説明

倍率色収差補正装置、倍率色収差補正方法及び倍率色収差補正プログラム

【課題】 レンズパラメータを様々な値に変化させて撮影した場合でも、倍率色収差に起因する映像のにじみを除去することができる倍率色収差補正装置を提供する。
【解決手段】 倍率色収差補正装置1は、原色信号を入力する信号入力手段2と、撮影したカメラの撮影レンズパラメータを入力するレンズパラメータ入力手段3と、所定のレンズパラメータにおける色のずれの量を示す補正データを予め複数記憶する補正データ記憶手段4と、この補正データから、撮影レンズパラメータの値を挟むレンズパラメータの補正データを選定する補正データ選定手段5と、選定された補正データに基づいて、補間して補正量を算出する補正量算出手段6と、この補正量に基づいて、原色信号の画素値を補正する収差補正手段7と、画素値が補正された原色信号を出力する信号出力手段8とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズの色収差(倍率色収差)による映像の色のずれ(にじみ)を補正する技術に係り、特に、画素ごとにずれを補正するための補正量を算出して、入力された三原色の原色信号を補正する倍率色収差補正装置、倍率色収差補正方法及び倍率色収差補正プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、映像を撮影する撮影装置(カメラ)のレンズは、光の周波数によって屈折率が異なり、波長の長い光と波長の短い光とで結像する位置にずれが生じるため、レンズを介して撮影された映像にはにじみが生じる。そして、赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色からなる映像では、緑に比べて波長の長い赤と、波長の短い青とが互いに異なる方向にずれるため、例えば、黒と白との境界においては、赤あるいは青のにじみが発生する。
【0003】
そして、倍率色収差による、緑に対する赤、青の光の結像位置のずれの量を各画素について予め求めておき、撮影された映像の赤と青の原色信号についてずれを補正することで、倍率色収差による映像のにじみを補正する技術が開示されている(特許文献1参照)。また、輝度信号と色差信号を赤、緑、青の原色信号に変換し、レンズの歪曲収差によるひずみと、倍率色収差によるにじみとを補正する技術が開示されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平6−292207号公報(段落番号0012〜0030、図1〜5)
【特許文献2】特開2000−3437号公報(段落番号0033〜0070、図3〜7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、ズーム、フォーカス及びアイリス等のレンズパラメータが一定である場合には実現できるが、実際にカメラでテレビ番組等の映像を撮影する場合には、一般的にレンズパラメータを様々に変化させて行うことが多い。そして、レンズパラメータの変化に対応する、結像位置のずれの量を示すデータを予め用意しようとすると、このデータの取得が困難であるうえに、膨大な量のデータを記憶する必要が生じ、現実的ではない。
【0005】
本発明は、前記従来技術の問題を解決するために成されたもので、レンズパラメータを様々な値に変化させて撮影した場合でも、このレンズパラメータに基づいて、倍率色収差に起因する映像のにじみを除去することができる倍率色収差補正装置、倍率色収差補正方法及び倍率色収差補正プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、請求項1に記載の倍率色収差補正装置は、撮影された映像の、倍率色収差による色のずれを補正する倍率色収差補正装置であって、信号入力手段と、レンズパラメータ入力手段と、補正データ記憶手段と、補正データ選定手段と、補正量算出手段と、収差補正手段と、信号出力手段とを備える構成とした。
【0007】
かかる構成によれば、倍率色収差補正装置は、信号入力手段によって、映像の画素ごとの、色の三原色である第1、第2及び第3原色の明るさを示す第1、第2及び第3原色信号を入力する。また、レンズパラメータ入力手段によって、当該第1、第2及び第3原色信号の各々の画素に対応する、この映像を撮影したカメラのレンズのレンズパラメータである撮影レンズパラメータを入力する。更に、倍率色収差補正装置は、補正データ記憶手段に、複数設定されたレンズパラメータの値の各々と、当該レンズパラメータにおける、画素ごとの第1原色に対する第2及び第3原色の結像位置のずれの量を示すデータとを対応させた補正データを予め記憶する。なお、この結像位置のずれは、レンズの倍率色収差によって生じ、倍率色収差補正装置は、異なるレンズパラメータの値についての補正データを、補正データ記憶手段に複数記憶する。
【0008】
