説明

中綴じ用ステープラ

【課題】綴り用紙を中綴じする際に、綴り用紙や綴り位置の位置ずれの発生を防止する。
【解決手段】綴り用紙に対してステープルを打ち込むドライバ機構部21a,21bと、各ドライバ機構部21a,21bと対向する位置に、綴り用紙3が通過する走行路43を介して設けられるクリンチャ44,44と、ドライバ機構部21a,21bをクリンチャ44,44に対して近接離間する方向に移動する駆動機構50とを備える。各ドライバ機構部21a,21bをクリンチャ44,44に対して近接する方向に移動して、クリンチャ44,44上の綴り用紙3をクランプし、次いで、クランプした綴り用紙3にステープルを打ち込む動作において、駆動機構50は、ドライバ機構部21a,21bを、綴り用紙3をクランプしている時間が重なり、かつ、位相差を設けてステープルを綴り用紙3に打ち込むように動作させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、綴り用紙を中綴じする中綴じ用ステープラに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機といった画像形成装置には、画像が形成された用紙を中綴じするステープラが内蔵されたものがある。中綴じ用ステープラでは、綴り用紙を揃え、モータを駆動源として、例えば2カ所を、ステープルで綴じるようにしている。具体的に、綴り用紙を中綴じするにあたっては、同時に、ドライバ機構部をクリンチャに近接させて綴り用紙をクランプしてからステープルを綴り用紙に打ち込み、綴り用紙を綴じるようにしているものがある。その後、綴り用紙は、ドライバ機構部とクリンチャとの間を次工程へ送られる。
【0003】
しかしながら、綴り用紙の複数箇所を同時に綴じる場合には、同じタイミングで、綴り用紙をクランプしステープルを打ち込むための機械的や電気的な負荷が加わる。このため、この種の電動ステープラでは、フレームの機械的強度を高める必要があり、また、ピーク電流が大きくなり、消費電力も大きくなり、また、モータも大型化してしまう。
【0004】
この点、特許文献1では、複数箇所を綴じるにあたって、各ステープラを、それぞれ異なるタイミングで動作させるようにして、消費電力を小さくし、また、モータの小型化を実現している。しかしながら、特許文献1は、2カ所綴じを例に取ると、綴り用紙の一方を綴じてから他方を綴じるようにしている。このため、特許文献1では、一方を綴じた後、用紙が撓んでいるため、他方を綴じるまでの間に、用紙ズレが発生したり、綴りピッチズレが発生することがある。
【0005】
例えば、図9(A)に示すように、ステープラのドライバ機構部101a,101bと離間した対向位置にある用紙ガイド102にクリンチャ103,103が一体的に設けられている場合、一方のドライバ機構部101aが綴り用紙100から離間する際、他方のドライバ機構部101bが綴り用紙100をクランプしていないことから、綴り用紙100がステープラ101aのマガジンによって引きずられ、綴り用紙100の位置や綴り位置がずれてしまうことがある。
【0006】
また、図9(B)に示すように、ドライバ機構部101a,101bと離間した対向位置にある用紙ガイド102とクリンチャ103が別体の場合、一方のドライバ機構部101aは、実打時、用紙ガイド102をクリンチャ103に近接させたクリンチャ基準面まで撓ませ、ステープルを打ち込み、この後、クリンチャ103や用紙ガイド102から離間する。実打時には、綴り用紙も用紙ガイド102に合わせて撓んでおり、従って、一方のドライバ機構部101aが用紙ガイド102から離間してから他方のドライバ機構部101bが綴り用紙100をクランプするまでの間に、綴り用紙100の位置や綴り位置がずれてしまうことがある。また、綴り用紙100がドライバ機構部101aのマガジンによって引きずられ、綴り用紙100の位置や綴り位置がずれてしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−2416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上のような問題点に基づいてなされたものであり、綴り用紙を中綴じする際に、綴り用紙や綴り位置の位置ずれの発生を防止できる中綴じ用ステープラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る中綴じ用ステープラは、上述した課題を解決するため、綴り用紙に対してステープルを打ち込む少なくとも2以上のドライバ機構部と、上記各ドライバ機構部と対向する位置に、それぞれ綴り用紙が通過する通路を介して設けられるクリンチャと、上記ドライバ機構部又は上記クリンチャの一方を、対向する位置に設けられた他方に対して近接離間する方向に移動する駆動機構とを備える。上記各ドライバ機構部又は上記クリンチャの一方を、対向する位置に設けられた他方に対して近接する方向に移動して、上記ドライバ機構部と上記クリンチャとの間に配された上記綴り用紙をクランプし、次いで、クランプした上記綴り用紙にステープルを打ち込む動作において、上記駆動機構は、上記少なくとも2以上のドライバ機構部又は上記クリンチャを、上記綴り用紙をクランプしている時間が重なり、かつ、位相差を設けて上記ステープルを上記綴り用紙に打ち込むように動作させる。
【0010】
