説明

光学素子成形用型セット、及び、光学素子の製造方法

【課題】光学素子材料の外周部分に形状を転写する成形型から光学素子を容易に取り出せる光学素子成形用型セット、及び、光学素子の製造方法を提供する。
【解決手段】光学素子材料(ガラス100)を挟んで対向して配置される第1の成形型(下型11)及び第2の成形型(上型12)と、光学素子材料(ガラス100)の外周部分に形状を転写する第3の成形型(外周成形型13)と、を備え、第3の成形型(外周成形型13)は、光学素子材料(ガラス100)の周方向において複数に分割されている(分割片13−1,13−2)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子を製造するのに用いられる光学素子成形用型セットと、光学素子を製造する光学素子の製造方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光学素子を製造するのに用いられる型セットとして、光学素子材料の外周部分に凹凸形状を転写する外周成形型を備える型セットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1の型セットでは、加圧時の温度から常温へ冷える際の光学素子材料であるガラスの収縮量が、外周成形型の凹凸からガラスが抜け出せる量である必要がある。
【0004】
さもなければ、ガラスの凹凸が外周成形型の凸凹に引っかかり、光学素子であるガラスレンズの取り出しが容易ではなくなる。この場合、常温ではガラスレンズを取り出すのは困難で、外周成形型を加熱し膨張させた状態でガラスレンズを取り出すなどの追加の作業工程が必要となる。
【0005】
また、ガラスの収縮量が、外周成形型の凹凸からガラスの凹凸が抜けるような収縮量となるような条件でガラスレンズを製造しても、レンズと外周成形型とのクリアランスは小さく、取り出し作業性が悪くなりがちである。
【0006】
上記特許文献1の型セットは、心取り工程を削減するために光学素子材料の外周部分に凹凸形状を転写している。しかし、上記のような追加の作業工程を入れたり取り出し作業性が悪くなったりすると、心取り工程の削減のメリットは少なくなる。
【0007】
なお、上記特許文献1の型セットでは、外周成形型の凹凸の高低差を制限している。例えば、凹凸の表面粗さRz,Raを一定値以下にするなどの管理が必要であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−196857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1の型セットのように外周成形型の凹凸の高低差を制限しても、光学素子が小径である場合や、光学素子材料の線膨張係数が小さい場合などは、外周成形型から光学素子が抜けにくくなる。
【0010】
更には、光学素子の外周部分の凹凸は、例えば、撮像光学系において外周部に入射する迷光を散乱させ、迷光の正反射強度を低下させる効果を持ち、フレア・ゴースト対策としても重要な役割を果たすが、外周成形型の凹凸を小さくするという制限があると、光学素子の外周部分の凹凸も小さくなり、フレア・ゴースト対策が果たせなくなる。
また、フレア・ゴースト対策として、迷光防止用の黒色塗料の塗布を光学素子の外周に施すことも合わせて用いられる場合があるが、光学素子の外周の凹凸が小さ過ぎると塗布の作業性が悪くなる。
【0011】
なお、光学素子材料の外周部分に凹凸形状が転写される場合に特に、凹凸形状によって外周成形型から光学素子を取り出しづらくなるが、光学素子材料の外周部分に凹凸のない曲面形状が転写される場合であっても、外周成形型から光学素子を取り出しづらくなることはある。
【0012】
本発明の目的は、光学素子材料の外周部分に形状を転写する成形型から光学素子を容易に取り出すことができる光学素子成形用型セットと光学素子の製造方法とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の光学素子成形用型セットは、光学素子材料を挟んで対向して配置される第1の成形型及び第2の成形型と、上記光学素子材料の外周部分に形状を転写する第3の成形型と、を備え、上記第3の成形型は、上記光学素子材料の周方向において複数に分割されている。
【0014】
また、上記光学素子成形用型セットにおいて、上記第3の成形型の位置を規制する位置規制部材を更に備える構成としてもよい。
また、上記光学素子成形用型セットにおいて、上記第3の成形型の複数に分割された分割片のそれぞれは、上記第1の成形型の一部において部分的に固定されている構成としてもよい。
【0015】
また、上記光学素子成形用型セットにおいて、上記第3の成形型の線膨張係数は、上記第1の成形型の線膨張係数よりも大きい構成としてもよい。
また、上記光学素子成形用型セットにおいて、上記第3の成形型は、上記光学素子材料の外周部分に凹凸形状を転写する凹凸形状の成形面を有し、上記光学素子材料の中心と、上記分割片の上記第1の成形型に対する固定位置との間において、上記光学素子材料を加圧する際の温度から常温に冷却されるまでの上記光学素子材料と上記分割片の収縮に伴う、上記光学素子材料と上記分割片の相対的な移動量は、上記第3の成形型の上記成形面の凹凸形状の高低差よりも大きい構成としてもよい。
