説明

使い捨ておむつ

【課題】尿及び大便の漏れ防止性に優れており、大便が肌に密着することによる不快感等も生じ難い使い捨ておむつを提供すること。
【解決手段】縦長の吸収性コア40を含む吸収体4を具備し、着用者の腹側に配される腹側部A、股間部に配される股下部C及び背側に配される背側部Bを有する使い捨ておむつ1であり、吸収性コア40は、股下部Cにおける該吸収性コア40の長手方向の両側縁それぞれから離間した位置に、吸収体4の折曲を容易とする折曲誘導部43,44を有しており、該折曲誘導部43,44は、該吸収性コア40の長手方向に沿って延びており、折曲誘導部43,44の近傍又は該折曲誘導部と重なる部位に、該折曲誘導部43,44によって折曲される部位を示すマーカー73,74が、該折曲誘導部43,44に沿って延びるように設けられ、該マーカー73,74は、おむつの外面側から視認可能に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使い捨ておむつの吸収体としては、解繊パルプ等の繊維材料からなる繊維集合体やこれに吸水性ポリマー等の機能性材料を保持させたもの等からなる吸収性コアを、薄紙や透水性の不織布等からなるコアラップシートで被覆したものが汎用されている。
また、吸収性コアに、スリットや部分的にコアの形成材料が存在しない部分等の折曲誘導部を設け、吸収性コアを所定の立体形状に変形するように誘導して、身体に対するフィット性や防漏性を高める技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、前胴周り域及び後胴周り域を有するシャーシと、前胴周り域から後胴周り域にわたって配される吸収体とを備えた吸収性物品において、前記吸収体を構成する吸収性コアに中央低剛性部及び一対の側方低剛性部を設け、着用時に、該吸収性コアがW字状に変形するようにすることが記載されている。
【0003】
また、別の技術として、特許文献2には、使い捨ておむつの外包材(外包材)に、該外包材の一部を谷折りした状態に保持する保持手段を設けると共に、その外包材に、谷折りさせるべき部位が認識できるマーカーを設ける技術が提案されている。
また、特許文献3には、使い捨ておむつの両側部の脚廻りに配される、弾性伸縮部材が配設された領域に、おむつの外部から視認可能なデザインを配することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2008/069279号
【特許文献2】特開2009−189381号公報
【特許文献3】特開2008−183332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、吸収性コアを立体形状に変形させる従来技術においては、装着の仕方によっては、吸収性コアが折曲誘導部以外の部分で折れ曲がり、フィット性の向上や漏れ防止性の向上といった所要の効果が得られない場合がある。
また、反対に、吸収性コアが予定された正しい立体形状に変形しているにも拘わらず、その立体形状が正しい形状であることを知らずに、正しく装着されていないのではないかと不安に感じる恐れもある。
【0006】
他方、特許文献2及び3には、吸収体が予定された立体形状に正しく変形しているか否かを視覚的に容易に判別できるようにすることについて記載されていない。
【0007】
従って、本発明の課題は、吸収体が正しい立体形状に変形しているか否かを容易に判別することのできる使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、縦長の吸収体を具備し、着用者の腹側に配される腹側部、股間部に配される股下部及び背側に配される背側部を有する使い捨ておむつであって、前記吸収体は、前記股下部における該吸収体の長手方向の両側縁それぞれから離間した位置に、前記吸収体の折曲を容易とする折曲誘導部を有しており、該折曲誘導部は、該吸収体の長手方向に沿って延びており、前記折曲誘導部の近傍又は該折曲誘導部と重なる部位に、該折曲誘導部によって折曲される部位を示すマーカーが、該折曲誘導部に沿って延びるように設けられ、該マーカーは、おむつの外面側から視認可能に設けられている使い捨ておむつを提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、吸収体が正しい立体形状に変形しているか否かを容易に判別することのできる使い捨ておむつが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの着用状態を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの展開且つ伸長状態を肌当接面側から見た一部破断平面図である。パンツ型使い捨ておむつについての展開且つ伸長状態は、サイドシール部を引き剥がして、パンツ型使い捨ておむつを展開状態とし、その展開状態のおむつを、各部の弾性部材を伸長させて、設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。
【図3】図3は、図2のIII−III線断面図である。
