説明

保温用パッド

【課題】反射熱及び遠赤外線による温熱効果により、高い保温効率が得られる保温用パッドを提供する。
【解決手段】ポリウレタンフォームからなる基材2の表裏面のうち、少なくとも表面にアルミ層3が形成されている保温用パッド1であって、アルミ層3が部分的に除かれ、アルミ層3が部分的に除かれた部分に、セラミック粉粒体4が塗布されているものであり、アルミ層3の面積と、セラミック粉粒体4が塗布されている面積との比率が95:5〜60:40である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気又は燃料等によるエネルギーを用いることなく、反射熱及び遠赤外線による温熱効果により、高い保温効率が得られる保温用パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、寒冷時に暖を取るための保温材として、カイロ、湯たんぽ等が挙げられる。カイロは、鉄粉の酸化反応を利用した使い捨て化学カイロが、その簡便さと安価さが受け入れられ、大きな市場へと成長を遂げているが、再利用できないという問題がある。また、湯たんぽは、特に就寝時の暖房用具であり、熱湯の顕熱を利用した蓄熱タイプの保温材であるが、重量が重く、湯を沸かしたり詰めたりする煩雑さや、火傷の危険性、さらに発熱持続性が劣る等の問題がある。
【0003】
上記のような問題を解決するために、電気又は燃料等を熱エネルギーに変換するのではなく、遠赤外線を発するセラミック粉粒体を用いる技術が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1に記載されているように、各種の保温用マットにも使用可能であるシートにおいて、シート基材表面にセラミック粉粒体を水玉状に塗布しているものである。このような構成にすることで、セラミック粉粒体が体温等により加熱され、遠赤外線を放射し、それが人体に吸収されて人体を内部より暖めることができる。すなわち、セラミック粉粒体による温熱効果により、保温効率を高めることができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1のように、保温効率を高めるものとして、セラミック粉粒体を用いただけでは、必ずしも充分な保温効率を得ることはできないという問題があった。
【特許文献1】特開平1−190446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、電気又は燃料等によるエネルギーを用いることなく、反射熱及び遠赤外線による温熱効果により、高い保温効率が得られる保温用パッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明は、ポリウレタンフォームからなる基材の表裏面のうち、少なくとも表面にアルミ層が形成されている保温用パッドであって、アルミ層が部分的に除かれ、アルミ層が部分的に除かれた部分に、セラミック粉粒体が塗布されているものであり、アルミ層の面積と、セラミック粉粒体が塗布されている面積との比率が95:5〜60:40であることを特徴とするものである。
【0008】
上記のような形態を採ることによって、アルミ層が人体からの輻射熱を反射すると同時に、セラミック粉粒体が体温等により加熱され、遠赤外線を放射し、それが人体に吸収されて人体を内部より暖めることができ、双方の相乗効果により高い保温効率が得られるものである。
【0009】
また、アルミ層の面積と、セラミック粉粒体が塗布されている面積との比率を95:5〜60:40にすることで、アルミ層とセラミック粉粒体との双方の相乗効果による高い保温効率を効果的に得ることができると同時に、通気性を有する、セラミック粉粒体が塗布されている箇所の面積が上記特定の比率で確保されているため、本保温用パッド全体の通気性を確保することができる。
【0010】
さらに、パッドを被覆する表皮材の表面に、吸水湿性発熱樹脂微粒子及び/又はシェル内に潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセルを塗布することが好ましい。吸水湿性発熱樹脂微粒子を用いることで、汗等の水分を吸収した際、迅速且つ安定に発熱するため、保温効率をさらに高めることができる。また、シェル内に潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセルを用いることで、潜熱蓄熱材が室温等と体温等との間の温度変化に伴い、液体から固体へと相変化する際、迅速且つ安定に発熱するため、保温効率をさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0011】
