説明

仕分装置

【課題】効率良く仕分作業ができる仕分装置を提供する。
【解決手段】仕分装置1は、物品注文情報に基づいて物品Wを供給する物品供給部4と、物品Wを受け入れて仕分先別に貯留する物品貯留部5とを備える。仕分装置1は、物品貯留部5からの物品を受け入れて詰合部2に送出する物品送出部6を備える。物品貯留部5は、傾斜状に設けた回行可能な無端状貯留コンベヤ群11と、この無端状貯留コンベヤ群11を回行させる回行駆動手段12とを有する。無端状貯留コンベヤ群11は、複数の貯留コンベヤ13を無端状に連結して構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品を仕分先別に仕分け、この仕分けられた物品を被送出部に送出する仕分装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば物品注文情報に基づいて物品を供給する物品供給部と、この物品供給部からの物品を傾斜状のグラビティーコンベヤからなる貯留コンベヤ(分岐レーン)で受け入れて仕分先別(出荷先単位毎)に貯留する物品貯留部と、この物品貯留部からの物品を受け入れて積付ステーション等の被送出部に送出する物品送出部とを備える仕分装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−210471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の仕分装置では、物品貯留部を構成する複数の貯留コンベヤが物品供給部の片側に固定して配設されているため、その貯留コンベヤの数分の仕分け毎にバッチ(グループ)を切る必要があり、効率良く仕分作業ができないおそれがある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、効率良く仕分作業ができる仕分装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の仕分装置は、複数の物品を仕分先別に仕分け、この仕分けられた物品を被送出部に送出する仕分装置であって、物品注文情報に基づいて物品を供給する物品供給部と、この物品供給部からの物品を受け入れて仕分先別に貯留する物品貯留部と、この物品貯留部からの物品を受け入れて前記被送出部に送出する物品送出部とを備え、前記物品貯留部は、複数の貯留コンベヤが無端状に連結されて構成され、前記物品供給部から供給される物品を受け入れ、この受け入れた物品を一時的に貯留した後に前記物品送出部に搬出する回行可能な無端状貯留コンベヤ群と、この無端状貯留コンベヤ群を回行させる回行駆動手段とを有するものである。
【0006】
請求項2記載の仕分装置は、請求項1記載の仕分装置において、物品送出部は、無端状貯留コンベヤ群の貯留コンベヤから搬出される物品を受け入れ、この受け入れた物品を被送出部に送出する移動可能な送出コンベヤと、前記無端状貯留コンベヤ群の回行時に前記送出コンベヤを前記貯留コンベヤと同じ方向に同じ速度で移動させる移動駆動手段とを有するものである。
【0007】
請求項3記載の仕分装置は、請求項1または2記載の仕分装置において、貯留コンベヤは、受入部側から搬出部側に向って下り傾斜するグラビティーコンベヤであるものである。
【0008】
請求項4記載の仕分装置は、請求項1ないし3のいずれか一記載の仕分装置において、貯留コンベヤの搬送面は、常にその貯留コンベヤの上面に位置するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、物品貯留部が、複数の貯留コンベヤが無端状に連結されて構成された無端状貯留コンベヤ群と、この無端状貯留コンベヤ群を回行させる回行駆動手段とを有する構成であるから、貯留コンベヤの数分の仕分け毎にバッチを切る必要がなく、効率良く仕分作業ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の仕分装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1において、1は仕分装置で、この仕分装置1は、物品注文情報(オーダ情報)に基づいて複数の物品Wを仕分先別(仕分先単位)に自動的に仕分け、この仕分けられた物品Wを被送出部、すなわち例えば作業者Aの手作業によって仕分先毎の出荷容器Bに対し商品の詰合作業が行なわれる詰合部2に送出するものである。仕分対象物である物品Wは、例えば1個または同一種類の複数個の商品(図中、a,b,c……)が収容された上面開口状のケースである。なお、商品の種類等によってはケースを用いない場合もある。
