説明

光ファイバ端子、端子付光ファイバケーブル、光コネクタ、及びコネクタ付光ファイバケーブル

【課題】側圧や曲げが作用しても確実な通信を実現できる耐久性の高い光ファイバ端子、端子付光ファイバケーブル、光コネクタ、及びコネクタ付光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
【解決手段】光ファイバ素線110と、光ファイバ素線110の周囲に複数本配置された線状の抗張力体120と、これらを被覆するケーブル外被覆部130とで構成する光ファイバケーブル100の先端において、先端面からファイバ先端面111cが露出する態様で光ファイバ素線110の挿通を許容する挿通孔216を有する筒状のフェルール210と、フェルール210とケーブル外被覆部130の先端付近とを接続固定するカシメリング400とで構成し、フェルール210の後部を、筒状の周方向全体に亘って抗張力体120の配置を許容する台座部214とする光ファイバ端子200を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御信号、画像信号、音声信号等の情報信号の伝送に使用される伝送路を構成する光ファイバ端子、端子付光ファイバケーブル、光コネクタ、及びコネクタ付光ファイバケーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の車両内での制御信号、画像信号、音声信号等の通信情報量の増大に伴い、情報信号の伝送に使用される伝送路に、従来のメタルケーブルに代えて、例えば、特許文献1、2に示すように、光ファイバケーブルが用いられている。
【0003】
このような光ファイバケーブルは、メタルケーブルのように通信速度の高速化により周囲にノイズを放出するという問題もなく、高速、大容量情報通信用の信号伝送路として適している。
【0004】
通常、光ファイバケーブルは端部に光コネクタを備え、光コネクタにより光ファイバケーブル同士や、通信対象となる装置と光ファイバケーブルとを接続している。なお、光ファイバケーブル同士の接続をWire to Wire接続という。
【0005】
また、従来の光コネクタでは、光コネクタと光ファイバケーブルとを接続する場合に、かしめリングなどのかしめ部材を用いて、例えばストップリングと光ファイバケーブルとをかしめて固定していた(特許文献3、4参照)。
【0006】
このような光ファイバケーブルを車両内のワイヤーハーネスとして用いて通信を行なう装置は、一般的に、ルーフ部、フロア部、エンジン周り、インパネ周り等の車両の各構成単位に配置されていることが多い。したがって、これらの通信装置間を接続するワイヤーハーネスの接続に用いる光コネクタは、車両の製造の際のアセンブリ工程や組付け工程、あるいは点検整備等の際に何度も着脱を繰り返され、その際に引っ張り等の強い衝撃を受ける場合がある。
また、配索経路によっては、光ファイバケーブルを曲げる必要がある。
【0007】
なお、光コネクタは、車両の走行時の振動、衝撃等も受けることとなり、特に、曲げて配索した光ファイバケーブルにおける光コネクタには曲げ方向の力や側圧が作用するが、そのような状態でも確実な通信を実現できるとともに、過酷な環境下で長い年月の使用に耐えることのできる耐久性が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−107573号公報
【特許文献2】特許第3813496号公報
【特許文献3】特開平11−218642号公報
【特許文献4】特開2004−77603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこでこの発明は、側圧や曲げが作用しても確実な通信を実現できる耐久性の高い光ファイバ端子、端子付光ファイバケーブル、光コネクタ、及びコネクタ付光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、光ファイバを素線被覆で被覆した光ファイバ素線と、該光ファイバ素線の長手方向に沿うとともに、前記光ファイバ素線の周囲に複数本配置された線状の抗張力体と、前記光ファイバ素線及び前記抗張力体を被覆するケーブル被覆部とで構成するとともに、先端側から順に、前記光ファイバ、前記素線被覆及び前記抗張力体がそれぞれ所定長さ露出された光ファイバケーブルの先端において、先端面から光ファイバの先端面が露出する態様で前記光ファイバ素線の挿通を許容する挿通空間を有する前記筒状の端子本体と、該端子本体と前記ケーブル被覆部の先端付近とを接続固定する接続固定部材とで構成し、前記端子本体後部を、筒状の周方向全体に亘って前記抗張力体の配置を許容する抗張力体配置部とし、前記接続固定部材を、前記抗張力体配置部において周方向全体に亘って配置された前記抗張力体ごと前記端子本体を周方向外側からかしめる第1カシメ部と、前記ケーブル被覆部を外周側からかしめる第2カシメ部と、前記第1カシメ部と前記第2カシメ部とを連結する連結部とで構成した光ファイバ端子であることを特徴とする。
上記光ファイバは、ガラス製光ファイバ、あるいはプラスチック製光ファイバ等で構成することができる。
【0011】
この構成により、側圧や曲げが作用しても確実な通信を実現することができるとともに、耐久性を向上することができる。
詳しくは、端子本体後部を、筒状の周方向全体に亘って前記抗張力体の配置を許容する抗張力体配置部とし、前記接続固定部材の第1カシメ部で、前記抗張力体配置部において周方向全体に亘って配置された前記抗張力体ごと前記端子本体を周方向外側からかしめるため、側圧や曲げが作用しても確実な通信を実現することができるとともに、耐久性を向上することができる。
