説明

仕分装置

【課題】受入空間部への進入時における物品の姿勢の安定化を図ることができ、集積空間部に物品を適切に集積できる仕分装置を提供する。
【解決手段】仕分装置1は、搬送中の物品Wを仕分ける仕分手段5と、仕分けた物品Wを起立姿勢で集積する集積手段6とを具備する。集積手段6は、物品Wを斜め下方に移動させる案内体42と、案内体42からの物品Wを受け止めて支持する支持体43と、支持体43の上方に位置する受入空間部44および集積空間部45とを有する。集積手段6は、集積空間部45に移動可能に配設した移動ストッパ体46と、受入空間部44内に対して進退する押出体81とを備える。案内体42と離間対向する位置に、物品Wを受入空間部44へ誘導する誘導体83を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積空間部に物品を適切に集積できる仕分装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された仕分装置が知られている。
【0003】
この従来の仕分装置は、物品を横倒姿勢で搬送方向に搬送する搬送手段と、この搬送手段にて搬送中の物品を仕分ける仕分手段と、この仕分手段にて仕分けられた物品を起立姿勢で集積する集積手段とを具備している。
【0004】
そして、集積手段は、仕分けられた物品を斜め下方に移動させる案内体と、この案内体からの物品を受け止めて物品の下端部を支持するテーブル等の支持体と、この支持体の上方に位置する受入空間部および集積空間部とを備えている。また、集積手段は、集積空間部に移動可能に配設された移動ストッパ体と、受入空間部内の作用位置と受入空間部外の非作用位置との間で移動可能で、非作用位置に位置した状態時には案内体からの物品の受入空間部への進入を許容し、作用位置への移動時には受入空間部の物品を集積空間部へ押し出し、作用位置に位置した状態時には集積空間部に物品が起立姿勢で集積されるように起立姿勢の物品を移動ストッパ体との間で挟持する押出体とを備えている。
【特許文献1】特開2002−205817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の仕分装置では、例えば物品の種類によっては、受入空間部への進入時における物品の姿勢が不安定であり、集積空間部での物品の集積状態が悪くなるおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、物品の種類に拘わらず、受入空間部への進入時における物品の姿勢の安定化を図ることができ、集積空間部に物品を適切に集積できる仕分装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の仕分装置は、物品を横倒姿勢で搬送方向に搬送する搬送手段と、この搬送手段にて搬送中の物品を仕分ける仕分手段と、この仕分手段にて仕分けられた物品を起立姿勢で集積する集積手段とを具備し、前記集積手段は、仕分けられた物品を斜め下方に移動させる案内体と、この案内体からの物品を受け止め、物品の下端部を支持する支持体と、この支持体の上方に位置する受入空間部および集積空間部と、この集積空間部に移動可能に配設された移動ストッパ体と、前記受入空間部内の作用位置と前記受入空間部外の非作用位置との間で移動可能であり、前記非作用位置に位置した状態時には前記案内体からの物品の前記受入空間部への進入を許容し、前記作用位置への移動時には前記受入空間部の物品を前記集積空間部へ押し出し、前記作用位置に位置した状態時には前記集積空間部に物品が起立姿勢で集積されるように起立姿勢の物品を前記移動ストッパ体との間で挟持する押出体と、前記案内体と対向して位置し、物品を前記受入空間部へ誘導する誘導体とを備えるものである。
【0008】
請求項2記載の仕分装置は、請求項1記載の仕分装置において、誘導体は、案内体の上方で略鉛直状に位置する弾性変形可能な誘導板を有し、前記誘導板の上端部が被取付部に取り付けられ、前記誘導板の下端部が自由端部になっているものである。
【0009】