ここで、上記駆動機構は、上記少なくとも2以上のドライバ機構部と上記クリンチャに、上記綴り用紙を同時にクランプさせてもよいし、上記少なくとも2以上のドライバ機構部と上記クリンチャに、位相差を設けて上記綴り用紙をクランプさせてもよい。
【0011】
上記クリンチャは、例えば、上記綴り用紙をガイドする用紙ガイド部材より下側に配設される。この場合、上記綴り用紙にステープルを打ち込むとき、上記ドライバ機構部のマガジンによって上記綴り用紙を介して上記用紙ガイド部材が付勢されて変位して、上記綴り用紙が上記クリンチャの基準面に押さえ付けられる。
【0012】
上記ドライバ機構部の数は、2つでもよいし、3つでもよく、更に、4つ以上であってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ドライバ機構部又はクリンチャの一方を、対向する位置に設けられた他方に対して近接する方向に移動して、綴り用紙をクランプし、次いで、クランプした綴り用紙にステープルを打ち込む動作において、駆動機構が、少なくとも2以上のドライバ機構部又はクリンチャを、綴り用紙をクランプしている時間が重なり、且つ、位相差を設けて記ステープルを綴り用紙に打ち込むように動作させる。したがって、機械的な負荷変動を小さくすることができ、綴り用紙や綴り位置の位置ずれの発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明が適用された中綴じ用電動ステープラが内蔵される用紙処理装置の概念図である。
【図2】本発明が適用された中綴じ用電動ステープラの斜視図である。
【図3】本発明が適用された中綴じ用電動ステープラの正面図である。
【図4】本発明が適用された中綴じ用電動ステープラの要部拡大正面図であり、マガジンが綴り用紙をクランプするときの状態を示す。
【図5】2つの中綴じ用ステープラのドライバ機構部が綴り用紙のクランプを同時に行う動作を説明する図である。
【図6】(A)−(C)は、2つの中綴じ用ステープラのドライバ機構部が綴り用紙のクランプを位相差を設けて行う動作を説明する図である。
【図7】3つの中綴じ用ステープラのドライバ機構部が綴り用紙のクランプを同時に行う動作を説明する図である。
【図8】(A)−(C)は、3つの中綴じ用ステープラのドライバ機構部が綴り用紙のクランプを位相差を設けて行う動作を説明する図である。
【図9】(A)及び(B)は、従来の中綴じ用電動ステープラを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明が適用された中綴じ用電動ステープラについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下、中綴じ用電動ステープラについて、以下の順に沿って説明する。
【0016】
1.全体構成(用紙処理装置の説明)
2.中綴じ用電動ステープラ(中綴じ用ステープラのドライバ機構部が2つの例)
3.中綴じ用電動ステープラの動作
3−1.クランプを同時に行う例
3−2.クランプに位相差を設ける例
4.中綴じ用ステープラのドライバ機構部が3つの例
4−1.クランプを同時に行う例
4−2.クランプに位相差を設ける例
5.その他の変形例
【0017】
[1.全体構成(用紙処理装置の説明)]
図1に示すように、本発明を適用した中綴じ用電動ステープラは、複写機やプリンタ等の画像形成装置に隣接して設けられる用紙処理装置に内蔵される。そこで、先ず、図1を参照して、用紙処理装置について説明する。この用紙処理装置1は、複写機2に連結されている。この用紙処理装置1は、複写機2と接続する面に、複写機2で複写された用紙3を搬入する用紙搬入口4が配置されている。この用紙搬入口4から搬入された用紙3は、切換機構5の切り換えにより、搬送路が図1中右側の第1の搬送路6と左側の第2の搬送路7との何れかに切り換えられ、搬送ローラ8により搬送される。第1の搬送路6の搬送先には、複数の用紙の綴りを揃えて収容する端綴じ用コンパイルトレイ9が水平に対し緩傾斜して配置され、この端綴じ用コンパイルトレイ9の一端は、用紙左端位置決め部10となっている。端綴じ用コンパイルトレイ9の下方には、端綴じ用ステープラのドライバ機構部11が配置されている。端綴じ用ステープラのドライバ機構部11は、カム12の回転によりステープルを打ち出す。打ち出されたステープルは、端綴じ用ステープラ11の近傍に配設されたクリンチャ13によって折曲される。
【0018】
端綴じ用コンパイルトレイ9の他端には、用紙3の綴りを排出する排出機構14が設けられている。この排出機構14は、排出ローラ14aと揺動アーム15により回転可能に支持された遊動ローラ14bとに挟み込まれて、用紙3の綴りを端綴じ用紙搬出口16より排出する。
【0019】
端綴じ用コンパイルトレイ9上面には、端綴じ用コンパイルトレイ9に搬入される用紙3の側縁を揃えるための用紙側縁揃え機構17が配設されている。用紙側縁揃え機構17は、端綴じ用コンパイルトレイ9に搬入された綴り用紙3を、その前後方向の中央位置に揃えるようになっている。また、図示しないが、端綴じ用コンパイルトレイ9の上方には、用紙左端位置決め機構が配設され、端綴じ用コンパイルトレイ9に搬入された綴り用紙3を、常にその左右方向の左端位置に揃えるようになっている。端綴じ用紙搬出口16から搬出された端綴じされた綴り用紙3は、端綴じ用紙搬出口16から用紙処理装置1の右側壁から外側に突出して設けられた端綴じ用紙排出トレイ18に排出される。
