説明

光ピックアップ装置

【課題】 回折格子をハウジングに取り付けるための部品点数及び作業工程を減らすことが可能な光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】 レーザ光源6と対物レンズ5との間の光軸上に介在し、レーザ光源6から出射されるレーザ光を回折する回折格子8と、回折格子8が収容される収容室20を有するハウジング2とを備え、収容室20は、回折格子8の格子面82において周期構造が繰り返される第1方向Aと直交する第2方向Bへ回折格子8が移動することを禁止する形状を呈する光ピックアップ装置1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ピックアップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、光ピックアップ装置のトラッキングエラー信号の検出方式として、インライン型DPP(Differential Push-Pull:差動プッシュプル)方式が知られている。このインライン型DPP方式では、分割された領域に夫々所定の周期構造が設けられた回折格子を用いてレーザ光源から出射されたレーザ光をメインビームとサブビームとに分離する。そして、これらの光ビームを対物レンズにより光ディスクの記録面上に集光してメインスポットとサブスポットを形成し、これらのスポットの反射光を夫々光検出器で受光する。この光検出器で検出される検出信号に基づいて演算を行うことでトラッキングエラー信号が得られる。
【0003】
このような、インライン型DPP方式では、所定の周期構造を有する少なくとも2つの領域に分割された回折格子を用いる。この場合、正確なトラッキング信号を得るためには、回折格子に照射されるレーザ光の光量が回折格子の分割された各領域で均等となるように、周期構造全体の中心を、レーザ光の光軸に略一致させる必要がある。そこで、回折格子の位置決め調整が可能な光ピックアップ装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。
【0004】
この光ピックアップ装置では、第1ホルダに回折格子が支持され、第1ホルダはレーザ光の光軸回りに回動可能に第2ホルダに結合されている。この第1ホルダ及び第2ホルダは、ハウジングに設けられた収容室に収容されている。収容室内では、第2ホルダに対して第1ホルダが回動可能であり、第1及び第2ホルダが回折格子の格子面において周期構造が繰り返される第1方向と直交する第2方向に移動可能になっている。つまり、調整治具等を用いて、第1ホルダを回動させることで、レーザ光に対して回折格子の格子面が回動調整される。また、第2ホルダを第2方向に移動させることで、回動調整とは独立に、レーザ光に対する回折格子の第2方向の位置が調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−97667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した光ピックアップ装置では、回折格子をハウジングに取り付けるために第1及び第2ホルダの2つの部品が必要となり、光ピックアップ装置が大型化してしまう虞があった。また、第1ホルダと第2ホルダを結合するための作業工程等が余分に必要となり、光ピックアップ装置の組み立て作業が煩雑となる虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決する主たる発明は、レーザ光源と対物レンズとの間の光軸上に介在し、前記レーザ光源から出射されるレーザ光を回折する回折格子と、前記回折格子が収容される収容室を有するハウジングとを備え、前記収容室は、前記回折格子の格子面において周期構造が繰り返される第1方向と直交する第2方向へ前記回折格子が移動することを禁止する形状を呈することを特徴とする光ピックアップ装置である。
【0008】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、回折格子をハウジングに取り付けるための部品点数及び作業工程を減らすことが可能な光ピックアップ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態にかかる光ピックアップ装置の斜視図である。
【図2】図1に示す光ピックアップ装置のカバー及び対物レンズホルダを省略した斜視図である。
【図3】図1に示す光ピックアップ装置における光学系を説明するための斜視図である。
【図4】図1に示す光ピックアップ装置における回折格子の格子面を示す図である。
【図5】対物レンズのトラッキング方向の移動量に対するトラッキングエラー信号のレベル変化を示す視野特性図である。
【図6A】図1に示す光ピックアップ装置の裏面側の斜視図である。
【図6B】図6Aに示す光ピックアップ装置の破線で囲まれた部分をa−a’で切断した拡大図である。
【図6C】図6Bに示す光ピックアップ装置の断面の正面図である。
【図6D】図6Aに示す光ピックアップ装置の破線で囲まれた部分の拡大図である。