【0016】
本発明の光学素子の製造方法は、光学素子材料を加熱する加熱工程と、上記光学素子材料を挟んで対向して配置される第1の成形型及び第2の成形型と、上記光学素子材料の外周部分に形状を転写する第3の成形型とが、上記光学素子材料に形状を転写するように、加熱された上記光学素子材料を加圧する加圧工程と、加圧された上記光学素子材料を冷却する冷却工程と、を含み、上記第3の成形型は、上記光学素子材料の周方向において複数に分割されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、光学素子材料の外周部分に形状を転写する成形型から光学素子を容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1A】本発明の第1実施形態に係る加圧工程前の光学素子成形用型セットを示す断面図である。
【図1B】本発明の第1実施形態に係る加圧工程中の光学素子成形用型セットを示す断面図である。
【図2A】本発明の第1実施形態における加圧工程中の外周成形型及び光学素子材料を示す平面図である。
【図2B】本発明の第1実施形態における加圧工程後の外周成形型(第3の成形型)及びガラス(光学素子材料)を示す平面図である。
【図3A】本発明の第1実施形態における加圧工程中の外周成形型及び光学素子材料を示す断面図である。
【図3B】本発明の第1実施形態における加圧工程後の外周成形型及び光学素子材料を示す断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の第1変形例に係る加圧工程中の光学素子成形用型セットを示す断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の第2変形例に係る加圧工程中の光学素子成形用型セットを示す断面図である。
【図6A】本発明の第1実施形態における3つの分割片を説明するための説明図(その1)である。
【図6B】本発明の第1実施形態における3つの分割片を説明するための説明図(その2)である。
【図6C】本発明の第1実施形態における3つの分割片を説明するための説明図(その3)である。
【図6D】本発明の第1実施形態における3つの分割片を説明するための説明図(その4)である。
【図7A】本発明の第1実施形態における2つの分割片を説明するための説明図(その1)である。
【図7B】本発明の第1実施形態における2つの分割片を説明するための説明図(その2)である。
【図7C】本発明の第1実施形態における2つの分割片を説明するための説明図(その3)である。
【図7D】本発明の第1実施形態における2つの分割片を説明するための説明図(その4)である。
【図8A】本発明の第2実施形態に係る加圧工程前の光学素子成形用型セットを示す断面図である。
【図8B】本発明の第2実施形態に係る加圧工程中の光学素子成形用型セットを示す断面図である。
【図9A】本発明の第3実施形態に係る加圧工程前の光学素子成形用型セットを示す断面図である。
【図9B】本発明の第3実施形態に係る加圧工程中の光学素子成形用型セットを示す断面図である。
【図10A】本発明の第3実施形態における加圧工程中の外周成形型及び光学素子材料を示す平面図である。
【図10B】本発明の第3実施形態における加圧工程後の外周成形型(第3の成形型)及びガラス(光学素子材料)を示す平面図である。
【図11】本発明の第3実施形態における外周成形型(第3の成形型)及びガラス(光学素子材料)の収縮を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係る、光学素子成形用型セットと光学素子の製造方法とについて、図面を参照しながら説明する。
【0020】
<第1実施形態>
図1A及び図1Bは、本発明の第1実施形態に係る加圧工程前及び加圧工程中の光学素子成形用型セット10を示す断面図である。
【0021】
図1A及び図1Bに示すように、光学素子成形用型セット10は、第1の成形型の一例である下型11と、第2の成形型の一例である上型12と、第3の成形型の一例である外周成形型13と、位置規制部材の一例であるスリーブ14と、光学素子材料の一例であるガラス100を位置決めする位置決めリング15と、を備える。
【0022】
下型11と上型12とは、例えばボール状のガラス100を挟んで対向して配置されている。
下型11の上端中央には、ガラス100に凸形状を転写する凹形状の成形面11aが形成されている。
【0023】
上型12の下端中央には、ガラス100に凹形状を転写する凸形状の成形面12aが形成されている。また、上型12には、上記の成形面12aが設けられた細径部12bと、この細径部12bの根元部分に連続し且つこの根元部分よりも太径のベース部12cと、が形成されている。
【0024】
外周成形型13は、円筒形状を呈し、下型11上の成形面11aの周囲に配置されている。また、外周成形型13の内周面には、ガラス100の外周部分に形状の一例である凹凸形状(粗面を含む)を転写する凹凸形状の成形面13aが形成されている。