【0020】
また、第2の搬送路7には、中綴じのための用紙3が供給される。第2の搬送路7中の中綴じ用コンパイルトレイ19には、右側板20側に、一対の中綴じ用ステープラのドライバ機構部21が並んで配置されている。各中綴じ用ステープラのドライバ機構部21は、それぞれカム22が回転することによってステープルを打ち出す。そして、各中綴じ用ステープラのドライバ機構部21から打ち出されたステープルは、クリンチャ23により折曲される。
【0021】
中綴じ用ステープラのドライバ機構部21の下方には、上下一対の折りローラ24が配置されている。また、中綴じ用コンパイルトレイ19の近傍には、中綴じ用コンパイルトレイ19内部に突出可能なナイフエッジ25が配置されている。このナイフエッジ25は、中綴じされた用紙3の中央を垂直に押圧して、一対の折りローラ24間に押し込み、中綴じされた用紙3を折曲する。
【0022】
中綴じ用コンパイルトレイ19の下部外側面には、用紙上下位置調節部材26が上下動可能に配置されている。この用紙上下位置調節部材26は、中綴じ用コンパイルトレイ19内部に突出した用紙下端支持部27を有している。用紙上下位置調節部材26は、ベルト駆動モータにより走行される無端ベルト28に連結され、無端ベルト28が走行することで上下動される。
【0023】
折りローラ24で中折りされた中綴じの用紙3の綴りは、一対の排出ローラ29により中綴じ用紙排出口30から外側に突出する中綴じ用紙排出トレイ31に排出される。
【0024】
[2.中綴じ用電動ステープラ(中綴じ用ステープラのドライバ機構部が2つの例)]
図2及び図3に示す本発明が適用された中綴じ用電動ステープラ40は、板金等を折曲して形成したフレーム41内に、図1に示した一対の中綴じ用ステープラのドライバ機構部21a,21bが配設されている。
【0025】
ドライバ機構部21a,21bは、真直状のステープルを多数並列させてシート状に連結して成るシート状ステープルを積層状態に収容したリフィルをカートリッジに装填し、更に、リフィルが装填されたカートリッジを、フレーム41に取り付けられたマガジン47,47に装填する構成となっている。このようなドライバ機構部21a,21bは、カートリッジ内のシート状ステープルを順次、マガジン47又はカートリッジの打出部へ供給し、打出部に供給された真直状のステープルを打出部のフォーミングプレートでコ字状に成形した後に打出部のドライバで綴り用紙に向けて打ち出すようにしている。各ドライバ機構部21a,21bは、マガジン47,47が更に取付フレーム48,48に取り付けられており、取付フレーム48,48は、フレーム41に取り付けられている。
【0026】
フレーム41には、ドライバ機構部21a,21bのステープルを打ち出す打出口と対向する位置に、この打出口と離間して、それぞれクリンチャ機構42,42が配設されている。また、ドライバ機構部21a,21bの打出口とクリンチャ機構42,42との間は、中綴じ用紙の走行路43となっている。走行路43は、中綴じする用紙幅に従った幅を有し、更に、綴じる用紙の枚数等に従った高さを有している。
【0027】
クリンチャ機構42,42は、各ドライバ機構部21a,21bのドライバによって押し出されたステープルの受けとなるクリンチャ44,44と、クリンチャ44,44上に配設され、走行路43を形成する用紙ガイド部材45とを有している。クリンチャ44,44は、フレーム41に取り付けられており、ドライバ機構部21a,21bとの対向面を、綴り用紙を綴るに際してのクリンチャ基準面C(図4参照)としている。
【0028】
クリンチャ44,44上に配設される用紙ガイド部材45は、走行路43の底面を構成する薄板状の板金であって、中綴じ用ステープラ21a,21bの打出口との対向位置に、クリンチャ44,44を外方に臨ませる開口部46,46が形成されている。この用紙ガイド部材45は、板バネのような特性を有し、高さ方向、すなわちクリンチャ44,44の側へ弾性変位する。用紙ガイド部材45は、コ字状に成形されたステープルを綴り用紙に打ち込むとき、綴り用紙を介してドライバ機構部21a,21bのマガジン47に押され、クリンチャ44,44に近接するように変位する。これにより、ステープルは、脚部が互いに内側に折曲され、綴り用紙を中綴じすることになる。
【0029】
図2に示すように、ドライバ機構部21a,21bは、駆動機構50によって、クリンチャ44,44に近接するように移動される。駆動機構50は、駆動源となる単一のモータ51を有し、モータ51は、ギヤ列52を介して伝達軸53に連結されている。伝達軸53には、各ドライバ機構部21a,21bをクリンチャ機構42に近接離間させる方向に昇降させるための伝達ギヤ58,58が設けられている。一方、各ドライバ機構部21a,21bの取付フレーム48,48の側面には、真直状のステープルをコ字状に成形するフォーミングプレートを昇降する第1の昇降レバー54,54と、ドライバ機構部21a,21bを昇降するカムギヤ55,55と、コ字状に成形されたステープルを打ち出すドライバを昇降する第2の昇降レバー56,56とが設けられている。
【0030】
カムギヤ55,55も、取付フレーム48,48の側面に回転自在に取り付けられ、外周面のギヤ部に、伝達軸53の伝達ギヤ58,58が噛合されている。カムギヤ55,55は、モータ51を駆動源として伝達軸53及び伝達ギヤ58,58を介して回転することで、第1及び第2の昇降レバー54,56の移動を制御し、フォーミングプレートとドライバの昇降を制御する。
