作業機
【課題】回転駆動部から延びた棹部の先端に作業部を備えた伸縮式棹式作業機を、より高い場所での作業を安定して行うことができる伸縮式構成を提供する。
【解決手段】棹部が基端管5と伸縮可能な管体6と伸縮可能な軸体7とを備えており、管体6が外管61と内管62とを備えており、軸体7が棒体71と棒体7が挿入されるパイプ体72とを備えており、棒体7が外管61内において軸受63A、63Cによって回転可能に支持されており、軸受63A、63Cは外管61内において回転不能に且つ軸方向移動可能に設けられており同じ物性のコイルスプリング65を介設することによって等間隔に維持されている。また棹部は内管62が外管61内に挿入されると共に棒体71がパイプ体72内に挿入されることによって縮む際に、内管62がコイルスプリング65を均等に圧縮していくように構成している。
【解決手段】棹部が基端管5と伸縮可能な管体6と伸縮可能な軸体7とを備えており、管体6が外管61と内管62とを備えており、軸体7が棒体71と棒体7が挿入されるパイプ体72とを備えており、棒体7が外管61内において軸受63A、63Cによって回転可能に支持されており、軸受63A、63Cは外管61内において回転不能に且つ軸方向移動可能に設けられており同じ物性のコイルスプリング65を介設することによって等間隔に維持されている。また棹部は内管62が外管61内に挿入されると共に棒体71がパイプ体72内に挿入されることによって縮む際に、内管62がコイルスプリング65を均等に圧縮していくように構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高所の作業、例えば、高枝を刈る作業等、に使用される、伸縮式棹部を有する作業機、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1、2には、回転駆動部から延びた棹部の先端に作業部を備えた作業機が、示されている。この作業機では、回転駆動部で発生した回転力が棹部を通して作業部に伝達され、作業部にて草刈り等の作業が実行される。そして、棹部は、伸縮式である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3123389号公報
【特許文献2】特開2009−82028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1、2に示されるような作業機においては、より高い場所における作業が要望されるようになってきているが、棹部の寸法を単に長くするだけでは、その要望に対応できない。何故なら、棹部が不安定となり、その結果、作業が不安定となるからである。
【0005】
そこで、本発明は、従来よりも高い場所の作業を安定して行うことができる作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、回転力を発生させる回転駆動部と、回転力を受けて作業を実行する作業部と、回転駆動部と作業部とを連結するとともに、回転駆動部で発生した回転力を作業部に伝達する、棹部と、作業部の作動を操作する操作部と、を備えた、作業機において、棹部が、回転駆動部に連結され且つ操作部が取り付けられた基端管と、伸縮可能な管体と、基端管内及び管体内を回転可能な状態で延びており且つ管体と共に伸縮可能である、軸体と、を備えており、管体が、回転駆動部側の外管と、作業部側の内管と、を備えており、内管は、外管内に挿入可能であり、軸体が、基端管内及び外管内を延びている棒体と、内管内を延びているパイプ体と、を備えており、棒体は、パイプ体内に挿入可能であり、棒体が、外管内において3個以上の軸受によって回転可能に支持されており、該軸受は、外管内において、回転不能に且つ軸方向移動可能に、設けられており、全軸受は、外管内において、同じ物性のコイルスプリングを介設することによって等間隔に維持されており、棹部は、内管が外管内に挿入されると共に棒体がパイプ体内に挿入されることによって縮む際に、内管が、コイルスプリングを均等に圧縮していくようになっている、ことを特徴としている。
【0007】
なお、本発明は、下記の構成を任意に一つ又は組み合わせて採用するのが好ましい。
(a)棒体が、予め熱処理された金属材料を、加工して形成されたものである。
(b)棒体の基端部が、回転駆動部に対してスプライン嵌合によって連結されており、パイプ体の先端部が、作業部に対してスプライン嵌合によって連結されている。
(c)外管と内管とが筒状ホルダーによって連結されており、筒状ホルダーの基端部は、外管に固定されており、筒状ホルダーの先端部は、ノブボルトを締めることによって内管に固定されるようになっており、樹脂製スリーブを介して内管に接している。
(d)外管と内管とが筒状ホルダーによって連結されており、内管の基端には、内管より大径の筒状ストッパが連結されており、筒状ホルダーには、筒状ストッパの先端側端面が当接可能な基端側端面が形成されている。
(e)筒状ストッパの先端側端面と上記基端側端面との間に、弾性部材が設けられている。
(f)棒体の基端部が、スナップリングによって、外管に対して抜け止めされており、パイプ体の先端部が、スナップリングによって、内管に対して抜け止めされている。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、2個以上の可動軸受が、伸縮作業において、コイルスプリングによって、常に軸方向等間隔に維持されるので、棒体71が従来に比して長い寸法を有している場合でも、回転する棒体を安定して支持できる。よって、本発明によれば、従来に比して長い棹部を実現できるとともに安定した作動を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態の作業機の使用状態を示す斜視図である。
【図2】棹部が伸びた状態である作業機の側面図である。
【図3】棹部が縮んだ状態である作業機の側面図である。
【図4】伸びた状態の棹部の断面図である。
【図5】図2のA部の拡大断面図である。
【図6】図2のB部の拡大断面図である。
【図7】図2のC部の拡大断面図である。
【図8】外管の側面図及び拡大断面部分図である。
【図9】図7のIX−IX断面図である。
【図10】図2のD部の拡大図である。