【0012】
この発明の態様として、端子本体における先端に、前記挿通空間と連通するとともに、前記光ファイバの挿通を許容するファイバ挿通部を備え、前記挿通空間において、前記光ファイバ素線の前記素線被覆を、前記筒状体の軸方向に固定する素線被覆固定手段を備え、前記抗張力体配置部を、線状の前記抗張力体の前記軸方向の配置を許容する構成とすることができる。
【0013】
上記筒状体の軸方向は、筒状体の長手方向とすることができる。
この構成により、側圧や曲げが作用しても、さらに確実な通信を実現することができるとともに、耐久性をより向上することができる。
【0014】
詳しくは、端子本体における先端に、前記挿通空間と連通するとともに、前記光ファイバの挿通を許容するファイバ挿通部を備えているため、光ファイバケーブルの先端に光ファイバ端子を装着した状態において、光ファイバをファイバ挿通部に挿通し、前記挿通空間において、素線被覆固定手段により前記光ファイバ素線の前記素線被覆を前記筒状体の軸方向に固定するとともに、前記抗張力体配置部において、線状の前記抗張力体の前記軸方向の配置することにより、側圧や曲げが作用してもさらに確実な通信を実現することができるとともに、耐久性をより向上することができる。
【0015】
またこの発明は、光ファイバを素線被覆で被覆した光ファイバ素線と、該光ファイバ素線の長手方向に沿うとともに、前記光ファイバ素線の周囲に複数本配置された線状の抗張力体と、前記光ファイバ素線及び前記抗張力体を被覆するケーブル被覆部とで構成し、先端側から順に、前記光ファイバ、前記素線被覆及び前記抗張力体がそれぞれ所定長さ露出された光ファイバケーブルの先端において、
先端面から光ファイバの先端面が露出する態様で前記光ファイバ素線を前記挿通空間に挿通するとともに、前記抗張力体配置部において、筒状の周方向全体に亘って前記抗張力体を配置し、前記抗張力体配置部において周方向全体に亘って配置された前記抗張力体ごと前記端子本体を第1カシメ部で周方向外側からかしめ、第2カシメ部で前記ケーブル被覆部を外周側からかしめて、上記光ファイバ端子を前記接続固定部材で固定した端子付光ファイバケーブルであることを特徴とする。
この構成により、側圧や曲げが作用しても確実な通信を実現することができるとともに、耐久性を向上することができる。
【0016】
さらにまたこの発明は、嵌合可能な雄雌の一対構成であり、嵌合した際に対応する前記光ファイバの先端面同士が対面する態様で、上記光ファイバ端子を保持するハウジングと、嵌合した際に、嵌合状態を固定する嵌合固定手段とを備えた光コネクタであることを特徴とする。
この構成により、端子付光ファイバケーブルに装着するとともに嵌合した状態において、側圧や曲げが作用しても確実な通信を実現することができるとともに、耐久性を向上することができる。
【0017】
この発明の態様として、前記ハウジングに、前記光ファイバ端子の先端面側への移動を規制する規制面を備えることができる。
この構成により、端子付光ファイバケーブルに装着するとともに嵌合した状態において、より確実な通信を実現することができるとともに、耐久性を向上することができる。
詳しくは、前記光ファイバ端子の先端面側への移動を規制する規制面を備えたことにより、端子付光ファイバケーブルに装着するとともに嵌合した状態において、光ファイバの先端面同士の相対位置関係を確保することができ、より確実な通信を実現することができるとともに、耐久性を向上することができる。
【0018】
また、この発明は、上記端子付光ファイバケーブルの前記光ファイバ端子を、上記光コネクタの前記ハウジングで保持したコネクタ付光ファイバケーブルであることを特徴とする。
この構成により、光コネクタ同士を嵌合した状態において、より確実な通信を実現することができるとともに、耐久性を向上することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、側圧や曲げが作用しても確実な通信を実現できる耐久性の高い光ファイバ端子、端子付光ファイバケーブル、光コネクタ、及びコネクタ付光ファイバケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】コネクタ付光ファイバケーブルの概略図。
【図2】端子付光ファイバケーブルの分解図。
【図3】光ファイバ素線の概略構造図。
【図4】光ファイバ固定部材のフェルールへの挿入についての説明図。
【図5】端子付光ファイバケーブルの分解図。
【図6】カシメリングについての説明図。
【図7】カシメリングのかしめ状態についての説明図。
【図8】コネクタ付光ファイバケーブルを用いた車載通信システム概略図。
【図9】オス型コネクタ付光ファイバケーブルとメス型コネクタ付光ファイバケーブルとを嵌合した状態の概略図。
【図10】別の実施形態の光ファイバ端子の斜視図。
【図11】別の実施形態の光ファイバ端子を用いたオス型コネクタ付光ファイバケーブルと、メス型光コネクタを備えた制御基板との接続についての分解斜視図。
【図12】別の実施形態の光ファイバ端子を用いたオス型コネクタ付光ファイバケーブルと、基板用メス型光コネクタとの接続状態における斜視図。
【図13】別の実施形態の光ファイバ端子を用いたオス型コネクタ付光ファイバケーブルと、基板用メス型光コネクタとの接続状態における断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
この発明の一実施形態を以下図面とともに説明する。
図1はコネクタ付光ファイバケーブル1の概略図を示し、図2は端子付光ファイバケーブル10の分解図を示している。詳しくは、図1はコネクタ付光ファイバケーブル1の一部を切り欠いた状態の斜視図を示している。
