説明

住宅用ダクトレス給排気システム

【課題】住宅の給排気構造に関し、給排気ファンやダクトを使用せず、住宅の天井空間を給気チャンバ又は風路として利用し、レンジフードその他の強制排気手段の作動又は導入外気の風圧に応動して、少なくとも天井面から各室へ給気可能とする。
【解決手段】各室の天井空間を連通させて一の閉鎖的な空間構成からなる全域天井空間Sを形成し、適宜な室Lの天井内に外気導入の起点となる給気ボックス4を配置する。給気ボックス4の一面に外気導入開口部を形成し、天井内の外壁に形成した外気導入口(2)との間にダクト3を介設して経路を戸外に自然開放する。給気ボックス4の他の隣接する二面に第1給気口41と第2給気口42を形設して、第1給気口41を対室側の天井に開口させ、かつ、第2給気口42を外気導入開口部と対向形成して全域天井空間Sに臨ませるとともに、サニタリを除く台所5及び他の室にそれぞれ天井給気口20を形設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸建及び集合住宅用ダクトレス換気システムの改善に係り、詳しくは、住宅の天井空間を給気ダクトに代替する給気チャンバ又は風路として利用し、レンジフードその他の強制排気手段の作動又は導入外気の風圧に応動して、少なくとも天井面から各室へ給気可能に構築した住宅用ダクトレス給排気システムに関する。なお、「換気」と「給排気」、「換気ファン」と「排気ファン」はそれぞれ互換的に使用する。
【背景技術】
【0002】
従来より、戸建住宅や集合住宅において換気用ファンを設置した換気システムが知られている。この換気システムには、各階又は一棟で集約した能力を有する換気用ファンを設置する場合、換気が必要な部屋毎に換気用ファンを設置する場合があった。
【0003】
ところで、最近の住宅は高断熱性を得るために高気密化が図られているため、排気だけの換気では住宅内が負圧となり、窓や戸の開閉に支障を来す場合があったり、換気量の確保が不足したりする場合がある。このため強制給気などで積極的に新鮮な外気を導入して換気をおこなう必要がある。
【0004】
さらに、換気の目的は、喫煙やシックハウス症候群の原因とされている有害ガスを室内に滞留しないように迅速に排気することが重要視されている。
【0005】
従来的な換気システムでは、強制的に外気導入する給気用ファンから部屋の給気口までの区間に給気用のダクトを設ける構成であるため、天井内にダクト敷設用のスペースが必要であった。
【0006】
しかしながら、天井内空間は梁などが障害となり、ダクトを設置する有効高さがないために下がり天井を設ける場合があり、美観などの意匠性の点で犠牲をはらうことを余儀なくしてきた。
【0007】
また、下がり天井を設けないで対応する場合、ダクトのサイズを小さくするために換気風量を極力抑えて対応する場合もあり、換気能力の点では台所ガス台周りの燃焼空気/臭気からの必要換気量や人の呼気からの必要換気量が確保できないという問題が欠点となっていた。
【0008】
一方、一般的な集合住宅では、腰壁など室内の天井下の外壁に外気取入口(換気口)を設け、強制排気等の吸引負荷により外気を導入するように構成されているが、外気が居室の居住域である人の存在する高さ域に直接流入するので、空調する室の温湿度に影響し、また室内の人がドラフト風を感じて暑い寒いの感覚から来る体感温度に悪影響を及ぼす。例えば、台所でレンジフード(強制排気手段)を運転すると、多量な排気をまかなうため必要な外気を居室天井下の外壁にある外気取入口から居室を通じて供給することとなり、居室にとっては他室の外気負荷も温調することになって居室用エアコンの空調能力が不足する原因となり、ひいては居室の居住域の温湿度が乱れるという問題がある。
【0009】
こうしたなかで、戸建住宅について、同一階の各部屋の天井内と各部屋の下部を連通部により連通した構成とし、適宜の部屋の天井内に循環型給気ファンを設置すると共に、他の部屋の天井内に、この他の部屋の空気を屋外に排気する排気ファンを設置した戸建住宅用ダクトレス換気システムの提案があった(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2003−50034号公報
【0010】
ここでは、循環型給気ファンの吸込側に外気取入口に連なる外気取入ダクトを接続すると共に、吐出側には給気ダクトを接続して、その端部を近接した部屋の天井内に開口させ、天井には部屋への吹出口を設けている。また、循環型給気ファンの吸込側には、更に還流ダクトを接続して、その端部を近接した部屋又は廊下側に開口させると共に、この開口部と循環型給気ファンの吸込側の適所に空気清浄装置を設けている。なお、同一階の各部屋の天井内はスリットを連通部として構成するとの改変提案もある。