【図11】内管の側面図及び拡大断面部分図である。
【図12】図2のE部の拡大図である。
【図13】棹部が最も縮んだ状態である作業機の側面図である。
【図14】図13のX部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態の作業機の使用状態を示す斜視図である。この作業機1は、高枝プルーナである。作業機1は、回転力を発生させる回転駆動部2と、棹部3と、回転力を受けて作業を実行する作業部4と、作業部4の作動を制御する操作部81と、からなっている。作業部4は、往復剪断刃を有するプルーナである。
【0011】
棹部3は、回転駆動部2と作業部4とを連結している。また、棹部3は、回転駆動部2で発生した回転力を作業部4に伝達するように、構成されている。更に、棹部3は、伸縮可能に構成されている。
【0012】
図2は、棹部3が伸びた状態である作業機1の側面図である。図3は、棹部3が縮んだ状態である作業機1の側面図である。図4は、伸びた状態の棹部3の断面図である。図4に示されるように、棹部3は、基端管5と、伸縮可能な管体6と、基端管5内及び管体6内を回転可能な状態で延びており、管体6と共に伸縮可能である、軸体7と、を備えている。管体6は、回転駆動部2側すなわち基端側の外管61と、作業部4側すなわち先端側の内管62と、を備えている。内管62の外径は、外管61の内径より小さい。例えば、外管61の外径は35mmであり、内管62の外径は24mmである。軸体7は、基端管5内及び外管61内を回転可能な状態で延びている棒体71と、内管62内を回転可能な状態で延びているパイプ体72と、を備えている。棒体71の長さは、例えば、2071mmである。パイプ体72の長さは、例えば、1465mmである。そして、棹部3の長さは、例えば、縮んだ場合には2.1mであり、伸びた場合には3.3mである。棒体71は、予め熱処理された金属材料を、加工して形成されている。その金属材料としては、例えば、硬鋼線材(SWRH)を用いることができる。
【0013】
図5は、図2のA部の拡大断面図であり、回転駆動部2と棹部3との連結構造を示している。回転駆動部2は、出力部20を有するケーシング21内に、クラッチドラム(図示せず)から突き出した回転筒部23を有している。回転筒部23は、回転駆動部2の回転力を出力する部分である。回転筒部23は、ベアリング(図示せず)を介してケーシング21内に支持されている。基端管5の基端部5Aは、出力部20内に嵌挿されている。棒体71は、断面角形を有しているが、その基端部71Aは、断面円形を有しており、回転筒部23内にスプライン嵌合されている。これにより、棒体71が回転筒部23に連結され、したがって、回転駆動部2の回転力は、棒体71に伝達されるようになっている。なお、基端管5内において、棒体71は、基端部5A内に位置している軸受77によって、回転可能に支持されている。軸受77は、棒体71を回転可能に支持するベアリング771と、ベアリング771が圧入されたホルダー772と、からなっている。ホルダー772は、基端管5の基端に圧入されて固定されている。
【0014】
また、図5に示されるように、基端管5は、種々の回転駆動部2の出力部20の規定寸法の連結孔25に内嵌できる径D1に設定されている。D1は一般的には24mmである。そして、基端管5は、連結孔25に内嵌され、ボルト201を締めることにより出力部20に固定されている。
【0015】
これにより、棹部3の基端側の基端管5に、回転駆動部2が取り付けられている。
【0016】
図6は、図2のB部の拡大断面図である。基端管5には、基端側から、操作部81とベルト取付部82とが外嵌して固定されている。操作部81は、スロットルレバーを有するトリガー式操作部である。
【0017】
図7は、図2のC部の拡大断面図であり、基端管5と外管61との連結構造を示している。基端管5と外管61とは、パイプジョイント91によって連結されている。一方、外管61内には、図8に示されるように、5個の軸受63A、63B、63C、63D、63Eが配置されている。これらの軸受は、棒体71を回転可能に支持している。図7には、最も基端側に位置している軸受63Aが示されている。
【0018】
軸受63Aは、棒体71が嵌挿する角孔ブッシュ631と、角孔ブッシュ631が圧入されたベアリング632と、ベアリング632が圧入されたブッシュホルダー633と、からなっている。角孔ブッシュ631の内径は、棒体71の外径より少し大きく、棒体71は、角孔ブッシュ631と共に回転するようになっている。ブッシュホルダー633の外径は、外管61の内径より少し小さく、ブッシュホルダー633は、外管61に対して回転不能に且つ軸方向移動可能に設けられている。図9は、図7のIX−IX断面図である。図9に示されるように、ブッシュホルダー633は、周面の凹部635が外管61の内面の凸部636に嵌っていることによって、外管61に対して回転不能となっている。一方、凸部636は、外管61の内面において、円周方向の等間隔置きの4箇所に、形成されており、軸方向に延びている。凹部635は、ブッシュホルダー633の周面において、円周方向の等間隔置きの4箇所に、形成されており、軸方向に延びている。よって、ブッシュホルダー633は、凸部636に沿って軸方向に移動可能となっている。凸部の高さは、例えば、約0.5mmである。
【0019】
他の4個の軸受63B、63C、63D、63Eも、軸受63Aと同じ構造を有している。なお、後述するように、軸受63Aは、コイルスプリング65によって基端側に付勢されており、パイプジョイント91の端面911に押し付けられているので、軸方向移動不能の状態となっているが、他の4個の軸受63B、63C、63D、63Eは、外管61内の軸方向の途中に設けられているので、軸方向移動可能である。
【0020】
一方、外管61の先端側には、ブッシュホルダー633と同形のストッパ64が設けられている。ストッパ64は、軸受63B等と同様に、外管61に対して回転不能且つ軸方向移動可能である。ストッパ64には、後述するように、内管62の基端部62Aが連結されている。
【0021】
