説明

位置データの誤差修正

表面上をナビゲートするように構成された電子デバイスの位置データにおけるシステム的誤差を修正するためのシステム、装置及び方法。位置誤差を修正するように構成された装置は、1つ以上のナビゲーションセンサと、1つ以上のナビゲーションセンサを制御し、複数のナビゲーション測定値を取得し、1つ以上のスケールファクタによりナビゲーション測定値を調節して媒体上の装置の移動パスを判断するように構成された位置モジュールとを備える。1つ以上のスケールファクタは、複数のナビゲーション測定値を取得して装置の検出された移動パスを判断し、装置の実際の移動パスと装置の検出された移動パスを比較し、少なくとも一部は実際の移動パスと検出された移動パスとの間の差異に基づいて1つ以上のスケールファクタを生成することにより構成されてもよい。他の実施形態についても記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許仮出願番号60/954、473号、発明の名称「分散測定システムにおけるシステム的誤差を修正するための一般的方法」、及び同60/954、476号、発明の名称「非直線プリンタにおけるオフセット誘導モーションを除去する方法」、両者とも2007年8月7日に出願、の優先権を主張するものであり、全ての開示は、その全体を参照することにより、本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施形態は位置検出の分野に係り、更に詳しくは、表面を横断してナビゲートするように構成された電子デバイスの位置データにおけるシステム的誤差を修正する分野に係る。
【背景技術】
【0003】
従来、印刷装置においては、他の機構が媒体を直交方向に前進するにつれ機械的に作動されるキャリッジによりプリントヘッドを直線方向に搬送していた。プリントヘッドが媒体上を移動するにつれ、イメージが印刷される。動作機械のサイズを小さくする様々な技術により、持ち運び可能なプリンタが開発されてきた。しかしながら、プリントヘッドと媒体との間の相対移動を生み出す原理は従来の印刷装置と同じ状態である。従って、これらの機構が、プリンタ及び媒体として使われる材料のサイズを削減する上で制約となっていた。
【0004】
手持ち式印刷装置が開発され、使用者が手持ち式装置を媒体上で操作し媒体上にイメージをプリントすることが可能となった。しかしながら、課題の一つは、これらの装置は、使用者による当該装置の予知しない非直線的な動きによるものである。装置自体の回転を含む使用者の動きの多様性により、プリントヘッドの正確な位置を決めることを困難にする。このタイプの位置決め誤差がプリントしたイメージの品質に有害な影響を及ぼす。
【0005】
ターゲット媒体からイメージを取得するための、手持ちスキャナが幾つか開発されている。スキャンしている間に、イメージセンサを束ねた位置決めセンサによる位置決めデータにそって、イメージセンサによってイメージデータが記録される。集積されたイメージデータは、ゆがんだイメージデータとして、位置タグが付けられ記録される。ゆがんだイメージデータが取得されると、処理され回転歪みを修正するための修正イメージを提供する。この調整処理は更に取得イメージデータの重複部分により最終イメージの張り合わせを容易に行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このプロセスは、スキャニング場面で機能し得るが、印刷場面では他の問題を生じる。例えば、印刷動作において、媒体が完全にスキャンされる前に、手持ち印刷装置の位置決めが行わればなりません。更に、取得されたイメージの張り合わせができない場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
最新技術における問題にかんがみ、本発明の実施形態は、表面を横断してナビゲートするように構成された電子デバイスの位置データにおけるシステム的誤差の修正に関するものである。更に具体的には、本発明の様々な実施形態によれば、複数のナビゲーション測定値を取得し装置の検出された移動パスを判断するステップと、前記装置の実際の移動パスと前記装置の前記検出された移動パスを比較するステップと、少なくとも一部は前記実際の移動パスと前記検出移動されたパスの間の差異に基づいて1つ以上のスケールファクタを生成するステップと、前記1つ以上のスケールファクタを含む参照テーブルを作成するステップとを含む方法、が提供される。
【0008】
幾つかの実施形態において、方法は更に前記複数のナビゲーション測定値の連続するナビゲーション測定値の間の増分の移動の変化量を累算するステップをさらに含んでもよく、前記増分の移動変化量は、1つ以上の座標値における変化量からなる。前記1つ以上のスケールファクタは、少なくとも一部は前記複数の座標値のなかで生じる座標値のサブセットの頻度に基づいて調節されてもよい。
【0009】
幾つかの実施形態において、前記1つ以上のスケールファクタの値は、少なくとも一部は前記装置の速度に基づいて生成される。幾つかの実施形態において、前記1つ以上のスケールファクタの値は、少なくとも一部は前記装置の加速度に基づいて生成されてもよい。
【0010】
幾つかの実施形態において、小脳モデル関節制御器(CMAC)ニューラルネットワークを用いて前記1つ以上のスケールファクタを調節してもよい。
【0011】
様々な実施形態において、装置は、1つ以上のナビゲーションセンサと、前記1つ以上のナビゲーションセンサを制御し、複数のナビゲーション測定値を取得し、1つ以上のスケールファクタにより前記ナビゲーション測定値を調節し、媒体上の前記装置の移動パスを判断するように構成された位置モジュールとを備えていてもよい。
【0012】
幾つかの実施形態において、前記位置モジュールは前記複数のナビゲーション測定値の連続するナビゲーション測定値間の増分の移動変化量を累算するように構成されてもよい。前記増分の移動変化量は1つ以上の座標値の変化量を含んでもよい。様々な実施形態において、前記位置モジュールは少なくとも一部は前記複数の座標値のなかで生じる座標値のサブセットの頻度に基づいて前記1つ以上のスケールファクタを調節するように構成されてもよい。
【0013】
