説明

交番燃焼装置用の弁装置

【課題】第1連通用位置と第2連通用位置との切り換えを迅速に行うことができながら、耐久性を向上し得る交番燃焼装置用の弁装置を提供する。
【解決手段】弁体5を第1連通用位置と第2連通用位置とに切り換えるように、弁体5を回転駆動するアクチュエータMが、電動モータにて構成され、制御手段が、弁体5を移動開始位置としての第1連通用位置又は第2連通用位置から目標移動位置としての第2連通用位置又は第1連通用位置に移動させるときにおいて、移動開始位置から目標移動位置の手前近くの減速位置までは、設定高速度でかつ設定高トルクとなる高速駆動状態にて弁体5を駆動し、且つ、減速位置から目標移動位置までは、弁体5を弁座9に接当させて停止させるべく、設定高速度よりも低速でかつ設定高トルクよりも低い低トルクとなる低速駆動状態にて弁体5を駆動すべく、電動モータの作動を制御するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼用空気が供給される給気孔、外部に連通する排気孔及び燃焼室に連通する一対の給排気孔が形成された弁ケーシング内に、弁体が、前記一対の給排気孔のうちの一方の給排気孔と前記給気孔とを連通させ且つ他方の給排気孔と前記排気孔とを連通させる第1連通用位置と、前記一方の給排気孔と前記排気孔とを連通させ且つ前記他方の給排気孔と前記給気孔とを連通させる第2連通用位置とに正逆の回転により切り換え自在に、且つ、前記第1連通用位置及び前記第2連通用位置の夫々において弁座に受け止め支持されるように設けられ、
前記弁体を前記第1連通用位置と前記第2連通用位置とに周期的に切り換えるように、前記弁体を回転駆動するアクチュエータの作動を制御する制御手段が設けられた交番燃焼装置用の弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる交番燃焼装置用の弁装置(以下、単に弁装置と称する場合がある)は、例えば、金属を溶解する容器を加熱する加熱炉用の交番燃焼装置において、燃焼室に燃焼用空気を供給し且つ燃焼室から燃焼ガスを排出するために用いられるものである。
つまり、交番燃焼装置の一対の燃焼部が燃焼状態と燃焼停止状態とに交互に切り換えられるのに合わせて、弁体を第1連通用位置と第2連通用位置とに周期的に切り換えるように、弁体を回転駆動するアクチュエータの作動が制御手段により制御されることになる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
前記特許文献1には明確には記載されていないが、従来では、前記アクチュエータが、空気圧にてロータを正逆に回転させる空気モータにて構成され、制御手段が、移動開始位置としての第1連通用位置又は第2連通用位置から目標移動位置としての第2連通用位置又は第1連通用位置に弁体を移動させるときにおいては、移動開始位置から目標移動位置までの全範囲で一定の速度で且つ一定のトルクとなる駆動状態にて弁体を駆動すべく、前記空気モータの作動を制御するように構成されていた。
【0004】
【特許文献1】特開2002−81868号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、従来の弁装置では、移動開始位置から目標移動位置までの全範囲において、弁体を一定の速度で且つ一定のトルクとなる駆動状態にて駆動する構成であることか、第1連通用位置と第2連通用位置との切り換えを迅速に行うべく、弁体の移動開始位置から目標移動位置への移動を迅速に行うようにするには、弁体を高速度で且つ高トルクとなる駆動状態にて駆動することになるので、弁体が弁座に接当するときの衝撃が大きくなり、弁体や弁座等が劣化し易く、弁装置の耐久性が低いという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、第1連通用位置と第2連通用位置との切り換えを迅速に行うことができながら、耐久性を向上し得る交番燃焼装置用の弁装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の交番燃焼装置用の弁装置は、燃焼用空気が供給される給気孔、外部に連通する排気孔及び燃焼室に連通する一対の給排気孔が形成された弁ケーシング内に、弁体が、前記一対の給排気孔のうちの一方の給排気孔と前記給気孔とを連通させ且つ他方の給排気孔と前記排気孔とを連通させる第1連通用位置と、前記一方の給排気孔と前記排気孔とを連通させ且つ前記他方の給排気孔と前記給気孔とを連通させる第2連通用位置とに正逆の回転により切り換え自在に、且つ、前記第1連通用位置及び前記第2連通用位置の夫々において弁座に受け止め支持されるように設けられ、
前記弁体を前記第1連通用位置と前記第2連通用位置とに周期的に切り換えるように、前記弁体を回転駆動するアクチュエータの作動を制御する制御手段が設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記アクチュエータが、電動モータにて構成され、