そして、図8に示されるように、5個の軸受63A、63B、63C、63D、63E及びストッパ64は、それらの間に同じ物性のコイルスプリング65を配置することによって、軸方向に等間隔に維持されている。例えば、軸受63Cと軸受63Dとの間において、コイルスプリング65は、一端が軸受63Cのブッシュホルダー633の先端側端面に当接しており、他端が軸受63Dのブッシュホルダー633の基端側端面に当接している。他のコイルスプリング65も同様に配置されている。
【0022】
図10は、図2のD部の拡大図であり、外管61及び軸体71と、内管62及びパイプ体72と、の連結構造を示している。外管61内には、先端側から、内管62が挿入されている。そして、筒状ホルダー31によって、外管61に対して内管62が固定されるようになっている。これにより、外管61と内管62とが連結されている。ホルダー31は、外管61の先端部61Bから内管62に渡って設けられている。
【0023】
ホルダー31は、外管61を囲む基端部31Aと内管62を囲む先端部31Bとからなっている。そして、基端部31Aは、ボルト311を締めることによって外管61に固定されている。先端部31Bは、ノブボルト312を締めることによって、樹脂製スリーブ315を介して内管62に固定されるようになっている。内管62は、スリーブ315に嵌挿されている。ホルダー31は、基端部31Aが外管61に固定され且つ先端部31Bが内管62に固定されることにより、外管61に対して内管62を固定するようになっている。
【0024】
外管61内に挿入された内管62の基端部62Aは、ストッパ64に内嵌してリベット625によって固定されている。ストッパ64の先端側端面641とホルダー31の先端部31Bの基端側端面319との間には、弾性材料からなる筒体66が設けられている。筒体66は、内管62に外嵌している。
【0025】
また、図10に示されるように、棒体71とパイプ体72とは、連結管73によって連結されている。具体的には、連結管73は、先端部73Bがパイプ体72の基端部72Aに外嵌して固定されており、基端部73Aが角孔730を有している。そして、角孔730には、棒体71が嵌挿している。これにより、棒体71とパイプ体72とが連結されており、したがって、棒体71の回転力は、連結管73のみを介してパイプ体72に伝達されるようになっている。
【0026】
パイプ体72は、図11に示されるように、内管62内において、4個の軸受75A、75B、75C、75D及び軸受76によって、回転可能に支持されている。これらの4個の軸受は、軸方向に等間隔で配置されており、内管62内に固定されている。最も基端側の軸受75Aは、パイプ体72が嵌挿するメタルブッシュ751と、メタルブッシュ751が圧入されたブッシュホルダー752と、からなっている。パイプ体72は、メタルブッシュ751内で回転可能に、支持されている。ブッシュホルダー752は、弾性材料でできている。他の3個の軸受75B、75C、75Dも、軸受75Aと同じ構造を有している。
【0027】
図12は、図2のE部の拡大図であり、棹部3と作動部4との連結構造を示している。棹部3の内管62の先端部62Bは、作動部4の取付穴41に嵌入され、ボルト42、43によって取付穴41に固定されている。また、内管62から先端側に露出しているパイプ体72の先端部72Bは、取付穴41の奥部にスプライン嵌合している。これにより、棹部3と作動部4とが連結されている。先端部62B内に位置している軸受76は、パイプ体72を回転可能に支持するベアリング761と、ベアリング761が圧入されたホルダー752と、からなっている。ホルダー762は、内管62の先端に圧入されて固定されている。
【0028】
図5に示されるように、軸受75Aの基端側において、棒体71には、スナップリング91が設けられており、これにより、棒体71は、外管61に対して抜け止めされている。また、図12に示されるように、軸受76の先端側において、パイプ体72には、スナップリング92が設けられており、これにより、パイプ体72は、内管62に対して抜け止めされている。
【0029】
上記構成の作業機1においては、回転駆動部2が作動すると、回転筒部23が回転し、それに伴って、棒体71が回転し、それに伴って、連結管73が回転し、それに伴って、パイプ体72が回転し、それによって、作業部4が作動する。すなわち、回転駆動部2の回転力が棹部3を介して作動部4に伝達され、作業が実行される。
【0030】
上記構成の作業機1において、棹部3の伸縮作業は次のように行う。
(A)棹部3を縮める場合
ホルダー31のノブボルト312を緩めて、外管61に対して内管62を自由な状態とし、内管62を外管61内に挿入する。このとき、外管61内においては、内管62と共に移動するストッパ64が、コイルスプリング65を圧縮しながら基端側に向けて移動し、それに伴って、全てのコイルスプリング65が均等に圧縮されていく。
【0031】
そして、内管62を外管62内の任意の位置まで挿入した後は、ノブボルト312を締めて、外管61に対して内管62を固定する。これにより、棹部3は縮んだ状態となる。なお、全てのコイルスプリング65が最も圧縮された状態が、棹部3が最も縮んだ状態である。図13は、棹部3が最も縮んだ状態である作業機1の側面図である。図14は、図13のX部の拡大断面図である。
【0032】
(B)棹部3を伸ばす場合
ホルダー31のノブボルト312を緩めて、外管61に対して内管62を自由な状態とし、内管62を外管61内から引き出す。このとき、外管61内においては、ストッパ64が先端側へ移動するのに伴って、コイルスプリング65が均等に伸びていく。すなわち、内管62は、コイルスプリング65によって付勢されながら引き出されるので、自動的に又は小さな力で、引き出される。
【0033】
そして、内管62を外管62内から任意の長さだけ引き出した後は、ノブボルト312を締めて、外管61に対して内管62を固定する。これにより、棹部3は伸びた状態となる。
【0034】
なお、内管62を最も引き出した時には、図4及び図10に示されるように、ストッパ64の先端側端面641が、筒体66を介して、ホルダー31の先端部31Bの基端側端面319に、当接する。したがって、ストッパ64は、内管62が外管61から引き抜かれてしまうのを防止する。しかも、筒体66は、弾性材料からなっているので、ストッパ64の当接を緩衝し、したがって、内管62を最も引き出す時の衝撃を緩和する。
【0035】
