説明

作業機械および作業機械の制御方法

【課題】 その作業性を損なうことがなく,盗難された作業機械によるATM強奪等の被害を防止することが可能な作業機械を提供すること。
【解決手段】 無線信号受信部4により,例えばGPS衛生などから当該作業機械の現在の居場所を表す情報を受信する。また,記憶部5には,当該作業機械が用いられ得る一又は複数の作業場所の候補を予め記憶しておく。駆動制御部6は,前記現在の居場所と前記作業場との候補のいずれかとが合致するか否かを判断し,合致すると判断した場合にのみエンジン1の始動を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,クレーン,ショベル等の作業機械に関するものであり,特に盗難対策が施された作業機械,及び作業機械の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年,クレーンやショベル等の作業機械の盗難事件が増加している。盗難された前記作業機械は,例えば設置されているATMの強奪などに用いられており,その被害は深刻なものである。そこで,前記作業機械に対する盗難防止対策として,様々な方法が提案されている(例えば,特許文献1等に記載)。
従来例では,以下の2つの方法がしばしば用いられている。即ち,盗難防止を行う第1の方法として,エンジンを始動させる機械的なキーに対してキーロックを施しておき,IDの入力及び照合により前記キーロックを解除する技術が用いられている。また,第2の方法として,指紋認証により,予め登録された指紋の雛形と入力された指紋とが合致する場合にのみ,エンジンを始動可能とする技術も用いられている。
【特許文献1】特開2002−145020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら,上述の従来技術は,以下のような問題点を有する。
先ず,第1の方法,第2の方法共々,エンジンの始動の際にユーザが指紋の入力若しくはIDの入力を行わなければならず,エンジン始動の手順が増加するという問題点がある。
また,第1の方法では,キーロックを施す機構の破壊によるエンジンの始動が可能であり,盗難の防止対策としては不十分であるという問題点がある。また,キーロック等の機械的な方法を用いずに,IDの照合を行う制御機器が直接的にエンジンの始動制御を行う構成とした場合であっても,IDの漏洩による盗難防止の確実性の低下は免れないという問題点がある。
第2の方法では,盗難防止の確実性は高いと考えられる一方,指紋が登録されていない作業員によるエンジンの始動が不可能である。これにより,作業員の緊急交代などの状況に対応することが困難となり,作業機械による作業性が明らかに損なわれてしまう問題点がある。
以上のように,盗難防止の確実性と作業性とは一般的に相反するものである。つまり,盗難防止という観点からは,盗難の被害の抑制を確実に行うためには,作業性の低下を許容せざるを得ないと考えられる。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,その作業性を損なうことがなく,盗難された作業機械によるATM強奪等の被害を極力防止することが可能な作業機械,及び作業機械の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために本発明は,所定の動作を行う動作部を駆動する駆動源を備えた作業機械であって,当該作業機械が用いられ得る1又は複数の作業場所の候補を予め記憶しておき,また外部からの無線基地局から当該作業機械の居場所を無線信号により受信し,当該作業機械の居場所が前記作業場所のいずれかに合致するか否かを判断し,合致する場合にのみ前記駆動源を始動可能とする作業機械である。
これにより,当該作業機械が例え盗難された場合であっても,盗難先で当該作業機械を使用することは不可能であるため,盗難された作業機械によるATM強奪等の被害を防止することが可能である。また,本発明は盗難を防止するという観点からの発明ではなく,盗難後の当該作業機械の始動を抑制するものであるため,盗難前における(つまり,前記作業場所での)作業性は何ら損なわれることがない。
尚,上記の構成のみでは,何ら前記作業場所からの盗難を防ぐ構成とはなっていないため,例えば上記の第1の技術のような,ID照合などの盗難防止対策を併せて講じることも十分考えられる。
【0005】
