説明

人体に酷似した人工ボディ及びその製造方法

【課題】 人体の脂肪組織に富む部分に相当する隆起部だけでなく、その奥部に位置する骨格及び周辺肉質部の硬さ、弾力性、形状も人体に酷似した人工ボディの提供。
【解決手段】 人体骨格の一部又は全体に類似した外形を有する骨格模型2の外面を、弾力性及び伸縮性のある素材より成る肉質部3で被覆し、肉質部3に局所的に空洞7を形成し、空洞7に肉質部3より軟質の充填材4を充填して乳房部6等の隆起部を形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体に酷似した人工ボディ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脂肪組織に富む肉質層を有する部分を、硬さの異なる素材層を積層して形成し、洋服や下着類を着用させたとき動きがある柔構造人体模型が提案されている(特許文献1参照)。
上記従来の人体模型は、ブラジャー、ガードルのように、身体形状の補整効果や、厳密なフィット感が要求される衣服を着用させ、皮膚に食い込まないか、各部のサイズが合っているか、皺や攣れが生じないか、ボディラインが適切に補整されるか等のチェックを行うことを目的としている。
【0003】
しかし、この人体模型は、脂肪組織に富む肉質層に相当する部分が、均質で単純な形状の模型本体に接着されているので、脂肪組織部分の周辺の柔軟性及び動きが人体と異なるばかりか、人体骨格に類似した硬さ・形状の骨格も有していない。
従って、フィッティングチェックを行っても、人体骨格の位置及び硬さで肉質層の変形を規制することができず、例えば、ブラジャーの下縁部が、乳房部下方において、肋骨とその表面に付着した肉質部に対して食い込む度合い、或いは、衣類ウェスト部分と腰骨との位置関係等をチェックすることができなかった。
【0004】
【特許文献1】特開平7−70806号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、人体の脂肪組織に富む部分に相当する隆起部だけでなく、その奥に位置する骨格及び周辺肉質部の弾力性、硬さ、形状も人体に酷似した人工ボディ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の人工ボディは、人体骨格の一部又は全体に類似した外形を有する骨格模型の外面を、弾力性及び伸縮性のある素材より成る肉質部で被覆し、前記肉質部に空洞を形成し、該空洞に前記肉質部より軟質の充填材を充填して隆起部を形成してある。
上半身の人工ボディであれば、前記隆起部を乳房部とする。
また、下半身を含む人工ボディであれば、前記隆起部を臀部としても良い。この場合、前記隆起部を腹部とすることもある。
【0007】
前記骨格模型は中空であり、該骨格模型に複数の貫通孔を形成して、内部骨格の内部空間と外面とを連通し、これら貫通孔を通して前記骨格模型の内部空間に前記肉質部の素材を充填しても良い。
前記空洞の上方において、前記骨格模型に補強シートの上部を固定し、該補強シートの下部を前記空洞の周面に配設して、前記充填材を支持すると良い。
或いは、重力による隆起部の下垂分に相当する高さだけ、前記隆起部を人体よりも上方に形成する。
【0008】
本発明の人工ボディの製造方法は、外形が人体骨格の一部又は全体に類似した中空の骨格模型を形成し、該骨格模型に複数の貫通孔を形成して、前記骨格模型の内部空間と外面とを連通させ、人体外形の一部又は全体に対応する外形型を形成し、次に、前記骨格模型を前記外形型内にその内面から間隔をあけて設置し、人体の脂肪組織が多い部位に対応して、前記外形型と骨格模型との間に中子を設置すると共に、前記外形型に取り付けた支持棒によって前記中子を前記外形型及び骨格模型から隙間をあけて支持し、次いで、前記外形型の内部に弾力性及び伸縮性のある素材を溶解状態で注入し、この素材が硬化して肉質部が形成されてから前記外形型及び支持棒を取り除き、該支持棒が貫通して形成された前記肉質部の孔を通して、前記中子を取り出すことにより、前記肉質部に空洞を形成し、その後、前記肉質部より軟質の充填材を、前記孔を通して前記空洞に充填して隆起部を形成する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1乃至4に係る発明によれば、人体の脂肪組織に富む部分に相当する隆起部とその周辺部分の形状、弾力性、伸縮性、質感が人体に類似しているだけでなく、その奥に位置する骨格の硬さ及び形状も人体に近いので、視覚、触覚において、より人体に近似した人工ボディが得られる。