更に、倍率色収差補正装置は、補正データ選定手段によって、レンズパラメータ入力手段から入力された撮影レンズパラメータに基づいて、補正データ記憶手段に記憶された補正データから、当該撮影レンズパラメータの値を挟む2つ以上のレンズパラメータの補正データを選定する。ここで、倍率色収差補正装置は、補正データ記憶手段に記憶された補正データのうち、撮影レンズパラメータの値より大きい値を有するレンズパラメータの補正データと、小さい値を有するレンズパラメータの補正データとを選定する。そして、補正量算出手段によって、この補正データ選定手段によって選定された補正データに基づいて、撮影レンズパラメータにおけるレンズの倍率色収差による各画素の第2及び第3原色の結像位置のずれを補正するための補正量を、補間して算出する。
【0009】
また、倍率色収差補正装置は、収差補正手段によって、この補正量に基づいて、第2及び第3原色信号の各画素の明るさを示す画素値を補正し、信号出力手段によって、第1原色信号と、収差補正手段によって画素値が補正された第2及び第3原色信号とを出力する。
【0010】
これによって、倍率色収差補正装置は、補正データ記憶手段に、レンズパラメータが所定の値のときの補正データを複数記憶し、この補正データから補間して、撮影レンズパラメータに対応する補正量を算出することができる。そして、第1原色信号と、算出された補正量に基づいて倍率色収差による映像の第1原色に対する第2及び第3原色のずれを補正した第2及び第3原色信号とを出力することができる。
【0011】
また、レンズパラメータとは、映像を撮影した際におけるレンズのズーム、フォーカス、アイリス等であり、これらのうちの1つであってもよいし、複数の種類のレンズパラメータであってもよい。そして、レンズパラメータの種類が複数である場合には、倍率色収差補正装置は、補正データ選定手段によって、その種類ごとに撮影レンズパラメータを挟むレンズパラメータの補正データを選定することで、補正量算出手段によって、補間して補正量を算出することができる。
【0012】
更に、請求項2に記載の倍率色収差補正方法は、映像を撮影するカメラのレンズパラメータの値が複数設定され、その各々の値と、当該レンズパラメータにおけるレンズの倍率色収差によって生じる、三原色のひとつの原色である第1原色に対する、三原色の他の原色である第2及び第3原色の結像位置のずれの量を画素ごとに示したデータとを対応させた補正データを予め記憶する補正データ記憶装置から前記補正データを参照して、撮影された前記映像の倍率色収差による色のずれを補正する倍率色収差補正方法であって、信号・レンズパラメータ入力ステップと、補正データ選定ステップと、補正量算出ステップと、収差補正ステップと、信号出力ステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
この方法によれば、信号・レンズパラメータ入力ステップによって、映像の画素ごとの第1、第2及び第3原色の明るさを示す第1、第2及び第3原色信号を入力するとともに、当該第1、第2及び第3原色信号の各々の画素に対応する、映像を撮影した際におけるレンズパラメータである撮影レンズパラメータを入力する。
【0014】
続いて、補正データ選定ステップによって、信号・レンズパラメータ入力ステップにおいて入力された撮影レンズパラメータに基づいて、補正データ記憶装置に記憶された補正データから、当該撮影レンズパラメータの値を挟む2つ以上のレンズパラメータの補正データを選定する。そして、補正量算出ステップによって、補正データ選定ステップにおいて選定された補正データに基づいて、撮影レンズパラメータにおけるレンズの倍率色収差による各画素の第2及び第3原色の結像位置のずれを補正するための補正量を、補間して算出する。
【0015】
続いて、収差補正ステップによって、補正量算出ステップにおいて算出された補正量に基づいて、第2及び第3原色信号の各画素の明るさを示す画素値を補正し、信号出力ステップによって、第1原色信号と、収差補正ステップにおいて画素値が補正された第2及び第3原色信号とを出力する。
【0016】
これによって、補正データ記憶装置に、レンズパラメータが所定の値のときの補正データを複数記憶することで、この補正データから補間して、撮影レンズパラメータに対応する補正量を算出することができる。そして、第1原色信号と、算出された補正量に基づいて倍率色収差による映像の第1原色に対する第2及び第3原色のずれを補正した第2及び第3原色信号とを出力することができる。
【0017】
また、請求項3に記載の倍率色収差補正プログラムは、映像を撮影するカメラのレンズパラメータの値が複数設定され、その各々の値と、当該レンズパラメータにおけるレンズの倍率色収差によって生じる、三原色のひとつの原色である第1原色に対する、三原色の他の原色である第2及び第3原色の結像位置のずれの量を画素ごとに示したデータとを対応させた補正データを予め記憶する補正データ記憶装置から前記補正データを参照して、撮影された前記映像の倍率色収差による色のずれを補正するためにコンピュータを、信号入力手段、レンズパラメータ入力手段、補正データ選定手段、補正量算出手段、収差補正手段、信号出力手段として機能させることとした。