そして、上記構成の作業機1は、更に、次のような作用効果を発揮できる。
【0036】
(1)棒体71が、軸方向等間隔に配置された5個の軸受63A、63B、63C、63D、63Eによって支持されており、しかも、5個の軸受63A、63B、63C、63D、63E及びストッパ64が、伸縮作業において、コイルスプリング65によって、常に軸方向等間隔に維持されている。したがって、棒体71が2000mmを超える長い寸法を有している場合でも、回転する棒体71を安定して支持できる。よって、従来に比して長い棹部3を実現できるとともに安定した作動を実現できる。
【0037】
(2)パイプ体72が、軸方向等間隔に配置された4個の軸受75A、75B、75C、75D及び軸受76によって支持されているので、パイプ体72が1400mmを超える長い寸法を有している場合でも、回転するパイプ体72を安定して支持できる。よって、この点からも、従来に比して長い棹部3を実現できるとともに安定した作動を実現できる。
【0038】
(3)棒体71が、予め熱処理された金属材料を、加工して形成されているので、棒体71が2000mmを超える長い寸法を有している場合でも、棒体71が歪んでしまうのを防止でき、それ故、回転する棒体71を安定して支持できる。よって、この点からも、従来に比して長い棹部3を実現できるとともに安定した作動を実現できる。
【0039】
(4)棒体71の基端部71Aが、回転駆動部2の回転筒部23内にスプライン嵌合しているので、棒体71に対する回転駆動部2の脱着作業を容易に行うことができる。
【0040】
(5)パイプ体72の先端部72Bが、作業部4の取付穴41の奥部にスプライン嵌合しているので、パイプ体72に対する作業部4の脱着作業を容易に行うことができる。
【0041】
(6)ホルダー31の先端部31Bが、樹脂製スリーブ315を介して内管62に固定されるようになっているので、ノブボルト312を緩めた場合には、ホルダー31に対して内管62を滑りやすくでき、ノブボルト312を締めた場合には、ホルダー31に対して内管62を強固に固定できる。
【0042】
(7)内管62を最も引き出す時には、ストッパ64の先端側端面641が、筒体66を介して、ホルダー31の先端部31Bの基端側端面319に、当接するので、ストッパ64は、内管62が外管61から引き抜かれてしまうのを防止できる。
【0043】
(8)筒体66は、弾性材料からなっているので、ストッパ64の先端側端面641がホルダー31の基端側端面319に当接する際の衝撃を緩衝でき、したがって、内管62を最も引き出す時の衝撃を緩和できる。
【0044】
(9)軸受75Aの基端側において、棒体71には、スナップリング91が設けられているので、回転作動部2を棹部3から取り外す場合等において、棒体71が外管61から抜けるのを防止できる。
【0045】
(10)軸受76の先端側において、パイプ体72には、スナップリング92が設けられているので、作業部4を棹部3から取り外す場合等において、パイプ体72が内管62から抜けるのを防止できる。
【0046】
なお、上記実施形態では、4個の可動軸受(軸受63B、63C、63D、63E)を設けているが、可動軸受は2個以上であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の作業機は、従来に比して長い棹部を実現できるとともに安定した作動を実現できるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0048】
1 作業機 2 回転駆動部 3 棹部 31 ホルダー 31A (ホルダーの)基端部 31B (ホルダーの)先端部 319 (ホルダーの)基端側端面 4 作業部 5 基端管 6 管体 61 外管 62 内管 63B,63C,63D,63E 可動軸受 64 ストッパ 641 (ストッパの)先端側端面 65 コイルスプリング 7 軸体 71 棒体 71A (棒体の)基端部 72 パイプ体 72B (パイプ体の)先端部 81 操作部 91,92 スナップリング
【技術分野】
【0001】
本発明は、高所の作業、例えば、高枝を刈る作業等、に使用される、伸縮式棹部を有する作業機、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1、2には、回転駆動部から延びた棹部の先端に作業部を備えた作業機が、示されている。この作業機では、回転駆動部で発生した回転力が棹部を通して作業部に伝達され、作業部にて草刈り等の作業が実行される。そして、棹部は、伸縮式である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3123389号公報
【特許文献2】特開2009−82028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1、2に示されるような作業機においては、より高い場所における作業が要望されるようになってきているが、棹部の寸法を単に長くするだけでは、その要望に対応できない。何故なら、棹部が不安定となり、その結果、作業が不安定となるからである。
【0005】
そこで、本発明は、従来よりも高い場所の作業を安定して行うことができる作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、回転力を発生させる回転駆動部と、回転力を受けて作業を実行する作業部と、回転駆動部と作業部とを連結するとともに、回転駆動部で発生した回転力を作業部に伝達する、棹部と、作業部の作動を操作する操作部と、を備えた、作業機において、棹部が、回転駆動部に連結され且つ操作部が取り付けられた基端管と、伸縮可能な管体と、基端管内及び管体内を回転可能な状態で延びており且つ管体と共に伸縮可能である、軸体と、を備えており、管体が、回転駆動部側の外管と、作業部側の内管と、を備えており、内管は、外管内に挿入可能であり、軸体が、基端管内及び外管内を延びている棒体と、内管内を延びているパイプ体と、を備えており、棒体は、パイプ体内に挿入可能であり、棒体が、外管内において3個以上の軸受によって回転可能に支持されており、該軸受は、外管内において、回転不能に且つ軸方向移動可能に、設けられており、全軸受は、外管内において、同じ物性のコイルスプリングを介設することによって等間隔に維持されており、棹部は、内管が外管内に挿入されると共に棒体がパイプ体内に挿入されることによって縮む際に、内管が、コイルスプリングを均等に圧縮していくようになっている、ことを特徴としている。