前記制御手段が、前記弁体を移動開始位置としての前記第1連通用位置又は前記第2連通用位置から目標移動位置としての前記第2連通用位置又は前記第1連通用位置に移動させるときにおいて、前記移動開始位置から前記目標移動位置の手前近くの減速位置までは、設定高速度でかつ設定高トルクとなる高速駆動状態にて前記弁体を駆動し、且つ、前記減速位置から前記目標移動位置までは、前記弁体を前記弁座に接当させて停止させるべく、前記設定高速度よりも低速でかつ前記設定高トルクよりも低い低トルクとなる低速駆動状態にて前記弁体を駆動すべく、前記電動モータの作動を制御するように構成されている点を特徴とする。
【0008】
即ち、制御手段は、弁体を移動開始位置としての第1連通用位置又は第2連通用位置から目標移動位置としての第2連通用位置又は第1連通用位置に移動させるときは、移動開始位置から目標移動位置の手前近くの減速位置までは、設定高速度でかつ設定高トルクとなる高速駆動状態にて弁体を駆動し、減速位置から目標移動位置までは、弁体を弁座に接当させて停止させるべく、前記設定高速度よりも低速でかつ前記設定高トルクよりも低い低トルクとなる低速駆動状態にて弁体を駆動すべく、電動モータの作動を制御する。
【0009】
つまり、移動開始位置から目標移動位置の手前近くの減速位置までは、弁体が高速駆動状態にて駆動されるので、減速位置から目標移動位置までは弁体が低速駆動状態にて駆動されるにしても、弁体を移動開始位置から目標移動位置に極力迅速に移動させることが可能となり、しかも、減速位置から目標移動位置までは、弁体が低速駆動状態にて駆動されて、その低速駆動状態にて弁体が弁座に接当させられるので、弁体が弁座に接当するときの衝撃を低減させることが可能となり、弁体や弁座等の劣化を抑制することが可能となる。
従って、第1連通用位置と第2連通用位置との切り換えを迅速に行うことができながら、耐久性を向上し得る交番燃焼装置用の弁装置を提供することができるようになった。
【0010】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記弁体が前記給気孔と前記排気孔とを連通させる短絡用位置に位置変更自在に構成され、
前記制御手段が、前記第1連通用位置、前記第2連通用位置及び前記短絡用位置の夫々に前記弁体を切り換えるべく前記電動モータの作動を制御するように構成されている点を特徴とする。
【0011】
即ち、弁体が短絡用位置に切り換えられると、給気孔と排気孔とが連通される。
【0012】
つまり、交番燃焼装置は、加熱対象部の加熱温度を調節するために、一対の燃焼部を燃焼状態と燃焼停止状態とに交互に切り換える加熱状態に加えて、一対の燃焼部の両方を燃焼停止状態にする加熱停止状態に切り換えるように構成される場合がある。
そこで、交番燃焼装置が加熱停止状態に切り換えられるのに合わせて、弁装置が短絡用位置に切り換えられるように構成して、交番燃焼装置が加熱停止状態に切り換えられるときに給気孔と排気孔とが連通する状態になるようにすると、弁ケーシング内において、給気孔から供給された燃焼用空気が排気孔に向かって流動する空気の流れを生じさせて、燃焼用空気が給排気孔から燃焼室に供給されるのや、燃焼室内の高温の気体が給排気孔を通して弁ケーシング内に吸引されて排気孔から外部に排出されるのを抑制することが可能となる。
【0013】
ちなみに、交番燃焼装置が加熱停止状態に切り換えられても、弁装置が第1連通用位置又は第2連通用位置に切り換えられた状態に維持される場合は、一方の給排気孔が給気孔に連通し且つ他方の給排気孔が排気孔に連通しているので、給気孔から弁ケーシング内に供給された燃焼用空気が給排気孔から燃焼室に供給され易く、又、燃焼室内の高温の気体が給排気孔から弁ケーシング内に吸引されて排気孔から外部に排出され易いので、交番燃焼装置による加熱効率が低下し易い。
従って、交番燃焼装置の一対の燃焼部の両方が燃焼停止状態になったときに、燃焼用空気が燃焼室に供給されるのや、燃焼室内の高温の気体が外部に排出されるのを抑制することが可能となる交番燃焼装置用の弁装置を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
交番燃焼装置用の弁装置Vは、図1に示すように、燃焼用空気が供給される給気孔1、外部に連通する排気孔2及び燃焼室(図示省略)に連通する一対の給排気孔3が形成された直方体形状の弁ケーシング4、その弁ケーシング4内に正逆に回転操作作自在に設けられた平板状の弁体5、その弁体5を回転駆動するアクチュエータM、そのアクチュエータMの作動を制御する制御手段としての弁制御部6(図3参照)、及び、その弁制御部6に各種制御指令を指令する操作部7(図3参照)等を備えて構成されている。
前記アクチュエータMは、電動モータ8にて構成されている。
尚、以下の説明では、一対の給排気孔3を区別するときは、図1及び図2において右側に位置するものを第1給排気孔3aと称し、図1及び図2において左側に位置するものを第2給排気孔3bと称する。
【0015】