【0018】
かかる構成によれば、倍率色収差補正プログラムは、信号入力手段によって、映像の画素ごとの第1、第2及び第3原色の明るさを示す第1、第2及び第3原色信号を入力し、レンズパラメータ入力手段によって、当該第1、第2及び第3原色信号の各々の画素に対応する、映像を撮影した際におけるレンズパラメータである撮影レンズパラメータを入力する。
【0019】
また、補正データ選定手段によって、レンズパラメータ入力手段から入力された撮影レンズパラメータに基づいて、前記補正データ記憶装置に記憶された補正データから、当該撮影レンズパラメータの値を挟む2つ以上のレンズパラメータの補正データを選定する。更に、補正量算出手段によって、補正データ選定手段によって選定された補正データに基づいて、撮影レンズパラメータにおけるレンズの倍率色収差による各画素の第2及び第3原色の結像位置のずれを補正するための補正量を、補間して算出する。
【0020】
また、収差補正手段によって、この補正量に基づいて、第2及び第3原色信号の各画素の明るさを示す画素値を補正し、信号出力手段によって、第1原色信号と、収差補正手段によって画素値が補正された第2及び第3原色信号とを出力する。
【0021】
これによって、倍率色収差補正プログラムは、補正データ記憶装置に、レンズパラメータが所定の値のときの補正データを複数記憶することで、この補正データから補間して、撮影レンズパラメータに対応する補正量を算出することができる。そして、第1原色信号と、算出された補正量に基づいて倍率色収差による映像の第1原色に対する第2及び第3原色のずれを補正した第2及び第3原色信号とを出力することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る倍率色収差補正装置、倍率色収差補正方法及び倍率色収差補正プログラムでは、以下のような優れた効果を奏する。請求項1、請求項2又は請求項3に記載の発明によれば、倍率色収差による映像の色のにじみを除去することができる。また、補正データを補間して撮影レンズパラメータに対応する補正量を算出するため、撮影時のレンズパラメータの変化に対応する、膨大な量の補正データを予め用意する必要がなく、予め記憶する補正データのデータ量を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[倍率色収差補正装置の構成]
まず、図1を参照して、本発明に係る倍率色収差補正装置1の構成について説明する。図1は、本発明に係る倍率色収差補正装置の構成を示したブロック図である。
【0024】
倍率色収差補正装置1は、三原色の映像信号(G信号、B信号及びR信号)を入力し、この映像信号で示される映像の倍率色収差によるにじみを補正した映像の映像信号であるG信号、補正B信号及び補正R信号を生成するものである。ここでは、倍率色収差補正装置1は、信号入力手段2と、レンズパラメータ入力手段3と、補正データ記憶手段4と、補正データ選定手段5と、補正量算出手段6と、収差補正手段7と、信号記憶手段8と、信号出力手段9とを備えている。
【0025】
信号入力手段2は、3つの原色信号(G信号、B信号又はR信号)を外部から入力するものである。ここで、信号入力手段2aは、緑色画素(G画素)の明るさを示すG信号を入力して、信号記憶手段8aに記憶する。また、信号入力手段2bは、赤色画素(R画素)の明るさを示すR信号を入力して、収差補正手段7aに出力し、信号入力手段2cは、青色画素(B画素)の明るさを示すB信号を入力して、収差補正手段7bに出力する。
【0026】
レンズパラメータ入力手段3は、映像を撮影したカメラのレンズパラメータを外部から入力するものである。ここで、このレンズパラメータ入力手段3には、信号入力手段2に入力される映像信号の画素に対応するレンズパラメータ(撮影レンズパラメータ)が入力される。ここで入力された撮影レンズパラメータは、補正データ選定手段5と、補正量算出手段6とに出力される。なお、レンズパラメータとは、レンズのズーム、フォーカス、アイリス等である。そして、レンズパラメータ入力手段3は、ズーム、フォーカス、アイリスのうちの1つのレンズパラメータ、例えば、ズームのみを入力することとしてもよいし、複数の種類のレンズパラメータを入力することとしてもよい。ここでは、レンズパラメータ入力手段3は、レンズパラメータとしてズームのみを入力することとした。
【0027】
補正データ記憶手段(補正データ記憶装置)4(4a、4b)は、図示しないカメラにおいて、レンズパラメータが所定の値のときにレンズによって結像された緑色の光に対する赤色又は青色の光の倍率色収差によるずれの量を示す移動量と、当該レンズパラメータとを対応させた補正データを予め記憶するもので、半導体メモリ、ハードディスク等の一般的な記憶手段である。ここで、補正データ記憶手段4は、レンズパラメータが異なる値の補正データを複数記憶する。なお、ここでは、補正データ記憶手段4aが、緑色の光に対する赤色の光の移動量についての補正データを記憶し、補正データ記憶手段4bが、緑色の光に対する青色の光の移動量についての補正データを記憶することとした。
