説明

人形玩具及び該人形玩具の骨格体

【課題】腰部と大腿部との間に大きな隙間が生じることなく、大きな角度で股関節を屈曲させることができる人形玩具を得る。
【解決手段】骨格体を外皮で被覆した人形玩具において、骨格体を胴体骨格部材と該胴体骨格部材の股間部に回動可能に軸止される脚骨格部材とを備えるように構成し、胴体骨格部材に胴体外皮部材を被覆して胴体部を形成すると共に脚骨格部材に脚外皮部材を被覆して脚部を形成し、脚部が股間部をスライド移動できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人形玩具及び該人形玩具の骨格体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、人形玩具においては、人体の動きをリアルに再現することができるように関節部に対して様々な改良が施されている。
【0003】
例えば、後出特許文献1には、腰部の下面中央には股関節が形成され、股間部の左右両側には球状の関節部材を介して大腿部が連結されており、大腿部の上端部には、股間部側に開口する凹面部が形成され、この凹面部には球状の関節部材が配置されており、関節部材の股間部側は、股間部の側部に前後に回動自在に連結されており、関節部材の大腿部側は、大腿部の上部に形成された凹面部の内部に回動自在に嵌め込まれおり、関節部材は、2つの球面体の間に第1の軸を中心に回動自在に連結された円板体を挟んでなり、上記2つの球面体は一側で連結され、かつ連結部の外方と、円板体の外方にそれぞれ第2の回転軸と第3の回転軸を突出形成し、第2の回動軸を介して前記股間部に前後に回動自在に連結するとともに、第3の回動軸を介して大腿部の凹面部の底面に回動自在に連結していることを特徴とする人形玩具の股関節構造が開示されている。
【0004】
しかし、特許文献1に開示された発明においては、腰部の下面中央に形成された股間部の左右両側に球状の関節部材に設けられた第2の回転軸を介して大腿部が前後に回動自在に連結されているので、大腿部を第2の回転軸を中心に回動させると、大腿部の前面が腰部に接触してしまって人体と同じように股関節を深く屈曲させることができないという問題があった。
【0005】
そこで、特許文献1に開示された発明の問題点を解決するものとして、後出特許文献2には、腰部の下部に股関節構造を介して大腿部が取り付けられている人形玩具であって、股関節構造は、人形玩具が立っている状態において腰部の中心を上下方向に延びる仮想中心線を含んで人形玩具の前後方向に伸びる仮想平面と直交する方向に延びる第1の回転中心線を中心として所定の回転角度範囲内を回転する回転リンクと、回転リンクを腰部に対して所定の回転角度範囲内で回転できるように連結する第1の連結構造と、大腿部が上下方向に延びている状態において、回転リンクと当接し、回転リンクが第1の回転中心を中心として上方向に回転しないように回転リンクの動きを規制するために腰部に設けられたストッパと、回転リンクと大腿部との間に設けられて、回転リンクがストッパと当接している状態において、第1の回転中心線よりも下方に位置し且つ第1の回転中心線よりも人形玩具の背面側に位置し第1の回転中心線と平行に延びる第2の回転中心線を中心として、大腿部が回転するように大腿部の基部を回転リンクに連結する第2の連結構造とを有している人形玩具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−34398号公報
【特許文献2】特開2007−267879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献2においては、回転リンクを回転させるために腰部と大腿部の基部との間に大きな隙間を設ける必要があり、このため、正面から目視した場合に隙間から内部構造が露出して不恰好になるという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明者は、腰部と大腿部との間に大きな隙間が生じることなく、大きな角度で股関節を屈曲させることができる人形玩具を得ることを技術的課題として、その具現化をはかるべく、試行錯誤的に試作・実験を重ねた結果、骨格体を外皮で被覆した人形玩具において、骨格体を胴体骨格部材と該胴体骨格部材の股間部に回動可能に軸止される脚骨格部材とを備えるように構成し、胴体骨格部材に胴体外皮部材を被覆して胴体部を形成すると共に脚骨格部材に脚外皮部材を被覆して脚部を形成し、脚部が股間部をスライド移動できるようにすれば良いという刮目すべき知見を得、前記技術的課題を達成したものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって解決できる。
【0010】
すなわち、本発明に係る人形玩具は、骨格体を外皮で被覆した人形玩具であって、骨格体が胴体骨格部材と該胴体骨格部材の股間部に回動可能に軸止される脚骨格部材とを備えており、胴体骨格部材に胴体外皮部材が被覆されて胴体部が形成されていると共に脚骨格部材に脚外皮部材が被覆されて脚部が形成されており、脚部が股間部をスライド移動できるようになっているものである。
【0011】