図1及び図2に示すように、前記弁体5は、前記弁ケーシング4内に、前記一対の給排気孔3のうちの第1給排気孔3aと給気孔1とを連通させ且つ第2給排気孔3bと排気孔2とを連通させる第1連通用位置(図2の(イ))と、前記第1給排気孔3aと前記排気孔2とを連通させ且つ前記第2給排気孔3bと前記給気孔1とを連通させる第2連通用位置(図2の(ロ))とに正逆の回転により切り換え自在に、且つ、前記第1連通用位置及び第2連通用位置の夫々において弁座9に受け止め支持されるように設けられている。
【0016】
更に、前記弁体5が前記給気孔1と前記排気孔2とを連通させる短絡用位置(図2の(ハ))に位置変更自在に構成され、前記弁制御部6が、前記第1連通用位置、前記第2連通用位置及び前記短絡用位置の夫々に前記弁体5を切り換えるべく前記電動モータ8の作動を制御するように構成されている。
【0017】
説明を加えると、前記給気孔1、前記排気孔2及び前記一対の給排気孔3は、前記弁ケーシング4における四角筒状に連なる4つの側壁部に、1つずつ振り分けられ且つ一対の給排気孔3は対向する一対の側壁部に振り分けられた状態で設けられている。
前記弁体5には、その長手方向の中央部をその長手方向に直交する方向に板面に沿って延びる回転軸心部10が備えられている。
又、弁体5における回転軸心部10よりも長手方向の一方側の部分には、抵抗羽根体11が弁体5の両面側に突出する状態で長手方向に直交する方向に沿わせて付設されている。
弁体5は、抵抗羽根体11が排気孔2の側に位置する姿勢で、弁ケーシング4における給気孔1、排気孔2及び一対の給排気孔3が設けられた四角筒状に連なる4つの側壁部の中央を通る回転軸心R周りで、第1給排気孔3aの側と第2給排気孔3bの側の正逆方向に回転自在なように、前記回転軸心部10にて前記弁ケーシング4に支持されている。
そして、前記電動モータ8の出力軸が前記回転軸部10に伝動連結されて、その電動モータ8の正逆の回転により前記弁体5が正逆に回転駆動されるように構成されている。
【0018】
前記給排気孔3が夫々設けられた一対の側壁部夫々の内周面には、前記弁座9が、前記給気孔1の側と前記排気孔2の側に振り分けられた状態で一対ずつ設けられている。
そして、図2の(イ)に示すように、前記弁体5が、前記電動モータ8により、第1給排気孔3aが設けられた側壁部における排気孔2の側の弁座9と第2給排気孔3bが設けられた側壁部における給気孔1の側の弁座9とに接当するように、第1給排気孔3aの側に回転駆動されると、前記第1連通用位置に切り換えられることになり、又、図2の(ロ)に示すように、前記弁体5が、前記電動モータ8により、第2給排気孔3bが設けられた側壁部における排気孔2の側の弁座9と第1給排気孔3aが設けられた側壁部における給気孔1の側の弁座9とに接当するように、第2給排気孔3bの側に回転駆動されると、前記第2連通用位置に切り換えられることになる。
又、図2の(ハ)に示すように、前記弁体5が、前記電動モータ8により、前記第1連通用位置と前記第2連通用位置との中間位置であって給気孔1と排気孔2との並び方向に沿う位置に回転駆動されると、弁体5が前記短絡用位置に切り換えられることになる。
【0019】
尚、前記抵抗羽根体11は、弁体5が第1連通用位置や第2連通用位置に位置して排気孔2の側の弁座9に接当した状態において、その排気2の側の弁座9よりも回転軸部10の側に位置し、且つ、弁体5が短絡用位置に位置した状態において、第1給排気孔3aと第2給排気孔3bとの間の空間における排気孔2の側に偏った位置に位置するように、弁体5に設けられている。
【0020】
図2に示すように、弁装置Vの給気孔1には、燃焼用空気を供給するように給気用送風機12が接続され、排気孔2には、その排気孔2に吸引作用するように排気用送風機13が接続される。
又、図示を省略するが、弁装置Vの一対の給排気孔3夫々は、蓄熱体を内蔵した給排気路を介して燃焼室に連通接続される。
【0021】
図2の(イ)に示すように、弁体5が第1連通用位置に切り換えられると、第1給排気孔3aと給気孔1とが連通し且つ第2給排気孔3bと排気孔2とが連通するので、給気用送風機12により給気孔1に供給された燃焼用空気は第1給排気孔3aを通して燃焼室に供給され、排気用送風機13の吸引作用により、燃焼室の燃焼ガスは、第2給排気孔3bから弁ケーシング4内に吸引されて排気孔2を通して外部に排出される。
図2の(ロ)に示すように、弁体5が第2連通用位置に切り換えられると、第2給排気孔3bと給気孔1とが連通し且つ第1給排気孔3aと排気孔2とが連通するので、給気用送風機12により給気孔1に供給された燃焼用空気は第2給排気孔3bを通して燃焼室に供給され、排気用送風機13の吸引作用により、燃焼室の燃焼ガスは、第1給排気孔3aから弁ケーシング4内に吸引されて排気孔2を通して外部に排出される。
【0022】
又、図2の(ハ)に示すように、弁体5が短絡用位置に切り換えられると、給気孔1と排気孔2とが連通するので、弁ケーシング4内において、排気孔2に作用する排気用送風機13の吸引作用により、給気用送風機12により給気孔1から供給された燃焼用空気が排気孔2に向かって流動する空気の流れを生じさせて、燃焼用空気が給排気孔3から燃焼室に供給されるのや、燃焼室内の高温の気体が給排気孔3を通して弁ケーシング4内に吸引されて排気孔2から外部に排出されるのを抑制することが可能となる。