【0011】
また、鉄筋コンクリート造の集合住宅について、廊下の間仕切り壁を上階のコンクリートスラブ下面まで立ち上げ、廊下の天井内に閉鎖空間を設けて排気チャンバを形成し、台所のレンジフードやトイレ・浴室等サニタリ用の排気装置以外の居室の排気を、居室に面する押入、クロゼットの天井に面する箇所に排気口を設け、この排気口を介して排気チャンバ内へ導入するとともに、ファンにより住宅の外部へ強制排気するようにした集合住宅用ダクトレスセントラル排気システムの提案があった(例えば、特許文献2を参照)。
【特許文献2】特開平10−185271号公報
【0012】
ここでは、居室の排気経路を天井スペース内に形成した排気チャンバに集中させて各室の換気を積極的におこなおうとしている。
【0013】
しかしながら、上記特許文献1は天井空間の一部を給気チャンバとして構成しているが循環給気ファンを必要としており、天井内にファンやダクトのスペースが必要であり、設備コストも無視できない。また、排気系は台所やサニタリの強制排気手段であり、排気をまかなうため必要な外気を居室天井下の外壁にある外気取入口から居室を通じて供給されるので、居室エアコンの熱負荷も増大する点で従来的な問題は解消しない。
【0014】
上記特許文献2は天井空間の一部を排気チャンバとして構成し、強制排気をおこなうが、台所やサニタリの強制排気手段と給気経路に変更はなく、居室等の天井下外壁に外気導入口の開口が必要であるから、上述した居室の空調への悪影響(温湿度の変動)や人がドラフト風を感じて暑い寒いの感覚から来る体感温度に悪影響を及ぼす点で従来的な問題は解消しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記従来技術の問題点を本発明との対比でいうと、給気ファン及びダクトの天井内設置の有無、居室エアコンにおける他室用外気導入による余分な熱負荷処理からくる能力不足発生の有無、台所(臭気や燃焼熱排気に伴う多量給気)における直接給気の有無である。因みに、トイレや風呂場のサニタリ空間には戸内への開口となる給気口は設けず小さなアンダーカット程度とし、戸外への強制排気手段(天井扇や換気ユニット)のみとするのが普通である。臭いや湿気の拡散を考慮するとき、わずかな負圧状態であることが望まれるからである。
【0016】
技術的解決課題は、住宅の給排気構造に関し、ダクトを使用することなくその代替えとして住宅の天井空間を給気チャンバ又は風路として利用し、レンジフードその他の強制排気手段の作動又は導入外気の風圧に応動して各室に給気可能な給排気設備系(システム)を導入することである。戸建住宅や集合住宅において、臭気や燃焼熱を発するため最大の排気量が必要なる台所に対し、排気をまかなう給気を居室を通さず、外気を直接台所へレンジフードの吸引負荷により導くことができる。このため、居室エアコンの熱負荷として余分であり、かつ変動する外気負荷が削減できることとなり、居室の空調温湿度変動を防止し、外気のドラフト風を感じることで人の暑い寒いの感覚から来る体感温度に悪影響を及ぼすことも防止でき、省エネルギである給排気設備となる。
【0017】
この場合、腰壁など室内天井下の外壁には換気口(外気取入口)を設けないこと、天井空間に強制的な給気手段を設けないこと、及びレンジフードその他の強制排気手段の運転による吸引負荷又は導入外気の風圧に応動して、各室の天井面から(下向きに)給気可能とすることが重要である。
【0018】
ここで、特に考慮されるべき点は、給気ボックスを設置した室(例えば居間)の天井給気口(後述の第1給気口)を壁掛ルームエアコン等空調機の吸込口近傍に開口形成し、かつ、可変流量型の制気手段(ガラリ)を介して自然給気することにより空調の乱れ、具体的には室内空気の流れや無駄な熱損失を防止することである。なお、これにより家具等の配置に係る制約を解除することも課題のひとつとして挙げられる。
【0019】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、上記課題を解消し、デッドスペースであった住宅の天井空間を給気チャンバ又は風路として利用し、レンジフードその他の強制排気手段の作動又は導入外気の風圧に応動して、少なくとも天井面から各室へ給気可能に構築した住宅用ダクトレス給排気システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