また、本発明は、前記人形玩具において、人形玩具を直立姿勢に保持した状態において、脚部が股間部を直線的にスライド移動できるようになっているものである。
【0012】
また、本発明は、前記いずれかの人形玩具において、脚部が股間部をスライド移動できるように設置されたスライド板に対して回動可能に軸止されているものである。
【0013】
さらに、本発明は、前記いずれかの人形玩具の骨格体である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、骨格体を外皮で被覆した人形玩具において、胴体部の股間部側面に脚部を回動可能に連結すると共に、該脚部を股間部側面に対して前後方向にスライド移動できるようにしたので、股間部と脚部との間に大きな隙間を設けることなく、股関節を大きな角度で屈曲できる人形玩具を得ることができる。
【0015】
従って、本発明の産業上利用性は非常に高いといえる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態1に係る人形玩具を示した正面図である。
【図2】図1に示す人形玩具の内部に収納される骨格体を示した正面図である。
【図3】図2に示す人形玩具の骨格体を示した側面図である。
【図4】図2に示す人形玩具の骨格体における胴体骨格部材の頚椎部を示した分解斜視図である。
【図5】図2に示す人形玩具の骨格体における胴体骨格部材の胸椎部を示した分解斜視図である。
【図6】図2に示す人形玩具の骨格体における胴体骨格部材の胸椎部を示した中央縦断面図である。
【図7】図2に示す人形玩具の骨格体における胴体骨格部材の腰椎部を示した分解斜視図である。
【図8】図2に示す人形玩具の骨格体における腰椎部の股間部をスライド溝の伸びる方向に対して垂直方向に切断した断面図である。
【図9】図8に示す人形玩具の骨格体における腰椎部の股間部のA−A断面図である
【図10】図2に示す人形玩具の骨格体における腕骨格部材を示した分解斜視図である。
【図11】図2に示す人形玩具の骨格体における脚骨格部材を示した分解斜視図である。
【図12】実施の形態1に係る人形玩具の股関節を屈曲させた状態を説明する拡大側面図である。
【図13】実施の形態1に係る人形玩具の股関節を屈曲させた状態を説明する側面図である。
【図14】実施の形態2に係る人形玩具の骨格体における第三腰椎体を示した分解斜視図である。
【図15】実施の形態2に係る第三腰椎体を用いた人形玩具の股関節を屈曲させた状態を説明する拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
実施の形態1.
【0019】
本実施の形態に係る人形玩具1は、図1に示すように、人体の頭を構成する頭部2と、人体の胴体を構成する胴体部3と、人体の腕を構成する腕部4と、人体の脚を構成する脚部5とから構成されている。そして、図2に示すように、頭部2は、頭外皮部材6からなっており、胴体部3は、胴体骨格部材7を胴体外皮部材8によって被覆した構成となっており、腕部4は、腕骨格部材9を腕外皮部材10によって被覆した構成となっており、脚部5は、脚骨格部材11を脚外皮部材12によって被覆した構成となっている。そして、胴体外皮部材8は、人体の首から胸を構成する上胴体外皮部材13と、人体の腹から腰を構成する下胴体外皮部材14とに二分割されている。腕外皮部材10は、人体の上腕を構成する上腕外皮部材15と、人体の前腕を構成する前腕外皮部材16と、人体の手を構成する手外皮部材17とに三分割されている。脚外皮部材12は、人体の大腿を構成する大腿外皮部材18と、人体の下腿を構成する下腿外皮部材19と、人体の足を構成する足外皮部材20とに三分割されている。
【0020】
頭外皮部材6は、人体の首付け根に当たる部分が下方へ向かって開口している。また、上胴体外皮部材13は、人体の首付け根に当たる部分が上方へ向かって開口しており、人体の両腕付け根に当たる部分が側方へ向かって開口しており、下部には、下胴体外皮部材14の上部が嵌りこむ大きさの開口が形成されている。下胴体外皮部材14は、人体の両脚付け根に当たる部分が下方へ向かって開口しており、上部には、上胴体外皮部材13の開口に嵌り込んで連通する開口が形成されている。また、上腕外皮部材15は、人体の腕付け根に当たる部分が上方へ向かって開口しており、人体の肘付け根に当たる部分が下方へ向かって開口している。前腕外皮部材16は、人体の肘付け根に当たる部分が上方へ向かって開口しており、人体の手付け根に当たる部分が下方へ向かって開口している。手外皮部材17は、人体の手付け根に当たる部分が上方へ向かって開口している。また、大腿外皮部材18は、人体の脚付け根に当たる部分が上方へ向かって開口しており、人体の膝付け根に当たる部分が下方へ向かって開口している。下腿外皮部材19は、人体の膝付け根に当たる部分が上方へ向かって開口しており、人体の足付け根に当たる部分が下方へ向かって開口している。足外皮部材20は、人体の足付け根に当たる部分が上方へ向かって開口している。
【0021】
胴体骨格部材7は、人体の頚椎に当たる部分を構成する頚椎部21と、人体の胸椎に当たる部分を構成する胸椎部22と、人体の腰椎に当たる部分を構成する腰椎部23とから構成されている。
【0022】