特に、ブラジャー、ガードルのようなフィット感が要求される衣服のフィッティングチェックに適しており、人体を用いた時と同様に、製品が身体に食い込まないか、適切にフィットしているか、十分な補整効果があるか、攣れや皺が生じないか等のチェックを行うことができる。
【0010】
請求項5に係る発明によれば、肉質部が骨格模型に強固に結合され、剥がれ落ちることが無い。
請求項6及び7に係る発明によれば、充填材が時間経過によって下垂し、要求された形状から大きく変形するのを防ぐことができる。
請求項8に係る発明によれば、骨格部分、肉質部及び脂肪組織に富む隆起部の形状、質感、弾力性が人体と酷似しており、耐久性のある人工ボディを、簡単に低コストで製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、頚から腰までの範囲で、主としてブラジャーのフィッティングに使用する上半身の人工ボディである実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、人工ボディの断面図、図2は、人工ボディの一部破断斜視図、図3は、骨格模型の正面図、図4乃至図6は、人工ボディの製造過程を示す図である。
図1に示すように、本発明の人工ボディ1は、人体の腰部から頚部までの、腕の付け根部を含む外形と酷似した形状に形成されており、骨格模型2と、肉質部3と、充填材4とを備える。
【0012】
骨格模型2は、硬質ポリウレタン、硬質シリコーン、粘土、アルギン酸等の比較的硬い素材より成り、図3に示すように、その外形が上半身の人体骨格(特に肋骨、鎖骨)と類似するよう形成されている。
また、骨格模型2の内部には支柱9が配設され、支柱9よりも前面側及び後面側にそれぞれ内部空間14が形成される。
支柱9は、剛性の高い金属棒材、例えば、35mm角のステンレス製角材より成り、骨格模型2の中心軸に沿う縦枠9aと、骨格模型2の肩部に配置される上部横枠9bと、腰部に配置される下部横枠9cとを組み立てると共に、縦枠9aの下部に台座9dを設けて形成する。
【0013】
縦枠9aの上端部と台座9dよりも下方の部分、及び、下部横枠9cの両端部は骨格模型2の外方へ突出しており、この部分は分離可能となっている。
また、骨格模型2には複数の貫通孔5が全面に分散して形成され、骨格模型2の外面と内部空間14とが貫通孔5によって連通している。
なお、貫通孔5を形成する場所は、肉厚の薄い部分、例えば、肋骨の隙間に相当する部分等が適している。
【0014】
肉質部3は、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂、ラテックス等の弾力性及び伸縮性を有する素材より成る。スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂とは、S−ES−S型のスチレンブロックコポリマーであり、FTY−100D(クラレトレーディング株式会社製)等がある。
肉質部3の厚みは全体に亘って均一ではなく、フィッティングの基準となる標準サイズの人体と近似するよう、各部位毎に調整され、図2に示すように、肉質部3の外形は人体の上半身の外形に類似している。なお、肉質部3は、人体とほぼ同色になるよう彩色してある。
また、図1に示すように、乳房部6に相当する部分において、肉質部3の内部には局所的に空洞7を形成してある。空洞7の形状は、乳房部6と相似形でやや小さい略円錐状とする。
【0015】