【0022】
図3は光ファイバ素線110の概略構造図を示し、図4は光ファイバ固定部材300のフェルール210への挿入についての説明図を示している。詳しくは、図3は光ファイバ素線110の先端部分の拡大斜視図による概略構造図を示しており、図4はフェルール210における固定部材装着凹部230における断面図による説明図を示している。
【0023】
図5は端子付光ファイバケーブル10の分解図を示し、図6はカシメリング400についての説明図を示し、図7はカシメリング400のかしめ状態についての説明図を示している。
【0024】
詳しくは、図5は、光ファイバケーブル100にフェルール210を接続し、カシメリング400でかしめた状態の斜視図を示し、図6はカシメリング400でかしめた状態の平面図を示し、図7はカシメリング400のかしめ状態の断面図を示している。
【0025】
図8は、コネクタ付光ファイバケーブル1を用いた車載通信システム1000の概略図を示し、図9はオス型コネクタ付光ファイバケーブル1aとメス型コネクタ付光ファイバケーブル1bとを嵌合した状態における一部を切り欠いた状態の斜視図による概略図を示している。
【0026】
コネクタ付光ファイバケーブル1は、光コネクタ20を端子付光ファイバケーブル10に装着して構成し、端子付光ファイバケーブル10は、光ファイバケーブル100に光ファイバ端子200を装着して構成している。
【0027】
光ファイバケーブル100は、図2に示すように、光ファイバ素線110と、光ファイバ素線110の外周に長手方向に沿って配置された抗張力体120と、抗張力体120の外側を長手方向に沿って覆うケーブル外被覆部130とで構成している。
【0028】
光ファイバ素線110は、ガラス製のファイバである光ファイバ111と、光ファイバ111の外周に長手方向に沿って形成されて光ファイバ111を被覆する素線ケーブル被覆部112とで構成している。なお、素線ケーブル被覆部112は例えばポリアミド樹脂で構成している。
【0029】
より詳しくは、図3に示すように、光ファイバ111は、石英系ガラスからなるコア部111aと、コア部111aの外周に形成され、コア部111aよりも屈折率が低い硬質プラスチックからなるクラッド部111bとで構成する、いわゆるHCS(Hard Clad Silica)光ファイバである。コア部111aのコア径は例えば200μm、クラッド部111bのクラッド径は例えば230μmであり、850nmの光信号を低損失、広帯域で伝送し、かつ低曲げ損失であり、繰り返しの曲げ、引っ張り動作にも強いように設計している。さらに、光ファイバ111の先端面をファイバ先端面111cとしている。
抗張力体120は、例えばケブラー(登録商標)等のアラミド樹脂繊維からなり、光ファイバ素線110の外周を囲むように複数本配置している。
【0030】
このように構成した光ファイバケーブル100の先端において、素線ケーブル被覆部112及びケーブル外被覆部130の一部を除去して、光ファイバ111、素線ケーブル被覆部112、及び抗張力体120のそれぞれを所定の長さ分露出し、後述する光ファイバ端子200を装着可能に構成している。
【0031】
上述の光ファイバケーブル100の先端に装着する光ファイバ端子200は、筒体であるフェルール210と、抗張力体固定部材としてのかしめ部材であるカシメリング400と、保護ブーツ500とで構成している。
【0032】
フェルール210は、図2及び図3に示すように、全体的に円筒形状で形成され、先端側から順に、先端筒部211と、外周に沿って形成された鍔部212と、光ファイバ固定部材300の嵌着を許容する固定部材装着凹部230を有するフェルール本体部213と、台座部214とで構成している。
【0033】
フェルール210は、例えば耐熱性、機械強度、成型性に優れるポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)で構成している。
先端筒部211は、フェルール先端面211aを有するとともに、フェルール本体部213よりひとまわり小さな径の円筒状である。
【0034】
鍔部212は、先端筒部211の後端側に配置され、フェルール本体部213とほぼ同じ径で形成されるとともに、フェルール本体部213との間に溝部215を形成している。
フェルール本体部213は、全体の半分程度の長さを有する筒体であり、長手方向中央上部に、後述する光ファイバ固定部材300の嵌着を許容する固定部材装着凹部230を備えている。
【0035】
台座部214は、フェルール先端面211aと反対側の端部に位置しており、外周に沿って形成された凸部214aによって、その表面が凹凸状になっている。なお、台座部214は、露出された抗張力体120を、長手方向、すなわち光ファイバ端子200の軸方向に配置することを許容する長さに形成している。
【0036】
また、フェルール210には、先端筒部211のフェルール先端面211aから台座部214の後端まで貫通するように、光ファイバケーブル100の光ファイバ素線110の挿通を許容する挿通孔216を形成している。なお、挿通孔216において先端筒部211に対応する部分は、光ファイバ111のみの挿通を許容するファイバ挿通孔216aとしている。
【0037】
ファイバ挿通孔216aの直径は、光ファイバ111の外径よりわずかに大きく形成され、その他の挿通孔216(ただし後述する固定部材装着凹部230を除く)では光ファイバ素線110の外径と略一致するか僅かに大きく設定している。また、挿通孔216は、固定部材装着凹部230と連通し、光ファイバ固定部材300が嵌着されていない状態では、上方が開放されている。
