作業機の操作レバーガイド装置
【課題】ガイドプレートのガイド溝内で操作される操作レバーを挿通可能なスリットを有した軟質弾性材からなるシール板の取付構造の簡素化を図る。
【解決手段】ガイドプレート31と化粧カバー32との間に、ガイドプレート31及び化粧カバー32の両ガイド溝31a,32a内で操作される操作レバー22を挿通可能なスリット33aを有した軟質弾性材からなるシール板33を備え、ガイドプレート31及び化粧カバー32に、化粧カバー32をガイドプレート31に対して固定保持させるための連結部34を形成して、シール板33を、ガイドプレート31に形成されたガイド溝31aの横側部で、ガイドプレート31と化粧カバー32の連結部34,36との間に挟み込んで止着してある。
【解決手段】ガイドプレート31と化粧カバー32との間に、ガイドプレート31及び化粧カバー32の両ガイド溝31a,32a内で操作される操作レバー22を挿通可能なスリット33aを有した軟質弾性材からなるシール板33を備え、ガイドプレート31及び化粧カバー32に、化粧カバー32をガイドプレート31に対して固定保持させるための連結部34を形成して、シール板33を、ガイドプレート31に形成されたガイド溝31aの横側部で、ガイドプレート31と化粧カバー32の連結部34,36との間に挟み込んで止着してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横軸芯周りで揺動操作される操作レバーと、その操作レバーの揺動操作を案内するためのガイド溝を形成したガイドプレートとを備えた作業機の操作レバーガイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように、横軸芯周りで揺動操作される操作レバーと、その操作レバーの揺動操作を案内するためのガイド溝を形成したガイドプレートとを備えた作業機の操作レバーガイド装置としては、従来より下記[1]及び[2]に記載のものが知られている。
【0003】
[1] 機体に位置固定して装備されたガイドプレートにガイド溝を設け、そのガイド溝に沿って操作レバーを前後及び左右に揺動操作自在に装備させるとともに、前記ガイドプレートの上部側にガイドプレートを覆うサイド操作パネルを設け、そのサイド操作パネルに前記操作レバーが通るガイド溝を設け、そのガイド溝に下側が見えないようにスリット入りのゴム製のシール板が取り付けてあるもの(例えば、特許文献1参照)。
[2] 機体側に固定のサイド操作ボックスに対して、上方に高く膨出形成した主変速操作レバーを案内する操作ガイドパネルと、他の各種操作レバーを案内する平板状のガイドパネルとを位置固定して装備させ、主変速操作レバーを案内する操作ガイドパネルのガイド溝部分にシール材を設けて、下方から吹き上がってくる熱風を遮断するように構成したもの(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−48813号(段落「0006」、「0007」、図2、図3参照)
【特許文献2】特開2003−9635号(段落「0017」、「0021」、図3、図4、図5参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記[1]に記載の構造のものでは、操作レバーを案内するガイド溝を形成したガイドプレートは機体に位置固定して装備され、そのガイドプレートの上部側を覆うサイド操作パネルに前記操作レバーが通るガイド溝を設け、そのガイド溝を備えたサイド操作パネルの裏側にスリット入りのゴム製のシール板を取り付けてある。
つまり、スリット入りのゴム製のシール板は、機体に位置固定して装備された強度の大きいガイドプレートに対してではなく、ガイドプレートの上部側を覆うサイド操作パネルに取り付けてあるので、サイド操作パネル側にスリット入りのゴム製のシール板を取り付けるための構造や、そのスリット入りのゴム製のシール板を取り付け可能な強度を確保する必要があって、サイド操作パネルの構造の複雑化やサイド操作パネルの重量増を招く不具合がある。
【0006】
上記[2]に記載の構造のものでは、主変速操作レバーを案内する操作ガイドパネルと、他の各種操作レバーを案内する平板状のガイドパネルとを、機体側で固定されているサイド操作ボックスに対して位置固定して装備させ、主変速操作レバーを案内する操作ガイドパネルのガイド溝部分の裏側にシール板を設けている。
この構造では、主変速操作レバーを案内するガイド溝が操作ガイドパネル自体に形成され、ガイド溝を備えた部材とは別の化粧カバーを用いるものではないので、主変速操作レバーを案内するガイド溝を膨出箇所に備えた比較的複雑な構造の操作ガイドパネルを、比較的強度の高い部材で構成しなければならないという、製作加工上の難しさを招くとともに、その操作ガイドパネルの裏側にシール板を取り付けるための構造や部材を付加する必要があって、部品点数の増加や構造の複雑化を招く不都合がある。
【0007】
本発明の目的は、操作レバーの揺動操作を案内するためのガイド溝を形成したガイドプレートに、ガイド溝内で操作される前記操作レバーを挿通可能なスリットを有した軟質弾性材からなるシール板を備えるにあたり、そのシール板の取付構造の簡素化を図る点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために講じた本発明における作業機の操作レバーガイド装置の技術手段は、次の点に構成上の特徴、及び作用効果がある。
〔解決手段1〕
横軸芯周りで揺動操作される操作レバーを備えるとともに、その操作レバーの揺動操作を案内するためのガイド溝を形成したガイドプレートを、機体に位置固定して装備し、
前記ガイドプレートの上側に、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝内で移動する操作レバーの移動範囲と対応するガイド溝が形成された化粧カバーを位置させ、
前記ガイドプレートと前記化粧カバーとの間に、前記ガイドプレート及び化粧カバーの両ガイド溝内で操作される前記操作レバーを挿通可能なスリットを有した軟質弾性材からなるシール板を備え、
前記ガイドプレート及び化粧カバーに、前記化粧カバーを前記ガイドプレートに対して固定保持させるための連結部を形成して、前記シール板を、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝の横側部で、前記ガイドプレートと化粧カバーの前記連結部との間に挟み込んで止着してある。
【0009】
〔解決手段1にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段1で示した構成によると、化粧カバーをガイドプレートに対して固定保持させるための連結部を形成し、ガイド溝内で操作される前記操作レバーを挿通可能なスリットを有した軟質弾性材からなるシール板を、ガイドプレートと前記化粧カバーとの間に位置させて、ガイドプレートと化粧カバーの連結部との間に挟み込んで止着してある。
つまり、ガイドプレートに対して化粧カバーを固定保持させるための構造を利用して、ガイドプレートにシール板を装備させることができる。
したがって、シール板をガイドプレートに装備させるための専用の取付部材などを用いる必要なく、ガイドプレートに対して化粧カバーを固定保持させるための構造を利用して、ガイドプレートに前記シール板を装備でき、構造の簡素化を図り得る利点がある。
【0010】
〔解決手段2〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項2に記載のように、 横軸芯周りでの前後揺動操作、及び前記横軸芯に交差する左右方向での揺動操作が行われる二方向操作レバーと、その二方向操作レバーの横側方に位置して前記横軸芯に沿う方向の横軸芯周りで前後揺動操作自在な一方向操作レバーとを備えるとともに、前記二方向操作レバーの操作方向を案内するガイド溝を形成したガイドプレートを、機体に位置固定して装備し、
前記ガイドプレートの上側に、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝内で移動する二方向操作レバーの移動範囲と対応するガイド溝、及び一方向操作レバーの操作方向を案内するガイド溝が形成された化粧カバーを位置させ、
前記ガイドプレートと前記化粧カバーとの間に、前記二方向操作レバー及び前記一方向操作レバーを挿通可能なスリットを有した軟質弾性材からなるシール板を備え、
前記ガイドプレート及び化粧カバーに、前記化粧カバーを前記ガイドプレートに対して固定保持させるための連結部を形成して、前記シール板を、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝の両側で、前記ガイドプレートと化粧カバーの前記連結部との間に挟み込んで止着するとともに、前記一方向操作レバーの存在位置から前記二方向操作レバーが存在する側とは反対側に離れた位置で化粧カバーに止着してあることを特徴とする。