充填材4は、人間の肉質とほぼ同じ比重、弾力性を有し、肉質部3よりも軟質の素材、望ましくは、ゲル状のシリコーンやポリビニルアルコール、澱粉等より成り、肉質部3に形成した空洞7内に充填されて、乳房部6を隆起させている。
当然、空洞7に充填する充填材4が多ければ乳房部6が大きくなり、少なければ乳房部6が小さくなる。
充填された充填材4が軽くて、その表面を覆う肉質部3の伸縮性が比較的小さい場合には、充填材4をその位置で支えることができるが、充填材4が重くて、肉質部3の伸縮性が大きい場合には、時間経過と共に充填材4が下垂して、乳房部6の形状が変化してしまう。
これではフィッティングチェックを行うことができないので、ガーゼのような伸縮しにくい補強シート11の下部を略円形に湾曲させ、これを空洞7の周面に配設し、補強シート11の上端部を空洞7の上方において骨格模型2に固定する。そして、補強シート11の下部に充填材4を収納すると、充填材4が骨格模型2から吊り下げられて、その下垂を防ぐことができる。
【0016】
本発明の人工ボディ1は、次のようにして製造する。
フィッティング基準となる人の上半身の外形をスキャンして、上半身外形のCADデータを得る。該CADデータに基づいて繊維補強プラスチック、石膏等で人体原型16(図4)を製作する。
次いで、人体原型16の外面にシリコーン樹脂を複数層に亘って塗布すると共に、シリコーン樹脂の層間に電熱線を均一に分布させ、電熱層線を内蔵したシリコーン樹脂被膜17を形成する。
【0017】
さらに、シリコーン樹脂被膜17の外面に金属繊維で補強したコンクリートを付着させ、コンクリートが硬化したら人体原型を除去して、コンクリート製の外形型8を形成する。外形型8の内面には電熱線入りのシリコーン樹脂被膜17が形成される。
外形型8は、前面型8aと後面型8bとから成り、それぞれ人体原型16の前面及び後面にコンクリートを付着させて別々に製作される。
なお、前面型8a及び後面型8bの接合面には、縦枠9a及び下部横枠9cの骨格模型2から突出した部分を係合するための凹部を形成し、後面型8bには樹脂注入口10を形成する。
【0018】
また、上半身の人体骨格に類似した骨格模型2を製作する。骨格模型2の製作に際して使用する骨格型も、人体原型16製作時と同じモデルから製作するのが望ましいが、放射線被曝等の問題があるので、実在のモデルを使用せず、同じ様なサイズの骨格標本に基づいて骨格型を形成する。
骨格型は前面側の型と後面側の型とから成り、両方の型の継ぎ目を含む面に予め支柱9を配置してから、内部に硬質シリコーン、硬質ポリウレタン等の硬質合成樹脂を溶解状態で流し込み、硬化後に型から取り出す。
【0019】
図3に示すように、取り出した骨格模型2からは、縦枠9aの上端部及び台座9dよりも下方の部分と、下部横枠9cの両端部が外部へ突出している。
次いで、図1に示すように、骨格模型2をくり抜いてその前面側及び後面側にそれぞれ内部空間14を形成すると共に、図1及び図3に示すように、骨格模型2の全面(特に、肉厚の薄い肋骨の隙間等)に、複数の貫通孔5を形成し、骨格模型2の外面と内部空間14とを貫通孔5を介して連通させる。
【0020】
図5に示すように、前面型8aの両側部において、乳頭部に相当する部分の内面には支持棒12を立設し、支持棒12の上端にそれぞれ中子13を嵌合して取り付ける。中子13の形状は、支持棒12への取付部分を頂部とする略円錐形である。
次に、外形型8の内部に骨格模型2を設置する。外形型8は前面型8aと後面型8bとに分離しているので、前面型8aの凹部に支柱9を係合して、前面型8aの内部に骨格模型2を架設してから、骨格模型2の上に後面型8bを被せる。
【0021】
すると、外形型8の内面と骨格模型2の外面との間には、各部位の肉質部3の肉厚に相当する隙間が形成される。また、中子13は、骨格模型2の外面及び外形型8の内面から隙間をあけて支持される。
なお、下部を円形に湾曲させた補強シート11の下部を円形に湾曲させ、この湾曲させた部分をそれぞれ中子13の下部外面に巻き付けて留め具で固定し、補強シート11の上部を骨格模型2の肋骨部分上部に形成した貫通孔5へ挿入して背面側へ通し、結束等の適宜手段により骨格模型2へ固定しておく。