課題を解決するために本発明は、住宅の天井空間を風路として利用し、レンジフードその他の強制排気手段の作動又は導入外気の風圧に応動して、少なくとも天井面から各室へ給気可能に構築した住宅用ダクトレス給排気システムであって、
各室の天井空間を連通させて一の空間構成からなる全域天井空間を形成するとともに、サニタリを除く台所、居室その他の室にそれぞれ天井給気口を形設してなり、
天井内の外壁の一部から外気導入することにより、全域天井空間を給気チャンバとすることを特徴とするものである。
【0021】
また、住宅の天井空間を給気ダクトに代替する給気チャンバ又は風路として利用し、各室へ給気可能に構築した住宅用ダクトレス給排気システムであって、
各室の天井空間を連通させて一の閉鎖的な空間構成からなる全域天井空間を形成し、適宜な室の天井内に給気ボックスを配置し、該給気ボックスの一面に形成した外気導入開口部と天井内の外壁に形成した外気導入口との間にダクトを介設して経路を戸外に自然開放し、前記給気ボックスの他の隣接する二面に第1給気口と第2給気口を形設して、第1給気口を対室側の天井に開口させ、かつ、第2給気口を前記外気導入開口部と対向形成して全域天井空間に臨ませるとともに、サニタリを除く台所及び他の室にそれぞれ天井給気口を形設してなり、
前記給気ボックスを外気導入の起点とし、かつ、レンジフードその他の強制排気手段の作動による吸引負荷又は導入外気の風圧に応動して、少なくとも天井面から各室への給気をおこなうようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、住宅の全域天井空間を給気チャンバ又は風路(ダクト代わり)として空間構成することにより、レンジフードその他の強制排気手段の作動による吸引負荷又は導入外気の風圧に応動して(任せて)、天井(給気口)から各室への給気が可能である。なお、室内の外壁に外気取入口は不要とする。
【0023】
ここで、全域天井空間には給気ファンを構設しない。すなわち、台所には強制排気手段(レンジフード)があり、これを作動することで一世帯の区画が陰圧になり、天井面の開口(天井給気口)によって全域天井空間は負圧状態となり、必然的に外気導入され、かつ、天井内(空間)を風路として各室に給気されるため、給気ファンを設ける必要がないのである。給気の際の気流は、天井面から居室のドアガラリやアンダーカットへ向かう下向きとなるが、後述するように壁掛ルームエアコンの吸込口と天井給気口との配置関係を考慮することにより、不快感や空調の乱れの一因となる気流の影響は回避できる。
【0024】
また、台所にも天井給気口を設けることにより、強制排気にともなう多量の外気導入に対応でき、居室からの流入を極力少なくすることができる。このため、居室エアコンの熱負荷として余分であり、かつ変動する外気負荷が削減できることとなり、居室の空調温湿度変動を防止し、外気のドラフト風を感じることで人の暑い寒いの感覚から来る体感温度に悪影響を及ぼすことも防止でき、省エネルギである給排気設備となる。
【0025】
また、居室には壁掛ルームエアコン等空調機があるとして、その吸入口直近に天井給気口(居間につき第1給気口に同じ)を設けることにより、外気はすぐさま温調されるので、生外気による不快な(温度分布の悪い)空調の乱れを回避することができる。
【0026】
さらに、導入外気の風圧に応動する給気は、ルーバ等による制気を除いて自然に任せることができるので、レンジフードが稼働していないときも、居室の窓を住宅1側面開放することで、自然換気が可能となる。また、給気ボックスを介して給気できることから、給気ボックスに設置したフィルタにより外気中のほこりや虫などの室内への侵入を防止できる。そしてフィルタなどは風路の抵抗体として各室への給気の分配量も調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の実施の最良形態は、上記システム構成において、各室の天井空間を連通させて一の閉鎖的な空間構成からなる全域天井空間を形成し、適宜な室の天井内に外気導入の起点となる給気ボックスを配置している。ここで、給気ボックスを含む全域天井空間は給気チャンバとして考慮されればよい。
【0028】
給気ボックスの一面に外気導入開口部を形成し、天井内の外壁に形成した外気導入口との間にダクトを介設して経路を戸外に自然開放する。
【0029】
給気ボックスの他の隣接する二面に第1給気口と第2給気口を形設して、第1給気口を対室側の天井に開口させ、かつ、第2給気口を外気導入開口部と対向形成して全域天井空間に臨ませるとともに、サニタリを除く台所及び他の室にそれぞれ天井給気口を形設する。