【0031】
第1の昇降レバー54,54は、基端部が取付フレーム48,48の側面に回動可能に取り付けられると共に、カムギヤ55,55のカム溝内をカムギヤ55,55の回転に従って移動する回動制御突起が設けられている。第1の昇降レバー54,54は、先端部に、フォーミングプレートが連結された第1の昇降操作シャフト57,57が設けられている。また、第2の昇降レバー56,56は、カムギヤ55,55のカム溝内をカムギヤ55,55の回転に従って移動する回動制御突起が設けられている。第2の昇降レバー56,56は、先端部に、ドライバが連結された第2の昇降操作シャフト59が設けられている。第1及び第2の昇降レバー54,56は、回動制御突起がカムギヤ55,55のカム溝に係合されており、カムギヤ55,55が回転することによって、回動され、フォーミングプレートやドライバの昇降操作を行う。
【0032】
上述のように、各ドライバ機構部21a,21bは、昇降制御突起がカムギヤ55,55のカム溝に係合され、カムギヤ55,55の回転に従って、フレーム41に固定されている取付フレーム48の第1及び第2の昇降操作シャフト57,59が挿通されたガイド孔61等に昇降ガイドされて、取付フレーム48に対して昇降するようになっている。
【0033】
このような駆動機構50では、駆動源を一のモータ51だけとし、伝達軸53を用いることで、各ドライバ機構部21a,21bのカムギヤ55,55を回転するようにして、各ドライバ機構部21a,21bの昇降を制御しながら、これと連動させて、第1及び第2の昇降レバー54,56を介してフォーミングプレートとドライバの昇降を制御する。これにより、駆動機構50は、各ドライバ機構部21a,21bのマガジン47をクリンチャ機構42に近接する方向に降下させて、走行路43にある綴り用紙をクランプする。この後、ドライバは、更に、マガジン47を降下させて、用紙ガイド部材45を押してクリンチャ44の方向に変位させ、綴り用紙を、図4に示す状態において、クリンチャ44のクリンチャ基準面Cに圧接する。これと共に、ドライバは、コ字状に成形されたステープルを綴り用紙に押し出し、コ字状のステープルの脚部を内側に折曲して、綴り用紙を綴じ込む。
【0034】
中綴じ用電動ステープラ40は、ドライバ機構部21a,21bの各動作に、カムギヤ55,55の各カム溝の形状を調整することによって、各ドライバ機構部21a,21bの昇降のタイミングに同じにしたり若しくは位相差を設けたり、また、ドライバの昇降のタイミングに位相差を設けるようにしている。この駆動機構50では、ドライバの昇降のタイミングに位相差を設けることで、ピーク電流が大きくなることを防ぎ、最大消費電力を小さくするようにしている。
【0035】
[3.中綴じ用電動ステープラの動作]
次に、以上のような2つのドライバ機構部21a,21bを備えた中綴じ用電動ステープラ40の動作について図5を参照して説明する。
【0036】
[3−1.クランプを同時に行う例]
図5の例では、ドライバ機構部21aとドライバ機構部21bとが走行路43にある綴り用紙3を同時にクランプし、ドライバ機構部21aとドライバ機構部21bがステープルを打ち込むタイミングをずらすようにしている。具体的に、ドライバ機構部21a,21bが駆動機構50によって駆動され、時間tにおいて綴り用紙3のクランプを開始する。次いで、時間tからtにかけて、ドライバ機構部21aが先に綴り用紙3に対してステープルを打ち込み、この打込終了後、時間tからtにかけてドライバ機構部21bが綴り用紙3に対してステープルを打ち込むようにしている。そして、ドライバ機構部21a,21bは、両方のステープルの打ち込みが終了した後、リターン動作に移り、時間t以降、クリンチャ機構42から離間する方向に上昇する。この後、中綴じされた綴り用紙3は、ドライバ機構部21a,21bとクリンチャ機構部42,42の間を通過して走行路43から排出される。
【0037】
このような図5の例では、ドライバ機構部21a,21bのそれぞれがステープルを打ち込むタイミングを重複しないようにずらしながらも、2つのドライバ機構部21a,21bがステープルを打ち込む間、すなわち時間tからtにおいて、綴り用紙3をクランプし続けている。したがって、綴り用紙3は、ドライバ機構部21a,21bがステープルを打ち込むときに、綴り用紙3の位置がずれてしまったり、綴じる位置、すなわちステープルを打ち込む位置がずれてしまうことを防止することができる。
【0038】
なお、ドライバ機構部21a,21bがリターン動作に移るタイミング、すなわち綴り用紙のクランプ解除のタイミングは、図5に時間tとして示すように同じ場合だけでなくてもよい。例えばドライバ機構部21aのリターン動作に移るタイミングは、時間tに示すドライバ機構部21aのステープルの打込終了以降であれば、何時でもよい。また、ドライバ機構部21a,21bがステープルを打ち込む動作期間は、図5のように、完全に重複していなくてもよいし、一部重複していてもよい。
【0039】
[3−2.クランプに位相差を設ける例]
図6(A)−(C)の例は、ドライバ機構部21aとドライバ機構部21bとが位相差を設けて走行路43にある綴り用紙をクランプするようにしている。
【0040】