【図7A】図1に示す光ピックアップ装置の反射ミラーの位置調整を説明するための図である。
【図7B】図7Aに示す光ピックアップ装置の反射ミラーの拡大図である。
【図8A】図7Aに示す光ピックアップ装置のハウジングと反射ミラーとの接着について説明するための斜視図である。
【図8B】図8Aに示す光ピックアップ装置の破線で囲まれた部分の拡大図である。
【図9A】ゴニオステージ及び反射ミラーの側面図である。
【図9B】図9Aに示すゴニオステージ及び反射ミラーの斜視図である。
【図9C】図7Aに示す光ピックアップ装置にゴニオステージが取り付けられた場合の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0012】
===光ピックアップ装置===
<<<全体構成について>>>
図1乃至図3を参照して本実施形態にかかる光ピックアップ装置1の全体構成について説明する。
【0013】
光ピックアップ装置1において、フォーカス方向Fは、例えば対物レンズ5においてレーザ光が透過する光軸方向とされている。また、トラッキング方向Trは、例えばフォーカス方向Fに直交し、不図示の光ディスクの半径方向とされている。このトラッキング方向Trは、光ディスクの内周側から外周側にかけた光ピックアップ装置1の移動方向、及び/又は、光ディスクの外周側から内周側にかけた光ピックアップ装置1の移動方向とされている。また、タンジェンシャル方向Tnは、例えばフォーカス方向Fに直交すると共に、光ディスクの半径方向とされ且つ光ピックアップ装置1の移動方向とされるトラッキング方向Trに直交し、光ディスクの略螺旋状/円周状方向とされている。
【0014】
また、光ディスクの近傍に位置し、側面視された光ピックアップ装置1を基準としたときに、光ディスクに対し、光ピックアップ装置1の対物レンズ5が近づいてゆく側をフォーカス方向Fの+側とし、対物レンズ5が遠ざかってゆく側をフォーカス方向Fの−側とする。また、光ディスクの近傍に位置し、平面視された光ピックアップ装置1の対物レンズ5を基準としたときに、光ディスクの内周側をトラッキング方向Trの+側とし、光ディスクの外周側をトラッキング方向Trの−側とする。また、光ディスクの近傍に位置し、平面視された光ピックアップ装置1の対物レンズ5を基準としたときに、時計回り方向側をタンジェンシャル方向Tnの+側とし、反時計回り方向側をタンジェンシャル方向Tnの−側とする。
【0015】
尚、この発明における各方向ならびに各方向の±側は、光ピックアップ装置1を基準として光ディスクを眺めたときの各方向ならびに各方向の±側とされている。この明細書における各方向ならびに各方向の±側等の定義は、光ピックアップ装置1を説明するための便宜上の定義とされている。
【0016】
光ピックアップ装置1は、ハウジング2に、対物レンズホルダ4と、対物レンズ5と、レーザ光源6と、ホルダ7と、回折格子8と、偏光ビームスプリッタ9と、1/4波長板10と、コリメータレンズ11と、反射ミラー12と、平行平板13、14と、光検出器15と、受光素子16とが収容されて構成されている。また、ハウジング2には、対物レンズ5及びこの対物レンズ5を支持する対物レンズホルダ4以外の構成を覆うように、カバー3が取り付けられている。そして、カバー3から露出する対物レンズ5に、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、Blu−ray(Blu-ray Disc)(登録商標)等の単層または複層の情報記録面(信号層)等を有する光ディスクが対向するようになっている。光ピックアップ装置1は、光ディスクの情報記録面にレーザ光を照射することにより、情報の記録、再生、消去等を行う。そこで、光ピックアップ装置1のレーザ光源6から夫々出射されるレーザ光の光学系の一例について説明する。
【0017】
レーザ光源6は、不図示のレーザドライバから制御電圧が印加されることで、CDの情報記録面に照射するための赤外波長帯(例えば765nm〜840nm)のレーザ光を出射する。また、レーザ光源6は、レーザドライバから制御電圧が印加されることで、DVDの情報記録面に照射するための赤色波長帯(例えば630nm〜685nm)のレーザ光を出射する。また、レーザ光源6は、レーザドライバから制御電圧が印加されることで、Blu−rayの情報記録面に照射するための青紫色波長帯(例えば400nm〜450nm)のレーザ光を出射する。つまり、不図示のターンテーブルにCD規格の第1光ディスク(不図示)が装着された場合、レーザ光源6から赤外波長帯のレーザ光が出射される。また、ターンテーブルにDVD規格の第2光ディスク(不図示)が装着された場合、レーザ光源6から赤色波長帯のレーザ光が出射される。また、ターンテーブルにBlu−ray規格の第3光ディスク(不図示)が装着された場合、レーザ光源6から青紫色波長帯のレーザ光が出射される。この光ピックアップ装置1は、例えば前記各種規格の光ディスクのうち少なくとも一種以上の規格の光ディスクに対応する。尚、以下、第1乃至第3光ディスクを光ディスクと総称する。
【0018】