幾つかの実施形態において、前記1つ以上のスケールファクタの値は少なくとも一部は前記装置の速度に基づき得る。幾つかの実施形態において、前記1つ以上のスケールファクタの値は少なくとも一部は前記装置の加速度に基づき得る。
【0014】
幾つかの実施形態において、装置はイメージソースからイメージを受け取るように構成された通信インターフェースと、少なくとも一部は前記イメージと前記装置の前記判断された移動パスに基づいて印刷物質を前記媒体上に塗布するように構成された印刷モジュールからなり得る。
【0015】
他の方法も提供される。様々な実施形態において、方法は複数のナビゲーション測定値を取得するステップと、1つ以上のスケールファクタにより前記ナビゲーション測定値を調節するステップと、少なくとも一部は前記調節されたナビゲーション測定値に基づいて媒体上の装置の移動パスを判断するステップとを含んでもよい。
【0016】
幾つかの実施形態において、前記複数のナビゲーション測定値の連続するナビゲーション測定値間の増分の移動変化量を累算してもよい。前記増分の移動変化量は座標値の変化量からなり得る。
【0017】
幾つかの実施形態において、少なくとも一部は前記複数の座標値のなかで生じる座標値のサブセットの頻度に基づいて前記1つ以上のスケールファクタを調節してもよい。幾つかの実施形態において、少なくとも一部は前記装置の速度に基づいて1つ以上のスケールファクタにより前記ナビゲーション測定値を調節してもよい。幾つかの実施形態において、少なくとも一部は前記装置の加速度に基づいて1つ以上のスケールファクタにより前記ナビゲーション測定値を調節してもよい。
【0018】
幾つかの実施形態において、方法は、イメージソースからイメージを受け取るステップと、少なくとも一部は前記イメージ及び前記装置の前記判断された移動パスに基づいて前記媒体上に印刷物質を塗布するステップとを含んでもよい。
【0019】
本発明の実施形態に係る関連する命令を有する、機械がアクセス可能な媒体が開示される。関連する命令は、実行されると、装置に、複数のナビゲーション測定値を取得し、1つ以上のスケールファクタにより前記ナビゲーション測定値を調節し、少なくとも一部は前記調節されたナビゲーション測定値に基づいて媒体上の装置の移動パスを判断させ得る。
【0020】
幾つかの実施形態において、前記関連する命令は、実行されると、前記装置に、少なくとも一部は前記移動パスの前記複数の座標値の中で生じる座標値のサブセットの頻度に基づいて前記1つ以上のスケールファクタを調節させ得る。幾つかの実施形態において、前記関連する命令は、実行されると、前記装置に、少なくとも一部は前記装置の速度に基づいて、1つ以上のスケールファクタを調節させ得る。幾つかの実施形態において、前記関連する命令は、実行されると、前記装置に、少なくとも一部は前記装置の加速度に基づいて、1つ以上のスケールファクタを調節させ得る。
【0021】
幾つかの実施形態において、前記関連する命令は、実行されると、前記装置が、イメージソースからイメージを受け取り、少なくとも一部は前記イメージと前記装置の前記判断された移動パスに基づいて前記媒体上に印刷物質を塗布させ得る。
【0022】
更に実施形態に係る別の装置が開示される。装置は、複数のナビゲーション測定値を取得する手段と、1つ以上のスケールファクタにより前記ナビゲーション測定値を調節する手段と、少なくとも一部は前記調節されたナビゲーション測定値に基づいて媒体上の装置の移動パスを判断する手段とを有していてもよい。
【0023】
装置は更に、少なくとも一部は前記移動パスの前記複数の座標値の中に生じる座標値のサブセットの頻度に基づいて前記1つ以上のスケールファクタを調節する手段を有していてもよい。
【0024】
装置は更に、少なくとも一部は前記装置の速度と加速度とのうちの選択された1つに基づいて1つ以上のスケールファクタにより前記ナビゲーション測定値を調節する手段を有していてもよい。
【0025】
本発明の実施形態の特徴とみなされるその他の特徴は、付属の請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の実施形態は、付属の図とあわせて以下の詳細な説明を読めば容易に理解できるであろう。説明の便宜上、同様の参照番号は同様の構造要素をさす。付属の図面において、本発明の実施形態は例示として示すものであり、限定を意図するものではない。
【図1】本発明の様々な実施形態に係るナビゲーション装置を含むシステムの概略図である。
【図2A】本発明の様々な実施形態に係るナビゲーション装置の位置決め動作を表すグラフである。
【図2B】本発明の様々な実施形態に係るナビゲーション装置の位置決め動作を表すグラフである。
【図3】本発明の様々な実施形態に係るナビゲーション装置の位置学習動作を表すフロー図である。
【図4】本発明の様々な実施形態に係るナビゲーション装置のナビゲーション動作を表すフロー図である。
【図5】本発明の様々な実施形態に係るナビゲーション装置の制御部を実行することができるコンピュータ装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の詳細な説明において、その一部をなす添付の図面を参照して説明をするが、全体を通じて、同様の参照番号は同様の部分を示す。図は、本発明が実施され得る実施形態を図解する手段として示すものである。本発明の範囲を逸脱することなく、他の実施形態を用い、かつ構造的、または論理的変更が可能であると理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明に係る実施形態の範囲は、付随する特許請求の範囲及びその等価物によって定義されるべきである。
【0028】
以下の説明において、「一実施形態において、」「実施形態において、」あるいは「様々な実施形態において、」といった表現が用いられるが、これらはそれぞれ1つ以上の同じあるいは異なる実施形態を意味し得る。更に、本発明の実施形態に関わり、「〜から成る、」「含む、」「〜を有する、」等の用語が用いられるが、これらは同義語である。表現「A/B」はAまたはBを意味する。本発明を目的においては、表現「Aおよび/またはB」は「(A)、(B)または(A及びB)」を意味する。表現「少なくともA、B及びCの一つ」は「(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)または(A、B及びC)」を意味する。表現「(A)B」は「(B)または(AB)」を意味し、つまり、Aは任意選択の要素である。
