説明

乳酸菌及び乳酸菌由来物の癌細胞増殖抑制作用および炎症性サイトカイン抑制作用を測定する方法

【課題】乳酸菌の抗腫瘍効果を容易に測定できる方法、この方法を利用した抗腫瘍効果を有する乳酸菌のスクリーニング方法、乳酸菌の抗炎症性サイトカイン効果を容易に測定できる方法、この方法を利用した炎症性サイトカイン抑制効果を有する乳酸菌のスクリーニング方法を提供する。
【解決手段】乳酸菌の癌細胞増殖抑制作用を測定する方法。上記乳酸菌の存在下でU937細胞(組織球性リンパ腫患者由来単球芽球様細胞)を培養し、前記U937細胞の増殖の有無及び/又は増殖の程度を測定することを含む。この方法を利用して、癌細胞増殖抑制作用を有する乳酸菌をスクリーニングする方法。乳酸菌の炎症性サイトカイン抑制作用を測定する方法。上記乳酸菌および炎症性サイトカインの存在下でU937細胞を培養し、前記U937細胞の増殖の有無及び/又は増殖の程度を測定することを含む。この方法を利用して炎症性サイトカイン抑制作用を有する乳酸菌をスクリーニングする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳酸菌及び乳酸菌由来物の癌細胞増殖抑制作用および炎症性サイトカイン抑制作用を測定する方法、並びにこの測定方法を利用した癌細胞増殖抑制作用を有する乳酸菌をスクリーニングする方法および炎症性サイトカイン抑制作用を有する乳酸菌をスクリーニングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[乳酸菌の腫瘍細胞抑制効果]
発酵乳や乳酸菌の腫瘍細胞抑制効果については、多くの報告がある。例えば、ブルガリアのBogdanovによりラクトバチルス・ブルガリクス(L.bulgaricus)細胞壁のグリコペプチドが作用物質として単離された。その後、米国のShahaniらによって、スイスマウスにヨーグルトを経口投与して腹水腫瘍細胞増殖への影響が検討された。
【0003】
また、荒井らにより、ラクトバチルス・ヘルベチカス・サプスピーシー・ユーグルティを含むスターターで造った殺菌酸乳をICRマウスに経口投与して、腹水ガン細胞の増殖への検討が試みられ、42%の増殖抑制効果が認められた(荒井幸一郎ら、腸内フローラと発癌:学会出版センター、P105−123(1981)(非特許文献1))。
【0004】
腸内乳酸菌であるビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)でも抗腫瘍効果が認められている。KoHwiらは、Meth−A細胞を皮下や腹腔内に移植したマウスにバチルス・インフェテンス(B.infantis)の菌体を腫瘍移植部位に投与して、腫瘍の退縮や抑制を認めた(Kohwi Y.et al. Bifidobacteria Microflora 1,(1).61-68(1982)(非特許文献2))。
【0005】
乳酸菌の生菌体を用いず、乳酸菌培養液の抽出物を含む溶液を経口投与することによって、腫瘍組織の増殖を抑制する技術も知られている(特開2003−146896号公報(特許文献1))。
【0006】
さらに、アポトーシスを誘発しおよび/または炎症反応を低下するために、アルギニン・デイミナーゼに富む細菌を使用すること、および該細菌を含有する医薬組成物または健康食組成物、アルギニン・デイミナーゼに高度に富むラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis) 株も知られている。(特表2002−504324号公報(特許文献2))いくつかの細菌、特にいくつかのグラム陽性菌、また乳酸菌のいくつかの株、特にラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)やラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)がアルギニン・デイミナーゼに富み、アポトーシスを誘発し得るので、アポトーシスの不十分や欠落または炎症を特徴とする臨床症状の予防または治療に使用できる。
【0007】
[炎症性サトカイン]
近年、食生活や生活習慣などの変化により、リュウマチ、炎症性腸炎、食物アレルギー等の自己免疫疾患の患者が増大している。アレルギー疾患は、その作用機序によりI型からIV型まで分類されており、この内、I型アレルギーには、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー等が含まれ、子供から成人まで幅広い年代の人々がアレルギー症状に苦しんでいる。これまで、食物アレルギーの予防や治療には、食物から原因となる物質を除去する方法が主として行われてきた。しかし、原因物質の除去には、本人の負担だけでなく、調理をする側の負担も伴い、問題点も多い。
【0008】
