説明

光無線システム評価装置及び光無線システム評価方法

【課題】本発明は、無線信号、光信号及びその伝送路の評価を行うことができる光無線システム評価装置及び光無線システム評価方法の提供を目的とする。
【解決手段】本願発明の光無線システム評価装置101は、パルス光源11と、被測定光ファイバ100からの光信号及びパルス光が入力される光入出力部13と、方向性結合器14と、波長可変光フィルタ15と、OE変換器16と、無線信号を受信したアンテナ受信信号が入力されるアンテナ受信信号入力部40と、信号切り替え部21と、測定部17と、信号処理部18と、を備え、無線信号、光信号及びその伝送路となる被測定光ファイバ100の評価を1台の光無線システム評価装置101で行うこととした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光無線システム評価装置及び光無線システム評価方法に関し、特にRF信号、光信号及びその伝送路の評価を行うための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユビキタスネットワークを目指して無線通信は急速に進歩しているが、ビル内や地下街などの無線信号が届き難い不感地が発生する問題があった。この問題を解決するために、ROF(Radio On Fiber)システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。ROFシステムは、無線通信用に変調されたRF(Radio Frequency)信号で光信号を変調してファイバで伝送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−135955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ROFシステムの保守又は管理を行うためには、無線信号の評価が行えるだけでなく、光信号及びその伝送路の評価ができなければならない。しかし、無線信号、光信号及びその伝送路のすべての評価が行える装置はなかった。
【0005】
そこで、本発明は、無線信号、光信号及びその伝送路の評価を行うことができる光無線システム評価装置及び光無線システム評価方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明の光無線システム評価装置及び光無線システム評価方法は、無線信号、光信号及びその伝送路の評価を1台の装置で行うこととした。
【0007】
具体的には、本願発明の光無線システム評価装置は、被測定光ファイバで伝送される光信号とは異なる波長のパルス光を出力するパルス光源(11)と、前記パルス光源からのパルス光を前記被測定光ファイバに出力し、前記被測定光ファイバからの前記光信号及び前記パルス光が入力される光入出力部(13)と、前記パルス光源の出力するパルス光を前記光入出力部に出力し、前記光入出力部に入力される前記光信号及び前記パルス光を分岐する方向性結合器(14)と、前記方向性結合器の分岐する前記光信号及び前記パルス光が入力され、前記光信号又は前記パルス光のいずれかを選択出力する波長可変光フィルタ(15)と、前記波長可変光フィルタの選択出力する前記光信号を光電変換し、前記波長可変光フィルタの選択出力する前記パルス光を光電変換するOE変換器(16)と、無線信号を受信して得られるアンテナ受信信号が入力されるアンテナ受信信号入力部(40)と、前記アンテナ受信信号入力部からの前記アンテナ受信信号及び前記OE変換器からの前記光信号の光電変換信号が入力され、前記アンテナ受信信号又は前記光信号の光電変換信号のいずれかを選択出力する信号切り替え部(21)と、前記OE変換器からの前記パルス光の光電変換信号の時間波形を測定し、前記信号切り替え部の選択出力する前記アンテナ受信信号の周波数成分を測定し、前記信号切り替え部の選択出力する前記光信号の光電変換信号の周波数成分を測定する測定部(17)と、前記測定部の測定する前記パルス光の光電変換信号の時間波形を用いて前記被測定光ファイバでの光損失を求め、前記測定部の測定する前記アンテナ受信信号の周波数成分を用いて前記無線信号のスペクトラムを求め、前記測定部の測定する前記光信号の光電変換信号の周波数成分を用いて前記光信号のスペクトラムを求める信号処理部(18)と、を備える。
【0008】
アンテナ受信信号入力部、信号切り替え部、測定部及び信号処理部を備えるため、無線信号の評価を行うことができる。また、光入出力部、波長可変光フィルタ、OE変換器、測定部及び信号処理部を備えるため、光信号の評価を行うことができる。また、光入出力部、パルス光源、波長可変光フィルタ、OE変換器、信号切り替え部、測定部及び信号処理部を備えるため、光信号の伝送路の評価を行うことができる。したがって、本願発明の光無線システム評価装置は、無線信号、光信号及びその伝送路の評価を1台の装置で行うことができる。
【0009】
本願発明の光無線システム評価装置では、前記測定部は、前記OE変換器からの前記パルス光の光電変換信号を任意の時間間隔でサンプリングすることで、前記パルス光の光電変換信号の前記パルス光源における前記パルス光の発生に同期したタイミングの時間波形を測定する時間波形測定部(19)を備え、前記信号処理部は、前記時間波形測定部の測定する前記パルス光の光電変換信号の時間波形を用いて前記被測定光ファイバでの光損失を求めてもよい。
測定部が時間波形測定部を備えるため、パルス光の発生と同期したタイミングでパルス光の光電変換信号レベルをサンプリングし、パルス光を発生してから戻ってくるまでの時間を測定することで、被測定光ファイバ中における任意の位置でのパルス光の反射を測定することができる。これにより、被測定光ファイバでの光損失を求めることができる。