請求項3記載の仕分装置は、請求項1または2記載の仕分装置において、移動ストッパ体は、起立姿勢の物品を支持する傾斜状の支持面部を有し、作用位置に位置した状態の押出体と前記支持面部との間で起立姿勢の物品が挟持され、この挟持時にはその起立姿勢の物品の前記支持面部側の面が前記支持面部によって面接触状態で支持されるものである。
【0010】
請求項4記載の仕分装置は、請求項1ないし3のいずれか一記載の仕分装置において、仕分手段は、搬送手段の搬送方向と交差する方向に移動することにより物品を前記搬送手段の側方に払い出して仕分ける払出体およびこの払出体を移動させる駆動部を備え、物品のサイズに応じて前記駆動部が制御されて前記払出体の移動速度が調整されるものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、集積手段が案内体と対向して位置し物品を受入空間部へ誘導する誘導体を備えるため、物品の種類に拘わらず、受入空間部への進入時における物品の姿勢の安定化を図ることができ、集積空間部に物品を適切に集積できる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、案内体の上方で略鉛直状に位置する弾性変形可能な誘導板によって、物品を受入空間部へスムーズに誘導できる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、移動ストッパ体の傾斜状の支持面部によって、起立姿勢の物品を面接触状態で支持でき、その起立姿勢を適切に維持できる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、物品のサイズに応じて駆動部が制御されて払出体の移動速度が調整されるため、受入空間部への進入時における物品の姿勢の安定化をより一層図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の仕分装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1ないし図4において、1は仕分装置で、この仕分装置1は、搬入装置2から搬入される物品Wを受け入れ、この受け入れた物品Wを仕分情報に基づいて自動仕分けするものである。物品Wは、例えば剛性がなくかつ様々なサイズがある書籍等で、長さおよび幅に比べて厚さが比較的薄い略矩形板状のものである。
【0017】
仕分装置1は、物品Wを搬送面3に載せて横倒姿勢(厚さ方向が上下方向に一致した姿勢)で水平な搬送方向aに搬送する1つの搬送手段4と、搬送手段4の搬送面3にて搬送中の物品Wを仕分位置で搬送手段4の側方に払い出して仕分ける複数(例えば3つ)の仕分手段5と、搬送手段4の両側方にそれぞれ配設され仕分手段5にて仕分けられた物品Wを若干傾斜した起立姿勢で集積する複数(例えば6つ)の集積手段6とを具備している。
【0018】
なお、集積手段6で集積方向bに互いに重ね合わされた状態で集積される物品Wの起立姿勢とは、例えば図4に示されるように、長さ方向が上下方向に対して若干傾斜した集積起立姿勢である。その傾斜角度αは、例えば略15度である。
【0019】
搬送手段4は、脚部材11にて支持された基台12上に配設されている。この搬送手段4は、無端体であるベルト13、このベルト13を回行させる駆動手段(図示せず)、ベルト13の往路面部13aの下面を下方から支持するベルト支持板14、ベルト13の往路面部13aの蛇行を防止する搬送方向両側の蛇行防止用のガイド部材15等を有している。ベルト13の往路面部13aの上面にて、物品Wを搬送する搬送面3が構成されている。
【0020】
そして、駆動手段からの動力でベルト13が回行すると、搬送面3上に互いに間隔をおいて載せられた複数の物品Wは、その搬送面3にて横倒姿勢のまま搬送方向aに間隔をおいて順次搬送される。
【0021】
各仕分手段5は、搬送手段4の上方に配設され、搬送手段4の各仕分位置に対応して位置している。すなわち各仕分手段5は、基台12に立設されたフレーム20にそれぞれ取り付けられている。
【0022】
