説明

係留器具

【課題】照明器具を支柱に取り付け易く、且つ照明器具を支柱から取り外し易い係留器具を提供する。
【解決手段】係留器具10は、固定ボックス60の取付面66の挿入口65に挿入する直方体状の板部材11と、リング形状の一方の端部121と他方の端部122とを有するメインワイヤー12と、リング形状の一方の端部131と他方の端部132とを有するサブワイヤー13と、を備える。板部材11の中央部には開口部11Aが形成され、端部には開口部11Bが形成されている。メインワイヤー12の一方の端部121は板部材11の開口部11Aにはめられて板部材11と連結され、他方の端部122は固定金具95に連結される。サブワイヤー13の一方の端部131は板部材11の端部に形成された開口部11Bにはめられて板部材11と連結され、他方の端部132はメインワイヤー12にはめられてメインワイヤー12と連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、LED照明器具などの照明器具を支柱に繋ぐ係留器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、地中に埋設された電力線より分岐される電線を支柱内を通して上部のボックスに立ち上げ、引込配線をする支柱がある。当該支柱は、例えば、公園や広場等に設置されているポールである。従来から、当該支柱にはLED照明器具などの照明器具が係留器具を介して取り付けられ、該照明器具が放つ光で支柱周辺を明るく照らしていた。
【0003】
図1は、ポールに取り付けられるLED照明器具の正面図であり、図2は、従来の係留器具を用いてLED照明器具をポールに取り付ける施工工事の様子を示す斜視図である。
【0004】
LED照明器具100は、複数のLEDユニットL1〜L7と、角筒状のアーム部90とフランジ板96からなる支持部とを備える。アーム部90は、複数のLEDユニットL1〜L7のそれぞれとポールP内の電線とを接続するためのリード線と係留器具200のワイヤー201とを内部に通す。そして、フランジ板96は、固定ボックス60の取付面66に接合される板であり、係留器具200のワイヤー201や該リード線を通す四角形の開口部が中央に形成された形状となっている。
【0005】
一方、LED照明器具100が取り付けられるポールPは、地中に埋設された電力線より分岐される電線をポールP内を通して上部のボックス60に立ち上げ、引込配線をしたポールである。当該ポールPの上部側面には、円状に開口した挿入口65を取付面66に形成した固定ボックス60が設けられている。
【0006】
そして、従来の係留器具200は、L字状金具202からなる一方の端部と、LED照明器具100に連結する他方の端部とを有するワイヤー201を備える。この係留器具200は、LED照明器具100と固定ボックス60との接合部分が経年劣化や施工工事のミスなどによってLED照明器具100と固定ボックス60とが外れても、LED照明器具100を吊るしてLED照明器具100が地面に落下するのを防ぐための器具である。
【0007】
ここで、LED照明器具100をポールPに取り付ける施工工事を行うとき、施工業者は、まず、係留器具200のワイヤー201の他方の端部が連結されたLED照明器具100を用意する。そして、施工業者は、フランジ板96が固定ボックス60の取付面66に対向する高さへLED照明器具100を持ち上げて、固定ボックス60の取付面66の裏面に予め溶接された固定金具203に、ワイヤー201のL字状金具202をネジ止めする。これにより、LED照明器具100は係留器具200を介してポールPに繋がれる。その後、施工業者Cは、LED照明器具100を係留器具200によりポールPに係留した状態で、リード線を固定ボックス60内の電線に接続する。最後に、施工業者は、フランジ板96に設けられた4つのネジ穴91、92、93、94を固定ボックス60の取付面66に設けられた4つのネジ穴61、62、63、64に位置合わせして4箇所をネジ止めし、LED照明器具100をポールPに固定する。
以上のようにして施工業者は施工工事を行っていた。
なお、特許文献1において、ポール本体の側面に開口部が形成されたポールが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−299234公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ポール等の支柱に繋ぐ屋外タイプの照明器具は、屋内で使用する照明器具よりもランプの個数を増やす等して明るさを強めたりするため、その重量が屋内タイプの照明器具より重いものとなっている。
そのため、LED照明器具100を持ち上げて、固定金具203にワイヤー201のL字状金具202をネジ止めする等の時間のかかる施工作業が必要な従来の係留器具200では、施工業者が大変な労力を要するという問題があった。