しかも、抵抗羽根体11により、給気孔1から供給された燃焼用空気が排気孔2に向かって流動する空気の流れに抵抗が与えられるので、弁ケーシング4内の圧力が高まって、燃焼室内の高温の気体が給排気孔3を通して弁ケーシング4内に吸引されるのをより一層抑制することが可能となる。
【0023】
次に、前記弁制御部6の制御動作を説明する。
図3に示すように、電動モータ8の回転方向、電動モータ8の回転速度及びトルクを制御自在なモータ駆動部14、電動モータ8の回転位置及び回転速度を検出するエンコーダ15、及び、電動モータ8の回転位置を保持する電磁ブレーキ16が設けられ、前記弁制御部8は、前記エンコーダ15の検出情報や前記操作部7からの制御指令等に基づいて、前記モータ駆動部14及び前記電磁ブレーキ15の作動を制御することにより、前記電動モータ8の作動を制御するように構成されている。
【0024】
前記弁制御部8は、前記操作部7から弁作動開始指令が指令されると、前記弁体5を前記第1連通用位置と前記第2連通用位置とに周期的(例えば、30秒毎に)に切り換えるように、前記モータ駆動部14及び前記電磁ブレーキ16夫々の作動を制御し、後述のように、前記弁体5を前記短絡用位置に切り換えるための短絡用位置切換条件を満たすと判別すると、前記弁体5を前記短絡用位置に切り換えるように前記モータ駆動部14及び前記電磁ブレーキ16夫々の作動を制御する。
【0025】
そして、弁制御部6は、前記弁体5を移動開始位置としての前記第1連通用位置又は前記第2連通用位置から目標移動位置としての前記第2連通用位置又は前記第1連通用位置に移動させるときにおいて、前記移動開始位置から前記目標移動位置の手前近くの減速位置までは、設定高速度でかつ設定高トルクとなる高速駆動状態にて前記弁体5を駆動し、且つ、前記減速位置から前記目標移動位置までは、前記弁体5を前記弁座9に接当させて停止させるべく、前記設定高速度よりも低速でかつ前記設定高トルクよりも低い低トルクとなる低速駆動状態にて前記弁体5を駆動すべく、前記電動モータ8(具体的には、モータ駆動部14)の作動を制御するように構成されている。
又、前記弁制御部6は、移動開始位置から目標移動位置に移動させるときにおいて、開始時点から前記弁体5の速度を前記設定高速度に漸増させるべく、前記電動モータ8の作動を制御するように構成してある。
【0026】
以下、前記弁制御部6の制御動作について、説明を加える。
この実施形態では、前記第1連通用位置と前記第2連通用位置とに切り換えるために弁体5を移動させる角度が、例えば50°程度に設定され、前記減速位置は、前記第1連通用位置及び前記第2連通用位置夫々に対して、5°手前の位置に設定されている。
そして、前記設定高速度が、例えば80°/secに設定され、低速駆動状態における速度である設定接当用速度が、前記設定高速度の20〜70%の範囲、例えば、25%である20°/secに設定されている。
又、前記設定高トルクが、例えば、この電動モータ8の定格トルクに設定され、前記低速駆動状態におけるトルクである設定接当用トルクが、前記定格トルクの20〜70%、例えば20%に設定されている。
【0027】
図4に示すように、前記弁制御部6は、前記弁体5を移動開始位置P1としての前記第1連通用位置又は前記第2連通用位置から目標移動位置P3としての前記第2連通用位置又は前記第1連通用位置に移動させるときは、移動開始位置P1での移動開始時点から弁体5の速度を設定高速度まで漸増させて、減速位置P2までは、その設定高速度で且つ設定高トルクとなる高速駆動状態にて弁体5を駆動し、減速位置P2に達すると、速度を設定接当用速度に減速すると共にトルクを設定接当用トルクに低下させて、目標移動位置P3までは、その設定接当用速度で且つ設定接当用トルクとなる低速駆動状態にて弁体5を駆動するように、前記モータ駆動部14の作動を制御し、弁体5が目標移動位置P3に達すると、電動モータ8を停止させるように前記モータ駆動部14の作動を制御すると共に前記電磁ブレーキ16を作動させて、弁体5をその目標移動位置P3に保持する。
【0028】
又、前記弁制御部6は、前記弁体5を移動開始位置P1としての前記第1連通用位置又は前記第2連通用位置から目標移動位置P3としての前記短絡用位置に移動させるときは、移動開始位置P1での移動開始時点から弁体5の速度を設定高速度まで漸増させて、設定高速度で且つ設定高トルクとなる高速駆動状態にて弁体5を駆動し、前記目標移動位置P3の手前近くの減速位置P2に達すると、速度を設定接当用速度に減速すると共にトルクを設定接当用トルクに低下させて、前記目標移動位置P3までは、その設定接当用速度で且つ設定接当用トルクとなる低速駆動状態にて弁体5を駆動するように、前記モータ駆動部14の作動を制御し、弁体5が前記目標移動位置P3に達すると、電動モータ8を停止させるように前記モータ駆動部14の作動を制御すると共に前記電磁ブレーキ16を作動させて、弁体5をその短絡用位置に保持する。
【0029】
ちなみに、前記弁制御部6が前記弁体5を移動開始位置P1としての前記第1連通用位置又は前記第2連通用位置から目標移動位置P3としての前記第2連通用位置又は前記第1連通用位置に移動させるとき、及び、前記弁体5を移動開始位置P1としての前記第1連通用位置又は前記第2連通用位置から目標移動位置P3としての前記短絡用位置に移動させるときは、前記エンコーダ15の検出情報に基づいて、弁体5の速度を調節すると共に、弁体5の位置を判別することになる。