【0028】
ここで、図2及び図3を参照(適宜図1参照)して、補正データ記憶手段4に記憶される補正データの算出方法について、具体例を挙げて説明する。図2は、所定のレンズパラメータにおける移動量を算出する方法の例を説明するための説明図である。図3は、移動量を算出するためのパラメータを求める方法の例を説明するための説明図である。
【0029】
図2に示すように、すべての画素P、P、…の領域である映像領域Dを所定の画素数のブロックbに分割する。そして、ブロックbごとに、以下の式(1)に基づいて、各画素の水平方向の移動量である水平移動量Xと垂直方向の移動量である垂直移動量Yを算出することができる。ここで、各ブロックbの中心の画素からの水平方向の画素数をnx、垂直方向の画素(ライン)数をnyとする。なお、ここでは、1つの画素Pの幅及び高さを単位として、水平移動量X及び垂直移動量Yを算出することとした。
X=X1+nx・X2+ny・X3
Y=Y1+ny・Y2+nx・Y3 …(1)
【0030】
この式(1)において、X1とY1は、所定のレンズパラメータにおけるブロックbの中心の画素における水平方向の移動量である中心水平移動量と、中心の画素における垂直方向の移動量である中心垂直移動量である。また、X2とY2は、ブロックbの中心の画素から水平方向に1画素変化するごとの水平移動量の変化量と、垂直方向に1ライン変化するごとの垂直移動量の変化量であり、X3とY3は、ブロックbの中心の画素から垂直方向に1ライン変化するごとの水平移動量の変化量と、水平方向に1画素変化するごとの垂直移動量の変化量である。これらの移動量を算出するためのパラメータ(X1、X2、X3、Y1、Y2、Y3)は、それぞれのブロックや色によって大きさが異なり、それぞれの色について、ブロックごとに求めておく必要がある。
【0031】
このパラメータ(X1、X2、X3、Y1、Y2、Y3)は、例えば、所定のレンズパラメータにおいて所定のパターンの映像を撮影して緑色に対する赤色又は青色のずれの量を測定することで求めることができる。ここでは、図3(a)に示すような黒い長方形bBが交互に並んだ映像を撮影し、移動量を算出するためのパラメータ(X1、X2、X3、Y1、Y2、Y3)を求める方法を具体例を挙げて説明する。なお、ここでは、緑色に対する赤色の光のずれの量を求める場合について説明する。
【0032】
図3(a)に示す黒色の長方形bBを撮影した映像において1つの長方形を拡大すると、図3(b)に示すように、倍率色収差によって、緑色の四角形bGと赤色の四角形bRがずれて撮影される。なお、ここでは、補正データ記憶手段4aに記憶される補正データの赤色の移動量を算出するためのパラメータ(X1、X2、X3、Y1、Y2、Y3)を求める方法について説明することとし、青色の四角形は省略している。
【0033】
まず、緑色の四角形bGの4つの角O、P、Q、Rと、赤色の四角形bRの4つの角O’、P’、Q’、R’との各々のずれの量dO、dP、dQ、dRを測定する。そして、緑色の四角形bGを1つのブロックb(図2参照)とすると、ずれの量dPとdRの水平成分の平均値がX1、垂直成分の平均値がY1となる。また、ずれの量dOとdPの水平成分のブロックbにおける1画素当たり変化量がX2、垂直成分の1ライン当たりの変化量がY3となり、ずれの量dOとdRの水平成分のブロックbにおける1画素当たり変化量がX3、垂直成分の1ライン当たりの変化量がY2となる。
【0034】
このようにして、R画素についての移動量を算出するためのパラメータを求めることができる。また、B画素についても同様に、緑色の四角形bGと青色の四角形(図示せず)のずれの量を測定することで求めることができる。
【0035】
以上のようにして算出されたすべての画素の水平移動量X及び垂直移動量Yと、レンズパラメータとを対応付けて補正データとし、レンズパラメータを様々な値とした複数の補正データを作成して、補正データ記憶手段4に記憶する。なお、ここでは、レンズパラメータをズームのみとし、ズームの値と、すべての画素の移動量(水平移動量X及び垂直移動量Y)とを対応させた補正データを、補正データ記憶手段4に記憶することとした。なお、1つの種類のレンズパラメータのみに対応する移動量を算出して補正データを作成することとしてもよいし、複数の種類のレンズパラメータに対応させた移動量を算出して補正データを作成することとしてもよい。また、補正データの算出方法は、前記の方法に限定されることなく、例えば、任意の画像に対して、各色ごとの成分の相関が高くなる位置を求めるパターンマッチングを行って、補正量を算出することとしてもよい。
【0036】
図1に戻って説明を続ける。補正データ選定手段5(5a、5b)は、レンズパラメータ入力手段3から入力されたレンズパラメータに基づいて、補正データ記憶手段4(4a、4b)に記憶された、当該レンズパラメータの値に近いレンズパラメータの補正データを選定するものである。ここで選定された補正データは、補正量算出手段6(6a、6b)に出力される。ここでは、補正データ選定手段5aは、R画素の補正データを選定し、補正データ選定手段5bは、B画素の補正データを選定することとした。