I型アレルギー反応では、免疫グロブリン(Ig)E抗体産生が重要な役割を果たすとされている。従って、I型アレルギー反応を抑制するには、IgE抗体産生の抑制が重要であり、これまで、ラクトバチルス属、エンテロコッカス属などの各種の乳酸菌IgE抗体産生抑制効果の様な免疫系の調節作用が報告されている(例えば特開平9−2959号公報(特許文献3))。また、ビフィズス菌についても同様の報告がある。
【0009】
上記の様な免疫系調節作用は、上記の乳酸菌が生体のTh1型免疫反応を増強することによって成り立っていると報告されている。炎症性サトカイン、インターロイキン(IL)−1β、IL−6、IL−12及び腫瘍壊死因子(TNF)−αは、感染性病原体および異物の侵入に対して、貪食細胞が最初に出すサイトカインである。その内、マクロファージIL−12は、ナイーブT細胞に作用してTh1細胞への分化を誘導し、Th1細胞の増殖を促進する。また、IL−12はTh1細胞からのインターフェロン(IFN)−γの産生を促す。そして、IL−12はTh1型免疫反応を促進するには最も重要な因子である。
【0010】
一方、IFN−γは、IL−12産生を誘導し、IL−12産生量の増加によって炎症反応を更に強化する。この様なIFN−γを介するIL−12の増加は生体にとって不利益な面を持っている。すなわち、過度なIL−12発現は自己免疫バランスを崩す恐れがある。
【0011】
抗炎症性サイトカインのIL−10は、抗原提示細胞であるマクロファージ細胞および貪食細胞からのIL−12産生を抑制する。そして、炎症性サイトカインIL−12と抗炎症性サイトカインIL−10のバランスは生体にとって大変重要なことと考えられる。しかしながら、IL−10やIL−12によるTh1細胞とTh2細胞のバランス及びそれによる生体の調節作用については、多くの研究があるにもかかわらずまだ仮説の域である。
【0012】
[Toll-like Receptor の利用]
乳酸菌を含むグラム陽性細菌はIL−12産生を誘導するのに対し、グラム陰性細菌はIL−10を誘導する。アレルギー抑制剤に推奨されている乳酸菌の多くはIL−12に対する強い誘導性を持っているが、抗炎症性サイトカインIL−10を誘導する菌株は殆どない。最近、乳酸菌を含むグラム陽性菌の哺乳動物への情報伝達は動物細胞の Toll-like Receptor を介して導入されることが明らかになりつつある。Toll-like Receptor を介したシグナルには、細胞のアポトーシス抑制や細胞増殖促進作用等の抗炎症作用となる効果の発現が示されている。従って乳酸菌の持つ性質を調べる上で、Toll-like Receptor を介した情報発現の分析が重要となる。
【0013】
最近、毒性にしろ非毒性にしろ、細菌が生体に与える作用は、細菌が与える信号を生体細胞の Toll-like Receptor (TLR) が受け止め細胞内・生体内に伝達していることが明らかになりつつある。乳酸菌もその代表例の一つである。例えば、上記の、アレルギー改善作用、免疫活性化作用(腫瘍細胞増殖抑制作用)、抗炎症作用等も Toll-like Receptor の作用で説明され始めている(Fundamental Immunology, ed. W.E. Pail, Lippincott Williams & Wilkins (Publisher) (2003)(非特許文献3))。このことは、TLR を持ち乳酸菌に対して感受性の高い動物細胞をターゲットとして利用すれば、シグナル伝達に基づく新規の分別技術が確立する可能性を示唆している。事実最近、乳酸菌の分別とスクリーニングを目的として、TLR 遺伝子を導入し TLR を発現している細胞株が作成された(特開2005-027665号公報(特許文献4))。しかし、ここで導入された TLR 遺伝子はブタ由来であり、乳酸菌に対する認識はヒト細胞とは異なる可能性がある。
【0014】
乳酸菌の性質は、腸内生残性を含め、殆どが菌株特異的であり、同じ種に属する乳酸菌であっても、腸内生残性が異なることが知られている。そのため、乳製品製造において重要な役割を果たしているラクトバチルス属乳酸菌に属し、腸内生残性に優れ、かつ抗アレルギー作用、特にIgE抗体産生抑制効果が生体レベルで見出されるような乳酸菌株が求められている。
【0015】
特開2004−277381号公報(特許文献5)には、ラクトバチルス アシドフィルスTMC0356菌株(FERM P−19232)の生菌、死菌または菌体処理物の何れかを有効成分とする免疫調節剤が開示されている。この免疫機能調節剤は、乳製品製造に適した乳酸菌である、ラクトバチルス属菌の中から、腸内生残性に優れ、腸管上皮に炎症反応を起こすことなく、マクロファージ細胞から炎症性および抗炎症性サイトカインをバランスよく誘導し、生体でのIgE抗体産生を抑制する抗アレルギー作用を有する免疫機能調節剤であると記載されている。