【0010】
本願発明の光無線システム評価装置では、前記測定部は、前記信号切り替え部の選択出力する前記アンテナ受信信号の信号強度を任意の周波数間隔で検出して周波数成分を測定し、前記信号切り替え部の選択出力する前記光信号の光電変換信号の信号強度を任意の周波数間隔で検出して周波数成分を測定する周波数成分測定部(20)を備え、前記信号処理部は、前記周波数成分測定部の測定する前記アンテナ受信信号の周波数成分を用いて前記無線信号のスペクトラムを求め、前記周波数成分測定部の測定する前記光信号の光電変換信号の周波数成分を用いて前記光信号のスペクトラムを求めてもよい。
測定部が周波数成分測定部を備えるため、無線信号及び光信号のスペクトラムを求めることができる。
【0011】
本願発明の光無線システム評価装置では、前記信号処理部は、前記無線信号のスペクトラムと前記光信号のスペクトラムを比較してもよい。
本発明により、光信号から無線信号に変換後の光無線システムの評価を行うことができる。
【0012】
本願発明の光無線システム評価装置では、前記測定部は、前記信号切り替え部の選択出力する前記アンテナ受信信号のベースバンドOFDM(Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)信号の周波数成分を測定し、前記信号切り替え部の選択出力する前記光信号の光電変換信号のベースバンドOFDM信号の周波数成分を測定するベースバンド信号測定部(22)を備え、前記信号処理部は、前記ベースバンド信号測定部の測定する前記アンテナ受信信号のベースバンドOFDM信号の周波数成分を用いて前記無線信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを求め、前記ベースバンド信号測定部の測定する前記光信号の光電変換信号のベースバンドOFDM信号の周波数成分を用いて前記光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを求めてもよい。
測定部がベースバンド信号測定部を備えるため、無線信号及び光信号のベースバンドOFDM信号の評価を行うことができる。
【0013】
本願発明の光無線システム評価装置では、前記ベースバンド信号測定部は、データのサンプリングのタイミングを示す同期信号を出力する同期信号発生部(26)と、前記信号切り替え部の選択出力する前記アンテナ受信信号をベースバンドOFDM信号に変換して出力し、前記信号切り替え部の選択出力する前記光信号の光電変換信号をベースバンドOFDM信号に変換して出力するダウンコンバート部(23)と、前記ダウンコンバート部の出力する前記アンテナ受信信号のベースバンドOFDM信号又は前記光信号の光電変換信号のベースバンドOFDM信号を、前記同期信号発生部からの前記同期信号に従ったタイミングでサンプリングしてデジタル信号に変換して出力するAD変換器(24)と、前記AD変換器の出力するデジタル信号をフーリエ変換して周波数領域に変換してサブキャリアの周波数ごとに分離する周波数変換部(25)と、を備えてもよい。
ベースバンド信号測定部が同期信号発生部、ダウンコンバート部、AD変換器及び周波数変換部を備えることで、無線信号及び光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを求めることができる。
【0014】
本願発明の光無線システム評価装置では、前記信号処理部は、前記無線信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムと前記光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを比較してもよい。
本発明により、光信号から無線信号に変換後のベースバンドOFDM信号の評価を行うことができる。
【0015】
具体的には、本願発明の光無線システム評価方法は、無線信号を受信し、受信したアンテナ受信信号の周波数成分を測定部で測定し、信号処理部で前記無線信号のスペクトラムを求めるととともに、被測定光ファイバで伝送される光信号を光電変換部で光電変換して周波数成分を前記測定部で測定し、前記信号処理部で前記光信号のスペクトラムを求めるととともに、前記光信号とは異なる波長のパルス光を前記被測定光ファイバに出力し、前記被測定光ファイバからの前記パルス光を前記光電変換部で光電変換して前記パルス光の発生に同期したタイミングの時間波形を前記測定部で測定し、前記信号処理部で前記被測定光ファイバでの光損失を求める測定手順(S101)を有する。
【0016】
測定手順を実行することで、共通の光電変換部、測定部及び信号処理部を用いて、無線信号及び光信号のスペクトラムを求めるとともに、被測定光ファイバでの光損失を求めることができる。したがって、本願発明の光無線システム評価方法は、無線信号、光信号及びその伝送路の評価を1台の装置で行うことができる。
【0017】
本願発明の光無線システム評価方法では、前記測定手順で求めた前記無線信号のスペクトラムと前記光信号のスペクトラムを前記信号処理部で比較する受信信号比較手順(S102)を、前記測定手順の後にさらに有してもよい。
本発明により、光信号から無線信号に変換後の光無線システムの評価を行うことができる。
【0018】