【0007】
なお、本発明は、下記の構成を任意に一つ又は組み合わせて採用するのが好ましい。
(a)棒体が、予め熱処理された金属材料を、加工して形成されたものである。
(b)棒体の基端部が、回転駆動部に対してスプライン嵌合によって連結されており、パイプ体の先端部が、作業部に対してスプライン嵌合によって連結されている。
(c)外管と内管とが筒状ホルダーによって連結されており、筒状ホルダーの基端部は、外管に固定されており、筒状ホルダーの先端部は、ノブボルトを締めることによって内管に固定されるようになっており、樹脂製スリーブを介して内管に接している。
(d)外管と内管とが筒状ホルダーによって連結されており、内管の基端には、内管より大径の筒状ストッパが連結されており、筒状ホルダーには、筒状ストッパの先端側端面が当接可能な基端側端面が形成されている。
(e)筒状ストッパの先端側端面と上記基端側端面との間に、弾性部材が設けられている。
(f)棒体の基端部が、スナップリングによって、外管に対して抜け止めされており、パイプ体の先端部が、スナップリングによって、内管に対して抜け止めされている。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、2個以上の可動軸受が、伸縮作業において、コイルスプリングによって、常に軸方向等間隔に維持されるので、棒体71が従来に比して長い寸法を有している場合でも、回転する棒体を安定して支持できる。よって、本発明によれば、従来に比して長い棹部を実現できるとともに安定した作動を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態の作業機の使用状態を示す斜視図である。
【図2】棹部が伸びた状態である作業機の側面図である。
【図3】棹部が縮んだ状態である作業機の側面図である。
【図4】伸びた状態の棹部の断面図である。
【図5】図2のA部の拡大断面図である。
【図6】図2のB部の拡大断面図である。
【図7】図2のC部の拡大断面図である。
【図8】外管の側面図及び拡大断面部分図である。
【図9】図7のIX−IX断面図である。
【図10】図2のD部の拡大図である。
【図11】内管の側面図及び拡大断面部分図である。
【図12】図2のE部の拡大図である。
【図13】棹部が最も縮んだ状態である作業機の側面図である。
【図14】図13のX部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態の作業機の使用状態を示す斜視図である。この作業機1は、高枝プルーナである。作業機1は、回転力を発生させる回転駆動部2と、棹部3と、回転力を受けて作業を実行する作業部4と、作業部4の作動を制御する操作部81と、からなっている。作業部4は、往復剪断刃を有するプルーナである。
【0011】
棹部3は、回転駆動部2と作業部4とを連結している。また、棹部3は、回転駆動部2で発生した回転力を作業部4に伝達するように、構成されている。更に、棹部3は、伸縮可能に構成されている。
【0012】
図2は、棹部3が伸びた状態である作業機1の側面図である。図3は、棹部3が縮んだ状態である作業機1の側面図である。図4は、伸びた状態の棹部3の断面図である。図4に示されるように、棹部3は、基端管5と、伸縮可能な管体6と、基端管5内及び管体6内を回転可能な状態で延びており、管体6と共に伸縮可能である、軸体7と、を備えている。管体6は、回転駆動部2側すなわち基端側の外管61と、作業部4側すなわち先端側の内管62と、を備えている。内管62の外径は、外管61の内径より小さい。例えば、外管61の外径は35mmであり、内管62の外径は24mmである。軸体7は、基端管5内及び外管61内を回転可能な状態で延びている棒体71と、内管62内を回転可能な状態で延びているパイプ体72と、を備えている。棒体71の長さは、例えば、2071mmである。パイプ体72の長さは、例えば、1465mmである。そして、棹部3の長さは、例えば、縮んだ場合には2.1mであり、伸びた場合には3.3mである。棒体71は、予め熱処理された金属材料を、加工して形成されている。その金属材料としては、例えば、硬鋼線材(SWRH)を用いることができる。
【0013】
図5は、図2のA部の拡大断面図であり、回転駆動部2と棹部3との連結構造を示している。回転駆動部2は、出力部20を有するケーシング21内に、クラッチドラム(図示せず)から突き出した回転筒部23を有している。回転筒部23は、回転駆動部2の回転力を出力する部分である。回転筒部23は、ベアリング(図示せず)を介してケーシング21内に支持されている。基端管5の基端部5Aは、出力部20内に嵌挿されている。棒体71は、断面角形を有しているが、その基端部71Aは、断面円形を有しており、回転筒部23内にスプライン嵌合されている。これにより、棒体71が回転筒部23に連結され、したがって、回転駆動部2の回転力は、棒体71に伝達されるようになっている。なお、基端管5内において、棒体71は、基端部5A内に位置している軸受77によって、回転可能に支持されている。軸受77は、棒体71を回転可能に支持するベアリング771と、ベアリング771が圧入されたホルダー772と、からなっている。ホルダー772は、基端管5の基端に圧入されて固定されている。
【0014】
また、図5に示されるように、基端管5は、種々の回転駆動部2の出力部20の規定寸法の連結孔25に内嵌できる径D1に設定されている。D1は一般的には24mmである。そして、基端管5は、連結孔25に内嵌され、ボルト201を締めることにより出力部20に固定されている。
【0015】
これにより、棹部3の基端側の基端管5に、回転駆動部2が取り付けられている。
【0016】
図6は、図2のB部の拡大断面図である。基端管5には、基端側から、操作部81とベルト取付部82とが外嵌して固定されている。操作部81は、スロットルレバーを有するトリガー式操作部である。
【0017】