頚椎部21は、図4に示すように、球体部24から上方に伸びる軸部25を有する上側頚椎体26と、横方に向かって開口する上側軸受け部27と前方に向かって開口する下側軸受け部28とからなる頚椎連結体29と、上側頚椎体26と頚椎連結体29の間に介在して上端を上側頚椎体26に対して揺動可能に連結すると共に下端を頚椎連結体29の上側軸受け部27に対してネジ28によって回動可能に連結する下側頚椎体30と、下側頚椎体30の外周を覆うように位置付けられるコイルバネ31と、コイルバネ31の外周を覆うように位置付けられる筒体32とから構成されている。そして、上側頚椎体26の球体部24は、両側面を貫くピン穴33が形成されていると共に底面からピン穴33を含めて切り欠いた凹部34が形成されている。また、下側頚椎体30は、略円柱状に形成されており、上端に上側頚椎体26の球体部24に形成された凹部34に遊びを持たせて嵌り込む大きさであって両側面を貫く貫通孔35を有する樽状部36が形成されており、下端に横方に向かって伸びる軸部37が形成されており、上端と下端の間にコイルバネ31の下端を支持するための段部38が形成されている。また、筒体32には、内面にコイルバネ31の上端を支持する段部39が形成されている。
【0023】
従って、頚椎部21は、下側頚椎体30にコイルバネ31を被せてコイルバネ31の下端を下側頚椎体30の段部38に支持させ、下側頚椎体30に更に筒体32を被せてコイルバネ31の上端を筒体32の段部39に支持させ、筒体32をコイルバネ31の反発力に抗して下方へ移動させることによって該筒体32の上端から突出した下側頚椎体30の樽状部36を上側頚椎体26の球体部24に形成された凹部34に嵌め込んで球体部24のピン穴33と樽状部36の貫通孔35を連通させてピン40を差し込み、筒体32をコイルバネ31の反発力にて上方へ移動させることによって筒体32を上側頚椎体26の球体部24に付勢させる構造になっている。
【0024】
胸椎部22は、図5に示すように、頚椎連結体29の下側軸受け部28に嵌り込んでネジ(図示せず)によって回動可能に連結される軸部41を有する胸椎連結体42と、胸椎連結体42から下方へ延伸する中央部43と該中央部43の左右に位置付けられて上方に向かって開口した左・右軸受け部44,44とを有する胸椎体45と、胸椎体45に対して回動可能に軸止される一対の第一回動体46,46と、各第一回動体46,46に対して回動可能に軸止される第二回動体47,47とから構成されている。そして、図6に示すように、胸椎連結体42は、後面から前方へと切り欠いてなる溝48を有しており、溝48には下方へと貫通するネジ穴49が形成されている。胸椎体45は、中央部43が上端を塞いだ中空状に形成されており、中空部50に通したネジ51を上端から突出させて胸椎連結体42のネジ穴49に通して溝48に嵌め込まれたナット52に螺着させることによって胸椎連結体42に連結されている。第一回動体46は、胸椎体45の左・右軸受け部44,44に対して前後方向に回動可能に嵌め込まれる長尺軸部53と、長尺軸部53の上端から該長尺軸部53と直交するように後方へ伸びる短尺軸部54と、長尺軸部53の上端から該長尺軸部53と間隔を空けて平行に下垂する鉤状の扁平部55を有している。第二回動体47は、第一回動体46の短尺軸部54に対して嵌め込まれた状態でネジ(図示せず)によって上下方向に回動可能に連結される軸受け部56と、軸受け部56から側方へ広がる扇状の扁平部57と、扁平部57の上辺に位置する筒状の連結部58とを有している。
【0025】
腰椎部23は、図7に示すように、胸椎部22と連結する第一腰椎体59と、第一腰椎体59と連結する第二腰椎体60と、第二腰椎体60と連結する第三腰椎体61と、第一腰椎体59と第二腰椎体60との間に介在して両腰椎体59,60を連結する上側連結体62と、第二腰椎体60と第三腰椎体61との間に介在して両腰椎体60,61を連結する下側連結体63とから構成されている。
【0026】
第一腰椎体59は、凸型軸部64と、凸型軸部64の上側から上方に伸びて胸椎体22の中空部50に対して回動可能に差し込まれる連結部65を有すると共に、凸型軸部64の下側から下方に伸びる一対の支持片66,66を有している。そして、両支持片66には、それぞれ先端にネジ穴67が形成されていると共に、互いに対向する面からネジ穴67と連通する筒状の連結軸68が突出している。また、凸型軸部64には、左右方向に横切るネジ穴69が形成されている。なお、第一腰椎体59は、左右に二分するように分割されており、各ネジ穴66,69にボルト(図示せず)を通し、両部材をネジ止めすることによって一体に形成されている。
【0027】
第二腰椎体60は、H型軸部70と、H型軸部70の上側から上方に伸びる一対の上側支持片71,71を有していると共に、H型軸部70の下側から下方に伸びる一対の下側支持片72,72を有している。そして、両上側支持片71,71には、先端部にネジ穴73が形成されていると共に、互いに対向する面からネジ穴73と連通する筒状の連結軸74が突出しており、また、両下側支持片72,72にも、先端部にネジ穴75が形成されていると共に、互いに対向する面からネジ穴75と連結する筒状の連結軸76が突出している。また、H型軸部70には、前後方向に横切るネジ穴77が形成されている。なお、第二腰椎体60は、前後に二分するように分割されており、各ネジ穴73,75,77にボルト(図示せず)を通し、両部材をネジ止めすることによって一体に形成されている。