また,当該作業機械の居場所が前記作業場所のいずれかに合致するか否かを判断する判断部が,前記駆動源の始動を行う始動制御部も兼ねるものである場合には,以下のような効果を奏する。即ち,前記判断部が,当該作業機械の居場所が前記作業場所のいずれかに合致すると判断した場合に,駆動部のキーに対して施されているキーロックを解除するようなものであれば,キーロックの破壊により前記駆動部を始動されてしまう危険がある。しかし,判断部が直接的に前記駆動源の始動を行うものであれば,当該作業機械の部分的な破壊という手段で前記駆動部を始動させることができず,前記作業場所以外での前記駆動部の始動をより一層確実に防止することが可能である。
ところで,例えばトンネルの内部等,無線信号の受信が不可能である状況には,前記駆動部の始動を可能とすること,不可能とすることの両方が考えられる。
つまり,トンネルの内部等でも作業機械が用いられることは十分想定されるので,例え無線信号が受信されない状況であっても,駆動部の始動を可能とする構成とすることが考えられる(また,トンネルの内部でATM強奪等の被害が生じるとは想定し難い)。一方,その場合には,盗難者が意図的に無線信号の受信を妨害することにより,前記駆動部の始動が可能となってしまう。従って,そのような状況を懸念するのであれば,無線信号が受信されなければ駆動部の始動を不可能とするべきである。
【0006】
ところで,前記作業場所の候補は,更新若しくは追加され得るのが望ましいが,このような更新若しくは追加を無制限に許容することは,本発明の目的に反する。例えば,当該作業機械の盗難後に,盗難者による前記作業場所の候補の更新若しくは追加が可能であれば,盗難による被害の防止には何ら効果がない。
そこで,前記作業場所の候補の更新若しくは追加を行い得る特定の場所(例えばメーカの工場内等であると考えられる。このような特定の場所を,以下更新可能場所という)を予め定めておき,また外部からの無線基地局から当該作業機械の居場所を無線信号により受信し,当該作業機械の居場所と前記更新可能場所とが合致する場合にのみ,前記作業場所の候補の更新若しくは追加を行い得る構成としておくことが望ましい。これにより,前記更新可能場所を知っておりかつ立ち入り可能な正規の作業員のみが,前記作業場所の候補の更新若しくは追加を行うことができる。また,前記更新可能場所自身の更新若しくは追加も,前記更新可能場所のみで行い得る構成とすることが考えられる。
また,本発明は,作業機械の制御方法であると捉えたものであっても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば,本発明に係る作業機械が例え盗難された場合であっても,盗難先で当該作業機械を使用することは不可能であるため,盗難された作業機械によるATM強奪等の被害を防止することが可能である。また,本発明は盗難を防止するという観点からの発明ではなく,盗難後の当該作業機械の始動を抑制するものであるため,盗難前における(つまり,前記作業場所での)作業性は何ら損なわれることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の一実施形態に係る作業機械の斜視図,図2は本発明の一実施形態に係る作業機械の主要部のブロック図,図3は本発明の一実施形態に係る作業機械の有する制御手段によるエンジン始動の際に実行される処理手順を示すフローチャートである。
【0009】
以下,図1及び図2を用いて,本発明の一実施形態に係るクレーンAについて説明する。
図1に示される,本発明の一実施形態に係るクレーンA(作業機械の一例)は自走用駆動部X1,操作室X2,アーム駆動部X3,アーム部X4を有する。前記自走用駆動部X1は,図2に示されるエンジン1(駆動源の一例)により駆動される複数の車輪2(動作部)を有しており,前記クレーンAは該車輪2の回転駆動(所定の動作の一例)により走行することが可能である。
前記操作室X2の内部には,様々なボタン若しくは操作レバーなどを有する操作部3(図2参照)が設けられている。作業員は前記操作室X2内において,前記操作部3を介して様々な操作入力を行うことが可能であり,これにより当該クレーンAの各部を操作することが可能である。また,前記操作部3は不図示のキー機構を有している。作業員が,所定のキー部材を前記キー機構に設けられた鍵穴に差し込んだ状態で,前記キー部材を前記鍵穴の軸周りに回転させることにより,後述の駆動操作部6に対して機械的に前記エンジン1(駆動源の一例)の始動指令を入力することが可能である
