説明

光導波路の検査システム及び検査方法

【課題】従来の検査装置及び検査方法に比べて、高速且つ高精度に光導波路の導通検査を行うことができる光導波路の検査システム及び検査方法を提供する。
【解決手段】積分球36では、発光素子40の発光強度に比例した、均一な強度分布の光が生成される。積分球36で生成された均一光は、ファイババンドル44の入射端面44Aから入射して、その内部を均一な強度分布を維持しながら導光し、出射端面44Bから出射する。出射端面44Bから出射された光は、光配線板12の表面12Aに在る光入力部28を含む領域に、均一な光強度分布で照射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導波路の検査システム及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報通信機器のシステム性能向上のボトルネックを解消する手段として、光導波路を用いた光配線板が注目されている。光配線板の特性検査としては、光導波路の伝搬損失を計測する導通検査が行われる。伝搬損失の値により、光導波路の励振状態を評価することができる。光導波路の導通検査は、光配線板に設けられた全部の光導波路について行われる。
【0003】
光導波路のコア径は数十μmと非常に小径であるため、従来、光導波路の導通検査は、光ファイバ調芯装置により行われている。光ファイバ調芯装置は、入射側の光ファイバを用いて光導波路の光入力部に検査光を入射し、光導波路の光出力部からの出射光を出射側の光ファイバにより受光する(非特許文献1)。光ファイバ調芯装置では、自動調芯により数μmの精度にて光ファイバの位置決めをして、光導波路の導通検査を行う。
【0004】
【非特許文献1】社団法人日本電子回路工業会 JPCA規格「光導波路を用いた光配線板の寸法測定方法(JPCA-PE02-05-02S-2008)」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の光ファイバ調芯装置では、自動調芯により数μmの精度にて光ファイバの位置決めをしなければならないため、調芯作業に1分〜2分要する、という問題がある。現在、Bフレッツ(登録商標)に代表さる幹線系光通信網の各種機器において、光配線板等の光モジュールが実用化されている。使用される光モジュールの需要は、多くても数万個/月程度である。現在の総出荷数から計算すると、光ファイバ調芯装置を用いた導通検査でも、全数検査が可能である。
【0006】
一方、今後は、携帯電話や情報家電などの民生機器にも、光配線板等の光モジュールが実装されることが予想される。将来の需要を考えた場合、携帯電話の高級機器に限定しても2000万個/月と、その需要は桁違いに大きくなる。従って、従来の光ファイバ調芯装置を用いた導通検査では、1個あたりの検査時間が長過ぎて、全数検査に対応できない虞がある。
【0007】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、本発明の目的は、従来の検査装置及び検査方法に比べて、高速且つ高精度に光導波路の導通検査を行うことができる光導波路の検査システム及び検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために各請求項に記載の発明は下記の構成を備えている。
【0009】
請求項1の発明は、光導波路を備えた光学デバイスを予め定めた位置に保持する保持手段と、予め定めた波長の光を出射する光源、前記光源を駆動する光源駆動部、前記光源の出射光を導入して強度分布が均一化された検査光を生成する積分球、及び入射端が前記積分球の開口部に接続され且つ前記積分球で得られた前記検査光を前記入射端から出射端まで導く光導光部を備え、前記検査光を前記光導光部の出射端から出射して、前記光導波路の光入力部を含む表面又は端面に照射する光照射装置と、前記光照射装置から前記光入力部に前記検査光が照射された場合に、前記光導波路の光出力部の画像を撮像する撮像装置と、前記撮像装置から入力された画像データに基づいて画像解析を行う解析装置と、を備えた光導波路の検査システムである。
【0010】
請求項2の発明は、前記光照射装置は、前記積分球内の光強度を検出する検出素子、及び前記検出素子の検出信号に基づいて前記光源の出射光の強度が一定となるように前記光源駆動部をフィードバック制御する制御回路を、更に備えた請求項1に記載の光導波路の検査システムである。
【0011】
請求項3の発明は、前記光導光部は、複数の光ファイバが束ねられたファイババンドルである請求項1又は2に記載の光導波路の検査システムである。
【0012】
上記ファイババンドルは、前記入射端及び前記出射端の端面が平坦化されていることが好ましい。また、上記ファイババンドルは、前記出射端側が予め定めた曲げ角度で曲げられていてもよい。また、上記ファイババンドルは、側面が光遮蔽材料で被覆されていることが好ましい。
【0013】
請求項4の発明は、前記光導光部は、前記出射端の端面の直径を7mm〜8mmの範囲とした場合に、前記出射端の端面が、前記光導波路の光入力部を含む表面又は端面との間隔が0.5mm〜6mmの範囲となる位置に配置される請求項1〜3のいずれか1項に記載の光導波路の検査システムである。
【0014】
請求項5の発明は、前記撮像装置は、入射光を平行光化する対物レンズ、前記対物レンズで得られた平行光を予め定めた撮像面に結像させる光学系、及び前記撮像面に結像された画像を撮像する撮像部を備え、前記対物レンズが前記光導波路の光出力部から出射される光の焦点位置に配置される請求項1〜4のいずれか1項に記載の光導波路の検査システムである。