【0012】
仕分装置1は、貯留していた物品Wを物品注文情報に基づいて切り出して供給する物品供給部4と、物品供給部4からの物品Wを受け入れて仕分先別に一時的に貯留する物品貯留部5と、物品貯留部5からの物品Wを受け入れて詰合部2に送出する物品送出部6とを備えている。
【0013】
物品供給部4は、搬送方向と直交する方向に互いに隣接して並設され物品Wを貯留搬送する複数の供給コンベヤ8を有している。供給コンベヤ8は、例えば物品注文情報に基づいてモータ等の駆動部からの動力で駆動する駆動式のローラコンベヤである。各供給コンベヤ8毎に、異なる種類の商品が収容された物品Wが貯留されている。
【0014】
物品貯留部5は、物品供給部4側から物品送出部6側に向って下り傾斜する傾斜状に設けられ、上位の物品供給部4から供給される物品Wを受け入れこの受け入れた物品Wを一時的に貯留した後に下位の物品送出部6に搬出する回行可能な無端状貯留コンベヤ群(回行コンベヤ棚)11と、この無端状貯留コンベヤ群11を供給コンベヤ8の搬送方向と直交する方向に回行させるモータ等の回行駆動手段12とを有している。
【0015】
無端状貯留コンベヤ群11は、例えば物品Wを貯留搬送する傾斜状の複数の貯留コンベヤ13が搬送方向と直交する方向に並んで位置するように無端状に連結されて構成されている。貯留コンベヤ13は、例えば受入部14側から搬出部15側に向って下り傾斜するフリーローラ式のグラビティーコンベヤで、このグラビティーコンベヤはコンベヤフレーム16を有し、このコンベヤフレーム16には複数のフリーローラ17が回転可能に設けられている。
【0016】
図2および図3に示すように、無端状貯留コンベヤ群11を構成する貯留コンベヤ13は、物品Wを載置搬送する搬送面13aが常に上面になるように、複数のチェーン等の支持無端体21に対して軸22を介して回動可能に取り付けられている。支持無端体21は、回行駆動手段12からの動力で水平方向の軸線Xを中心として回転する複数のスプロケット等の回転体23に掛け渡されている。
【0017】
また、図4に示すように、無端状貯留コンベヤ群11の上面側部分(往路部分)11aの上端に物品供給部4が連設され、無端状貯留コンベヤ群11の下面側部分(復路部分)11bの下端に物品送出部6が連設されている。そして、複数の貯留コンベヤ13のうち無端状貯留コンベヤ群11の上面側部分11aに位置する貯留コンベヤ13に対して物品供給部4から物品Wが供給されて一時的に貯留され、また複数の貯留コンベヤ13のうち無端状貯留コンベヤ群11の下面側部分11bに位置する貯留コンベヤ13から物品Wが物品送出部6に対して搬出される。
【0018】
さらに、図5および図6に示すように、貯留コンベヤ13のコンベヤフレーム16の下端部には、物品Wの物品送出部6側への移動、つまり貯留コンベヤ13の搬送面13a上を物品Wが自重で滑落するのを規制し所望時にその規制を解除するストッパ手段25が設けられている。ストッパ手段25は、水平方向の軸26を中心として回動するストッパ部材27と、このストッパ部材27を回動させるシリンダ等の駆動手段(図示せず)とを有している。ストッパ部材27は、貯留コンベヤ13の搬送面13a上の下端に位置する物品Wの前面に当接して物品Wの移動を規制する規制部28と、シリンダ等の駆動手段にて押圧される被押圧部29とにて構成されている。
【0019】
物品送出部6は、図1に示されるように、物品貯留部5の無端状貯留コンベヤ群11の貯留コンベヤ13から搬出される物品Wを受け入れこの受け入れた物品Wを詰合部2に送出する水平方向に移動可能な複数の送出コンベヤ31と、無端状貯留コンベヤ群11の回行時に送出コンベヤ31を下端部がその送出コンベヤ31の搬送始端部と対向する貯留コンベヤ13と同じ方向に同じ速度で移動させる移動駆動手段(図示せず)とを有している。