【0028】
第三腰椎体61は、凹型軸部78と、凹型軸部78の上側から上方に伸びる一対の支持片79,79を有していると共に、凹型軸部78の下側には人体の股間に当たる部分を構成する股間部80を有している。そして、両支持片79,79には、先端部にネジ穴81が形成されていると共に、互いに対向する面からネジ穴81と連通する筒状の連結軸82が突出している。また、凹型軸部78には、左右方向に横切るネジ穴83が形成されている。なお、第三腰椎体は、左右に二分するように分割されており、各ネジ穴81,83にボルト(図示せず)を通し、両部材をネジ止めすることによって一体に形成されている。また、両部材の股間部80には、前後方向に伸びる長方形状の開口84が形成されており、当該開口84を塞ぐように蓋板85が嵌め込まれている。
【0029】
両連結体62,63は、共に略立方体状であり、前後方向に貫くように前後軸穴86,87が形成されていると共に、左右方向に貫くように左右軸穴88,89が形成されており、両軸穴は、互いに直交し、かつ、ねじれの位置関係にある。
【0030】
股間部80の両側面には、図7乃至図9に示すように、蓋板85が嵌め込まれた開口84を含むように前下がりに傾斜するように切り欠いてなるスライド溝90が形成されており、スライド溝90にはスライド板91が慴動可能に設置されている。スライド溝90の両側面には、スライド溝90に設置されたスライド板91がスライド溝90から脱落しないようにスライド板91を支持する支持片93が突出している。また、スライド溝90の底面には、底面の一部を構成する蓋板85の表面にスライド溝90と平行に伸びる細溝92が形成されており、細溝92の底面は連続する凹凸状に形成されている。また、スライド板91には、スライド溝90の底面と対向する面に細溝92に嵌り込んで凹凸状の底面に接触する突起94が形成している。従って、スライド板91は、細溝92に嵌り込んで移動する突起94によって移動が規制されるようになっている。また、スライド板91には、突起94が形成された面と反対側の面に円柱状の連結軸95が突出している。
【0031】
腕骨格部材9は、図10に示すように、人体の肩に当たる部分を構成する肩骨格部96と、人体の上腕に当たる部分を構成する上腕骨格部97と、人体の肘に当たる部分を構成する肘骨格部98と、人体の前腕に当たる部分を構成する前腕骨格部99と、人体の手に当たる部分を構成する手骨格部100とから構成されている。
【0032】
肩骨格部96は、軸部101と該軸部101の一端に形成された扁平状の環部102とからなっている。そして、肩骨格部96は、第二回動体47の連結部58に軸部101を差し込むことによって第二回動体47に対して回動可能に連結されている。
【0033】
上腕骨格部97は、上方へ伸びる一対の支持片103と下方へ伸びる杆部104とを有する略Y字状の第一上腕体105と、第一上腕体105の杆部104が差し込まれる筒部106の一端に扁平状の環部107が形成された第二上腕体108とからなっている。第一上腕体105には、両支持片103の先端部にネジ穴109が形成されており、杆部104を除く部分が二分するように分割されている。また、第二上腕体108は、環部107の両面に中空穴110と連通する筒状の軸部111が突出している。そして、上腕骨格部97は、第一上腕体105の両支持片103によって肩骨格部96の環部102を挟み込み、両支持片103のネジ穴109と環部102の中空とを連通させてネジ(図示せず)を通すことによって肩骨格部96に対して回動可能に連結されている。
【0034】
前腕骨格部99は、扁平状の環部112から伸びる筒部113を有する第一前腕体114と、第一前腕体114の筒部113に差し込まれる杆部115の一端に扁平状のC字形咬合部116が形成された第二前腕体117とからなっている。第一前腕体114には、環部112の両面に中空穴117と連通する筒状の軸部119が突出している。
【0035】
肘骨格部98は、対向する一対の連結体120,120からなっており、両連結体120,120は、小径半球体と大径半球体とを一体的に連結した形状になっている。両連結体120,120の対向する面には小径半球体部121と大径半球体部122のそれぞれに軸受け部123,124が形成されており、小径半球体部121の軸受け部123にはネジ穴125が貫通している。また、肘骨格部98は、両連結体120,120を連結することによって小径球体と大径球体が形成され、小径球体には上面から下方に向かって縦溝が形成されると共に、大径球体には下面から上方に向かって縦溝が形成される。そして、肘骨格部98は、上腕骨格部97の第二上腕体108における環部107の軸部111を両連結体120,120に形成された小径半球体部121の軸受け部123に嵌め込むと共に、前腕骨格部99の第一前腕体114における環部112の軸部119を両連結体120,120に形成された大径半球体部122の軸受け部124に嵌め込み、両連結体120,120のネジ穴125にネジ(図示せず)を通して連結することによって第二上腕体108の環部107が小径球体の縦溝に嵌り込むと共に第一前腕体114の環部112が大径球体の縦溝に嵌り込んだ状態となり、上腕骨格部97に対して回動可能に連結されると共に、前腕骨格部99に対して回動可能に連結される。