【0015】
請求項6の発明は、前記解析装置は、前記撮像装置で取得された画像データを処理して別の画像データに変換する画像処理部、前記画像処理部で処理された別の画像データに基づいて前記光導波路の導波特性を計測して計測データを取得する計測処理部、及び前記計測処理部で取得された計測データと予め定めた閾値とに基づいて前記光導波路の導波特性の良否を判定する判定部を備えた請求項1〜5のいずれか1項に記載の光導波路の検査システムである。
【0016】
請求項7の発明は、前記画像処理部は、前記撮像装置で取得された画像データに基づいて計測領域を設定し、設定された計測領域の画像データを処理して別の画像データに変換する請求項6に記載の光導波路の検査システムである。
【0017】
請求項8の発明は、前記解析装置に接続され且つ情報を表示する表示部を更に備え、前記撮像装置で取得された画像データ、前記画像処理部で処理された別の画像データ、前記計測処理部で取得された計測データ、及び前記判定部で判定された前記光導波路の導波特性の良否のいずれか1つに基づいて、解析結果を表示する請求項6に記載の光導波路の検査システムである。
【0018】
請求項9の発明は、前記保持手段は、複数の光学デバイスを予め定めた位置に順次供給し、検査期間だけ保持する請求項1〜8のいずれか1項に記載の光導波路の検査システムである。
【0019】
請求項10の発明は、前記保持手段は、前記光導波路を備えた光学デバイスを、前記光導波路のクラッドの屈折率以上の屈折率を備えた屈折率調整材を介して保持する請求項1〜9のいずれか1項に記載の光導波路の検査システムである。
【0020】
請求項11の発明は、光導波路を備えた光学デバイスを予め定めた位置に保持し、光源を駆動して予め定めた波長の光を出射させ、前記光源からの出射光を積分球に導入して強度分布が均一化された検査光を生成し、前記積分球で得られた前記検査光を、前記積分球に接続された光導光部の出射端まで導光し、前記検査光を前記光導光部の出射端から出射して、前記光導波路の光入力部を含む表面又は端面に照射し、前記光導波路の光出力部の画像を撮像し、撮像により取得された画像データに基づいて画像解析を行い、前記光導波路の導波特性を検査する光導波路の検査方法である。
【0021】
上記の光導波路の検査方法では、前記画像解析において、撮像により取得された画像データを画像処理して別の画像データに変換し、画像処理により取得された別の画像データに基づいて、前記光導波路の導波特性を計測処理して計測データを取得し、計測処理により取得された計測データと予め定めた閾値とに基づいて、前記光導波路の導波特性の良否を判定することができる。
【0022】
上記の光導波路の検査方法では、前記画像処理において、撮像により取得された画像データに基づいて計測領域を設定し、設定された計測領域の画像データを画像処理して別の画像データに変換することができる。
【0023】
請求項12の発明は、前記光導波路を備えた光学デバイスを、前記光導波路のクラッドの屈折率以上の屈折率を備えた屈折率調整材を介して保持する、請求項11に記載の光導波路の検査方法である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、従来の検査装置及び検査方法に比べて、高速且つ高精度に光導波路の導通検査を行うことができる光導波路の検査システム及び検査方法を提供することができる、という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0026】
<光導波路検査システム及び検査方法の概略説明>
図1(A)は本発明の実施の形態に係る光導波路検査システムの構成を示す概略図である。図1(A)に示すように、光導波路検査システム10は、光導波路を備えた光配線板12を予め定めた位置に保持する保持ステージ14、光導波路の光入力部を含む表面12Aに検査光を照射する光照射装置16、光導波路の光出力部の画像を撮像する撮像装置18、及び撮像装置18から入力された画像データに基づいて画像解析を行う解析装置20を備えている。また、光照射装置16は、検査光を出射する光出射部32を備えている。後述する通り、ここでの検査光は、表面12A上での光強度分布が均一な光(以下、単に「均一光」という場合がある。)である。一方、撮像装置18は、導波光を受光する光受光部34を備えている。なお、受光面上での「光強度」とは、放射パワー(単位:W又はmW)を意味する。即ち、光パワーメータ等でエネルギー量として測定された、単位時間当りの光放射による放射エネルギーの量である。また、伝搬損失を表す場合には、基準値に対する相対強度(単位:dB又はdBm)で表される。
【0027】
光配線板12は、基板(図示せず)上に1つ又は複数の光導波路22を備えている。光導波路22は、高屈折率のコア24と、コア24より屈折率の低いクラッド26とで構成された光伝送路である。汎用されている光配線板12には、コア径が20μm〜100μmの光導波路22が、基板に対して複数本配置されている。隣接する2つの光導波路22の間隔は、250μm又は125μmである。
【0028】
光導波路22に入射した光は、主にコア24を伝送するため、コア24を光導波路と称する場合もある。コア24の断面形状には、円形、楕円形、矩形、台形等の種々のコア形状がある。本実施の形態では、断面が矩形状のコア24を備える例について説明する。矩形状のコア24では、矩形状の断面の外接円の直径がコア径に相当する。