このように、レーザ光源6は、レーザドライバから制御電圧が印加されることで、各種光ディスクの情報記録面に照射するためのレーザ光を出射する。光ピックアップ装置1は、このレーザ光源6からのレーザ光を、対物レンズ5を介して各種光ディスクの情報記録面に照射することで、情報の記録、再生、消去等を行う。そこで、光ピックアップ装置1のハウジング2に収容された光学系の各構成について、レーザ光源6から出射されたレーザ光が対物レンズ5を介して光ディスクに照射されるまでの光路(往路)と、光ディスクで反射されたレーザ光が光検出器15に受光されるまでの光路(復路)とにわけて説明する。
【0019】
<<<レーザ光の往路について>>>
先ず、レーザ光の往路に介在する構成について説明する。レーザ光源6から出射されたレーザ光は順に、ホルダ7に支持される回折格子8、偏光ビームスプリッタ9、1/4波長板10、コリメータレンズ11、反射ミラー12、対物レンズ5を介した後に光ディスクの情報記録面に照射される。
【0020】
レーザ光源6から出射されたレーザ光は、回折格子8によって回折され、1つのメインビームと少なくとも2つのサブビームとに分光される。尚、回折格子8は、格子面82がレーザ光の光軸と直交するようにホルダ7に支持された状態で、ハウジング2に設けられた第1収容室20に収容されている。回折格子8の具体的な構成と、ハウジング2に対するホルダ7の取り付け構造については後述する。
【0021】
回折格子8で分光されたレーザ光は、偏光ビームスプリッタ9によって1/4波長板10に向けて反射される。1/4波長板10に入射されたレーザ光は直線偏光から円偏光に変換される。円偏光に変換されたレーザ光はコリメータレンズ11に入射され略平行光に変換される。略平行光に変換されたレーザ光は、反射ミラー12によって対物レンズ5に向けて反射される。尚、反射ミラー12は、ハウジング2に設けられた第2収容室21に収容されている。ハウジング2に対する反射ミラー12の取り付け構造については後述する。対物レンズ5に入射されたレーザ光は、光ディスクの情報記録面に集光され、少なくとも3つの集光スポットとなる。
【0022】
尚、受光素子16は、レーザ光源6から出射されたレーザ光のうち、偏光ビームスプリッタ9を透過した成分を検出して、これに応じた信号を出力する。この信号に基づいて、レーザ光源6に対するフィードバックをかけるための信号が生成される。
【0023】
<<<レーザ光の復路について>>>
次に、レーザ光の復路に介在する構成について説明する。光ディスクの情報記録面上に形成された少なくとも3つの集光スポットから反射されたレーザ光は順に、対物レンズ5、反射ミラー12、コリメータレンズ11、1/4波長板10、偏光ビームスプリッタ9、平行平板13、平行平板14を介した後に光検出器15に受光される。
【0024】
光ディスクから反射されたレーザ光は、対物レンズ5によって略平行光に変換される。略平行光に変換されたレーザ光は、反射ミラー12によってコリメータレンズ11に向けて反射され、コリメータレンズ11によって収束光に変換される。収束光に変換されたレーザ光は、1/4波長板10によって円偏光から直線偏光に変換される。直線偏光に変換されたレーザ光は、偏光ビームスプリッタ9によって平行平板13に向けて透過され、平行平板13によって非点収差が補正される。非点収差が補正されたレーザ光は、平行平板14によって、フォーカスエラー成分となる非点収差が与えられると共に、偏光ビームスプリッタ9及び平行平板13で発生したコマ収差が補正された後、光検出器15に受光される。
【0025】
尚、レーザ光を受光した光検出器15は、レーザ光のメインビームの光量に応じて光電変換した電気信号を生成して不図示の処理回路に出力する。この結果、メインビームに応じた電気信号に基づいて、光ディスクの情報記録面からの情報再生が行われる。また、光検出器15は、レーザ光のサブビームの光量に応じて光電変換した電気信号を生成し、処理回路に出力する。この結果、レーザ光のメインビーム及びサブビームに応じた電気信号に基づいて、トラッキングエラー信号(TE信号)やフォーカスエラー信号(FE信号)等が生成される。これらの信号に基づいて、光ピックアップ装置1の対物レンズホルダ4がトラッキング方向Trやフォーカス方向Fに変位する。
【0026】
<<<回折格子について>>>
図4を参照しつつ、回折格子8の具体的な構成について説明する。回折格子8は、例えばレーザ光源6からのレーザ光を透過させるガラス/プラスチックを基材として形成され、例えばフォトエッチング等の加工等によって凹部80と凸部81とを交互に繰り返す周期構造が形成された格子面82を有している。この格子面82は、分割線8cを境界として接合される第1領域8aと第2領域8bとを備えて構成されている。第1領域8a及び第2領域8bの周期構造は、夫々分割線8cの方向に沿って繰り返され、互いの位相差が180度となっている。これによって、分割線8cを通るように、回折格子8にレーザ光を入射することで、レーザ光が1つのメインビームと、少なくとも互いに位相が180度異なる2つのサブビームとに分光される。回折格子8は、少なくとも第1領域8aと第2領域8bとの複数の領域を備える複数分割タイプの回折格子8として構成されている。例えば少なくとも第1領域8aと第2領域8bとの領域を備える偶数分割タイプの回折格子8が用いられることが好ましい。尚、回折格子8の格子面82において周期構造が繰り返される方向を第1方向Aとし、第1方向Aと直交する方向を第2方向Bとする。つまり、分割線8cは、回折格子8の第2方向Bにおける中心を第1方向Aに沿って伸びて第1領域8aと第2領域8bとを分割している。