【0011】
〔解決手段2にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段2で示した構成によると、化粧カバーをガイドプレートに対して固定保持させるための連結部を形成し、ガイド溝内で操作される二方向操作レバーを挿通可能なスリットを有した軟質弾性材からなるシール板を、ガイドプレートと前記化粧カバーとの間に位置させて、ガイドプレートと化粧カバーの連結部との間に挟み込んで止着してある。
つまり、ガイドプレートに対して化粧カバーを固定保持させるための構造を利用して、ガイドプレートにシール板を装備させることができる。
したがって、シール板をガイドプレートに装備させるための専用の取付部材などを用いる必要なく、ガイドプレートに対して化粧カバーを固定保持させるための構造を利用して、ガイドプレートに前記シール板を装備でき、構造の簡素化を図り得る利点がある。
【0012】
しかも、上記解決手段2で示した構成によると、前記シール板を、前記ガイドプレートと化粧カバーの連結部との間に挟み込んで止着する位置は、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝の両側であるから、ガイド溝内で前後方向と左右方向との二方向に操作される二方向操作レバーを挿通させたシール板でありながら、ガイド溝に対するシール板のズレ動きを確実に規制して、ガイドプレートよりも下方側からの塵埃の入り込みを効果的に抑制し得る利点がある。
【0013】
また、上記解決手段2で示した構成によると、横軸芯周りで前後揺動操作自在な一方向操作レバーに対するシール板は、左右方向での一側では前記ガイドプレートに固定され、他側では化粧カバーに止着されている。
つまり、前記一方向操作レバーは、その一方向操作レバーを案内するためのガイド溝をガイドプレートに形成することを省いて、ガイドプレートの小型化及び構造の簡素化を図りながらも、一側ではガイドプレートに、他側では化粧カバーに止着することで、その一方向操作レバーの両側でシール板を支持した状態に装着することができる。これによって、この一方向操作レバーに対するシール箇所でもシール板によるシール機能を良好に維持し得る利点がある。
【0014】
〔解決手段3〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項3に記載のように、ガイドプレートは操縦席の横側部に設けてあって、そのガイドプレートの上面は水平面に沿わせて形成してあり、化粧カバーの上面は、前記ガイドプレートの上面よりも操縦席から離れる側ほど高くなるように傾斜した面に形成してあることを特徴とする。
【0015】
〔解決手段3にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段3で示した構成によると、機体に位置固定して装備されるガイドプレートの上面は水平面に沿わせて形成してあるから、このガイドプレートの上面が傾斜した面であったり、複雑な凹凸部分を有した面等である場合に比べて、ガイド溝に案内される操作レバーとの位置関係を簡単に精度良く位置設定して組み付け易いという有利さがある。
それでいて、化粧カバーの上面は、前記ガイドプレートの上面よりも操縦席から離れる側ほど高くなるように傾斜した面に形成してあるので、操縦席側から化粧カバーの上面を視認し易く、その化粧カバーの上面に表示される各種指標を認識し易いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】コンバインの全体平面図
【図3】動力伝達系を示すブロック図
【図4】制御系を示すブロック図
【図5】操作盤部分を示す平面図
【図6】操作盤部分を示す斜視図
【図7】図5におけるVII-VII線断面図
【図8】操作レバーガイド装置部分を示す分解斜視図
【図9】図5におけるIX-IX線断面図
【図10】図5におけるX-X線断面図
【図11】図10におけるXI-XI線矢視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る作業機の操作レバーガイド装置を適用したコンバインについて、図面に基づいて説明する。
〔コンバインの全体構造〕
図1にコンバインの全体側面が示されている。このコンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1L、1Rを機体フレーム2の下部に備え、前記走行装置1L、1Rの駆動により機体フレーム2が走行自在に構成されている。
前記機体フレーム2の前部に、昇降操作自在でかつ圃場の植立穀稈を刈り取り、刈り取った穀稈を後方に搬送する刈取処理装置3が設けられ、機体フレーム2上に、前記刈取処理装置3で刈り取られた穀稈を受け取って脱穀および選別処理する脱穀装置4と、脱穀装置4で脱穀および選別処理することにより得られた穀粒を貯留する穀粒タンク5とが搭載されるとともに、穀粒タンク5の前方箇所の機体フレーム2上に搭乗運転部6が形成されている。
【0018】
刈取処理装置3は、刈取り部フレーム3aが昇降用の油圧シリンダ17によって機体フレーム2に対して上下に揺動操作されることにより、刈取処理装置3の前端部に位置する複数の分草具3bが地面付近に下降した下降作業状態と、分草具3bが地面から上昇した上昇非作業状態とに昇降作動するように構成されている。そして、刈取処理装置3を下降作業状態にして走行機体を走行させると、刈取処理装置3が、刈り取り対象の複数の植付け条に位置する植立穀稈を対応する分草具3bによって隣接する植付け条の植立穀稈と分草し、各分草具3bからの植立穀稈を対応した引起し装置3cによって引起し処理するとともに一つのバリカン形の刈取り装置3dによって刈取り処理し、刈取り装置3dからの刈取り穀稈を搬送装置3eによって後方に搬送して脱穀装置4の脱穀フィードチェーン4Aの始端部に供給するように構成されている。
【0019】
脱穀装置4は、脱穀フィードチェーン4Aによって刈取り穀稈の株元側を挟持して後方に搬送しながら穂先側を扱室(図示せず)に供給し、刈取り穀稈を回動する扱胴(図示せず)によって脱穀処理するように構成されている。又、脱穀装置4から搬出された脱穀粒を穀粒タンク5に回収して貯留し、穀粒タンク5に貯留された脱穀粒はスクリューコンベア式の穀粒排出装置5aによって外部に排出するように構成されている。又、脱穀処理されたあとの排ワラは機体後方に搬送されて排ワラ処理装置19により細断処理された後に機体後方から排出される。
前記脱穀装置4の脱穀フィードチェーン4Aの搬送始端側には、刈取り穀稈を前記脱穀フィードチェーン4Aの搬送始端部から浮かせて受け止め支持する状態と、刈取処理装置3から送り込まれる刈取り穀稈が前記脱穀フィードチェーン4Aの搬送始端部に供給されるように引退した状態とに姿勢切換自在に構成された穀稈受け止め体(図示せず)を備えてある。
【0020】
静油圧式無段変速装置7は、コンバインの機体フレーム2に搭載されているエンジンEからの動力によって駆動される可変油圧ポンプ7Aと、その可変油圧ポンプ7Aからの供給油で回転駆動される油圧モータ7Bとの対で構成された周知構造の静油圧式無段変速装置(HST)によって構成されている。前記エンジンEの動力は、伝動ベルト14及び伝動プーリ15を介して可変油圧ポンプ7Bのポンプ軸であるところの前記伝動軸16に伝達される。
【0021】
前記ミッションケース9は、その内部に、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Bからの出力軸(図示せず)が内装され、この出力軸からの変速出力が左右一対の走行装置1R、1Lに伝達される構成となっている。前記刈取処理装置3には、前記静油圧式無段変速装置7からの変速出力ではなく、静油圧式無段変速装置7に対して入力される前記伝動軸16の回転動力がそのまま伝達される。
また、前記ミッションケース9の内部には、前記静油圧式無段変速装置7の出力軸(図示せず)からの変速出力を、高低変速操作して走行装置1R、1Lに伝達するためのギヤ変速機構で構成される副変速装置(図示せず)も配備されている。
【0022】
前記静油圧式無段変速装置7を高低変速操作する主変速レバー22(操作レバーに相当する)、及び前記ギヤ変速機構で構成される副変速装置(図外)を高低変速操作する副変速操作レバー23(操作レバーに相当する)、ならびに旋回用の旋回操作レバー24は、前記搭乗運転部6の操作盤20上に露出させて設けてある。
また、この搭乗運転部6における操作盤20には、前記刈取クラッチ12と脱穀クラッチ10とを、機体を走行させながらの通常の刈取脱穀作業を行うに適した作動形態と、機体を停止させての枕扱ぎ作業を行うに適した作動形態とに、ワンタッチ操作で切り換えることのできる統合スイッチ21も備えてある。
