説明

光学装置及びその製造方法

【課題】光学装置に使用される正孔輸送ポリマーの製造のための重合単位の製造プロセスを提供する。
【解決手段】硫黄の存在下での反応を含み、各Rは同じか異なり、独立してH又は置換基であり、nは、0又は1ないし100までの整数であり、Ar及びAr’は同じか異なり、それぞれ、置換又は未置換の芳香族又は複素芳香族基であり、Yは直接結合、発光部、正孔輸送部又は電子輸送部であり、Xは重合可能基である方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学装置、そのための正孔輸送ポリマー及び重合単位からの前記ポリマーの製造方法に関するものである。本発明は、さらに、前記重合単位の製造プロセスにも関係する。
【背景技術】
【0002】
有機発光装置は、通常、カソード、アノード及び前記カソードとアノードの間の有機発光領域を有する。発光有機材料は、US4539507号に記載されるような低分子材料又はPCT/WO/13148号に記載されるようなポリマー材料を含むことができる。電子及び正孔は結合して光子を生成する。
【0003】
有機起電装置は、通常、カソード、アノード及び前記カソードとアノードの間の有機光応答領域を含む。このような装置は、WO96/16449に記載されている。光応答領域は、光を吸収して1対の電子と正孔を生成し、これらが電極へ移動することで、電子装置を駆動するために使用される電流を形成する。
【0004】
図1は、光学装置の典型的な断面構造を示す。この装置は、通常、インジウム錫酸化物(ITO)層のような透明なアノード2で被覆されたガラス又はプラスチックの透明基板1上に形成される。ITO被覆基板は、光応答又は電子発光有機材料3、並びに選択的にアルミニウムのキャップ層(図示しない)を伴うカルシウムのような低仕事関数の金属が適用されるカソード材料4で被覆される。他の層、例えば、電極と光応答又は光発光材料の間の電荷輸送を改良するための層を加えることができる。示された装置は電極に接続された電源を有する発光装置である。光起電装置においては、装置を駆動するために電極が接続される。
【0005】
電子発光及び光起電装置によく使用される電荷輸送層はアノードと発光又は光応答領域の間に位置する正孔輸送層である。この層は、アノードから発光又は光応答領域へ正孔を輸送する。ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)は、アノードにおけるインジウム錫酸化物と発光層としてのPPVの間のエネルギーレベルを提供する層として使用される。PEDOTはEP0686662に開示されている。PEDOTは、電子高濃度のポリチオフェンであり、したがって、正孔輸送ポリマーとして有益である。
【0006】
光学装置の発光領域への正孔及び電子の輸送はWO00/55927に開示されている。この開示によれば、複数層装置において、区別された層から形成される正孔輸送及び/又は電子輸送領域ではなく、単一のポリマーの中に正孔輸送及び/又は電子輸送領域の1又は両者が形成される。ターチオフェン単位を含む多様な低分子繰返し単位がこの構造の使用のために提案されている。しかしながら、この手法はモノマー単位の利用性及び上述した方法による重合の可能性によって限定されている。チオフェン濃度の高いポリマーの合成ルートは記載されていない。
【0007】
光学装置の分野以外においては、分岐トリフルオロメチル基を有するポリアリーレンが、Banerjee et al in Polymeric Materials Science and Engineering (1999),80,98−99に記載されている。高い機械的強度に有用な堅いロッドのポリマーが記載されている。多くのトリアリールモノマーが、4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニルボロン酸とジブロモベンゼン、ピリジン及びチオフェン化合物のパラジウム触媒による架橋カップリングで合成された。これらのモノマーはポリマーを形成するために合成された。
【特許文献1】欧州特許0686662号明細書
【特許文献2】国際公開00/55927号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
光学装置に使用される新規な正孔輸送ポリマーの用意が必要とされる。したがって、第1の側面において、本発明は、光学装置に使用される正孔輸送ポリマーの製造のための重合単位の製造プロセスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のプロセスは次の反応を含む。
【化1】