【図4】図4は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつを、おむつの外面側から見た模式平面図である。
【図5】図5は、図1に示す使い捨ておむつの吸収体及び吸収性コアの幅方向の断面を示す模式図であり、図5(a)は、図2中に矢印P1で示す位置における断面、図5(b)は、図2中の矢印P2で示す位置における断面を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第2実施形態であるパンツ型使い捨ておむつを、おむつの外面側から見た模式平面図(図4相当図)である。
【図7】図7は、本発明の第3実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの股下部の幅方向に沿う断面図(図3相当図)である。
【図8】図8は、第3実施形態であるパンツ型使い捨ておむつを、おむつの外面側から見た模式平面図(図4相当図)である。
【図9】図9は、第4実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの股下部の幅方向に沿う断面図(図3相当図)である。
【図10】図10は、第5実施形態であるパンツ型使い捨ておむつを、おむつの外面側から見た模式平面図(図4相当図)である。
【図11】図11は、第6実施形態であるパンツ型使い捨ておむつを示す図であり、図11(a)は、該おむつの吸収体がプレス成形により得られる過程を示す模式断面図であり、図11(b)は、おむつの外面側から見た模式平面図(図4相当図)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の第1実施形態である使い捨ておむつ1(以下、おむつ1ともいう)は、いわゆるパンツ型のおむつであり、図1〜図3に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性又は撥水性の裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に配された縦長の吸収体4を具備する吸収性本体5と、該吸収性本体5の非肌当接面側に位置して該吸収性本体5を固定している外包材10とを備えている。吸収体4は、該吸収体4と同方向に長い吸収性コア40を内部に含んでいる。
おむつ1は、図1及び図2に示すように、着用時に着用者の腹側に配される腹側部A、股間部に配される股下部C及び背側に配される背側部Bを有している。外包材10は、腹側部Aの両側縁部と背側部Bの両側縁部とが接合されており、それによって、おむつ1に、一対のサイドシール部S,S、ウエスト開口部7及び一対のレッグ開口部8,8が形成されている。
【0012】
本実施形態のおむつ1における腹側部A及び背側部Bは、おむつの幅方向(図2中Y方向)の両端にサイドシール部S,Sを有する部分である。おむつの長手方向は、腹側部Aから股下部Cを経て背側部Bに亘る方向又はその逆方向であり、図2中のX方向である。本実施形態のおむつ1においては、おむつ1の長手方向、吸収体4の長手方向、吸収性コア40の長手方向は、何れも図2中のX方向である。
【0013】
本実施形態における吸収体4は、図2及び図3に示すように、股下部Cにおける幅方向中央部に厚みの厚い厚肉部41を有し、該厚肉部41の両側に該厚肉部41より厚みの薄い薄肉部42を有している。厚肉部41は、股下部Cにおいて、吸収性本体5の長手方向に沿って延びている。詳述すると、吸収体4は、図2に示すように、腹側部側の方が幅が広い平面視略T字状の上部吸収コア411と、上部吸収コア411より長手方向及び幅方向の寸法が大きい矩形状の下部吸収コア412とを有しており、下部吸収コア412上に上部吸収コア411が積層されている部分が厚肉部41、下部吸収コア412上に上部吸収コア411が積層されていない部分が薄肉部42である。上部吸収コア411は、おむつ1の股下部Cから腹側部Aに亘って配されており、上部吸収コア411及び厚肉部41は、何れも股下部Cのおむつ長手方向中央部付近から腹側部Aに向かって幅が拡大(漸増)している。下部吸収コア412は、股下部Cを縦断して腹側部A及び背側部Bに亘っている。
【0014】
また、本実施形態における吸収体4は、前述した上部吸収コア411及び下部吸収コア412が、それぞれ、解繊パルプ等の繊維材料からなる繊維集合体又はこれに吸水性ポリマーの粒子等の機能性材料を保持させてなるものからなる。また、吸収体4は、このような構成の上部吸収コア411及び下部吸収コア412の全体がコアラップシート45で被覆されてなる。コアラップシートとしては、各種公知のものを用いることができ、例えばティッシュペーパのような薄紙や透水性の不織布等が好ましく用いられる。吸収体4は、上部吸収コア411と下部吸収コア412とを、それぞれ別々にコアラップシートで被覆した後、両者を積層したものであっても良い。この場合、上部吸収コア411を被覆するコアラップシートと下部吸収コア412を被覆するコアラップシートとの間は接着しても接着しなくても良い。
【0015】