前記主変速レバー22による変速操作は、図4に示すように、主変速レバー22の操作によって静油圧式無段変速装置7のポンプ斜板角を変更して静油圧式無段変速装置7からの出力を変速操作するように構成してあり、旋回操作レバー24による操向操作は、旋回操作レバー24の右旋回操作及び左旋回操作をポテンショメータ24aで検出して、ミッションケース9の変速機構内に備えられた図示しない旋回操作機構により、左右の走行装置1L,1Rを各別に制御して機体操向操作を行えるように構成してある。
【0023】
上記統合スイッチ21は、ワンタッチでの押し操作の度にオン・オフ状態が交互に切り換えられるプッシュオン・プッシュオフ形式の押しボタンスイッチを用いて構成してあり、押し操作されて入り状態であることが検出されると、図4に示すマイクロコンピュータからなる制御装置100のモータ制御手段101に開始信号を入力するものである。
モータ制御手段101では、予め不揮発性メモリーに記憶されている所定プログラムにしたがって、前記刈取クラッチ12と脱穀クラッチ10、及び前記穀稈受け止め体(図外)の作動形態を切り換えるように、電動モータ25の作動を制御するように構成されている。
【0024】
つまり、図示しないが、電動モータ25の正逆転作動に伴って駆動されるカム体やカムフォロワを備え、そのカム体で操作されるカムフォロワを、前記刈取クラッチ12と脱穀クラッチ10、及び穀稈受け止め体(図外)と連係策で連係し、前記刈取クラッチ12と脱穀クラッチ10の入り切り作動、ならびに穀稈受け止め体(図外)の上げ下げ操作を行うように構成してある。
具体的には、主変速操作レバー22の操作位置を判別するポテンショメータ22aの検出信号、及び前記統合スイッチ21の操作信号がモータ制御手段101に入力され、モータ制御手段101からの出力信号が電動モータ25に入力されるように構成してある。
【0025】
そして、モータ制御手段101では、ポテンショメータ22aの検出信号から、主変速操作レバー22が前進操作域に操作されている状態であることが検出されている状態で、前記統合スイッチ21が押し操作されたことが検出されると、電動モータ25がカム体を正転側へ駆動して、刈取クラッチ12と脱穀クラッチ10とを入り作動させ、穀稈受け止め体(図外)を下げ操作するように制御する。この状態で機体を前進走行させながらの通常の刈取脱穀作業を行える状態となる。
前記ポテンショメータ22aの検出信号から、主変速操作レバー22が中立又は後進操作域に操作されている状態であることが検出されている状態で、前記統合スイッチ21が押し操作されたことが検出されると、電動モータ25がカム体を逆転側へ駆動して、刈取クラッチ12を切り操作し、脱穀クラッチ10のみを入り作動させ、穀稈受け止め体(図外)を上げ操作するように制御する。この状態では、機体を停止させての枕扱ぎ脱穀作業を行える状態、もしくは機体を後進走行させながら刈取クラッチ12を切り作動して脱穀作業を継続している状態となる。
【0026】
〔操作レバーガイド装置〕
図5乃至図8に本発明の操作レバーガイド装置30を示す。
操作レバーガイド装置30は、操作盤20における主変速操作レバー22と副変速操作レバー23との操作方向を案内するための装置である。
この操作レバーガイド装置30は、図7及び図8に示すように、断面L字状の金属製のガイドプレート31と、そのガイドプレート31の上側を覆う合成樹脂製の化粧カバー32、及び、前記ガイドプレート31と化粧カバー32との間に介在させたゴム板材からなるシール板33とを備えて構成されている。
前記ガイドプレート31は、操縦席60を備える搭乗運転部6で前記操縦席60の左側に立設された左側部操作ボックス61の内部で、前記左側部操作ボックス61の側壁に固定された固定部材61aに連結固定されている。
前記ガイドプレート31、化粧カバー32、及びシール板33は、前記操作盤20の一部を構成するものである。
【0027】
前記ガイドプレート31には、水平方向に沿う上面側に、主変速操作レバー22を挿通させて、その主変速操作レバー22の操作方向を案内するガイド溝31aを形成してある。
このガイド溝31aは、横軸芯(図外)周りでの前後揺動操作、及び前記横軸芯に交差する左右方向での揺動操作が行われるように、前後方向及び左右方向の二方向に操作される二方向操作レバーの一例である前記主変速操作レバー22の操作方向を案内するように形成されている。つまり、前記主変速操作レバー22を挿通させた状態で、主変速操作レバー22の前後及び左右方向の揺動作動を許しながら、前進走行域から中立位置を経て後進走行域に主変速操作レバー22の操作移動を案内するように屈曲した溝形状を有している。
【0028】
前記化粧カバー32には、前記主変速操作レバー22の操作方向を案内するためのガイド溝32aとともに、前記副変速操作レバー23の操作方向を案内するためのガイド溝32bも形成されている。
この化粧カバー32において、前記主変速操作レバー22を挿通させるガイド溝32aは、前記主変速操作レバー22の操作移動範囲に対応する大きさで、前記ガイドプレート31に形成されたガイド溝31aと同様な形状に形成されている。
これに対して前記副変速操作レバー23の操作方向を案内するガイド溝32bは、副変速操作レバー23の操作移動範囲に対応する大きさで、直線的な形状のガイド溝32bに形成されている。これは、前記副変速操作レバー23が前記主変速操作レバー22の前後方向での揺動軸芯となる横軸心と平行な横軸心(図外)周りで、前後方向にのみ揺動操作されるものであり、左右方向には揺動操作される構造とはなっていないことによる。
【0029】
前記化粧カバー32のガイド溝32a及びガイド溝32bは、図6及び図7に示すようにガイド溝32a及びガイド溝32bの周辺に、左右方向での断面形状で下窄まりのテーパー状となるように傾斜した溝周壁部分を下向きに膨出形成してあり、その溝周壁部分の下端が前記シール板33の上面側に接するように構成してある。
したがって、前記ガイドプレート31に形成されたガイド溝31aの上側には、前記シール板33を挟んで化粧カバー32のガイド溝32aが位置し、かつ、この化粧カバー32のガイド溝32aが、後述する連結用突部34及び取付穴36からなる連結部よりも前記ガイド溝31aに近接した位置で、ガイド溝31aの全周に亘って存在し、主変速操作レバー22の揺動操作に伴うシール板33の浮き上がりを抑制するように構成されている。
また、副変速操作レバー23の操作移動範囲に対応して設けられるガイド溝32bは、その副変速操作レバー23の操作移動範囲に対応して前記シール板33に形成されるスリット33bの全周に亘って位置し、副変速操作レバー23の揺動操作に伴うシール板33の浮き上がりを抑制するように構成してある。
【0030】
そして、化粧カバー32の下面側には、前記主変速操作レバー22の操作方向を案内するためのガイド溝32aの左右方向での両側で、下方側へ向けて膨出した連結用突部34(化粧カバー32側の連結部に相当する)を、ガイド溝32aの長手方向での複数箇所に形成してある。
この化粧カバー32側の連結用突部34に対向するガイドプレート31側のガイド溝31aの左右両側にも、前記連結用突部34に対向してガイドプレート31の下面側からガイドプレート31を貫通して連結用突部34内の連結穴34aにねじ込み可能なタッピングネジ35を装着するための取付穴36(ガイドプレート31側の連結部に相当する)を形成してある。
また、化粧カバー32の下面側で、前記副変速操作レバー23の操作方向を案内するガイド溝32bよりも前記主変速操作レバー22から離れた箇所には、前記シール板33の一端側を止着するための棒状突部37が形成されている。
【0031】
前記シール板33には、前記主変速操作レバー22の操作方向を案内するためのガイド溝31a内に相当する箇所に、前記主変速操作レバー22を挿通可能で、そのガイド溝31a内で主変速操作レバー22の操作移動を許容しながら、主変速操作レバー22の移動方向の前後のガイド溝31a内の空隙を閉塞するようにスリット33aを形成してある。
同様に、前記副変速操作レバー23の操作方向を案内するためのガイド溝32b内に相当する箇所にも、前記副変速操作レバー23を挿通可能で、そのガイド溝32b内で副変速操作レバー23の操作移動を許容しながら、副変速操作レバー23の移動方向の前後のガイド溝32b内の空隙を閉塞するようにスリット33bを形成してある。
【0032】
そして、このシール板33には、前記主変速操作レバー22の操作方向を案内するためのガイド溝31aに対応する箇所のスリット33aの両側で、前記化粧カバー32側の連結用突部34内の連結穴34a、及び前記ガイドプレート31側のガイド溝31aの左右両側に形成された取付穴36に対応する位置で、前記タッピングネジ35を挿通可能な貫通穴33cを形成してある。