本願発明の光無線システム評価方法では、前記測定手順において、前記アンテナ受信信号を前記測定部でベースバンドOFDM信号に変換してデジタル信号に変換し、前記測定部で周波数領域に変換してサブキャリアの周波数ごとに分離し、前記信号処理部で前記無線信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを求めるととともに、前記被測定光ファイバからの前記光信号を前記光電変換部で光電変換し、光電変換した信号を前記測定部でベースバンドOFDM信号に変換してデジタル信号に変換し、前記測定部で周波数領域に変換してサブキャリアの周波数ごとに分離し、前記信号処理部で前記光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを求めてもよい。
測定手順において、共通の測定部を用いて、無線信号及び光信号のベースバンドOFDM信号の評価を行うことができる。
【0019】
本願発明の光無線システム評価方法では、前記無線信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムと前記光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを前記信号処理部で比較するベースバンド信号比較手順(S103)を、前記測定手順の後であって前記受信信号比較手順の前、後又は同時にさらに有してもよい。
本発明により、光信号から無線信号に変換後のベースバンドOFDM信号の評価を行うことができる。
【0020】
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、無線信号、光信号及びその伝送路の評価を行うことができる光無線システム評価装置及び光無線システム評価方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施形態1に係る光無線システム評価装置の第1例を示す。
【図2】光無線システムの一例を示す。
【図3】表示部の表示例であり、(a)は被測定光ファイバ100での光損失を示し、(b)は無線信号又は光信号のスペクトラムを示す。
【図4】実施形態1に係る光無線システム評価方法の一例を示すフローチャートである。
【図5】実施形態1に係る光無線システム評価装置の第2例を示す。
【図6】実施形態2に係る光無線システム評価装置の第1例を示す。
【図7】ベースバンド信号測定部の構成の一例を示す。
【図8】実施形態2に係る光無線システム評価方法の一例を示すフローチャートである。
【図9】実施形態2に係る光無線システム評価装置の第2例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0024】
(実施形態1)
図1に、実施形態1に係る光無線システム評価装置の第1例を示す。光無線システム評価装置101は、ROFなどの光無線システムの評価を行う。
【0025】
図2に、光無線システムの一例を示す。図2に示す光無線システムは、地上デジタル放送のM(Mは正の整数。)チャンネルのデータをフロア91の光コネクタ51―1〜51―Mまで光信号で伝送する。そして、光コネクタ51―1〜51―Mからの各光信号をOE52―1〜52―Mで電気信号に変換し、OE52―1〜52―Mからの各電気信号をPA53―1〜53―Mで増幅し、PA53―1〜53―Mからの信号を無線信号で放射する。これにより、地上デジタル放送の各チャンネルのデータを、チャンネルごとに異なる無線信号で放射する。
【0026】
そこで、光無線システム評価装置101は、光無線システムの評価を行うために、無線信号のスペクトラム、光信号のスペクトラム及び被測定光ファイバ100の光損失を1台の装置で求める。
【0027】
図1に示す光無線システム評価装置101は、パルス光源11と、パルス信号発生器12と、光入出力部13と、方向性結合器14と、波長可変光フィルタ15と、OE変換器16と、アンテナ30と、アンテナ受信信号入力部40と、信号切り替え部21と、測定部17と、信号処理部18と、測定データメモリ32と、表示部31と、を備える。
【0028】
パルス光源11は、被測定光ファイバ100で伝送される光信号とは異なる波長のパルス光を出力する。パルス信号発生器12は、パルス光源11をパルス変調するためのパルス信号を発生し、パルス光源11及びサンプリングクロック生成部41に出力する。光入出力部13は、パルス光源11からのパルス光を被測定光ファイバ100に出力する。被測定光ファイバ100を伝搬するパルス光は被測定光ファイバ100内で反射され、反射されたパルス光が光入出力部13に入力される。また、被測定光ファイバ100からの光信号が光入出力部13に入力される。反射されたパルス光は、後方散乱光とフレネル光のいずれであってもよい。
【0029】
方向性結合器14は、パルス光源11の出力するパルス光を光入出力部13に出力し、光入出力部13に入力される光信号及びパルス光を波長可変光フィルタ15に分岐する。方向性結合器14の分岐する光信号及びパルス光は波長可変光フィルタ15に入力される。波長可変光フィルタ15は、透過させる波長が可変であり、光信号又はパルス光のいずれかを選択出力する。
【0030】
波長可変光フィルタ15は、パルス光と光信号とを波長分離する目的で配置する。パルス光と光信号とを波長分離することで、光信号が流れているインサービスの状態でも光パルスを用いたOTDR(Optical Time−Domain Reflectometer)測定が可能になる。なお、インサービスでのOTDR測定が不要な場合には、OTDR測定時の波長と光信号の波長は同じでもよい。
【0031】