図6(A)は、1つ目のドライバ機構部21aがクランプ解除するまでに、2つ目のドライバ機構部21bのステープルの打込を完了する例である。具体的に、1つ目のドライバ機構部21aが時間t10において走行路43にある綴り用紙3をクランプし、このクランプした綴り用紙3に対して時間t11からt12にかけてステープルを打ち込む。ドライバ機構部21aがステープルの打ち込みを終えた後クランプ解除前、時間t13において2つ目のドライバ機構部21bが綴り用紙3をクランプし、このクランプした綴り用紙3に対して時間t14から時間t15にかけてステープルを打ち込む。ドライバ機構部21bがステープルの打ち込みを終えた後、1つ目のドライバ機構部21aが時間t16においてリターン動作に移り、クリンチャ機構42から離間する方向に上昇し、次いで、2つ目のドライバ機構部21bが時間t17においてリターン動作に移り、クリンチャ機構42から離間する方向に上昇し、クランプを解除する。この後、中綴じされた綴り用紙3は、ドライバ機構部21a,21bとクリンチャ機構部42,42の間を通過して走行路43から排出される。
【0041】
図6(A)では、ドライバ機構部21a,21bがステープルを打ち込むとき、必ず何れかのドライバ機構部21a,21bが綴り用紙3をクランプしているので、綴り用紙3の位置がずれてしまったり、綴じる位置がずれてしまうことを防止することができる。特に、時間t14からt15にかけて2つ目のステープルの打込をドライバ機構部21bで行うときには、ドライバ機構部21a,21bの両方でクランプしている。したがって、1つ目のドライバ機構部21aによるステープルの打ち込みによって、綴り用紙3が撓んだとしても、次のドライバ機構部21bによるステープルの打込までに綴り用紙3がドライバ機構部21a,21bの両方でクランプされることになり、確実に、綴り用紙3の位置がずれてしまったり、綴じる位置がずれてしまうことを防止することができる。
【0042】
なお、図6(A)において、ドライバ機構部21a,21bがリターン動作に移るタイミング、すなわち綴り用紙3のクランプ解除のタイミングは、2つ目のドライバ機構部21bによるステープルの打込終了後(時間t15以降)であれば、同じであっても良く、また、ドライバ機構部21bがドライバ機構部21aより先であってもよい。
【0043】
また、図6(B)は、1つ目のドライバ機構部21aが綴り用紙3のクランプ解除するまでに、2つ目のドライバ機構部21bが綴り用紙3をクランプし、1つ目のドライバ機構部21aのクランプ解除の後、ドライバ機構部21bがステープルの打込を完了する例である。具体的に、1つ目のドライバ機構部21aが時間t20において走行路43にある綴り用紙をクランプし、時間t21からt22にかけてこのクランプした綴り用紙3に対してステープルを打ち込む。ドライバ機構部21aがステープルの打ち込みを終えた後、2つ目のドライバ機構部21bが時間t23において綴り用紙をクランプし、次いで、1つ目のドライバ機構部21aが時間t24においてリターン動作に移ってクリンチャ機構42から離間する方向に上昇し、ドライバ機構部21aがクランプを解除する。この後、2つ目のドライバ機構部21bが時間t25から時間t26にかけてクランプした綴り用紙に対してステープルを打ち込み、次いで、ドライバ機構部21bが時間t27においてリターン動作に移り、クリンチャ機構42から離間する方向に上昇し、クランプを解除する。この後、中綴じされた綴り用紙3は、ドライバ機構部21a,21bとクリンチャ機構部42,42の間を通過して走行路43から排出される。
【0044】
図6(B)では、ドライバ機構部21a,21bかステープルを打ち込むとき、必ず何れかのドライバ機構部21a,21bが綴り用紙をクランプしているので、綴り用紙の位置がずれてしまったり、綴じる位置がずれてしまうことを防止することができる。
【0045】
また、図6(C)は、1つ目のドライバ機構部21aのステープルの打込前に、2つ目のドライバ機構部21bが綴り用紙3をクランプする例である。具体的に、1つ目のドライバ機構部21aが時間t30において走行路43にある綴り用紙をクランプし、次いで、2つ目のドライバ機構部21bが時間t31において綴り用紙をクランプし、次いで、1つ目のドライバ機構部21aが時間t32から時間t33にかけてクランプした綴り用紙に対してステープルを打ち込む。1つ目のドライバ機構部21aが時間t34においてリターン動作に移ってクリンチャ機構42から離間する方向に上昇し、ドライバ機構部21aがクランプを解除した後、2つ目のドライバ機構部21bが時間t35から時間t36にかけてクランプした綴り用紙に対してステープルを打ち込み、次いで、2つ目のドライバ機構部21bが時間t37においてリターン動作に移り、クリンチャ機構42から離間する方向に上昇し、クランプを解除する。この後、中綴じされた綴り用紙3は、ドライバ機構部21a,21bとクリンチャ機構部42,42の間を通過して走行路43から排出される。
【0046】
図6(C)では、ドライバ機構部21a,21bかステープルを打ち込むとき、必ず何れかのドライバ機構部21a,21bが綴り用紙をクランプしているので、綴り用紙の位置がずれてしまったり、綴じる位置がずれてしまうことを防止することができる。特に、1つ目のステープルの打込を時間t32からt33にかけてドライバ機構部21aで行うときには、ドライバ機構部21a,21bの両方でクランプしている。したがって、一つ目のドライバ機構部21aによるステープルの打込は、より正確な位置に、ステープルを打ち込むことができる。