【0029】
本実施の形態では、ミラー等の光路変換器(図示せず)により、導波光が光配線板12の表面12Aから入出力される表面光入出力型の光配線板を図示している。ミラー等によるコア24の入射側の端面の表面12Aへの投影像部分が光入力部28を構成している。また、コア24の出射側の端面の表面12Aへの投影像部分が光出力部30を構成している。なお、図1(B)に示すように、導波光が光配線板の端面から入出力される端面光入出力型の光配線板では、コア24の入射側の端面が光入力部28を構成し、コア24の出射側の端面が光出力部30を構成する。
【0030】
上記の光導波路検査システム10では、光照射装置16の光出射部32から出射された検査光が、光配線板12の表面12Aに在る光入力部28を含む領域に、均一な光強度分布で照射される。光入力部28から入射した光は、光導波路22を導波して、光配線板12の表面12Aに在る光出力部30から出射する。光出力部30から出射された導波光は、撮像装置18の光受光部34により受光されて、光出力部30の画像が撮像される。撮像装置18は、得られた画像データを解析装置20に出力する。解析装置20は、撮像装置18から入力された画像データに基づいて画像解析を行い、光配線板12の各光導波路22の導波特性を検査する。以下では、導波特性の検査を、単に「導通検査」という場合がある。
【0031】
<光照射装置の詳細構成>
次に、光照射装置16の詳細構成について説明する。図2は光照射装置の詳細な構成を示す断面図である。図2に示すように、光照射装置16は、強度分布が均一な光を生成する球状の積分球36を備えている。積分球36は、球内壁面が拡散反射面とされており、導入された光が球内壁面で拡散反射を繰り返し(即ち、空間的に積分され)、均一な強度分布の光を生成する。積分球36は、光入出力を行うための複数の開口部38を備えている。
【0032】
本実施の形態では、積分球36は3つの開口部38A〜38Cを備えている。開口部38Aには、光源として発光素子40が設置されている。発光素子40は、発光部が積分球36内部に配置されるように設置されている。開口部38Bには、積分球36内部の光強度を検出する検出素子として、受光素子42が取り付けられている。例えば、発光素子40としては、光通信で使用される850nmの波長帯で発光する発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を用いることができる。受光素子42としては、発光素子40の発光光を受光できるフォトダイオード(Photo Diode:PD)を用いることができる。光源の発光波長は、検査対象である光配線板(即ち、光導波路)の導波波長に応じて適宜変更することができる。
【0033】
開口部38Cは、積分球36で生成された均一光を出射する出射口である。出射口面において光源の強度に比例した均一強度分布が得られるように、積分球36の大きさに比較して、開口部38Cは十分小さく設計されている。本実施の形態では、積分球36は直径が約50mmであり、開口部38Cの直径は約7mm〜8mmである。開口部38Cには、積分球36で得られた均一光を導光する光導光部として、ファイババンドル44の一端(入射端)が取り付けられている。
【0034】
ファイババンドル44は、細長い管状の導光体である。入射側の端面が入射端面44Aであり、出射側の端面が出射端面44Bである。ファイババンドル44の入射端面44Aは、積分球36内表面と略同じ面内に位置するように設置されている。入射端面44Aの好適な位置については、後で実験結果を示して説明するが、積分球36の壁面の厚さが約2mmの場合では、積分球36内表面から±5mmの範囲が好ましい。
【0035】
また、ファイババンドル44の出射端面44Bは、光配線板12の表面12Aに在る光入力部28から所定距離だけ離間させて配置されている。ここで、離間距離(ギャップG)とは、光配線板12の表面12Aと直交する方向での距離である。離間距離Gの好適な範囲については、後で実験結果を示して説明するが、出射端面44Bの直径が7mm〜8mmの場合では、離間距離Gは0.5mm〜6mmの範囲が好ましい。即ち、出射端面44Bは、離間距離Gが数mmとなるように位置合せして配置すればよく、検査速度は顕著に向上する。以下では、表面12Aと直交する方向を「鉛直方向」という。これに対し、表面12Aに平行な方向は「面内方向」という。
【0036】
光源である発光素子40は、駆動制御装置46に接続されている。駆動制御装置46には、図示しない電源から電力が供給されている。駆動制御装置46は、発光素子40を駆動するドライバ(図示せず)と、ドライバに制御信号を入力するコントローラ(図示せず)とで構成されている。また、検出素子である受光素子42の出力端も、駆動制御装置46に接続されている。駆動制御装置46は、コントローラの1つの機能部として、フィードバック回路46Aを備えている。
【0037】
上記の光照射装置16では、駆動制御装置46に、検出素子である受光素子42から検出信号が入力される。フィードバック回路46Aは、この検出信号に基づいて発光素子40の発光強度が一定になるように、ドライバ(図示せず)を介して発光素子40をフィードバック制御する。駆動制御装置46により、発光素子40が駆動制御されて所定の強度で発光する。
【0038】