各仕分手段5は、フレーム20に回転可能に設けられた回転軸21を備え、この回転軸21の軸方向両端部にはスプロケット等の回転体22が固着されている。互いに離間対向する回転体22にはチェーン等の無端体23が回行可能に掛け渡され、対をなす無端体23には、搬送手段4の搬送方向aと直交(交差)する水平方向に移動することにより物品Wを搬送手段4の側方に払い出して仕分ける略板状の複数(例えば3つ)の払出体24が両無端体23に跨った状態で固着されている。すなわち無端体23の一方向への回行で払出体24が一方側へ移動して物品Wが搬送手段4の一側方に払い出され、無端体23の他方向への回行で払出体24が他方側へ移動して物品Wが搬送手段4の他側方に払い出される。
【0023】
また、一方の回転軸21には払出体24を移動させる正逆回転可能なモータ等の駆動部26が連結され、この駆動部26には物品Wのサイズに応じて駆動部26を制御して払出体24の移動速度を調整する制御部27が電気的に接続され、この制御部27には検知部28が電気的に接続されている。
【0024】
そして、駆動部26からの動力で回転軸21が回転して無端体23が回行すると、払出体24が搬送方向aと直交する水平方向に移動し、その結果、搬送手段4の搬送面3上の物品Wが、払出体24にて搬送手段4の搬送面3の側方に集積手段6側へ押動されるように払い出されて仕分けられる。
【0025】
ここで、図5(a)に示すように、検知部28は、複数、例えば2つのセンサ、すなわち第1センサ31およぶ第2センサ32を有し、これら2つのセンサ31,32は、搬送手段4の搬送始端近傍に位置するセンサ被取付部34に取り付けられている(図1参照)。各センサ31,32は、例えば物品Wにより遮光されてオン状態になる光センサ等である。また、第1センサ31がスタート検知用、第2センサ32が物品長さ検知用のものである。
【0026】
そして、図5(b)に示すように、物品Wが例えば文庫本等で、物品Wのサイズが基準サイズ未満の場合には、第1センサ31のみが物品Wにて遮光されてオン状態になる。この場合、制御部27は、エンコーダパルス等にて搬送面3上での物品Wの位置を把握し、物品Wが仕分情報に対応する仕分位置に到達したと判断すると、駆動部26を制御して払出体24を所定距離(搬送面3の幅寸法以上の距離)だけ連続移動させ、この払出体24の連続移動により物品Wが払い出される。
【0027】
一方、図5(c)に示すように、物品Wの長さが基準長さより長く、物品Wのサイズが基準サイズ以上の場合には、第1センサ31および第2センサ32が物品Wにて同時に遮光されてオン状態になる。この場合、制御部27は、エンコーダパルス等にて搬送面3上の物品Wの位置を把握し、物品Wが仕分情報に対応する仕分位置に到達したと判断すると、駆動部26を制御して払出体24を所定距離移動させた後、物品Wの払い出し動作途中で所定時間一時停止させ、再び所定距離移動させ、こうした払出体24の断続移動により物品Wが集積手段6へ払い出される。
【0028】
各集積手段6は、搬送手段4の左右両側方にそれぞれ配設され、その搬送手段4の各仕分位置に対応して位置している。
【0029】
各集積手段6は、仕分手段5の払出体24にて仕分けられた物品Wをその自重で案内面41上を斜め下方に移動させる案内体42と、この案内体42からの物品Wを受け止めその物品Wの下端部を支持する支持体43と、この支持体43の上方に位置する受入空間部44および集積空間部45と、この集積空間部45に集積方向bに沿って支持体43上で移動可能に配設された移動ストッパ体46とを備えている。
【0030】
案内体42は、下り傾斜状の第1案内シュート51と、この第1案内シュート51の下端に連設されこの第1案内シュート51より傾斜角度が大きい下り傾斜状の第2案内シュート52とを有している。第1案内シュート51は例えば回転自在の複数のコロ53を有するコロシュート54にて構成され、第2案内シュート52は例えば傾斜板55にて構成されている。
【0031】
また、案内体42の下り傾斜状の案内面41の両側には、互いに離間対向し物品Wを受入空間部44へガイドする対をなす板状のガイド部材56,57が立設されている。
【0032】