【0029】
図1は、本発明の様々な実施形態に係るナビゲーション装置104を含むシステム100の概略図である。ナビゲーション装置104は、ナビゲーション動作全体を通じて1つ以上の入力/出力(I/O)部110の精密かつ正確な位置決めを容易に行えるように設計された構成部品を有する制御部108を含む。本明細書においては、「I/O」は入力のみ、出力のみまたは入出力の機能を意味する。
【0030】
様々な実施形態において、ナビゲーション装置104は、表面上をナビゲートできるように適応されたいかなる入力および/または出力電子装置であっても良い。例えば、ナビゲーション装置104は、マウスまたはイメージ転写装置でもよい。イメージ転写装置は、印刷および/またはスキャンを行うように適応されたいかなる装置であっても良く、また、様々な実施形態において、イメージ転写装置は、手持ちイメージ転写装置であってもよい。この位置決めにより、以下に説明するように、ナビゲーション装置104は、イメージを真実のモバイルかつ多目的なプラットフォームの中で確実に転写することが可能となる。
【0031】
本明細書で使用される場合、イメージ転写とは、特定のコンテクスト(例えば、媒体)に存在するイメージを別のコンテクストのイメージに転写することを意味する。例えば、イメージ転写動作は、スキャン動作である場合もある。この場合、ターゲットイメージ、例えば、実際の媒体上に存在するイメージがナビゲーション装置104によってスキャンされ、ターゲットイメージに対応する取得したイメージが作成され、ナビゲーション装置104のメモリに記憶される。他の例では、イメージ転写動作は印刷動作でも良い。この場合、取得したイメージ、例えばナビゲーション装置104のメモリ内に存在するイメージを、媒体上に印刷することもできる。
【0032】
制御部108は、制御部108を他の装置、例えば1つ以上のイメージソース116を含むイメージ転写装置114などと通信可能に接続するように調整された通信インターフェース112を含んでもよい。様々な実施形態において、通信インターフェース112は制御部108を、例えばデスクトップコンピュータ装置、ラップトップコンピュータ装置、モバイルコンピュータ装置、携帯情報端末、携帯電話などの汎用コンピュータ装置と通信可能に接続するように構成されても良く、または、取外し可能な記憶装置、例えばイメージデータ等のデータを記憶するように設計されたフラシュメモリデータ記憶装置であっても良い。通信インターフェース112が、制御部108を取外し可能な記憶装置、例えば、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)記憶装置と通信可能に接続できるように構成される場合、通信インターフェース112は、記憶装置を受け入れるように設計されたナビゲーション装置104のポート、例えば、USBポートに接続される。
【0033】
通信インターフェース112は、他の装置と無線リンクを通じて通信接続ができるように無線送受信装置を含んでも良い。データは、電波、赤外線またはマイクロ波スペクトルの周波数で電磁波の変調を行い、リンク上を無線伝送されても良い。
【0034】
無線リンクは、ナビゲーション装置104の移動性及び多用途性に寄与する。しかし、幾つかの実施形態では、追加として/代替として、他の装置を通信インターフェース112に通信可能に接続する有線リンクを含むこともできる。
【0035】
幾つかの実施形態において、通信インターフェース112は、パーソナル・エリア・ネットワーク、ローカルエリア・ネットワーク、広域ネットワーク、都市規模ネットワーク等を含むが、これらに限らない1つ以上の有線および/または無線ネットワークを通じて他の装置と通信することもできる。データの伝送は、802.11、802.16、ブルートゥース、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)、符号分割多重アクセス方式(CDMA)、イーサネット(登録商標)などを含むが、これらに限らない多くの規格および/または規定の何れかに適合する方法で行うことができる。
【0036】
ナビゲーション装置104は、制御部108に接続された電力供給部118を含む。電力供給部118は、例えば、電池、充電式電池、太陽電源などのモバイル電力供給装置でも良い。他の実施形態においては、電力供給部118は、追加として/代替として、他の構成部品(例えば、通信インターフェース112に通信可能に接続された装置、交流(AC)電源コンセントに接続された電源コードなど)によって得られる電源を調整しても良い。
【0037】
I/O部110を制御するように構成されたI/Oモジュール120は、ポジションモジュール122から基準位置に対するI/O部110のプリントヘッドの位置を示す位置決め情報を受け取り得る。ポジションモジュール122は、1つ以上のナビゲーションセンサ124を制御してナビゲーション測定値を取得し、基準位置に対するナビゲーション装置104の増分移動を追跡する。
【0038】
幾つかの実施形態において、ナビゲーション測定値は、ナビゲーション装置104近傍の媒体のナビゲーションイメージでも良い。これらの実施形態において、ナビゲーションセンサ124は、1つ以上の撮像ナビゲーションセンサを含む。撮像ナビゲーションセンサは、例えば、発光ダイオード(LED)、レーザ等の光源、及びナビゲーション装置104が媒体上を移動されながら近傍媒体の一連のナビゲーションイメージを取得するように設計された光電子センサを含む。
【0039】
ポジションモジュール122は、ナビゲーションイメージを処理し、媒体の構造的変化を検出し得る。連続するイメージにおける構造的変化の動きは、媒体に対するナビゲーション装置104の動きを示す。この相対移動を追跡することにより、ナビゲーションセンサ124の正確な位置決めの判断が容易となる。ナビゲーションセンサ124をI/O部110との構造的に安定な関係に維持することにより、I/O部110の正確な位置計算が可能となる。
【0040】
他の実施形態において、例えば、追加的に/代替として、加速度計、ジャイロスコープ、圧力センサ等の非撮像ナビゲーションセンサを用いてナビゲーション測定値を取得してもよい。
【0041】