【0030】
前記弁体5を移動開始位置P1としての前記第1連通用位置又は前記第2連通用位置から目標移動位置P3としての前記第2連通用位置又は前記第1連通用位置に移動させるとき、及び、前記弁体5を移動開始位置P1としての前記第1連通用位置又は前記第2連通用位置から目標移動位置P3としての前記短絡用位置に移動させるときのいずれにおいても、移動開始位置P1から目標移動位置P3の手前近くの減速位置P2までは、弁体5が高速駆動状態にて駆動されるので、減速位置P2から目標移動位置P3までは弁体5が低速駆動状態にて駆動されるにしても、弁体5を移動開始位置から目標移動位置に極力迅速に移動させることが可能となり、しかも、減速位置P2から目標移動位置P3までは弁体5が低速駆動状態にて駆動されて、その低速駆動状態にて弁体5が弁座9に接当させられたり、電磁ブレーキ16にて停止されるので、弁体5が弁座9に接当するときの衝撃、及び、電磁ブレーキ16にて停止されるときに弁体5にかかる応力を低減させることが可能となり、弁体5及び弁座9等の劣化を抑制することが可能となる。
更に、移動開始位置P1での移動開始時点から弁体5の速度を設定高速度まで漸増させるので、弁体5の移動開始時にその弁体5にかかる応力を低減させることが可能となり、弁体5の劣化をより一層抑制することが可能となる。
【0031】
次に、上述の弁装置Vを用いた交番燃焼装置、及び、その交番燃焼装置を設けた加熱炉について、説明する。
図5及び図6に示すように、加熱炉は、平面視で環状の環状燃焼室21内に、被加熱物を貯留する容器22を設けて構成され、その環状燃焼室21の外周側における周方向の特定の一箇所に、弁装置Vを備えた交番燃焼装置Hが設けられている。
そして、交番燃焼装置Hが、環状燃焼室21の周方向の一方側に火炎Fを形成する状態と周方向の他方側に火炎Fを形成する状態とに繰り返し切り換えられるように構成されて、容器22を加熱する構成となっている。
【0032】
説明を加えると、横断面形状が円形で且つ上部が開口した内部空間を備える炉体23の内部空間の底部に、円柱形状の載置台24が設けられ、横断面形状が円形で概ね椀状の前記容器22が載置台24に載置された状態で炉体23内に設けられて、炉体23の内周面と、容器22及び載置台24の側周面とにより、前記環状燃焼室21が形成される。尚、前記容器22が載置台24に載置された状態で、その容器22の鍔部22fが炉体23の開口縁部に載った状態となって、環状燃焼室21を閉じるように構成されている。
ちなみに、前記容器22内には、前記交番燃焼装置Hの加熱により、アルミ等の金属が溶解状態で保持される。
【0033】
以下、交番燃焼装置Hについて説明する。
図5及び図6に示すように、交番燃焼装置Hは、前記環状燃焼室21にガス燃料を噴出する燃料噴出部としてのバーナBと蓄熱体31を内蔵し且つ環状燃焼室21に連通する給排気路32とを備えた燃焼部Nを一対備えて構成されている。
そして、一対のバーナBが、一方がガス燃料を前記環状燃焼室21に供給する燃料噴出状態となり且つ他方が燃料噴出停止状態となる形態で、燃料噴出状態と燃料噴出停止状態とに交互に切り換えられ、即ち、一対の燃焼部Nが燃焼状態と燃焼停止状態とに交互に切り換えられ、そのように一対のバーナBが燃料噴出状態と燃料噴出停止状態とに交互に切り換えられるのに合わせて、一対の給排気路32が、燃料噴出状態となるバーナBに対応するものが燃焼用空気を前記環状燃焼室21に供給する給気状態となり且つ燃料噴出停止状態となるバーナBに対応するものが前記環状燃焼室21から燃焼ガスを排出する排気状態となる形態で、前記弁装置Vにより給気状態と排気状態とに交互に切り換えられるように構成されている。
【0034】
交番燃焼装置Hについて説明を加える。
図7ないし図10に示すように、両端が開口した四角筒状のバーナ枠体33内に、前記一対の給排気路32が間隔を隔てた状態で横幅方向に並ぶ状態に形成され、各給排気路32内に、多孔状に形成されて通気自在なブロック状の前記蓄熱体31が複数積層状態に充填されている。
【0035】
図10及び図11に示すように、前記一対のバーナBは、燃料噴出孔34nからガス燃料を噴出する円筒状の燃料噴出ノズル34と、その燃料噴出ノズル34の内部に配置されて、ガス燃料よりも高圧の空気を高圧空気噴出孔35nから前記燃料噴出孔34nに向けて噴出する円筒状の高圧空気噴出ノズル35とを備えて構成されて、燃料噴出孔34nからガス燃料よりも高圧の空気が噴出されることに伴うエジェクタ作用により、ガス燃料が燃料噴出孔34nから噴出されるように誘引されて、燃料噴出孔34nからのガス燃料の噴出量を増大化することができるようになり、高負荷燃焼を行わせることができる。
【0036】
図8にも示すように、前記燃料噴出ノズル34は、先端が閉塞されて、その周壁の先端部に、前記燃料噴出孔34nが、燃料噴出ノズル34の長手方向に直交する方向にガス燃料を噴出する状態で、45°程度の円周角で周方向に位相を異ならせて一対設けられている。