【0025】
図2A及び図2B(加圧工程中及び加圧工程後の外周成形型13及びガラス100を示す平面図)並びに図3A及び図3B(断面図)に示すように、本実施形態では、外周成形型13は、平面視におけるガラス100の周方向Xにおいて3つ(複数の一例)の分割片13−1,13−2,13−3に分割されている。
【0026】
スリーブ14は、円筒形状を呈し、下型11及び上型12の外周に配置されている。また、スリーブ14は、その内周面において外周成形型13の外周面に当接している。このように、スリーブ14は、外周成形型13の位置を、ガラス100を加圧するときの位置である下型11上の周縁の位置に規制している。
【0027】
位置決めリング15は、上方から上型12の細径部12bが挿入される貫通孔15aが形成された円筒形状(リング状)を呈する。また、位置決めリング15は、下型11と上型12との間に配置され、貫通孔15aの下端においてガラス100を位置決めする。
【0028】
位置決めリング15の底面には、ガラス100に凹凸形状を転写する成形面15bが形成されている。また、位置決めリング15の上端には、大径のフランジ部15cが形成され、位置決めリング15は、フランジ部15cの外周面においてスリーブ14の内周面に摺動可能に当接している。なお、図1Bに示すように、位置決めリング15の外周面のうち下端側の一部は、加圧工程時に外周成形型13に挿入され、外周成形型13の内周面に沿って摺動する。
【0029】
以下、上述の光学素子成形用型セット10を用いた光学素子の製造方法について説明する。
まず、スリーブ14内に下型11及び外周成形型13が配置された状態で、図示しないロボットがボール状のガラス100を下型11の成形面11a上に載置する。また、図示しないロボットは、ガラス100上に位置決めリング15を載置する。この位置決めリング15の貫通孔15aの下端によって、ガラス100の下型11上での位置が位置決めされる。そして、図示しないロボットは、位置決めリング15の貫通孔15aに細径部12bが挿入されるように、位置決めリング15の上に上型12を載置する。
【0030】
このように下型11と上型12との間に配置されたガラス100は、図示しないヒータ等の加熱手段からの熱伝導によって加熱される(加熱工程)。そして、ガラス100は、例えばガラス転移温度以上にまで加熱され軟化する。
【0031】
加熱され軟化したガラス100は、図示しないシリンダ等の加圧手段によって、下型11、上型12及び外周成形型13がガラス100に形状を転写するように、図1Bに示すように上型12が下方に押圧されることで加圧される(加圧工程)。本実施形態では、上型12の細径部12bが位置決めリング15の貫通孔15aを貫通し、上型12は成形面12aにおいてガラス100を加圧する。
【0032】
これにより、ガラス100は、下型11、上型12、外周成形型13及び位置決めリング15の成形面11a,12a,13a,15bにより形状を転写される。
この後、ガラス100は、ヒータ等の冷却手段の温度が降下することにより冷却される(冷却工程)。この冷却工程において、ガラス100及び光学素子成形用型セット10が収縮するが、外周成形型13は、3つの分割片13−1,13−2,13−3に分割されているため、外周成形型13全体として収縮するのではなく、図2B及び図3Bに示すように分割片13−1,13−2,13−3ごとに収縮する。
【0033】
冷却工程の後、図示しないロボットは、上型12及び位置決めリング15をスリーブ14の中から取り出した後、製造された光学素子を取り出す。
【0034】
以上説明した第1実施形態では、ガラス(光学素子材料)100の外周部分に凹凸形状(形状)を転写する外周成形型13(第3の成形型)は、3つ(複数)の分割片13−1,13−2,13−3に分割されている。そのため、冷却工程完了時点では、光学素子と分割片13−1,13−2,13−3が収縮によって一体となっている場合でも、分割片13−1,13−2,13−3をそれぞれ光学素子より遠ざかる向きに引き離すことで、分割片13−1,13−2,13−3を光学素子から簡単に取り外すことができる。よって、本実施形態によれば、ガラス(光学素子材料)100の外周部分に形状を転写する外周成形型(第3の成形型)13から光学素子を容易に取り出すことができる。
【0035】
また、本実施形態では、スリーブ(位置規制部材)14は、外周成形型13の位置を規制する。そのため、外周成形型13の分割片13−1,13−2,13−3の位置を、例えば、ガラス100を加圧するときの位置に規制することで、分割片13−1,13−2,13−3の位置ズレを防ぐことができる。
【0036】
なお、本実施形態では、外周成形型13の成形面13aが凹凸形状であるため、光学素子に凹凸形状が転写されることで、撮像系にフレア・ゴーストが生じるのを防ぐことができる。また、光学素子に凹凸形状が転写される分、外周成形型13から光学素子を取り出しづらくなるが、外周成形型13を複数に分割することで光学素子を容易に取り出すことができる。
【0037】