積分球36では、光源である発光素子40の発光強度に比例した、均一な強度分布の光が生成される。積分球36で生成された均一光は、ファイババンドル44の入射端面44Aから入射して、その内部を均一な強度分布を維持しながら導光し、出射端面44Bから出射する。出射端面44Bから出射された光は、光配線板12の表面12Aに在る光入力部28を含む領域に、均一な光強度分布で照射される。即ち、ファイババンドル44の出射端面44Bが、光照射装置16の光出射部32である。
例えば、本実施の形態では、照射領域内での光強度のばらつきを2.0%以下とすることができる。光強度のばらつきは1.5%以下がより好ましい。ここで「光強度のばらつき」とは、計測データの最大値と最小値との差を表す。例えば、校正波長での光パワーメータの測定確度を±2.5%〜±5%とすると、光強度のばらつきが2.0%以下の照射光は、均一光と呼ぶのに十分である。なお、「光強度のばらつき」を、計測データとその平均値とから算出される分散又は標準偏差とすることもできる。
【0039】
(ファイババンドル)
次に、ファイババンドル44の詳細構成について説明する。図3(A)はファイババンドルの光軸に沿った断面図である。図3(B)はファイババンドルの端面の微細構造を示す断面図である。図3(A)及び(B)に示すように、ファイババンドル44は、複数の光ファイバ素線48が束ねられたものである。本実施の形態では、数百本から数万本の光ファイバ素線48を束ねたものが用いられる。複数の光ファイバ素線が束ねられて熔着されたロッド状のファイババンドルは、ライトロッドコンジットとも称される。
【0040】
ファイババンドル44は、撮像装置18の光学系との干渉を避けるために、点線で図示したように、出射端面44B側が曲げられていること又は曲げが可能であることが好ましい。入射端面44A及び出射端面44Bの各々は、研磨等により平坦化されている。また、ファイババンドル44の側面は、黒色ガラス等の光遮蔽部材50で被覆されている。本実施の形態では、ファイババンドル44として、出射端面44B側が曲げられているライトロッドコンジットを用いている。
【0041】
本実施の形態では、下記に一例として示す設計のライトロッドコンジットを用いることができる。例えば、直径が7.8mmで全長が15.5cmであり、出射端面44B側の2.4cmの部分が、曲げ角度45°で曲げられている。開口数(NA)は0.57であり、開口角度は70°である。1900本〜1950本程度の光ファイバ素線48が、束ねられて熔着されている。また、光ファイバ素線48は、多成分ガラスで構成されており、コア径が148μmであり、クラッド径が160μmである。
【0042】
(照射領域)
次に、光照射装置16の光出射部32により均一光が照射される領域について説明する。図4は光照射装置により均一な光強度分布で照射される領域を示す平面図である。図4に示すように、光配線板12の表面12Aには、複数の光入力部28が存在する場合がある。図4に示す例では、5個の光入力部28〜28が設けられている。光照射装置16の光出射部32、即ち、ファイババンドル44の出射端面44Bからは、5個の光入力部28〜28を含む点線で示す照射領域52に、均一な光強度分布で検査光が照射される。
【0043】
換言すれば、照射領域52には、均一な光強度分布で検査光が照射されるので、複数の光入力部28に同時に同じ検査光を照射して、複数の光導波路22について一度に導通検査を行うことができる。即ち、均一光で高精度の導通検査を行うことができる一方、光導波路22の光入力部28に対し、面内方向で出射端面44Bを高精度に位置合せして配置する必要がなく、検査速度は顕著に向上する。
【0044】
例えば、上記の例で、コア径が100μmの光導波路22が5本配置され、隣接する2つの光導波路22の間隔が250μmであるとすると、光入力部28〜28の配列方向の長さは1.5mmである。直径が7.8mmの出射端面44Bと対向する表面に、均一光が照射されるとすると、照射領域52は、5個の光入力部28〜28を容易に含むことができる。この結果から分かるように、面内方向の位置合せ精度は数mmのオーダとなり、目視でも位置合せが可能な範囲となる。
【0045】
<撮像装置及び解析装置の詳細構成>
次に、撮像装置18及び解析装置20の詳細構成について説明する。図5は撮像装置及び解析装置の詳細な構成を示す概略図である。撮像装置18は、入射光を平行光化する対物レンズ54、対物レンズ54で得られた平行光を所定の撮像面に結像させる結像光学系58、及び撮像面に結像された画像を撮像する撮像部60を備えている。
【0046】
対物レンズ54としては、入射した光束を集光して焦点面に像を生成するテレセントリック光学系を構成するレンズであれば、特に制限はないが、解析装置20での計測精度を向上させるためには、開口数(NA)の大きなレンズが好ましい。従来の光ファイバ調芯装置で使用される出射側の光ファイバのNAは0.4であることから、0.4以上のNAを有するレンズが特に好適である。対物レンズ54と結像光学系58との焦点距離の比は、1:4〜1:6の範囲に設定することが好ましい。この範囲では、複数本の光導波路22を同時に計測可能な結像比を得ることができ、検査効率を向上させることができる。
【0047】