【0038】
固定部材装着凹部230は、後述する光ファイバ固定部材300を嵌着したときに、固定部材装着凹部230の内側壁と光ファイバ固定部材300の外側壁とが略隙間無く接触するような形状で形成するとともに、挿通孔216と連通する固定部材装着凹部230は、フェルール210に挿通された光ファイバケーブル100の素線ケーブル被覆部112の部分が露出する程度の深さで形成している。
【0039】
さらに、図4に示すように、固定部材装着凹部230の底面には支持台231が光ファイバ素線110の挿通方向、つまりフェルール本体部213の長手方向(軸方向)に沿って形成されており、支持台231は挿通孔216に挿通された光ファイバ素線110を支持することができる。なお、支持台231の上面は平面でも、光ファイバ素線110の位置決めするためのV溝あるいはU溝で形成してもよい。
【0040】
固定部材装着凹部230に挿入・嵌着する光ファイバ固定部材300は、図4に示すように、正面視略逆U字型、且つ固定部材装着凹部230と略同じ長さに形成し、下側中央に、光ファイバ素線110を把持するための把持溝301を有し、把持溝301内には溝内凹凸部302を形成している。
【0041】
カシメリング400は、例えばアルミニウム等の金属材料で構成し、台座部214の外径と略同じ内径で形成した第1カシメ部401と、光ファイバケーブル100の外径と略同じ内径で形成した第2カシメ部402、並びに、径の異なる第1カシメ部401と第2カシメ部402とを連結する段差連結部403とを備えている。
【0042】
詳しくは、第1カシメ部401はフェルール210の台座部214をかしめる部分であり、第2カシメ部402は光ファイバケーブル100のケーブル外被覆部130をかしめる部分である。段差連結部403は、大径である第1カシメ部401と小径である第2カシメ部402とを連結する部分である。カシメリング400には、第1カシメ部401から段差連結部403を経由して第2カシメ部402にわたってスリット404を形成している。
【0043】
保護ブーツ500は、図5に示すように、例えばゴムや弾性を有するプラスチックで構成し、先端側から後端側に向かって径が小さくなる円錐台形状であり、内部に光ファイバケーブル100及びカシメリング400の第2カシメ部402に挿通を許容する挿通空間501を備えるとともに、後端側の外周には、周方向において全周の1/3程度のスリット502を周方向及び長手方向に所定間隔を隔てて複数備えている。
【0044】
なお、挿通空間501の先端側の内径は、カシメリング400の第2カシメ部402の外径と略同じ内径であり、挿通空間501の後端側は光ファイバケーブル100の外径と略同じ内径で形成している。
【0045】
続いて、上述のように構成した光ファイバケーブル100、及び光ファイバ端子200を用いて端子付光ファイバケーブル10を構成するための組付けについて説明する。
まず、端子付光ファイバケーブル10を構成するにあたり、光ファイバケーブル100に保護ブーツ500、カシメリング400をこの順で、先端側から挿通するとともに、光ファイバケーブル100の先端部のケーブル外被覆部130及び素線ケーブル被覆部112とを一部除去し、光ファイバ素線110と抗張力体120を所定の長さ露出させ、さらに光ファイバ素線110から光ファイバ111を所定の長さ露出させる。
【0046】
続いて、光ファイバケーブル100の先端部の光ファイバ111及び光ファイバ素線110を、フェルール210の台座部214側から挿通孔216に挿通する。このとき、ファイバ挿通孔216aに挿通された光ファイバ111のファイバ先端面111c(図1参照)はフェルール210のフェルール先端面211aから露出し、ファイバ先端面111cとフェルール先端面211aとがほぼ同一平面となるように挿通する。なお、挿通孔216における固定部材装着凹部230の位置には光ファイバ素線110が位置し、光ファイバ素線110は支持台231に支持されることとなる。
【0047】
つぎに、光ファイバ固定部材300を固定部材装着凹部230に挿入して、光ファイバ素線110をフェルール210に固定する。
詳しくは、光ファイバ固定部材300を固定部材装着凹部230に挿入することにより、光ファイバ固定部材300の把持溝301によって、支持台231に支持された光ファイバ素線110を、支持台231と把持溝301で上下方向から挟み込んで把持することができる。
【0048】
このとき把持溝301内には溝内凹凸部302が形成されているため、光ファイバ固定部材300の把持溝301と光ファイバ素線110の外周面との摩擦力は高くなり、光ファイバ端子200に対して光ファイバ素線110を確実に固定することができる。
【0049】
また、支持台231及び光ファイバ固定部材300を、光ファイバ端子200の軸方向における所定長さで形成しているため、光ファイバケーブル100の先端部で突出した光ファイバケーブル100を軸方向に固定することができる。
【0050】
また、上述したように、固定部材装着凹部230に挿入された光ファイバ固定部材300の外側壁は固定部材装着凹部230の内側壁と略隙間無く接触しているため、つまり圧入状態となるため、光ファイバ固定部材300が固定部材装着凹部230から外れることを防止できる。
【0051】
なお、このような光ファイバ固定部材300を用いて光ファイバ素線110をフェルール210に固定することによって、例えば接着剤によって固定を行なう場合における接着剤の固化時間を要さず、端子付光ファイバケーブル10の組付けを短縮することができる。
【0052】