しかしながら、図4に示す第1変形例の光学素子成形用型セット10−1のように、外周成形型13の成形面13a−1を凹凸のない曲面状としてもよい。このようにしても、外周成形型13を分割することで、光学素子が外周成形型13の収縮によって取り出しづらくなるのを防ぐことができる。なお、本変形例では、位置決めリング15の成形面15b−1も、凹凸のない平面状になっている。
【0038】
また、図5に示す第2変形例の光学素子成形用型セット10−2のように、外周成形型13の成形面13a−2を2つの凹部(1つ以上の凹部又は凸部)を有する曲面状としてもよい。このようにしても、外周成形型13を分割することで、光学素子が外周成形型13の収縮によって取り出しづらくなるのを防ぐことができる。なお、本変形例でも、位置決めリング15の成形面15b−2は、凹凸のない平面状になっている。
【0039】
本発明の実施形態の説明において外周成形型13は複数の分割片としているが、一つのリングを切断・研磨して複数の分割片を得る方法では、切断時の取り代の影響で外周成形型13として使う際の外周成形面の真円度が悪くなるので、複数のリングを用意し、切断・研磨することにより分割片を得るのが良い。例えば、外周成形型13を3つの分割片から構成する場合、2つ又は3つのリングを切断・研磨し3つの分割片を得るのが良い。
【0040】
外周成形型13を3つの分割片から構成する場合、1つの分割片が持つ2つの合わせ面の成す角を精度良く、例えば120°にする必要がある。
図6Aに示すように、1つの外周成形型13を構成する3つの分割片16−1,16−2,16−3を1つのリング16から得る場合、研磨等によるとり代16aが必要となるため、3つの分割片16−1,16−2,16−3からなる外周成形型13´は、いびつな円形になる。
【0041】
そのため、図6Cに示すように3つのリング16,16´,16´´から3つの分割片16−1,16−2,16−3を得るようにしたり、或いは、図6Dに示すように2つのリング16,16´から3つの分割片16−1,16−2,16−3を得るようにしたりするとよい。これらの場合、余った部分は、廃棄することになる。
【0042】
また、外周成形型13を2つの分割片から構成する場合は、1つの分割片が持つ2つの合わせ面のなす角は、例えば平面(180°)になれば良いので、3つの分割片を製造するよりも加工しやすく、コストも安くて済む。
【0043】
図7Aに示すように、1つの外周成形型13を構成する2つの分割片17−1,17−2を2つのリング16から得るようにする場合、図7Bに示す研磨皿18等によって、分割片17−1,17−2の両端面を同時に研磨することで、簡単に分割片17−1,17−2を得ることができる。
【0044】
但し、外周成形型13を2つの分割片から構成し、ガラスに外形粗さを転写する場合は、分割面部分でガラスの引っかかりが生じ、分割片をガラスから引き離すのにわずかに抵抗がかかる。
【0045】
例えば、図7C及び図7Dに示すように、ガラス100のうち分割片17−1,17−2の引き離し方向と直交する方向に延びる凸部100aは分割片17−1,17−2から抜けにくいが、分割片17−1,17−2の引き離し方向に延びる凸部100bは分割片17−1,17−2から抜けやすい。
【0046】
そのため、コスト・精度と作業性に応じて、外周成形型13をいくつの分割片とするのか決めるのが良い。
【0047】
<第2実施形態>
図8A及び図8Bは、本発明の第2実施形態に係る加圧工程前及び加圧工程中の光学素子成形用型セット20を示す断面図である。
【0048】
本実施形態は、加圧工程において上型22が下方に押圧されることで光学素子材料の一例であるガラス100を加圧するのではなく、下型21が上方に押圧されることでガラス100を加圧する点、及び、このように加圧を行うための構成において上述の第1実施形態と主に相違する。
【0049】
図8A及び図8Bに示すように、光学素子成形用型セット20は、第1の成形型の一例である上型22と、第2の成形型の一例である下型21と、第3の成形型の一例である外周成形型23と、位置規制部材の一例であるスリーブ24と、ガラス100を位置決めする位置決めリング25と、を備える。
【0050】
上型22と下型21とは、例えばボール状のガラス100を挟んで対向して配置されている。
上型22の下端中央には、ガラス100に凸形状を転写する凹形状の成形面22aが形成されている。また、上型22には、成形面22aが設けられたベース部22bと、このベース部22bの上端に位置するフランジ部22cとが形成されている。
【0051】
下型21の上端中央には、ガラス100に凹形状を転写する凸形状の成形面21aが形成されている。また、下型21には、上記の成形面21aが設けられた細径部21bと、この細径部21bの根元部分に連続し且つこの根元部分よりも太径のベース部21cと、が形成されている。
【0052】
外周成形型23は、円筒形状を呈し、後述する位置決めリング25のフランジ部25c上に載置される。また、外周成形型23の内周面には、ガラス100の外周部分に凹凸形状(形状の一例)を転写する凹凸形状(粗面を含む)の成形面23aが形成されている。なお、成形面23aの形状は、上述の第1実施形態と同様に、凹凸形状以外の形状とすることも可能である。