ナビゲーションセンサ124は、望ましい程度の精度でナビゲーション装置104の動きを追跡するうえで十分な動作特性を有すればよい。一実施例として、撮像ナビゲーションセンサは、各フレームが30×30ピクセルの矩形のアレイを含み、毎秒約2000フレームを処理してもよい。各ピクセルは6ビットのグレースケール値を検出し、例えば、64の異なるレベルのパターンを検出する機能であってもよい。
【0042】
再度図1を見ると、ここに示されるように、ナビゲーション装置104はイメージ転写装置であってもよい。これらの実施形態において、制御部108は、ナビゲーション動作全体を通じて入力/出力(I/O)部110の精密かつ正確な位置決めを容易に行えるように設計された構成部品を含む。
【0043】
イメージ転写動作が印刷動作を含む場合、通信インターフェース112は、イメージ転写装置114からイメージデータを受け取り、受け取ったイメージデータを内蔵イメージ処理モジュール132に伝送し得る。イメージ処理モジュール132は、次の印刷工程が容易に行えるように受け取ったイメージデータを処理し得る。イメージ処理技術にはディザリング、解凍、ハーフトーン処理、カラープレーン分離、および/またはイメージの保存が含まれ得る。様々な実施形態において、これらのイメージ処理動作の一部もしくは全てをイメージ転写装置または他の装置で行うことができる。つづいて、処理済みイメージは、本実施形態においては印刷モジュールとして機能し得るI/O部に伝送され、印刷動作を見越してキャッシュに格納され得る。
【0044】
I/O部110を制御し得るように構成されたI/Oモジュール120は、ポジションモジュール122からの基準位置に対するI/O部110のプリントヘッドの位置を示す位置決め情報を受け取り得る。ポジションモジュール122は、1つ以上のナビゲーションセンサ124を制御し、ナビゲーション測定値を取得し、基準位置に対するイメージ転写装置104の増分移動を追跡し得る。位置決め情報は、本明細書に記載する方法に従って修正される。
【0045】
I/Oモジュール120が位置決め情報を受け取ると、プリントヘッドの位置を処理済みイメージの一部の対応する位置に調整し得る。次に、印刷モジュールはプリントヘッドを、イメージ転写装置104近傍の媒体の上に印刷物質を塗布するように制御し、処理済みイメージの対応する箇所を表現し得る。
【0046】
プリントヘッドは、液体インクの小滴を排出するように設計された複数のノズルを有するインクジェットプリントヘッドでも良い。リザーバまたはカートリッジに詰められたインクは、黒および/または数多くの多様な色の何れであってもよい。一般に、フルカラーインクジェットプリントヘッドは、シアン、マゼンタ、イエロー及び黒インク用の各ノズルを有し得る。他の実施形態では、例えば、レーザまたはLEDプリンタなどのトナーベースのプリンタ、固体インクプリンタ、染料昇華プリンタ、インクレスプリンタ等の異なる印刷技術を用いても良い。
【0047】
イメージ転写動作がスキャニング動作を含む実施形態においては、I/Oモジュール120は、イメージを取得するモジュールとして機能しても良く、I/O部110の1つ以上の光学撮像センサに通信可能に接続されても良い。多数の独立したセンサ要素を含む光学撮像センサをイメージ転写装置104近傍の媒体の複数の表面イメージを取得するように設計してもよい。表面イメージは、構成要素の表面イメージとして個々に参照されても良い。I/Oモジュール120は、構成表面イメージをはり合わせて合成イメージを生成することができる。I/Oモジュール120は、ポジションモジュール122から位置決め情報を受け取り、構成表面イメージを合成イメージにアレンジすることを容易にし得る。
【0048】
撮像ナビゲーションセンサに比べ、光学撮像センサは解像度が高く、ピクセルサイズが小さくおよび/または光要求が高い場合がある。撮像ナビゲーションセンサは下層媒体の構造に関する詳細を取得するように構成されるのに対し、光学撮像センサは、媒体自体の表面のイメージを取得するように構成され得る。
【0049】
イメージ転写装置104がフルカラーイメージをスキャンできる一実施形態においては、光学撮像センサは、異なる色をスキャンするように設計されたセンサ要素を有する。
【0050】
イメージ転写装置104によって取得した合成イメージは、例えば、電子メール、ファックス、ファイル伝送プロトコルなどにより引き続いてイメージ転写装置114に伝送されてもよい。合成イメージは、追加的に/代替として、その後の見直し、転送、印刷などのためにイメージ転写装置104によって局所に記憶することができる。
【0051】
合成イメージの取得に加え(または代替として)、イメージ取得モジュールは、ポジションモジュール122を較正するために利用できる。様々な実施形態において、構成表面イメージ(合成イメージとして個々に、または集合的に)は、ポジションモジュール122が基準点の追跡を失った時に、イメージ処理モジュール132によって描画された処理済プリントイメージと比較し、集積した位置決め誤差を修正、および/またはポジションモジュール122の方向を修正することができる。これは、例えば、イメージ転写動作中にイメージ転写装置104が媒体から離されたときに起きる。
【0052】
ナビゲーションセンサ124を再度参照すると、ナビゲーションセンサ124にとっては、ナビゲーション装置104の移動パスに関するエラーフリーのデータを与えるのが理想的であるが、ナビゲーションセンサ124によって与えられたデータがナビゲーション装置104の実際の移動パスに対して正確でないことが発見される(すなわち、ナビゲーション装置104の検出された移動パスが実際の移動パスと異なる)ケースが時には起こりうる。
【0053】
図2A及び図2Bは、本発明の実施形態に係るナビゲーション装置104の位置修正動作を示すグラフである。開始時、例えば、t=0の時、ナビゲーションセンサ124は124(t=0)で表される初期位置にある。連続する時間間隔が経過後、例えばt=1〜5の時、ナビゲーションセンサ124は、124(t=5)で示される終端位置に移動される。本実施形態の説明で使用される場合、「初期位置」及び「終端位置」は、この特定の動作について言及するに過ぎず、必ずしもナビゲーション動作のスタート及びエンドあるいはその他の位置決め動作を意味するものではない。
【0054】