【0047】
なお、図6(C)において、ドライバ機構部21a,21bが綴り用紙をクランプするタイミングは、同じであってもよく、また、ドライバ機構部21bがドライバ機構部21aより先であってもよい。
【0048】
[4.中綴じ用ステープラのドライバ機構部が3つの例]
以上の例では、中綴じ用電動ステープラ40にドライバ機構部21a,21bが2つ設けられた場合を説明したが、本発明は、3つのドライバ機構部21a,21b,21cを備えるようにしてもよい。ドライバ機構部が3つの場合であっても、ドライバ機構部が2つの場合と同様、各ドライバ機構部21a,21b,21cに対応したカムギヤ55の各カム溝の形状を調整することによって、各ドライバ機構部21a,21b,21cの昇降のタイミングを同じにしたり若しくは位相差を設けたり、また、ドライバの昇降のタイミングに位相差を設けることができる。そこで、次に、3つのドライバ機構部21a,21b,21cを備えた中綴じ用電動ステープラ40の動作について図7を参照して説明する。
【0049】
[4−1.クランプを同時に行う例]
図7の例では、ドライバ機構部21aとドライバ機構部21bとドライバ機構部21cとが走行路43にある綴り用紙3を同時にクランプし、ドライバ機構部21aとドライバ機構部21bとドライバ機構部21cとがステープルを打ち込むタイミングをずらすようにしている。具体的に、ドライバ機構部21a,21b,21cが駆動機構50によって駆動され、時間t40において綴り用紙3のクランプを開始する。次いで、時間t41からt42にかけてドライバ機構部21aが先に綴り用紙3に対してステープルを打ち込み、この打込終了後、時間t43からt44にかけてドライバ機構部21bが綴り用紙に対してステープルを打ち込み、この打込終了後、時間t45からt46にかけてドライバ機構部21cが綴り用紙に対してステープルを打ち込むようにしている。そして、ドライバ機構部21a,21b,21cは、全てのステープルの打ち込みが終了した後、リターン動作に移り、時間t47以降、クリンチャ機構42から離間する方向に上昇する。この後、中綴じされた綴り用紙3は、ドライバ機構部21a,21b,21cとクリンチャ機構部42,42の間を通過して走行路43から排出される。
【0050】
このような図7の例では、ドライバ機構部21a,21b,21cのそれぞれがステープルを打ち込むタイミングを重複しないようにずらしながらも、3つのドライバ機構部21a,21b,21cがステープルを打ち込む間、すなわち時間t41からt46において、綴り用紙3をクランプし続けている。したがって、綴り用紙3は、ドライバ機構部21a,21b,21cがステープルを打ち込むときに、綴り用紙3の位置がずれてしまったり、綴じる位置、すなわちステープルを打ち込む位置がずれてしまうことを防止することができる。
【0051】
なお、ドライバ機構部21a,21b,21cがリターン動作に移るタイミング、すなわち綴り用紙3のクランプ解除のタイミングは、図7に時間t47として示すように同じ場合だけでなくてもよい。例えばドライバ機構部21a,21bのリターン動作に移るタイミングは、ドライバ機構部21cがステープルの打込終了以降であれば、何時でもよい。また、ドライバ機構部21a,21b,21cがステープルを打ち込む動作期間は、図7のように完全に重複していなくてもよいし、一部重複していてもよい。
【0052】
[4−2.クランプに位相差を設ける例]
図8(A)−(C)の例は、ドライバ機構部21aとドライバ機構部21bとドライバ機構部21cとが位相差を設けて走行路43にある綴り用紙をクランプするようにしている。
【0053】
図8(A)では、1つ目のドライバ機構部21aがクランプ解除するまでに、2つ目と3つ目のドライバ機構部21b,21cのステープルの打込を完了する例である。具体的に、1つ目のドライバ機構部21aが時間t50において走行路43にある綴り用紙3をクランプし、時間t51から時間t52にかけてクランプした綴り用紙3に対してステープルを打ち込む。ドライバ機構部21aがステープルの打ち込みを終えた後、2つ目のドライバ機構部21bが時間t53において綴り用紙3をクランプし、時間t54から時間t55にかけてクランプした綴り用紙3に対してステープルを打ち込む。ドライバ機構部21bがステープルの打ち込みを終えた後、3つ目のドライバ機構部21cが時間t56において綴り用紙3をクランプし、時間t57から時間t58にかけてクランプした綴り用紙3に対してステープルを打ち込む。ドライバ機構部21a,21b,21cによるステープルの打込が全て完了すると、時間t59から時間t61にかけてドライバ機構部21a,ドライバ機構部21b,ドライバ機構部21cが、順に、リターン動作に移り、クリンチャ機構42から離間する方向に上昇し、綴り用紙3のクランプを解除する。この後、中綴じされた綴り用紙3は、ドライバ機構部21a,21b,21cとクリンチャ機構部42,42の間を通過して走行路43から排出される。
【0054】