本保温用パッドは、アルミ層が部分的に除かれ、アルミ層が部分的に除かれた部分に、セラミック粉粒体が塗布されているものであり、アルミ層が人体からの輻射熱を反射すると同時に、セラミック粉粒体が体温等により加熱され、遠赤外線を放射し、それが人体に吸収されて人体を内部より暖めることができ、双方の相乗効果により高い保温効率が得られるものである。
【0012】
また、アルミ層の面積と、セラミック粉粒体が塗布されている面積との比率を95:5〜60:40にすることで、アルミ層とセラミック粉粒体との双方の相乗効果による高い保温効率を効果的に得ることができると同時に、通気性を有する、セラミック粉粒体が塗布されている箇所の面積が上記特定の比率で確保されているため、本保温用パッド全体の通気性を確保することができる。
【0013】
さらに、パッドを被覆する表皮材の表面に、吸水湿性発熱樹脂微粒子及び/又はシェル内に潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセルを塗布することが好ましく、吸水湿性発熱樹脂微粒子を用いることで、汗等の水分を吸収した際、迅速且つ安定に発熱するため、保温効率をさらに高めることができ、また、シェル内に潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセルを用いることで、潜熱蓄熱材が室温等と体温等との間の温度変化に伴い、液体から固体へと相変化する際、迅速且つ安定に発熱するため、保温効率をさらに高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。ここで、図1は本発明に係る保温用パッドの斜視図、図2は同平面図、図3は図2におけるA−Aの断面側面図である。
【0015】
本発明に係る保温用パッドは、反射熱及び遠赤外線による温熱効果により、高い保温効率が得られるものとされている。
【0016】
すなわち、図1〜3に示すように、本保温用パッド1は、ポリウレタンフォームからなる基材2の表裏面のうち、少なくとも表面にアルミ層3が形成されている保温用パッドであって、アルミ層3が部分的に除かれ、アルミ層3が部分的に除かれた部分に、セラミック粉粒体4が塗布されているものであり、アルミ層3の面積と、セラミック粉粒体4が塗布されている面積との比率が95:5〜60:40であることを特徴とするものである。
【0017】
基材2の形状としては、本保温用パッド1の使用形態に合わせて適宜変更することができ、プロファイル加工等で表面を凹凸形状にしてもよい。基材2の寸法としては、一般に使用されるパッドの寸法に対応して適宜設定可能であり、矩形の基材2を用いた場合の寸法としては、例えば、長辺800〜2000mm、短辺300〜2000mm、厚さ5〜40mm程度であり、本保温用パッド1の使用形態に合わせて適宜変更することができる。
【0018】
なお、基材2の硬さは、JIS K 6400に準拠した試験で、60〜180Nであることが好ましく、この範囲にすることで、適度なクッション性が得られ、体圧がかかった際に底付き感もなく、好適に本保温用パッド1を使用することができる。一方、硬さが60N未満であると、柔らかすぎて、体圧がかかった際、底付き感が発生するおそれがあり、180Nを超えると、硬すぎて、体圧がかかった際、接触圧が高くなり、パッドとしてのクッション性が低下してしまうため、好ましくない。
【0019】
また、基材2の厚みは、5〜40mmであることが好ましく、この範囲にすることで、使用感に優れ、体圧がかかった際に底付き感もなく、好適に本保温用パッド1を使用することができる。一方、5mm未満であると、薄すぎて、体圧がかかった際、底付き感が発生するおそれがあり、40mmを超えると、厚すぎて、人体が横臥した際、使用感が悪くなるため、好ましくない。
【0020】
基材2の表裏面のうち、少なくとも表面にアルミ層3を形成し、アルミ層3は部分的に除かれるものであるが、アルミ層3により、人体からの輻射熱を反射することで、保温効率を高めているものである。なお、基材2表面にアルミ層3を形成するには、基材2表面に、アルミ箔や、アルミを蒸着したフィルム等を公知の粘着剤、接着剤等を用いて積層させる方法等が用いられる。
【0021】
アルミ層3の厚みとしては、10〜200μmであることが好ましく、10μm未満の場合は、アルミ層3の厚みが薄く、基材2への積層作業性が劣り、破れやシワ等の原因になるため、好ましくない。また、200μmを超える場合は、アルミ層3の厚みが厚く、アルミ層3の柔軟性が低下し、保温用パッド1としての使用感を損なうため、好ましくない。
【0022】
基材2におけるアルミ層3が部分的に除かれた部分には、セラミック粉粒体4が塗布されているものであり、セラミック粉粒体4が体温等により加熱されて、遠赤外線を放射し、それが人体に吸収されて人体を内部より暖めることができ、高い保温効率が得られるものである。
【0023】