また、前記副変速操作レバー23の操作方向を案内するためのガイド溝32bに対応する箇所のスリット33bよりも前記主変速操作レバー22に対応する箇所のスリット33aから離れた位置に、前記化粧カバー32の下面側に形成された棒状突部37を挿通可能な貫通穴33dが形成されている。
【0033】
このように構成されたシール板33は、前記ガイドプレート31と化粧カバー32との間に位置して、前記主変速操作レバー22の操作方向を案内するためのガイド溝31aに対応する箇所では、化粧カバー32の下面側に膨出形成された連結用突部34の下面とガイドプレート31の上面との間に挟み込まれた状態で、前記タッピングネジ35でガイドプレート31と化粧カバー32とを連結することによって止着される。
また、前記副変速操作レバー23の操作方向を案内するためのガイド溝32bに対応する箇所では、そのガイド溝32bの両側のうち、前記主変速操作レバー22の操作方向を案内するためのガイド溝31aに近い側では、前記タッピングネジ35でガイドプレート31と化粧カバー32とを連結することによって、連結用突部34の下面とガイドプレート31の上面との間に挟み込まれた状態で止着される。
そして、前記ガイド溝32bの両側のうち、主変速操作レバー22の操作方向を案内するためのガイド溝31aから遠い側では、前記化粧カバー32の下面側に形成された棒状突部37にシール板33の貫通穴33dを挿通して、その下方側から、内周側に食い込み歯を備えたリング状の止め金38を前記棒状突部37に嵌め込むことによって固定されている。
【0034】
したがって前記シール板33は、前記ガイドプレート31に形成されたガイド溝31aの周辺では、ガイドプレート31と化粧カバー32との連結固定に伴って、上記の連結用突部34の下面とガイドプレート31の上面との間に挟み込まれた状態で止着されるとともに、その止着箇所よりもガイド溝31aに近い位置で、前記化粧カバー32のガイド溝32aの下向きに膨出した溝周壁部分が、ガイド溝31aの全周に亘ってシール板33の上側に存在し、主変速操作レバー22の揺動操作に伴うシール板33の浮き上がりが抑制されている。
また、副変速操作レバー23の操作移動範囲に対応して設けられるガイド溝32bに対応する箇所に設けられるシール板33のスリット33bの周辺では、ガイドプレート31と化粧カバー32との連結固定と、化粧カバー32の下面側に形成された棒状突部37に対する止め金38の嵌め込みによって固定されているとともに、それらの固定箇所よりもスリット33bに近い位置で、前記化粧カバー32のガイド溝32bの下向きに膨出した溝周壁部分が、スリット33bの全周に亘ってシール板33の上側に存在し、副変速操作レバー23の揺動操作に伴うシール板33の浮き上がりが抑制されている。
【0035】
〔その他〕
図9は、前記の操作盤20において、エンジン回転数や燃料残量など、各種の情報を表示するための液晶表示装置26の取付状態を示している。
この構造では、液晶表示装置26の外周側に取付用の板金製ブラケット26aを一体的に装着してあって、合成樹脂製の操作盤20の下面側から下方へ膨出している取付突部27に対して、前記板金製ブラケット26aの下面側からタッピングネジ26bをねじ込むことによって取り付けてある。
【0036】
図10及び図11は、前記操作盤20上で、前記液晶表示装置26に近い機体前部側に設けられた統合スイッチ21の取り付け状態を示している。
この統合スイッチ21は、操作盤20に形成されたスイッチ取付凹部28に、統合スイッチ21の大径部21aを支持させ、そのスイッチ取付凹部28の底側に形成された貫通穴から統合スイッチ21の小径部21bを操作盤20の裏面側へ露出するように配設してある。
前記スイッチ取付凹部28は、操作盤20の下面側で下方へ延出され、統合スイッチ21の矩形の大径部21aの周方向での三面を抱き込むように支えるアーム部28aと、そのアーム部28aに対向する側で統合スイッチ21の残りの一面に対向して支える複数のリブ状突起28bとで構成されている。
このように、下方側へ延出されたアーム部28aとリブ状突起28bとを利用して統合スイッチ21を支持させるようにしたことにより、操作盤20として比較的肉厚の薄い合成樹脂製のものを用いながら、奥行きの深い統合スイッチ21を、操作盤20の肉厚を増大することなく装着しやすい点で有利である。
【0037】
前記操作盤20は、搭乗運転部6に立設された左側部操作ボックス61の上面側だけではなく、操縦席60の前方側に位置する前部ボックス62の上面側にも設けてあり、この前部ボックス62の上面側に旋回操作レバー24が設けてある。
【0038】
〔別実施形態の1〕
操作レバーガイド装置30のシール板33としては、上記の実施の形態で示したようなゴム板に限らず、軟質で適度の弾性を有した合成樹脂材などで構成してもよい。
【0039】
〔別実施形態の2〕
シール板33に形成されるスリット33a,33bは、実施の形態で示したような切り目によって形成されたものに限らず、例えば、別々のシール板33同士を、互いの端縁同士が近接する状態に配設して、その端縁同士の間に主変速操作レバー22や副変速操作レバー23などの操作レバーを挿通させた状態でシールできるように構成したものであってもよい。
【0040】
〔別実施形態の3〕
ガイドプレート31に形成されるガイド溝31aは単一のものであるに限らず、複数のガイド溝31aを設けたものであってもよい。その場合、二方向操作レバーが複数あってその二方向操作レバーを案内するためのガイド溝31aであってもよく、複数の一方向操作レバーを案内するためのガイド溝31aであってもよい。あるいは、二方向操作レバーと一方向操作レバーとの夫々を案内するガイド溝31aの組み合わせを設けたものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、実施形態で示したような自脱型のコンバインに限らず、普通型のコンバイン、あるいは、トラクタや田植機などの各種の作業機にも適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
3 刈取処理装置
4 脱穀装置
6 搭乗運転部
20 操作盤
22 操作レバー(二方向操作レバー)
23 操作レバー(一方向操作レバー)
30 操作レバーガイド装置
31 ガイドプレート
31a ガイド溝
32 化粧カバー
32a,32b ガイド溝
33 シール板
33a,33b スリット
34,36 連結部
60 操縦席
【技術分野】
【0001】
本発明は、横軸芯周りで揺動操作される操作レバーと、その操作レバーの揺動操作を案内するためのガイド溝を形成したガイドプレートとを備えた作業機の操作レバーガイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように、横軸芯周りで揺動操作される操作レバーと、その操作レバーの揺動操作を案内するためのガイド溝を形成したガイドプレートとを備えた作業機の操作レバーガイド装置としては、従来より下記[1]及び[2]に記載のものが知られている。
【0003】
[1] 機体に位置固定して装備されたガイドプレートにガイド溝を設け、そのガイド溝に沿って操作レバーを前後及び左右に揺動操作自在に装備させるとともに、前記ガイドプレートの上部側にガイドプレートを覆うサイド操作パネルを設け、そのサイド操作パネルに前記操作レバーが通るガイド溝を設け、そのガイド溝に下側が見えないようにスリット入りのゴム製のシール板が取り付けてあるもの(例えば、特許文献1参照)。
[2] 機体側に固定のサイド操作ボックスに対して、上方に高く膨出形成した主変速操作レバーを案内する操作ガイドパネルと、他の各種操作レバーを案内する平板状のガイドパネルとを位置固定して装備させ、主変速操作レバーを案内する操作ガイドパネルのガイド溝部分にシール材を設けて、下方から吹き上がってくる熱風を遮断するように構成したもの(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−48813号(段落「0006」、「0007」、図2、図3参照)
【特許文献2】特開2003−9635号(段落「0017」、「0021」、図3、図4、図5参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記[1]に記載の構造のものでは、操作レバーを案内するガイド溝を形成したガイドプレートは機体に位置固定して装備され、そのガイドプレートの上部側を覆うサイド操作パネルに前記操作レバーが通るガイド溝を設け、そのガイド溝を備えたサイド操作パネルの裏側にスリット入りのゴム製のシール板を取り付けてある。