撮像部60としては、イメ-ジセンサを搭載したビデオカメラを用いることができる。イメ-ジセンサとしては、CCD(Charged Coupled Device)イメ-ジセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメ-ジセンサを用いることができる。高精度に計測を行うためには、撮像部60の画素数は1024×768画素以上が好ましく、その読み出し階調は10bit以上がより好ましい。この条件下では、光導波路1本当たりの画素数は、50×50画素程度となる。
【0048】
また、対物レンズ54と結像光学系58との間には、一部の光を透過し且つ一部の光を反射するハーフミラー56が配置されている。対物レンズ54から見て、ハーフミラー56の光反射側には、照明装置62が配置されている。照明装置62は、照明装置62に電力を供給する照明用電源64に接続されている。照明装置62は、対物レンズ54の後ろ側焦点位置に照明光の像ができるように設置されている。照明装置62は、撮像装置18内の光学系の焦点位置合わせ等、計測の前準備を行うのに用いられている。従って、ハーフミラー56、照明装置62及び照明用電源64の各々は、適宜省略することができる。
【0049】
撮像装置18の撮像部60は、解析装置20に接続されている。解析装置20は、コンピュータ本体66及びその周辺機器により構成される。図示は省略するが、解析装置20は、一般のコンピュータと同様に、装置全体の制御及び各種演算を行うCPU(中央処理装置; Central Processing Unit)、OS(Operating Systems)等の各種プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)、プログラムの実行時にワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)、各種情報を記憶するハードディスク(HD)、入出力(I/O)ポート、及び各種ドライブを備えている。これら各部は、バスにより相互に接続されている。
【0050】
I/Oポートには、キーボードやマウス等の入力装置(図示せず)と、ディスプレイ等の表示装置68とが接続されている。ROM又はハードディスク(以下、「ROM等」という。)には、種々の解析プログラムが記憶され、解析データが保存されている。CPUは、解析用プログラムをROM等から読み出し、RAMにロードする。そして、RAMをワークエリアとして使用し、入力装置及び表示装置68を用いてユーザと対話をしながら、ロードされたプログラムを実行する。即ち、撮像装置18から入力された画像データに基づいて画像解析を行い、光配線板12の各光導波路22の導波特性を検査する。
【0051】
機能面から見ると、解析装置20は、撮像装置18で取得された画像データを処理して別の画像データに変換する「画像処理部」、画像処理部で処理された別の画像データに基づいて光導波路22の導波特性を計測して計測データを取得する「計測処理部」、及び計測処理部で取得された計測データと予め定めた閾値とに基づいて光導波路22の導波特性の良否を判定する「判定部」を備えている。
【0052】
上記の撮像装置18及び解析装置20では、対物レンズ54の前側焦点位置に、光配線板12の表面12Aに在る光出力部30が位置するように、光出力部30に対して対物レンズ54が位置合せされ、撮像装置18が撮像位置に配置される。光出力部30から出射された導波光は、撮像装置18の対物レンズ54に入射する。即ち、対物レンズ54が、撮像装置18の光受光部34である。対物レンズ54に入射した導波光は、対物レンズ54により平行光化される。得られた平行光は、結像光学系58により、所定の撮像面に結像される。撮像部60により、撮像面に結像された画像が撮像される。
【0053】
撮像装置18は、撮像部60で得られた画像データを解析装置20に出力する。画像データは、解析装置20のRAM等の記憶装置に保存される。解析装置20の「画像処理部」では、撮像装置18で取得された画像データが画像処理されて、別の画像データに変換される。例えば、撮像部60により複数回(例えば、2回、4回、8回)の撮像を行い、同じ画像について複数の画像データを取得する。複数回分の画像データを積算して、S/Nの高い画像データを取得することが可能である。実験的には、約8回の積算でS/Nの値が飽和した。従って、数回(1回〜10回)程度の撮像を行うことが好ましい。
【0054】
解析装置20の「計測処理部」では、画像処理された画像データを用いて、光導波路22の導波特性を計測して計測データを取得する。解析装置20の「判定部」では、取得された計測データと予め定めた閾値とに基づいて、光導波路22の導波特性の良否を判定する。例えば、光出力部30を含む領域での光強度分布を求め、得られた光強度分布の値から光導波路22の伝搬損失(計測データ)を算出する。伝搬損失に関しては予め閾値が設定されている。伝搬損失が閾値以下の光導波路22は、導波特性が適正と判定される。一方、伝搬損失が閾値を超える光導波路22は、導波特性が不良と判定される。
【0055】
また、解析装置20の「画像処理部」では、撮像装置18で取得された画像データに基づいて計測領域を設定し、設定された計測領域の画像データを処理して別の画像データに変換することもできる。例えば、図6に示すように、表示装置68には、撮像装置18で取得された画像データに基づく多値画像70が表示される。この多値画像70の画像データに対し、所定の閾値濃度(階調)に基づいて2値化処理を行う。図7に示すように、表示装置68には、2値化処理された画像データに基づく2値画像72が表示される。
【0056】