また、逆に、LED照明器具100をポールPから取り外す時も、LED照明器具100を持ち上げて、固定金具203とワイヤー201のL字状金具202とのネジを外す等の時間のかかる施工作業が必要となる。そのため、従来の係留器具200では、LED照明器具100をポールPから取り外す施工工事においても、施工業者が大変な労力を要するという問題があった。
【0010】
この発明の目的は、照明器具を支柱に取り付け易く、且つ照明器具を支柱から取り外し易い係留器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)照明器具を支柱に繋ぐ係留器具において、
前記支柱に設けられたボックス又は前記支柱に形成された挿入口に挿入する面状の板部材と、
前記板部材の中央部に形成された第一の開口部にはめるリング形状の一方の端部と前記照明器具に連結する他方の端部とを有するメインワイヤーと、
前記板部材の端部に連結する一方の端部と、前記メインワイヤーの中央部に連結する他方の端部とを有するサブワイヤーと、を備えたことを特徴とする。
【0012】
この構成では、照明器具を支柱に取り付ける第1の施工工事の場面と、照明器具を支柱から取り外す第2の施工工事の場面とに分かれる。
【0013】
照明器具を支柱に取り付ける第1の施工工事を行うとき、施工業者は、まず、係留器具のメインワイヤーの他方の端部を照明器具に連結する。次に、施工業者は、板部材が挿入口に挿入可能な高さへ照明器具を持ち上げて、板部材の長手方向を挿入口に対して垂直に向けた状態で板部材を挿入口に挿入する。そして、施工業者は、サブワイヤーを挿入口から遠ざかる方向へ引っ張り、板部材の面をボックス又は支柱の挿入口の形成された取付面の裏面に接触させる。これにより、照明器具は係留器具を介して支柱に繋がれる。最後に、施工業者は、照明器具を支柱に固定する。
以上のようにして施工業者は第1の施工工事を行う。そのため、この構成における係留器具を用いれば、施工業者は、照明器具を持ち上げて板部材を挿入口に挿入し、サブワイヤーを引っ張るだけで済む。そのため、施工業者は、第1の施工工事において、照明器具を容易に支柱に取り付けることができる。
【0014】
次に、照明器具を支柱から取り外す第2の施工工事を行うとき、施工業者は、照明器具を持ち上げた状態で、メインワイヤーを挿入口に近づく方向へ押す。続いて、施工業者は、サブワイヤーを挿入口から遠ざかる方向へ引っ張って板部材の長手方向を挿入口に対して垂直となるように倒す。そして、施工業者は、板部材の長手方向を挿入口に対して垂直に向けた状態で板部材を挿入口から取り出す。この結果、係留器具が支柱から外れ、照明器具が支柱から完全に外れる。
以上のようにして施工業者は第2の施工工事を行う。そのため、この構成における係留器具を用いれば、施工業者は、照明器具を持ち上げた状態でメインワイヤーを挿入口に近づく方向へ押し、サブワイヤーを挿入口から遠ざかる方向へ引っ張って板部材を挿入口から取り出すだけで済む。そのため、施工業者は、第2の施工工事においても、照明器具を容易に支柱から取り外すことができる。
【0015】
以上より、施工業者は、照明器具を支柱に容易に取り付けることができるとともに、照明器具を支柱から容易に取り外すことができる。
【0016】
(2)前記板部材は、前記端部に第二の開口部が形成された形状であり、
前記サブワイヤーの前記一方の端部は、リング形状であり、前記第二の開口部にはめられたことを特徴とする。
【0017】
この構成では、板部材の端部をサブワイヤーの一方の端部に対して動かすことができる。そのため、施工業者が板部材の向きを変え易い。
従って、施工業者は、第1の施工工事において照明器具を支柱に一層容易に取り付けることができるとともに、第2の施工工事において照明器具を支柱から一層容易に取り外すことができる。
【0018】
(3)前記サブワイヤーの前記他方の端部は、リング形状であり、前記メインワイヤーにはめられて前記メインワイヤーに対しスライド自在であることを特徴とする。
【0019】
この構成では、サブワイヤーの他方の端部をメインワイヤーに対して自在にスライドさせることができる。そのため、施工業者が板部材の向きを変え易い。
従って、施工業者は、第1の施工工事において照明器具を支柱に一層容易に取り付けることができるとともに、第2の施工工事において照明器具を支柱から一層容易に取り外すことができる。
【0020】
(4)前記挿入口の形状は、円形または方形であり、
前記板部材は、長手方向の長さが前記挿入口の径または辺より長く、且つ短手方向の長さが前記挿入口の径または辺より短い形状に形成されたことを特徴とする。
【0021】
この構成において、板部材を挿入口に挿入する時は、挿入口の径または辺より短い板部材の短手方向の辺を挿入口に向けて挿入し、板部材を挿入口に挿入した後は挿入口の径または辺より長い板部材の長手方向の面をボックス又は支柱の取付面の裏面に接触させている。このため、係留器具は、板部材を挿入し易く、且つ板部材が挿入口から自然に外れ難い構成となっている。