つまり、スリット入りのゴム製のシール板は、機体に位置固定して装備された強度の大きいガイドプレートに対してではなく、ガイドプレートの上部側を覆うサイド操作パネルに取り付けてあるので、サイド操作パネル側にスリット入りのゴム製のシール板を取り付けるための構造や、そのスリット入りのゴム製のシール板を取り付け可能な強度を確保する必要があって、サイド操作パネルの構造の複雑化やサイド操作パネルの重量増を招く不具合がある。
【0006】
上記[2]に記載の構造のものでは、主変速操作レバーを案内する操作ガイドパネルと、他の各種操作レバーを案内する平板状のガイドパネルとを、機体側で固定されているサイド操作ボックスに対して位置固定して装備させ、主変速操作レバーを案内する操作ガイドパネルのガイド溝部分の裏側にシール板を設けている。
この構造では、主変速操作レバーを案内するガイド溝が操作ガイドパネル自体に形成され、ガイド溝を備えた部材とは別の化粧カバーを用いるものではないので、主変速操作レバーを案内するガイド溝を膨出箇所に備えた比較的複雑な構造の操作ガイドパネルを、比較的強度の高い部材で構成しなければならないという、製作加工上の難しさを招くとともに、その操作ガイドパネルの裏側にシール板を取り付けるための構造や部材を付加する必要があって、部品点数の増加や構造の複雑化を招く不都合がある。
【0007】
本発明の目的は、操作レバーの揺動操作を案内するためのガイド溝を形成したガイドプレートに、ガイド溝内で操作される前記操作レバーを挿通可能なスリットを有した軟質弾性材からなるシール板を備えるにあたり、そのシール板の取付構造の簡素化を図る点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために講じた本発明における作業機の操作レバーガイド装置の技術手段は、次の点に構成上の特徴、及び作用効果がある。
〔解決手段1〕
横軸芯周りで揺動操作される操作レバーを備えるとともに、その操作レバーの揺動操作を案内するためのガイド溝を形成したガイドプレートを、機体に位置固定して装備し、
前記ガイドプレートの上側に、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝内で移動する操作レバーの移動範囲と対応するガイド溝が形成された化粧カバーを位置させ、
前記ガイドプレートと前記化粧カバーとの間に、前記ガイドプレート及び化粧カバーの両ガイド溝内で操作される前記操作レバーを挿通可能なスリットを有した軟質弾性材からなるシール板を備え、
前記ガイドプレート及び化粧カバーに、前記化粧カバーを前記ガイドプレートに対して固定保持させるための連結部を形成して、前記シール板を、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝の横側部で、前記ガイドプレートと化粧カバーの前記連結部との間に挟み込んで止着してある。
【0009】
〔解決手段1にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段1で示した構成によると、化粧カバーをガイドプレートに対して固定保持させるための連結部を形成し、ガイド溝内で操作される前記操作レバーを挿通可能なスリットを有した軟質弾性材からなるシール板を、ガイドプレートと前記化粧カバーとの間に位置させて、ガイドプレートと化粧カバーの連結部との間に挟み込んで止着してある。
つまり、ガイドプレートに対して化粧カバーを固定保持させるための構造を利用して、ガイドプレートにシール板を装備させることができる。
したがって、シール板をガイドプレートに装備させるための専用の取付部材などを用いる必要なく、ガイドプレートに対して化粧カバーを固定保持させるための構造を利用して、ガイドプレートに前記シール板を装備でき、構造の簡素化を図り得る利点がある。
【0010】
〔解決手段2〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項2に記載のように、 横軸芯周りでの前後揺動操作、及び前記横軸芯に交差する左右方向での揺動操作が行われる二方向操作レバーと、その二方向操作レバーの横側方に位置して前記横軸芯に沿う方向の横軸芯周りで前後揺動操作自在な一方向操作レバーとを備えるとともに、前記二方向操作レバーの操作方向を案内するガイド溝を形成したガイドプレートを、機体に位置固定して装備し、
前記ガイドプレートの上側に、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝内で移動する二方向操作レバーの移動範囲と対応するガイド溝、及び一方向操作レバーの操作方向を案内するガイド溝が形成された化粧カバーを位置させ、
前記ガイドプレートと前記化粧カバーとの間に、前記二方向操作レバー及び前記一方向操作レバーを挿通可能なスリットを有した軟質弾性材からなるシール板を備え、
前記ガイドプレート及び化粧カバーに、前記化粧カバーを前記ガイドプレートに対して固定保持させるための連結部を形成して、前記シール板を、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝の両側で、前記ガイドプレートと化粧カバーの前記連結部との間に挟み込んで止着するとともに、前記一方向操作レバーの存在位置から前記二方向操作レバーが存在する側とは反対側に離れた位置で化粧カバーに止着してあることを特徴とする。
【0011】
〔解決手段2にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段2で示した構成によると、化粧カバーをガイドプレートに対して固定保持させるための連結部を形成し、ガイド溝内で操作される二方向操作レバーを挿通可能なスリットを有した軟質弾性材からなるシール板を、ガイドプレートと前記化粧カバーとの間に位置させて、ガイドプレートと化粧カバーの連結部との間に挟み込んで止着してある。
つまり、ガイドプレートに対して化粧カバーを固定保持させるための構造を利用して、ガイドプレートにシール板を装備させることができる。
したがって、シール板をガイドプレートに装備させるための専用の取付部材などを用いる必要なく、ガイドプレートに対して化粧カバーを固定保持させるための構造を利用して、ガイドプレートに前記シール板を装備でき、構造の簡素化を図り得る利点がある。
【0012】
しかも、上記解決手段2で示した構成によると、前記シール板を、前記ガイドプレートと化粧カバーの連結部との間に挟み込んで止着する位置は、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝の両側であるから、ガイド溝内で前後方向と左右方向との二方向に操作される二方向操作レバーを挿通させたシール板でありながら、ガイド溝に対するシール板のズレ動きを確実に規制して、ガイドプレートよりも下方側からの塵埃の入り込みを効果的に抑制し得る利点がある。
【0013】
また、上記解決手段2で示した構成によると、横軸芯周りで前後揺動操作自在な一方向操作レバーに対するシール板は、左右方向での一側では前記ガイドプレートに固定され、他側では化粧カバーに止着されている。
つまり、前記一方向操作レバーは、その一方向操作レバーを案内するためのガイド溝をガイドプレートに形成することを省いて、ガイドプレートの小型化及び構造の簡素化を図りながらも、一側ではガイドプレートに、他側では化粧カバーに止着することで、その一方向操作レバーの両側でシール板を支持した状態に装着することができる。これによって、この一方向操作レバーに対するシール箇所でもシール板によるシール機能を良好に維持し得る利点がある。
【0014】
〔解決手段3〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項3に記載のように、ガイドプレートは操縦席の横側部に設けてあって、そのガイドプレートの上面は水平面に沿わせて形成してあり、化粧カバーの上面は、前記ガイドプレートの上面よりも操縦席から離れる側ほど高くなるように傾斜した面に形成してあることを特徴とする。
【0015】
〔解決手段3にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段3で示した構成によると、機体に位置固定して装備されるガイドプレートの上面は水平面に沿わせて形成してあるから、このガイドプレートの上面が傾斜した面であったり、複雑な凹凸部分を有した面等である場合に比べて、ガイド溝に案内される操作レバーとの位置関係を簡単に精度良く位置設定して組み付け易いという有利さがある。
それでいて、化粧カバーの上面は、前記ガイドプレートの上面よりも操縦席から離れる側ほど高くなるように傾斜した面に形成してあるので、操縦席側から化粧カバーの上面を視認し易く、その化粧カバーの上面に表示される各種指標を認識し易いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】コンバインの全体平面図
【図3】動力伝達系を示すブロック図
【図4】制御系を示すブロック図