OE変換器16は、波長可変光フィルタ15の選択出力する光を光電変換する。例えば、波長可変光フィルタ15がパルス光を選択出力すれば、OE変換器16aは、パルス光を光電変換して時間波形測定部19に出力する。波長可変光フィルタ15が光信号を選択出力すれば、OE変換器16bは、光信号を光電変換して信号切り替え部21に出力する。
【0032】
OE変換器16は、例えば、PD(Photodiode)又はAPD(Avalanche Photodiode)である。APDの場合には、時間波形の測定と周波数成分の測定とで逆バイアス電圧の値を可変できるようにする。例えば、時間波形の測定を行う場合には逆バイアスを高く設定し、周波数成分の測定の場合には逆バイアスを低く設定する。
【0033】
アンテナ30は、無線信号を受信し、受信した信号をアンテナ受信信号としてアンテナ受信信号入力部40に出力する。これにより、アンテナ受信信号入力部40に、無線信号を受信して得られるアンテナ受信信号が入力される。アンテナ受信信号入力部40からのアンテナ受信信号は、信号切り替え部21に入力される。
【0034】
信号切り替え部21には、アンテナ受信信号及び光信号の光電変換信号の両方が入力され、アンテナ受信信号又は光信号の光電変換信号のいずれかを選択出力する。
【0035】
測定部17は、OE変換器16aからのパルス光の光電変換信号の時間波形を測定し、信号切り替え部21の選択出力するアンテナ受信信号の周波数成分を測定する。また、測定部17は、信号切り替え部21の選択出力する光信号の光電変換信号の周波数成分を測定する。測定部17は、例えば、時間波形測定部19と、サンプリングクロック生成部41と、周波数成分測定部20と、を備える。時間波形測定部19は、例えば、AD変換器27を備える。周波数成分測定部20は、例えば、スペクトラム測定部28と、AD変換器29と、を備える。
【0036】
AD変換器27は、OE変換器16aからのパルス光の光電変換信号を任意の時間間隔でサンプリングする。サンプリングクロック生成部41は、パルス信号発生器12からのパルス信号に同期したタイミングでAD変換器27を駆動する。AD変換器27は、パルス光の発生と同期したタイミングで、パルス光の光電変換信号レベルをサンプリングする。これにより、時間波形測定部19は、パルス光源11におけるパルス光の発生に同期したタイミングの時間波形を測定する。
【0037】
信号切り替え部21がアンテナ受信信号を選択出力する場合、スペクトラム測定部28は、信号切り替え部21の選択出力するアンテナ受信信号の信号強度を任意の周波数間隔で検出する。AD変換器29は、スペクトラム測定部28の検出するアンテナ受信信号の信号強度をサンプリングする。これにより、周波数成分測定部20は、アンテナ受信信号の周波数成分を測定する。
【0038】
信号切り替え部21が光信号の光電変換信号を選択出力する場合、スペクトラム測定部28は、信号切り替え部21の選択出力する光信号の光電変換信号の信号強度を任意の周波数間隔で検出する。AD変換器29は、スペクトラム測定部28の検出する光信号の光電変換信号の信号強度をサンプリングする。これにより、周波数成分測定部20は、光信号の光電変換信号の周波数成分を測定する。
【0039】
信号処理部18は、測定部17の測定データを解析する。例えば、時間波形測定部19がパルス光の光電変換信号の時間波形を測定する場合、信号処理部18は、時間波形測定部19の測定するパルス光の光電変換信号の時間波形を用いてOTDR測定を行う。例えば、パルス光の発生と同期したタイミングで、パルス光の光電変換信号レベルをサンプリングし、パルス光を発生してから戻ってくるまでの時間を測定する。光ファイバ中における任意の位置でのパルス光の反射光を測定することで、被測定光ファイバ100での光損失を求め、測定データメモリ32に出力する。
【0040】
周波数成分測定部20が光信号の光電変換信号の周波数成分を測定する場合、信号処理部18は、周波数成分測定部20の測定する光信号の光電変換信号の周波数成分を用いて光信号のスペクトラムを求め、測定データメモリ32に出力する。周波数成分測定部20がアンテナ受信信号の周波数成分を測定する場合、信号処理部18は、周波数成分測定部20の測定するアンテナ受信信号の周波数成分を用いて無線信号のスペクトラムを求め、測定データメモリ32に出力する。
【0041】
表示部31は、測定データメモリ32に記録されているデータを読み出し、被測定光ファイバ100での光損失、無線信号のスペクトラム又は光信号のスペクトラムを表示する。図3は、表示部の表示例であり、(a)は被測定光ファイバ100での光損失を示し、(b)は無線信号又は光信号のスペクトラムを示す。
【0042】
信号処理部18が被測定光ファイバ100での光損失を求める場合、時間波形測定部19がパルス光の時間波形を測定するため、図3(a)に示すように、表示部31は、光無線システム評価装置101からの距離に対する被測定光ファイバ100での光損失を表示する。また、信号処理部18が光信号のスペクトラムを求める場合、図3(b)に示すように、表示部31は、光信号のスペクトラムを表示する。また、信号処理部18が無線信号のスペクトラムを求める場合、図3(b)に示すように、表示部31は、無線信号のスペクトラムを表示する。
【0043】
信号処理部18は、無線信号のスペクトラムと光信号のスペクトラムを比較して測定データメモリ32に出力してもよい。この場合、表示部31は、無線信号のスペクトラムと光信号のスペクトラムの比較結果を表示する。例えば、表示部31は、無線信号のスペクトラムと光信号のスペクトラムの両方を表示してもよいし、無線信号のスペクトラムと光信号のスペクトラムの差又は比を表示してもよい。これにより、図2に示すOE52−1〜52−Mからアンテナ30で無線信号を受信するまでの間における光無線システムの評価を行うことができる。