図7は、図2のC部の拡大断面図であり、基端管5と外管61との連結構造を示している。基端管5と外管61とは、パイプジョイント91によって連結されている。一方、外管61内には、図8に示されるように、5個の軸受63A、63B、63C、63D、63Eが配置されている。これらの軸受は、棒体71を回転可能に支持している。図7には、最も基端側に位置している軸受63Aが示されている。
【0018】
軸受63Aは、棒体71が嵌挿する角孔ブッシュ631と、角孔ブッシュ631が圧入されたベアリング632と、ベアリング632が圧入されたブッシュホルダー633と、からなっている。角孔ブッシュ631の内径は、棒体71の外径より少し大きく、棒体71は、角孔ブッシュ631と共に回転するようになっている。ブッシュホルダー633の外径は、外管61の内径より少し小さく、ブッシュホルダー633は、外管61に対して回転不能に且つ軸方向移動可能に設けられている。図9は、図7のIX−IX断面図である。図9に示されるように、ブッシュホルダー633は、周面の凹部635が外管61の内面の凸部636に嵌っていることによって、外管61に対して回転不能となっている。一方、凸部636は、外管61の内面において、円周方向の等間隔置きの4箇所に、形成されており、軸方向に延びている。凹部635は、ブッシュホルダー633の周面において、円周方向の等間隔置きの4箇所に、形成されており、軸方向に延びている。よって、ブッシュホルダー633は、凸部636に沿って軸方向に移動可能となっている。凸部の高さは、例えば、約0.5mmである。
【0019】
他の4個の軸受63B、63C、63D、63Eも、軸受63Aと同じ構造を有している。なお、後述するように、軸受63Aは、コイルスプリング65によって基端側に付勢されており、パイプジョイント91の端面911に押し付けられているので、軸方向移動不能の状態となっているが、他の4個の軸受63B、63C、63D、63Eは、外管61内の軸方向の途中に設けられているので、軸方向移動可能である。
【0020】
一方、外管61の先端側には、ブッシュホルダー633と同形のストッパ64が設けられている。ストッパ64は、軸受63B等と同様に、外管61に対して回転不能且つ軸方向移動可能である。ストッパ64には、後述するように、内管62の基端部62Aが連結されている。
【0021】
そして、図8に示されるように、5個の軸受63A、63B、63C、63D、63E及びストッパ64は、それらの間に同じ物性のコイルスプリング65を配置することによって、軸方向に等間隔に維持されている。例えば、軸受63Cと軸受63Dとの間において、コイルスプリング65は、一端が軸受63Cのブッシュホルダー633の先端側端面に当接しており、他端が軸受63Dのブッシュホルダー633の基端側端面に当接している。他のコイルスプリング65も同様に配置されている。
【0022】
図10は、図2のD部の拡大図であり、外管61及び軸体71と、内管62及びパイプ体72と、の連結構造を示している。外管61内には、先端側から、内管62が挿入されている。そして、筒状ホルダー31によって、外管61に対して内管62が固定されるようになっている。これにより、外管61と内管62とが連結されている。ホルダー31は、外管61の先端部61Bから内管62に渡って設けられている。
【0023】
ホルダー31は、外管61を囲む基端部31Aと内管62を囲む先端部31Bとからなっている。そして、基端部31Aは、ボルト311を締めることによって外管61に固定されている。先端部31Bは、ノブボルト312を締めることによって、樹脂製スリーブ315を介して内管62に固定されるようになっている。内管62は、スリーブ315に嵌挿されている。ホルダー31は、基端部31Aが外管61に固定され且つ先端部31Bが内管62に固定されることにより、外管61に対して内管62を固定するようになっている。
【0024】
外管61内に挿入された内管62の基端部62Aは、ストッパ64に内嵌してリベット625によって固定されている。ストッパ64の先端側端面641とホルダー31の先端部31Bの基端側端面319との間には、弾性材料からなる筒体66が設けられている。筒体66は、内管62に外嵌している。
【0025】
また、図10に示されるように、棒体71とパイプ体72とは、連結管73によって連結されている。具体的には、連結管73は、先端部73Bがパイプ体72の基端部72Aに外嵌して固定されており、基端部73Aが角孔730を有している。そして、角孔730には、棒体71が嵌挿している。これにより、棒体71とパイプ体72とが連結されており、したがって、棒体71の回転力は、連結管73のみを介してパイプ体72に伝達されるようになっている。
【0026】
パイプ体72は、図11に示されるように、内管62内において、4個の軸受75A、75B、75C、75D及び軸受76によって、回転可能に支持されている。これらの4個の軸受は、軸方向に等間隔で配置されており、内管62内に固定されている。最も基端側の軸受75Aは、パイプ体72が嵌挿するメタルブッシュ751と、メタルブッシュ751が圧入されたブッシュホルダー752と、からなっている。パイプ体72は、メタルブッシュ751内で回転可能に、支持されている。ブッシュホルダー752は、弾性材料でできている。他の3個の軸受75B、75C、75Dも、軸受75Aと同じ構造を有している。
【0027】
図12は、図2のE部の拡大図であり、棹部3と作動部4との連結構造を示している。棹部3の内管62の先端部62Bは、作動部4の取付穴41に嵌入され、ボルト42、43によって取付穴41に固定されている。また、内管62から先端側に露出しているパイプ体72の先端部72Bは、取付穴41の奥部にスプライン嵌合している。これにより、棹部3と作動部4とが連結されている。先端部62B内に位置している軸受76は、パイプ体72を回転可能に支持するベアリング761と、ベアリング761が圧入されたホルダー752と、からなっている。ホルダー762は、内管62の先端に圧入されて固定されている。
【0028】
図5に示されるように、軸受75Aの基端側において、棒体71には、スナップリング91が設けられており、これにより、棒体71は、外管61に対して抜け止めされている。また、図12に示されるように、軸受76の先端側において、パイプ体72には、スナップリング92が設けられており、これにより、パイプ体72は、内管62に対して抜け止めされている。