【0053】
本実施形態においても、外周成形型23は、ガラス100の周方向において3つ(複数の一例)の分割片23−1,23−2(2つのみ図示)に分割されている。
スリーブ24は、円筒形状を呈し、上型22及び下型21の外周に配置されている。また、スリーブ24は、上部側の薄肉部24aと、下部側の肉厚部24bとを有する。スリーブ24の外径は高さ方向の位置によらず一定であるため、内径は肉厚部24bの方が小さくなっている。薄肉部24aと肉厚部24bとの間には、段差部24cが形成されている。
【0054】
スリーブ24の段差部24cには、位置決めリング25が載置される。そして、位置決めリング25のフランジ部25c上には、上述のように外周成形型23が載置される。スリーブ24は、その内周面において外周成形型23の外周面に当接している。このように、スリーブ24は、外周成形型23の位置を、ガラス100を加圧するときの位置である位置決めリング25のフランジ部25c上の位置に規制している。
【0055】
位置決めリング25は、下方から下型21の細径部21bが挿入される貫通孔25aが形成された円筒形状(リング状)を呈する。また、位置決めリング25は、上型22と下型21との間に配置され、貫通孔25aの上端においてガラス100を位置決めする。
【0056】
位置決めリング25の上面には、ガラス100に凹凸形状を転写する成形面25bが形成されている。また、位置決めリング25の下端には、大径のフランジ部25cが形成され、位置決めリング25は、フランジ部25cの外周面においてスリーブ24の内周面に当接している。
【0057】
以下、上述の光学素子成形用型セット20を用いた光学素子の製造方法について説明する。
まず、スリーブ24内に下型21、位置決めリング25及び外周成形型23が配置された状態で、図示しないロボットがボール状のガラス100を位置決めリング25の貫通孔25a上に載置する。この位置決めリング25の貫通孔25aの上端によって、ガラス100の位置が位置決めされる。
【0058】
また、図示しないロボットは、スリーブ24の上端面24dに上型22を載置する。上型22及び下型21とガラス100は常温時では非接触になるように光学素子成形用型セット20は設計されている。図8Bに示す押圧ピン101は、位置決めリング25の貫通孔25aに細径部21bが挿入されてガラス100に当接する位置まで下型21を上方に押圧する。なお、押圧ピン101は、図示しないシリンダ等の加圧手段に連結され、下型21を上方に押圧する。
【0059】
上型22と下型21との間に配置されたガラス100は、図示しないヒータ等の加熱手段からの熱伝導によって加熱される(加熱工程)。そして、ガラス100は、例えばガラス転移温度以上にまで加熱され軟化する。
【0060】
加熱軟化したガラス100は、図8Bに示すように押圧ピン101によって下型21が上方に押圧されることで加圧される(加圧工程)。本実施形態では、下型21の細径部21bが位置決めリング25の貫通孔25aを貫通し、下型21は成形面21aにおいてガラス100を加圧する。
【0061】
これにより、ガラス100は、上型22、下型21、外周成形型23及び位置決めリング25の成形面22a,21a,23a,25bにより形状を転写される。
この後、ガラス100は、ヒータ等の冷却手段の温度が降下することにより冷却される(冷却工程)。この冷却工程において、ガラス100及び光学素子成形用型セット20が収縮するが、外周成形型23は、3つの分割片23−1,23−2に分割されているため、外周成形型23全体として収縮するのではなく、分割片23−1,23−2ごとに収縮する。
【0062】
冷却工程の後、図示しないロボットは、上型22をスリーブ24の中から取り出した後、製造された光学素子を取り出す。
【0063】
以上説明した第2実施形態においても、ガラス(光学素子材料)100の外周部分に凹凸形状(形状)を転写する外周成形型23(第3の成形型)は、3つ(複数)の分割片23−1,23−2に分割されている。そのため、冷却工程完了時点では、光学素子と分割片13−1,13−2,13−3が収縮によって一体となっている場合でも、分割片13−1,13−2,13−3をそれぞれ光学素子より遠ざかる向きに引き離すことで、分割片13−1,13−2,13−3を光学素子から簡単に取り外すことができる。よって、本実施形態によっても、ガラス(光学素子材料)100の外周部分に形状を転写する外周成形型(第3の成形型)23から光学素子を容易に取り出すことができる。
【0064】
また、本実施形態においても、スリーブ(位置規制部材)24は、外周成形型23の位置を規制する。そのため、外周成形型23の分割片23−1,23−2の位置を、例えば、ガラス100を加圧するときの位置に規制することで、分割片23−1,23−2の位置ズレを防ぐことができる。
【0065】
<第3実施形態>
図9A及び図9Bは、本発明の第3実施形態に係る加圧工程前及び加圧工程中の光学素子成形用型セット30を示す断面図である。
本実施形態は、外周成形型33の分割片33−1,33−2,33−3が固定部の一例である固定ピン36−1,36−2,36−3によって下型31に固定されている点において上述の第1実施形態と主に相違する。