ナビゲーション装置100が移動されるに従い、ナビゲーションセンサ124は、指定された時間ごとに、例えばt=0〜5ごとにナビゲーション測定値を取得する。ここで、ナビゲーション装置104の移動パスは、単一の動作ライン126(本明細書では、移動パスとも言う)で示してあるが、様々な実施形態においては、ナビゲーション測定値は、複数の動作線からなることもある(例えば、ナビゲーション装置104が、別個の動作線を取得するように構成された複数のナビゲーションセンサを含む場合)ことに留意されたい。これら様々な実施形態において、例えばポジションモジュール122から伝送される取得信号を結線することにより、ナビゲーションセンサ124間で取得時間を同調させることができる。取得時間を変更することができる、もしくは、時間設定、検出動作またはその他のトリガに基づいて決定することができる。幾つかの実施形態において、各ナビゲーションセンサ124は、異なるトリガに基づくあるいは基づかない異なる取得時間を有しても良い。
【0055】
ナビゲーションセンサ124の移動は、ワールドスペース(w−s)座標系、例えば直交座標系のコンテクスト内で判断してもよい。具体的には、移動値は、w−s座標系の二次元、例えば、図2A及び図2Bに示すように、x軸及びy軸で判断する。例えば、時間0から時間5までのナビゲーションセンサ124の総移動量を判断するために、ポジションモジュール122は、連続する時間の間の増分Δx及びΔyを累算する。
【0056】
図2Aに示すように、ナビゲーション装置100の実際の動作ライン126(すなわち、実際の移動パス)は、各時間間隔後にナビゲーションセンサ124によって測定された位置(すなわち、検出された移動パス)とは厳密に調和しない。t=1の時、例えば、Δx、Δy値は、ナビゲーション装置104の測定位置を実際の動作ライン126よりも若干上に測定され、t=2の時、若干下に測定される。図示のグラフでは、測定値は、実際の動作ライン126からズレ、動きの角度に対して変化する。残念ながら、移動パスのデータにおけるこのような誤差の直接の原因は不明な場合があるが、仮に分かったとしても修正することは現実的でない、または不可能であり得る。
【0057】
実際の移動パスを判断するには、いかなる測定システムでも良い。一般に、ナビゲーション装置100を既知の増分の量だけ動かし、実際の移動パスを設定し得る。直交座標系を用いる幾つかの実施形態においては、例えば、ナビゲーション装置100の実際の移動パスは、直交ロボットシステム等を用いて判断し、ナビゲーション装置100は既知のx、y増分だけ高精度で動かされる(例えば、10マイクロメータ以内)。幾つかの実施形態においては、実際の移動パスは、動きの速度および/または加速度のデータを含むこともできる。従って、実際の移動パスは、ナビゲーションセンサ124によって測定された移動と関わりなく判断される。
【0058】
様々な実施形態において、移動パスのデータにおける1つ以上のシステム的誤差を補正するために、ポジションモジュール122は、媒体上のナビゲーション装置104の実際の移動パスを判断する1つ以上のスケールファクタでナビゲーション測定値を調節するように構成されてもよい。この目的で、参照テーブル(LUT)がナビゲーションセンサ124毎に作成されてもよい。LUTの値を参照するために、測定されたΔx、Δyを用いテーブルのアドレスを指定してもよく、割り当てられた値(スケールファクタ)にΔx、Δyを掛けスケールデータを得ても良い。スケールデータは、実際の動作ライン126に更に近づき得る。
【0059】
1つないし少数のΔx、Δyの組からなる動作線では、スケールデータは、実際の動作ライン126とほぼ一致する。しかしながら、LUTの1つ以上ないし少数のΔx、Δyの組からなる長い移動パスでは、幾つかのΔx、Δy組が合成ラインをスケーリングする上で他のものよりも寄与する場合がある。すなわち、動作ライン126に生じるΔx、Δy組の幾つかのサブセットが他のものより頻繁に生じるばあいもある。図2Bは、概ねこの頻度差異を表すヒストグラムであり、動作ライン126のセンター側のΔx、Δy組128は、Δx、Δy組129より頻繁に発生し、Δx、Δy組129は、動作ライン126の端部側のΔx、Δy組130より頻繁に発生し得る。図に示すように、このヒストグラム情報は一般に同心の正方形で表される。LUTの全動作ライン126用の値を参照すると、124(t=3)のΔx、Δy組は、124(t=1)及び124(t=5)のΔx、Δy組よりも頻繁に発生する。従って、合成ラインのスケーリングに対する全体的寄与度の観点から、124(t=3)のΔx、Δy組のスケールファクタを減らすことが望まし場合がある。
【0060】
幾つかのケースでは、移動の誤差は、例えば速度及び加速度等の動的要因に起因すると思われる。従って、様々な実施形態において、ナビゲーション装置104の動作ライン126の速度および/または加速度の動力学が考慮されても良い。これら動的要因のひとつまたは両者がΔxとΔy値を含むLUTに簡潔に反映されても良い。
【0061】
速度に関しては、既定の時間間隔で行われるΔx、Δy組の定期的サンプリングで実際の速度の値(速度=距離/時間)が得られるであろうが、サンプリングが不定期に行われ、速度の正確な概念を支持しないことのほうがより現実的であり得る。
【0062】
不定期の時間間隔で行われるサンプリングのために、ナビゲーション装置104の予想される範囲に正規化された速度値を用いても良い。正規化された速度は、次の方程式によって決められる。
【数1】

ここで、Vは正規化された速度、Dは位置の変化、Rは速度の範囲である。
【0063】
加速度は、最後のサンプルから(すなわち、最後の時間間隔後)の速度における相対変化で表される。従って、加速度は次の方程式によって判断できる。
【数2】

ここで、Aは正規化された加速度、D−Dはt=mからt=nまでの時間間隔の最後のサンプルに対する位置変化(例えば、t=3にとったサンプルからt=4にとったサンプルまでの位置変化)、Rは、加速度範囲である。
【0064】