各Rは同じか異なり、独立してH又は置換基である。nは、0又は1ないし100までの整数である。Ar及びAr’は同じか異なり、それぞれ、置換又は未置換の芳香族又は複素芳香族基である。Yは直接結合、発光部、正孔輸送部又は電子輸送部であり、Xは重合可能基である。
【0010】
重合単位の製造に続いて、正孔輸送ポリマーであるホモポリマーを形成するために重合されるか、又は正孔輸送コポリマーを形成するために少なくとも1つの他のポリマー単位と重合される。したがって、正孔輸送ポリマーの製造のための新しい合成ルートが本発明によって提供される。ポリマーへの官能基の導入は、重合単位へ官能基を組み込み、次いで、これを重合することによってなされる。これは、可溶性、発光、光起電装置の使用のための光活性性、電子輸送特性又はさらなる正孔輸送特性のような他の有益な特性を有する広い範囲の正孔輸送ポリマーが製造されるのを可能にする。
【0011】
X基は、ポリマーの製造を可能にする反応基である重合可能基である。この基は同じ構造の他の異なる重合単位と反応させることによってホモポリマーを形成することができ、他の異なる重合単位と反応させることによってコポリマーを形成することができる。反応物は、各分子同じX基を有することができ、或いは、あるものは第1の重合可能基(例えば、Br)及び他のものは異なる重合可能基(例えば、ボロン誘導体)を有する反応物の混合として存在する。通常の重合可能基は、選択的に触媒の存在下、他のモノマー上の重合可能基と直接反応するものである。好ましくは、重合可能基は、スズキ反応、ヤマモト反応、Gilch反応、Stille反応又はHeck反応を行うことができる。
【0012】
共役ポリマーの製造へのスズキ反応の適用は、WO00/53656に記載されており、その内容は、引用文献として本明細書に組み込まれる。共役ポリマーは、(a)ボロン酸基、ボロンエステル基及びボラン基から選択される少なくとも2つの反応性ボロン誘導基を有する芳香族モノマー、及び、少なくとも2つの反応性ハロゲン官能基を有する芳香族モノマーの反応混合物、または、(b)1つの反応性ハロゲン官能基を有する芳香族モノマー、及び、ボロン酸基、ボロンエステル基及びボラン基から選択される1つの反応性ボロン誘導基の反応混合物、を重合することによって製造される。反応混合物は、パラジウム触媒の触媒量、及び反応性ボロン誘導基を−B(OH)3アニオンに変換させるに十分な量の有機塩基を含む。重合性基は、反応性ハロゲンを含んでいてもよい。トシレート基のような反応性硫酸基はスズキ反応に使用することができる。
【0013】
ヤマモト反応は、ジブロミドモノマーのニッケル媒介カップリングを含む重合である。これは、“Macromolecule”,31,1099−1103(1998)に記載されている。したがって、重合可能基は臭素のようなハロゲンを含むときヤマモト反応の反応を行うことができる。
【0014】
重合可能基がGilch反応の反応をできるとき、ハロメチル基を含む。光学装置のためのポリマーの形成に使用されるGilch反応の例は、特に、前躯体ポリマーがGilch反応を使用してモノマーから形成される場合がEP0544795に開示されている。
【0015】
Heck反応は、通常、ビニル機能とアリール又はアルキルハロゲンの間のパラジウム触媒反応を含む。したがって、Heck反応のための重合可能基は、ビニル又はハロゲン基である。
【0016】
Stille反応は、通常、パラジウム触媒置換及び有機スズを含む付加である。Stille反応における重合可能基は、スズ酸塩又はヨウ素のようなハロゲンである。
【0017】
Ar及びAr’基は、同じか異なり、それぞれ芳香族又は複素芳香基である。各基はポリマー主鎖に沿った共役を保持するための芳香族であることが好ましく、各芳香族基はフェニル基であることが好ましい。複素芳香族基は、ピリジン及びピリミディジンのような窒素含有芳香環を含む。芳香族及び複素芳香族基は置換されるか又はされない。置換されるときは、置換基は、反応プロセス又は重合のプロセスを干渉しない立体的及び電子特性を有さなければならない。置換基は、正孔輸送ポリマーのバンドギャップを変えるか、又は重合単位が重合されるとポリマーの溶解特性を変えることができる。
【0018】
このような置換基としては、アルキル、ヘテロアルキル、ペルフルオロアルキル、アルキアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アリール、アルコキシ、チオアルキル又はシアノ置換基が挙げられる。
【0019】
本発明のR基は、多くの異なる機能を果たすために選択され得る。通常、各Rはアルキル、ヘテロアルキルアリール又はヘテロアリールであり、他のR基と環を形成することができる。R基は溶解性基であり、例えば、有機溶媒中の重合単位及び/又は正孔輸送ポリマーの溶解性を増大させる。非極性溶解性基がこの役割のために好ましい。このような基としては、アルキル、ヘテロアルキル、ペルフルオロアルキル、アルキアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アリール、アルコキシ、チオアルキル又はシアノ基が挙げられる。
【0020】
R基は、正孔輸送ポリマーに1又は2以上の追加の特性を与える機能を有することができる。例えば、R基は、発光置換基、正孔輸送置換基及び電子輸送置換基から選択されることができる。これらの置換基は、それぞれ、重合単位から形成されると正孔輸送ポリマーの特性の一部を果たすことができる。
【0021】
発光置換基の中には蛍光性又は燐光性側鎖が含まれ得る。適切な燐光性側鎖は、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)又はビス[2−(2’−ベンゾチエニル)ピリジナート−N,C2’]アセチルアセトナートイリジウム(III)のような燐光性金属キレートを含む。
【0022】
R基は、通常、トリアリールアミンのような電子高濃度側基である正孔輸送置換基であり得る。電子輸送置換基が組み込まれる。これらR基は、ベンゾチアジアゾールを含む。
【0023】
Yについては、最も単純な実施態様においては、YはAr基を重合可能基に結合する直接結合である。Yは、また、重合単位が正孔輸送ポリマーを形成するために重合されると、ポリマー主鎖の一部を形成する機能部となることができる。この場合、この部位は正孔輸送ポリマーの特性に直接的な関係を与える。Yは、ポリマーが光学装置に使用されるときポリマーにこれらの機能を与える発光部位、正孔輸送部位及び電子輸送部位から選択されることができる。
【0024】
発光部位は共役芳香族区域を有することができる。
【0025】
正孔輸送部位はトリアリールアミンを有することができる。
【0026】
電子輸送部位はベンゾチアジアゾールを有することができる。
【0027】
それぞれの場合において、Y部位は、正孔輸送ポリマーを形成するための重合単位の形成又は重合単位の重合に干渉をする必要はない。
【0028】
好ましい実施態様によれば、Yは、電子高濃度の正孔輸送部位である。好ましくは、Yは、Ar1−N−Ar2を含み、Ar1及びAr2は、同じか異なり、それぞれ置換又は未置換の芳香族又は複素芳香基であり、Ar2は、重合可能基を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明のこの実施態様において、Yは次の一般式を有することが好ましい。
【化2】