前記高圧空気噴出ノズル35は、先端が閉塞されて、その周壁の先端部に、前記高圧空気噴出孔35nが、前記一対の燃料噴出孔34nに各別に対向する状態で一対設けられている。
【0037】
図7、図8及び図11に示すように、前記一対のバーナB及びパイロットバーナ36が、夫々の後端部が保持ブロック37に保持された状態で、その保持ブロック37の先端側に連設された円筒状の保持筒38内に装備されて、バーナニットUが構成されている。
前記保持ブロック37には、前記一対の燃料噴出ノズル34の後端開口部に各別に連通して各燃料噴出ノズル34にガス燃料を供給する一対のガス燃料供給口34Iと、前記パイロットバーナ36の後端開口部に連通して、パイロットバーナ36にパイロット用ガス燃料を供給するパイロット燃料供給口36Iが形成されている。
前記一対の高圧空気噴出ノズル35は、夫々の後端部が前記保持ブロック37から突出するように設けられて、各高圧空気噴出ノズル35の後端開口部が、高圧空気供給口35Iに構成されている。
【0038】
更に、前記保持筒38内における先端側の箇所に、前記パイロットバーナ36用の燃焼用空気を吐出するパイロット用空気吐出口39を備えた閉塞板40が設けられ、前記保持ブロック37に、前記保持筒38に連通するようにパイロット空気供給口41が形成されて、そのパイロット空気供給口41に供給されたパイロットバーナ36用の燃焼用空気が前記パイロット空気吐出口39から吐出されて、前記パイロットバーナ36にてパイロット火炎が形成されるように構成されている。
【0039】
図7ないし図10に示すように、前記弁装置Vは、前記一対の給排気孔3に各別に連通する一対の給排気連通室42、及び、前記給気孔1に連通する給気室43を一体的に備えるように構成されている。
前記一対の給排気連通室42は、前記弁ケーシング4における前記給排気孔3が夫々設けられている一対の側壁部夫々に、回転軸心Rに沿う方向の一方側が開口した状態で設けられ、前記給気室43は、前記弁ケーシング4における前記給気孔1が設けられている側壁部に設けられている。
【0040】
前記交番燃焼装置Hと前記弁装置Vとが、交番燃焼装置Hの一方の給排気路32が弁装置Vの一方の給排気連通室42と連通し且つ交番燃焼装置Hの他方の給排気路32が弁装置Vの他方の給排気連通室42と連通する状態で、即ち、交番燃焼装置Hの一対の給排気路32と弁装置Vの一対の給排気孔3とが各別に連通接続された状態で、一体的に組み付けられている。
更に、前記バーナユニットBが、前記給気室43を貫通して、前記一対の給排気路32の間に位置する状態で、前記交番燃焼装置H及び前記弁装置Vに一体的に組み付けられている。
前記バーナユニットBの配置形態は、前記一対のバーナBが、夫々の燃料噴出孔34nが外向きとなって給排気路32よりも前方側に突出した状態で、前記一対の給排気路32の並び方向に沿って並ぶ配置形態となっている。
そして、上述のように弁装置Vが一体的に組み付けられた交番燃焼装置Hが、一対の給排気路32が水平方向に並ぶ姿勢で、上述のように加熱炉に設けられている。
【0041】
図5、図8及び図10に示すように、都市ガス等のガス燃料を供給する燃料供給路44が、前記バーナユニットUの一対のガス燃料供給口34I及び前記パイロット燃料供給口36Iに分岐接続され、前記一対のガス燃料供給口34I夫々に対する分岐路には、燃料噴出ノズル34へのガス燃料の供給を断続する燃料断続弁45が設けられ、前記パイロット燃料供給口36Iに対する分岐路には、前記パイロットバーナ36へのガス燃料の供給を断続するパイロット用燃料断続弁46が設けられている。
前記バーナユニットUの一対の高圧空気供給口35Iには、コンプレッサ47から高圧空気が送出される高圧空気路48が分岐接続され、各分岐路には、高圧空気噴出ノズル35への高圧空気の供給を断続する高圧空気断続弁49が設けられている。
【0042】
前記弁装置Vの給気室43及び前記バーナユニットUのパイロット空気供給口41には、前記給気用送風機12から燃焼用空気が供給される給気ダクト50が分岐接続され、並びに、前記弁装置Vの排気孔2には、前記排気用送風機13が吸引作用する排気ダクト51が接続されている。
【0043】
図5に示すように、前記交番燃焼装置Hには、前記環状燃焼室21の温度を検出する温度センサ52、この交番燃焼装置Hの運転を制御する燃焼制御部53、及び、この燃焼制御部53に各種制御情報を指令する燃焼操作部54が設けられている。この燃焼操作部54には、図示を省略するが、交番燃焼装置Hの運転開始及び停止を指令する運転スイッチ、加熱目標温度を設定する温度設定部等が設けられている。
【0044】
以下、この燃焼制御部53の制御動作について説明する。
燃焼制御部53は、前記温度センサ52の検出温度が前記燃焼操作部54の温度設定部にて設定された加熱目標温度以下の場合は、一対のバーナBを設定時間間隔(例えば、30秒)毎に交互に燃料噴出状態にして交互に燃焼させる加熱状態とし、前記温度センサ52の検出温度が前記加熱目標温度よりも高くなると、一対のバーナBの両方を燃料噴出停止状態にして燃焼を停止させる加熱停止状態にする形態で、交番燃焼装置Hを加熱状態と加熱停止状態とに切り換えるように構成されている。