【0037】
なお、補正データ記憶手段4(4a、4b)には、複数のレンズパラメータについての補正データが記憶されている。そして、補正データ選定手段5(5a、5b)は、入力された撮影レンズパラメータの値を挟む2つ以上のレンズパラメータの補正データを選定する。そして、ここでは、補正データ記憶手段4は、設定されたズームの値が、レンズパラメータ入力手段3から入力されたズームの値より大きく、かつ、最も近い値の補正データと、入力されたズームの値より小さく、かつ、最も近い値の補正データの2つの補正データを選定する。なお、レンズパラメータが2種類以上ある場合には、入力された各々のレンズパラメータの値を挟む補正データを選定することで、後記する補正量算出手段6において、補間によって補正量を算出することができる。
【0038】
補正量算出手段6(6a、6b)は、レンズパラメータ入力手段3から入力されたレンズパラメータに基づいて、信号入力手段2(2b、2c)から入力された原色信号の各々の画素について、図示しないカメラのレンズによって結像された緑色の光に対する赤色又は青色の光の倍率色収差によるずれを示す補正量を算出するものである。ここで算出された補正量は、収差補正手段7(7a、7b)に出力される。なお、補正量算出手段6aは、信号入力手段2bから入力されたR信号の補正量を算出し、補正量算出手段6bは、信号入力手段2bから入力されたB信号の補正量を算出することとした。
【0039】
この補正量算出手段6(6a、6b)は、補正データ選定手段5(5a、5b)から1つ以上の補正データが入力され、この補正データに基づいて、レンズパラメータ入力手段3から入力された撮影レンズパラメータにおける補正量を補間によって算出する。ここでは、補正量算出手段6は、補正データ選定手段5から2つの補正データが入力され、線形補間によって補正量を算出することとした。このとき、水平方向の補正量XOと垂直方向の補正量YOは、以下の式(2)によって求められる。なお、レンズパラメータ入力手段3から入力されたズーム(撮影レンズパラメータ)の値をZO、補正データ選定手段5から入力された2つの補正データのズーム、水平移動量、垂直移動量をそれぞれZA、ZB、XA、XB、YA、YBとする。
O=XA+(XB−XA)(ZO―ZA)/(ZB−ZA
O=YA+(YB−YA)(ZO―ZA)/(ZB−ZA) …(2)
【0040】
ここでは、撮影レンズパラメータとしてズームのみが入力される場合について説明したが、補正量算出手段6は、2種類以上の撮影レンズパラメータが入力される場合についても同様に、補正データ選定手段5から入力された、各々の撮影レンズパラメータの値を挟むレンズパラメータの補正データに基づいて、線形補間によって補正量を算出することができる。
【0041】
収差補正手段7(7a、7b)は、補正量算出手段6(6a、6b)から入力される補正量に基づいて、信号入力手段2(2b、2c)から入力されたR信号又はB信号の、倍率色収差による色ずれを補正するものである。ここで、収差補正手段7aは、信号入力手段2bから入力されたR信号を補正して、補正されたR信号の画素値を、信号記憶手段8bの補正された画素の位置を示すアドレスに書き込み、収差補正手段7bは、信号入力手段2cから入力されたB信号を補正して、補正されたB信号の画素値を、信号記憶手段8cの補正された画素の位置を示すアドレスに書き込む。収差補正手段7(7a、7b)は、シフト処理部71(71a、71b)と、2次元フィルタ部72(72a、72b)とを備える。
【0042】
そして、ここでは、シフト処理部71(71a、71b)が、補正量算出手段6(6a、6b)によって算出された補正量の整数成分に基づいて信号入力手段2(2b、2c)から入力されたR信号又はB信号の画素の位置を移動(シフト)し、2次元フィルタ部72(72a、72b)が、補正量の小数成分に基づいて、この小数成分の分だけ更に移動させた際の、シフト処理部71(71a、71b)によって移動された画素の画素値を算出することで、補正量に基づいてずれを補正することとした。
【0043】
シフト処理部71(71a、71b)は、補正量算出手段6(6a、6b)から入力される補正量の整数成分を抽出し、この整数成分の値に基づいて信号入力手段2(2b、2c)から入力されたR信号又はB信号をシフト処理するものである。
【0044】
2次元フィルタ部72(72a、72b)は、補正量算出手段6(6a、6b)から入力される補正量の小数成分を抽出し、この小数成分の値に基づいてシフト処理部71(71a、71b)によってシフト処理された画素の画素値を算出するものである。ここで算出された画素値は、信号記憶手段8(8a、8b)に記憶される。ここでは、シフト処理部71(71a、71b)が抽出した補正量の整数成分によって示される画素の位置を示す、信号記憶手段8(8a、8b)のアドレスに、後記する2次元フィルタ部72(72a、72b)が補正したR信号又はB信号の画素値を書き込むこととした。