この実施態様によれば、重合単位のAr基はY基の窒素に付着してトリアリールアミンを形成し、重合可能基はパラ−置換基としてAr2フェニル基に付着される。R’は、アルキル、ヘテロアルキル、ペルフルオロアルキル、アルキアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アリール、アルコキシ、チオアルキル又はシアノである。R’は、モノマーを溶解することができ、バンドギャップを変形する。これによって製造される重合単位は正孔輸送ポリマーに使用される特に有益な正孔輸送成分である。重合単位は、好ましくは、次のように形成される。
【化3】

このようにして、特に電子高濃度で、本質的に酸化可能で、低いバンドギャップの材料が製造されることができる。
【0030】
重合単位は、モノマー、オリゴマー又はポリマーであることができる。これは、nの値に依存する。nが0のとき、第1の反応物は次のとおりである。
【化4】

最も単純な形においては、RがHであり、重合可能基Xが存在しない場合は、これはスチレンから2,5−ジフェニルチオフェンの合成となる。これは、Baumann−Fromm反応として知られ、1895年にBaumannとFrommによって最初に報告された。
【0031】
nが1ないし100の整数であるとき、重合単位はオリゴマー又はポリマーとなる。nは好ましくは20であり、より好ましくは10、最も好ましくは5である。ここで、第2の反応物
【化5】

は硫黄及び第1の反応物と反応し、重合単位においてn+1のチオフェン環を生成する。第2の反応物の各R基は第1の反応物のR基と独立して同じか異なり、独立してH又は上記で定義される置換基である。R基が互いに異なる場合、重合単位の混合物は製造される。混合物のチオフェン環の置換のパターンは、いかに反応物が互いに反応するかに応じて、R基の重合単位の統計的な分配を有する。このようにして、重合単位の形成に干渉は生じない。この実施例に基づいて、重合可能基が好ましくはBrである次の反応が生じることができる。
【化6】