【0027】
この回折格子8で分光された少なくとも3つのビームは、前述したように対物レンズ5によって光ディスクの情報記録面上に集光され、少なくとも3つの集光スポットとなる。インライン型DPP方式において、TE信号の精度を高めるためには、この少なくとも3つの集光スポットが、光ディスクの同一トラック上に形成される必要がある。少なくとも3つの集光スポットが光ディスクの同一トラック上に形成されるためには、少なくとも2つのサブビームの位相の対称性を高めるべく、レーザ光の光軸(レーザ光の強度中心点)が、回折格子8の分割線8c上を通り且つ基準位置にある場合の対物レンズ5の略中心を通ることが好ましい。基準位置とは、対物レンズ5がトラッキング方向Trの+側にも−側にも変位しておらず、対物レンズ5のトラッキング方向Trの移動量(以下単に移動量と称する)がゼロとなる位置である。
【0028】
ここで、図5を参照しつつ、回折格子8を通るレーザ光の光軸の位置と、対物レンズ5の移動量と、TE信号のレベル変化との関係について説明する。尚、図5は、対物レンズ5が基準位置にあるときにレーザ光が対物レンズ5の略中心を通る場合の、対物レンズ5の移動量に対するTE信号の振幅の劣化の度合いを示す視野特性図である。この視野特性図には、対物レンズ5が基準位置からトラッキング方向Trの+側に移動した場合と−側に移動した場合でのTE信号の対称性(視野特性の対称性)が示されている。視野特性の対称性が高いほどTE信号の精度が高められる。
【0029】
図5において、実線で示される曲線CPは、レーザ光の光軸が回折格子8の分割線8c上を通る場合のTE信号の視野特性である。曲線CPは、対物レンズ5が基準位置にあるときに極大値を示し、この極大値を中心に対物レンズ5の移動量の+側及び−側で略対称となっている。これに対して、点線で示す曲線CQ及び一点鎖線で示す曲線CRは夫々、レーザ光の光軸が回折格子8の分割線8c上から第1領域8a側にずれている場合及び第2領域8b側にずれている場合のTE信号の視野特性である。曲線CQ及び曲線CRはともに、対物レンズ5が基準位置にあるときに極大値を示さず、視野特性の対称性が曲線CRに比べて低下している。
【0030】
このため、光ピックアップ装置1では、TE信号の精度を高めるべく、レーザ光源6から出射されるレーザ光の光軸の位置と、回折格子8の分割線8cの位置とを予め考慮して、ハウジング2にホルダ7が取り付けられる。
【0031】
<<<ハウジングに対するホルダの取り付け構造について>>>
図6A乃至図6Dを参照しつつ、ハウジング2に対するホルダ7の取り付け構造について説明する。光ピックアップ装置1では、ホルダ7に支持される回折格子8がレーザ光源6と偏光ビームスプリッタ9との間の光軸上に介在するように、ハウジング2に設けられた第1収容室20にホルダ7が収容される。
【0032】
ホルダ7は、回折格子8の格子面82を露出させるように、この格子面82の外縁側を格子面82に直交する方向の両側から挟持している。また、ホルダ7は、第1収容室20に収容された際に、回折格子8の格子面82と直交する方向のレーザ光源6側に向かって突出する筒部材70を備えている。
【0033】
第1収容室20は、レーザ光の光軸が回折格子8の分割線8cを通るようにホルダ7を収容すると共に、収容したホルダ7が第2方向Bへ移動することを禁止する形状を呈している。具体的には、第1収容室20は、レーザ光源6から出射されるレーザ光の光軸と直交する壁20a、20bを備えている。これらの互いに対向する壁20a、20bには夫々レーザ光が通過するための切欠き20c、20dが形成されている。また、第1収容室20のレーザ光源6側の第1の壁20bの内面20fには、ホルダ7の筒部材70と回動可能に結合される筒部材20eが形成されている。筒部材20eは、レーザ光の光軸方向C(第3方向)に沿ってホルダ7側に向かって突出し、筒部材70の外径より僅かに長い内径を有している。筒部材20eの内面20fに筒部材70の外面7aが対向するように、筒部材20eと筒部材70とが嵌合されることで、ホルダ7は第1収容室20にレーザ光の光軸回りに回動可能に収容され、回折格子8は格子面82がレーザ光の光軸と直交するように配置される。また、第1収容室20内において、ホルダ7及び回折格子8が第2方向Bへ移動することが禁止される。尚、光軸方向Cとは、例えばレーザ光源6から出射され第1収容室20内に位置する回折格子8の分割線8cを透過するレーザ光の軸方向とされている。
【0034】