【0066】
図9A及び図9Bに示すように、光学素子成形用型セット30は、第1の成形型の一例である下型31と、第2の成形型の一例である上型32と、第3の成形型の一例である外周成形型33と、位置規制部材の一例であるスリーブ34と、光学素子材料の一例であるガラス100を位置決めする位置決めリング35と、を備える。
【0067】
下型31と上型32とは、例えばボール状のガラス100を挟んで対向して配置されている。
下型31の上端中央には、ガラス100に凸形状を転写する凹形状の成形面31aが形成されている。
【0068】
上型32の下端中央には、ガラス100に凹形状を転写する凸形状の成形面32aが形成されている。また、上型32には、上記の成形面32aが設けられた細径部32bと、この細径部32bの根元部分に連続し且つこの根元部分よりも太径のベース部32cと、が形成されている。
【0069】
外周成形型33は、円筒形状を呈し、下型31上の成形面31aの周囲に配置されている。また、外周成形型13の内周面には、ガラス100の外周部分に凹凸形状(形状の一例)を転写する凹凸形状(粗面を含む)の成形面33aが形成されている。なお、成形面33aの形状は、上述の第1実施形態及び第2実施形態と同様に、凹凸形状以外の形状とすることも可能である。
【0070】
図10A及び図10B(加圧工程中及び加圧工程後の外周成形型33及びガラス100を示す平面図)並びに図11(上側は図10Aの断面図、下側は図10Bの断面図)に示すように、本実施形態においても、外周成形型33は、ガラス100の周方向において3つ(複数の一例)の分割片33−1,33−2,33−3に分割されている。
【0071】
分割片33−1,33−2,33−3は、固定部の一例である固定ピン36−1,36−2,36−3によって下型31に固定されている。各固定ピン36−1,36−2,36−3は、外周成形型33の周縁近傍に配置されている。このように、各分割片33−1,33−2,33−3は、下型31の一部に対し、下型31との対向面の一部において固定されている。なお、分割片33−1,33−2,33−3の線膨張係数は、下型31の線膨張係数よりも大きいことが望ましい。本実施形態では、図11に示すように下型31の収縮量を無視して説明する。
【0072】
スリーブ34は、円筒形状を呈し、下型31及び上型32の外周に配置されている。また、スリーブ34は、その内周面において外周成形型33の外周面に当接している。このように、スリーブ34は、外周成形型33の位置を、ガラス100を加圧するときの位置である下型31上の周縁の位置に規制している。
【0073】
位置決めリング35は、上方から上型32の細径部32bが挿入される貫通孔35aが形成された円筒形状(リング状)を呈する。また、位置決めリング35は、下型31と上型32との間に配置され、貫通孔35aの下端においてガラス100を位置決めする。
【0074】
位置決めリング35の底面には、ガラス100に凹凸形状を転写する成形面35bが形成されている。また、位置決めリング35の上端には、大径のフランジ部35cが形成され、位置決めリング35は、フランジ部35cの外周面においてスリーブ34の内周面に当接している。なお、図9Bに示すように、位置決めリング35の外周面のうち下端側の一部は、加圧工程時に外周成形型33に挿入され、外周成形型33の内周面に沿って摺動する。
【0075】
以下、上述の光学素子成形用型セット30を用いた光学素子の製造方法について説明する。
まず、スリーブ34内において下型31と外周成形型33とが固定ピン36−1,36−2,36−3により固定された状態で、図示しないロボットがボール状のガラス100を下型31の成形面31a上に載置する。また、図示しないロボットは、ガラス100上に位置決めリング35を載置する。この位置決めリング35の貫通孔35aの下端によって、ガラス100の下型31上での位置が位置決めされる。そして、図示しないロボットは、位置決めリング35の貫通孔35aに細径部32bが挿入されるように、位置決めリング35の上に上型32を載置する。
【0076】
このように下型31と上型32との間に配置されたガラス100は、図示しないヒータ等の加熱手段からの熱伝導によって加熱される(加熱工程)。そして、ガラス100は、例えばガラス転移温度以上にまで加熱され軟化する。
【0077】
加熱軟化したガラス100は、図示しないシリンダ等の加圧手段によって、図9Bに示すように上型32が下方に押圧されることで加圧される(加圧工程)。本実施形態では、上型32の細径部32bが位置決めリング35の貫通孔35aを貫通し、上型32は成形面32aにおいてガラス100を加圧する。
【0078】
これにより、ガラス100は、下型31、上型32、外周成形型33及び位置決めリング35の成形面31a,32a,33a,35bにより形状を転写される。
この後、ガラス100は、ヒータ等の冷却手段の温度が降下することにより冷却される(冷却工程)。この冷却工程において、ガラス100及び光学素子成形用型セット30が収縮するが、外周成形型33は、3つの分割片33−1,33−2,33−3に分割されているため、外周成形型33全体として収縮するのではなく、図10B及び図11に示すように分割片33−1,33−2,33−3ごとに収縮する。