【0022】
次に、外形型8のシリコーン樹脂被膜17に分布した電熱線に通電して80℃〜100℃に加温した後、180℃〜200℃に加熱して溶解したスチレン系熱可塑性エラストマー樹脂を、樹脂注入口10を通して外形型8の内部に注入し、一昼夜程度放置してこれを硬化させる。スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂は、貫通孔5を通して骨格模型2の内部空間14にも充填される。
なお、スチレン系エラストマー樹脂には、予め顔料が混入され、人体のような色に着色されている。
これにより、骨格模型2の外面が肉質部3で被覆され、肉質部3は内部空間14にも連続して、骨格模型2から外れないよう強固に保持される。
【0023】
次いで、前面型8aと後面型8bとを分解して外形型8を除去する。この時、支持棒12も外形型8と一緒に取り外され、乳頭部に相当する位置において、支持棒12を抜いた後には肉質部3の外面から中子13に達する孔15が形成される。
その後、図6に示すように、孔15の部分を弾性変形させて拡開し、拡開した孔15を通して中子13を抜き取ると、肉質部3に局所的な空洞7が形成される。補強シート11は、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂が含浸することにより、中子13を抜いた後も空洞7の周面に貼り付いて残る。
【0024】
次に、肉質部3に形成された空洞7へ、孔15を通して充填材4を充填し、乳房部6を隆起させる。
充填材4は補強シート11の円形に湾曲した部分へ収納され、骨格模型2から吊り下げられる。
次に、孔15を塞いで、充填材4が脱出しないようにする。
また、肉質部3から外方へ突出した縦枠9aの上下端部及び下部横枠9cの両端部を分離して除去し、除去したあとに残る窪みに、肉質部3と同質の合成樹脂(スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂)を充填して平らにし、図1に示すような人体に酷似した人工ボディ1を形成する。
【0025】
この人工ボディ1は、下面に露出した台座9dを介して適宜設置場所に取り付けることができる。
フィッティングの基準となるサイズとは、様々なサイズのちょうど中間の寸法とするのが望ましく、ブラジャーであれば通常B75、C70程度である。このようなサイズの人工ボディを形成しておけば、フィッティングを行って該中間サイズのパターンの確定を行った後、コンピュータCADを用いて大小両方向へ寸法を展開した時に、ひずみが少なくて済む。勿論、各サイズ、対応年齢に応じた人工ボディをそれぞれ製造することも可能である。
【0026】
なお、補強シート11を用いずに、乳房部6の下垂による変形分を予め補正しておくこともできる。
まず、補強シート11で充填材4を吊り下げることなく、その他の構成は上記実施形態と同様の、乳房部を有する人工ボディを形成する。できあがった人工ボディを直立させると、充填材4の重さで乳房部が下垂する。
人工ボディの下垂した乳房部と、モデルとなった人の乳房とを比較し、下垂分を計測する。
【0027】
そして、計測した下垂分を見込んで、人の外形をスキャンして得たCADデータを補正し、補正したCADデータに基づいて、乳房部分を要求される位置よりも上方に設けた人体原型16を形成する。
その後、図4乃至図6に示す実施形態と同様にして人工ボディ1を製造する。
この人工ボディ1は、重力による乳房部6の下垂分に相当する高さだけ、乳房部6をモデルとなった人の乳房よりも上方に形成してあるため、直立させると乳房部6がモデルの乳房と同じ位置まで下がる。
【0028】
なお、肉質部3の素材によって、外形型8内に注入した後、熱処理を必要としない場合には、外形型8に分布した電熱線は不要である。
また、下半身又は全身の人体ボディであれば、上記実施形態と同様にして、下半身又は全身に類似した骨格模型を形成すると共に、その外面を肉質部で被覆し、肉質部の脂肪組織に富む臀部及び腹部に相当する部分に空洞を形成し、この空洞に充填材を充填して、臀部及び腹部となる隆起部を形成することができる。この場合、骨格模型内に設置する支柱は、骨格模型の形状に応じて変形させる。