【図5】操作盤部分を示す平面図
【図6】操作盤部分を示す斜視図
【図7】図5におけるVII-VII線断面図
【図8】操作レバーガイド装置部分を示す分解斜視図
【図9】図5におけるIX-IX線断面図
【図10】図5におけるX-X線断面図
【図11】図10におけるXI-XI線矢視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る作業機の操作レバーガイド装置を適用したコンバインについて、図面に基づいて説明する。
〔コンバインの全体構造〕
図1にコンバインの全体側面が示されている。このコンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1L、1Rを機体フレーム2の下部に備え、前記走行装置1L、1Rの駆動により機体フレーム2が走行自在に構成されている。
前記機体フレーム2の前部に、昇降操作自在でかつ圃場の植立穀稈を刈り取り、刈り取った穀稈を後方に搬送する刈取処理装置3が設けられ、機体フレーム2上に、前記刈取処理装置3で刈り取られた穀稈を受け取って脱穀および選別処理する脱穀装置4と、脱穀装置4で脱穀および選別処理することにより得られた穀粒を貯留する穀粒タンク5とが搭載されるとともに、穀粒タンク5の前方箇所の機体フレーム2上に搭乗運転部6が形成されている。
【0018】
刈取処理装置3は、刈取り部フレーム3aが昇降用の油圧シリンダ17によって機体フレーム2に対して上下に揺動操作されることにより、刈取処理装置3の前端部に位置する複数の分草具3bが地面付近に下降した下降作業状態と、分草具3bが地面から上昇した上昇非作業状態とに昇降作動するように構成されている。そして、刈取処理装置3を下降作業状態にして走行機体を走行させると、刈取処理装置3が、刈り取り対象の複数の植付け条に位置する植立穀稈を対応する分草具3bによって隣接する植付け条の植立穀稈と分草し、各分草具3bからの植立穀稈を対応した引起し装置3cによって引起し処理するとともに一つのバリカン形の刈取り装置3dによって刈取り処理し、刈取り装置3dからの刈取り穀稈を搬送装置3eによって後方に搬送して脱穀装置4の脱穀フィードチェーン4Aの始端部に供給するように構成されている。
【0019】
脱穀装置4は、脱穀フィードチェーン4Aによって刈取り穀稈の株元側を挟持して後方に搬送しながら穂先側を扱室(図示せず)に供給し、刈取り穀稈を回動する扱胴(図示せず)によって脱穀処理するように構成されている。又、脱穀装置4から搬出された脱穀粒を穀粒タンク5に回収して貯留し、穀粒タンク5に貯留された脱穀粒はスクリューコンベア式の穀粒排出装置5aによって外部に排出するように構成されている。又、脱穀処理されたあとの排ワラは機体後方に搬送されて排ワラ処理装置19により細断処理された後に機体後方から排出される。
前記脱穀装置4の脱穀フィードチェーン4Aの搬送始端側には、刈取り穀稈を前記脱穀フィードチェーン4Aの搬送始端部から浮かせて受け止め支持する状態と、刈取処理装置3から送り込まれる刈取り穀稈が前記脱穀フィードチェーン4Aの搬送始端部に供給されるように引退した状態とに姿勢切換自在に構成された穀稈受け止め体(図示せず)を備えてある。
【0020】
静油圧式無段変速装置7は、コンバインの機体フレーム2に搭載されているエンジンEからの動力によって駆動される可変油圧ポンプ7Aと、その可変油圧ポンプ7Aからの供給油で回転駆動される油圧モータ7Bとの対で構成された周知構造の静油圧式無段変速装置(HST)によって構成されている。前記エンジンEの動力は、伝動ベルト14及び伝動プーリ15を介して可変油圧ポンプ7Bのポンプ軸であるところの前記伝動軸16に伝達される。
【0021】
前記ミッションケース9は、その内部に、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Bからの出力軸(図示せず)が内装され、この出力軸からの変速出力が左右一対の走行装置1R、1Lに伝達される構成となっている。前記刈取処理装置3には、前記静油圧式無段変速装置7からの変速出力ではなく、静油圧式無段変速装置7に対して入力される前記伝動軸16の回転動力がそのまま伝達される。
また、前記ミッションケース9の内部には、前記静油圧式無段変速装置7の出力軸(図示せず)からの変速出力を、高低変速操作して走行装置1R、1Lに伝達するためのギヤ変速機構で構成される副変速装置(図示せず)も配備されている。
【0022】
前記静油圧式無段変速装置7を高低変速操作する主変速レバー22(操作レバーに相当する)、及び前記ギヤ変速機構で構成される副変速装置(図外)を高低変速操作する副変速操作レバー23(操作レバーに相当する)、ならびに旋回用の旋回操作レバー24は、前記搭乗運転部6の操作盤20上に露出させて設けてある。
また、この搭乗運転部6における操作盤20には、前記刈取クラッチ12と脱穀クラッチ10とを、機体を走行させながらの通常の刈取脱穀作業を行うに適した作動形態と、機体を停止させての枕扱ぎ作業を行うに適した作動形態とに、ワンタッチ操作で切り換えることのできる統合スイッチ21も備えてある。
前記主変速レバー22による変速操作は、図4に示すように、主変速レバー22の操作によって静油圧式無段変速装置7のポンプ斜板角を変更して静油圧式無段変速装置7からの出力を変速操作するように構成してあり、旋回操作レバー24による操向操作は、旋回操作レバー24の右旋回操作及び左旋回操作をポテンショメータ24aで検出して、ミッションケース9の変速機構内に備えられた図示しない旋回操作機構により、左右の走行装置1L,1Rを各別に制御して機体操向操作を行えるように構成してある。
【0023】
上記統合スイッチ21は、ワンタッチでの押し操作の度にオン・オフ状態が交互に切り換えられるプッシュオン・プッシュオフ形式の押しボタンスイッチを用いて構成してあり、押し操作されて入り状態であることが検出されると、図4に示すマイクロコンピュータからなる制御装置100のモータ制御手段101に開始信号を入力するものである。
モータ制御手段101では、予め不揮発性メモリーに記憶されている所定プログラムにしたがって、前記刈取クラッチ12と脱穀クラッチ10、及び前記穀稈受け止め体(図外)の作動形態を切り換えるように、電動モータ25の作動を制御するように構成されている。
【0024】
つまり、図示しないが、電動モータ25の正逆転作動に伴って駆動されるカム体やカムフォロワを備え、そのカム体で操作されるカムフォロワを、前記刈取クラッチ12と脱穀クラッチ10、及び穀稈受け止め体(図外)と連係策で連係し、前記刈取クラッチ12と脱穀クラッチ10の入り切り作動、ならびに穀稈受け止め体(図外)の上げ下げ操作を行うように構成してある。
具体的には、主変速操作レバー22の操作位置を判別するポテンショメータ22aの検出信号、及び前記統合スイッチ21の操作信号がモータ制御手段101に入力され、モータ制御手段101からの出力信号が電動モータ25に入力されるように構成してある。
【0025】
そして、モータ制御手段101では、ポテンショメータ22aの検出信号から、主変速操作レバー22が前進操作域に操作されている状態であることが検出されている状態で、前記統合スイッチ21が押し操作されたことが検出されると、電動モータ25がカム体を正転側へ駆動して、刈取クラッチ12と脱穀クラッチ10とを入り作動させ、穀稈受け止め体(図外)を下げ操作するように制御する。この状態で機体を前進走行させながらの通常の刈取脱穀作業を行える状態となる。
前記ポテンショメータ22aの検出信号から、主変速操作レバー22が中立又は後進操作域に操作されている状態であることが検出されている状態で、前記統合スイッチ21が押し操作されたことが検出されると、電動モータ25がカム体を逆転側へ駆動して、刈取クラッチ12を切り操作し、脱穀クラッチ10のみを入り作動させ、穀稈受け止め体(図外)を上げ操作するように制御する。この状態では、機体を停止させての枕扱ぎ脱穀作業を行える状態、もしくは機体を後進走行させながら刈取クラッチ12を切り作動して脱穀作業を継続している状態となる。
【0026】
〔操作レバーガイド装置〕
図5乃至図8に本発明の操作レバーガイド装置30を示す。
操作レバーガイド装置30は、操作盤20における主変速操作レバー22と副変速操作レバー23との操作方向を案内するための装置である。
この操作レバーガイド装置30は、図7及び図8に示すように、断面L字状の金属製のガイドプレート31と、そのガイドプレート31の上側を覆う合成樹脂製の化粧カバー32、及び、前記ガイドプレート31と化粧カバー32との間に介在させたゴム板材からなるシール板33とを備えて構成されている。
前記ガイドプレート31は、操縦席60を備える搭乗運転部6で前記操縦席60の左側に立設された左側部操作ボックス61の内部で、前記左側部操作ボックス61の側壁に固定された固定部材61aに連結固定されている。