よって、施工業者は第1の施工工事において照明器具を容易に支柱に取り付けることができ、且つ照明器具とボックス又は支柱との接合部分が経年劣化などによって照明器具とボックス又は支柱とが外れても、照明器具が地面に落下するのを確実に防ぐことができる。
【0022】
(5)前記サブワイヤーの材質は、ステンレス鋼であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、照明器具を支柱に容易に取り付けることができるとともに、照明器具を支柱から容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ポールに取り付けられるLED照明器具の正面図である。
【図2】従来の係留器具を用いてLED照明器具をポールに取り付ける施工作業の様子を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る係留器具を用いてポールに取り付けられるLED照明器具の正面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る係留器具を用いてポールに取り付けられるLED照明器具内の配線図である。
【図5】本発明の実施形態に係る係留器具の正面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る係留器具をポールの固定ボックスに挿入する場面の様子を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る係留器具をポールの固定ボックスに挿入した場面の様子を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る係留器具をポールの固定ボックスから取り出す場面の様子を示す概念図である。
【図9】本発明の実施形態に係る係留器具の板部材の一方の端部をポールの固定ボックスから取り出した場面の様子を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態に係る係留器具について説明する。
【0026】
図3は、本発明の実施形態に係る係留器具を用いてポールに取り付けられるLED照明器具の正面図である。図4は、上記LED照明器具内の配線図である。図5は、本発明の実施形態に係る係留器具の正面図である。図6は、本発明の実施形態に係る係留器具をポールの固定ボックスに挿入する場面の様子を示す斜視図であり、図7は、本発明の実施形態に係る係留器具をポールの固定ボックスに挿入した場面の様子を示す斜視図である。この実施形態では、LED照明器具100が係留器具10を介してポールPの固定ボックス60に取り付けられ、該LED照明器具100が放つ光でポールP周辺を明るく照らす。この係留器具10は、LED照明器具100と固定ボックス60との接合部分が経年劣化や施工工事のミスなどによってLED照明器具100と固定ボックス60とが外れても、LED照明器具100を吊るしてLED照明器具100が地面に落下するのを防ぐための器具である。
【0027】
図3〜図5に示すように、LED照明器具100は、複数のLEDユニットL1〜L7と、複数のLEDユニットL1〜L7のそれぞれに接続するリード線30と、角筒状のアーム部90とフランジ板96からなる支持部と、器具本体の内部にネジ止めされた固定金具95と、を備える。アーム部90は、ポールP内の電線と接続させるリード線30と係留器具10のメインワイヤー12とを内部に通す。そして、フランジ板96は、固定ボックス60の取付面66に接合される板であり、係留器具10のメインワイヤー12や該リード線30を通す四角形の開口部が中央に形成された形状となっている。
【0028】
一方、図6、図7に示すように、LED照明器具100が取り付けられるポールPは、地中に埋設された電力線より分岐される電線をポールP内を通して上部のボックス60に立ち上げ、引込配線をしたポールである。当該ポールPの上部側面には、円状に開口した挿入口65を取付面66に形成した固定ボックス60が設けられている。
なお、この実施形態では、挿入口65の形状が円形であるが、実施の際は、挿入口65の形状が方形でも構わない。
【0029】
そして、係留器具10は、直方体状の板部材11と、リング形状の一方の端部121と他方の端部122とを有するメインワイヤー12と、リング形状の一方の端部131と他方の端部132とを有するサブワイヤー13と、開口部14A、14Bが形成された連結金具14とを備える。
【0030】
板部材11は、固定ボックス60の取付面66の挿入口65に挿入する部材である。板部材11の中央部には、第一の開口部11Aが形成され、板部材11の端部には、第二の開口部11Bが形成されている。板部材11の材質は例えば鉄であり、酸化防止のため、板部材11の表面に対してメッキ処理が施されている。また、板部材11の長手方向の長さは、挿入口65の径より大きい長さとなっており、板部材11の短手方向の長さは、挿入口65の径より小さい長さとなっている。