本実施形態のおむつ1は、図2及び図3に示すように、吸収体4の長手方向の両側縁4a,4aに沿って、吸収体4の側部部分46を立ち上げるための弾性部材9が配されている。弾性部材9は、吸収性コア40を被覆するコアラップシート45の内面及び/又は外面に沿って伸長状態で配されており、腹側部A及び背側部Bに両端部が固定されている。
また、吸収性本体5の両側には、防漏カフ6,6が形成されている。防漏カフ6は、吸収性本体5に接合された防漏カフ形成用シート60、防漏カフ形成用シート60の自由端近傍に伸長状態で固定された防漏カフ形成用の弾性部材61、及び防漏カフ6の固定端と自由端との間に伸長状態で固定された防漏カフ中間弾性部材62を備えている。
図2に示す例では、防漏カフ形成用シート60として、所定幅の帯状の撥水性シートの1枚を、その長手方向に沿って二つ折りして、相対向する層間をホットメルト型接着剤又は部分的な熱シール若しくは超音波シール等で接合した2層構造のシートを用いており、前述した弾性部材61,62は、この2層構造シートの層間に伸長状態で固定されている。
【0016】
また、表面シート2は、吸収体4の肌当接面側を被覆するとともに、その両側端部21,21が、吸収体4の非肌当接面側において、防漏カフ形成用シート60にヒートシール、接着剤等の公知の接合手段により接合固定されている。
また、裏面シート3は、吸収体4の非肌当接面側において、吸収体4及び防漏カフ形成用シート60に、接着剤13等の任意の接合手段により接合固定されている。そして、裏面シート3に、外包材10が、接着剤14等の任意の接合手段により接合固定されている。
【0017】
おむつ1における吸収体4は、図2及び図3に示すように、股下部Cにおける該吸収体4の長手方向の両側縁4a,4aから離間した位置に、本発明における折曲誘導部として、中央折曲誘導部43及び一対の側部折曲誘導部44,44を有している。中央折曲誘導部43及び一対の側部折曲誘導部44,44は、何れも、吸収体4の折曲を容易とするものであり、吸収体4の長手方向に沿って形成されている。中央折曲誘導部43は、吸収体4の長手方向に沿う中央線(吸収体4の幅を2等分する線)上に形成されており、一対の側部折曲誘導部44,44は、吸収体4の長手方向に沿う中央線の両側に、中央折曲誘導部43との間に間隔を設けて形成されている。
【0018】
そして、本実施形態のおむつ1は、図3,図4に示すように、中央折曲誘導部43及び一対の側部折曲誘導部44,44のそれぞれと重なる部位に、それぞれの折曲誘導部によって吸収体4が折曲する部位(折曲することが予定されている部位)を示すマーカー73,74,74を有している。
マーカー73は、図4に示すように、該中央折曲誘導部43に沿って延びており、側部折曲誘導部44に対応するマーカー74は、該側部折曲誘導部44に沿って延びている。また、本実施形態におけるマーカー73,74,74は、何れも、図3に示すように、裏面シート3の外包材10側の面に印刷等によって表示された帯状の着色部であり、何れも、図1及び図4に示すように、おむつ1の外面側から視認可能となっている。また、おむつの外面側は、着用時に、着用者の肌側に向けられる面とは反対側の面である。
【0019】
おむつ1の外包材10は、おむつの外面側からの視認性を高める観点から、光の透過性が高い材料からなることが好ましい。
また、マーカー73,74,74としての着色部の色は、例えば、白色であることの多い裏面シートや外包材の形成材料等に対して、黒色、灰色、有彩色であることが好ましい。有彩色としては、赤色、橙色、黄色、黄緑色、緑色、青色、藍色、紫色等が挙げられる。また、吸収体4が吸収した際に発色して排尿を知らせるインジケーターを設けた場合、マーカー73,74,74としての着色部の色は、そのインジケーターの発色前及び発色後の何れの色とも異なる色であることが好ましい。
また、おむつ装着時に、山部となる中央折曲誘導部43を示すマーカー73と、谷部となる側部折曲誘導部44を示すマーカー74は、異なる色であることが好ましい。これにより、装着時に、吸収体4が設計された正しい立体形状に変形していることをより容易に認識することができる。
【0020】
また、マーカー73,74,74は、おむつ着用状態の見えやすさの点から、少なくとも、おむつ1の長手方向の中央位置Pより腹側部A側に存在することが好ましく、また、おむつ1の長手方向の長さが、少なくとも30mmであることが好ましく、より好ましくは50mm以上である。
また、マーカー73,74,74のおむつ1の長手方向の長さは、それぞれに対応する折曲誘導部の同方向の長さの30〜100%であることが好ましく、より好ましくは、70〜90%である。
また、マーカー73,74,74の幅(Y方向の長さ)は、それぞれに対応する折曲誘導部の同方向(Y方向)の長さの10〜100%であることが好ましく、より好ましくは、70〜90%である。
マーカー73,74,74のおむつ1の長手方向の好ましい長さや幅は、図2に示すように、おむつの展開且つ伸長状態で測定する。
【0021】
本実施形態における中央折曲誘導部43及び一対の側部折曲誘導部44,44は、図3に示すように、吸収性コア40の一部に非積繊部を設けて形成されている。