【非特許文献1】荒井幸一郎ら、腸内フローラと発癌:学会出版センター、P105−123(1981)
【非特許文献2】Kohwi Y.et al. Bifidobacteria Microflora 1,(1).61-68(1982)
【非特許文献3】Fundamental Immunology, ed. W.E. Pail, Lippincott Williams & Wilkins (Publisher) (2003)
【特許文献1】特開2003−146896号公報
【特許文献2】特表2002−504324号公報
【特許文献3】特開平9−2959号公報
【特許文献4】特開2005-027665号公報
【特許文献5】特開2004−277381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述のように、乳酸菌や乳酸菌培養液の抽出物には、抗腫瘍効果を有するものが知られているが、どの乳酸菌がそのような効果を有するかは知られていない。乳酸菌が有する抗腫瘍効果(癌細胞増殖抑制効果)を簡便に測定できる方法があれば、多種類あることが知られている乳酸菌の中から、抗腫瘍効果を有する乳酸菌をスクリーニングすることができ、種々の医薬品や健康食品の製造、機能を開発に有用である。
【0017】
そこで本発明の第1の目的は、乳酸菌の抗腫瘍効果(癌細胞増殖抑制効果)を容易に測定できる方法を提供すること、さらには、この方法を利用した抗腫瘍効果を有する乳酸菌のスクリーニング方法を提供することにある。
【0018】
また、乳酸菌や乳酸菌培養液の抽出物には、抗炎症性サイトカイン効果を有するものが知られているが、どの乳酸菌がそのような効果を有するかは知られていない。乳酸菌が有する抗腫瘍効果を簡便に測定できる方法があれば、多種類あることが知られている乳酸菌の中から、抗炎症性サイトカイン効果を有する乳酸菌をスクリーニングすることができ、種々の医薬品や健康食品の製造、機能開発に有用である。
【0019】
そこで本発明の第2の目的は、乳酸菌の抗炎症性サイトカイン効果を容易に測定できる方法を提供すること、さらには、この方法を利用した炎症性サイトカイン抑制効果を有する乳酸菌のスクリーニング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明者らは、U937細胞(組織球性リンパ腫患者由来単球芽球様細胞)が、(1)乳酸菌に対して感受性が高く、乳酸菌に対する反応の強さが容易に定量できること、(2)乳酸菌を認識するTLR 、とりわけ TLR2 と TLR4の発現がある、(3)炎症性サイトカインに感受性が高く、炎症性サイトカインの抑制作用を容易に測定できる方法の開発ができること、(4)乳酸菌との接触でサイトカインの産生誘導が見られず、誘導サイトカインによる二次反応が惹起されないことを見いだし、これに基づいて、本発明を完成させた。
【0021】
本発明は以下のとおりである。
[1]乳酸菌の癌細胞増殖抑制作用を測定する方法であって、
上記乳酸菌の存在下でU937細胞(組織球性リンパ腫患者由来単球芽球様細胞)を培養し、前記U937細胞の増殖の有無及び/又は増殖の程度を測定することを含む方法。
[2]乳酸菌が生菌体または死菌体である[1]に記載の方法。
[3]乳酸菌が乳酸菌由来物である[1]に記載の方法。
[4]乳酸菌由来物が、膜断片、ペプチドグリカン、及び/又は多糖である[3]に記載の方法。
[5]増殖の有無及び/又は増殖の程度の測定を細胞増殖アッセイ法であるMTT法又はXTT法で行う[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の方法で、乳酸菌の癌細胞増殖抑制作用を測定し、測定結果に基づいて、癌細胞増殖抑制作用を有する乳酸菌をスクリーニングする方法。
[7]乳酸菌の炎症性サイトカイン抑制作用を測定する方法であって、
上記乳酸菌および炎症性サイトカインの存在下でU937細胞(組織球性リンパ腫患者由来単球芽球様細胞)を培養し、前記U937細胞の増殖の有無及び/又は増殖の程度を測定することを含む方法。
[8]乳酸菌が生菌体また死菌体である[7]に記載の方法。
[9]乳酸菌が乳酸菌由来物である[7]に記載の方法。
[10]乳酸菌由来物が、膜断片、ペプチドグリカン、及び/又は多糖である[9]に記載の方法。
[11]炎症性サイトカインが、TNF−α、IL−6、及び/又はIL−1である[7]〜[10]のいずれかに記載の方法。
[12]増殖の有無及び/又は増殖の程度の測定を細胞増殖アッセイ法であるMTT法又はXTT法で行う[7]〜[11]のいずれかに記載の方法。
[13][7]〜[12]のいずれか1項に記載の方法で、乳酸菌の炎症性サイトカイン抑制作用を測定し、測定結果に基づいて、炎症性サイトカイン抑制作用を有する乳酸菌をスクリーニングする方法。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、乳酸菌に感受性の高いヒト由来細胞を用いることで、その細胞を利用して動物への乳酸菌の投与試験の前に癌細胞に細胞毒性を示す乳酸菌の選抜が可能になる。