上述した実施形態では、ブラジャー等のフィッティングチェックに適用した人工ボディについて説明したが、本発明は、視覚、触覚において人体と類似するものであるから、人形、人造人体等にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態を示す人工ボディの断面図。
【図2】本発明の実施形態を示す人工ボディの斜視図。
【図3】骨格模型の正面図。
【図4】人工ボディの製造過程の第1段階を示す断面図。
【図5】人工ボディの製造過程の第2段階を示す断面図。
【図6】人工ボディの製造過程の第3段階を示す断面図。
【符号の説明】
【0030】
1 人工ボディ
2 骨格模型
3 肉質部
4 充填材
5 貫通孔
6 乳房部
7 空洞
8 外形型
8a 前面型
8b 後面型
9 支柱
9a 縦枠
9b 上部横枠
9c 下部横枠
9d 台座
10 樹脂注入口
11 補強シート
12 支持棒
13 中子
14 内部空間
15 孔
16 人体原型
17 シリコーン樹脂被膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体骨格の一部又は全体に類似した外形を有する骨格模型の外面を、弾力性及び伸縮性のある素材より成る肉質部で被覆し、前記肉質部に空洞を形成し、該空洞に前記肉質部より軟質の充填材を充填して隆起部を形成したことを特徴とする人体に酷似した人工ボディ。
【請求項2】
前記隆起部が乳房部である請求項1に記載の人体に酷似した人工ボディ。
【請求項3】
前記隆起部が臀部である請求項1に記載の人体に酷似した人工ボディ。
【請求項4】
前記隆起部が腹部である請求項3に記載の人体に酷似した人工ボディ。
【請求項5】
前記骨格模型は中空であり、該骨格模型に複数の貫通孔を形成して、前記骨格模型の内部空間と外面とを連通し、これら貫通孔を通して前記内部空間に前記肉質部の素材を充填した請求項1乃至4のいずれかに記載の人体に酷似した人工ボディ。
【請求項6】
前記空洞の上方において、前記骨格模型に補強シートの上部を固定し、該補強シートの下部を前記空洞の周面に配設して、前記充填材を支持した請求項1乃至5のいずれかに記載の人体に酷似した人工ボディ。
【請求項7】
重力による隆起部の下垂分に相当する高さだけ、前記隆起部を人体よりも上方に形成した請求項1乃至5のいずれかに記載の人体に酷似した人工ボディ。
【請求項8】
外形が人体骨格の一部又は全体に類似した中空の骨格模型を形成し、該骨格模型に複数の貫通孔を形成して、前記骨格模型の内部空間と外面とを連通させ、人体外形の一部又は全体に対応する外形型を形成し、次に、前記骨格模型を前記外形型内にその内面から間隔をあけて設置し、人体の脂肪組織が多い部位に対応して、前記外形型と骨格模型との間に中子を設置すると共に、前記外形型に取り付けた支持棒によって前記中子を前記外形型及び骨格模型から隙間をあけて支持し、次いで、前記外形型の内部に弾力性及び伸縮性のある素材を溶解状態で注入し、この素材が硬化して肉質部が形成されてから前記外形型及び支持棒を取り除き、該支持棒が貫通して形成された前記肉質部の孔を通して、前記中子を取り出すことにより、前記肉質部に空洞を形成し、その後、前記肉質部より軟質の充填材を、前記孔を通して前記空洞に充填して隆起部を形成することを特徴とする人体に酷似した人工ボディの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−176930(P2006−176930A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−371997(P2004−371997)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(593104039)トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社 (26)