支持体43は、例えば脚部材61にて略水平状に支持されたテーブル等の水平板62にて構成されている。支持体43の上面は、物品Wとの間で生じる摩擦抵抗が比較的小さい水平面状の支持面63になっており、この支持面63は、案内体42の案内終端部である下端部から離れてこの下端部より下方に配置されている。また、支持体43の水平状の支持面63の両側には、互いに離間対向し物品Wおよび移動ストッパ体46を水平な集積方向bに沿ってガイドする対をなす板状のガイド部材64が立設されている。
【0033】
また、支持体43の支持面63における集積方向bの先端部には、移動ストッパ体46と当接してこの移動ストッパ体46の集積方向bへの移動を規制する板状のストッパ部材66が立設されている。
【0034】
移動ストッパ体46は、支持体43の支持面63上に両ガイド部材64間に位置した状態で集積方向bに沿ってスライド移動可能に載置された錘部である基部71と、この基部71に設けられ上下方向長さが起立姿勢の物品Wの上下方向長さよりも長い傾斜状の支持面部72とを有している。基部71は、案内体42からの物品Wが受入空間部44に進入して移動ストッパ体46に直接または物品Wを介して当接した場合でも、支持体43の支持面63との間の摩擦で動かない程度の質量を有している。また、支持面部72は、板部材である略矩形板状の支持板74にて構成され、この支持板74が基部71に上下方向に対して傾斜状に取り付けられ、その支持板74の略上半部が基部71から上方に向って突出している。
【0035】
なお、移動ストッパ体46全体の質量は、例えば1.5kgである。
【0036】
また、各集積手段6は、受入空間部44内に対して進退可能、つまり受入空間部44内の作用位置と受入空間部44外の非作用位置との間で移動可能な押出体81と、この押出体81を作用位置と非作用位置との間で移動させる駆動手段82と、案内体42と離間対向した状態でこの案内体42の上方に位置し物品Wを受入空間部44へ誘導し物品Wの姿勢を案内体42の下端部に寄りかかった若干傾斜した起立姿勢にする誘導体83とを備えている。
【0037】
押出体81は、例えば鉛直板部84および水平板部85を有する板部材86にて構成されている。鉛直板部84の上下方向長さは案内体42の下端と支持体43との間の距離と略同じで、鉛直板部84の幅方向長さは両ガイド部材64間の距離と略同じである。
【0038】
駆動手段82は、例えば伸縮可能なエアシリンダ等のシリンダ87にて構成され、このシリンダ87は、案内体42の下方に配設されたシリンダ本体88とこのシリンダ本体88内に出入りするロッド89とを有し、このロッド89の先端が押出体81の鉛直板部84に連結固定されており、シリンダ87の伸縮に応じて押出体81が受入空間部44内に対して進退する。
【0039】
そして、シリンダ87の縮み状態時つまり押出体81が非作用位置に位置した状態時には押出体81は案内体42からの物品Wの受入空間部44への進入を許容し、シリンダ87の伸び動作による押出体81の非作用位置から作用位置への移動時には押出体81は受入空間部44の物品Wを集積空間部45へ押し出すとともに移動ストッパ体46を集積方向bにその物品Wの厚さ分だけ移動させかつ物品Wの姿勢を移動ストッパ体46側に下端側を中心として回動させるようにして起立姿勢にし、シリンダ87の伸び状態時つまり押出体81が作用位置に位置した状態時には集積空間部45に物品Wが起立姿勢で集積されるように起立姿勢の物品Wを移動ストッパ体46との間で挟持する。
【0040】
誘導体83は、案内体42の第2案内シュート52の上方でかつ第1案内シュート51の案内方向前方に略鉛直状に位置する弾性変形可能な誘導板91を有している。この誘導板91の上端部は被取付部92に取り付けられ、誘導板91の下端部が自由端部91aになっている。そして、誘導板91の上端部は搬送手段4の搬送面3より高い位置にあり、誘導板91の下端部である自由端部91aは第1案内シュート51の下端と略同じ高さに位置している。
【0041】
また、被取付部92は、取付板93に固着された曲面ブラケット94にて構成され、この曲面ブラケット94は、被取付面部95と、この被取付面部95の下端に曲面部96を介して連設され反搬送手段4側に向って突出する突出面部97とを有している。
【0042】
そして、例えばビス等の取付具98によって誘導板91の上端部が曲面ブラケット94の被取付面部95と押え板99とにて挟持されることにより、誘導板91が被取付部92である曲面ブラケット94に脱着可能に取り付けられている。