【0045】
ここで、図4を参照して、収差補正手段7(7a、7b)によって、色ずれを補正した各画素の画素値を算出する方法ついて説明する。図4は、収差補正手段が、補正量に基づいてある画素をずらして、画素値を算出する方法を説明するための説明図である。
【0046】
まず、シフト処理部71(71a、71b)は、各々の画素について、補正量算出手段6(6a、6b)から入力された水平方向の補正量と垂直方向の補正量から整数成分を抽出する。そして、図4(a)に示すように、対象となる画素をこの整数成分の量だけ移動させた画素を特定する。ここで、水平方向にx画素、垂直方向にyラインの位置にある画素Px,yの水平方向の補正量の整数成分をΔX、垂直方向の補正量の整数成分をΔYとすると、この整数成分ΔX、ΔYによって示される画素Px',y'の位置は、(x’,y’)=(x+ΔX、y+ΔY)となる。
【0047】
そして、2次元フィルタ部72(72a、72b)は、シフト処理部71(71a、71b)によって整数成分の量だけシフト処理された画素Px',y'の画素値を算出する。ここで、2次元フィルタ部72(72a、72b)は、補正量の小数成分を抽出し、補正量の整数成分の量だけシフト処理された画素を、この小数成分の量だけ更に移動させた際の、当該画素の画素値を算出する。2次元フィルタ部72(72a、72b)によって抽出された水平方向及び垂直方向の補正量の小数成分をそれぞれf1、f2(1画素の横及び縦の大きさを1とする)とし、当該画素とこの画素の上、左、左上に隣接する画素の画素値をそれぞれGa、Gb、Gc、Gdとすると、画素Px',y'の画素値Gx',y'は、以下の式(3)によって算出される。そして、2次元フィルタ部72(72a、72b)は、この画素値Gx',y'を、信号記憶手段8(8a、8b)における、シフト処理部71(71a、71b)によってシフト処理された画素の位置を示すアドレスに書き込む。
x',y'=a・Ga+b・Gb+c・Gc+d・Gd …(3)
a=(1−f1)・(1−f2)
b=(1−f1)・f2
c=f1・(1−f2)
d=f1・f2
【0048】
図1に戻って説明を続ける。信号記憶手段8(8a、8b,8c)は、倍率色収差を補正した映像信号の画素値を記憶するものであり、半導体メモリ等の一般的な記憶手段である。ここでは、信号記憶手段8aは、信号入力手段2aから入力されたG信号の画素値を、信号記憶手段8bは、収差補正手段7aによって補正されたR信号の画素値を、信号記憶手段8cは、収差補正手段7bによって補正されたB信号の画素値を記憶することとした。
【0049】
信号出力手段9(9a、9b、9c)は、信号記憶手段8(8a、8b、8c)に記憶された画素値を読み出し、倍率色収差を補正した映像信号として出力するものである。ここで、信号出力手段9aは、信号記憶手段8aに記憶されたG信号の画素値を読み出してG信号を出力する。また、信号出力手段9bは、信号記憶手段8bに記憶された、倍率色収差が補正されたR信号の画素値を読み出し、補正R信号として出力する。更に、信号出力手段9cは、信号記憶手段8cに記憶された、倍率色収差が補正されたB信号の画素値を読み出し、補正B信号として出力する。
【0050】
以上のように倍率色収差補正装置1を構成することで、映像中の倍率色収差を補正することができる。また、補正データ記憶手段4に、所定のレンズパラメータにおける補正量を示す補正データを複数記憶し、この補正データに基づいて、補正量算出手段6によって、撮影レンズパラメータに合わせて補間して補正量を算出することとしたので、撮影時にとりうるすべてのレンズパラメータに対応した補正量のデータを記憶する場合と比べて補正データ記憶手段4に記憶するデータ量を少なくすることができる。
【0051】
なお、倍率色収差補正装置1は、一般的なコンピュータにおいて各手段を各機能プログラムとして実現することも可能であり、各機能プログラムを結合して、倍率色収差補正プログラムとして動作させることも可能である。
【0052】
更に、ここでは、緑色(第1原色)の光に対する赤色及び青色(第2原色及び第3原色)の光の移動量を示す補正データを補正データ記憶手段4に記憶し、収差補正手段7によって、R信号及びB信号(第2原色信号及び第3原色信号)の倍率色収差を補正することとしたが、赤色(第1原色)の光に対する緑色及び青色(第2原色及び第3原色)の光の移動量を示す補正データを補正データ記憶手段4に記憶し、収差補正手段7によって、G信号及びB信号(第2原色信号及び第3原色信号)の倍率色収差を補正することとしてもよい。また、同様に、青色(第1原色)の光に対する緑色及び赤色(第2原色及び第3原色)の光の移動量を示す補正データを補正データ記憶手段4に記憶し、収差補正手段7によって、G信号及びR信号(第2原色信号及び第3原色信号)の倍率色収差を補正することとしてもよい。
【0053】