【0044】
図4は、実施形態1に係る光無線システム評価方法の一例を示すフローチャートである。実施形態1に係る光無線システム評価方法は、測定手順S101と、受信信号比較手順S102と、を順に有する。測定手順S101では、被測定光ファイバ100での光損失を求めるとともに、無線信号及び光信号のスペクトラムを求める。
【0045】
測定手順S101において無線信号のスペクトラムを求める手順について説明する。アンテナ受信信号入力部40からのアンテナ受信信号が周波数成分測定部20に入力されるように図1に示す信号切り替え部21を設定する。この状態で、図2に示すフロア91内で光無線システム評価装置101を移動させながら、無線信号をアンテナ30で受信し、受信したアンテナ受信信号の周波数成分を周波数成分測定部20で測定し、無線信号のスペクトラムを信号処理部18で求める。これにより、光無線システム評価装置101は、フロア91内での無線信号の電界強度の測定を行うことができる。
【0046】
測定手順S101において光信号のスペクトラムを求める手順について説明する。図2に示す光コネクタ51−1〜51−Mに接続されていた被測定光ファイバ100を光入出力部13に接続する。そして、光信号を通過しかつパルス光を遮断するように図1に示す波長可変光フィルタ15の波長を設定し、波長可変光フィルタ15からの光がOE変換器16bに出力されるように図1に示す波長可変光フィルタ15の出力ポートを設定し、OE変換器16bからの出力信号が周波数成分測定部20に入力されるように図1に示す信号切り替え部21を設定する。この状態で、被測定光ファイバ100で伝送される光信号をOE変換器16bで光電変換し、周波数成分を周波数成分測定部20で測定し、光信号のスペクトラムを信号処理部18で求める。これにより、光無線システム評価装置101は、光信号のノイズの測定を行うことができる。
【0047】
測定手順S101において被測定光ファイバ100での光損失を求める手順について説明する。図2に示す光コネクタ51−1〜51−Mに接続されていた被測定光ファイバ100を光入出力部13に接続する。そして、パルス光源11のパルス光を通過しかつ光信号を遮断するように図1に示す波長可変光フィルタ15の波長を設定し、波長可変光フィルタ15からの光がOE変換器16aに出力されるように図1に示す波長可変光フィルタ15の出力ポートを設定する。この状態で、光信号とは異なる波長のパルス光を被測定光ファイバ100に出力し、被測定光ファイバ100からのパルス光をOE変換器16aで光電変換し、パルス光の発生に同期したタイミングの時間波形を時間波形測定部19で測定し、被測定光ファイバ100での光損失を信号処理部18で求める。これにより、光無線システム評価装置101は、被測定光ファイバ100での損失測定や破断点の検出を行うことができる。
【0048】
受信信号比較手順S102では、無線信号のスペクトラムと光信号のスペクトラムを信号処理部18で比較する。これにより、図2に示すOE52−1〜52−Mからアンテナ30で無線信号を受信するまでの間における光無線システムの評価を行うことができる。
【0049】
なお、図1では、OE変換器16が、波長ごとに異なるOE変換器16a及びOE変換器16bを備える構成としたが、これに限定されるものではない。図5に、実施形態1に係る光無線システム評価装置の第2例を示す。光無線システム評価装置102は、図1に示すOE変換器16a及びOE変換器16bに代えて共通のOE変換器16cを備え、OE変換器16cの光電変換後の電気信号の出力先を時間波形測定部19と信号切り替え部21とで切り替える光切り替え部39を備える。そして、図4に示す測定手順S101において、光無線システム評価装置101とは異なる以下の動作を行う。
【0050】
図4に示す測定手順S101において光信号のスペクトラムを求める際に、波長可変光フィルタ15からの光信号がOE変換器16cに出力されるように波長可変光フィルタ15の出力ポートを設定し、OE変換器16cからの光信号の光電変換信号が信号切り替え部21に入力されるように光切り替え部39を設定し、光切り替え部39からの光信号の光電変換信号が周波数成分測定部20に入力されるように信号切り替え部21を設定する。この状態で、被測定光ファイバ100で伝送される光信号をOE変換器16cで光電変換し、周波数成分を周波数成分測定部20で測定し、光信号のスペクトラムを信号処理部18で求める。これにより、光無線システム評価装置102は、光信号のノイズの測定を行うことができる。
【0051】
図4に示す測定手順S101において被測定光ファイバ100での光損失を求める際に、パルス光源11のパルス光を通過しかつ光信号を遮断するように波長可変光フィルタ15の波長を設定し、OE変換器16cからのパルス光の光電変換信号が時間波形測定部19に入力されるように光切り替え部39を設定する。この状態で、光信号とは異なる波長のパルス光を被測定光ファイバ100に出力し、被測定光ファイバ100からのパルス光をOE変換器16cで光電変換し、パルス光源11でのパルス光の発生に同期したタイミングの時間波形を時間波形測定部19で測定し、被測定光ファイバ100での光損失を信号処理部18で求める。これにより、光無線システム評価装置102は、被測定光ファイバ100での損失測定や破断点の検出を行うことができる。
【0052】
(実施形態2)