前記ガイドプレート31、化粧カバー32、及びシール板33は、前記操作盤20の一部を構成するものである。
【0027】
前記ガイドプレート31には、水平方向に沿う上面側に、主変速操作レバー22を挿通させて、その主変速操作レバー22の操作方向を案内するガイド溝31aを形成してある。
このガイド溝31aは、横軸芯(図外)周りでの前後揺動操作、及び前記横軸芯に交差する左右方向での揺動操作が行われるように、前後方向及び左右方向の二方向に操作される二方向操作レバーの一例である前記主変速操作レバー22の操作方向を案内するように形成されている。つまり、前記主変速操作レバー22を挿通させた状態で、主変速操作レバー22の前後及び左右方向の揺動作動を許しながら、前進走行域から中立位置を経て後進走行域に主変速操作レバー22の操作移動を案内するように屈曲した溝形状を有している。
【0028】
前記化粧カバー32には、前記主変速操作レバー22の操作方向を案内するためのガイド溝32aとともに、前記副変速操作レバー23の操作方向を案内するためのガイド溝32bも形成されている。
この化粧カバー32において、前記主変速操作レバー22を挿通させるガイド溝32aは、前記主変速操作レバー22の操作移動範囲に対応する大きさで、前記ガイドプレート31に形成されたガイド溝31aと同様な形状に形成されている。
これに対して前記副変速操作レバー23の操作方向を案内するガイド溝32bは、副変速操作レバー23の操作移動範囲に対応する大きさで、直線的な形状のガイド溝32bに形成されている。これは、前記副変速操作レバー23が前記主変速操作レバー22の前後方向での揺動軸芯となる横軸心と平行な横軸心(図外)周りで、前後方向にのみ揺動操作されるものであり、左右方向には揺動操作される構造とはなっていないことによる。
【0029】
前記化粧カバー32のガイド溝32a及びガイド溝32bは、図6及び図7に示すようにガイド溝32a及びガイド溝32bの周辺に、左右方向での断面形状で下窄まりのテーパー状となるように傾斜した溝周壁部分を下向きに膨出形成してあり、その溝周壁部分の下端が前記シール板33の上面側に接するように構成してある。
したがって、前記ガイドプレート31に形成されたガイド溝31aの上側には、前記シール板33を挟んで化粧カバー32のガイド溝32aが位置し、かつ、この化粧カバー32のガイド溝32aが、後述する連結用突部34及び取付穴36からなる連結部よりも前記ガイド溝31aに近接した位置で、ガイド溝31aの全周に亘って存在し、主変速操作レバー22の揺動操作に伴うシール板33の浮き上がりを抑制するように構成されている。
また、副変速操作レバー23の操作移動範囲に対応して設けられるガイド溝32bは、その副変速操作レバー23の操作移動範囲に対応して前記シール板33に形成されるスリット33bの全周に亘って位置し、副変速操作レバー23の揺動操作に伴うシール板33の浮き上がりを抑制するように構成してある。
【0030】
そして、化粧カバー32の下面側には、前記主変速操作レバー22の操作方向を案内するためのガイド溝32aの左右方向での両側で、下方側へ向けて膨出した連結用突部34(化粧カバー32側の連結部に相当する)を、ガイド溝32aの長手方向での複数箇所に形成してある。
この化粧カバー32側の連結用突部34に対向するガイドプレート31側のガイド溝31aの左右両側にも、前記連結用突部34に対向してガイドプレート31の下面側からガイドプレート31を貫通して連結用突部34内の連結穴34aにねじ込み可能なタッピングネジ35を装着するための取付穴36(ガイドプレート31側の連結部に相当する)を形成してある。
また、化粧カバー32の下面側で、前記副変速操作レバー23の操作方向を案内するガイド溝32bよりも前記主変速操作レバー22から離れた箇所には、前記シール板33の一端側を止着するための棒状突部37が形成されている。
【0031】
前記シール板33には、前記主変速操作レバー22の操作方向を案内するためのガイド溝31a内に相当する箇所に、前記主変速操作レバー22を挿通可能で、そのガイド溝31a内で主変速操作レバー22の操作移動を許容しながら、主変速操作レバー22の移動方向の前後のガイド溝31a内の空隙を閉塞するようにスリット33aを形成してある。
同様に、前記副変速操作レバー23の操作方向を案内するためのガイド溝32b内に相当する箇所にも、前記副変速操作レバー23を挿通可能で、そのガイド溝32b内で副変速操作レバー23の操作移動を許容しながら、副変速操作レバー23の移動方向の前後のガイド溝32b内の空隙を閉塞するようにスリット33bを形成してある。
【0032】
そして、このシール板33には、前記主変速操作レバー22の操作方向を案内するためのガイド溝31aに対応する箇所のスリット33aの両側で、前記化粧カバー32側の連結用突部34内の連結穴34a、及び前記ガイドプレート31側のガイド溝31aの左右両側に形成された取付穴36に対応する位置で、前記タッピングネジ35を挿通可能な貫通穴33cを形成してある。
また、前記副変速操作レバー23の操作方向を案内するためのガイド溝32bに対応する箇所のスリット33bよりも前記主変速操作レバー22に対応する箇所のスリット33aから離れた位置に、前記化粧カバー32の下面側に形成された棒状突部37を挿通可能な貫通穴33dが形成されている。
【0033】
このように構成されたシール板33は、前記ガイドプレート31と化粧カバー32との間に位置して、前記主変速操作レバー22の操作方向を案内するためのガイド溝31aに対応する箇所では、化粧カバー32の下面側に膨出形成された連結用突部34の下面とガイドプレート31の上面との間に挟み込まれた状態で、前記タッピングネジ35でガイドプレート31と化粧カバー32とを連結することによって止着される。
また、前記副変速操作レバー23の操作方向を案内するためのガイド溝32bに対応する箇所では、そのガイド溝32bの両側のうち、前記主変速操作レバー22の操作方向を案内するためのガイド溝31aに近い側では、前記タッピングネジ35でガイドプレート31と化粧カバー32とを連結することによって、連結用突部34の下面とガイドプレート31の上面との間に挟み込まれた状態で止着される。
そして、前記ガイド溝32bの両側のうち、主変速操作レバー22の操作方向を案内するためのガイド溝31aから遠い側では、前記化粧カバー32の下面側に形成された棒状突部37にシール板33の貫通穴33dを挿通して、その下方側から、内周側に食い込み歯を備えたリング状の止め金38を前記棒状突部37に嵌め込むことによって固定されている。
【0034】
したがって前記シール板33は、前記ガイドプレート31に形成されたガイド溝31aの周辺では、ガイドプレート31と化粧カバー32との連結固定に伴って、上記の連結用突部34の下面とガイドプレート31の上面との間に挟み込まれた状態で止着されるとともに、その止着箇所よりもガイド溝31aに近い位置で、前記化粧カバー32のガイド溝32aの下向きに膨出した溝周壁部分が、ガイド溝31aの全周に亘ってシール板33の上側に存在し、主変速操作レバー22の揺動操作に伴うシール板33の浮き上がりが抑制されている。
また、副変速操作レバー23の操作移動範囲に対応して設けられるガイド溝32bに対応する箇所に設けられるシール板33のスリット33bの周辺では、ガイドプレート31と化粧カバー32との連結固定と、化粧カバー32の下面側に形成された棒状突部37に対する止め金38の嵌め込みによって固定されているとともに、それらの固定箇所よりもスリット33bに近い位置で、前記化粧カバー32のガイド溝32bの下向きに膨出した溝周壁部分が、スリット33bの全周に亘ってシール板33の上側に存在し、副変速操作レバー23の揺動操作に伴うシール板33の浮き上がりが抑制されている。
【0035】
〔その他〕
図9は、前記の操作盤20において、エンジン回転数や燃料残量など、各種の情報を表示するための液晶表示装置26の取付状態を示している。
この構造では、液晶表示装置26の外周側に取付用の板金製ブラケット26aを一体的に装着してあって、合成樹脂製の操作盤20の下面側から下方へ膨出している取付突部27に対して、前記板金製ブラケット26aの下面側からタッピングネジ26bをねじ込むことによって取り付けてある。
【0036】
図10及び図11は、前記操作盤20上で、前記液晶表示装置26に近い機体前部側に設けられた統合スイッチ21の取り付け状態を示している。
この統合スイッチ21は、操作盤20に形成されたスイッチ取付凹部28に、統合スイッチ21の大径部21aを支持させ、そのスイッチ取付凹部28の底側に形成された貫通穴から統合スイッチ21の小径部21bを操作盤20の裏面側へ露出するように配設してある。