表示装置68を見ながら、計測領域(Region of Interest:ROI)74の設定を行う。所定の閾値濃度以上の領域(着色部分)を1次対象領域として、2値化図形(連結成分)76の各々に対してラベリング(番号付け)を行う。この例では、2値画像72には、9個の連結成分76が含まれている。連結成分76の各々について連結成分の画素数を求める。光配線板12の光出力部30の大きさ(コア径)に対応する画素数を、予め閾値として設定しておく。各連結成分の画素数を閾値(画素数)と比較して、差異が±5%以内であれば、その連結成分を計測領域74として設定する。点線で囲んだ部分が、設定された計測領域74である。この例では、5箇所に計測領域74が設定される。
【0057】
光配線板12では、光導波路22の光出力部30(コア24に対応した部分)だけでなく、他の部分(クラッド26に対応した部分等)でも、漏れ光が検出される場合がある。計測領域74の設定を行うことよって、コア24に対応した光出力部30からの出射光を、他の部分の漏れ光と分離して計測することが可能となる。従って、計測データのS/Nが更に向上する。
【0058】
加えて、計測領域74の設定を行うことで、光出力部30を含む所定領域の画像が撮像できているか否かを確認することができる。検査対象となる全部の光出力部30を含む領域が、撮像装置18で撮像されていれば問題はない。換言すれば、撮像装置18によれば、光出力部30を含む広い領域を一度に撮像することができるので、複数の光導波路22について一度に導通検査を行うことができる。光導波路22の光出力部30に対し、面内方向で撮像装置18を精密に位置合せして配置する必要がなく、検査速度は顕著に向上する。
【0059】
以上説明した通り、本実施の形態に係る光導波路の検査システム10では、光照射装置16の光出射部32と光配線板12の光入力部28との間、撮像装置18の光受光部34と光配線板12の光出力部30との間において、「鉛直方向」及び「面内方向」の両方で数mmオーダの位置合せ精度しか要求されないので、目視で確認できるほど位置合せが容易であり、高速且つ高精度に光導波路の導通検査を行うことができる。付言すれば、位置合せ精度が緩和されることで、位置ずれによる精度低下を回避して、従来に比べ検査精度が向上するのである。
【0060】
<変形例>
なお、上記の実施の形態では、図8(A)に示すように、光導波路22を備えた光配線板12を保持ステージ14上に直接載置する例について説明したが、この場合には、クラッド26を導波した光も出射側まで到達し、漏れ光が検出される。この問題に対処するために、図8(B)に示すように、光配線板12と保持ステージ14との間に、屈折率調整材78を挿入することが好ましい。屈折率調整材78は、シート状に形成して予め保持ステージ14上に貼り付け等しておくことができる。また、測定の都度に塗布することもできる。
【0061】
屈折率調整材78は、光導波路22のクラッド26の屈折率以上の屈折率を備えた材料である。屈折率調整材78としては、例えばマッチングオイルやジェル等を用いることができる。例えば、クラッド26の屈折率が1.5の場合には、同じ屈折率が1.5の屈折率調整材78を挿入する。屈折率調整材78を挿入することで、クラッド26に入射した光は、クラッド26を導波せずに屈折率調整材78に射出されて、漏れ光の検出が防止される。
【0062】
また、上記の実施の形態では、検査対象を「光導波路を備えた光配線板」としたが、本発明の光導波路の検査システム及び検査方法は、光導波路を有する他の光学デバイスの検査にも適用することができる。
【0063】
また、上記の実施の形態では、光学デバイスを保持する保持手段については保持ステージを設ける例について説明したが、保持ステージは移動可能又は回転可能に構成されていてもよい。多数の光配線板等の光学デバイスについて順次検査が行えるように、複数の光学デバイスを予め定めた位置に順次供給し、検査期間だけ保持するベルトコンベア式の保持手段を設けることもできる。本発明の光導波路の検査システム及び検査方法は、「鉛直方向」及び「面内方向」の両方において、数mmオーダの位置合せ精度しか要求されないので、どのような保持状態でも、高速且つ高精度に光導波路の導通検査を行うことができる。
【実施例】
【0064】
以下の実施例では、図4に示す光照射装置と同じ構成の装置を用い、ファイババンドルの出射端面又は入射端面の位置を種々変化させ、光配線板の表面上の照射領域内において光強度分布を測定する実験を行った。ファイババンドルとしては、上述の一例として示した設計のライトロッドコンジットを用いた。なお、各図では、ライトロッドコンジットを「ライトコンジット」と簡略標記している。以下、照射領域内にある光配線板の表面を「照射面」と称する。
【0065】
(実施例1)
図9(A)〜(F)は、ライトロッドコンジットの出射端面と照射面との離間距離Gに応じた照射面での光強度分布を表す図である。測定領域は、8mm×8mmの大きさであり、1600個(40×40)のグリッドに分割されている。1個のグリッドは測定単位を表し、その大きさは200μm×200μmである。測定領域は、照射領域より一回り大きくなるようにした。(A)0.5mm、(B)1mm、(C)2mm、(D)4mm、(E)5mm、(F)6mmの6種類の離間距離Gについて、光強度分布を測定した。光強度分布の測定は、図5に示す撮像装置及び解析装置と同じ構成の装置を用いて行った。
【0066】