また、光ファイバ固定部材300は固定部材装着凹部230に接着していないため、固定部材装着凹部230から光ファイバ固定部材300を取り外して、フェルール210と光ファイバ素線110の相対位置を容易に調整することができる。
【0053】
つぎに、フェルール210の台座部214に抗張力体120を載置する。このとき台座部214の外周にわたって均一に抗張力体120を載置するとともに、抗張力体120をフェルール210の軸方向、つまりフェルール210の長手方向に平行となるように載置する。そして、図5に示すように、あらかじめ挿通しておいたカシメリング400を、第1カシメ部401が台座部214の位置となるように前方移動させて、カシメリング400の第1カシメ部401を台座部214に嵌合する。
【0054】
さらに、図6に示すように、カシメリング400の第1カシメ部401に圧力F1を加えて、台座部214に載置された抗張力体120を、台座部214と第1カシメ部401で挟み込むように、第1カシメ部401で台座部214をかしめる。また、第2カシメ部402に圧力F2を加えて光ファイバケーブル100のケーブル外被覆部130をかしめる。
【0055】
このとき、カシメリング400に、第1カシメ部401と第2カシメ部402とを跨ぐスリット404を備えているため、第1カシメ部401をかしめた後の第2カシメ部402をかしめるための圧力F2により内部応力が発生したとしても、その内部応力はスリット404により開放される。その結果、第1カシメ部401とフェルール210との間のかしめ強度は低下せず、堅固な固定状態を維持することができる。また、第2カシメ部402と光ファイバケーブル100との間の堅固な固定状態を維持することができる。
【0056】
逆に、先に第2カシメ部402によってケーブル外被覆部130をかしめた場合や、第1カシメ部401と第2カシメ部402とを同時にかしめる場合であっても同様である。この場合でも、第1カシメ部401とフェルール210との間の固定状態、及び第2カシメ部402と光ファイバケーブル100との間の固定状態を堅固な状態で維持することができる。
その後、カシメリング400の第2カシメ部402に先端側が被さるように保護ブーツ500を取り付けて、端子付光ファイバケーブル10の組付けが完了する。
【0057】
このように、光ファイバケーブル100、及び光ファイバ端子200を組付けて構成した端子付光ファイバケーブル10は、振動や衝撃に加え、側圧や曲げが作用しても確実な通信を実現することができるとともに、耐久性を向上することができる。
【0058】
詳しくは、台座部214において筒状の周方向全体に亘って抗張力体120を載置し、カシメリング400の第1カシメ部401で、台座部214において周方向全体に亘って配置された抗張力体120ごと台座部214を周方向外側からかしめるため、振動や衝撃に加え、側圧や曲げが作用しても確実な通信を実現することができるとともに、耐久性を向上することができる。
【0059】
また、フェルール210の先端筒部211に、挿通孔216と連通するとともに、光ファイバ111の挿通を許容するファイバ挿通部216aを備えているため、光ファイバ111を挿通孔216に挿通し、挿通孔216の固定部材装着凹部230において、光ファイバ固定部材300により光ファイバ素線110の素線ケーブル被覆部112を光ファイバ端子200の軸方向に固定するとともに、台座部214において、線状の抗張力体120を軸方向に配置することにより、側圧や曲げが作用してもさらに確実な通信を実現することができるとともに、耐久性をより向上することができる。
【0060】
詳しくは、図7に示すように、抗張力体120は、カシメリング400によってフェルール210の台座部214に直接固定されている。このため、光ファイバケーブル100とフェルール210との接続部において両者が一体化し、光ファイバケーブル100に側圧や曲げが作用しても、周方向に配置した抗張力体120に側圧や曲げが作用するため、側圧や曲げに対する耐力も向上する。
【0061】
なお、台座部214の外周には凸部214aによって凹凸が形成されているため、カシメリング400によってかしめられた抗張力体120は、引張力が作用した際に凸部214aに引っ掛かり、引き抜き強度が向上する。なお、カシメリング400の内周には台座部214の溝と係合する凸部を設けてもよい。
【0062】
さらには、カシメリング400の第2カシメ部402に被さるようにして保護ブーツ500を装着しているため、光ファイバ端子200と光ファイバケーブル100との接続部が許容半径よりも小さい曲げ径で折れ曲がることを防止しており、これによって光ファイバ素線110が折損することを防止できる。
【0063】
このように構成した端子付光ファイバケーブル10を用いて構成するコネクタ付光ファイバケーブル1について以下で説明する。上述したように、コネクタ付光ファイバケーブル1は、端子付光ファイバケーブル10と光コネクタ20とで構成している。なお、光コネクタ20は、雄雌一対で嵌合可能に構成し、図1には、メス型光コネクタ20bに挿入して嵌合するオス型光コネクタ20aを備えたオス型コネクタ付光ファイバケーブル1aを図示している。
【0064】
雄雌一対構成の光コネクタ20のうちオス型光コネクタ20aは、端子付光ファイバケーブル10を保持するハウジング30と、ハウジング30に端子付光ファイバケーブル10を固定するための端子固定部材40とで構成している。
【0065】
ハウジング30は、端子付光ファイバケーブル10を挿通するための2つの挿通穴31と、端子固定部材40を挿入するためのスリット32と、アーム部33と、アーム部33のアーム先端部33aを掛止する掛止部34と、アーム部33の上部に形成されたラッチ突起部35とを備えている。
【0066】