非積繊部は、吸収性コアを形成する材料(コア形成材料)が存在しない部分であるが、コア形成材料が20g/m2程度に若干存在している場合も、同様な効果を奏しうるから非積繊部に含める。また、本発明における折曲誘導部は、コア形成材料が、他の部分に比して低坪量に存在する低坪量部であっても良い。低坪量部におけるコア形成材料の坪量は、例えば50g/m2以下であることが好ましい。
【0022】
中央折曲誘導部43を形成する非積繊部は、図2及び図3に示すように、上部吸収コア411及び下部吸収コア412に、両者を貫通する縦長矩形状の貫通孔を形成してなる。上部吸収コア411及び下部吸収コア412の両者を貫通する貫通孔は、上部吸収コア411及び下部吸収コア412を、それぞれ貫通孔を有するものとして製造した後、両吸収コアを、両者の貫通孔どうしが重なるように積層してなる。これに代えて、上部吸収コア411及び下部吸収コア412を、それぞれ貫通孔を有しないものとして製造した後、そのそれぞれに貫通孔を形成し、次いで両吸収コアを、両者の貫通孔どうしが重なるように積層してなるものであっても良い。更に、上部吸収コア411及び下部吸収コア412をそれぞれ貫通孔を有しないものとして製造した後、両吸収コアを重ね、次いで、両者を貫通する貫通孔を一体的に形成したものであっても良い。
本発明における折曲誘導部は、上部吸収コア411のみに非積繊部(貫通孔)を有する一方、下部吸収コア412における、上部吸収コア411の該非積繊部(貫通孔)と重なる部分に非積繊部(貫通孔)を有しない部分であっても良い。
【0023】
本実施形態のおむつ1における外包材10は、図2、図3に示すように、2枚の外包材形成用シート11,12と、これら2枚のシート間に伸長状態で固定された各部の弾性部材とからなる。即ち、2枚の外包材形成用シート11,12間には、ウエスト開口部7の周縁部にウエストギャザーを形成するウエスト部弾性部材71,レッグ開口部8の周縁部にレッグギャザーを形成するレッグ部弾性部材81,及び胴回り部D(ウエスト開口部7の周縁端から下方に20mm離間した位置からレッグ開口部8の上端までの領域)に左右に分割された状態の胴回りギャザーを形成する胴回り弾性部材91が、それぞれ伸長状態で、ホットメルト型接着剤等の任意の接合手段により接合固定されている。外包材形成用シート11,12は、何れも不織布から構成されている。これら2枚のシートのうちの一方又は双方は、ウエスト開口部7の周縁部において折り返され、その折り返された部分が、吸収性本体5の前後端における該吸収性本体5の肌当接面側に固定されている。
【0024】
本実施形態のおむつ1は、図2に示すように、股下部Cにおける吸収体40に、中央折曲誘導部43と一対の側部折曲誘導部44,44とが吸収体40の長手方向に並列している領域R1(以下、並列領域R1ともいう)を有している。
股下部Cにおける吸収体40が並列領域R1を有することにより、図5(a)に示すように、おむつ着用時に、並列領域R1における吸収体4が、中央折曲誘導部43を有する部分が山部、側部折曲誘導部44,44を有する部分が谷部となるように、W字状に折曲する。
股下部Cにおいて吸収体4がW字状の立体形状に変形することにより吸収体4が、着用者の脚Eより加えられる圧力に対して柔軟に変形し、脚に加わる圧力やそれによる抵抗感や違和感等が軽減される。また、吸収体4の幅方向における側部折曲誘導部44より外方の側部部分46が起立してその端部が着用者の肌、好ましくは鼠蹊部に沿って位置することにより、良好な横漏れ防止性も得られる。
【0025】
また、吸収性本体5における中央折曲誘導部43を有する部分が、着用者の排尿部に密着しやすくなるため、尿が吸収体4や吸収性コア40内にスムーズに吸収される。そのため、尿が着用者の肌上や表面シート上を流れて前方から漏れ出したり、後方に流れた尿が大便と混ざって大便が肌に付着し易くするといったことを防止することができる。
【0026】
本実施形態のおむつ1は、上述のように、並列領域R1において吸収体4がW字状に折曲するように設計されているが、従来のおむつのように、折曲誘導部を有していても、それによって折曲する部位を示すマーカー73,74,74が存在しない場合、おむつを見ただけでは、吸収体4が、W字状に折曲するように設計されていることが判りづらい。そのため、吸収体4が、設計された正しい立体形状に変形しているにも拘わらず、親や介護者等が、正しく装着されていないのではないかと不安に感じる恐れがある。
これに対して、本実施形態のおむつ1によれば、マーカー73,74,74を見ることによって、吸収体4が、折曲されるべき部位を、親や介護者等が容易に認識でき、吸収体4が正しい立体形状に変形していることや、おむつが正しく装着されていることを容易に認識することができる。そのため、親や介護者等が、正しく装着されていないのではないかといった無用な心配や不安を感じることを防止することができる。
【0027】
また、本実施形態のおむつ1によれば、マーカー73,74,74が変に曲がって表れている場合、吸収体が正しい立体形状に変形していないことも判り易い。そのため、形状に適宜修正を加えて正しい立体形状となるように修正することも容易である。