図8(A)では、ドライバ機構部21a,21b,21cがステープルを打ち込むとき、必ず何れかのドライバ機構部21a,21b,21cが綴り用紙3をクランプしているので、綴り用紙3の位置がずれてしまったり、綴じる位置がずれてしまうことを防止することができる。特に、2つ目のステープルの打込を時間t54から時間t55にかけてドライバ機構部21bで行うときには、ドライバ機構部21a,21bの両方でクランプし、3つ目のステープルの打込を時間t57から時間t58にかけてドライバ機構部21cで行うときには、ドライバ機構部21a,21b,21cの全てでクランプしている。したがって、一つ目のドライバ機構部21aによるステープルの打ち込みによって、綴り用紙3が撓んだとしても、次やその次のドライバ機構部21b,21cによるステープルの打込までに綴り用紙3がドライバ機構部21a,21bやドライバ機構部21a,21b,21cでクランプされることになり、確実に、綴り用紙3の位置がずれてしまったり、綴じる位置がずれてしまうことを防止することができる。
【0055】
なお、図8(A)において、ドライバ機構部21a,21b,21cがリターン動作に移るタイミング、すなわち綴り用紙3のクランプ解除のタイミングは、3つ目のドライバ機構部21cによるステープルの打込終了後(時間t58以降)であれば、全てが同じであっても良く、また、何れか2つが同じであってもよい。また、綴り用紙3のクランプ解除のタイミングがずれる場合、ドライバ機構部21a,21b,21cの順に限定されるものではない。
【0056】
また、図8(B)は、3つ目のドライバ機構部21cが1つ目のドライバ機構部21aのクランプ解除の後に綴り用紙3をクランプし、ステープルを打ち込む例である。具体的に、1つ目のドライバ機構部21aが時間t70において走行路43にある綴り用紙3をクランプし、時間t71からt72にかけてクランプした綴り用紙3に対してステープルを打ち込む。ドライバ機構部21aがステープルの打ち込みを終えた後、2つ目のドライバ機構部21bが時間t73において綴り用紙3をクランプし、時間t74からt75にかけてクランプした綴り用紙3に対してステープルを打ち込む。ドライバ機構部21bがステープルの打ち込みを終えた後、1つ目のドライバ機構部21aは、時間t76においてリターン動作に移り、クリンチャ機構42から離間する方向に上昇し、綴り用紙3のクランプを解除する。次いで、2つ目のドライバ機構部21bが綴り用紙3をクランプしている間において、3つ目のドライバ機構部21cが時間t77において綴り用紙3をクランプし、時間t78からt79にかけてクランプした綴り用紙3に対してステープルを打ち込む。ドライバ機構部21cがステープルの打ち込みを終えた後、時間t80からt81にかけてドライバ機構部21b,ドライバ機構部21cの順に、リターン動作に移り、クリンチャ機構42から離間する方向に上昇し、綴り用紙3のクランプを解除する。この後、中綴じされた綴り用紙3は、ドライバ機構部21a,21b,21cとクリンチャ機構部42,42の間を通過して走行路43から排出される。
【0057】
図8(B)では、ドライバ機構部21a,21b,21cがステープルを打ち込むとき、必ず何れかのドライバ機構部21a,21b,21cが綴り用紙3をクランプしているので、綴り用紙3の位置がずれてしまったり、綴じる位置がずれてしまうことを防止することができる。特に、2つ目のステープルの打込を時間t74からt75にかけてドライバ機構部21bで行うときには、ドライバ機構部21a,21bの両方でクランプし、3つ目のステープルの打込を時間t78からt79にかけてドライバ機構部21cで行うときには、ドライバ機構部21b,21cでクランプしている。したがって、2つ目と3つ目のステープルの打ち込みは、2カ所でクランプされた状態で行われることになり、確実に、綴り用紙3の位置がずれてしまったり、綴じる位置がずれてしまうことを防止することができる。
【0058】
なお、図8(B)において、ドライバ機構部21b,21cがリターン動作に移るタイミング、すなわち綴り用紙3のクランプ解除のタイミングは、3つ目のドライバ機構部21cによるステープルの打込終了後であれば、同じであっても良く、また、ドライバ機構部21cがドライバ機構部21bより先であってもよい。
【0059】
更に、図8(C)は、先の中綴じ用ステープラの打込完了後クランプ解除前にクランプを開始する例である。具体的に、1つ目のドライバ機構部21aが時間t90において走行路43にある綴り用紙3をクランプし、時間t91からt92にかけてクランプした綴り用紙3に対してステープルを打ち込む。1つ目のドライバ機構部21aがステープルの打ち込みを終えた後クランプ解除前、時間t93において2つ目のドライバ機構部21bが綴り用紙3をクランプし、次いで、時間t94において1つ目のドライバ機構部21aがクランプを解除する。この後、2つ目のドライバ機構部21bは、時間t95からt96にかけてクランプした綴り用紙3に対してステープルを打ち込む。2つ目のドライバ機構部21bがステープルの打ち込みを終えた後クランプ解除前、3つ目のドライバ機構部21cが時間t97において綴り用紙3をクランプし、次いで、2つ目のドライバ機構部21bが時間t98においてクランプを解除する。この後、3つ目のドライバ機構部21cは、時間t99からt100にかけてクランプした綴り用紙3に対してステープルを打ち込み、時間t101においてクランプを解除する。この後、中綴じされた綴り用紙3は、ドライバ機構部21a,21b,21cとクリンチャ機構部42,42の間を通過して走行路43から排出される。
【0060】
図8(C)では、ドライバ機構部21a,21b,21cがステープルを打ち込むとき、必ず何れかのドライバ機構部21a,21b,21cが綴り用紙3をクランプしているので、綴り用紙3の位置がずれてしまったり、綴じる位置がずれてしまうことを防止することができる。