図9(A)〜(F)において、0.9〜1.0までの数字は、最大強度に対する相対的な光強度を表している。図9(A)及び(B)から分かるように、離間距離Gが1mm以下では、光ファイバ素線同士の境界やダメージ部で受光面での光強度の低下が見られ、光強度に多少のばらつきが発生している。一方、図9(C)〜(F)から分かるように、離間距離Gが2mm以上では、離間距離Gが大きくなるほど光強度のばらつきが収束している。特に、離間距離Gが4mm〜6mmの範囲では、照射領域に対応するフラット部(均一照射範囲)のサイズは多少小さくなるが、フラット部での光強度にはほとんど変化が見られない。光強度のばらつきは2.0%以下である。
【0067】
以上の結果から、直径(外径)が7.8mmの上記ライトロッドコンジットを使用した場合には、照射面から2mm〜6mm離れた位置に、ライトロッドコンジットの出射端面を配置するのが好ましいことが分かる。また、照射面から4mm〜6mm離れた位置に出射端面を配置するのがより好ましいことが分かる。
【0068】
直径が7.2mmのライトロッドコンジットを使用した場合にも、同様の傾向が見られた。直径が7.2mmのライトロッドコンジットの場合は、離間距離Gが4mm以上で光強度のばらつきが収束する。この結果から、ライトロッドコンジットの直径と離間距離Gとの間には、およその比例関係があることが分かる。
【0069】
以上の通り、ライトロッドコンジットの出射端面と照射面との離間距離Gは、数mmオーダの精度で位置合せを行うことができ、目視で確認できるほど位置合せが容易である。
【0070】
(実施例2)
図10はライトロッドコンジットの入射端面と積分球の内表面とのずれ量を表す図である。図10に示すように、ライトロッドコンジットの入射端面の位置を、積分球の内表面から±5mmの範囲でずらして、照射面での光強度分布の変化を観察した。積分球の内部へのずれ量をプラス表示とした。積分球36の壁面の厚さは約2mmである。−5mmずれた場合には、ライトロッドコンジットの入射端面は、積分球の外部に配置されることになる。
【0071】
図11(A)〜(C)はライトロッドコンジットの入射端面と積分球の内表面とのずれ量に応じた照射面での光強度分布を表す図である。測定領域は、8mm×8mmの大きさであり、1600個(40×40)のグリッドに分割されている。1個のグリッドは測定単位を表し、その大きさは200μm×200μmである。測定領域は、照射領域より一回り大きくなるようにした。(A)0mm、(B)+5mm、(C)−5mmの3種類のずれ量について、受光面での光強度分布を測定した。ライトロッドコンジットの出射端面と照射面との離間距離Gは5mmで一定とした。光強度分布の測定は、図5に示す撮像装置及び解析装置と同じ構成の装置を用いて行った。
【0072】
図11(A)〜(C)において、0.9〜1.0までの数字は、最大強度に対する相対的な光強度を表している。図11(A)〜(C)から分かるように、ずれ量が±5mmの範囲では、照射領域に対応するフラット部のサイズは略同じで、フラット部での光強度にもほとんど変化が見られない。光強度のばらつきは2.0%以下である。(A)0mmでのフラット部のサイズ(直径)は5.3mm、(B)+5mmでのフラット部のサイズは5mm、(C)−5mmでのフラット部のサイズは5mmであった。これらの値は、均一照射範囲と目視で測定されたサイズである。測定誤差は2%以内と見積もられる。
【0073】
以上の結果から、ライトロッドコンジットの入射端面と積分球の内表面とのずれが生じていても、積分球で生成された均一光を、ライトロッドコンジットの出射端面まで問題なく導光できることが分かる。この点でも精密な位置合せ不要で、装置のアライメントが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】(A)本発明の実施の形態に係る光導波路検査システムの構成を示す概略図である。(B)は(A)の光導波路検査システムの変形例を表す概略図である。
【図2】光照射装置の詳細な構成を示す断面図である。
【図3】(A)はファイババンドルの光軸に沿った断面図である。(B)はファイババンドルの端面の微細構造を示す断面図である。
【図4】光照射装置により均一な光強度分布で照射される領域を示す平面図である。
【図5】撮像装置及び解析装置の詳細な構成を示す概略図である。
【図6】撮像装置で取得された画像データに基づく多値画像の表示状態を示す図である。
【図7】2値化処理された画像データに基づく2値画像の表示状態を示す図である。
【図8】(A)は光配線板を保持ステージ上に直接載置する例を示す図である。(B)は光配線板と保持ステージとの間に屈折率調整材を挿入する例を示す図である。
【図9】(A)〜(F)は、ライトロッドコンジットの出射端面と照射面との離間距離Gに応じた照射面での光強度分布を表す図である。
【図10】ライトロッドコンジットの入射端面と積分球の内表面とのずれ量を表す図である。
【図11】(A)〜(C)はライトロッドコンジットの入射端面と積分球の内表面とのずれ量に応じた照射面での光強度分布を表す図である。
【符号の説明】
【0075】
10 光導波路検査システム
12 光配線板
12A 表面
14 保持ステージ
16 光照射装置
18 撮像装置
20 解析装置
22 光導波路
24 コア
26 クラッド
28 光入力部
30 光出力部
32 光出射部
34 光受光部
36 積分球
38 開口部
38A〜C 開口部
40 発光素子
42 受光素子
44 ファイババンドル
44A 入射端面
44B 出射端面
46 駆動制御装置
46A フィードバック回路