【0023】
本発明によれば、以下の作用を持つ乳酸菌およびその膜成分の選別が可能になる。
(1)ヒト癌細胞に毒性を示す乳酸菌株あるいは膜成分の選別、
(2)炎症性サイトカインの作用を抑制する乳酸菌株あるいは膜成分の分別、
(3)乳酸菌あるいは膜成分の TLR を介したシグナルによる分別。
それにより乳酸菌の作用による分別を可能にし、発酵食品の機能性を持たせることができる。また個々の膜成分を利用した、医薬品、健康食品の製造が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
[癌細胞増殖抑制作用測定方法]
本発明の乳酸菌の癌細胞増殖抑制作用を測定する方法は、乳酸菌の存在下でU937細胞(組織球性リンパ腫患者由来単球芽球様細胞)を培養し、前記U937細胞の増殖の有無及び/又は増殖の程度を測定することを含む。
【0025】
乳酸菌は、生菌体であっても乳酸菌の死菌体であっても良い。測定対象となり得る乳酸菌は、特に制限はなく、日本の国内あるいは国外を問わず、例えば、すでに工業的に発酵食品製造に使われている乳酸菌株、伝統的発酵乳製造に使われている乳酸菌株であることができる。
【0026】
乳酸菌には、乳酸菌由来物も含まれ、乳酸菌由来物は、例えば、膜断片、ペプチドグリカン、及び/又は多糖であることができる。これらの乳酸菌由来物は、主に、乳酸菌膜由来のペプチドグリカン、糖脂質、テイコ酸であり、 TLR のリガンドとなりうる。またある種の乳酸菌は多糖を産生しており、癌細胞増殖抑制や癌原物質の無毒化に働くことか期待されている。しかし、個々の膜成分は乳酸菌株によって化学構造、生物活性は異なる。
【0027】
U937細胞は、組織球性リンパ腫患者由来単球芽球様細胞株であって、ATCC(American Type Culture Collection)より入手できる。本細胞株は少なくとも TLR2 と TLR4 の発現が確認されている(Infect. Immun. 76 3684-3687 (2004))。また、U937細胞は、炎症性サイトカイン、とりわけTNF-α や IL-6 に感受性が高く、これらのサイトカイン存在下で容易に細胞死が誘導されることが知られている(Dokkyo J. Med. Sci., 28 603-616 (2001)) 。本発明では、このようなU937細胞の性質を利用して、乳酸菌あるいは膜成分等の由来物による細胞死抑制作用を調べることにより、炎症性サイトカイン抑制性乳酸菌あるいはその由来物質のスクリーニングができる。
【0028】
U937細胞を、測定対象である乳酸菌の存在下で培養する。培養は、例えば、RPMI1640 - 10% Fetal Bovine Serum (FBS)培地中(抗生物質を含む)CO2インキュベーター(37℃, 5 % CO2 - 95 % humidity)で行うことができる。乳酸菌のアッセイは、例えば、96-well plate を用い、同一のサンプルを6-wellずつ測定し、平均値と実験誤差を計算する。1 well の培地容量は例えば、150μl とすることができる。U937 細胞は 1X104 cells/well で播種し、乳酸菌の死菌体(例えば、0-100μg/wellの範囲) と適宜濃度の炎症性サイトカインを添加し、3日間炭酸ガスインキュベーターで培養後生細胞を測定する。
【0029】
培養終了後、培養液中のU937細胞の増殖の有無及び/又は増殖の程度を測定する。この測定は、例えば、MTTアッセイ法で行うことができる。MTTアッセイ法による測定は、CHENIKON Int. Inc. あるいはナカライテスクの MTT 細胞数測定キットを製造元の使用方法に従い実施することができる。測定はマイクロプレートリーダーによって行うことができる。
【0030】
培養液中のU937細胞の増殖の有無及び/又は増殖の程度の測定は、MTTアッセイ法以外に、例えば、XTTアッセイ法を用いて行うこともできる。XTTアッセイ法は Roche Diagonistc 社の Cell Proliferention Kit II(XTT) を用いて行うことができる。方法は、製造元の使用方法に従って実施できる。測定はマイクロプレートリーダーによって行うことができる。得られる結果はMTTアッセイ法でもXTTアッセイ法でも本質的には差異はない。
【0031】
[癌細胞増殖抑制作用を有する乳酸菌のスクリーニングする方法]
本発明の癌細胞増殖抑制作用を有する乳酸菌をスクリーニングする方法は、上記本発明の方法で、乳酸菌の癌細胞増殖抑制作用を測定し、得られた測定結果に基づいて、癌細胞増殖抑制作用を有する乳酸菌を選択することを含む。癌細胞増殖抑制作用を有する乳酸菌の選択は、上記U937細胞の培養液を複数用意し、各培養液中に、候補となる種々の乳酸菌または乳酸菌由来物を、濃度を変えて添加し、U937細胞の増殖の有無及び/又は増殖の程度を測定することで実施できる。