【0020】
送出コンベヤ31は、例えばモータ等の駆動部からの動力で駆動する駆動式のローラコンベヤである。送出コンベヤ31は、コンベヤフレーム32を有し、このコンベヤフレーム32には複数の搬送ローラ33が回転可能に設けられている。コンベヤフレーム32の脚部34の下端には、送出コンベヤ31の移動を案内するレール36上を走行する走行輪35が回転可能に設けられている。そして、走行輪35がモータ等の移動駆動手段からの動力で回転することにより送出コンベヤ31がレール36上を対向する貯留コンベヤ13と同じ方向に同じ速度で移動し、この送出コンベヤ31の移動時に貯留コンベヤ13から送出コンベヤ31へ物品Wが乗り移る。
【0021】
送出コンベヤ31は、所定位置である送出位置に位置した状態で物品Wを物品送出部6に送出した後、モータ等の移動駆動手段からの動力に基づく走行輪35の回転により元の受入開始位置まで移動する。
【0022】
詰合部2は、図1に示されるように、送出位置に位置した状態の送出コンベヤ31から送出される物品Wを受け入れて搬送する搬送コンベヤ41を有している。搬送コンベヤ41は、例えばモータ等の駆動部からの動力で駆動する駆動式のローラコンベヤである。搬送コンベヤ41の搬送終端側で作業者Aが物品W内から商品を取り出してコンベヤ42上の仕分先毎の出荷容器Bに入れ直す。商品が取り出されて空になったケースはケース搬送コンベヤ(図示せず)にて搬送される。
【0023】
次に、上記仕分装置1を用いて仕分作業をする場合について説明する。
【0024】
物品供給部4の供給コンベヤ8が物品注文情報に基づいて駆動して物品Wを切り出すと、この切り出された物品Wは、物品貯留部5の無端状貯留コンベヤ群11の上面側部分11aに位置する各仕分先毎の貯留コンベヤ13の搬送面13a上に乗り移り、この貯留コンベヤ13の搬送面13a上に貯留される。各貯留コンベヤ13の搬送面13a上には、物品注文情報に対応する各仕分先の物品Wが仕分先単位で貯留される。
【0025】
その後、貯留コンベヤ13上の物品Wは、仕分先単位のまま無端状貯留コンベヤ群11の回行とともに移動し、搬出されるべき送出コンベヤ31の対向位置に到達すると、ストッパ手段25による規制の解除に基づき貯留コンベヤ13と同期して移動する送出コンベヤ31へ搬出される。
【0026】
次いで、物品Wは、仕分先単位のまま送出コンベヤ31にて搬送コンベヤ41へ送出されて作業者Aの前まで搬送される。作業者Aは、物品W内から商品を取り出し、コンベヤ42上の仕分先毎の出荷容器Bに入れ直す。こうして仕分先単位の物品Wが出荷容器Bに収容される。
【0027】
そして、このような仕分装置1によれば、物品貯留部5が、各仕分先に対応する複数の貯留コンベヤ13が無端状に連結されて構成された無端状貯留コンベヤ群11とこの無端状貯留コンベヤ群11を回行させる回行駆動手段12とを有する構成であるから、貯留コンベヤ13の数分の仕分け毎にバッチを切る必要がないため、貯留コンベヤ13の数に規制されることなく、連続的な作業が可能となり、効率良く仕分作業ができる。
【0028】
なお、上記実施の形態では、貯留コンベヤ13が無端状貯留コンベヤ群11の上面側部分11aの位置および下面側部分11bの位置の両方の位置でその搬送面13aが上面になるように支持無端体21に設けられている構成について説明したが、例えば図7に示すように、無端状貯留コンベヤ群11の上面側部分11aの位置では貯留コンベヤ13の搬送面13aが上面となり、無端状貯留コンベヤ群11の下面側部分11bの位置では貯留コンベヤ13の搬送面13aが下面となる構成でもよい。この構成では、無端状貯留コンベヤ群11の上面側部分11aの上端に物品供給部4が連設され、無端状貯留コンベヤ群11の上面側部分11aの下端に物品送出部6が連設されている。
【0029】
また、送出コンベヤ31がレール36に沿って往復移動する構成について説明したが、送出コンベヤ31を固定して設け、無端状貯留コンベヤ群11の回行を停止した状態で物品Wが貯留コンベヤ13から送出コンベヤ31に搬出されるようにしてもよい。