48 光ファイバ素線
50 光遮蔽部材
52 照射領域
54 対物レンズ
56 ハーフミラー
58 結像光学系
60 撮像部
62 照明装置
64 照明用電源
66 コンピュータ本体
68 表示装置
70 多値画像
72 2値画像
74 計測領域
76 連結成分
78 屈折率調整材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光導波路を備えた光学デバイスを予め定めた位置に保持する保持手段と、
予め定めた波長の光を出射する光源、前記光源を駆動する光源駆動部、前記光源の出射光を導入して強度分布が均一化された検査光を生成する積分球、及び入射端が前記積分球の開口部に接続され且つ前記積分球で得られた前記検査光を前記入射端から出射端まで導く光導光部を備え、前記検査光を前記光導光部の出射端から出射して、前記光導波路の光入力部を含む表面又は端面に照射する光照射装置と、
前記光照射装置から前記光入力部に前記検査光が照射された場合に、前記光導波路の光出力部の画像を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置から入力された画像データに基づいて画像解析を行う解析装置と、
を備えた光導波路の検査システム。
【請求項2】
前記光照射装置は、前記積分球内の光強度を検出する検出素子、及び前記検出素子の検出信号に基づいて前記光源の出射光の強度が一定となるように前記光源駆動部をフィードバック制御する制御回路を、更に備えた請求項1に記載の光導波路の検査システム。
【請求項3】
前記光導光部は、複数の光ファイバが束ねられたファイババンドルである請求項1又は2に記載の光導波路の検査システム。
【請求項4】
前記光導光部は、前記出射端の端面の直径を7mm〜8mmの範囲とした場合に、前記出射端の端面が、前記光導波路の光入力部を含む表面又は端面との間隔が0.5mm〜6mmの範囲となる位置に配置される請求項1〜3のいずれか1項に記載の光導波路の検査システム。
【請求項5】
前記撮像装置は、入射光を平行光化する対物レンズ、前記対物レンズで得られた平行光を予め定めた撮像面に結像させる光学系、及び前記撮像面に結像された画像を撮像する撮像部を備え、前記対物レンズが前記光導波路の光出力部から出射される光の焦点位置に配置される請求項1〜4のいずれか1項に記載の光導波路の検査システム。
【請求項6】
前記解析装置は、前記撮像装置で取得された画像データを処理して別の画像データに変換する画像処理部、前記画像処理部で処理された別の画像データに基づいて前記光導波路の導波特性を計測して計測データを取得する計測処理部、及び前記計測処理部で取得された計測データと予め定めた閾値とに基づいて前記光導波路の導波特性の良否を判定する判定部を備えた請求項1〜5のいずれか1項に記載の光導波路の検査システム。
【請求項7】
前記画像処理部は、前記撮像装置で取得された画像データに基づいて計測領域を設定し、設定された計測領域の画像データを処理して別の画像データに変換する請求項6に記載の光導波路の検査システム。
【請求項8】
前記解析装置に接続され且つ情報を表示する表示部を更に備え、前記撮像装置で取得された画像データ、前記画像処理部で処理された別の画像データ、前記計測処理部で取得された計測データ、及び前記判定部で判定された前記光導波路の導波特性の良否のいずれか1つに基づいて、解析結果を表示する請求項6に記載の光導波路の検査システム。
【請求項9】
前記保持手段は、複数の光学デバイスを予め定めた位置に順次供給し、検査期間だけ保持する請求項1〜8のいずれか1項に記載の光導波路の検査システム。
【請求項10】
前記保持手段は、前記光導波路を備えた光学デバイスを、前記光導波路のクラッドの屈折率以上の屈折率を備えた屈折率調整材を介して保持する、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の光導波路の検査システム。
【請求項11】
光導波路を備えた光学デバイスを予め定めた位置に保持し、
光源を駆動して予め定めた波長の光を出射させ、前記光源からの出射光を積分球に導入して強度分布が均一化された検査光を生成し、
前記積分球で得られた前記検査光を、前記積分球に接続された光導光部の出射端まで導光し、前記検査光を前記光導光部の出射端から出射して、前記光導波路の光入力部を含む表面又は端面に照射し、
前記光導波路の光出力部の画像を撮像し、
撮像により取得された画像データに基づいて画像解析を行い、
前記光導波路の導波特性を検査する光導波路の検査方法。
【請求項12】
前記光導波路を備えた光学デバイスを、前記光導波路のクラッドの屈折率以上の屈折率を備えた屈折率調整材を介して保持する、
請求項11に記載の光導波路の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図9】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−139483(P2010−139483A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318812(P2008−318812)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(508369320)シナジーオプトシステムズ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】