詳しくは、ハウジング30は例えばPPS、ポリブチレンテレフタレート(PBT)で構成し、さらに、車内での利用を考慮して、耐熱性で熱膨張率の小さい樹脂で構成している。
【0067】
挿通穴31は、2芯構造の光ファイバケーブル100の各先端に取り付けられた2つの端子付光ファイバケーブル10を挿通するため、長手方向に互いに平行に形成するとともに、挿通穴31の内壁には、端子付光ファイバケーブル10の鍔部212の鍔部前端面212aに当接して端子付光ファイバケーブル10の前端面側への移動を規制する規制面36を形成している。
【0068】
スリット32は、ハウジング30の上面から底面に貫通し、かつ挿通穴31に連通するように形成している。
アーム部33は、弾性を有するように、ハウジング30の幅方向略中央において長手方向の先端から後端に向かって斜め上方向に傾斜するように形成している。
【0069】
端子固定部材40は、図11に示すように、寝位姿勢の略E型に形成されるとともに、フェルール210の溝部215の幅と略一致するかわずかに薄い厚さで形成している。
【0070】
このように構成した光コネクタ20と端子付光ファイバケーブル10との組付けについて以下で説明する。
端子付光ファイバケーブル10の光ファイバ端子200のフェルール210をハウジング30の挿通穴31に、フェルール210の鍔部212の鍔部前端面212aが挿通穴31内の規制面36に当接するように挿通する。このとき、フェルール210の溝部215と、ハウジング30に形成されたスリット32とは、長手方向の位置が一致する。
【0071】
この状態で、ハウジング30の底面側からスリット32に端子固定部材40を挿入して、2つのフェルール210のそれぞれの外側の溝部215に嵌合させるとともに、端子固定部材40の上端を、上面側のスリット32に挿入する。このようにして、端子固定部材40を、スリット32によって、長手方向への移動を規制する。
【0072】
このようにして、端子付光ファイバケーブル10と光コネクタ20とで構成するコネクタ付光ファイバケーブル1の組付けは完了する。この状態において、フェルール210の溝部215及び端子固定部材40を嵌合しているため、端子付光ファイバケーブル10のフェルール210はハウジング30に対して、長手方向に移動することなく強固に固定することができるとともに、端子付光ファイバケーブル10のフェルール先端面211aを所望の位置に設定することができる。
【0073】
したがって、光コネクタ20は振動や衝撃にさらに強くなるので、例えば100Nもの引っ張り張力にも耐えることができ、高い接続信頼性を実現することができる。
【0074】
なお、図9に示すように、メス型光コネクタ20bは、オス型光コネクタ20aのハウジング30の挿入を許容し、アーム部33のラッチ突起部35による掛止固定を許容する固定構造を有すること以外である端子付光ファイバケーブル10の固定構造等は、上述のハウジング30及び端子固定部材40と同じ構造であるため、詳細な説明を省略する。
【0075】
このように端子付光ファイバケーブル10と光コネクタ20とで構成したコネクタ付光ファイバケーブル1は、図8に示すように、オス型光コネクタ20aとメス型光コネクタ20bとを嵌合して接続し、車載通信システム1000を構成することができる。図8に示す車載通信システム1000は、通信を行う装置に備えられた制御基板600,600がコネクタ付光ファイバケーブル1(1a,1b)を介して接続し、相互に制御信号の通信を行うものである。
【0076】
続いて、図8のa部に示すオス型コネクタ付光ファイバケーブル1aとメス型コネクタ付光ファイバケーブル1bとの接続状態、つまりWire to Wire接続について、詳細に説明する。
【0077】
オス型コネクタ付光ファイバケーブル1aのオス型光コネクタ20aと、メス型コネクタ付光ファイバケーブル1bのメス型光コネクタ20bとを接続するには、オス型光コネクタ20aをメス型光コネクタ20bに挿入し、オス型光コネクタ20aのアーム部33のラッチ突起部35によってオス型光コネクタ20aとメス型光コネクタ20bとが嵌合固定される。
【0078】
このようにして、オス型光コネクタ20aとメス型光コネクタ20bとの嵌合固定による接続状態において、図9に示すように、対向する光ファイバ端子200のフェルール先端面211a間には所定の幅の間隙Gが形成される。このように間隙Gを形成することによって、例えば振動、衝撃、あるいは曲げや側圧等によって光ファイバ端子200が振動したり、製造、整備工程等でオス型光コネクタ20aとメス型光コネクタ20bとの着脱を繰り返したとしても、光ファイバ端子200のフェルール先端面211aと同一面上にある光ファイバ111のファイバ先端面111c同士が擦れ合うことを防止できる。したがって、ファイバ先端面111cが破損したりキズがついたりすることを防止できる。
【0079】
なお、間隙Gの幅は例えば500μm以下であるが、好ましくは30〜300μmとし、光ファイバ111のコア径、開口数、光ファイバ111のピストニングなどに応じて、光ファイバケーブル100同士が低光損失で接続されるように設定すればよい。
【0080】
このように、光コネクタ20(20a、20b)において、端子固定部材40、及び光ファイバ端子200の鍔部212と規制面36とによって、フェルール210が先端方向に移動することが確実に規制するため、光コネクタ20(20a、20b)に対する光ファイバ111の位置のずれが起こらない。したがって、このオス型光コネクタ20a及びメス型光コネクタ20bが接続した状態で振動、衝撃あるいは曲げや側圧が作用しても、間隙Gを維持することができるので、光ファイバ端子200のフェルール先端面211a同士が接触することはなく、光ファイバ111のファイバ先端面111cが破損したりキズがついたりすることがより確実に防止できる。