尚,このような始動指令の入力は,必ずしもキー機構による機械的な方法によって行わねばならないものではなく,例えばリモコンを用いた無線信号の入力により行うことも当然考えられる。
前記アーム駆動部X3は,図油圧ポンプ及び各種電磁弁等を有する油圧式アクチュエータ(不図示)を内蔵しており,例えば物品のつり上げ操作などを行うアーム部X4を駆動するものである。前記油圧式アクチュエータは前記エンジン1と機械的若しくは電気的に接続されており,前記エンジン1の稼働時にのみ前記アーム部X4を駆動することが可能となる。
【0010】
図2に示されるように,本発明の一実施形態に係るクレーンAの主要部は,前記エンジン1,前記操作部3,無線信号受信部4,記憶部5,駆動制御部6等を有して概略構成される。
前記無線信号受信部4は,例えばGPS衛生(外部の無線基地局の一例)等からの無線信号を定期的に受信するインターフェースである。
前記記憶部5(作業場所候補記憶手段)には,当該クレーンAの統括的な制御を行う為の制御プログラム等の他,当該クレーンAが用いられ得る作業場所の候補の情報(例えば,作業場所を特定するための座標情報等)が予め複数記憶されている。
前記駆動制御部6は,MPU及び周辺機器等からなるものであり,前記記憶部5の記憶内容を参照しつつ,当該クレーンAの統括的な制御を行うものである。また,前記駆動制御部6は,前記無線信号受信部4により入力された無線信号に重畳されている情報及び前記記憶部5の記憶内容を参照することにより,当該クレーンAが盗難された場合等における前記エンジン1の始動を制限することが可能であり,これにより盗難後のATM強奪等の被害を防止する。
【0011】
以下,図3に示されるフローチャートを参照しつつ,以下,前記駆動制御部6によるエンジン1始動の際の処理手順について説明する。尚,図3に示される各手順は,前記駆動制御部6が前記記憶部5に記憶されている制御プログラムに従って実行されるものである。また,図3に示されるS1,S2…は動作手順(ステップ)の番号を表しており,前記操作部3の有する前記キー機構(不図示)を介して前記エンジン1の始動指令が入力された場合に,ステップS1の動作から開始される。
ステップS1では,前記駆動制御部6は,前記無線信号受信部4により受信されたGPS衛生等からの無線信号を入力する。該無線信号は,前記GPS衛生により計測された,当該クレーンAの現在の居場所の情報が重畳されたものであり,前記駆動制御部6は前記無線信号より現在の居場所を読み取る(取得の一例)。前記無線信号受信部4及び前記駆動制御部6が居場所取得手段の一例である。
現在の居場所の情報が読み取られると直ちにステップS2の処理に進むが,前記無線信号の受信が出来なかった場合など,現在の居場所の情報が取得されなかった場合であっても,ステップS2の処理に進む。
ステップS2では,前記駆動制御部6は,ステップS1において現在の居場所が取得できたか否かを判別する。取得できたと判別した場合にはステップS3に進む。一方,取得出来なかったと判別した場合はステップS5に進む。
【0012】
ステップS3では,前記駆動制御部6(第一の駆動源始動制御手段の一例)は,前記記憶部5(作業場所候補記憶手段の一例)に記憶されている,本発明の一実施形態に係るクレーンAが用いられ得る作業場所の複数の候補を読み出す。また,ステップS1において取得された,当該クレーンAの現在の居場所が前記作業場所の候補のいずれかと合致するか否かを判断し,一致すると判断した場合にはステップS4に進む一方,一致しないと判断した場合にはステップS5に進む。
ステップS4では,前記駆動制御部6は前記エンジン1を始動制御した後,図3のフローチャートに示される一連の処理を終了する(エンド)。また,ステップS5では,前記駆動制御部6は前記エンジン1を始動させないまま,図3のフローチャートに示される一連の処理を終了する(エンド)。これにより,当該クレーンAの現在の居場所が,前記作業場所の候補のいずれかと合致する場合にのみ前記エンジン1(駆動源の一例)が始動される。
【0013】
ところで,本発明の一実施形態に係るクレーンAのエンジン1が始動可能である前記作業場所(作業場所候補記憶手段の記憶内容)は,更新若しくは追加され得るのが望ましい。しかし,このような前記作業場所の更新若しくは追加を無制限に許容すると,盗難後の被害防止という本発明の目的は達成されない。