【0030】
さらに、無端状貯留コンベヤ群11が回行したまま供給コンベヤ8から貯留コンベヤ13に物品Wの供給が行われる構成でもよく、無端状貯留コンベヤ群11が停止した状態で物品Wの供給が行われる構成でもよい。
【0031】
また、供給コンベヤ8や送出コンベヤ31等のライン数は任意であり、1本でもよい。
【0032】
さらに、無端状貯留コンベヤ群11が物品供給部4側から物品送出部6側に向って下り傾斜する傾斜状に設けられた構成には限定さず、水平状に設けた構成でもよい。
【0033】
また、物品供給部4から物品貯留部5への供給および物品貯留部5から物品送出部6への搬出は、レイアウトに応じて上面側部分11a或いは下面側部分11bのいずれの組合せでもよく、例えば図示しないが、無端状貯留コンベヤ群11の下面側部分11bの上端に物品供給部4を連設し、無端状貯留コンベヤ群11の上面側部分11aの下端に物品送出部6を連設した構成等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の仕分装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同上仕分装置の無端状貯留コンベヤ群の平面図である。
【図3】同上仕分装置の無端状貯留コンベヤ群の側面図である。
【図4】同上仕分装置の概略側面図である。
【図5】同上仕分装置の無端状貯留コンベヤ群のストッパ手段の側面図である。
【図6】同上ストッパ手段の解除状態の側面図である。
【図7】本発明の仕分装置の他の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 仕分装置
2 被送出部である詰合部
4 物品供給部
5 物品貯留部
6 物品送出部
11 無端状貯留コンベヤ群
12 回行駆動手段
13 貯留コンベヤ
14 受入部
15 搬出部
31 送出コンベヤ
W 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を仕分先別に仕分け、この仕分けられた物品を被送出部に送出する仕分装置であって、
物品注文情報に基づいて物品を供給する物品供給部と、
この物品供給部からの物品を受け入れて仕分先別に貯留する物品貯留部と、
この物品貯留部からの物品を受け入れて前記被送出部に送出する物品送出部とを備え、
前記物品貯留部は、
複数の貯留コンベヤが無端状に連結されて構成され、前記物品供給部から供給される物品を受け入れ、この受け入れた物品を一時的に貯留した後に前記物品送出部に搬出する回行可能な無端状貯留コンベヤ群と、
この無端状貯留コンベヤ群を回行させる回行駆動手段とを有する
ことを特徴とする仕分装置。
【請求項2】
物品送出部は、
無端状貯留コンベヤ群の貯留コンベヤから搬出される物品を受け入れ、この受け入れた物品を被送出部に送出する移動可能な送出コンベヤと、
前記無端状貯留コンベヤ群の回行時に前記送出コンベヤを前記貯留コンベヤと同じ方向に同じ速度で移動させる移動駆動手段とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の仕分装置。
【請求項3】
貯留コンベヤは、受入部側から搬出部側に向って下り傾斜するグラビティーコンベヤである
ことを特徴とする請求項1または2記載の仕分装置。
【請求項4】
貯留コンベヤの搬送面は、常にその貯留コンベヤの上面に位置する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の仕分装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−63082(P2008−63082A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−242804(P2006−242804)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)
【Fターム(参考)】