したがって、本発明に基づいて、反応物の適切な選択は、正孔輸送ポリマーに正孔輸送機能に加えて、異なる機能を与える。上記のように、発光機能又は電子輸送機能を含むこれらの機能は、重合単位に存在する側鎖置換基の使用により、又は重合単位が重合されるとポリマー主鎖の一部を形成する重合単位中の主鎖部位の使用によって与えられる。
【0032】
正孔輸送ポリマーの製造の過程においては、コポリマーを形成するために少なくとも1つの他の重合単位の存在のもとに重合単位が重合される。これは、追加の機能単位が正孔輸送ポリマーに組み込まれる他の方法を提供する。少なくとも1つの他の重合単位は、発行単位、正孔輸送単位あるいは電子輸送単位を含んでも良い。適切な発光単位の中から、共役芳香族区域が選択される。適切な正孔輸送単位の中から、トリアリールアミンが選択される。適切な電子輸送単位の中から、ベンゾチアジアゾールが選択される。
【0033】
本発明の他の側面に基づいて、光学装置の使用のために正孔輸送ポリマーの製造のために一般式Iの重合単位の使用が提供される。この式において、各Rは同じか異なり、独立してH又は置換基である。nは0又は1ないし100までの整数である。Ar及びAr’は同じか異なり、それぞれチオフェンではなく芳香族基又は複素芳香族基であり、置換されるか又は置換されない。Yは直接結合、発光部位、正孔輸送部位又は電子輸送部位である。Xは重合可能基である。
【0034】
他の側面において、本発明は光学装置に使用される正孔輸送ポリマーを提供し、このポリマーは次の繰返し単位及び選択的に少なくとも1つの他の繰返し単位を有する。
【化7】

ポリマーは本明細書で定義されるプロセスによって得られる。Ar及びAr’は同じか異なり、それぞれチオフェンではなく芳香族基又は複素芳香族基で、置換されるか又は置換されない。通常、正孔輸送ポリマー多くの基の選択は、ポリマーのバンドギャップが発光装置におけるアノードの仕事関数と発光層のHOMOエネルギーレベルの間に適切に適合するレベルである。
【0035】
他の側面において、本発明は、2つの電極間に位置する本明細書で記載した正孔輸送ポリマーを含む半導体ポリマー領域を有する光学装置を提供する、このような光学装置は電子発光装置又は光起電装置を提供する。他の装置はセンサー及びトランジスターを含む。
【0036】
光学装置が電子発光装置である場合、正孔輸送ポリマーがそれ自体発光ポリマーであるかどうかに応じて、発光材料の他の領域が正孔輸送ポリマーとカソードの間に位置する。選択的に、電子輸送層が発光層とカソードの間に位置される。光起電装置において、光応答領域が発光領域に取って代わる。
【0037】
このような光学装置の製造プロセスも提供される。このプロセスは、本明細書で記載される光学装置を得るために、装置の各層又は各領域を堆積する工程をさらに含む。
【0038】
一般的に言って、重合単位の製造プロセスが下記にように実行される。
【0039】
目的のオレフィン約55mmolが硫黄元素899mmolと共に、コイル式凝縮器を有する丸底フラスコ中で240℃まで加熱され、油浴を使用して加熱された。この温度に達せられるとき、2つの漂白トラップ及びNaOHトラップを使用して、気体H2Sが放出される。約4時間後、泡立ちが終了し、反応の終了を知らせる。次いで、茶色の固体が反応混合物から除去され、この反応混合物は多くの溶媒から再結晶され、目的のモノマーを生成する。
【0040】
実施例
ビス−2,5(4−ブロモフェニル)チオフェンの製造
4−ブロモスチレン(10g,0.055モル)、硫黄(2.86g,0.089モル)が凝縮器を有するRBフラスコ中で加熱され、その後ナトリウムヒポクロライト(〜500ml)で満たされた気体トラップに適用され、3番目に水酸化ナトリウム(〜100ml)の溶液に満たされたトラップに適用された。
【0041】
4−ブロモスチレンの沸点に達すると、全ての硫黄が溶解した(油浴温度140℃)。沸騰した4−ブロモスチレンの量は継続的に減少し、黄色から茶色の変色し、この時点で水凝縮器が切られた。〜200℃において、溶液は沸騰を停止した。〜210℃において、気体の放出は硫化水素であると推定された。230〜245℃において、多くの量の気体が放出された硫化水素であると推定された。240〜250(油浴温度)の反応温度が3時間維持され(ガス放出が終わるまで)暗い固体が生成された。
【化8】

【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】典型的な光学装置の断面図を示す。
【符号の説明】
【0043】
1 透明基板
2 アノード
3 光応答又は電子発光有機材料
4 カソード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学装置に使用される正孔輸送ポリマーの製造に使用するための一般式Iの重合単位の使用方法であって、
【化1】