そこで,前記作業場所(作業場所候補記憶手段の記憶内容)の更新可能な場所を表す更新可能場所を,前記作業場所と合わせて予め前記記憶部5(更新可能場所記憶手段の一例)に記憶する。前記更新可能場所は,例えば当該クレーンAを製造した工場などの場所に定めておき,その情報は当該クレーンAのメーカ側の管理者若しくは一部の作業者のみに教えておく。
また,前記操作部3(入力手段の一例)を通じて,前記記憶部5(作業場所候補記憶手段の)に記憶されている前記作業場所の候補の更新若しくは追加を要求する操作入力,更に更新及び追加の内容を表す操作入力を行うことが可能である。
そのような操作入力があった場合,前記駆動制御部6(作業場所候補設定手段の一例)は,前記無線信号受信部4により受信されたGPS衛生等からの無線信号を入力し,現在の居場所の情報を読み取る。また,前記記憶部5に記憶されている前記更新可能場所と現在の居場所とが合致するか否かを判別し,両者が合致する場合には,前記操作部3からの入力情報に基づいて,前記記憶部5に記憶されている前記作業場所の候補の更新若しくは追加を行う。
尚,当該クレーンAが前記更新可能場所にいる場合には,前記作業場所と同様に,前記更新可能場所を更新可能とすることも考えられる。前記駆動制御部6が更新可能場所設定手段の一例である。
以上により,当該クレーンAが例え盗難された場合であっても,盗難先で当該クレーンAを始動することは不可能であるため,盗難された作業機械によるATM強奪等の被害を防止することが可能である。また,前記作業場所においては機能制限は行われないので,作業性は一切損なわれることがない。
【実施例】
【0014】
上述の実施形態においては,本発明の一実施形態に係るクレーンAが作業場所にいる場合,駆動制御部6が直接的にエンジン1を始動制御するものであったが,本発明はこれに限られるものではない。例えば,普段は前記エンジン1を機械的に始動させるキー機構に対してキーロックを施しておき,クレーンの居場所と前記作業場所とが合致した場合にのみ前記キーロックを外す等,前記エンジン1を始動可能とするに留めることも一応考えられる。
しかし,この場合はキーロックの破壊により,前記作業場所以外での前記エンジン1の始動が可能となってしまうため,必ずしも望ましいものではない。
また,上述の実施形態においては,前記クレーンAの居場所と前記作業場所とが合致した場合にのみ,前記エンジン1を始動させる(合致しない場合には前記エンジン1を始動しない)ものであったが,これに加えて,エンジン1が駆動している場合であっても,クレーンが自身の走行(移動)に伴って前記作業場所から外れた場合に,前記エンジン1の駆動を強制停止する制御を行うことも考えられる。
また,上述の実施形態においては,予め作業領域の候補が定められていたが,これに限られるものではなく,作業禁止領域の候補を定めておくことも考えられる。当然ながら,前記クレーンAの居場所が作業禁止領域のいずれかにあることが確認された場合には,前記エンジン1を始動しないものとする(若しくは,駆動中であれば前記エンジン1の駆動を強制停止する)。しかし,これは前記作業禁止領域以外を前記作業領域と定めているに等しく,基本的には実施形態と何ら変わりない。
【0015】
上述の実施形態においては,無線信号が受信されなかった場合に,前記エンジン1の始動を行わない例について開示したが,これに限られるものではない。即ち,トンネルの内部等,無線信号の受信が不可能である場所でも作業を行うことを考慮して,無線信号受信部3(居場所取得手段の一例)により前記無線信号がされなかった場合(居場所が取得できない場合の一例)でも,前記駆動制御部6(第2の駆動源始動制御手段の一例)前記エンジン1の始動を行うことも一応考えられる。
また,上述の例では,前記クレーンAの居場所と前記作業場所とが合致するという条件下で,駆動制御部6が前記エンジン1を始動可能とする,つまり前記エンジン1の始動が制限されているものであったが,これに限られるものではない。即ち,前記エンジン1の代わりに,アーム部X4(図1参照,動作部の一例)を駆動する油圧式アクチュエータ(不図示)の始動を制限することも考えられる。
更に,上述の実施形態では,作業機械の一例としてクレーンを例に挙げて説明したが,本発明はこれに限られるものではなく,ショベル,ローダ,ドーザ,その他専用機等に対しても適用可能であるのは言うまでもない。
その他,本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて様々な変形例を採用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る作業機械の斜視図。