【0030】
そして、給気ボックスを外気導入の起点とし、かつ、既設の換気ファンの作動による吸引負荷又は導入外気の風圧に応動して、全域天井空間を風路とする各室への給気をおこなうようにしている。
【0031】
ここで、給気ボックスの第1給気口及び各室に形成した天井給気口にルーバおよび/またはフィルタからなる制気手段を設けている。なお、給気ボックスの第2給気口についても同様の制気手段を設けて、協働的に風量調整をおこなう構成とする場合がある。
【0032】
また、給気ボックスは居間(リビング・ダイニング)の天井内に設置している。この場合、給気による空調の乱れがないように、第1給気口は壁掛ルームエアコンの吸込口近傍に配設するのが好ましい。
【実施例】
【0033】
本発明の一実施例について添付図面を参照して以下詳細説明する。
【0034】
図1は、実施例システムを適用した住宅(区画された住居)の平面図(平面プラン)である。
【0035】
図2は、同じくL−R視立面図(立面プラン)である。
【0036】
図3は、同じく居間(L)及び台所(K)のユーティリティを示すL−K視立面図(立面プラン)である。
【0037】
図1及び図2に示すように、外気はレンジフードや天井扇のような強制排気をおこなう換気ファン(51;71)の吸引により外気導入口(2)よりフレキシブルダクト(3)を介して給気ボックス(4)に導入され、フィルタ(44)を介して導入外気の一部が天井内(S)を風路として台所(5)の天井給気口(20)から吹き出し、室内空気を混合したのちに換気ファン(51)に吸い込まれ排気ダクト(既設)を介して戸外へ排気される。したがって、換気ファン(51;71)が回っている時は吸引負荷による給気である。なお、トイレ(6)と風呂場(7)については、天井給気口は設けないので、換気ファン(71)の吸引による給気はドアガラリ又はアンダーカットからの流入である。
【0038】
一方、残余の導入外気(の一部)は上記以外の居室(L;8)に設けられた天井給気口(20)〔第1給気口41を含む〕からの給気であり、ルームエアコンの吸込口の近傍に設けることにより温調された給気が可能となる。
【0039】
また、このような吸引負荷によらなくても、導入外気の風圧に応動して自然給気がおこなわれることも特徴的である。外気導入口(2)は自然開放だからである。
【0040】
つぎに、給気ボックス(4)について以下説明する。
【0041】
図4に外観図、及び図5に制気手段10を示すように、給気ボックス(4)は、ボックス(4)とフィルタ(44)と外気導入開口部(43)と第1給気口(41)と第2給気口(42)を有し、天井吊材(40)により定置されている。
【0042】
第1給気口(41)は、対室側に配置され、フレーム(11)に摺動可能に設けた2枚のスライドシャッタ(13;13)の面内にそれぞれ打抜き形成した長穴群(14・・14)〔第1給気口41の要素〕からなり、下面の対室側にはルーバ(12)をフレーム(11)に回動支持している。
【0043】
第2給気口(42)は、外気導入開口部(43)と対向形成され全域天井空間(S)に臨んで配置されている。
【0044】
また、ボックス(4)内の第2給気口(42)と外気導入開口部(43)との間にフィルタ(44)を介設しており、外気導入開口部(43)を形成したボックス面の下辺から第2給気口(42)を形成したボックス面の上辺を含む対角断面方向に着脱自在に傾設している。汚染時には取り外して清掃可能である。
【0045】
この構成により、導入外気の一部は長穴群(14・・14)〔第1給気口41の要素〕及びルーバ(12)を通過して室内(居間L)に給気され、残余は全域天井空間(S)を風路として台所(5)、その他の居室(8)に供給される。なお、ルーバ(12)とスライドシャッタ(13)を手動操作して給気量の調整を行うことができる。例えば、冬の寒い日や少量の給気を必要とする場合に、ルーバ(12)の開度を絞り、スライドシャッタ(13)の長穴群(14・・14)を閉鎖移動(図示のノッチ15を利用して1枚のスライドシャッタ13を摺動操作)して給気量を制限する。
【0046】
こうして、給気ボックス(4)を外気導入の起点とすることにより、居間(L)、他の居室(8)、台所(5)等に、全域天井空間(S)を風路とする給排気系を設備することができる。好適には、居間(L)の天井内に給気ボックス(4)を配置することにより、導入外気を壁掛ルームエアコンに供給し、快適な温調のままで換気が達成されるという利点がある。また、腰壁など室内天井下の外壁に換気口を設けることは不要であり、家具等の配置に係る制約を解除することができるという利点もある。また、給気ボックスの第2給気口(42)にも図5に示すスライドッシャッタ(13)やあるいはフィルタを設置する構造を追加することで、第1給気口と第2給気口の給気量を調整変更したり、第2給気口からの残余の導入外気量を調整することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