【0032】
乳酸菌の癌細胞増殖抑制作用の測定は、前述のように行うことができる。癌細胞増殖抑制作用を有する乳酸菌の選択は、具体的には、例えば、以下のように実施できる。U937 細胞を96-well プレートに 1x104 cells/well で播種し、乳酸菌の死菌体を 0、0.1、1、10、100 μg/ml の最終濃度になるように添加する。培地で容量を150μl/wellに合わせる。炭酸ガスインキュベーターで3日間培養し、MTT あるいは XTT 法で生細胞を測定する。乳酸菌の菌株により、菌体濃度依存的に生細胞が減少するもの、増大するもの、変化のないものに分類できる。その中から、菌体濃度依存的に生細胞が減少するものを、癌細胞増殖抑制作用を有する乳酸菌として選択することができる。
【0033】
[炎症性サイトカイン抑制作用測定方法]
本発明の乳酸菌の炎症性サイトカイン抑制作用を測定する方法は、乳酸菌および炎症性サイトカインの存在下でU937細胞を培養し、前記U937細胞の増殖の有無及び/又は増殖の程度を測定することを含む。
【0034】
測定対象である乳酸菌は、上記癌細胞増殖抑制作用測定方法と同様である。
【0035】
U937細胞を、測定対象である乳酸菌および炎症性サイトカインの存在下で培養する。培養は、例えば、U937 細胞を 96-well プレートに 1x104 cells/well で播種し、最終濃度で、例えば、TNF-α; 0.05 ng/ml、IL-6; 2 ng/ml(サイトカイン無添加に比べ約 50 % viability を示す炎症性サイトカインの濃度とすることが適当である)を添加する。乳酸菌またはその死菌体を適当量、例えば、0.1〜100 μg/ml の最終濃度になるように添加する。炭酸ガスインキュベーターで3日間培養し、MTT あるいは XTT 法で生細胞を測定する。このようにして、乳酸菌の炎症性サイトカイン抑制作用を測定することができる。
【0036】
炎症性サイトカインとしては、例えば、TNF−α、IL−6及びIL−1等を用いることができる。TNF−αは、腫瘍壊死因子αであり、好中球や血管内皮細胞を活性化し、活性化好中球の血管内皮細胞への粘着を促進させ、結果として、好中球エラスターゼや活性酸素種による血管内皮細胞傷害を惹起することが知られている。TNF−αとしては、例えば市販の組換え体TNF−α(R&D Systems社)を用いることができる。IL−6は、Bリンパ球の増殖分化のみならず、広く免疫応答、造血反応、炎症反応、及び神経系の細胞の増殖・分化、あるいは機能発現に重要な役割をしている多機能を有するサイトカインである。IL−6は、市販の場合、製品により活性に差が見られまた活性が弱い場合がある。従って、ヒト細胞由来の高活性IL−6を用いることがよい(特許第3600741号)。IL−1は、細菌感染などの異物に反応して、細胞内で産生され分泌されるサイトカインである。分泌されたIL-1は、標的細胞のレセプターに結合して、細胞内のIL-1シグナル伝達経路を活性化することが知られている。
【0037】
更に本測定方法は、U937細胞に対し単独またはTNF-α/IL-6 と協調して増殖抑制に働くサイトカイン、例えばIL-1α/β、IFN(インターフェロン)-α/β、IFN-γ の乳酸菌による増殖抑制効果あるいは炎症抑制効果を調べることも可能である。IL-1α/β、IFN-α/β、IFN-γ は、市販の組換え体蛋白質(例えば、R&D Systems 社製)を用いればよい。
【0038】
増殖の有無及び/又は増殖の程度の測定には、上記癌細胞増殖抑制作用測定方法と同様に、MTTアッセイ法あるいは、XTTアッセイ法等を用いることができる。
【0039】
[炎症性サイトカイン抑制作用を有する乳酸菌のスクリーニング方法]
本発明の炎症性サイトカイン抑制作用を有する乳酸菌のスクリーニング方法は、上記本発明の炎症性サイトカイン抑制作用測定方法で、乳酸菌の炎症性サイトカイン抑制作用を測定し、得られた測定結果に基づいて、炎症性サイトカイン抑制作用を有する乳酸菌を選択することを含む。
【0040】
U937細胞は炎症性サイトカイン、TNF-αとIL-6がそれぞれ単独で存在するときより両者が共存する場合細胞毒性が相乗的に現れる(Dokkyo J. Med. Sci., 28 603-616 (2001))。例えば、上記のTNF-αとIL-6を用いた場合、TNF-α;0.02 ng/ml、IL-6;2 ng/ml、の濃度で添加し3日間培養後の生細胞数は、無添加に比べ約50%
