包装材を折り畳んで自動包装する中綴じ冊子の自動包装方法において、被包装物を両側面で拘束して被包装物の上面から包装材をかぶせ、両側面とも被包装物の底面よりも下まで垂れ下がらせ、被包装物を引き続き両側面で拘束するとともに被包装物を停止させたまま支持部材を横移動させて一方の垂れ下がり部分を底面に巻き込み、ついで他方の垂れ下がり部分を支持部材に係止しておいて被包装物を両側面で拘束したまま横移動させることにより他方の垂れ下がり部分も被包装物の底面に巻き込み、被包装物の両脇面を除く四面を包装材で覆った後、底面テープを貼って固定することを特徴とする中綴じ冊子の自動包装方法。
【請求項2】
中綴じ冊子を積み重ねてなる被包装物の六面を覆うように包装材を折り畳んで自動包装する中綴じ冊子の自動包装方法において、被包装物の幅よりも所定の包み代だけ幅の広い包装材を使用し、被包装物を両側面で拘束して被包装物の上面から包装材をかぶせ、両側面とも被包装物の底面よりも下まで垂れ下がらせ、被包装物を引き続き両側面で拘束するとともに被包装物を停止させたまま支持部材を横移動させて一方の垂れ下がり部分を底面に巻き込み、ついで他方の垂れ下がり部分を支持部材に係止しておいて、被包装物を両側面で拘束したまま横移動させることにより他方の垂れ下がり部分も被包装物の底面に巻き込み、被包装物の両脇面を除く四面を包装材で覆った後、底面テープを貼って固定し、ついで両脇の張り出した包装材を被包装物の脇面に対して折り返し、脇面テープを貼って固定することを特徴とする中綴じ冊子の自動包装方法。
【請求項3】
中綴じ冊子を積み重ねてなる被包装物の少なくとも両脇面を除く四面を覆うように包装材を折り畳んで自動包装する中綴じ冊子の自動包装装置において、
積み重ねた中綴じ冊子である被包装物を搬入位置まで送り込むプッシャを備えた搬入テーブルと、
被包装物の積み重ね幅に合わせた間隔に開いたガイド板を有し、搬入位置で被包装物を待機する下枠と、
前記ガイド板で側面を拘束された被包装物の上面に包装材を供給する包装材供給部と、
前記ガイド板で側面を拘束された被包装物の上方からこの被包装物の上面を押し下げつつ下降するプレス板と、前記ガイド板に代わって被包装物の側面を拘束する上折フレームとからなる上枠と、
被包装物を支持し、被包装物の横方向の移動を許すとともに包装材の垂れ下がり部分を係止することのできるローラテーブルと、
前記上枠を横方向に移動させる横送り機構と、
被包装物の底面にテープを貼って包装材を固定する底面テープ貼り手段と、
包装された被包装物を搬出する搬出テーブルと、
からなることを特徴とする中綴じ冊子の自動包装装置。
【請求項4】
請求項3に記載の構成に加えて、
両脇の張り出した包装材を被包装物の脇面に対して折り返す横折り機構と、
この折り返し部分を脇面テープを貼って固定する脇面テープ貼り手段とを有する
ことを特徴とする中綴じ冊子の自動包装装置。
【請求項5】
前記ローラテーブルが複数の部分に分割されており、前記の包装材の垂れ下がり部分を係止する機能がこれらの複数の部分の接近や重なりによるものである請求項3または4に記載の中綴じ冊子の自動包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−84305(P2011−84305A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−238137(P2009−238137)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(000179317)山田機械工業株式会社 (11)
【Fターム(参考)】