また、本実施形態のおむつ1は、おむつ着用時に、中央折曲誘導部43を有する部分が山部、側部折曲誘導部44,44を有する部分が谷部となるように、W字状に折曲するが、排尿後は吸収体中に含まれるポリマーの膨潤や尿便の重さにより、中央折曲誘導部43、側部折曲誘導部44,44が全て谷部となるように折曲する。このため、中央折曲誘導部43を示すマーカー73は、おむつ着用時の排尿前後で、おむつの外面側から視認可能なマーカーの幅が変化し、排尿の有無を認識することがより容易である。
【0028】
本実施形態のおむつ1における、上部吸収コア411は、下部吸収コア412よりもおむつの幅方向の曲げ剛性が高い高剛性コアであることが好ましく、下部吸収コア412は、上部吸収コア411よりもおむつの幅方向の曲げ剛性が低い低剛性コアであることが好ましい。その場合、吸収体4の幅方向中央部の肉厚部41が、高剛性コア(上部吸収コア411)が配されて形成された高剛性領域であり、その高剛性領域の両側に位置する一対の薄肉部42,42が、低剛性コア(下部吸収コア412)が配されて形成された低剛性領域となる。前記マーカー74は、そのような高剛性領域と低剛性領域の境界に沿って設けられているため、おむつ着用時に形成される吸収体4の折曲部とマーカーが重なり、折曲されるべき部位を容易に認識することができる。
【0029】
なお、高剛性コア及び低剛性コアの、おむつの幅方向の曲げ剛性は、例えば、日本工業規格「JIS L―1096(一般織物試験方法)」に準じ、ハンドルオ・メーターにより測定することができる。高剛性コア(例えば上部吸収コア411)及び低剛性コア(例えば下部吸収コア412)のそれぞれから、25mm×25mmの正方形状の測定片を切り出す。幅10mm溝を刻んだ支持台上に、試験片を、前記溝と、測定片のおむつ幅方向に対応する方向が直交するように配置する。試験片の中央を厚み2mmのブレードで押し、吸収体が8mm押し込まれる時の抵抗値(g)をロードセルにて測定する。測定は異なる試験片で3回行い、その平均値を測定値とする。また、試験片は、折曲誘導部を形成する非積繊部等を含まないように切り出す。25mm×25mmの測定片が切り出せない場合は、それより小さい測定片でも良いが、その場合、高剛性コア及び低剛性コアから得た同一寸法の測定片を用い、支持台の溝の幅を5mmにして測定した結果どうしを比較する。
【0030】
なお、並列領域R1の長さL1(図2参照)は、股下部Cのおむつ長手方向の長さLc(図2参照)の20〜80%であることが好ましく、より好ましくは20〜60%であり、更に好ましくは20〜50%である。
【0031】
本実施形態のおむつ1は、吸収体40の長手方向における腹側部A側において、図2に示すように、厚肉部41に形成された中央折曲誘導部43が、側部折曲誘導部44の端部44aの位置より延出している。そのため、前述した並列領域R1やその腹側部側の近傍で、吸収体4や吸収性コア40内に取り込まれた尿が、腹側部A側に向かって拡散し、吸収体40の並列領域R1よりも腹側部A側に位置する部分の吸収能力も有効に活用される。これにより、おむつ1が、漏れを生じることなく吸収できる尿の量が増大し、長時間の着用や排尿量が多い場合等にも尿漏れが生じにくくなる。しかも、吸収体4や吸収性コア40内に取り込まれて尿が拡散するので肌と尿の接触による湿潤感やかぶれ等の問題も軽減できる。
中央折曲誘導部43は、側部折曲誘導部44の腹側部側の端部44aの位置からの延出長さL2(図2参照)が、5〜40cmであることが好ましく、より好ましくは10〜30cmである。また、股下部Cの前記長さLcとの関係で言えば、前記延出長さL2は、股下部Cの前記長さLcの2〜15%であることが好ましく、より好ましくは3〜12%である。
【0032】
また、本実施形態のおむつ1においては、吸収体40の長手方向における背側部B側においては、図2に示すように、側部折曲誘導部44,44が、それぞれ、中央折曲誘導部43の端部43bの位置より延出している。そのため、おむつ長手方向における並列領域R1より背側部B側の吸収体4が、おむつ着用時に、図5(b)に示すように、中央折曲誘導部43において折曲することなく側部折曲誘導部44,44で折曲する。したがって、並列領域R1より後方の大便の排泄部(肛門)付近に、吸収体4が肌側にむかって凹状に折曲した部分が生じ、それにより、着用者の肌と吸収性本体との間に大便を良好に保持可能な上向きのポケットPが形成される。しかも、尿については、並列領域R1及びそれより前方に中央折曲誘導部43が存在することによって、吸収体4ないし吸収性コア40に速やかに吸収されるとともに前方に誘導されるため、尿が大便と混ざりにくくなっている。
これにより、大便が肌に密着することによる不快感や肌に付着した大便の拭き取り作業の労力等が防止ないし大幅に軽減される。また、大便の漏れ防止性にも優れている。
【0033】
このような効果を一層確実に得る観点から、側部折曲誘導部44は、中央折曲誘導部43の背側部側の端部43bの位置からの延出長さL3(図2参照)が、20〜120cmであることが好ましく、より好ましくは40〜100cmである。また、股下部Cの前記長さLcとの関係で言えば、前記延出長さL3は、該長さLcの7〜43%であることが好ましく、より好ましくは14〜36%である。