新築はもとよりリフォームをする際に施工容易であり、スペーシングその他のダクトレスの利点を反映させて設備系や計画系の改善に寄与するので、斯界における技術革新に貢献することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施例システムを適用した住宅(区画された住居)の平面図(平面プラン)である。
【図2】同じくL−R視立面図(立面プラン)である。
【図3】同じく居間(L)及び台所(K)のユーティリティを示すL−K視立面図(立面プラン)である。
【図4】給気ボックスの外観図である。
【図5】給気ボックスの制気手段を示す説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1 住宅
2 外気導入口
3 フレキシブルダクト
4 給気ボックス
41 第1給気口
42 第2給気口
43 外気導入開口部
44 フィルタ
5 台所
51 換気ファン(レンジフード)
6 トイレ
7 風呂場
71 換気ファン(換気ユニット)
8 居室(居間Lを除く)
L 居間(リビング・ダイニング)
S 全域天井空間
10 制気手段
11 フレーム
12 ルーバ
13 スライドシャッタ
14 長穴(群)〔第1給気口の要素〕
15 ノッチ
20 天井給気口
40 天井吊材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸建又は集合住宅用ダクトレス換気システムにおいて、
住宅の天井空間を風路として利用し、レンジフードその他の強制排気手段の作動又は導入外気の風圧に応動して、少なくとも天井面から各室へ給気可能に構築した住宅用ダクトレス給排気システムであって、
各室の天井空間を連通させて一の空間構成からなる全域天井空間を形成するとともに、サニタリを除く台所、居室その他の室にそれぞれ天井給気口を形設してなり、
天井内の外壁の一部から外気導入することにより、全域天井空間を給気チャンバとすることを特徴とする住宅用ダクトレス給排気システム。
【請求項2】
戸建又は集合住宅用ダクトレス換気システムにおいて、
住宅の天井空間を給気ダクトに代替する給気チャンバ又は風路として利用し、各室へ給気可能に構築した住宅用ダクトレス給排気システムであって、
各室の天井空間を連通させて一の閉鎖的な空間構成からなる全域天井空間を形成し、適宜な室の天井内に給気ボックスを配置し、該給気ボックスの一面に形成した外気導入開口部と天井内の外壁に形成した外気導入口との間にダクトを介設して経路を戸外に自然開放し、前記給気ボックスの他の隣接する二面に第1給気口と第2給気口を形設して、第1給気口を対室側の天井に開口させ、かつ、第2給気口を前記外気導入開口部と対向形成して全域天井空間に臨ませるとともに、サニタリを除く台所及び他の室にそれぞれ天井給気口を形設してなり、
前記給気ボックスを外気導入の起点とし、かつ、レンジフードその他の強制排気手段の作動による吸引負荷又は導入外気の風圧に応動して、少なくとも天井面から各室への給気をおこなうようにしたことを特徴とする住宅用ダクトレス給排気システム。
【請求項3】
給気ボックスの第1給気口及び各室に形成した天井給気口にルーバおよび/またはフィルタからなる制気手段を設けてなる請求項2記載の住宅用ダクトレス給排気システム。
【請求項4】
給気ボックスの第2給気口に、風量調整のためのルーバおよび/またはフィルタからなる制気手段を設けてなる請求項2記載の住宅用ダクトレス給排気システム。
【請求項5】
給気ボックスを居間の天井内に設置して、第1給気口および/または天井給気口をルームエアコンその他の空調機の吸込口近傍に配設した請求項2乃至4のいずれか1項記載の住宅用ダクトレス給排気システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−10269(P2006−10269A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191021(P2004−191021)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【Fターム(参考)】