図6に、実施形態2に係る光無線システム評価装置の第1例を示す。光無線システム評価装置103は、光無線システムの評価を行うために、無線信号のベースバンドOFDM(Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)信号のスペクトラム、光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラム及び被測定光ファイバ100の光損失を1台の装置で求める。
【0053】
光無線システム評価装置103は、図1に示す周波数成分測定部20が、ベースバンド信号測定部22を備える。信号切り替え部21がアンテナ受信信号を選択出力する場合、ベースバンド信号測定部22は、信号切り替え部21の選択出力するアンテナ受信信号のベースバンドOFDM信号の周波数成分を測定する。また、信号切り替え部21が光信号の光電変換信号を選択出力する場合、ベースバンド信号測定部22は、信号切り替え部21の選択出力する光信号の光電変換信号のベースバンドOFDM信号の周波数成分を測定する。
【0054】
図7に、ベースバンド信号測定部22の構成の一例を示す。ベースバンド信号測定部22は、同期信号発生部26と、ダウンコンバート部23と、AD変換器24と、周波数変換部25と、を備える。
【0055】
信号切り替え部21がアンテナ受信信号を選択出力する場合について説明する。同期信号発生部26は、信号切り替え部21の選択出力するアンテナ受信信号からパイロット信号を検出し、検出するパイロット信号に合わせて、データのサンプリングのタイミングを示す同期信号を出力する。ダウンコンバート部23は、信号切り替え部21の選択出力するアンテナ受信信号をベースバンドOFDM信号に変換して出力する。ダウンコンバート部23は、例えば、発振器33と、乗算器34、35と、90°位相シフタ38と、LPF(Low−Pass Filter)36、37とを備え、アンテナ受信信号又は光信号の光電変換信号を直交検波する。AD変換器24は、ダウンコンバート部23の出力するアンテナ受信信号のベースバンドOFDM信号を、同期信号発生部26からの同期信号に従ったタイミングでサンプリングしてデジタル信号に変換して出力する。周波数変換部25は、例えばFFT(Fast Fourier Transform)であり、AD変換器24の出力するデジタル信号を周波数領域に変換してサブキャリアの周波数ごとに分離する。
【0056】
信号切り替え部21が光信号の光電変換信号を選択出力する場合について説明する。同期信号発生部26は、信号切り替え部21の選択出力する光信号の光電変換信号からパイロット信号を検出し、検出するパイロット信号に合わせて、データのサンプリングのタイミングを示す同期信号を出力する。ダウンコンバート部23は、信号切り替え部21の選択出力する光信号の光電変換信号をベースバンドOFDM信号に変換して出力する。AD変換器24は、ダウンコンバート部23の出力する光信号の光電変換信号のベースバンドOFDM信号を、同期信号発生部26からの同期信号に従ったタイミングでサンプリングしてデジタル信号に変換して出力する。周波数変換部25は、AD変換器24の出力するデジタル信号をフーリエ変換して周波数領域に変換してサブキャリアの周波数ごとに分離する。
【0057】
信号処理部18は、測定部17の測定データを解析する。例えば、時間波形測定部19がパルス光の光電変換信号の時間波形を測定する場合、信号処理部18は、時間波形測定部19の測定するパルス光の光電変換信号の時間波形を用いて被測定光ファイバ100での光損失を求め、測定データメモリ32に出力する。ベースバンド信号測定部22がアンテナ受信信号のベースバンドOFDM信号の周波数成分を測定する場合、信号処理部18は、ベースバンド信号測定部22の測定するアンテナ受信信号のベースバンドOFDM信号の周波数成分を用いて無線信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを求め、測定データメモリ32に出力する。ベースバンド信号測定部22が光信号の光電変換信号のベースバンドOFDM信号の周波数成分を測定する場合、信号処理部18は、ベースバンド信号測定部22の測定する光信号の光電変換信号のベースバンドOFDM信号の周波数成分を用いて光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを求め、測定データメモリ32に出力する。
【0058】
信号処理部18は、無線信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムと光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを比較してもよい。この場合、表示部31は、無線信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムと光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムの比較結果を表示する。例えば、表示部31は、無線信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムと光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムの両方を表示してもよいし、無線信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムと光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムの差又は比を表示してもよい。これにより、図2に示すOE52−1〜52−Mからアンテナ30で無線信号を受信するまでの間におけるベースバンドOFDM信号の評価を行うことができる。