前記のように、これら動的要因の一方ないし両方がΔx及びΔy値を含むLUTに簡潔に反映されても良い。しかしながら、幾つかの実施形態において、LUTに次元を加えることは、メモリの使用上実際的でない。例えば、ナビゲーションセンサ用の2次元(すなわち、Δx及びΔy)LUTが、解像度256ビットのとき次元当たり64キロビット(Kb)使用すれば、次元を増やして3次元では16メガビット(Mb)、4次元では4ギガビット(Gb)となる。更に、LUTに与える次元数を増やすと、LUT自体を構築するデータサンプルの数も増やす必要がある。
【0065】
様々な学習技術を用いて多次元LUTの影響を減らすことができる。幾つかの実施形態において、ニューラルネットワーク型学習アルゴリズムを用いて、入力ドメインのサブセットで十分に学習できるより小さなLUTを作成することもできる。幾つかの実施形態において、例えば、小脳モデル関節制御器(CMAC)ニューラルネットワークモデルを用いて、単一のLUTを一連の低解像度の重複多次元テーブルに分けることもできる。従って、入力解像度256ビット、汎用16ビットの4次元CMACを用いると、4Mbに対して1Mbのメモリで済む。幾つかの実施形態において、適用可能な場合は、CMAC学習法を用いて入力スペースを細分化し、必要なメモリ容量を減らすことができる。
【0066】
様々な入力値(例えば、Δx、Δy、速度、加速度)と関係するスケールファクタを有するLUTを作成するために、幾つかのデータサンプルのセットのためにΔx及びΔy値のサンプリングと同時に位置データを収集することもできる。量子化の影響を減らすために、図2A及び図2Bに関連して本明細書で詳しく述べたように、測定された移動パスをサンプル毎の実際の移動パスと比較し、それに従ってLUTのスケールファクタを調節しても良い。量子化の影響を取り除くために、動作をサンプルセットごとに1回以上繰り返す。幾つかの実施形態において、1回繰り返す毎に実際の移動パス上の1個のサンプル分前へ値の広がりをシフトしても良い。
【0067】
図3は、フロー図300であり、本発明の様々な実施形態に係るナビゲーションシステム100の学習動作を示す。学習動作により、ナビゲーションシステム100を学習させ、学習後に生じた位置誤差を補正してもよい。ステップ302の学習動作の開始で、例えばナビゲーション装置104の起動により、学習動作を開始し得る。ステップ304で、ナビゲーション装置104のポジションモジュール122が基準位置をセットし得る。基準位置は、ナビゲーション動作の開始時にナビゲーション装置104が媒体上に置かれた時にセットされ得る。
【0068】
ステップ304で基準位置がセットされると、ステップ306でナビゲーションセンサ124はナビゲーション測定値を取得し、ナビゲーション装置104の検出された移動パスを判断する。
【0069】
ポジションモジュール122は、ナビゲーションセンサ124を使い、位置決め情報、例えば基準位置からの移動変化量を判断し得る。ポジションモジュール122は、複数のナビゲーション測定値の連続するナビゲーション測定値間の増分の移動変化量を累算することにより位置決め情報を判断し得る。
【0070】
ステップ308で、位置モジュールは検出された移動パスをナビゲーション装置104の実際の移動パスと比較し、続いてステップ310で、少なくとも一部は実際の移動パスと検出された移動パスの間の差異に基づいて1つ以上のスケールファクタを生成するまたは更新し得る。1つ以上のスケールファクタは、少なくとも一部はナビゲーション装置104の速度および/または加速度に基づいて生成または更新され得る。
【0071】
ステップ312で、生成/更新されたスケールファクタを用い、LUTが作成または更新され得る。
【0072】
上記のように、検出された移動パスのスケーリングは、1つ以上の測定値(例えば、Δx、Δy、速度、加速度)の量子化により、他の何よりも合成移動パスの合成に役立てられ得る。これらの実施形態においては、ステップ314で測定値の微調整が行われる。従って、ポジションモジュール122は、少なくとも一部は複数の測定値で生じる測定値のサブセット頻度に基づいて1つ以上のスケールファクタを調節し得る。幾つかの実施形態においては、ナビゲーション装置104は、CMACニューラルネットワーク学習法を使い1つ以上のスケールファクタを調節するように構成され得る。
【0073】
学習動作はステップ316に進み、学習が終了したかどうか判断す得る。終了していれば、学習はステップ318で終了する。更に学習が望ましいと判断されると、ステップ304で新しい基準位置がセットされ、ステップ306でナビゲーション測定値が更に取得され得る。幾つかの実施形態においては、この方法は、ステップ306で、新しい基準位置を設定せずに直接ナビゲーション測定値を取得しても良い。
【0074】
図4は、本発明の様々な実施形態に係るナビゲーションシステム100の位置決め動作を示すフロー図400である。ナビゲーション動作は、ナビゲーション装置104が表面上をナビゲートするいかなる動作であっても良い。例えば、ナビゲーション装置104は、マウスまたはイメージ転写装置であっても良い。イメージ転写装置は、プリントおよび/またはスキャンするように適合されたいかなる装置であっても良く、様々な実施形態においては、イメージ転写装置は手持ちイメージ転写装置であっても良い。
【0075】
ステップ402のナビゲーション動作の開始で、例えばナビゲーション装置104を起動することによってナビゲーション動作を開始し得る。ステップ404で、ナビゲーション装置104内の位置モジュールが基準位置をセットし得る。基準位置は、ナビゲーション動作の開始時にナビゲーション装置104が媒体上に置かれた時にセットされても良い。
【0076】
ステップ404で基準位置がセットされると、ステップ406でナビゲーションセンサ124がナビゲーション測定値を取得し、ナビゲーション装置104の検出された移動パスを判断し得る。
【0077】
ナビゲーション装置104が媒体を横断するにつれて、ステップ408で、ポジションモジュール122によりナビゲーション測定値が1つ以上のスケールファクタにより調節され得、少なくとも一部は調節されたナビゲーション測定値に基づいて媒体上の装置の移動パスを判断し得る。ナビゲーション装置104は、例えば、本明細書で図4を参照して説明した学習動作によって予め生成されたスケールファクタを含むLUTを含んでもよい。
【0078】
ステップ410で、スケール化されたナビゲーション測定値を累算し、ナビゲーション装置104の位置と移動パスを追跡する。
【0079】