また、第1収容室20には、ホルダ7に対して、ホルダ7がレーザ光の光軸方向Cに移動することを禁止する弾性力を付与する板ばね17(板バネ/弾性体)がホルダ7と共に収容されている。尚、第1収容室20のレーザ光の光軸方向Cの長さL1は、同方向Cのホルダ7の長さL2よりも長くなっている。よって、第1収容室20の第2の壁20aに近い位置からホルダ7を挿入し、筒部材70を筒部材20eの内部20gに押し入れることで、第1収容室20の第2の壁20aとホルダ7との間に形成される空間20hに板ばね17が収容される。また、板ばね17は、回折格子8と対向する面17aが切り欠かれている。板ばね17によって、ホルダ7が第1収容室20の第1の壁20bに押し付けられることで、ホルダ7はレーザ光の光軸回りに回動可能なまま、レーザ光の光軸方向Cへの移動が禁止される。よって、不図示の調整治具等を用いて、ホルダ7を光軸回りに回動させることで、レーザ光の光軸に対する回折格子8の格子面82を回動調整することができる。この際、ホルダ7の第2方向B及びレーザ光の光軸方向Cへの移動は禁止されているため、回折格子8の回動調整にともなって、回折格子8が第2方向Bやレーザ光の光軸方向Cへ移動してしまうことを防止できる。
【0035】
このように、光ピックアップ装置1では、レーザ光源6から出射されるレーザ光の光軸が、回折格子8の分割線8c上を通るように、ハウジング2に対して第1収容室20が設けられている。これによって、例えば、回折格子8の回動調整と、第2方向Bの位置調整とを独立に行うためにホルダ7を2つの部品から構成する必要がなく、回折格子8をハウジング2に取り付けるための部品点数や作業工程を減らすことができる。また、部品点数を削減できる分、光ピックアップ装置1を小型化すること及び製造コストを削減することができる。
【0036】
ところで、光ピックアップ装置1では、TE信号の精度を高めるべく、予め、レーザ光源6と回折格子8との位置関係を考慮して設けられた第1収容室20に、第2方向Bへの移動が禁止された状態でホルダ7が収容される。しかし、TE信号の精度をより高めるためには、例えばハウジング2内の光学系における構成や組み立てによって生じたばらつきも考慮する必要がある。
【0037】
そこで、光ピックアップ装置1では、ハウジング2に反射ミラー12を取り付ける際に、実際の構成や組み立てによって生じたばらつきに応じて、反射ミラー12の反射面12aに対するレーザ光の反射角度を調整して、対物レンズ5を通るレーザ光の光軸の位置を調整する。
【0038】
<<<ハウジングに対する反射ミラーの取り付け構造について>>>
以下、図7A乃至図9Dを参照しつつ、ハウジング2に対するホルダ7の取り付け構造について説明する。光ピックアップ装置1では、反射ミラー12が、コリメータレンズ11と対物レンズ5との間のレーザ光の光軸上に介在するように、ハウジング2に設けられた第2収容室21に収容される。
【0039】
第2収容室21は、収容した反射ミラー12の反射面12aに対するレーザ光の反射角度、即ち、コリメータレンズ11からのレーザ光の光軸に対する反射ミラー12の反射面12aの角度(以下単に反射面12aの角度と称する)を調整することが可能な形状を呈している。具体的には、第2収容室21は、フォーカス方向Fの+側及びコリメータレンズ11と対向する側が開口する箱形状を呈している。また、第2収容室21は、壁面21a、21bと反射ミラー12との間に空間(隙間)21cが形成されるように、反射ミラー12よりも僅かに大きい形状を呈している。
【0040】
これによって、第2収容室21の内部21dにおいて、反射ミラー12の反射面12aのトラッキング方向Trの+側を、−側に対してフォーカス方向Fの+側(図7Bに矢印bで示す方向)に移動させることで、反射ミラー12で反射されたレーザ光の光軸をトラッキング方向Trの−側に移動させることができる。同様にして、図7Bに矢印cで示す方向に反射ミラー12を移動させることで、レーザ光の光軸をタンジェンシャル方向Tnの−側に移動させることができる。また、図7Bに矢印dで示す方向に反射ミラー12を移動させることで、レーザ光の光軸をトラッキング方向Trの+側に移動させることができる。また、図7Bに矢印eで示す方向に反射ミラー12を移動させることで、レーザ光の光軸をタンジェンシャル方向Tnの+側に移動させることができる。
【0041】
第2収容室21の内部21dにおいて、反射面12aの角度が調整された反射ミラー12は、接着剤によって第2収容室21のフォーカス方向Fの−側の壁面(底面)21bに対して固定される。接着剤は、紫外線が照射されることで硬化するUV(ultraviolet)硬化型の接着剤であり、例えば図8Bに示すように第2収容室21の底面上に少なくとも3つの接着スポット22a、22b、22cとして配置される。第2収容室21に収容された反射ミラー12は、先ず、UV照射前の接着スポット22a、22b、22cの上に載置される。次に、反射ミラー12は、光ピックアップ装置1の光学系における構成や組み立てによって生じたばらつきに応じて、前述した方向に反射面12aの角度が調整される。そして、調整された反射ミラー12の反射面12aの角度を維持したまま、接着スポット22a、22b、22cにUV照射を行う。これによって接着剤が硬化するため、反射面12aの角度が調整された状態で、ハウジング2に対して反射ミラー12が取り付けられる。
【0042】