【0059】
図8は、実施形態2に係る光無線システム評価方法の一例を示すフローチャートである。実施形態2に係る光無線システム評価方法は、測定手順S101と、ベースバンド信号比較手順S103と、を順に有する。測定手順S101では、被測定光ファイバ100での光損失を求めるとともに、無線信号及び光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを求める。
【0060】
測定手順S101において無線信号のスペクトラムを求める手順について説明する。アンテナ受信信号入力部40からのアンテナ受信信号がベースバンド信号測定部22に入力されるように図6に示す信号切り替え部21を設定する。この状態で、図2に示すフロア91内で光無線システム評価装置103を移動させながら、無線信号をアンテナ30で受信し、アンテナ受信信号をダウンコンバート部23でベースバンドOFDM信号に変換し、AD変換器24でデジタル信号に変換し、周波数変換部25でデジタル信号をフーリエ変換して周波数領域に変換してサブキャリアの周波数ごとに分離し、無線信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを信号処理部18で求める。これにより、光無線システム評価装置103は、フロア91内での無線信号のベースバンドOFDM信号の電界強度の測定を行うことができる。
【0061】
測定手順S101において光信号のスペクトラムを求める手順について説明する。図2に示す光コネクタ51−1〜51−Mに接続されていた被測定光ファイバ100を光入出力部13に接続する。そして、光信号を通過しかつパルス光を遮断するように図6に示す波長可変光フィルタ15の波長を設定し、波長可変光フィルタ15からの光がOE変換器16bに出力されるように図6に示す波長可変光フィルタ15の出力ポートを設定し、OE変換器16bからの出力信号がベースバンド信号測定部22に入力されるように図6に示す信号切り替え部21を設定する。この状態で、被測定光ファイバ100で伝送される光信号をOE変換器16bで光電変換し、光電変換した信号をダウンコンバート部23でベースバンドOFDM信号に変換し、AD変換器24でデジタル信号に変換し、周波数変換部25で周波数領域に変換してサブキャリアの周波数ごとに分離し、光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを信号処理部18で求める。これにより、光無線システム評価装置103は、光信号のベースバンドOFDM信号のノイズの測定を行うことができる。
【0062】
測定手順S101において被測定光ファイバ100での光損失を求める手順について説明する。図2に示す光コネクタ51−1〜51−Mに接続されていた被測定光ファイバ100を光入出力部13に接続する。そして、パルス光源11のパルス光を通過しかつ光信号を遮断するように図6に示す波長可変光フィルタ15の波長を設定し、波長可変光フィルタ15からの光がOE変換器16aに出力されるように図6に示す波長可変光フィルタ15の出力ポートを設定する。この状態で、光信号とは異なる波長のパルス光を被測定光ファイバ100に出力し、被測定光ファイバ100からのパルス光をOE変換器16aで光電変換し、時間波形測定部19でパルス光源11でのパルス光の発生に同期したタイミングの時間波形を測定し、被測定光ファイバ100での光損失を信号処理部18で求める。これにより、光無線システム評価装置103は、被測定光ファイバ100での損失測定や破断点の検出を行うことができる。
【0063】
ベースバンド信号比較手順S103では、無線信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムと光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを比較する。これにより、図2に示すOE52−1〜52−Mからアンテナ30で無線信号を受信するまでの間におけるベースバンドOFDM信号の評価を行うことができる。
【0064】
なお、周波数成分測定部20は、図1に示すスペクトラム測定部28及びAD変換器29をさらに備えていてもよい。この場合、実施形態2に係る光無線システム評価方法では、さらに図4に示す受信信号比較手順S102を実行する。受信信号比較手順S102は、ベースバンド信号比較手順S103の後であってもよいし、ベースバンド信号比較手順S103の前であってもよいし、ベースバンド信号比較手順S103と同時に行ってもよい。
【0065】
また、図6では、OE変換器16が、波長ごとに異なるOE変換器16a及びOE変換器16bを備える構成としたが、これに限定されるものではない。図9に、実施形態2に係る光無線システム評価装置の第2例を示す。光無線システム評価装置104は、図6に示すOE変換器16a及びOE変換器16bに代えて共通のOE変換器16cを備え、OE変換器16cの光電変換後の電気信号の出力先を時間波形測定部19と信号切り替え部21とで切り替える光切り替え部39を備える。そして、図8に示す測定手順S101において、光無線システム評価装置103とは異なる以下の動作を行う。
【0066】