である。このような条件下で候補となる、例えば、乳酸菌の死菌体を添加し、その乳酸菌株が炎症性サイトカインの細胞障害作用を抑制するか調べる。乳酸菌菌体は、例えば、0、0.1、1、10、100 μg/ml の濃度で添加する。抑制作用が認められた菌体について、更に、TNF-α単独での細胞障害作用に対しても障害作用があるか調べることもできる。上記の試験で、抑制効果が認められた乳酸菌濃度で、TNF-αの濃度を0.02-0.1 ng/ml の範囲でTNF-αの細胞障害作用の抑制効果を調べることもできる。
【0041】
乳酸菌の菌株により、菌体濃度依存的に生細胞が減少するもの、増大するもの、変化のないものに分類できる。その中から、菌体濃度依存的に生細胞が増大するもの、または変化のないものを、炎症性サイトカイン抑制作用を有する乳酸菌候補として選択することができる。
【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0043】
実施例1
癌細胞増殖抑制作用測定方法
ヒト単球由来癌細胞株、U937細胞をターゲットとした予備試験において、癌細胞増殖抑制作用のあることが知られている菌株2株、L. fermentum (菌株サンプルNo.1) と L. paracasei (菌株サンプルNo.2)、癌細胞増殖抑制作用を示さないことが知られている菌株1株、L. helveticus (菌株サンプルNo.3)、の3株を用いた。
【0044】
ターゲット細胞としては、上記U937細胞を用いた。細胞は、播種後3-4日は細胞の増殖が持続する細胞数を選び播いた。これらの細胞をそれぞれ96 穴マイクロプレートに播種し、調製した上記乳酸菌株の死菌体の濃度を変えて添加した。CO2インキュベーターで3日培養した。培養後、MTT アッセイ法で生細胞を定量した。菌体を添加しないウエルの細胞を 100 % とし、添加した細胞の生存比を計算した。実験は一つの点につき6サンプル同時に行い、平均値と実験誤差を計算して図に示した。
【0045】
図1に二つの癌細胞増殖抑制作用のある乳酸菌株、2株(菌株サンプルNo.1 及び菌株サンプルNo.2)、 増殖抑制作用のない株、1株(菌株サンプルNo.3) をヒト癌由来細胞株、U937細胞とインキュベーション後の生細胞の測定結果を示した。
U937細胞をターゲットとして使用したときには、菌株サンプルNo.1 と 菌株サンプルNo.2 では濃度依存的に生細胞が減少し、菌株サンプルNo.3 では生細胞の減少はまったく見られなかった。むしろ濃度依存的に増加傾向を示した。以上の結果は、菌体がヒト由来癌細胞の増殖に及ぼす作用で分類するには、U937細胞が優れていることを示している。
【0046】
実施例2
炎症性サイトカイン抑制作用の測定方法
ターゲット細胞として U937 細胞を使用した。乳酸菌株として、 L.helveticus(菌株サンプルNo.3) と L. paracasei(菌株サンプルNo.2) を用いた。前者は癌細胞に増殖抑制作用を示さないことが知られている株、後者は増殖抑制作用を示すことが知られている株である。
【0047】
細胞を 96 穴マイクロプレートに播種後、死菌体として調製した上記菌株をそれぞれ 1μ/ml 別々に添加した。菌体無添加のウエルをコントロールとした。その状況下での。炎症性サイトカイン TNF-α の作用効果を見るため、TNF-α の濃度を変えて添加した (0, 0.025, 0.1, 0.4 ng/ml)。CO2インキュベーター中で3日培養後、生細胞を MTT アッセイで定量した。
【0048】
TNF-α (0.1ng/ml) 添加時における L. helveticus (菌株サンプルNo.3) による抗 TNF-α作用の機構を明らかにする目的で、先天性免疫 (innate immunity) で重要な役割を持つとされる、Toll-like Receptors (TLRs) との関係を調べた。ターゲット細胞としては U937細胞を使用した。
【0049】
96穴マイクロプレートに U937細胞を播種し、L. helveticus (菌株サンプルNo.3) と L. paracasei (菌株サンプルNo.2) をそれぞれ別々に添加した (10μg/ml)。TNF-α(0.1ng/ml)添加後、TLR2 及び TLR4 抗体をそれぞれ 0.05, 0.5, 5 μg/ml の濃度で添加した。CO2インキュベーターで3日培養後、生細胞を MTTアッセイで定量した。L. helveticus株添加では、TLR2あるいはTLR4抗体濃度依存的にTNF-αによる細胞障害作用が出現した。しかし、L. paracasei株添加では抗体による効果は見られない。すなわち、このL. helveticus株はTLRを介し、炎症性サイトカイン抑制作用を持つと考えられる。
【0050】
図2に癌細胞増殖抑制作用のある株(菌株サンプルNo.2) とない株(菌株サンプルNo.3) について(1μg/ml 存在下)、 TNF-α 濃度変化 (0, 0.025, 0.1, 0.4 ng/ml) における U937細胞増殖に対する作用を調べた結果を示した。