【0043】
また、押え板99の誘導板91側とは反対側の面には補助誘導板100が両面テープ等にて取り付けられ、この補助誘導板100にて押え板99が覆い隠されている。補助誘導板100の上下方向長さが誘導板91の上下方向長さの略半分の大きさで、その下端部が自由端部100aとなっており、この自由端部100aは搬送手段4の搬送面3と略同じ高さに位置している。こうして誘導体83は、誘導板91と補助誘導板100とによる2重のれん構造になっている。
【0044】
なお、誘導板91および補助誘導板100は、いずれも物品Wとの間で生じる摩擦抵抗が比較的小さい樹脂製或いは金属製の板部材等にて構成されている。また、補助誘導板100には基準サイズ以上の物品(分厚い物、長尺物)Wが接触し、補助誘導板100はその物品Wを下方側に誘導する。
【0045】
さらに、曲面ブラケット94が曲面部96を有する形状であるため、誘導板91の弾性変形時に誘導板91が曲面部96に接触して傷付くようなことがなく、誘導板91の保護が図られる。
【0046】
また一方、受入空間部44に向って開口する複数の孔101が形成されており、これら複数の孔101のうち物品Wの種類等に応じて選択された1つの孔101内には異常検知用のセンサ102が配設されている。このセンサ102は、例えば物品Wにより遮光されてオン状態になる光センサ等である。
【0047】
なお、制御手段である制御部27には、駆動部26および検知部28に加え、シリンダ87およびセンサ102等が電気的に接続され、また制御部27には仕分情報等を管理する上位コンピュータが電気的に接続されている。
【0048】
次に、上記仕分装置1の作用等を図面を参照して説明する。
【0049】
まず、物品Wが文庫本等でそのサイズが基準サイズ未満の場合の集積動作を説明する。
【0050】
図6に示す状態では、押出体81が受入空間部44に進出して作用位置に位置し、例えば仕分け済みの2つの物品Wが、その押出体81と移動ストッパ体46との間で厚さ方向両側から挟持されて所望の集積起立姿勢で集積されている。
【0051】
そして、図7に示すように、仕分手段5の払出体24が移動し、払出体24による物品Wの払い出し動作が開始された後、一定時間経過すると、集積手段6のシリンダ87が縮み動作を開始する。
【0052】
シリンダ87が縮み動作を行うと、図8に示すように、押出体81が作用位置から非作用位置に移動して受入空間部44から後退し、案内体42上を滑り落ちてくる物品Wの受入空間部44への進入が許容される状態になる。
【0053】
そして、払出体24にて払い出されて仕分けられた物品Wは、図8ないし図10に示すように、案内体42上を自重で滑り落ちるように移動し、その移動途中で移動方向前端部が誘導体83の下端側に接触することにより受入空間部44へ誘導され、案内体42の下端部に寄りかかった若干傾斜した起立姿勢になる。
【0054】
すなわち、物品Wは、案内体42上の斜め下方への移動時に、誘導体83との接触により移動方向への勢いが弱められ、常に図10に示す一定姿勢である寄りかかり起立姿勢となって、受入空間部44のうち集積済みの起立姿勢の物品Wと干渉しない位置に進入する。この際、誘導体83の下端側は、物品Wとの接触により弾性変形する。
【0055】
続いて、図11に示すように、シリンダ87の縮み動作完了後の一定時間経過後、シリンダ87の伸び動作により押出体81が非作用位置から作用位置へ移動し、この移動により物品Wが支持体43上で受入空間部44から集積空間部45へ押し出されるとともに、移動ストッパ体46が支持体43上で集積方向bにその物品Wの厚さ分移動する。
【0056】
この際、物品Wは、支持体43上を集積方向bに移動しつつ、下端側を中心とする回動により寄りかかり起立姿勢から所望の起立姿勢である集積起立姿勢に姿勢変化し、先行した2つの物品Wとともに押出体81の鉛直板部84と移動ストッパ体46の支持面部72との間で挟持される。
【0057】
なお、例えば押出体81の水平板部85上に物品Wが載ったため、物品Wが集積空間部45へ押し出されず、異常検知用のセンサ102が物品Wにて物品Wにて遮光されてオン状態になった場合には、シリンダ87が再度動作する。