【0036】
手骨格部100は、球体部125から伸びる矩形環部126からなっており、球体部125には矩形環部126が形成された面と反対側の面にリング状の縦溝127が形成されている。そして、手骨格部100は、第二前腕体117のC字形咬合部116を縦溝127に嵌め込むことによって前腕骨格部99に対して回動可能に連結されている。
【0037】
脚骨格部材11は、図11に示すように、人体の股関節に当たる部分を構成する股関節骨格部128と、人体の大腿に当たる部分を構成する大腿骨格部129と、人体の膝に当たる部分を構成する膝骨格部130と、人体の下腿に当たる部分を構成する下腿骨格部131と、人体の足に当たる部分を構成する足骨格部132とから構成されている。
【0038】
股関節骨格部128は、筒部133と該筒部133の先端を中心として該筒部133と直交する方向に伸びる一対の軸部134によってT字状に形成されている。そして、股関節骨格部128は、腰椎部23の連結軸95を筒部133に差し込むことによって腰椎部23に対して回動可能に連結されている。
【0039】
大腿骨格部129は、中空状の球体部135から伸びる筒部136を有する第一大腿体137と、第一大腿体137の筒部136に被せられる円筒体138と、第一大腿体137の筒部136に一端側が差し込まれる棒状の第二大腿体139と、第二大腿体139の他端側が差し込まれる筒部140の一端に形成された扁平部141を有する第三大腿体142からなっている。第一大腿体137は、球体部135に上面から側面に至る開口143が形成されており、球体部135の内面には開口143を挟んで対向する面に軸受け部144が形成されている。なお、第一大腿体137は二分するように分割されており、球体部135に設けられたネジ穴145にネジを差し込むことによって連結できるようになっている。また、第三大腿体142は、扁平部141に中空穴146が形成されている。そして、大腿骨格部129は、第一大腿体137の球体部135の中空内に股関節骨格部128を収容して該股関節骨格部128の一対の軸部134をそれぞれ軸受け部144に差し込み、股関節骨格部128の筒部133を開口143から突出させるように位置付けた状態でネジ止めすることによって股関節骨格部128に対して回動可能に連結されている。
【0040】
下腿骨格部131は、扁平部147から伸びる筒部148を有する第一下腿体149と、第一下腿体149の筒部148に一端側が差し込まれる棒状の第二下腿体150と、第二下腿体150の他端側が差し込まれる筒部151の一端に環部152を有する第三下腿体153とからなっている。第一下腿体149には、扁平部147に中空穴154が形成されている。また、第三下腿体153には、環部152の両面に中空穴155と連通する筒状の軸部156が突出している。
【0041】
膝骨格部130は、対向する一対の扁平体157,157からなっており、両扁平体157,157には上下に二つのネジ穴158が形成されており、一方の扁平体158における他方の扁平体157と対向する面にはネジ穴158と連通する筒状の軸部159が突出している。また、両扁平体157,157の下側前縁には軸部159が介在することによって生じる両扁平体157,157の隙間を閉じるように前壁160が形成されている。そして、膝骨格部130は、第三大腿体142の扁平部141に形成された中空穴146に一方の扁平体157に形成された上側の軸部159を通すと共に、第一下腿体149の扁平部147に形成された中空穴154に一方の扁平体157に形成された下側の軸部159を通し、両扁平体157,157のネジ穴158を連通させてネジによってネジ止めすることにより、第三大腿体142に対して回動可能に連結されている。なお、膝骨格部130は、両扁平体157,157の前壁160が第一下腿体149の扁平部147に接触するため、第一下腿体149に対して回動できなくなっている。
【0042】
足骨格部132は、対向する一対の連結体161,161と、両連結体161,161に挟み込まれる軸部162を上面に形成した足型台座163とからなっている。両連結体161,161は、半球体と半円柱体とを一体的に連結した形状になっており、両連結体161,161の対向する面には、半球体部164に円形状の軸受け部165が形成されており、半円柱体部166に断面逆凸状の軸受け部167が形成されており、半球体と半円柱体の境界にネジ穴168が貫通している。また、両連結体161,161を連結することによって球体が形成され、球体には上面から下方に向かって縦溝が形成される。そして、足骨格部132は、下腿骨格部131の第三下腿体153における環部152の軸部156を両連結体161,161に形成された半球体部164の軸受け部165に嵌め込むと共に、足型台座163の軸部162を両連結体161,161に形成された半円柱体部164の軸受け部167に嵌め込み、両連結体161,161のネジ穴168にネジを通して連結することによって第三下腿体153の環部152が球体の縦溝に嵌り込んだ状態となり、下腿骨格部材131に対して回動可能に連結される。