【0029】
上記構成の作業機1においては、回転駆動部2が作動すると、回転筒部23が回転し、それに伴って、棒体71が回転し、それに伴って、連結管73が回転し、それに伴って、パイプ体72が回転し、それによって、作業部4が作動する。すなわち、回転駆動部2の回転力が棹部3を介して作動部4に伝達され、作業が実行される。
【0030】
上記構成の作業機1において、棹部3の伸縮作業は次のように行う。
(A)棹部3を縮める場合
ホルダー31のノブボルト312を緩めて、外管61に対して内管62を自由な状態とし、内管62を外管61内に挿入する。このとき、外管61内においては、内管62と共に移動するストッパ64が、コイルスプリング65を圧縮しながら基端側に向けて移動し、それに伴って、全てのコイルスプリング65が均等に圧縮されていく。
【0031】
そして、内管62を外管62内の任意の位置まで挿入した後は、ノブボルト312を締めて、外管61に対して内管62を固定する。これにより、棹部3は縮んだ状態となる。なお、全てのコイルスプリング65が最も圧縮された状態が、棹部3が最も縮んだ状態である。図13は、棹部3が最も縮んだ状態である作業機1の側面図である。図14は、図13のX部の拡大断面図である。
【0032】
(B)棹部3を伸ばす場合
ホルダー31のノブボルト312を緩めて、外管61に対して内管62を自由な状態とし、内管62を外管61内から引き出す。このとき、外管61内においては、ストッパ64が先端側へ移動するのに伴って、コイルスプリング65が均等に伸びていく。すなわち、内管62は、コイルスプリング65によって付勢されながら引き出されるので、自動的に又は小さな力で、引き出される。
【0033】
そして、内管62を外管62内から任意の長さだけ引き出した後は、ノブボルト312を締めて、外管61に対して内管62を固定する。これにより、棹部3は伸びた状態となる。
【0034】
なお、内管62を最も引き出した時には、図4及び図10に示されるように、ストッパ64の先端側端面641が、筒体66を介して、ホルダー31の先端部31Bの基端側端面319に、当接する。したがって、ストッパ64は、内管62が外管61から引き抜かれてしまうのを防止する。しかも、筒体66は、弾性材料からなっているので、ストッパ64の当接を緩衝し、したがって、内管62を最も引き出す時の衝撃を緩和する。
【0035】
そして、上記構成の作業機1は、更に、次のような作用効果を発揮できる。
【0036】
(1)棒体71が、軸方向等間隔に配置された5個の軸受63A、63B、63C、63D、63Eによって支持されており、しかも、5個の軸受63A、63B、63C、63D、63E及びストッパ64が、伸縮作業において、コイルスプリング65によって、常に軸方向等間隔に維持されている。したがって、棒体71が2000mmを超える長い寸法を有している場合でも、回転する棒体71を安定して支持できる。よって、従来に比して長い棹部3を実現できるとともに安定した作動を実現できる。
【0037】
(2)パイプ体72が、軸方向等間隔に配置された4個の軸受75A、75B、75C、75D及び軸受76によって支持されているので、パイプ体72が1400mmを超える長い寸法を有している場合でも、回転するパイプ体72を安定して支持できる。よって、この点からも、従来に比して長い棹部3を実現できるとともに安定した作動を実現できる。
【0038】
(3)棒体71が、予め熱処理された金属材料を、加工して形成されているので、棒体71が2000mmを超える長い寸法を有している場合でも、棒体71が歪んでしまうのを防止でき、それ故、回転する棒体71を安定して支持できる。よって、この点からも、従来に比して長い棹部3を実現できるとともに安定した作動を実現できる。
【0039】
(4)棒体71の基端部71Aが、回転駆動部2の回転筒部23内にスプライン嵌合しているので、棒体71に対する回転駆動部2の脱着作業を容易に行うことができる。
【0040】
(5)パイプ体72の先端部72Bが、作業部4の取付穴41の奥部にスプライン嵌合しているので、パイプ体72に対する作業部4の脱着作業を容易に行うことができる。
【0041】
(6)ホルダー31の先端部31Bが、樹脂製スリーブ315を介して内管62に固定されるようになっているので、ノブボルト312を緩めた場合には、ホルダー31に対して内管62を滑りやすくでき、ノブボルト312を締めた場合には、ホルダー31に対して内管62を強固に固定できる。
【0042】
(7)内管62を最も引き出す時には、ストッパ64の先端側端面641が、筒体66を介して、ホルダー31の先端部31Bの基端側端面319に、当接するので、ストッパ64は、内管62が外管61から引き抜かれてしまうのを防止できる。
【0043】
(8)筒体66は、弾性材料からなっているので、ストッパ64の先端側端面641がホルダー31の基端側端面319に当接する際の衝撃を緩衝でき、したがって、内管62を最も引き出す時の衝撃を緩和できる。
【0044】
(9)軸受75Aの基端側において、棒体71には、スナップリング91が設けられているので、回転作動部2を棹部3から取り外す場合等において、棒体71が外管61から抜けるのを防止できる。
【0045】
(10)軸受76の先端側において、パイプ体72には、スナップリング92が設けられているので、作業部4を棹部3から取り外す場合等において、パイプ体72が内管62から抜けるのを防止できる。
【0046】
なお、上記実施形態では、4個の可動軸受(軸受63B、63C、63D、63E)を設けているが、可動軸受は2個以上であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の作業機は、従来に比して長い棹部を実現できるとともに安定した作動を実現できるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0048】