【0058】
またここでいう寄りかかり起立姿勢は、物品Wの長さ方向が上下方向に対して反集積方向bに向って傾斜した姿勢であり、集積起立姿勢は、物品Wの長さ方向が上下方向に対して集積方向bに向って傾斜した姿勢である。
【0059】
次に、物品Wが基準サイズ以上の場合(例えば物品Wの長さが基準長さより長い場合)の集積動作を説明する。
【0060】
図12に示す状態では、押出体81が受入空間部44に進出して作用位置に位置し、例えば仕分け済みの2つの物品Wが、その押出体81と移動ストッパ体46との間で厚さ方向両側から挟持されて所望の集積起立姿勢で集積されている。
【0061】
そして、図13に示すように、仕分手段5の払出体24が移動し、払出体24による物品Wの払い出し動作が開始された後、一定時間経過すると、集積手段6のシリンダ87が縮み動作を開始する。
【0062】
シリンダ87が縮み動作を行うと、図14に示すように、押出体81が作用位置から非作用位置に移動して受入空間部44から後退し、案内体42上を滑り落ちてくる物品Wの受入空間部44への進入が許容される状態になる。
【0063】
また、物品Wが基準サイズ以上であるため、払出体24は図14に示す状態で所定時間(数秒)だけ一時停止し、このとき、物品Wは自重で横倒姿勢から姿勢変化して斜め下方への移動を開始し、物品Wの移動方向前端部が誘導体83に接触する。
【0064】
そして、図15に示すように、物品Wが姿勢変化した後、払出体24は残りの払い出し動作を再開し、物品Wの移動方向後端部を押すようにして物品Wを払い出す。こうして払出体24にて払い出されて仕分けられた物品Wは、図15および図16に示すように、案内体42上を自重で滑り落ちるように移動し、その移動途中で移動方向前端部が誘導体83の下端側に接触することにより受入空間部44へ誘導され、案内体42の下端部に寄りかかった若干傾斜した起立姿勢になる。すなわち、基準サイズ以上の物品Wも、基準サイズ未満の物品Wと同様、案内体42上の斜め下方への移動時に、誘導体83との接触により移動方向への勢いが弱められ、常に図16に示す一定姿勢である寄りかかり起立姿勢となって受入空間部44に進入する。この際、誘導体83の下端側は、物品Wとの接触により弾性変形する。
【0065】
続いて、図17に示すように、押出体81が作用位置へ移動すると、図11の場合と同様、物品Wが支持体43上で受入空間部44から集積空間部45へ押し出されるとともに、移動ストッパ体46が支持体43上で集積方向bにその物品Wの厚さ分移動する。この際、物品Wは、支持体43上を集積方向bに移動しつつ、下端側を中心とする回動により寄りかかり起立姿勢から所望の起立姿勢である集積起立姿勢に姿勢変更され、先行した2つの物品Wとともに押出体81の鉛直板部84と移動ストッパ体46の支持面部72との間で挟持される。
【0066】
そして、上記のような集積動作の繰り返しにより、図18に示すように、サイズが異なる複数の物品Wが支持体43上の集積空間部45に安定した集積起立姿勢で集積される。
【0067】
このように仕分装置1によれば、集積手段6が案内体42と離間対向して位置し物品Wをこの物品Wが案内体42の下端部に寄りかかる一定姿勢になるように受入空間部44へ誘導する誘導体83を備えるため、物品Wの種類に拘わらず、受入空間部44への進入時における物品Wの姿勢の安定化を図ることができ、よって、複数の物品Wを集積空間部45に所望の集積起立姿勢のまま適切に集積できる。
【0068】
すなわち例えば払出体24による払い出し後の物品Wの動きが略一定となり、物品Wのねじれ、めくれ、曲がり等が発生することがなく、物品Wを集積空間部45に集積起立姿勢で適切に集積できる。例えば物品Wがその下部に巻かれた帯を有する書籍であっても、その帯に後続の物品Wが引っ掛るような不具合が生じず、書籍の表面に付加された付加価値部分である帯を破損することがない。
【0069】
また、案内体42の上方で略鉛直状に位置する弾性変形可能な誘導板91によって、物品Wを傷付けることなく、物品Wを受入空間部44へスムーズに誘導できる。
【0070】