【0043】
次に、本実施の形態に係る人形玩具の組み立て方法を説明する。
【0044】
先ず、頚椎部21を組み立てる。頚椎部21は、下側頚椎体30にコイルバネ31を被せてコイルバネ31の下端を下側頚椎体30の段部38に支持させ、下側頚椎体30に更に筒体32を被せてコイルバネ31の上端を筒体32の段部39に支持させる。続いて、筒体32に対してコイルバネ31の反発力に抗する外力を加えることによって筒体32の上端から露出した下側頚椎体30の樽状部36を上側頚椎体26の球体部24に形成された凹部34に嵌め込んで球体部24のピン穴33と樽状部36の貫通孔35を連通させてピン40を差し込んだ後、筒体32に加えていた外力を除いてコイルバネ31の反発力にて筒体32を球体部24に接触させる。続いて、下側頚椎体30の下端に形成された軸部37を頚椎連結体29の上側軸受け部27に嵌め込んでネジ28によってネジ止めする。
【0045】
次に、胸椎部22を組み立てる。胸椎部22は、胸椎連結体42の下方に胸椎体45の中央部43を位置付け、中央部43の中空部50にネジ51を差し込んで胸椎連結体42の溝48に形成されたネジ穴49に通し、溝48に嵌め込まれたナット52にネジ51を螺着することによって連結させる。そして、胸椎体45の左・右軸受け部44に第一回動体46の長尺軸部53を差し込み、第一回動体46の短尺軸部54に第二回動体47の軸受け部56を被せてネジによってネジ止めする。
【0046】
次に、腰椎部23を組み立てる。腰椎部23は、先ず、分割された第一腰椎体59の両支持片66から突出した連結軸68を上側連結体62に形成された左右軸穴88に対して嵌め込んで、第一腰椎体59の両支持片66に形成されたネジ穴67と上側連結体62の左右軸穴88とを連通させた後、連通した両支持片66のネジ穴69にネジを通すと共に、凸型軸部64のネジ穴69にネジを通し、分割された第一腰椎体59をネジによってネジ止めすることによって一体的に連結させる。これにより、上側連結体62は両支持片66に挟まれた状態で左右軸穴88に通されるネジを回転軸として回動可能に軸止めされる。続いて、分割された第二腰椎体60の両上側支持片71から突出した連結軸74を上側連結体62の前後軸穴86に嵌め込んで、第二腰椎体60の両上側支持片71に形成されたネジ穴73と上側連結体62の前後軸穴86とを連通させると共に、第二腰椎体60の両下側支持片72から突出した連結軸76を下側連結体63の前後軸穴87に嵌め込んで、第二腰椎体60の両下側支持片72に形成されたネジ穴75と下側連結体63の前後軸穴87とを連通させた後、連通した両上・下側支持片71,72のネジ穴にネジを通すと共に、H型軸部70のネジ穴77にネジを通し、分割された第二腰椎体60をネジによってネジ止めすることによって一体的に連結させる。これにより、上側連結体62は両上側支持片71に挟まれた状態で前後軸穴86に通されるボルトを回転軸として回動可能に軸止めされると共に、下側連結体63は両下側支持片72に挟まれた状態で前後軸穴87に通されるボルトを回転軸として回動可能に軸止めされる。続いて、分割された第三腰椎体61の股間部80におけるスライド溝86にスライド板87を嵌め込むと共に、股間部80の両側面に形成された開口84に蓋板85を嵌め込んだ後、両支持片79から突出した連結軸82を下側連結体63の左右軸穴89に対して嵌め込んで、第三腰椎体61の両支持片79に形成されたネジ穴81と下側連結体63の左右軸穴89とを連通させた後、連通した両支持片79のネジ穴81にネジを通すと共に、凹型軸部78のネジ穴83にネジを通し、分割された第三腰椎体61をネジによってネジ止めすることによって一体的に連結させる。これにより、下側連結体63は両支持片79に挟まれた状態で左右軸穴89に通されるネジを回転軸として回動可能に軸止めされる。
【0047】
そして、頚椎部21、胸椎部22及び腰椎部23によって胴体骨格部材7を組み立てる。頚椎部21の頚椎連結体29における下側軸受け部28に胸椎部22の胸椎連結体42の軸部41を嵌め込んでネジによって連結し、胸椎部22の胸椎体45における中央部43の中空部50に腰椎部23の第一腰椎体59における連結部65を差し込むことによって胴体骨格部材7を形成する。
【0048】
次に、胴体骨格部材7に外皮を被覆して胴体部3を組み立てる。胴体骨格部材7の頚椎部21側を上胴体外皮部材13で被覆する。この時、上胴体外皮部材13の人体の首付け根に当たる部分の開口から頚椎部21の上側頚椎体26における軸部25を突出させると共に、上胴体外皮部材13の人体の両腕付け根に当たる部分の開口から胸椎部22の第二回動体47における連結部58を覗かせる。続いて、胴体骨格部材7の腰椎部23側を下胴体外皮部材14で被覆する。この時、下胴体外皮部材14の上部を上胴体外皮部材13の下部に設けられた開口に差し込むと共に、下胴体外皮部材14の人体の両脚付け根に当たる部分の開口から腰椎部23の股間部80における連結軸95を突出させる。そして、上胴体外皮部材13の人体の首付け根に当たる部分の開口から突出した軸部25に頭外皮部材6を差し込んで固定する。
【0049】