【0031】
メインワイヤー12の一方の端部121は、リング形状であり、板部材11の第一の開口部11Aにはめられて板部材11と連結されている。メインワイヤー12の他方の端部122は、固定金具95に連結される(図3、図5参照)。詳述すると、メインワイヤー12の他方の端部122は、連結金具14の開口部14Aにはめられて連結金具14と連結し、その連結金具14は、LED照明器具100内部に備えられた固定金具95に開口部14Bでネジ止めされ、固定金具95に連結される。
【0032】
サブワイヤー13の一方の端部131は、リング形状であり、板部材11の端部に形成された第二の開口部11Bにはめられて板部材11と連結する。また、サブワイヤー13の他方の端部132は、リング形状であり、メインワイヤー12にはめられてメインワイヤー12と連結し、メインワイヤー12に対しスライド自在となっている。
【0033】
メインワイヤー12及びサブワイヤー13の材質は、ステンレス鋼である。メインワイヤー12は、LED照明器具100と固定ボックス60との接合部分が経年劣化などによってLED照明器具100と固定ボックス60とが外れても、LED照明器具100を吊るしてLED照明器具100が地面に落下するのを防ぐことの可能な高強度ワイヤーである。一方、サブワイヤー13は、板部材11の向きを変えるための低強度ワイヤーである。メインワイヤー12の断面は、サブワイヤー13の断面より広く、メインワイヤー12の方がサブワイヤー13より断面二次モーメントが大きい。即ち、サブワイヤー13の方がメインワイヤー12より曲がり易いワイヤーとなっている。
【0034】
ここで、LED照明器具100をポールPに取り付ける第1の施工工事と、LED照明器具100をポールPから取り外す第2の施工工事とに分けて以下説明する。まず、第1の施工工事から説明する。
【0035】
LED照明器具100をポールPに取り付ける第1の施工工事を行うとき、施工業者Cは、まず、係留器具10のメインワイヤー12の他方の端部122が連結金具14を介して固定金具95に連結されたLED照明器具100を用意する。次に、施工業者Cは、フランジ板96が固定ボックス60の取付面66に対向する高さへLED照明器具100を持ち上げて、図6に示すように、板部材11の長手方向を挿入口65に対して垂直に向けた状態で板部材11を矢印20の方向へ移動させて挿入口65に挿入する。そして、施工業者Cは、サブワイヤー13を矢印21の方向(挿入口65から遠ざかる方向)へ引っ張り(図7参照)、板部材11の面を固定ボックス60の取付面66の裏面に接触させる。これにより、LED照明器具100は係留器具10を介してポールPに繋がれる。その後、施工業者Cは、LED照明器具100を係留器具10によりポールPに係留した状態で、リード線30を固定ボックス60内の電線に接続する。最後に、施工業者Cは、フランジ板96に設けられた4つのネジ穴91、92、93、94を固定ボックス60の取付面66に設けられた4つのネジ穴61、62、63、64に位置合わせして4箇所をネジ止めし、LED照明器具100をポールPに固定する。
【0036】
以上のようにして施工業者Cは第1の施工工事を行う。そのため、この実施形態における係留器具10を用いれば、施工業者Cは、LED照明器具100を持ち上げて板部材11を矢印20の方向から挿入口65に挿入し、サブワイヤー13を矢印21の方向へ引っ張るだけで済む。そのため、施工業者Cは、第1の施工工事において、LED照明器具100を容易にポールPに取り付けることができる。
【0037】
また、板部材11を挿入口65に挿入する時は、挿入口65の径より短い板部材11の短手方向の辺を挿入口65に向けて挿入し、板部材11を挿入口65に挿入した後は挿入口65の径より長い板部材11の長手方向の面を固定ボックス60の取付面66の裏面に接触させている。このため、係留器具10は、板部材11を挿入し易く、且つ板部材11が挿入口65から自然に外れ難い構成となっている。よって、施工業者Cは第1の施工工事においてLED照明器具100を容易にポールPに取り付けることができ、且つLED照明器具100と固定ボックス60との接合部分が経年劣化などによってLED照明器具100と固定ボックス60とが外れても、LED照明器具100が地面に落下するのを確実に防ぐことができる。
【0038】
次に、LED照明器具100をポールPから取り外す第2の施工工事について説明する。
【0039】
図8は、本発明の実施形態に係る係留器具をポールの固定ボックスから取り出す場面の様子を示す概念図であり、図9は、本発明の実施形態に係る係留器具の板部材の一方の端部をポールの固定ボックスから取り出した場面の様子を示す概念図である。
【0040】