さらに、移動ストッパ体46の傾斜状の支持面部72によって、集積起立姿勢の物品Wを面接触状態で安定支持でき、その集積起立姿勢を適切に維持できる。
【0071】
また、仕分手段5が物品Wのサイズに応じて駆動部26を制御して払出体24の移動速度を調整する制御部27を備えるため、受入空間部44への進入時における物品Wの姿勢の安定化をより一層図ることができる。
【0072】
なお、上記実施の形態では、傾斜状の案内体42を基台12に対して固定した構成について説明したが、例えば案内体42の傾斜角度が変更する構成等でもよい。
【0073】
すなわち例えば図19に示すように、コロシュート54からなる第1案内シュート51が案内始端側である上端側を中心として案内終端側である下端側が昇降するように回動する構成としてもよい。
【0074】
この第1案内シュート51の回動は、例えばカウンタウエイトを用いた自重方式で、物品Wの質量が基準質量未満の場合に回動せず、基準質量以上の場合に所定角度回動する方式でもよく、また例えばモータ等のアクチュエータ方式で、物品Wのサイズが基準サイズ未満の場合には回動せず、基準サイズ以上の場合に所定角度回動する方式でもよい。
【0075】
そして、例えば物品Wが文庫本等でそのサイズが基準サイズ未満の場合、図19ないし図24に示すように、上述した図6ないし図11に示す集積動作と同様、第1案内シュート51は回動せず一定の状態まま、物品Wは、案内体42上を自重で滑り落ちるように移動し、その移動途中で誘導体83にて受入空間部44へ誘導され、その受入空間部44では寄りかかり起立姿勢となり、その後、押出体81の押動で寄りかかり起立姿勢から集積起立姿勢に姿勢変化し、先行した2つの物品Wとともに押出体81と移動ストッパ体46との間で挟持される。
【0076】
また、例えば物品Wが基準サイズ以上の場合は、図25ないし図29に示すように、上述した図12ないし図17に示す集積動作と比べて、物品Wが第1案内シュート51上に乗り移ると第1案内シュート51が下方回動し、物品Wが第1案内シュート51上から離れると第1案内シュート51が上方回動する点のみで異なり、その他の動作は同じである。
【0077】
このように第1案内シュート51の回動で案内体42の傾斜角度が変更する構成にした場合には、受入空間部44への進入時における物品Wの姿勢の安定化をより一層図ることができ、物品Wを集積空間部45に適切に集積できる。
【0078】
また、いずれの実施の形態においても、集積手段6で集積される物品Wの集積起立姿勢は、傾いた姿勢でなく、長さ方向が上下方向に一致した姿勢でもよい。
【0079】
また、仕分手段5の制御部27は、物品Wのサイズが基準サイズ以上のときに払出体24を払い出し動作の途中で一回だけ一時停止させるものには限定されず、例えば払い出し動作の途中で複数回停止させるものでもよく、また例えば払出体の移動速度を払い出し動作の前半より払い出し動作の後半を遅くするもの等でもよい。
【0080】
さらに、案内体42は、2つのシュート51,52にて構成されたものには限定されず、下り傾斜状の1つのシュートのみにて構成されたもの等でもよい。
【0081】
また、移動ストッパ体46は、上下方向長さが起立姿勢の物品Wの上下方向長さよりも長い傾斜状の支持面部72を有するものには限定されず、支持面部72の上下方向長さが起立姿勢の物品Wの上下方向長さより少し短いものでもよい。
【0082】
さらに、移動ストッパ体46の支持面部72の幅寸法は物品Wの幅寸法より小さくてもよく、物品Wの幅寸法と略同じでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の一実施の形態に係る仕分装置の斜視図である。
【図2】同上仕分装置の側面図である。
【図3】同上仕分装置の正面図である。
【図4】同上仕分装置の正面図である。
【図5】(a)〜(c)は同上仕分装置の検知部の説明図である。
【図6】同上仕分装置の集積手段にて基準サイズ未満の物品を集積する場合の説明図である。
【図7】図6に続く集積動作の説明図である。
【図8】図7に続く集積動作の説明図である。
【図9】図8に続く集積動作の説明図である。
【図10】図9に続く集積動作の説明図である。