【0079】
ここで、図11に示すように、外周成形型33(分割片33−1,33−2,33−3)の収縮量をA、ガラス100の半径分の収縮量をB、外周成形型33の成形面33aの凹凸深さをDとする。但し、ここでは、収縮量とは、ガラス100を加圧する際の温度から常温に冷却されるまでの外周成形型33やガラス100の大きさの変化に伴う移動量とする。
【0080】
外周成形型33の分割片33−1,33−2,33−3は、固定位置である固定ピン36−1,36−2,36−3を中心に収縮するため、ガラス100から離れる向きに収縮する。ガラス100は、その中心Oに向けて収縮する。そのため、外周成形型33とガラス100とは、互いに離れる向きに収縮し、離型効果が得られる。このように、本実施形態では、33−1,33−2,33−3の収縮量が大きいほど外周成形型33の離型が容易になる。なお、A+B>Dを満たせば、光学素子(ガラス100)を外周成形型33から離型させることができる。
【0081】
ここで、外周成形型33(分割片33−1,33−2,33−3)の径方向の厚みR=12[mm]、光学素子(ガラス100)の径L=6[mm]、ガラス100の線膨張係数を10×10−6[1/℃]、外周成形型33の線膨張係数=5×10−6[1/℃]、ガラス100の加圧工程中の温度=620[℃]、上記の外周成形型33の成形面33aの凹凸深さD=0.010[mm]の条件において、光学素子を製造する例について説明する。但し、固定ピン36−1,36−2,36−3は、便宜上、分割片33−1,33−2,33−3の周縁に設けられているものとする。
【0082】
外径成形型33の収縮量Aは、径方向の厚みRと温度差ΔTと線膨張係数との積となるため、下記の式(1)で表される。
12[mm]×(620[℃]−20[℃])×5×10−6[1/℃]=0.036[mm]・・・式(1)
【0083】
また、ガラス100の半径分の収縮量Bは、径Lと温度差ΔTと線膨張係数と1/2(半径分)との積となるため、下記の式(2)で表される。
6[mm]×(620[℃]−20[℃])×10×10−6[1/℃]÷2=0.018[mm]・・・式(2)
【0084】
そのため、上記の式(1)及び式(2)により、A+Bは0.054[mm]となり、外周成形型33の成形面33aの凹凸深さD=0.010[mm]より十分に大きい量となり、光学素子(ガラス100)が外径成形型33から抜けることができる。
【0085】
なお、外径成形型33の材質は、ガラス100への転写性を重視するなら超鋼材がよいが、線膨張係数が低いため、収縮量を大きくするには外周成形型33の径方向の厚みRを大きくする必要がある。
【0086】
製造上の制約(型サイズの標準化など)などで、外径成形型33のサイズを小さくする必要がある場合は、線膨張係数の大きいステンレスなどを使用するとよい。
上述の冷却工程の後、図示しないロボットは、上型32及び位置決めリング35をスリーブ34の中から取り出した後、製造された光学素子を取り出す。
【0087】
以上説明した第3実施形態においても、ガラス(光学素子材料)100の外周部分に凹凸形状(形状)を転写する外周成形型33(第3の成形型)は、3つ(複数)の分割片33−1,33−2,33−3に分割されている。そのため、分割された分割片33−1,33−2,33−3ごとに収縮するため、製造された光学素子が外周成形型33の収縮によって取り出しづらくなるのを防ぐことができる。よって、本実施形態によっても、ガラス(光学素子材料)100の外周部分に形状を転写する外周成形型(第3の成形型)33から光学素子を容易に取り出すことができる。
【0088】
また、本実施形態においても、スリーブ(位置規制部材)34は、外周成形型33の位置を規制する。そのため、外周成形型33の分割片33−1,33−2,33−3の位置を、例えば、ガラス100を加圧するときの位置に規制することで、分割片33−1,33−2,33−3の位置ズレを防ぐことができる。
【0089】
また、本実施形態では、外周成形型(第3の成形型)33の3つ(複数)に分割された分割片33−1,33−2,33−3のそれぞれは、下型(第1の成形型)31の一部において固定されている。そのため、分割片33−1,33−2,33−3を下型33との固定位置を中心に収縮させることができる。したがって、光学素子をより一層容易に取り出すことができる。
【0090】
また、本実施形態では、外周成形型(第3の成形型)33の線膨張係数は、下型(第1の成形型)31の線膨張係数よりも大きい。そのため、固定対象である下型31よりも外周成形型33を収縮させて、光学素子をより一層容易に取り出すことができる。
【0091】
また、本実施形態では、外周成形型33は、ガラス(光学素子材料)100の外周部分に凹凸形状を転写する凹凸形状の成形面33aを有し、ガラス100の中心Oと、分割片33−1,33−2,33−3の下型(第1の成形型)31に対する固定位置(固定ピン36−1,36−2,36−3)との間において、ガラス100を加圧する際の温度から常温に冷却されるまでのガラス100と分割片33−1,33−2,33−3の相対的な移動量(A+B)は、外周成形型33の成形面33aの凹凸形状の凹凸深さD(高低差)よりも大きい。そのため、固定対象である下型31よりも外周成形型33を収縮させて、光学素子をより一層容易に取り出すことができる。