【0034】
おむつ1の形成材料について説明する。
おむつ1の各部の形成材料としては、従来の使い捨ておむつの当該部分に用いられる各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、親水性且つ液透過性の不織布、樹脂フィルムに開孔を形成したもの等を用いることができ、裏面シート3としては、透湿性又は非透湿性の樹脂フィルムや該樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。
吸収性コア40を構成する繊維集合体を構成する繊維としては、例えば、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、酢酸セルロース等の親水性繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル、ポリアミド等の縮合系繊維等を用いることできる。繊維集合体は、空気流に載せて供給した繊維材料を、所定形状の凹部内に吸引して堆積させる積繊工程を経て得られるものが好ましい。繊維材料とともに機能性材料を混合積繊したものであっても良い。機能性材料の保持形態は、2枚の繊維集合体間に挟んで保持する形態や、混合積繊して繊維間に保持させた状態等が挙げられる。繊維及び吸水性ポリマー等の機能性材料は、それぞれ、一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、(でんぷん−アクリル酸)グラフト共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアスパラギン酸等からなる粒子等が挙げられる。
【0035】
防漏カフ形成用シート60としては、スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド等からなる多層構造の複合不織布、スパンボンド不織布、ヒートボンド不織布、エアスルー不織布等を用いることができる。各部に配される弾性部材の形態は、糸状のもの(糸ゴム等)、所定幅の帯状のもの(平ゴム等)等が好ましく、特に糸状のものが好ましい。各部に配される弾性部材の素材としては、天然ゴム、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ウレタン等を挙げることができる。
【0036】
次に、本発明の第2〜第4実施形態のパンツ型使い捨ておむつについて説明する。第2〜第4実施形態については、第1実施形態と異なる点について主として説明し、同様の点については、同一の符号を付して説明を省略する。特に言及しない点については、上述した使い捨ておむつ1に関する説明が適宜適用される。
【0037】
第2実施形態の使い捨ておむつ1Aは、図6に示すように、中央折曲誘導部43の近傍に、該中央折曲誘導部43によって吸収体4が折曲する部位(折曲することが予定されている部位)を示すマーカー73’が設けられている。マーカー73’は、裏面シート3に印刷によって設けられた細幅の着色部からなり、裏面シート3における、中央折曲誘導部43の開口周縁部と重なる部位に、中央折曲誘導部43としての非積繊部(貫通孔)の幅と略等しい間隔を開けて一対設けられている。
【0038】
また、第2実施形態の使い捨ておむつ1Aは、図6に示すように、一対の側部折曲誘導部44,44のそれぞれの近傍に、側部折曲誘導部44によって吸収体4が折曲する部位(折曲することが予定されている部位)を示すマーカー74’が設けられている。マーカー74’は、裏面シート3に印刷によって設けられた細幅の着色部からなり、側部折曲誘導部44としての非積繊部(貫通孔)と上部吸収コア411の側縁との間に、上部吸収コア411の側縁に沿って設けられている。
マーカーを、折曲誘導部の近傍に設ける場合、図2に示すような、展開且つ伸長状態のおむつの平面視において、マーカーと折曲誘導部とが隣接しているか、又は吸収性本体5の幅方向におけるマーカーと折曲誘導部との離間距離が10mm以下、特に5mm以下であることが好ましい。
【0039】
第3実施形態の使い捨ておむつ1Bにおける吸収体4Bは、図7に示すように、一対の低剛性コア413,413と、高剛性コア414とを具備している。低剛性コア413は、おむつ幅方向(Y方向)の曲げ剛性が高剛性コア414に比して小さく、高剛性コア414は、おむつ幅方向(Y方向)の曲げ剛性が低剛性コア413に比して大きい。低剛性コア413,413及び高剛性コア414は、それらの全体がコアラップシート(図示せず)で被覆されてなる。
そして、吸収体4Bにおいては、図8に示すように、該吸収体の幅方向中央部に、高剛性コア414が配されて高剛性領域41’が形成され、高剛性領域41’の両側に、低剛性コア413,413が配されて低剛性領域42’,42’が形成されており、その高剛性領域41’と低剛性領域42’の境界415に沿ってマーカー74が設けられている。
第3実施形態によっても、第1実施形態の使い捨ておむつと同様の効果が奏される。
【0040】