【0061】
[5.その他の変形例]
ドライバ機構部21a,21bの駆動機構について、一つのモータ51を駆動源にして、伝達軸53を介して各ドライバ機構部21a,21b又はドライバ機構部21a,21b,21cを動作させる例を説明したが、本発明の駆動機構はこれに限定されるものではない。例えば、各中綴じ用ステープラにモータを設けるようにし、各モータの駆動タイミングに位相差を設けて、上記図5−図8のような動作を実現してもよい。
【0062】
更に、クリンチャ機構42の構成としては、用紙ガイド部材45にクリンチャ44が一体的に設けられていてもよい。また、クリンチャ機構42は、綴じ裏がフラットに仕上がるフラットクリンチャ機構であってもよい。
【0063】
また、中綴じ用ステープラの数は、2つや3つに限定されるものではなく、4つ以上であってもよい。また、駆動機構としては、モータを用いた電動式だけでなく、手動式であってもよい。
【0064】
更に、以上の例では、ドライバ機構部21側をクリンチャ機構42に対して近接離間する方向に移動させる場合を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、クリンチャ機構42側をドライバ機構部21に対して近接離間する方向に移動させるようにしてもよい。すなわち、本発明は、ドライバ機構部21とクリンチャ機構部42とで綴り用紙をクランプしている時間が重なり、かつ、位相差を設けてステープルを綴り用紙に打ち込むように動作する構成であればよい。
【符号の説明】
【0065】
1 用紙処理装置、2 複写機、3 用紙、4 用紙搬入口、5 切換機構、6 第1の搬送路、7 第2の搬送路、8 搬送ローラ、9 端綴じ用コンパイルトレイ、10 用紙左端位置決め部、11 ドライバ機構部、12 カム、13 クリンチャ、14 排出機構、14a 排出ローラ、14b 遊動ローラ、15 揺動アーム、16 用紙搬出口、17 用紙側縁揃え機構、18 端綴じ用紙排出トレイ、19 中綴じ用コンパイルトレイ、20 右側板、21a,21b,21c ドライバ機構部、22 カム、23 クリンチャ、24 折りローラ、25 ナイフエッジ、26 用紙上下位置調節部材、27 用紙下端支持部、28 無端ベルト、29 排出ローラ、30 中綴じ用紙排出口、31 中綴じ用紙排出トレイ、40 中綴じ用電動ステープラ、41 フレーム、42 クリンチャ機構、43 走行路、44 クリンチャ、45 用紙ガイド部材、46 開口部、47 マガジン、48 取付フレーム、50 駆動機構、51 モータ、52 ギヤ列、53 伝達軸、54 第1の昇降レバー、55 カムギヤ、56 第2の昇降レバー、57 第1の昇降操作シャフト、58 伝達ギヤ、59 第2の昇降操作シャフト、61 ガイド孔、100 綴り用紙、101a,101b ドライバ機構部、102 用紙ガイド、C クリンチャ基準面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
綴り用紙に対してステープルを打ち込む少なくとも2以上のドライバ機構部と、
上記各ドライバ機構部と対向する位置に、それぞれ綴り用紙が通過する通路を介して設けられるクリンチャと、
上記ドライバ機構部又は上記クリンチャの一方を、対向する位置に設けられた他方に対して近接離間する方向に移動する駆動機構とを備え、
上記各ドライバ機構部又は上記クリンチャの一方を、対向する位置に設けられた他方に対して近接する方向に移動して、上記ドライバ機構部と上記クリンチャとの間に配された上記綴り用紙をクランプし、次いで、クランプした上記綴り用紙にステープルを打ち込む動作において、
上記駆動機構は、上記少なくとも2以上のドライバ機構部又は上記クリンチャを、上記綴り用紙をクランプしている時間が重なり、かつ、位相差を設けて上記ステープルを上記綴り用紙に打ち込むように動作させることを特徴とする中綴じ用ステープラ。
【請求項2】
上記駆動機構は、上記少なくとも2以上のドライバ機構部又は上記クリンチャに、上記綴り用紙を同時にクランプさせることを特徴とする請求項1記載の中綴じ用ステープラ。
【請求項3】
上記駆動機構は、上記少なくとも2以上のドライバ機構部又は上記クリンチャに、位相差を設けて上記綴り用紙をクランプさせることを特徴とする請求項1記載の中綴じ用ステープラ。
【請求項4】
上記クリンチャは、上記綴り用紙をガイドする用紙ガイド部材より下側に配設されていることを特徴とする請求項1−3のうちいずれか1項記載の中綴じ用ステープラ。
【請求項5】
上記綴り用紙にステープルを打ち込むとき、上記綴り用紙は、上記ドライバ機構部のマガジンによって上記用紙ガイド部材が変位して上記クリンチャの基準面に押さえ付けられることを特徴とする請求項4記載の中綴じ用ステープラ。
【請求項6】
上記ドライバ機構部は、3つであることを特徴とする請求項1−5のうちいずれか1項記載の中綴じ用ステープラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−35185(P2013−35185A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172074(P2011−172074)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】