【0051】
増殖抑制作用を示す乳酸菌株は、この株に限らず、乳酸菌単独で濃度依存的に増殖抑制を示し、更に増殖抑制はTNF-α の濃度依存的に増殖抑制が強まる。その状況が、菌株サンプルNo.2 株で見られる。それに対して、菌株サンプルNo.3 株ではTNF-α 0.1ng/ml の濃度までは、TNF-α の細胞毒性は認められない。菌株サンプルNo.3 ではむしろ弱いながら細胞毒性を弱める作用が認められた。即ち、炎症性サイトカインである TNF-αの細胞毒性を弱める作用があることが分かる。
【0052】
実施例3
実施例1及び2の結果を踏まえ、実施例1及び2における乳酸菌株とは異なる10種類の癌細胞増殖抑制作用の測定及び炎症性サイトカイン抑制作用の測定を行った。用いた乳酸菌株は、サンプルNo.1 (L. collinoides)、サンプルNo.2 (L. cellobiosus)、サンプルNo.3 (L. buchneri)、サンプルNo.4 (L. fermentum)、サンプルNo.5 (L. fermentum)、サンプルNo.6 (L. paracasei)、サンプルNo.7 (L. paracasei)、サンプルNo.8 (L. paracasei)、サンプルNo.9 (L. helveticus)、サンプルNo.10 (L. helveticus)である。
【0053】
U937細胞を96-well プレートに 4x104 cells/well で10列(各列 6 well)播種し、最初の5列はサイトカイン無添加、次の5列は TNF-α及び IL-6 添加とする。サイトカイン添加のウエルには、最終濃度でTNF-α:0.05 ng/ml、IL-6:2 ng/ml になるように添加した。サイトカイン無添加のウエルには培地のみ添加した。1から5列及び6から10列それぞれに、乳酸菌株の死菌体を最終濃度0、0.1、1、10、100 μg/ml になるように添加した。いずれのウエルも最終の液量は 150 μl/well とした。炭酸ガスーインキュベーター中で3日間培養後生細胞を MTT 法あるいは XTT 法で定量した。各サンプルは 6-well づつ測定し、平均値と実験の誤差を計算し示した。サイトカイン無添加、菌体無添加の生細胞を100% としたときのそれぞれの添加における生細胞の割合を計算した。結果を図3-1〜10に示す。
【0054】
(1)乳酸菌株により濃度依存的にU937細胞の増殖抑制を示すものがある(例えば、サンプルNo.4,5,6,7,8)。乳酸菌株の癌細胞増殖抑制作用の有無及び強弱を測定できる。増殖抑制の強さは菌株で異なり、本測定系を用いれば、例えば細胞増殖90%あるいはまた80%にする乳酸菌濃度として強さを数字で表すことができる。
(2)乳酸菌株の中に炎症性サイトカインの作用(細胞毒性作用)を抑制する効果を示すものがある。この中には、乳酸菌濃度依存的に抑制するもの(例えば、例4及び9)、乳酸菌のある特定の濃度で抑制するもの(例えば、サンプルNo.3)などに分類できる。TNF-αとIL-6共存による細胞障害作用は、それぞれ単独での細胞障害作用より相乗的に強くなる。従って乳酸菌によるその抑制作用が、どちらかの作用のみを抑制する場合、見かけ上その抑制効果は小さく見える。従ってスクリーニングの時点では、測定において、実験の誤差以上の抑制効果が得られた場合は、炎症性サイトカイン抑制効果あり、とする。
(3)乳酸菌体のみ添加あるいは炎症性サイトカインとともに添加でも見かけ上U937細胞の増殖に何ら影響を与えない乳酸菌株も存在する(例えば、サンプルNo.10)。
(4)炎症性サイトカイン抑制効果の見られた菌株については、さらにその抑制効果がTNF-α に対する抑制か IL-6 に対する抑制か、またその両方かを本実施方法で決めることができる。即ち、同様の試験をサイトカインとしてTNF-α ないしは IL-6 のみを用いればそれが決定できる。実施例2には、サイトカインとしてTNF-αのみを用いた例を示した。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、乳酸菌を利用する食品や医薬品分野に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施例1における増殖抑制作用測定結果。
【図2】実施例2で得られたTNF-α存在下での抗TNF-α作用測定結果。
【図3−1】実施例3で得られたTNF-α及びIL-6存在下並びに不存在下での増殖抑制又は促進作用測定結果。
【図3−2】実施例3で得られたTNF-α及びIL-6存在下並びに不存在下での増殖抑制又は促進作用測定結果。
【図3−3】実施例3で得られたTNF-α及びIL-6存在下並びに不存在下での増殖抑制又は促進作用測定結果。
【図3−4】実施例3で得られたTNF-α及びIL-6存在下並びに不存在下での増殖抑制又は促進作用測定結果。