<<<反射ミラーの反射面に対するレーザ光の反射角度の調整について>>>
以下、主に図9A乃至図9Cを参照して、光ピックアップ装置1の光学系における構成や組み立てによって生じたばらつきに応じて、反射ミラー12の反射面12aの角度を調整する方法の一例について説明する。
【0043】
本実施形態では、ゴニオステージ30及び不図示のオートコリメータを用いて第2収容室21に反射ミラー12を収容し、反射面12aの角度を調整しつつ、ハウジング2に反射ミラー12を取り付ける。この際に、レーザ光の往路において、レーザ光源6から反射ミラー12までの構成に生じたばらつきに応じて、反射ミラー12の反射面12aの角度を調整することで、対物レンズ5を通るレーザ光の光軸の位置を調整する。
【0044】
ゴニオステージ30は、本体34と、本体34に備えられる調節摘み(調節ツマミ)32、33と、本体34に備えられる吸着部材31とを備えている。調節摘み32を回動させることで、本体34のステージ34aを図9Bに矢印gで示す方向に移動させることができる。また、調節摘み33を回動させることで、本体34のステージ34aを図9Aに矢印fで示す方向に移動させることができる。吸着部材31は、一端が本体34のステージ34aに取り付けられ、ステージ34aに連動する。また、吸着部材31の他端は、不図示の吸着パッド等が取り付けられ、この吸着パッドによって反射ミラー12の反射面12aに対して着脱可能となっている。
【0045】
オートコリメータは反射ミラー12に調整用のレーザ光を照射し、その反射光の光軸の位置(測定位置)と、目的とする角度に反射ミラー12を傾けたときに得られる反射光の光軸の位置(目標位置)とを不図示のモニタ等に表示する。よって、例えば、オートコリメータのモニタの表示を確認しつつ、ゴニオステージ30の調整摘み32、33を回動させることで、反射ミラー12の反射面12aの角度を目標とする角度へと調整できる。
【0046】
以下、ゴニオステージ30及びオートコリメータによって、反射ミラー12からのレーザ光の光軸が、基準位置の対物レンズ5の略中心を通るように、反射ミラー12の反射面12aの角度を調整する場合について説明する。
【0047】
先ず、ハウジング2内に反射ミラー12及び対物レンズ5を除く光学系を組み込む。そして、レーザ光源6からレーザ光を出射させ、回折格子8、偏光ビームスプリッタ9、1/4波長板10、コリメートレンズ11を介して、反射ミラー12から反射されたレーザ光の光軸のフォーカス方向Fに対する角度(検出光軸角度)を検出する。この検出光軸角度には、レーザ光源6から反射ミラー12までの構成にばらつきが生じていた場合、対物レンズ5の中心位置を通るレーザ光の光軸のフォーカス方向Fに対する角度(目標光軸角度)との間にずれが生じている。よって、この検出光軸角度と目標光軸角度とのずれ量に応じて、反射ミラー12からのレーザ光の光軸の位置が対物レンズ5の中心位置と略一致するように、オートコリメータに目標位置を設定する。
【0048】
次に、図9Cに示すように、光ピックアップ装置1に対して、吸着部材31の他端に反射ミラー12を取り付けた状態で、本体34を対物レンズ5が取り付けられる方向と平行になるように設置する。また、オートコリメータの反射ミラー12に調整用のレーザ光を照射し、測定位置と、設定した目標位置とをモニタに表示する。このモニタを確認しつつ、目標位置に測定位置が略一致するように、ゴニオステージ30の調整摘み32、33を回動させる。尚、調節摘み32を回動させることで、図7Bに矢印b又は矢印dで示す方向に反射ミラー12を移動させることができる。また、調節摘み33を回動させることで、図7Bに矢印c又は矢印eで示す方向に反射ミラー12を移動させることができる。
【0049】
これによって、反射ミラー12の反射面12aの角度を目標とする角度に調整する。そして、ゴニオメータ30の吸着部材31に反射ミラー12が吸着されている状態で、接着スポット22a、22b、22cにUV照射を行う。これによって接着剤が硬化すると、反射ミラー12の反射面12aが調整され、この反射面12aに対するレーザ光の反射角度が調整される。このため、反射ミラー12からのレーザ光の光軸が対物レンズ5の略中心を通るように、ハウジング2に対して反射ミラー12を取り付けることができる。
【0050】
尚、ここでは、反射ミラー12からのレーザ光の光軸が対物レンズ5の略中心を通るように、反射ミラー12の反射面12aの角度を調整する場合について説明した。しかし、例えばレーザ光源6から出射されるレーザ光の光軸の位置と、回折格子8の分割線8cの位置とにばらつきが生じていた場合、この回折格子8を通るレーザ光の光軸の位置に応じて、反射ミラー12の反射面12aの角度を調整してもよい。これによって、よりTE信号の精度を高めることができる。
【0051】
例えば、図5に示す曲線CQは、レーザ光の光軸が回折格子8の分割線8cよりも第1領域8a側にずれている場合のTE信号の視野特性であるが、対物レンズ5がトラッキング方向Trの−側に約−0.1mm移動したときに極大値を示している。このため、基準位置の対物レンズ5を通るレーザ光の光軸の位置を、対物レンズ5の中心位置からトラッキング方向Trの例えば+側に移動させることで、曲線CQの視野特性の対称性を向上させ、TE信号の精度を高めることができる。