【図11】図10に続く集積動作の説明図である。
【図12】同上集積手段にて基準サイズ以上の物品を集積する場合の説明図である。
【図13】図12に続く集積動作の説明図である。
【図14】図13に続く集積動作の説明図である。
【図15】図14に続く集積動作の説明図である。
【図16】図15に続く集積動作の説明図である。
【図17】図16に続く集積動作の説明図である。
【図18】同上集積手段にて集積された物品の集積状態を示す説明図である。
【図19】本発明の他の実施の形態の集積手段にて基準サイズ未満の物品を集積する場合の説明図である。
【図20】図19に続く集積動作の説明図である。
【図21】図20に続く集積動作の説明図である。
【図22】図21に続く集積動作の説明図である。
【図23】図22に続く集積動作の説明図である。
【図24】図23に続く集積動作の説明図である。
【図25】同上集積手段にて基準サイズ以上の物品を集積する場合の説明図である。
【図26】図25に続く集積動作の説明図である。
【図27】図26に続く集積動作の説明図である。
【図28】図27に続く集積動作の説明図である。
【図29】図28に続く集積動作の説明図である。
【符号の説明】
【0084】
1 仕分装置
4 搬送手段
5 仕分手段
6 集積手段
24 払出体
26 駆動部
42 案内体
43 支持体
44 受入空間部
45 集積空間部
46 移動ストッパ体
72 支持面部
81 押出体
83 誘導体
91 誘導板
91a 自由端部
92 被取付部
W 物品
a 搬送方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を横倒姿勢で搬送方向に搬送する搬送手段と、
この搬送手段にて搬送中の物品を仕分ける仕分手段と、
この仕分手段にて仕分けられた物品を起立姿勢で集積する集積手段とを具備し、
前記集積手段は、
仕分けられた物品を斜め下方に移動させる案内体と、
この案内体からの物品を受け止め、物品の下端部を支持する支持体と、
この支持体の上方に位置する受入空間部および集積空間部と、
この集積空間部に移動可能に配設された移動ストッパ体と、
前記受入空間部内の作用位置と前記受入空間部外の非作用位置との間で移動可能であり、前記非作用位置に位置した状態時には前記案内体からの物品の前記受入空間部への進入を許容し、前記作用位置への移動時には前記受入空間部の物品を前記集積空間部へ押し出し、前記作用位置に位置した状態時には前記集積空間部に物品が起立姿勢で集積されるように起立姿勢の物品を前記移動ストッパ体との間で挟持する押出体と、
前記案内体と対向して位置し、物品を前記受入空間部へ誘導する誘導体とを備える
ことを特徴とする仕分装置。
【請求項2】
誘導体は、案内体の上方で略鉛直状に位置する弾性変形可能な誘導板を有し、
前記誘導板の上端部が被取付部に取り付けられ、前記誘導板の下端部が自由端部になっている
ことを特徴とする請求項1記載の仕分装置。
【請求項3】
移動ストッパ体は、起立姿勢の物品を支持する傾斜状の支持面部を有し、
作用位置に位置した状態の押出体と前記支持面部との間で起立姿勢の物品が挟持され、この挟持時にはその起立姿勢の物品の前記支持面部側の面が前記支持面部によって面接触状態で支持される
ことを特徴とする請求項1または2記載の仕分装置。
【請求項4】
仕分手段は、搬送手段の搬送方向と交差する方向に移動することにより物品を前記搬送手段の側方に払い出して仕分ける払出体およびこの払出体を移動させる駆動部を備え、
物品のサイズに応じて前記駆動部が制御されて前記払出体の移動速度が調整される
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の仕分装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−126636(P2009−126636A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−302822(P2007−302822)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)
【Fターム(参考)】