各Rは同じか異なり、独立してH又は置換基であり、nは0又は1ないし100までの整数であり、Ar及びAr’は同じか異なり、それぞれチオフェンではなく置換されるか又は置換されない芳香族基又は複素芳香族基であり、Yは直接結合、発光部位、正孔輸送部位又は電子輸送部位であり、Xは重合可能基である使用方法。
【請求項2】
各Arはフェニル基である請求項1に記載の使用方法。
【請求項3】
nは整数であり、各Ar’基はフェニル基である請求項2に記載の使用方法。
【請求項4】
各Rは、アルキル、ヘテロアルキル、ペルフルオロアルキル、アルキアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アリール、アルコキシ、チオアルキル又はシアノである請求項1ないし3のいずれかに記載の使用方法。
【請求項5】
少なくともいくつかのR基は、有機溶媒中の溶解度を高める可溶性基である請求項1ないし4のいずれかに記載の使用方法。
【請求項6】
少なくともいくつかのR基は、発光置換基、正孔輸送置換基及び電子輸送置換基から選択される請求項1ないし5のいずれかに記載の使用方法。
【請求項7】
前記重合可能基は、スズキ反応、ヤマモト反応、Gilch反応、Stille反応又はHeck反応における反応を行うことができる請求項1ないし6のいずれかに記載の使用方法。
【請求項8】
前記重合可能基は、スズキ反応における反応を行うことができ、反応性硫酸基又は反応性ハロゲン基を含む請求項7に記載の使用方法。
【請求項9】
前記重合可能基は、ヤマモト反応における反応を行うことができ、ハロゲン基を含む請求項7に記載の使用方法。
【請求項10】
前記重合可能基は、Gilch反応における反応を行うことができ、ハロメチル基を含む請求項7に記載の使用方法。
【請求項11】
YはAr1−N−Ar2を含む正孔輸送部位であり、Ar1又はAr2は同じか異なり、それぞれ置換されるか又はされない芳香族又は複素芳香族基であり、Ar2は重合可能基を有する請求項1ないし10のいずれかに記載の使用方法。
【請求項12】
Yは、
【化2】

であり、R’は、H又はポリマーの溶解性又は電子特性を変えるための基である請求項11に記載の使用方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの他の重合単位は、発光単位、正孔輸送単位又は電子輸送単位を含む請求項1ないし12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
次の反応を含む方法によって製造される、光学装置に使用される正孔輸送ポリマーの製造のための重合単位であり、
【化3】

各Rは同じか異なり、独立してH又は置換基であり、nは、0又は1ないし100までの整数であり、Ar及びAr’は同じか異なり、それぞれ、置換又は未置換の芳香族又は複素芳香族基であり、Xは重合可能基であり、YはAr1−N−Ar2を含む正孔輸送部位であり、Ar1又はAr2は同じか異なり、それぞれ置換されるか又はされない芳香族又は複素芳香族基であり、Ar2は重合可能基を有する重合単位。
【請求項15】
次の一般式を有する請求項14に記載の重合単位。
【化4】

【請求項16】
光学装置に使用するための正孔輸送ポリマーであって、次の繰返し単位及び選択的に少なくとも1つの他の繰返し単位を含み、
【化5】

前記ポリマーは、次の方法により重合単位を生成すること、及び、選択的に少なくとも1つの他の重合単位の存在の下で前記重合単位を重合することで得られる。
【化6】

各Rは同じか異なり、独立してH又は置換基であり、nは0又は1ないし100までの整数であり、Ar及びAr’は同じか異なり、それぞれチオフェン又は複素芳香族基ではなく、置換されるか又は置換されない芳香族基又は複素芳香族基であり、Yは直接結合、発光部位、正孔輸送部位又は電子輸送部位であり、Xは重合可能基である。
【請求項17】
1対の電極間に位置された請求項16に記載の正孔輸送ポリマーを含む半導体ポリマーを有する光学装置。
【請求項18】
電子発光装置又は光起電装置を含む請求項17に記載の光学装置。
【請求項19】
1対の電極間に位置された正孔輸送ポリマーを含む半導体ポリマーを有する光学装置の製造方法であって、前記ポリマーは、次の方法により重合単位を生成すること、及び、選択的に少なくとも1つの他の重合単位の存在の下で前記重合単位を重合することで得られる。
【化7】

各Rは同じか異なり、独立してH又は置換基であり、nは0又は1ないし100までの整数であり、Ar及びAr’は同じか異なり、それぞれチオフェン又は複素芳香族基ではなく、置換されるか又は置換されない芳香族基又は複素芳香族基であり、Yは直接結合、発光部位、正孔輸送部位又は電子輸送部位であり、Xは重合可能基である。

【図1】
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【公開番号】特開2011−153307(P2011−153307A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23495(P2011−23495)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【分割の表示】特願2007−547661(P2007−547661)の分割
【原出願日】平成17年12月23日(2005.12.23)
【出願人】(597063048)ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド (152)
【Fターム(参考)】