【0052】
同様に図5に示す曲線CRについては、基準位置の対物レンズ5を通るレーザ光の光軸の位置を、対物レンズ5の中心位置からトラッキング方向Trの例えば−側に移動させることで、視野特性の対称性を向上させ、TE信号の精度を高めることができる。
【0053】
以上より、本実施形態に係る光ピックアップ装置1は、少なくとも、レーザ光源6と対物レンズ5との間の光軸上に介在し、レーザ光源6から出射されるレーザ光を回折する回折格子8と、回折格子8が収容される第1収容室20を有するハウジング2と、を備え、第1収容室20は、回折格子8の格子面82において周期構造が繰り返される第1方向Aと直交する第2方向Bへ回折格子8が移動することを禁止する形状を呈していればよい。
【0054】
この光ピックアップ装置1によれば、予め、レーザ光源6から出射されるレーザ光の光軸が回折格子8の分割線8c上を通るように、レーザ光源6と回折格子8との位置関係を考慮してハウジング2に第1収容室20を設けている。そして、第1収容室20に、第2方向Bへの移動が禁止された状態で、ホルダ7が収容される。これによって、例えば、回折格子8の回動調整と、第2方向Bの位置調整とを独立に行うためにホルダ7を2つの部品から構成する必要がなく、回折格子8をハウジング2に取り付けるための部品点数や作業工程を減らすことができる。また、部品点数を削減できる分、光ピックアップ装置1を小型化すること及び製造コストを削減することができる。
【0055】
また、前述した光ピックアップ装置1において、第1収容室20に収容されている回折格子8に対し、回折格子8が光軸方向Cに移動することを禁止する弾性力を付与する板ばね17を備えている。この光ピックアップ装置1によれば、第1収容室20内において、回折格子8を、レーザ光の光軸回りに回動可能且つ、光軸方向Cへの移動を禁止するように固定できる。これによって、回折格子8の回動調整にともなって、回折格子8が光軸方向Cへ移動してしまうことを簡単な構成で防止でき、TE信号の精度の低下等を容易に防止することができる。
【0056】
また、本実施形態にかかる光ピックアップ装置1は、少なくとも、レーザ光源6と対物レンズ5との間の光軸上に介在し、レーザ光源6から出射されるレーザ光を回折する回折格子8と、回折格子8と対物レンズ5との間の光軸上に介在し、レーザ光が対物レンズ5に向かうようにレーザ光を反射する反射ミラー12と、回折格子8が収容される第1収容室20と、反射ミラー12が収容される第2収容室21と、を有するハウジング2と、を備え、第2収容室21は、レーザ光が対物レンズ5の略中心を透過するように反射ミラー12の反射面12aに対するレーザ光の反射角度を調整可能な形状を呈していればよい。
【0057】
この光ピックアップ装置1によれば、ハウジング2内の光学系における構成や組み立てによって生じたばらつきを考慮して、反射ミラー12からのレーザ光の光軸が対物レンズ5の略中心を透過するように、反射ミラー12の反射面12aの角度を調整することができる。即ち反射ミラー12の反射面12aに対するレーザ光の反射角度を調整することができる。これによって、回折格子8をハウジング2に取り付けるための部品点数や作業工程を減らすことができると共に、TE信号等の精度を高めることができる。
【0058】
また、前述した光ピックアップ装置1において、第2収容室21は、回折格子8の格子面82において周期構造が繰り返される第1方向A及び第1方向Aと直交する第2方向Bの少なくとも何れか一方に対応する方向へ、反射ミラー12の反射面12aに対するレーザ光の反射角度を調整可能な形状を呈している。
【0059】
この光ピックアップ装置1によれば、レーザ光源6から出射されるレーザ光の光軸の位置と、回折格子8の分割線8cの位置とにばらつきが生じていた場合、この回折格子8を通るレーザ光の光軸の位置に応じて、反射ミラー12の反射面12aの角度を調整できる。具体的には、回折格子8の第1方向Aは、タンジェンシャル方向Tnに光学的に対応し、回折格子8の第2方向Bは、トラッキング方向Trに光学的に対応している。そこで、例えば、回折格子8の第2方向Bにおいて、レーザ光の光軸が通る位置が分割線8cからずれた場合、このずれ量に応じて、反射ミラー12からのレーザ光の光軸がトラッキング方向Trに移動するように、反射ミラー12を図7Bに矢印b又は矢印dで示す方向に移動させる。これによって、TE信号の視野特性の対称性を高めることができ、TE信号の精度を高めることができる。
【0060】
また、前述した光ピックアップ装置1において、反射ミラー12の反射面12aに対するレーザ光の反射角度は、ゴニオステージ30により調整される。この光ピックアップ装置1では、ゴニオステージ30及びオートコリメータを用いて、簡易且つ容易に反射ミラー12の反射面12aの角度を調整できる。
【0061】
前述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更や改良等が可能であり、また本発明はその等価物も含むものである。