1 作業機 2 回転駆動部 3 棹部 31 ホルダー 31A (ホルダーの)基端部 31B (ホルダーの)先端部 319 (ホルダーの)基端側端面 4 作業部 5 基端管 6 管体 61 外管 62 内管 63B,63C,63D,63E 可動軸受 64 ストッパ 641 (ストッパの)先端側端面 65 コイルスプリング 7 軸体 71 棒体 71A (棒体の)基端部 72 パイプ体 72B (パイプ体の)先端部 81 操作部 91,92 スナップリング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転力を発生させる回転駆動部と、
回転力を受けて作業を実行する作業部と、
回転駆動部と作業部とを連結するとともに、回転駆動部で発生した回転力を作業部に伝達する、棹部と、
作業部の作動を操作する操作部と、
を備えた、作業機において、
棹部が、回転駆動部に連結され且つ操作部が取り付けられた基端管と、伸縮可能な管体と、基端管内及び管体内を回転可能な状態で延びており且つ管体と共に伸縮可能である、軸体と、を備えており、
管体が、回転駆動部側の外管と、作業部側の内管と、を備えており、内管は、外管内に挿入可能であり、
軸体が、基端管内及び外管内を延びている棒体と、内管内を延びているパイプ体と、を備えており、棒体は、パイプ体内に挿入可能であり、
棒体が、外管内において3個以上の軸受によって回転可能に支持されており、該軸受は、外管内において、回転不能に且つ軸方向移動可能に、設けられており、
全軸受は、外管内において、同じ物性のコイルスプリングを介設することによって等間隔に維持されており、
棹部は、内管が外管内に挿入されると共に棒体がパイプ体内に挿入されることによって縮む際に、内管が、コイルスプリングを均等に圧縮していくようになっている、
ことを特徴とする作業機。
【請求項2】
棒体が、予め熱処理された金属材料を、加工して形成されたものである、
請求項1記載の作業機。
【請求項3】
棒体の基端部が、回転駆動部に対してスプライン嵌合によって連結されており、
パイプ体の先端部が、作業部に対してスプライン嵌合によって連結されている、
請求項1又は2に記載の作業機。
【請求項4】
外管と内管とが筒状ホルダーによって連結されており、
筒状ホルダーの基端部は、外管に固定されており、
筒状ホルダーの先端部は、ノブボルトを締めることによって内管に固定されるようになっており、樹脂製スリーブを介して内管に接している、
請求項1〜3のいずれか一つに記載の作業機。
【請求項5】
外管と内管とが筒状ホルダーによって連結されており、
内管の基端には、内管より大径の筒状ストッパが連結されており、
筒状ホルダーには、筒状ストッパの先端側端面が当接可能な基端側端面が形成されている、
請求項1〜3のいずれか一つに記載の作業機。
【請求項6】
筒状ストッパの先端側端面と上記基端側端面との間に、弾性部材が設けられている、
請求項5記載の作業機。
【請求項7】
棒体の基端部が、スナップリングによって、外管に対して抜け止めされており、
パイプ体の先端部が、スナップリングによって、内管に対して抜け止めされている、
請求項1〜6のいずれか一つに記載の作業機。
【請求項1】
回転力を発生させる回転駆動部と、
回転力を受けて作業を実行する作業部と、
回転駆動部と作業部とを連結するとともに、回転駆動部で発生した回転力を作業部に伝達する、棹部と、
作業部の作動を操作する操作部と、
を備えた、作業機において、
棹部が、回転駆動部に連結され且つ操作部が取り付けられた基端管と、伸縮可能な管体と、基端管内及び管体内を回転可能な状態で延びており且つ管体と共に伸縮可能である、軸体と、を備えており、
管体が、回転駆動部側の外管と、作業部側の内管と、を備えており、内管は、外管内に挿入可能であり、
軸体が、基端管内及び外管内を延びている棒体と、内管内を延びているパイプ体と、を備えており、棒体は、パイプ体内に挿入可能であり、
棒体が、外管内において3個以上の軸受によって回転可能に支持されており、該軸受は、外管内において、回転不能に且つ軸方向移動可能に、設けられており、
全軸受は、外管内において、同じ物性のコイルスプリングを介設することによって等間隔に維持されており、
棹部は、内管が外管内に挿入されると共に棒体がパイプ体内に挿入されることによって縮む際に、内管が、コイルスプリングを均等に圧縮していくようになっている、
ことを特徴とする作業機。
【請求項2】
棒体が、予め熱処理された金属材料を、加工して形成されたものである、
請求項1記載の作業機。
【請求項3】
棒体の基端部が、回転駆動部に対してスプライン嵌合によって連結されており、
パイプ体の先端部が、作業部に対してスプライン嵌合によって連結されている、
請求項1又は2に記載の作業機。
【請求項4】
外管と内管とが筒状ホルダーによって連結されており、
筒状ホルダーの基端部は、外管に固定されており、
筒状ホルダーの先端部は、ノブボルトを締めることによって内管に固定されるようになっており、樹脂製スリーブを介して内管に接している、
請求項1〜3のいずれか一つに記載の作業機。
【請求項5】
外管と内管とが筒状ホルダーによって連結されており、
内管の基端には、内管より大径の筒状ストッパが連結されており、
筒状ホルダーには、筒状ストッパの先端側端面が当接可能な基端側端面が形成されている、
請求項1〜3のいずれか一つに記載の作業機。
【請求項6】
筒状ストッパの先端側端面と上記基端側端面との間に、弾性部材が設けられている、
請求項5記載の作業機。
【請求項7】
棒体の基端部が、スナップリングによって、外管に対して抜け止めされており、
パイプ体の先端部が、スナップリングによって、内管に対して抜け止めされている、
請求項1〜6のいずれか一つに記載の作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−5729(P2013−5729A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138785(P2011−138785)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(392010924)株式会社大成モナック (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(392010924)株式会社大成モナック (5)
【Fターム(参考)】
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