前記スイッチ取付凹部28は、操作盤20の下面側で下方へ延出され、統合スイッチ21の矩形の大径部21aの周方向での三面を抱き込むように支えるアーム部28aと、そのアーム部28aに対向する側で統合スイッチ21の残りの一面に対向して支える複数のリブ状突起28bとで構成されている。
このように、下方側へ延出されたアーム部28aとリブ状突起28bとを利用して統合スイッチ21を支持させるようにしたことにより、操作盤20として比較的肉厚の薄い合成樹脂製のものを用いながら、奥行きの深い統合スイッチ21を、操作盤20の肉厚を増大することなく装着しやすい点で有利である。
【0037】
前記操作盤20は、搭乗運転部6に立設された左側部操作ボックス61の上面側だけではなく、操縦席60の前方側に位置する前部ボックス62の上面側にも設けてあり、この前部ボックス62の上面側に旋回操作レバー24が設けてある。
【0038】
〔別実施形態の1〕
操作レバーガイド装置30のシール板33としては、上記の実施の形態で示したようなゴム板に限らず、軟質で適度の弾性を有した合成樹脂材などで構成してもよい。
【0039】
〔別実施形態の2〕
シール板33に形成されるスリット33a,33bは、実施の形態で示したような切り目によって形成されたものに限らず、例えば、別々のシール板33同士を、互いの端縁同士が近接する状態に配設して、その端縁同士の間に主変速操作レバー22や副変速操作レバー23などの操作レバーを挿通させた状態でシールできるように構成したものであってもよい。
【0040】
〔別実施形態の3〕
ガイドプレート31に形成されるガイド溝31aは単一のものであるに限らず、複数のガイド溝31aを設けたものであってもよい。その場合、二方向操作レバーが複数あってその二方向操作レバーを案内するためのガイド溝31aであってもよく、複数の一方向操作レバーを案内するためのガイド溝31aであってもよい。あるいは、二方向操作レバーと一方向操作レバーとの夫々を案内するガイド溝31aの組み合わせを設けたものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、実施形態で示したような自脱型のコンバインに限らず、普通型のコンバイン、あるいは、トラクタや田植機などの各種の作業機にも適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
3 刈取処理装置
4 脱穀装置
6 搭乗運転部
20 操作盤
22 操作レバー(二方向操作レバー)
23 操作レバー(一方向操作レバー)
30 操作レバーガイド装置
31 ガイドプレート
31a ガイド溝
32 化粧カバー
32a,32b ガイド溝
33 シール板
33a,33b スリット
34,36 連結部
60 操縦席
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横軸芯周りで揺動操作される操作レバーを備えるとともに、その操作レバーの揺動操作を案内するためのガイド溝を形成したガイドプレートを、機体に位置固定して装備し、
前記ガイドプレートの上側に、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝内で移動する操作レバーの移動範囲と対応するガイド溝が形成された化粧カバーを位置させ、
前記ガイドプレートと前記化粧カバーとの間に、前記ガイドプレート及び化粧カバーの両ガイド溝内で操作される前記操作レバーを挿通可能なスリットを有した軟質弾性材からなるシール板を備え、
前記ガイドプレート及び化粧カバーに、前記化粧カバーを前記ガイドプレートに対して固定保持させるための連結部を形成して、前記シール板を、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝の横側部で、前記ガイドプレートと化粧カバーの前記連結部との間に挟み込んで止着してある作業機の操作レバーガイド装置。
【請求項2】
横軸芯周りでの前後揺動操作、及び前記横軸芯に交差する左右方向での揺動操作が行われる二方向操作レバーと、その二方向操作レバーの横側方に位置して前記横軸芯に沿う方向の横軸芯周りで前後揺動操作自在な一方向操作レバーとを備えるとともに、前記二方向操作レバーの操作方向を案内するガイド溝を形成したガイドプレートを、機体に位置固定して装備し、
前記ガイドプレートの上側に、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝内で移動する二方向操作レバーの移動範囲と対応するガイド溝、及び一方向操作レバーの操作方向を案内するガイド溝が形成された化粧カバーを位置させ、
前記ガイドプレートと前記化粧カバーとの間に、前記二方向操作レバー及び前記一方向操作レバーを挿通可能なスリットを有した軟質弾性材からなるシール板を備え、
前記ガイドプレート及び化粧カバーに、前記化粧カバーを前記ガイドプレートに対して固定保持させるための連結部を形成して、前記シール板を、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝の両側で、前記ガイドプレートと化粧カバーの前記連結部との間に挟み込んで止着するとともに、前記一方向操作レバーの存在位置から前記二方向操作レバーが存在する側とは反対側に離れた位置で化粧カバーに止着してある作業機の操作レバーガイド装置。
【請求項3】
ガイドプレートは操縦席の横側部に設けてあって、そのガイドプレートの上面は水平面に沿わせて形成してあり、化粧カバーの上面は、前記ガイドプレートの上面よりも操縦席から離れる側ほど高くなるように傾斜した面に形成してある請求項1又は2記載の作業機の操作レバーガイド装置。
【請求項1】
横軸芯周りで揺動操作される操作レバーを備えるとともに、その操作レバーの揺動操作を案内するためのガイド溝を形成したガイドプレートを、機体に位置固定して装備し、
前記ガイドプレートの上側に、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝内で移動する操作レバーの移動範囲と対応するガイド溝が形成された化粧カバーを位置させ、
前記ガイドプレートと前記化粧カバーとの間に、前記ガイドプレート及び化粧カバーの両ガイド溝内で操作される前記操作レバーを挿通可能なスリットを有した軟質弾性材からなるシール板を備え、
前記ガイドプレート及び化粧カバーに、前記化粧カバーを前記ガイドプレートに対して固定保持させるための連結部を形成して、前記シール板を、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝の横側部で、前記ガイドプレートと化粧カバーの前記連結部との間に挟み込んで止着してある作業機の操作レバーガイド装置。
【請求項2】
横軸芯周りでの前後揺動操作、及び前記横軸芯に交差する左右方向での揺動操作が行われる二方向操作レバーと、その二方向操作レバーの横側方に位置して前記横軸芯に沿う方向の横軸芯周りで前後揺動操作自在な一方向操作レバーとを備えるとともに、前記二方向操作レバーの操作方向を案内するガイド溝を形成したガイドプレートを、機体に位置固定して装備し、
前記ガイドプレートの上側に、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝内で移動する二方向操作レバーの移動範囲と対応するガイド溝、及び一方向操作レバーの操作方向を案内するガイド溝が形成された化粧カバーを位置させ、
前記ガイドプレートと前記化粧カバーとの間に、前記二方向操作レバー及び前記一方向操作レバーを挿通可能なスリットを有した軟質弾性材からなるシール板を備え、
前記ガイドプレート及び化粧カバーに、前記化粧カバーを前記ガイドプレートに対して固定保持させるための連結部を形成して、前記シール板を、前記ガイドプレートに形成されたガイド溝の両側で、前記ガイドプレートと化粧カバーの前記連結部との間に挟み込んで止着するとともに、前記一方向操作レバーの存在位置から前記二方向操作レバーが存在する側とは反対側に離れた位置で化粧カバーに止着してある作業機の操作レバーガイド装置。
【請求項3】
ガイドプレートは操縦席の横側部に設けてあって、そのガイドプレートの上面は水平面に沿わせて形成してあり、化粧カバーの上面は、前記ガイドプレートの上面よりも操縦席から離れる側ほど高くなるように傾斜した面に形成してある請求項1又は2記載の作業機の操作レバーガイド装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−60910(P2012−60910A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206647(P2010−206647)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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