LED照明器具100をポールPから取り外す第2の施工工事を行うとき、施工業者Cは、まず、LED照明器具100をポールPに固定する上記4箇所のネジを外す。この結果、LED照明器具100がポールPの固定ボックス60から外れ、LED照明器具100を係留器具10によりポールPに係留した係留状態となる(図7参照)。施工業者Cは、この係留状態で、リード線30と固定ボックス60内の電線とをかい離させる。次に、図8に示すように、施工業者CはLED照明器具100を持ち上げた状態で、メインワイヤー12を矢印22の方向(挿入口65に近づく方向)へ押す。続いて、施工業者Cは、サブワイヤー13を矢印24の方向(挿入口65から遠ざかる方向)へ引っ張って板部材11の長手方向を挿入口65に対して垂直となるように矢印23の方向へ倒す。そして、図9に示すように、施工業者Cは、板部材11の長手方向を挿入口65に対して垂直に向けた状態でLED照明器具100を矢印25の方向(挿入口65から遠ざかる方向)へ移動させて板部材11を挿入口65から取り出す。この結果、係留器具10がポールPから外れ、LED照明器具100がポールPから完全に外れる。
【0041】
以上のようにして施工業者Cは第2の施工工事を行う。そのため、この実施形態における係留器具10を用いれば、施工業者Cは、LED照明器具100を持ち上げた状態でメインワイヤー12を矢印22の方向へ押し、サブワイヤー13を矢印24の方向へ引っ張ってLED照明器具100を矢印25の方向へ移動させて板部材11を挿入口65から取り出すだけで済む。そのため、施工業者Cは、第2の施工工事において、LED照明器具100を容易にポールPから取り外すことができる。
【0042】
また、この実施形態における係留器具10では、板部材11をメインワイヤー12の一方の端部121に対して回転させることができ、且つ板部材11の端部をサブワイヤー13の一方の端部131に対して動かすことができる。さらに、サブワイヤー13の他方の端部132をメインワイヤー12に対して自在にスライドさせることができる。そのため、施工業者Cが板部材11の向きを変え易い。従って、施工業者Cは、第1の施工工事においてLED照明器具100をポールPに一層容易に取り付けることができるとともに、第2の施工工事においてLED照明器具100をポールPから一層容易に取り外すことができる。
【0043】
なお、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0044】
10…係留器具
11…板部材
11A…第一の開口部
11B…第二の開口部
12…メインワイヤー
121…一方の端部
122…他方の端部
13…サブワイヤー
131…一方の端部
132…他方の端部
14…連結金具
14A…開口部
14B…開口部
30…リード線
60…固定ボックス
61…ネジ穴
65…挿入口
66…取付面
90…アーム部
91…ネジ穴
95…固定金具
96…フランジ板
100…LED照明器具
200…係留器具
201…ワイヤー
202…L字状金具
203…固定金具
C…施工業者
P…ポール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具を支柱に繋ぐ係留器具において、
前記支柱に設けられたボックス又は前記支柱に形成された挿入口に挿入する面状の板部材と、
前記板部材の中央部に形成された第一の開口部にはめるリング形状の一方の端部と前記照明器具に連結する他方の端部とを有するメインワイヤーと、
前記板部材の端部に連結する一方の端部と、前記メインワイヤーの中央部に連結する他方の端部とを有するサブワイヤーと、を備えたことを特徴とする係留器具。
【請求項2】
前記板部材は、前記端部に第二の開口部が形成された形状であり、
前記サブワイヤーの前記一方の端部は、リング形状であり、前記第二の開口部にはめられたことを特徴とする請求項1に記載の係留器具。
【請求項3】
前記サブワイヤーの前記他方の端部は、リング形状であり、前記メインワイヤーにはめられて前記メインワイヤーに対しスライド自在であることを特徴とする請求項1又は2に記載の係留器具。
【請求項4】
前記挿入口の形状は、円形または方形であり、
前記板部材は、長手方向の長さが前記挿入口の径または辺より長く、且つ短手方向の長さが前記挿入口の径または辺より短い形状に形成されたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の係留器具。
【請求項5】
前記サブワイヤーの材質は、ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の係留器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−103254(P2011−103254A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258341(P2009−258341)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(000001074)クロイ電機株式会社 (49)
【Fターム(参考)】