第4実施形態の使い捨ておむつ1Cは、マーカー74の位置が、第1実施形態の使い捨ておむつと異なる。即ち、第4実施形態の使い捨ておむつ1Cの吸収体4Cにおいては、図9に示すように、上部吸収コア411の両側縁から幅方向(Y方向)外方に延出する下部吸収コア412に、上部吸収コア411の側縁に沿って、吸収体4Cの長手方向に延びる貫通孔が形成されており、吸収体4Cは、その貫通孔の位置が側方屈曲誘導部44となっている。
また、下部吸収コア412における、上部吸収コア411が積層されていない部分と該上部吸収コア411が積層されている部分との間には段差が生じており、前述した貫通孔は、この段差に沿って形成されている。
本実施形態においては、図9に示すように、この段差部416に、マーカー74が設けられている。
第4実施形態によっても、第1実施形態の使い捨ておむつと同様の効果が奏される。
【0041】
第5実施形態の使い捨ておむつ1Dにおける吸収体4Dは、上層吸収コア411及び下層吸収コア412に非積繊部がない点において、第1実施形態における吸収体4と相違する。吸収体4Dにおいては、下部吸収コア412における、上部吸収コア411が積層されていない部分と該上部吸収コア411が積層されている部分との境界に段差部416が生じており、図10に示すように、マーカー74が、この段差部416に沿って形成されている。
第5実施形態によっても、第1実施形態の使い捨ておむつと同様の効果が奏される。
【0042】
第6実施形態の使い捨ておむつ1Eにおける吸収体4Eは、図11(a)に示すように、中央部の坪量が他の部分より大きい繊維堆積体を積繊装置等により製造し、次いで、その繊維堆積体の全体をプレス成形して得られたものであり、図11(b)に示すように、中央部に略矩形状の高剛性領域41’を有し、それを囲む他の部分が、おむつ幅方向の曲げ剛性が該高剛性領域41’よりも低い低剛性領域42’となっている。そして、高剛性領域41’と低剛性領域42’との境界部にマーカー74が設けられている。
第6実施形態によっても、第1実施形態の使い捨ておむつと同様の効果が奏される。
【0043】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【0044】
例えば、本発明における吸収体は、折曲誘導部として、上述したおむつ1、1A又は1Cにおける、一対の側部折曲誘導部44,44のみを有し、中央折曲誘導部43を有さないものであっても良い。
また、おむつ1又は1Aにおける吸収体4は、上部吸収コア411及び下部吸収コア412を有するものに代えて、単層構造のものであっても良く、例えば、上述した下部吸収コア412のみからなるものであっても良い。
【0045】
折曲誘導部として、吸収体4に、非積繊部に代えて、吸収体4の長手方向に延びるスリットや、吸収体4の長手方向に延びる溝を形成しても良い。また、上部吸収コア411と下部吸収コア412とを有する多層構造の吸収体4においては、上部吸収コア411にスリットを設ける一方、下部吸収コア412に非積繊部(平面視縦長矩形状の貫通孔)を設けて、そのスリットと非積繊部を重ねても良いし、上部吸収コア411に非積繊部(平面視縦長矩形状の貫通孔)に設ける一方、下部吸収コア412にスリットを形成して、その非積繊部とスリットとを重ねても良い。
【0046】
また、折曲誘導部としての溝としては、例えば、平面視縦長矩形状の貫通孔を形成した上部吸収コア411を、貫通孔を有しない下部吸収コア412上に積層して形成した溝や、繊維集合体やこれに機能性材料を保持させてなる単層構造の吸収性コアにエンボス加工により形成したエンボス溝等を挙げることができる。エンボス加工は、熱エンボス加工、超音波エンボス、高周波エンボス等が好ましい。
【0047】
また、折曲誘導部は、吸収性コア40に設けた段差(厚みが異なる部位間の境界部)であっても良い。例えば、上述したおむつ1又は1Aにおける下部吸収コア412に、中央折曲誘導部及び側部折曲誘導部として非積繊部や貫通孔を設けることなく、該下部吸収コア412に上部吸収コア411を積層し、上部吸収コア411及び下部吸収コア412からなる2層構造の厚肉部41と、下部吸収コア411のみからなる薄肉部42との間に生じる段差を、折曲誘導部として利用することもできる。
【0048】
また、図2に示した使い捨ておむつ1においては、吸収性コアの長手方向における腹側部A側において、中央折曲誘導部43が、側部折曲誘導部44の端部44aの位置より腹側部A側に延出しているが、これに代えて、中央折曲誘導部43の腹側部側の端部43aと側部折曲誘導部44の腹側部側の端部44aとが横一列に並んでいても良いし、側部折曲誘導部44が、中央折曲誘導部43の腹側部A側の端部43aの位置より腹側部A側に延出していても良い。
また、図2に示した使い捨ておむつ1においては、吸収性コアの長手方向における背側部B側において、側部折曲誘導部44が、中央折曲誘導部43の端部43bの位置より背側部B側に延出しているが、これに代えて、3本の折曲誘導部の背側部B側の端部43b,44bが横一列に並んでいても良いし、中央折曲誘導部43が、側部折曲誘導部44の背側部B側の端部44bの位置より背側部B側に延出していても良い。
【0049】