【0045】
説明を加えると、燃焼制御部53は、前記燃焼操作部54から運転開始指令が指令されると、前記給気用送風機12、前記排気用送風機13及び前記コンプレッサ47を作動し、且つ、前記パイロット燃料断続弁46を開弁して、前記パイロットバーナ36にてパイロット火炎を形成し、パイロット火炎を検出すると、前述のように、前記温度センサ52の検出温度に基づいて、加熱状態と加熱停止状態とに切り換える形態で交番燃焼装置Hを運転し、前記燃焼操作部54から運転停止指令が指令されると、前記給気用送風機12、前記排気用送風機13及び前記コンプレッサ47を停止させ、前記パイロット燃料断続弁46を閉弁し、前記一対の燃料断続弁45及び前記一対の高圧空気用断続弁49を閉弁して、交番燃焼装置Hの運転を停止する。
【0046】
前記燃焼制御部53は、前記加熱状態においては、一対のバーナB夫々の燃料断続弁45及び高圧空気用断続弁49を、一方のバーナBの燃料断続弁45及び高圧空気用断続弁49が開弁状態となり且つ他方のバーナBの燃料断続弁45及び高圧空気用断続弁49が閉弁状態となる状態で、繰り返し開閉制御し、それと並行して、燃料断続弁45及び高圧空気用断続弁49が開弁状態となっているバーナBに対応する給排気路32が給気状態となり且つ燃料断続弁45及び高圧空気用断続弁49が閉弁状態となっているバーナBに対応する給排気路32が排気状態になるように、弁体5を前記第1連通用位置と前記第2連通用位置とに切り換えるべく、前記モータ駆動部14及び前記電磁ブレーキ16の作動を制御する。
【0047】
つまり、図7及び図9に示すように、図面上、右側のバーナBに対応する燃料断続弁45及び高圧空気用断続弁49が開弁状態となって、その右側のバーナBが燃料噴出状態となるときは、その右側のバーナBに対応する右側の給排気路32に連通する第1給排気孔3aと給気孔1とを連通させ且つ第2給排気孔3bと排気孔2とを連通させる第1連通用位置に弁体5が切り換えられる。又、図示を省略するが、図面上、左側のバーナBに対応する燃料断続弁45及び高圧空気用断続弁49が開弁状態となって、その左側のバーナBが燃料噴出状態となるときは、その左側のバーナBに対応する左側の給排気路32に連通する第2給排気孔3bと給気孔1とを連通させ且つ第1排気孔3aと排気孔2とを連通させる第2連通用位置に弁体5が切り換えられる。
【0048】
そして、図6及び図10に示すように、燃料断続弁45及び高圧空気用断続弁49が開弁されたバーナBから、ガス燃料Gが炉体23の内周面に衝突するようにガス燃料Gが噴出されると共に、そのバーナBに対応する給排気路32から蓄熱体31にて予熱された燃焼用空気Aが環状燃焼室21内に供給されて、火炎Fが炉体23の内周面に沿う状態で環状燃焼室21の周方向の一方側に向けて形成され、燃焼ガスEが、燃料断続弁45及び高圧空気用断続弁49が閉弁状態となっているバーナBに対応する給排気路32に吸引されてその給排気路32を流動して、その給排気路32内の蓄熱体31が加熱されることになる。
つまり、加熱状態では、環状燃焼室21の周方向の一方側に向けて環状燃焼室21内に火炎Fが形成される状態と、前記環状燃焼室21の周方向の他方側に向けて環状燃焼室21内に火炎Fが形成される状態とに、交番燃焼装置Hが自動的に繰り返し切り換えられることになる。
【0049】
前記燃焼制御部53は、前記温度センサ52の検出温度が前記加熱目標温度よりも高くなると、前記一対のバーナB夫々の燃料断続弁45及び高圧空気用断続弁49を閉弁することにより、前記一対のバーナBの両方を燃料噴出停止状態にして加熱停止状態に切り換え、並びに、前記弁体5を前記短絡用位置に切り換えるように、前記モータ駆動部14及び前記電磁ブレーキ16の作動を制御する。
【0050】
交番燃焼装置Hが加熱停止状態に切り換えられると、弁装置Vが短絡用位置に切り換えられて、給気孔1と排気孔2とが連通する状態になるので、弁ケーシング4内において、排気孔2に作用する吸引作用により、給気孔1から供給された燃焼用空気が排気孔2に向かって流動する空気の流れが生じて、燃焼用空気が給排気孔3から環状燃焼室21に供給されるのや、環状燃焼室21内の高温の炉気が給排気孔3を通して弁ケーシング4内に吸引されて排気孔2から外部に排出されるのを抑制することが可能となり、交番燃焼装置Hによる加熱効率が低下するのを抑制することが可能となる。
【0051】
前記弁制御部6が前記燃焼制御部53を用いて構成され、前記操作部7が前記燃焼操作部54を用いて構成される。
そして、前記運転開始指令が前記弁作動開始指令に相当し、前記温度センサ52の検出温度が前記加熱目標温度よりも高くなることが、前記短絡用位置切換条件を満たすことに相当する。
つまり、前記弁制御部6は、前記温度センサ52の検出温度が前記加熱目標温度よりも高くなることに基づいて前記短絡用位置切換条件を満たす判別すると、前記弁体5を前記短絡用位置に切り換えるように前記モータ駆動部14及び前記電磁ブレーキ16夫々の作動を制御するように構成されている。