【0062】
前述した光ピックアップ装置1では、対物レンズホルダ4は、例えば、第1、第2及び/又は第3光ディスクにレーザ光を集光する対物レンズ5を1つ保持することとしたが、特にこれに限定されるものではない。例えば、対物レンズホルダ4は、第1及び第2光ディスクにレーザ光を集光する第1対物レンズ(不図示)と、第3光ディスクにレーザ光を集光する第2対物レンズ(不図示)との2つの対物レンズを、例えば光ディスクの半径方向ここではトラッキング方向Trに略沿って並んだ状態で保持していてもよい。また、対物レンズホルダ4は、第1及び第2光ディスクにレーザ光を集光する第1対物レンズ(不図示)と、第3光ディスクにレーザ光を集光する第2対物レンズ(不図示)との2つの対物レンズを、光ディスクのタンジェンシャル方向Tnに略沿って並んだ状態で保持していてもよい。
【0063】
また、光ピックアップ装置1は、第1光ディスク用の光学系を備えていなくてもよい。また、光ピックアップ装置1は、第2光ディスク用の光学系を備えていなくてもよい。また、光ピックアップ装置1は、第3光ディスク用の光学系を備えていなくてもよい。
【0064】
また、2つの第1領域8aおよび第2領域8bを備える2分割タイプの回折格子8に代えて、3つの領域を備える3分割タイプの回折格子(不図示)が用いられてもよい。また、例えば、2つの第1領域8aおよび第2領域8bを備える2分割タイプの回折格子8に代えて、4つの領域を備える4分割タイプの回折格子(不図示)が用いられてもよい。このように複数の領域を備える複数分割タイプの回折格子が使用可能とされている。
【符号の説明】
【0065】
1…光ピックアップ装置、2…ハウジング、3…カバー、4…対物レンズホルダ、5…対物レンズ、6…レーザ光源、7…ホルダ、7a…外面、8…回折格子、8a…第1領域、8b…第2領域、8c…分割線、9…偏光ビームスプリッタ、10…1/4波長板、11…コリメータレンズ、12…反射ミラー、12a…反射面、13,14…平行平板、15…光検出器、16…受光素子、17…板ばね、17a…面、20…第1収容室、20a…第2の壁、20b…第1の壁、20c,20d…切欠き、20e,70…筒部材、20f…内面、20g,21d…内部、20h,21c…空間、21…第2収容室、21a,21b…壁面、22a,22b,22c…接着スポット、30…ゴニオステージ、31…吸着部材、32,33…調節摘み、34…本体、34a…ステージ、80…凹部、81…凸部、82…格子面、A…第1方向、B…第2方向、C…光軸方向、F…フォーカス方向、L1,L2…長さ、Tn…タンジェンシャル方向、Tr…トラッキング方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源と対物レンズとの間の光軸上に介在し、前記レーザ光源から出射されるレーザ光を回折する回折格子と、
前記回折格子が収容される収容室を有するハウジングと、
を備え、
前記収容室は、前記回折格子の格子面において周期構造が繰り返される第1方向と直交する第2方向へ前記回折格子が移動することを禁止する形状を呈する
ことを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項2】
前記収容室に収容されている前記回折格子に対し、前記回折格子が前記光軸方向に移動することを禁止する弾性力を付与する弾性体、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
【請求項3】
レーザ光源と対物レンズとの間の光軸上に介在し、前記レーザ光源から出射されるレーザ光を回折する回折格子と、
前記回折格子と前記対物レンズとの間の光軸上に介在し、前記レーザ光が前記対物レンズに向かうように前記レーザ光を反射する反射ミラーと、
前記回折格子が収容される第1収容室と、前記反射ミラーが収容される第2収容室と、を有するハウジングと、
を備え、
前記第2収容室は、前記レーザ光が前記対物レンズの略中心を透過するように前記反射ミラーの反射面に対する前記レーザ光の反射角度を調整可能な形状を呈する
ことを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項4】
前記第2収容室は、前記回折格子の格子面において周期構造が繰り返される第1方向及び前記第1方向と直交する第2方向の少なくとも何れか一方に対応する方向へ、前記反射ミラーの前記反射面に対する前記レーザ光の反射角度を調整可能な形状を呈する
ことを特徴とする請求項3に記載の光ピックアップ装置。
【請求項5】
前記反射ミラーの前記反射面に対する前記レーザ光の前記反射角度は、ゴニオステージにより調整される
ことを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−69353(P2013−69353A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140864(P2010−140864)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】