また、マーカーは、裏面シートに対する印刷により設けるのに代えて、裏面シートに、着色剤等を含むホットメルト型接着剤を塗工して形成してもよい。また、マーカーは、帯状のものに代えて、線状のものや、多数の図柄を直列状に表したもの等であっても良い。多数の図柄を構成する個々の図柄としては、円形、星形、ハート形、動物を模した形、音符形の任意の模様等を採用することができる。
また、裏面シートの外包材側の面に代えて、裏面シート3の吸収体4側の面にマーカーを設けても良い。また、外包材を構成するシートや立体カフ形成用シート等にマーカーを表示しても良い。
【0050】
また、本発明の使い捨ておむつは、外包材が、着用者の背側に配される背側シート部材と腹側に配される腹側シート部材とに分割されており、背側シート部材と腹側シート部材とが一対のサイドシール部で接合されて筒状をなしているとともに、吸収性本体が、背側シート部材と腹側シート部材との間に架け渡して固定されている外包材分割タイプのパンツ型使い捨ておむつであっても良い。また、背側部にファスニングテープを有し、該ファスニングテープを腹側部の外面に設けたランディングテープに止着して装着する、いわゆる展開型の使い捨ておむつであっても良い。展開型の使い捨ておむつにおいては、両側縁に、脚廻りの形状に適合するように凹状の切り欠き部を形成した部分を股下部とし、その前後に位置する部分が背側部及び腹側部である。
【0051】
また、上述した実施形態のおむつ1における弾性部材9を省略することもでき、防漏カフ6,6に配する弾性部材62や防漏カフ自体を省略することもできる。また、吸収性本体5に、吸収体4の長手方向の両側縁それぞれの外方に延出する一対の側部ギャザーを形成し、該側部ギャザーに配した弾性部材を、吸収体4又は吸収性コア40の側部部分を立ち上げる弾性部材として利用しても良い。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
4a 吸収体の側縁
40 吸収性コア
411 上部吸収コア
412 下部吸収コア
42 サイド吸収体
43 非積繊部(中央折曲誘導部,折曲誘導部)
44 非積繊部(側部折曲誘導部,折曲誘導部)
5 吸収性本体
6 防漏カフ
7 ウエスト開口部
8 レッグ開口部
10 外包材
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
S サイドシール部
73,74,73’,74’ マーカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦長の吸収体を具備し、着用者の腹側に配される腹側部、股間部に配される股下部及び背側に配される背側部を有する使い捨ておむつであって、
前記吸収体は、前記股下部における該吸収体の長手方向の両側縁それぞれから離間した位置に、前記吸収体の折曲を容易とする折曲誘導部を有しており、該折曲誘導部は、該吸収体の長手方向に沿って延びており、
前記折曲誘導部の近傍又は該折曲誘導部と重なる部位に、該折曲誘導部によって折曲される部位を示すマーカーが、該折曲誘導部に沿って延びるように設けられ、該マーカーは、おむつの外面側から視認可能に設けられている使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記吸収体は、その長手方向に沿う中央線の両側それぞれに一対の前記折曲誘導部を有している、請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記吸収体は、その幅方向中央部に、該吸収体の長手方向に延びる中央折曲誘導部を有し、該中央折曲誘導部の両側それぞれに、側部折曲誘導部を有しており、該中央折曲誘導部及び該側部折曲誘導部のそれぞれに対応させて前記マーカーが設けられている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記吸収体は、おむつ幅方向の曲げ剛性が相対的に低い低剛性コアとおむつ幅方向の曲げ剛性が相対的に高い高剛性コアとを具備してなり、前記吸収体の幅方向中央部に、前記高剛性コアが配されて高剛性領域が形成され、前記高剛性領域の両側に、前記低剛性コアが配されて低剛性領域が形成されており、前記高剛性領域と前記低剛性領域の境界に沿って前記マーカーが設けられている請求項2又は3記載の使い捨ておむつ。
【請求項5】
前記低剛性コアは、前記高剛性コアよりも幅広に形成されており、前記吸収体の幅方向中央部における該低剛性コア上に前記高剛性コアが積層されていると共に、該高剛性コアの両側から前記低剛性コアが延出しており、該剛性コア上に該高剛性コアが積層されている部分が高剛性領域、該高剛性コアの両側から延出した前記低剛性コアからなる部分が前記低剛性領域を形成している、請求項4記載の使い捨ておむつ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−115378(P2012−115378A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266330(P2010−266330)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】