次に、腕部4を組み立てる。先ず、第一上腕体105の杆部104を第二上腕体108の筒部106に差し込んで上腕骨格部97を形成し、第一上腕体105の両支持片103にて肩骨格部96の環部102を挟んでネジによって連結する。続いて、第二前腕体117の杆部115を第一前腕体114の筒部113に差し込んで前腕骨格部99を形成する。続いて、第二上腕体108の環部107と第一前腕体114の環部112とを上下に並べ、肘骨格部98を構成する両連結体120の小径半球体部121の軸受け部123に第二上腕体108の環部107の軸部111を嵌め込むと共に、大径半球体部122の軸受け部124に第一前腕体114の環部112の軸部119を嵌め込み、両連結体120を合わせてネジによって連結する。
そして、上腕骨格部99に上腕外皮部材15を被覆すると共に、前腕骨格部99に前腕外皮部材16を被覆する。この時、上腕外皮部材15の人体の腕付け根に当たる部分の開口から肩骨格部96の軸部101を突出させると共に、前腕外皮部材16の手付け根に当たる部分の開口から第二前腕体117のC字形咬合部116を覗かせる。最後に、第二前腕体117のC字形咬合部116を手骨格部100の球体部125に形成された縦溝127に嵌め込んで連結し、手骨格部100に手外皮部材17を被覆する。
【0050】
次に、脚部5を組み立てる。先ず、第一大腿体137の球体部135内に位置付けた股関節骨格部128の軸部134を軸受け部144に嵌め込んで分割された第一大腿体137をネジによって連結する。また、第一大腿体137の筒部136に円筒体138を嵌め込むと共に第二大腿体139の一端側を差し込み、第二大腿体139の他端側を第三大腿体142の筒部140に差し込むことによって大腿骨格部129を形成する。続いて、第一下腿体149の筒部148に第二下腿体150の一端側を差し込み、第二下腿体150の他端側を第三下腿体153の筒部151に差し込むことによって下腿骨格部131を形成する。続いて、第三大腿体142の扁平部141と第一下腿体149の扁平部147とを上下に並べ、膝骨格部130を構成する一方の扁平体157に形成された上側の軸部159を第三大腿体142の扁平部141の中空穴146に差し込むと共に、下側の軸部159を第一下腿体149の扁平部147の中空穴154に差し込み、両扁平体157を合わせてネジによって連結する。そして、大腿骨格部129を大腿外皮部材18で被覆すると共に、下腿骨格部131に下腿外皮部材19を被覆する。この時、大腿外皮部材18の人体の脚付け根に当たる部分の開口から股関節骨格部128の筒部133を突出させると共に、下腿外皮部材19の人体の足付け根に当たる部分の開口から第三大腿体154の環部152を突出させる。最後に、第三下腿体153の環部152と足骨格部132の足型台座163の軸部162とを上下に並べ、足骨格部132を構成する両連結体161の半球体部164の軸受け部165に第三下腿体153の環部152の軸部156を嵌め込むと共に、半円柱体部166の軸受け部167に足型台座163の軸部162を嵌め込み、両連結体161を合わせてネジによって連結して足骨格部132を形成し、足骨格部132に足外皮部材20を被覆する。
【0051】
そして、胴体部3における上胴体外皮部材13の開口から覗く連結部58に腕部4における上腕外皮部材15の開口から突出した軸部101を差し込んで連結すると共に、胴体部3における下胴体外皮部材14の開口から突出した連結軸95に脚部5における大腿外皮部材18の開口から突出した筒部133を被せることによって連結して人形玩具1を形成する。
【0052】
次に、本実施の形態に係る人形玩具1の股関節の動作を図12及び図13に基づいて説明する。なお、図12中、点線にて第三腰椎体61を示している。
【0053】
先ず、第三腰椎体61の股間部80に設けられたスライド板91を細溝92に嵌り込んだ突起94が該細溝92の上端に接触するまで上昇させることにより、脚部5を股間部80の所定位置に位置付けることで、図12の(a)に示すように、脚部5の各関節を伸ばして人形玩具1を直立姿勢にすることができる(図13の(a)参照)。次に、人形玩具1を直立姿勢にした状態から股関節を曲げて脚部5を前方に向かって回動させると、図12の(b)に示すように、脚部5を所定角度まで回動させた状態で脚部5の前面が胴体部3の下端に干渉し(図12の(b)中、矢印にて示す箇所)、それ以上脚部5を回動させることができなくなる(図13の(b)参照)。この状態において、股間部80に設けられたスライド板91を細溝92に嵌り込んだ突起94が該細溝92の下方へ下降させることにより、図12の(c)に示すように、脚部5の前面と胴体部の下端との間に隙間が生じるため、更に脚部5を回動させることができるようになり(図13の(c)参照)、図12の(d)に示すように、脚部5を前記所定角度以上に回動させることができるようになる(図13の(d)参照)。なお、スライド板91の突起94と細溝92の凹凸とが噛み合うことによってスライド溝90に対するスライド板91の位置を任意に固定することができるため、脚部5の回動角度に応じてスライド板91を下方に下降して固定することができるので、胴体部3と脚部5との間に隙間が生じ難くなる。
【0054】
実施の形態2.