アルミ層3を部分的に除く方法としては、基材2に積層する前であっても、後であってもよい。また、アルミ層3を部分的に除く形態としては、円形状、多角形状、縞状等に除くものであり、アルミ層3の面積と、セラミック粉粒体4が塗布されている面積との比率が95:5〜60:40の範囲になればよいが、全体的に、均一に分散させたほうが保温性や、マット全体の通気性の面で好ましい。また、他の形態として、アルミ層3における部分的に除く部分を、パッド中央部に集中させることもでき、この場合、人体からの汗によるムレを防止する点で好適である。
【0024】
セラミック粉粒体4の組成は、特に限定されるものではないが、例えば、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、三酸化二鉄、二酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム等が挙げられる。
【0025】
セラミック粉粒体4の基材2への塗布は、バインダー等と混合し、これを塗布する方法等が挙げられ、バインダーとしては、例えば、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、ポリエステル系、エポキシ樹脂系、フェノール樹脂系等の合成樹脂系等の公知のものが挙げられる。塗布の具体的手段は、コーティング法、スプレー法、転写方式等の公知の方法を採用することができ、塗布後は必要に応じて、加熱処理又は乾燥処理を施すものである。
【0026】
アルミ層3の面積と、セラミック粉粒体4が塗布されている面積との比率を95:5〜60:40にすることで、アルミ層3とセラミック粉粒体4との双方の相乗効果による高い保温効率を効果的に得ることができると同時に、通気性を有する、セラミック粉粒体4が塗布されている箇所の面積が上記特定の比率で確保されているため、本保温用パッド1全体の通気性を確保することができる。
【0027】
一方、アルミ層3の面積と、セラミック粉粒体4が塗布されている面積との比率が95:5より、アルミ層3の面積が大きい場合、通気性を有する、セラミック粉粒体4が塗布されている箇所の面積が小さくなるため、本保温用パッド1全体の通気性が低下するほか、セラミック粉粒体4による保温効率を高める効果が低下するおそれがあり、好ましくない。
【0028】
また、アルミ層3の面積と、セラミック粉粒体4が塗布されている面積との比率が60:40より、セラミック粉粒体4が塗布されている面積が大きい場合、アルミ層3の面積が小さくなるため、アルミ層3による保温効率を高める効果が低下するほか、通気性を有する、セラミック粉粒体4が塗布されている箇所の面積が大きくなることで、通気性が必要以上に付与され、本保温用パッド1における断熱効果が低下し、アルミ層3とセラミック粉粒体4との双方の相乗効果による保温効率を高める効果が低下するおそれがあり、好ましくない。
【0029】
アルミ層3が部分的に除かれた部分である、セラミック粉粒体4が塗布されている箇所の通気性は、セラミック粉粒体4の平均粒径、セラミック粉粒体4の基材2への塗布量、セラミック粉粒体4を基材に接着するために用いるバインダーの量で調整されるものである。好適な通気性を得るためには、セラミック粉粒体4の平均粒径を1〜15μm、セラミック粉粒体4の基材2への塗布量を15〜60g/m、セラミック粉粒体4を塗布するために用いるバインダーの量を、セラミック粉粒体100重量部に対してバインダー50〜225重量部用いるものである。この際、セラミック粉粒体4の平均粒径が1μm以下、セラミック粉粒体4の基材2への塗布量が60g/m以上、セラミック粉粒体100重量部に対してバインダー225重量部以上の少なくともいずれかが該当した場合、通気性が低下する傾向にある。また、セラミック粉粒体4の平均粒径が15μm以上、セラミック粉粒体4の基材2への塗布量が80g/m以下、セラミック粉粒体100重量部に対してバインダー100重量部以下の少なくともいずれかが該当した場合、通気性が必要以上に上昇する傾向にある。
【0030】
なお、セラミック粉粒体4の平均粒径を1〜15μmとすることで、基材2への均一付着性、風合い、耐摩耗性等の点からも好ましいものである。
【0031】
また、セラミック粉粒体4の基材2への塗布量を15〜60g/mとすることで、セラミック粉粒体4による高い保温効率を効果的に得ることができる。一方、15g/m未満の場合には、塗布量が少なく、セラミック粉粒体4による保温効率を高める効果が低下するおそれがあり、60g/mを超える場合には、塗布量が多く、塗布した部分の風合いが悪化するため、好ましくない。
【0032】
なお、本保温用パッド1は、複数のパッドを並列に配設することができるメッシュカバー材等に挿入することで、複数のパッドが長辺方向及び/又は短辺方向に並列された形態を採ることができる。このような形態を取ることで、隣り合うパッド間の部分で折り畳むことが可能であり、取扱性に優れるため、好ましい。