[倍率色収差補正装置の動作]
次に、図1及び図5を参照して、本発明における倍率色収差補正装置1が映像信号を入力して、倍率色収差を補正した映像信号を生成する動作について説明する。図5は、本発明における倍率色収差補正装置が、R信号又はB信号の倍率色収差を補正する動作を示したフローチャートである。まず、倍率色収差補正装置1が、画素ごとにR信号又はB信号の倍率色収差を補正する動作について説明する。
【0054】
(信号・レンズパラメータ入力ステップ)
倍率色収差補正装置1は、信号入力手段2(2b又は2c)によって、R信号又はB信号を入力する。また、倍率色収差補正装置1は、レンズパラメータ入力手段3によって、撮影レンズパラメータを入力する(ステップS1)。
【0055】
(補正データ選定ステップ)
そして、倍率色収差補正装置1は、補正データ選定手段5によって、ステップS1において入力されたレンズパラメータに基づいて、補正データ記憶手段4に記憶された補正データを選定する(ステップS2)。ここで、補正データ記憶手段4には、所定のレンズパラメータに対応した画素ごとの、赤色あるいは青色の光の緑色の光に対するずれの量である移動量を示す補正データが複数記憶されている。そして、補正データ選定手段5は、補正データ記憶手段4に記憶された補正データのうち、入力されたレンズパラメータの値を挟むレンズパラメータの補正データを選定する。
【0056】
(補正量算出ステップ)
そして、倍率色収差補正装置1は、補正量算出手段6によって、ステップS2において選定された補正データに基づいて、ステップS1において入力されたR信号又はB信号の画素の補正量を算出する(ステップS3)。ここで、補正量算出手段6は、複数の補正データの各々から当該画素に対応する移動量から、ステップS1において入力されたレンズパラメータにおける補正量を線形補間によって算出する。
【0057】
(収差補正ステップ)
更に、倍率色収差補正装置1は、収差補正手段7によって、ステップS3において算出された補正量に基づいて、ステップS1において入力されたR信号又はB信号の倍率色収差によるずれを補正し、信号記憶手段8に記憶する(ステップS4)。なお、ここでは、倍率色収差補正装置1は、まず、シフト処理部71によって、ステップS3において算出された補正量から整数成分を抽出して、この整数成分に基づいてシフト処理を行う。また、倍率色収差補正装置1は、2次元フィルタ部72によって、ステップS3において算出された補正量から小数成分を抽出して、補正量の整数成分によってシフト処理された画素の画素値を算出する。そして、倍率色収差補正装置1は、2次元フィルタ部72によって、信号記憶手段8の、シフト処理された画素を示すアドレスに画素値を書き込む。以上によって、倍率色収差補正装置1は、R信号又はB信号に対して画素ごとに画素値を補正することができる。
【0058】
そして、ステップS1に戻り、倍率色収差補正装置1が、R信号又はB信号の次の画素の画素値を入力するとともに、この画素に対応するレンズパラメータを入力する動作以降の動作を行う。
【0059】
また、倍率色収差補正装置1は、信号入力手段2aから入力されたG信号の画素値をそのまま信号記憶手段8aに記憶する。そして、信号出力手段9(9a、9b、9c)は、信号記憶手段8(8a、8b、8c)に記憶されたG信号の画素値と、補正したR信号及びB信号の画素値を各々読み出してG信号、補正R信号及び補正B信号として出力する(信号出力ステップ)。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る倍率色収差補正装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明に係る倍率色収差補正装置の補正データ記憶手段に記憶される補正データの所定のレンズパラメータにおける移動量を算出する方法の例を説明するための説明図である。
【図3】本発明に係る倍率色収差補正装置の補正データ記憶手段に記憶される補正データの移動量を算出するためのパラメータを求める方法の例を説明するための説明図である。
【図4】本発明に係る倍率色収差補正装置の収差補正手段が、補正量に基づいてある画素をずらして、画素値を算出する方法を説明するための説明図である。
【図5】本発明における倍率色収差補正装置が、R信号又はB信号の倍率色収差を補正する動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1 倍率色収差補正装置
2 信号入力手段
3 レンズパラメータ入力手段
4 補正データ記憶手段(補正データ記憶装置)
5 補正データ選定手段
6 補正量算出手段
7 収差補正手段
8 信号記憶手段
9 信号出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影された映像の、倍率色収差による色のずれを補正する倍率色収差補正装置であって、
前記映像の画素ごとの、色の三原色である第1、第2及び第3原色の明るさを示す第1、第2及び第3原色信号を入力する信号入力手段と、