【0081】
なお、上述の説明では、外周に沿って凸部214aが形成された台座部214を有するフェルール210について説明したが、別の実施形態として、図10に示すように、台座部214の後端側において台座部本体214bから突出するように外周に沿って形成されたフランジ部214cを備えたフランジ付フェルール210aであってもよい。
【0082】
この場合、図11に示すように、台座部本体214bをかしめる第1カシメ部401aと、光ファイバケーブル100のケーブル外被覆部130をかしめる第2カシメ部402aとを連結する連結部403aを有するカシメUリング400aを用いて光ファイバ端子200と光ファイバケーブル100とを接続することとなる。
【0083】
この接続状態では、抗張力体120は、第2カシメ部402aによって一旦外側に拡げられ、第2カシメ部402aを超え、内側に折曲げられた状態で、第1カシメ部401aによって台座部本体214bにかしめられるため、カシメUリング400aによって接続された光ファイバケーブル100と光ファイバ端子200との接続状態は、振動や衝撃に加え、側圧や曲げが作用しても確実な通信を実現することができるとともに、耐久性を向上することができる。
【0084】
続いて、図8のb部に示すように、上述のフランジ付フェルール210aを用いたオス型コネクタ付光ファイバケーブル1aと、メス型光コネクタ20bを備えた制御基板600との接続について、図11乃至図13とともに説明する。なお、図11は、フランジ付フェルール210aで構成するオス型光コネクタ20aを備えたオス型コネクタ付光ファイバケーブル1aと、メス型光コネクタ20bを備えた制御基板600との接続についての分解斜視図を示し、図12は、上述の接続におけるオス型コネクタ付光ファイバケーブル1aとメス型光コネクタ20bとの接続状態における斜視図を示し、図13は同状態の断面図を示している。
【0085】
なお、フランジ付フェルール210aで構成するオス型光コネクタ20aを備えたオス型コネクタ付光ファイバケーブル1aの組付けについては、上述のフェルール210で構成する光コネクタ20を備えたコネクタ付光ファイバケーブル1の組付けと同じであるため、説明を省略する。もちろん、メス型光コネクタ20bを備えた制御基板600とオス型コネクタ付光ファイバケーブル1aとの接続では、フランジ付フェルール210aでなく、上述のフェルール210を用いてもよい。
【0086】
制御基板600に備えるメス型光コネクタ20bは、上述のように、端子付光ファイバケーブル10を装着する代わりに、制御基板600に搭載するFOT(Fiber Optical Transceiver)601を装着する。
【0087】
詳しくは、メス型光コネクタ20bには、制御基板600に搭載された2つのFOT601と、各FOT601の前方に配置されるレンズ602と、メス型光コネクタ20bに対するFOT601の位置を背面側から規制するスペーサ603と、スペーサ603ごとメス型光コネクタ20bの後ろ側全体を覆うメタルカバー604とを備えている。なお、メタルカバー604の後ろ側側面には、スペーサ603を介してFOT601を前方に押し付ける押し付け部604aを備えている。
【0088】
このように構成された制御基板600とオス型コネクタ付光ファイバケーブル1aとは、制御基板600のメス型光コネクタ20bに、オス型コネクタ付光ファイバケーブル1aのオス型光コネクタ20aを挿入することで、図12及び図13に示すように、光通信可能に接続することができる。
【0089】
なお、この接続状態では、押し付け部604aでスペーサ603を介してFOT601を前方に押し付けるとともに、メス型光コネクタ20bにおいて端子固定部材40、及び光ファイバ端子200の鍔部212と規制面36とによって、光ファイバ端子200が先端方向に移動することを確実に規制するため、光ファイバ端子200のフェルール先端面211aとほぼ同一平面上に配置されたファイバ先端面111cと、レンズ602との間に、オス型コネクタ付光ファイバケーブル1aのオス型光コネクタ20aと制御基板600のメス型光コネクタ20bが接続した状態で振動、衝撃あるいは曲げや側圧が作用しても、互いに接触することのない間隙Gを確保することができる。
【0090】
上述のような構成のオス型コネクタ付光ファイバケーブル1a,メス型コネクタ付光ファイバケーブル1b並びに、制御基板600をそれぞれ接続することにより、振動や衝撃に加え、側圧や曲げが作用しても、接続信頼性が高く、確実に、高速、大容量の通信を行うことができる信号伝送路を実現できる。
【0091】
なお、上記実施の形態では、抗張力体として樹脂繊維を用いた光ファイバケーブルを使用しているが、光ファイバケーブルとしては例えば金属やFRPなどからなるワイヤー状の抗張力体を用いたものでもよい。
【0092】
また、上記実施の形態に係る光コネクタにおいて、着脱等の際に光コネクタ内に埃や塵、水分が侵入すると、光コネクタの接続光損失が増加するおそれがあるため、光コネクタ内にゴムのカバー等の防塵あるいは防水のための構造を設けてもよい。
【0093】
また、上記実施の形態は、本発明の光ファイバ端子及び光コネクタを1芯または2芯の光ファイバケーブルに適用したものであるが、本発明はこれに限らず、3芯以上の多芯の光ファイバケーブルにも適用できるものである。
【0094】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明に含まれる。
【0095】