【0033】
本保温用パッド1は、開口部を有する表皮材に、開口部から挿入することで、表皮材で被覆することができる。この際、表皮材の表面に、吸水湿性発熱樹脂微粒子及び/又はシェル内に潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセルを塗布することが好ましい。吸水湿性発熱樹脂微粒子を用いることで、汗等の水分を吸収した際、迅速且つ安定に発熱するため、保温効率をさらに高めることができる。また、シェル内に潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセルを用いることで、潜熱蓄熱材が室温等と体温等との間の温度変化に伴い、液体から固体へと相変化する際、迅速且つ安定に発熱するため、保温効率をさらに高めることができる。
【0034】
表皮材としては、編物、織物、不織布等が挙げられる。吸水湿性発熱樹脂微粒子としては、吸湿及び/又は吸水性の高い樹脂微粒子であれば、特に限定されず、吸湿性ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系及びポリアクリレート系等が挙げられる。なお、吸湿及び/又は吸水時の温度上昇が0.5℃以上であることが好ましい。
【0035】
また、吸水湿性発熱樹脂微粒子の平均粒径としては、吸湿及び/又は吸水時の発熱速度や発熱効率、均一付着性、風合い及び耐摩耗性等の点から小さいほど好ましく、平均粒径が2μm以下であることが好ましい。表皮材への吸水湿性発熱樹脂微粒子の塗布方法は、表皮材に直接練り込む方法や、表皮材にバインダーを介して塗布する方法等が挙げられ、バインダーとしては、例えば、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、ポリエステル系、エポキシ樹脂系、フェノール樹脂系等の合成樹脂系等の公知のものが挙げられる。塗布の具体的手段は、含浸法、コーティング法、スプレー法等の公知の方法を採用することができ、塗布後の表皮材は必要に応じて、加熱処理又は乾燥処理を施すものである。
【0036】
さらに、表皮材に対する吸水湿性発熱樹脂微粒子の塗布量としては、10〜30g/mが好ましく、この範囲にすることで、好適に保温効率をさらに高めることができる。一方、10g/m未満の場合は、塗布量が少なく、吸水湿性発熱樹脂微粒子による保温効率を高める効果が低下するおそれがあり、30g/mを超える場合は、吸水湿性発熱樹脂微粒子による保温効率を高める効果は得られるものの、塗布量が多く、表皮材の風合いが悪化するため、好ましくない。
【0037】
シェル内に潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセルにおける、シェルの材質としては、耐熱温度が潜熱蓄熱材の融点に比べて高い材料であればよく、例えば、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。また、潜熱蓄熱材としては、本保温用パッド1の用途に応じて適当な融点を有するものを選択すればよく、例えば、パラフィン系炭化水素、天然ワックス、石油ワックス、ポリエチレングリコール、無機化合物の水和物等が挙げられる。
【0038】
マイクロカプセル全体の重量に対する、内包される潜熱蓄熱材の量は、30〜90重量%とすることが好ましく、この範囲にすることで、好適に保温効率をさらに高めることができる。一方、30重量%未満の場合は、シェル内に内包される潜熱蓄熱材の量が少なく、潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセルによる保温効率を高める効果が低下するおそれがあり、90重量%を超える場合は、シェル内に内包される潜熱蓄熱材の量が多く、この場合、潜熱蓄熱材の相変化に伴う体積変化により、マイクロカプセルが破損するおそれがあるため、好ましくない。
【0039】
また、マイクロカプセルの平均粒径としては、0.5〜30μmであることが好ましいほか、表皮材へのマイクロカプセルの塗布方法は、表皮材に直接練り込む方法や、表皮材にバインダーを介して塗布する方法等が挙げられ、バインダーとしては、例えば、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、ポリエステル系、エポキシ樹脂系、フェノール樹脂系等の合成樹脂系等の公知のものが挙げられる。塗布の具体的手段は、含浸法、コーティング法、スプレー法等の公知の方法を採用することができ、塗布後の表皮材は必要に応じて、加熱処理又は乾燥処理を施すものである。
【0040】