【図2】本発明の一実施形態に係る作業機械の主要部のブロック図。
【図3】本発明の一実施形態に係る作業機械の有する制御手段によるエンジン始動の際に実行される処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0017】
A…本発明の一実施形態に係るクレーン(作業機械の一例)
X1…自走用駆動部
X2…操作室
X3…アーム駆動部
X4…アーム部
1…エンジン
2…車輪
3…操作部
4…無線信号受信部
5…記憶部
6…駆動制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の動作を行う動作部を駆動する駆動源を備えた作業機械であって,
当該作業機械が用いられ得る1又は複数の作業場所の候補を予め記憶する作業場所候補記憶手段と,
外部の無線基地局から無線信号を受信することにより当該作業機械の現在の居場所を取得する居場所取得手段と,
前記居場所取得手段により取得された前記現在の居場所が,前記作業場所候補記憶手段に記憶された前記作業場所の候補のいずれかと合致する場合にのみ前記駆動源を始動可能とする第1の駆動源始動制御手段と,
を具備してなることを特徴とする作業機械。
【請求項2】
前記第1の駆動源始動制御手段が,前記居場所取得手段により取得された前記現在の居場所が,前記作業場所候補記憶手段に記憶された前記作業場所の候補のいずれかと合致する場合に前記駆動源を始動させるものである請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
所定の操作部に対する操作に応じて前記駆動源の始動指令を取得する始動指令取得手段を更に具備し,
前記第1の駆動源始動制御手段が,前記始動指令取得手段により前記始動指令が取得された際に前記駆動源を始動可能とするものである請求項1又は2のいずれかに記載の作業機械。
【請求項4】
前記始動指令取得手段により前記始動指令が取得された際に,前記居場所取得手段により前記現在の居場所が取得できない場合に,前記駆動源を始動させる第2の駆動源始動制御手段を具備してなる請求項3に記載の作業機械。
【請求項5】
前記作業場所候補記憶手段の記憶内容を更新できる場所を表す更新可能場所を予め記憶する更新可能場所記憶手段と,
所定の入力手段を通じた入力情報に基づいて前記作業場所候補記憶手段への前記作業場所の候補の記録若しくは更新を行う手段であって,前記居場所取得手段により取得された前記現在の居場所が,前記更新可能場所に記憶された前記更新可能場所と合致する場合にのみ前記作業場所の候補の記録若しくは更新を可能とする作業場所候補設定手段と,
を具備してなる請求項1〜4のいずれかに記載の作業機械。
【請求項6】
所定の入力手段を通じた入力情報に基づいて前記更新可能場所記憶手段への前記更新可能場所の記録若しくは更新を行う手段であって,前記居場所取得手段により取得された前記現在の居場所が,前記更新可能場所に記憶された前記更新可能場所と合致する場合にのみ前記更新可能場所の記録若しくは更新を可能とする更新可能場所設定手段を具備してなる請求項5に記載の作業機械。
【請求項7】
所定の動作を行う動作部を駆動する駆動源を備えた作業機械を制御する作業機械の制御方法であって,
前記作業機械が,これが用いられ得る1又は複数の作業場所の候補を予め記憶する作業場所候補記憶手段を備えており,
所定の操作部に対する操作に応じて前記駆動源の始動指令を取得する始動指令取得工程と,
外部の無線基地局から無線信号を受信することにより当該作業機械の現在の居場所を取得する居場所取得工程と,
前記始動指令取得工程により前記始動指令が取得された際に,前記居場所取得工程により取得された前記現在の居場所が,前記作業場所候補記憶手段に記憶された前記作業場所の候補のいずれかと合致する場合にのみ前記駆動源を始動させる第1の駆動源始動制御工程と,
を有してなることを特徴とする作業機械の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−15557(P2007−15557A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−199186(P2005−199186)
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(000002059)神鋼電機株式会社 (1,111)