この信号入力手段から入力される第1、第2及び第3原色信号の各々の前記画素に対応する、前記映像を撮影したカメラのレンズのレンズパラメータである撮影レンズパラメータを入力するレンズパラメータ入力手段と、
複数設定された前記レンズパラメータの値の各々と、当該レンズパラメータにおけるレンズの倍率色収差によって生じる、前記画素ごとの第1原色に対する第2及び第3原色の結像位置のずれの量を示すデータとを対応させた補正データを予め記憶する補正データ記憶手段と、
前記レンズパラメータ入力手段から入力された撮影レンズパラメータに基づいて、前記補正データ記憶手段に記憶された、当該撮影レンズパラメータの値を挟む2つ以上のレンズパラメータの補正データを選定する補正データ選定手段と、
この補正データ選定手段によって選定された補正データに基づいて、前記撮影レンズパラメータにおけるレンズの倍率色収差による各画素の前記第2及び第3原色の結像位置のずれを補正するための補正量を、補間して算出する補正量算出手段と、
この補正量算出手段によって算出された補正量に基づいて、前記第2及び第3原色信号の各画素の明るさを示す画素値を補正する収差補正手段と、
前記第1原色信号と、前記収差補正手段によって画素値が補正された第2及び第3原色信号とを出力する信号出力手段とを備えることを特徴とする倍率色収差補正装置。
【請求項2】
映像を撮影するカメラのレンズパラメータの値が複数設定され、その各々の値と、当該レンズパラメータにおけるレンズの倍率色収差によって生じる、三原色のひとつの原色である第1原色に対する、三原色の他の原色である第2及び第3原色の結像位置のずれの量を画素ごとに示したデータとを対応させた補正データを予め記憶する補正データ記憶装置から前記補正データを参照して、撮影された前記映像の倍率色収差による色のずれを補正する倍率色収差補正方法であって、
前記映像の前記画素ごとの前記第1、第2及び第3原色の明るさを示す第1、第2及び第3原色信号を入力するとともに、当該第1、第2及び第3原色信号の各々の前記画素に対応する、前記映像を撮影した際におけるレンズパラメータである撮影レンズパラメータを入力する信号・レンズパラメータ入力ステップと、
前記信号・レンズパラメータ入力ステップによって入力された撮影レンズパラメータに基づいて、前記補正データ記憶装置に記憶された補正データから、当該撮影レンズパラメータの値を挟む2つ以上のレンズパラメータの補正データを選定する補正データ選定ステップと、
この補正データ選定ステップによって選定された補正データに基づいて、前記撮影レンズパラメータにおけるレンズの倍率色収差による各画素の前記第2及び第3原色の結像位置のずれを補正するための補正量を、補間して算出する補正量算出ステップと、
この補正量算出ステップによって算出された補正量に基づいて、前記第2及び第3原色信号の各画素の明るさを示す画素値を補正する収差補正ステップと、
前記第1原色信号と、前記収差補正ステップによって画素値が補正された第2及び第3原色信号とを出力する信号出力ステップとを含むことを特徴とする倍率色収差補正方法。
【請求項3】
映像を撮影するカメラのレンズパラメータの値が複数設定され、その各々の値と、当該レンズパラメータにおけるレンズの倍率色収差によって生じる、三原色のひとつの原色である第1原色に対する、三原色の他の原色である第2及び第3原色の結像位置のずれの量を画素ごとに示したデータとを対応させた補正データを予め記憶する補正データ記憶装置から前記補正データを参照して、撮影された前記映像の倍率色収差による色のずれを補正するためにコンピュータを、
前記映像の前記画素ごとの前記第1、第2及び第3原色の明るさを示す第1、第2及び第3原色信号を入力する信号入力手段、
前記信号入力手段から入力された第1、第2及び第3原色信号の各々の前記画素に対応する、前記映像を撮影した際におけるレンズパラメータである撮影レンズパラメータを入力するレンズパラメータ入力手段、
前記レンズパラメータ入力手段から入力された撮影レンズパラメータに基づいて、前記補正データ記憶装置に記憶された補正データから、当該撮影レンズパラメータの値を挟む2つ以上のレンズパラメータの補正データを選定する補正データ選定手段、
この補正データ選定手段によって選定された補正データに基づいて、前記撮影レンズパラメータにおけるレンズの倍率色収差による各画素の前記第2及び第3原色の結像位置のずれを補正するための補正量を、補間して算出する補正量算出手段、
この補正量算出手段によって算出された補正量に基づいて、前記第2及び第3原色信号の各画素の明るさを示す画素値を補正する収差補正手段、
前記第1原色信号と、前記収差補正手段によって画素値が補正された第2及び第3原色信号とを出力する信号出力手段として機能させることを特徴とする倍率色収差補正プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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