【0092】
なお、本実施形態では、外周成形型33の分割片33−1,33−2,33−3を第1の成形型の一例である下型31に固定する例について説明したが、第1の成形型として、上型32や位置決めリング35に固定することも可能である。
【0093】
以上説明した第1〜第3実施形態では、外周成形型13,23,33が分割されているため、ガラス100の外周部分のうち、分割片の隣接部分により形状を転写される部分では、線状痕を縦に入れることができる。実際に分割された外周成形型を試作し、それを用いて光学素子を製造したところ、線状痕の線幅は約1μmであることを確認できた。そのため、製造された光学素子を顕微鏡などで詳しく観察すれば、分割された外周成形型13,23,33により外周部分に形状が転写されたか否かを判断することができる。
【0094】
また、以上説明した第1〜第3実施形態では、位置決めリング15,25,35及びスリーブ14,24,34を用いる場合について説明したが、位置決めリング15,25,35及びスリーブ14,24,34は省略することも可能である。また、外周成形型13,23,33の複数の分割片のうちの少なくとも一部を下型11,21,31や上型12,22,32に一体にしたり固定したりすることも可能である。
【0095】
また、以上説明した第1〜第3実施形態では、光学素子材料の一例としてガラス100を用いる場合について説明したが、他の材料を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0096】
10 光学素子成形用型セット
11 下型
11a 成形面
12 上型
12a 成形面
12b 細径部
12c ベース部
13 外周成形型
13a 成形面
14 スリーブ
15 位置決めリング
15a 貫通孔
15b 成形面
15c フランジ部
20 光学素子成形用型セット
21 下型
21a 成形面
21b 細径部
21c ベース部
22 上型
22a 成形面
22b ベース部
22c フランジ部
23 外周成形型
23a 成形面
24 スリーブ
24a 薄肉部
24b 厚肉部
24c 段差部
25 位置決めリング
25a 貫通孔
25b 成形面
25c フランジ部
30 光学素子成形用型セット
31 下型
31a 成形面
32 上型
32a 成形面
32b 細径部
32c ベース部
33 外周成形型
33a 成形面
34 スリーブ
35 位置決めリング
35a 貫通孔
35b 成形面
35c フランジ部
36 固定ピン
100 ガラス
101 押圧ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子材料を挟んで対向して配置される第1の成形型及び第2の成形型と、
前記光学素子材料の外周部分に形状を転写する第3の成形型と、を備え、
前記第3の成形型は、前記光学素子材料の周方向において複数に分割されている、光学素子成形用型セット。
【請求項2】
前記第3の成形型の位置を規制する位置規制部材を更に備える、請求項1記載の光学素子成形用型セット。
【請求項3】
前記第3の成形型の複数に分割された分割片のそれぞれは、前記第1の成形型の一部において部分的に固定されている、請求項1又は請求項2記載の光学素子成形用型セット。
【請求項4】
前記第3の成形型の線膨張係数は、前記第1の成形型の線膨張係数よりも大きい、請求項3記載の光学素子成形用型セット。
【請求項5】
前記第3の成形型は、前記光学素子材料の外周部分に凹凸形状を転写する凹凸形状の成形面を有し、
前記光学素子材料の中心と、前記分割片の前記第1の成形型に対する固定位置との間において、前記光学素子材料を加圧する際の温度から常温に冷却されるまでの前記光学素子材料と前記分割片の収縮に伴う、該光学素子材料と該分割片の相対的な移動量は、前記第3の成形型の前記成形面の凹凸形状の高低差よりも大きい、請求項3又は請求項4記載の光学素子成形用型セット。
【請求項6】
光学素子材料を加熱する加熱工程と、
前記光学素子材料を挟んで対向して配置される第1の成形型及び第2の成形型と、該光学素子材料の外周部分に形状を転写する第3の成形型とが、該光学素子材料に形状を転写するように、加熱された該光学素子材料を加圧する加圧工程と、
加圧された前記光学素子材料を冷却する冷却工程と、を含み、
前記第3の成形型は、前記光学素子材料の周方向において複数に分割されている、光学素子の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−144380(P2012−144380A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1523(P2011−1523)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)