【図3−5】実施例3で得られたTNF-α及びIL-6存在下並びに不存在下での増殖抑制又は促進作用測定結果。
【図3−6】実施例3で得られたTNF-α及びIL-6存在下並びに不存在下での増殖抑制又は促進作用測定結果。
【図3−7】実施例3で得られたTNF-α及びIL-6存在下並びに不存在下での増殖抑制又は促進作用測定結果。
【図3−8】実施例3で得られたTNF-α及びIL-6存在下並びに不存在下での増殖抑制又は促進作用測定結果。
【図3−9】実施例3で得られたTNF-α及びIL-6存在下並びに不存在下での増殖抑制又は促進作用測定結果。
【図3−10】実施例3で得られたTNF-α及びIL-6存在下並びに不存在下での増殖抑制又は促進作用測定結果。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳酸菌の癌細胞増殖抑制作用を測定する方法であって、
上記乳酸菌の存在下でU937細胞(組織球性リンパ腫患者由来単球芽球様細胞)を培養し、前記U937細胞の増殖の有無及び/又は増殖の程度を測定することを含む方法。
【請求項2】
乳酸菌が生菌体または死菌体である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
乳酸菌が乳酸菌由来物である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
乳酸菌由来物が、膜断片、ペプチドグリカン、及び/又は多糖である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
増殖の有無及び/又は増殖の程度の測定を細胞増殖アッセイ法であるMTT法又はXTT法で行う請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法で、乳酸菌の癌細胞増殖抑制作用を測定し、測定結果に基づいて、癌細胞増殖抑制作用を有する乳酸菌をスクリーニングする方法。
【請求項7】
乳酸菌の炎症性サイトカイン抑制作用を測定する方法であって、
上記乳酸菌および炎症性サイトカインの存在下でU937細胞(組織球性リンパ腫患者由来単球芽球様細胞)を培養し、前記U937細胞の増殖の有無及び/又は増殖の程度を測定することを含む方法。
【請求項8】
乳酸菌が生菌体また死菌体である請求項7に記載の方法。
【請求項9】
乳酸菌が乳酸菌由来物である請求項7に記載の方法。
【請求項10】
乳酸菌由来物が、膜断片、ペプチドグリカン、及び/又は多糖である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
炎症性サイトカインが、TNF−α、IL−6、及び/又はIL−1である請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
増殖の有無及び/又は増殖の程度の測定を細胞増殖アッセイ法であるMTT法又はXTT法で行う請求項7〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
請求項7〜12のいずれか1項に記載の方法で、乳酸菌の炎症性サイトカイン抑制作用を測定し、測定結果に基づいて、炎症性サイトカイン抑制作用を有する乳酸菌をスクリーニングする方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3−1】
image rotate

【図3−2】
image rotate

【図3−3】
image rotate

【図3−4】
image rotate

【図3−5】
image rotate

【図3−6】
image rotate

【図3−7】
image rotate

【図3−8】
image rotate

【図3−9】
image rotate

【図3−10】
image rotate


【公開番号】特開2007−330157(P2007−330157A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−165567(P2006−165567)
【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年2月3日 帯広畜産大学主催の「平成17年度帯広畜産大学大学院畜産研究科生物資源科学専攻修士論文発表会」及び平成18年3月29日 社団法人日本畜産学会主催の「日本畜産学会第106回大会」において文書をもって発表
【出願人】(504300088)国立大学法人帯広畜産大学 (96)
【出願人】(506206133)ニュテックス株式会社 (4)
【出願人】(591181894)よつ葉乳業株式会社 (7)
【出願人】(500503551)株式会社生物有機化学研究所 (7)
【Fターム(参考)】