ナビゲーション動作はステップ412に進み、ナビゲーションが終了したか判断し得る。終了していれば、ステップ414でナビゲーションが終了される。更に学習が望ましいと判断されると、ステップ404で新しい基準位置がセットされ、ステップ406で更にナビゲーション測定値が取得され得る、等々。幾つかの実施形態においては、この方法はステップ306で先ず新しい基準位置をセットせずに、直接ナビゲーション測定値を取得しても良い。
【0080】
図5は、様々な実施形態に係る制御部を実行することができるコンピュータ装置500、例えば制御部108を示す。各実施形態において、コンピュータ装置500は、1つ以上のプロセッサ504、メモリ508及びバス512を有し、図に示すように互いに接続されている。更に、コンピュータ装置500は、記憶装置516、互いに接続された1つ以上の入力/出力インターフェース520及び上記の各要素を図のように含む。コンピュータ装置500の各構成部は、上記のようなIT装置の制御部の印刷および/または位置決め機能を提供するように設計されて得る。
【0081】
具体的には、メモリ508及び記憶装置516は、コード524とデータ528の一時的なコピーと永続的なコピーをそれぞれ有し得る。コード524は、プロセッサ504によりアクセスがなされた時に、コンピュータ装置500に本発明の実施形態に係る制御部の各種モジュールとの関わりで説明した各動作を実行させる各種命令を含み得る。処理データ528は、コード524の命令を受けた時に起動されるデータを含み得る。具体的には、プロセッサ504によりコード524及びデータ528にアクセスすることにより、上記のような印刷および/または位置決め動作を容易に行うことができる。
【0082】
プロセッサ504は、1つ以上のシングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、コントローラ、特定用途集積回路(ASICs)などを含んでもよい。
【0083】
メモリ508は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、スタティックRAM(SRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、デュアルデータレートRAM(DDRRAM)などを含んでもよい。
【0084】
記憶装置516は、ディスクと関連ドライブ(例えば、磁気、光学)、USB記憶装置と関連ポート、フラシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、不揮発性半導体装置などの、しかしこれらに限らない、一体型および/または周辺記憶装置を含んでもよい。記憶装置516は、コンピュータ装置500の物理的な一部をなす記憶資源でもよく、または、必ずしもその一部でなくても、コンピュータ装置500によってアクセス可能であればよい。例えば記憶装置516は、ネットワークを介してコンピュータ装置500がアクセスしてもよい。
【0085】
I/Oインターフェース520は、周辺ハードウェア、例えばI/O構成部品112、ナビゲーションセンサ124等、および/またはリモート装置、例えばイメージ転送装置520などと通信できるように設計されたインターフェースを含んでもよい。
【0086】
様々な実施形態において、コンピュータ装置500は、より多数または少数の要素および/または異なるアーキテクチャを有しても良い。
【0087】
本発明の実施形態では、二次元座標系のIT装置の追跡について述べたが、他の実施形態では、三次元座標系内の追跡も含むことができる。
【0088】
本明細書では、好適な実施形態を説明する目的で幾つかの実施形態について図示し説明をしたが、当業者により、代替および/または等価な実施形態の広範な変形、または、同じ目的を達成できるように計算された実施によって、本発明の範囲を逸脱することなく図示説明した実施形態に代替可能であることは明らかであろう。当業者には、本発明に係る実施形態は、極めて多様な方法により実施可能であることは容易に明らかであろう。本出願は本明細書に述べた実施形態のいかなる改良または変形をもその範囲に含むものである。従って、本発明に係る実施形態は特許請求の範囲及びその等価物によって限定されるべきことは明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のナビゲーション測定値を取得し装置の検出された移動パスを判断するステップと、
前記装置の実際の移動パスと前記装置の前記検出された移動パスを比較するステップと、
少なくとも一部は前記実際の移動パスと前記検出された移動されたパスとの間の差異に基づいて1つ以上のスケールファクタを生成するステップと、
前記1つ以上のスケールファクタを含む参照テーブルを作成するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記複数のナビゲーション測定値の連続するナビゲーション測定値の間の増分の移動変化量を累算するステップをさらに含む方法であって、前記増分の移動変化量は、1つ以上の座標値における変化量からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも一部は前記1つ以上の座標値のなかで生じる座標値のサブセットの頻度に基づいて前記1つ以上のスケールファクタを調節するステップを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上のスケールファクタの値は、少なくとも一部は前記装置の速度に基づいて生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上のスケールファクタの値は、少なくとも一部は前記装置の加速度に基づいて生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
小脳モデル関節制御器(CMAC)ニューラルネットワークを用いて前記1つ以上のスケールファクタを調節するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
装置であって、
1つ以上のナビゲーションセンサと、
前記1つ以上のナビゲーションセンサを制御し、複数のナビゲーション測定値を取得し、1つ以上のスケールファクタにより前記複数のナビゲーション測定値を調節して媒体上の前記装置の移動パスを判断するように構成された位置モジュールと、を備える装置。