以上、本発明の構成と、前述の実施態様との対応において、本実施形態の素線被覆は、素線ケーブル被覆部112に対応し、
以下同様に、
ケーブル被覆部は、ケーブル外被覆部130に対応し、
光ファイバの先端面は、ファイバ先端面111cに対応し、
挿通空間は、挿通孔216に対応し、
端子本体は、フェルール210,フランジ付フェルール210aに対応し、
接続固定部材は、カシメリング400,400aに対応し、
抗張力体配置部は、台座部214に対応し、
第1カシメ部は、第1カシメ部401,401aに対応し、
第2カシメ部は、第2カシメ部402,402aに対応し、
連結部は、段差連結部403,連結部403aに対応し、
ファイバ挿通部は、ファイバ挿通孔216aに対応し、
素線被覆固定手段は、光ファイバ固定部材300に対応し、
嵌合固定手段は、アーム部33のラッチ突起部35に対応し、
光コネクタは、光コネクタ20,オス型光コネクタ20a,メス型光コネクタ20bに対応し、
コネクタ付光ファイバケーブルは、コネクタ付光ファイバケーブル1,オス型コネクタ付光ファイバケーブル1a,メス型コネクタ付光ファイバケーブル1bに対応するも、上記実施形態に限定するものではない。
【符号の説明】
【0096】
1…コネクタ付光ファイバケーブル
1a…オス型コネクタ付光ファイバケーブル
1b…メス型コネクタ付光ファイバケーブル
10…端子付光ファイバケーブル
20…光コネクタ
20a…オス型光コネクタ
20b…メス型光コネクタ
30…ハウジング
33…アーム部
35…ラッチ突起部
36…規制面
100…光ファイバケーブル
110…光ファイバ素線
111…光ファイバ
111c…ファイバ先端面
112…素線ケーブル被覆部
120…抗張力体
130…ケーブル外被覆部
200…光ファイバ端子
210…フェルール
210a…フランジ付フェルール
214…台座部
216…挿通孔
216a…ファイバ挿通孔
300…光ファイバ固定部材
400…カシメリング
400a…カシメUリング
401,401a…第1カシメ部
402,402a…第2カシメ部
403…段差連結部
403a…連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバを素線被覆で被覆した光ファイバ素線と、該光ファイバ素線の長手方向に沿うとともに、前記光ファイバ素線の周囲に複数本配置された線状の抗張力体と、前記光ファイバ素線及び前記抗張力体を被覆するケーブル被覆部とで構成するとともに、先端側から順に、前記光ファイバ、前記素線被覆及び前記抗張力体がそれぞれ所定長さ露出された光ファイバケーブルの先端において、先端面から光ファイバの先端面が露出する態様で前記光ファイバ素線の挿通を許容する挿通空間を有する前記筒状の端子本体と、
該端子本体と前記ケーブル被覆部の先端付近とを接続固定する接続固定部材とで構成し、
前記端子本体後部を、筒状の周方向全体に亘って前記抗張力体の配置を許容する抗張力体配置部とし、
前記接続固定部材を、前記抗張力体配置部において周方向全体に亘って配置された前記抗張力体ごと前記端子本体を周方向外側からかしめる第1カシメ部と、前記ケーブル被覆部を外周側からかしめる第2カシメ部と、前記第1カシメ部と前記第2カシメ部とを連結する連結部とで構成した
光ファイバ端子。
【請求項2】
端子本体における先端に、前記挿通空間と連通するとともに、前記光ファイバの挿通を許容するファイバ挿通部を備え、
前記挿通空間において、前記光ファイバ素線の前記素線被覆を、前記筒状体の軸方向に固定する素線被覆固定手段を備え、
前記抗張力体配置部を、線状の前記抗張力体の前記軸方向の配置を許容する構成とした
請求項1に記載の光ファイバ端子。
【請求項3】
光ファイバを素線被覆で被覆した光ファイバ素線と、該光ファイバ素線の長手方向に沿うとともに、前記光ファイバ素線の周囲に複数本配置された線状の抗張力体と、前記光ファイバ素線及び前記抗張力体を被覆するケーブル被覆部とで構成し、先端側から順に、前記光ファイバ、前記素線被覆及び前記抗張力体がそれぞれ所定長さ露出された光ファイバケーブルの先端において、
先端面から光ファイバの先端面が露出する態様で前記光ファイバ素線を前記挿通空間に挿通するとともに、
前記抗張力体配置部において、筒状の周方向全体に亘って前記抗張力体を配置し、
前記抗張力体配置部において周方向全体に亘って配置された前記抗張力体ごと前記端子本体を第1カシメ部で周方向外側からかしめ、第2カシメ部で前記ケーブル被覆部を外周側からかしめて、請求項1または2に記載の光ファイバ端子を前記接続固定部材で固定した
端子付光ファイバケーブル。
【請求項4】
嵌合可能な雄雌の一対構成であり、嵌合した際に対応する前記光ファイバの先端面同士が対面する態様で、請求項1または2に記載の光ファイバ端子を保持するハウジングと、
嵌合した際に、嵌合状態を固定する嵌合固定手段とを備えた
光コネクタ。
【請求項5】
前記ハウジングに、
前記光ファイバ端子の先端面側への移動を規制する規制面を備えた
請求項4に記載の光コネクタ。
【請求項6】
請求項3に記載の端子付光ファイバケーブルの前記光ファイバ端子を、請求項4または5に記載の光コネクタの前記ハウジングで保持した
コネクタ付光ファイバケーブル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−247601(P2012−247601A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118826(P2011−118826)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】