【0052】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 前記給気孔1、前記排気孔2及び前記一対の給排気孔3を前記弁ケーシング4に設けるに当たって、その配置形態は、上記の実施形態において例示した配置形態に限定されるものではない。
例えば、一対の給排気孔3を、弁ケーシング4における四角筒状に連なる4つの側壁部のうちの一対の対向する側壁部に振り分けた状態で設け、弁体5を、前記四角筒状に連なる4つの側壁部の中央を通る回転軸心R周りで正逆方向に回転自在なように、弁ケーシング4に支持する。
そして、給気孔1及び排気孔2のいずれか一方又は両方を、弁ケーシング4における回転軸心Rが通る側壁部に設けても良い。
【0053】
(ロ) 前記弁ケーシング4の形状は、上記の実施形態において例示した形状、即ち、直方体形状に限定されるものではなく、例えば、立方体形状や、円筒形状でも良い。
【0054】
(ハ) 第1連通用位置と第2連通用位置とに切り換えるために弁体5を移動させる角度は、上記の実施形態において例示した50°に限定されるものではなく、50°よりも小さく設定しても、あるいは、大きく設定しても良く、例えば、90°に設定しても良い。
又、減速位置も、上記の実施形態おいて例示した位置、即ち、第1連通用位置及び第2連通用位置夫々に対して、5°手前の位置に限定されるものではなく、5°よりも大きい角度手前の位置、あるいは、5°よりも小さき角度手前の位置に設定しても良い。
【0055】
(ニ) 上記の実施形態においては、弁装置Vを交番燃焼装置Hに一体的に組み付けるように構成する場合について例示したが、弁装置Vを交番燃焼装置Hとは別体に設けても良い。
その場合、交番燃焼装置Hの一対の給排気路32と弁装置Vの一対の給排気孔3とを一対の管路にて各別に連通接続することになる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】交番燃焼装置用の弁装置の斜視図
【図2】交番燃焼装置用の弁装置の弁体の切り換えを説明する断面図
【図3】交番燃焼装置用の弁装置の制御構成を示すブロック図
【図4】弁体を移動開始位置から目標移動位置に移動させるときの速度及びトルクの調節形態を示す図
【図5】交番燃焼装置を設けた加熱炉の縦断面図
【図6】交番燃焼装置を設けた加熱炉の横断面図
【図7】弁装置を備えた交番燃焼装置を示す一部切り欠き斜視図
【図8】弁装置を備えた交番燃焼装置の縦断左側面図
【図9】弁装置を備えた交番燃焼装置の縦断後面図
【図10】弁装置を備えた交番燃焼装置の横断平面図
【図11】バーナユニットの横断平面図
【符号の説明】
【0057】
1 給気孔
2 排気孔
3 給排気孔
4 弁ケーシング
5 弁体
6 制御手段
8 電動モータ
9 弁座
21 燃焼室
M アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼用空気が供給される給気孔、外部に連通する排気孔及び燃焼室に連通する一対の給排気孔が形成された弁ケーシング内に、弁体が、前記一対の給排気孔のうちの一方の給排気孔と前記給気孔とを連通させ且つ他方の給排気孔と前記排気孔とを連通させる第1連通用位置と、前記一方の給排気孔と前記排気孔とを連通させ且つ前記他方の給排気孔と前記給気孔とを連通させる第2連通用位置とに正逆の回転により切り換え自在に、且つ、前記第1連通用位置及び前記第2連通用位置の夫々において弁座に受け止め支持されるように設けられ、
前記弁体を前記第1連通用位置と前記第2連通用位置とに周期的に切り換えるように、前記弁体を回転駆動するアクチュエータの作動を制御する制御手段が設けられた交番燃焼装置用の弁装置であって、
前記アクチュエータが、電動モータにて構成され、
前記制御手段が、前記弁体を移動開始位置としての前記第1連通用位置又は前記第2連通用位置から目標移動位置としての前記第2連通用位置又は前記第1連通用位置に移動させるときにおいて、前記移動開始位置から前記目標移動位置の手前近くの減速位置までは、設定高速度でかつ設定高トルクとなる高速駆動状態にて前記弁体を駆動し、且つ、前記減速位置から前記目標移動位置までは、前記弁体を前記弁座に接当させて停止させるべく、前記設定高速度よりも低速でかつ前記設定高トルクよりも低い低トルクとなる低速駆動状態にて前記弁体を駆動すべく、前記電動モータの作動を制御するように構成されている交番燃焼装置用の弁装置。
【請求項2】
前記弁体が前記給気孔と前記排気孔とを連通させる短絡用位置に位置変更自在に構成され、
前記制御手段が、前記第1連通用位置、前記第2連通用位置及び前記短絡用位置の夫々に前記弁体を切り換えるべく前記電動モータの作動を制御するように構成されている請求項1記載の交番燃焼装置用の弁装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−224090(P2008−224090A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60287(P2007−60287)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】