【請求項8】
前記位置モジュールは前記複数のナビゲーション測定値の連続するナビゲーション測定値間の増分の移動変化量を累算するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記増分の移動変化量は1つ以上の座標値における変化量からなる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記位置モジュールは少なくとも一部は前記1以上の座標値のなかで生じる座標値のサブセットの頻度に基づいて前記1つ以上のスケールファクタを調節するように構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記1つ以上のスケールファクタの値は少なくとも一部は前記装置の速度に基づく、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記1つ以上のスケールファクタの値は少なくとも一部は前記装置の加速度に基づく、請求項7に記載の装置。
【請求項13】
イメージソースからイメージを受け取るように構成された通信インターフェースと、
少なくとも一部は前記イメージ及び前記装置の前記判断された移動パスに基づいて印刷物質を前記媒体上に塗布するように構成された印刷モジュールと、をさらに備える請求項7に記載の装置。
【請求項14】
複数のナビゲーション測定値を取得するステップと、
1つ以上のスケールファクタにより前記複数のナビゲーション測定値を調節するステップと、
少なくとも一部は前記調節されたナビゲーション測定値に基づいて媒体上の装置の移動パスを判断するステップと、を含む方法。
【請求項15】
前記複数のナビゲーション測定値の連続するナビゲーション測定値間の増分の移動変化量を累算するステップ、をさらに含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記増分の移動変化量は座標値における変化量からなる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも一部は複数の前記座標値のなかで生じる座標値のサブセットの頻度に基づいて前記1つ以上のスケールファクタを調節するステップ、をさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
1つ以上のスケールファクタにより前記ナビゲーション測定値を調節するステップは、少なくとも一部は前記装置の速度に基づく1つ以上のスケールファクタにより前記ナビゲーション測定値を調節するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
1つ以上のスケールファクタにより前記ナビゲーション測定値を調節するステップは、少なくとも一部は前記装置の加速度に基づく1つ以上のスケールファクタにより前記ナビゲーション測定値を調節するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
イメージソースからイメージを受け取るステップと、
少なくとも一部は前記イメージ及び前記装置の前記判断された移動パスに基づいて前記媒体上に印刷物質を塗布するステップと、をさらに含む請求項14の方法。
【請求項21】
関連する命令を有する、機械がアクセス可能な媒体であって、
前記命令は、
実行されると、装置に、
複数のナビゲーション測定値を取得させ、
1つ以上のスケールファクタにより前記複数のナビゲーション測定値を調節させ、
少なくとも一部は前記調節されたナビゲーション測定値に基づいて媒体上の装置の移動パスを判断させる、機械がアクセス可能な媒体。
【請求項22】
前記関連する命令は、実行されると、更に前記装置に少なくとも一部は前記移動パスの複数の座標値の中で生じる座標値のサブセットの頻度に基づいて前記1つ以上のスケールファクタを調節させる、請求項21に記載の機械がアクセス可能な媒体。
【請求項23】
前記関連する命令は、実行されると、更に前記装置に少なくとも一部は前記装置の速度に基づいて、1つ以上のスケールファクタにより前記ナビゲーション測定値を調節させる、請求項21に記載の機械がアクセス可能な媒体。
【請求項24】
前記関連する命令は、実行されると、更に前記装置に少なくとも一部は前記装置の加速度に基づいて、1つ以上のスケールファクタにより前記ナビゲーション測定値を調節させる、請求項21に記載の機械がアクセス可能な媒体。
【請求項25】
前記関連する命令は、実行されると、更に前記装置に、
イメージソースからイメージを受け取らせ、
少なくとも一部は前記イメージ及び前記装置の前記判断された移動パスに基づいて前記媒体上に印刷物質を塗布させる、請求項21に記載の機械がアクセス可能な媒体。
【請求項26】
複数のナビゲーション測定値を取得する手段と、
1つ以上のスケールファクタにより前記複数のナビゲーション測定値を調節する手段と、
少なくとも一部は前記調節されたナビゲーション測定値に基づいて媒体上の装置の移動パスを判断する手段と、を備える装置。
【請求項27】
少なくとも一部は前記移動パスの複数の座標値の中で生じる座標値のサブセットの頻度に基づいて前記1つ以上のスケールファクタを調節する手段、をさらに備える請求項26に記載の装置。
【請求項28】
少なくとも一部は前記装置の速度と加速度とのうちの選択された1つに基づいて1つ以上のスケールファクタにより前記ナビゲーション測定値を調節する手段、をさらに備える請求項26に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−535118(P2010−535118A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519282(P2010−519282)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/072528
【国際公開番号】WO2009/021140
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(502188642)マーベル ワールド トレード リミテッド (302)
【Fターム(参考)】