なお、表皮材にマイクロカプセルの塗布量としては、1〜20g/mが好ましく、この範囲にすることで、好適に保温効率をさらに高めることができる。一方、1g/m未満の場合は、塗布量が少なく、潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセルによる保温効率を高める効果が低下するおそれがあり、20g/mを超える場合は、潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセルによる保温効率を高める効果は得られるものの、塗布量が多く、表皮材の風合いが悪化するため、好ましくない。
【0041】
以下、本実施例及び比較例を詳述するが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、本実施例及び比較例において、下記に示すような材料を使用して試験体を作成した。
(1)ポリウレタンフォーム(アキレス(株)製、「PL」)
(2)アルミ蒸着フィルム(積水フィルム(株)製、「ソフバリヤメタル」)
(3)セラミック粉粒体4含有バインダー混合物((株)陶石麻照製、「MSバインダー NDX20」)
(4)接着剤(シマルファー(株)製、「#800」)
(実施例1〜3、比較例1)
基材2として、(1)のポリウレタンフォームを縦400mm×横1200mm×厚み15mmの矩形ポリウレタンフォームに加工して表面に、スプレー法を用いて、基材2の縦方向の中心部から縦方向の左右50mm及び150mm離れた部分、且つ基材2の横方向の中心部から横方向の左右150mm及び450mm離れた部分の計16箇所に、セラミック粉粒体4含有バインダー混合物(3)を円形状に塗布した。その後、100℃で2分間乾燥させた後、(2)のアルミ蒸着フィルム厚さ150μmをアルミ層3として、接着剤を用いて、基材2表面に積層させ、本保温用パッド1を形成した。なお、アルミ層3には、基材2におけるセラミック粉粒体4含有バインダー混合物を塗布する位置に、塗布面積分の穴を予め設けるものである。
【0042】
また、基材2におけるアルミ層3の面積と、セラミック粉粒体4が塗布されている面積との比率は表1の通りである。
(比較例2)
基材2として、縦400mm×横1200mm×厚み15mmの矩形ポリウレタンフォーム表面全面に、スプレー法を用いて、セラミック粉粒体4含有バインダー混合物を塗布した。その後、100℃で2分間乾燥させ、本保温用パッド1を形成した。
【0043】
【表1】

【0044】
以上のような方法で得られた保温用パッドを試験体として、保温効率を以下の方法で試験し評価した。結果を表2に示す。
「保温効率」
「ニコンサーモトレーサーLAIRD−S2 70A((株)ニコン)」を用いて、室温16℃で被験者が仰臥位で静止し、仰臥前と10分経過直後の背部の温度を測定した。その際の温度上昇から、以下のような評価を行った。なお、本保温用パッド1において必要な温度上昇は、0.5℃以上である。
○:0.5℃以上の温度上昇がみられた。
△:0.5℃未満の温度上昇がみられた。
×:温度上昇がみられなかった。
【0045】
【表2】

【0046】
以上のことから、実施例1〜3では、本発明に必要な保温効率を満足することができた。
【0047】
しかしながら、比較例1、2では、通気性が必要以上に付与され、本発明に必要な保温効率を得ることができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0048】
保温用のパッドとして、特に寒冷時に暖を取るためのパッドとして効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る保温用パッドの斜視図
【図2】同平面図
【図3】図2におけるA−Aの断面側面図
【符号の説明】
【0050】
1:保温用パッド、2:基材、3:アルミ層、4:セラミック粉粒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンフォームからなる基材の表裏面のうち、少なくとも表面にアルミ層が形成されている保温用パッドであって、アルミ層が部分的に除かれ、アルミ層が部分的に除かれた部分に、セラミック粉粒体が塗布されているものであり、アルミ層の面積と、セラミック粉粒体が塗布されている面積との比率が95:5〜60:40であることを特徴とする保温用パッド。
【請求項2】
パッドを被覆する表皮材の表面は、吸水湿性発熱樹脂微粒子及び/又はシェル内に潜熱蓄熱材を内包したマイクロカプセルが塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の保温用パッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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