【0055】
本実施の形態は、前記実施の形態1における第三腰椎体の変形例である。図14及び図15において図1〜図13と同一符号は同一又は相当部分を示している。本実施の形態に係る第三腰椎体61は、図14に示すように、凹型軸部78と、凹型軸部78の上側から上方に伸びる一対の支持片79,79を有していると共に、凹型軸部78の下側には人体の股間に当たる部分を構成する股間部80を有している。そして、両支持片79,79には、先端部にネジ穴81が形成されていると共に、互いに対抗する面からネジ穴81と連通する筒状の連結軸82が突出しており、股間部80には左右方向に横切るネジ穴169が形成されている。なお、第三腰椎体61は、左右に二分するように分割されており、各ネジ穴81,169にボルトを通し、両部材をネジ止めすることによって一体に形成されている。両部材の股間部80には、ネジ穴169の下側に後下がりに傾斜するように上下に伸びる縦長の通孔170が形成されており、両部材の対向する面には、通孔170を囲むように矩形状のスライド溝171が形成されている。そして、第三腰椎体61を構成する両部材の間には、U字状の基部172と該基部172の両面から突出する連結軸173とからなるスライド板174が挟まれるように位置付けられる。なお、スライド板174は、第三腰椎体61を構成する両部材のスライド溝171に基部172を嵌め込むと共に、通孔170から連結軸173を突出させるように位置付けられる。
【0056】
本実施の形態においては、先ず、第三腰椎体61のスライド板174を通孔170から突出した連結軸173が該通孔170の上端に接触するまで上昇させることにより、図15の(a)に示すように、脚部5の各関節を伸ばすことによって人形玩具1を直立姿勢にすることができる。次に、人形玩具1を直立姿勢にした状態から股関節を曲げて脚部5を前方に向かって回動させると、図15の(b)に示すように、脚部5を所定角度まで回動させた状態で脚部5の前面が胴体部3の下端に干渉し、それ以上脚部5を回動させることができなくなる。この状態において、図15の(c)に示すように、スライド板174を通孔170から突出した連結軸173が該通孔170の下側に降下させることにより、脚部5の前面と胴体部3の下端との間に隙間が生じるため、更に脚部5を回動させることができるようになり、図15の(d)に示すように、脚部5を前記所定角度以上に回動させることができるようになる。
【0057】
なお、実施の形態1においては、股間部に対して脚部を前下がりに傾斜するように上下方向にスライド移動できるように構成し、実施の形態2においては、股間部に対して脚部を後下がりに傾斜するように上下方向にスライド移動できるように構成したが、股間部に対して脚部が直線的に上下方向に移動できればよい。
【符号の説明】
【0058】
1 人形玩具
2 頭部
3 胴体部
4 腕部
5 脚部
6 頭外皮部材
7 胴体骨格部材
8 胴体外皮部材
9 腕骨格部材
10 腕外皮部材
11 脚骨格部材
12 脚外皮部材
13 上胴体外皮部材
14 下胴体外皮部材
15 上腕外皮部材
16 前腕外皮部材
17 手外皮部材
18 大腿外皮部材
19 下腿外皮部材
20 足外皮部材
21 頚椎部
22 胸椎部
23 腰椎部
26 上側頚椎体
29 頚椎連結体
30 下側頚椎体
31 コイルバネ
32 筒体
42 胸椎連結体
45 胸椎体
46 第一回動体
47 第二回動体
59 第一腰椎体
60 第二腰椎体
61 第三腰椎体
62 上側連結体
63 下側連結体
80 股間部
85 蓋体
90 スライド溝
91 スライド板
96 肩骨格部
97 上腕骨格部
98 肘骨格部
99 前腕骨格部
100 手骨格部
128 股関節骨格部
129 大腿骨格部
130 膝骨格部
131 下腿骨格部
132 足骨格部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨格体を外皮で被覆した人形玩具であって、骨格体が胴体骨格部材と該胴体骨格部材の股間部に回動可能に軸止される脚骨格部材とを備えており、胴体骨格部材に胴体外皮部材が被覆されて胴体部が形成されていると共に脚骨格部材に脚外皮部材が被覆されて脚部が形成されており、脚部が股間部をスライド移動できるようになっていることを特徴とする人形玩具。
【請求項2】
人形玩具を直立姿勢に保持した状態において、脚部が股間部を直線的にスライド移動できるようになっている請求項1記載の人形玩具。
【請求項3】
脚部が股間部をスライド移動できるように設置されたスライド板に対して回動可能に軸止されている請求項1又は2のいずれかに記載の人形玩具。
【請求項4】
前記請求項1乃至3のいずれかに記載された人形玩具の骨格体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−105859(P2012−105859A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257801(P2010−257801)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(399110362)株式会社ボークス (14)
【Fターム(参考)】