図8に示す測定手順S101において光信号のスペクトラムを求める際に、波長可変光フィルタ15からの光信号がOE変換器16cに出力されるように波長可変光フィルタ15の出力ポートを設定し、OE変換器16cからの光信号の光電変換信号が信号切り替え部21に入力されるように光切り替え部39を設定し、光切り替え部39からの光信号の光電変換信号がベースバンド信号測定部22に入力されるように信号切り替え部21を設定する。この状態で、被測定光ファイバ100で伝送される光信号をOE変換器16cで光電変換し、光電変換した信号をダウンコンバート部23でベースバンドOFDM信号に変換し、AD変換器24でデジタル信号に変換し、周波数変換部25で周波数領域に変換してサブキャリアの周波数ごとに分離し、光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを信号処理部18で求める。これにより、光無線システム評価装置104は、光信号のベースバンドOFDM信号のノイズの測定を行うことができる。
【0067】
図8に示す測定手順S101において被測定光ファイバ100での光損失を求める際に、パルス光源11のパルス光を通過しかつ光信号を遮断するように波長可変光フィルタ15の波長を設定し、OE変換器16cからのパルス光の光電変換信号が時間波形測定部19に入力されるように光切り替え部39を設定する。この状態で、光信号とは異なる波長のパルス光を被測定光ファイバ100に出力し、被測定光ファイバ100からのパルス光をOE変換器16cで光電変換し、時間波形測定部19でパルス光源11でのパルス光の発生に同期したタイミングの時間波形を測定し、信号処理部18で被測定光ファイバ100での光損失を求める。これにより、光無線システム評価装置104は、被測定光ファイバ100での損失測定や破断点の検出を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の光無線システム評価装置及び光無線システム評価方法は光無線システムの評価を行うことができるため、情報通信産業に利用することができる。
【符号の説明】
【0069】
11:パルス光源
12:パルス信号発生部
13:光入出力部
14:方向性結合器
15:波長可変光フィルタ
16、16a、16b、16c:OE変換器
17:測定部
18:信号処理部
19:時間波形測定部
20:周波数成分測定部
21:信号切り替え部
22:ベースバンド信号測定部
23:ダウンコンバート部
24:AD変換器
25:周波数変換部
26:同期信号発生部
27:AD変換器
28:スペクトラム測定部
29:AD変換器
30:アンテナ
31:表示部
32:測定データメモリ
33:発振器
34、35:乗算器
36、37:LPF
38:90°位相シフタ
39:光切り替え部
40:アンテナ受信信号入力部
41:サンプリングクロック生成部
51−1、51−2、51−3、51−4、51−(M−1)、51−M:光コネクタ
52−1、52−2、52−3、52−4、52−(M−1)、52−M:OE
53−1、53−2、53−3、53−4、53−(M−1)、53−M:PA
91:フロア
100:被測定光ファイバ
101、102、103、104:光無線システム評価装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定光ファイバで伝送される光信号とは異なる波長のパルス光を出力するパルス光源(11)と、
前記パルス光源からのパルス光を前記被測定光ファイバに出力し、前記被測定光ファイバからの前記光信号及び前記パルス光が入力される光入出力部(13)と、
前記パルス光源の出力するパルス光を前記光入出力部に出力し、前記光入出力部に入力される前記光信号及び前記パルス光を分岐する方向性結合器(14)と、
前記方向性結合器の分岐する前記光信号及び前記パルス光が入力され、前記光信号又は前記パルス光のいずれかを選択出力する波長可変光フィルタ(15)と、
前記波長可変光フィルタの選択出力する前記光信号を光電変換し、前記波長可変光フィルタの選択出力する前記パルス光を光電変換するOE変換器(16)と、
無線信号を受信して得られるアンテナ受信信号が入力されるアンテナ受信信号入力部(40)と、
前記アンテナ受信信号入力部からの前記アンテナ受信信号及び前記OE変換器からの前記光信号の光電変換信号が入力され、前記アンテナ受信信号又は前記光信号の光電変換信号のいずれかを選択出力する信号切り替え部(21)と、
前記OE変換器からの前記パルス光の光電変換信号の時間波形を測定し、前記信号切り替え部の選択出力する前記アンテナ受信信号の周波数成分を測定し、前記信号切り替え部の選択出力する前記光信号の光電変換信号の周波数成分を測定する測定部(17)と、
前記測定部の測定する前記パルス光の光電変換信号の時間波形を用いて前記被測定光ファイバでの光損失を求め、前記測定部の測定する前記アンテナ受信信号の周波数成分を用いて前記無線信号のスペクトラムを求め、前記測定部の測定する前記光信号の光電変換信号の周波数成分を用いて前記光信号のスペクトラムを求める信号処理部(18)と、
を備える光無線システム評価装置。
【請求項2】
前記測定部は、前記OE変換器からの前記パルス光の光電変換信号を任意の時間間隔でサンプリングすることで、前記パルス光の光電変換信号の前記パルス光源における前記パルス光の発生に同期したタイミングの時間波形を測定する時間波形測定部(19)を備え、
前記信号処理部は、前記時間波形測定部の測定する前記パルス光の光電変換信号の時間波形を用いて前記被測定光ファイバでの光損失を求める
ことを特徴とする請求項1に記載の光無線システム評価装置。
【請求項3】
前記測定部は、前記信号切り替え部の選択出力する前記アンテナ受信信号の信号強度を任意の周波数間隔で検出して周波数成分を測定し、前記信号切り替え部の選択出力する前記光信号の光電変換信号の信号強度を任意の周波数間隔で検出して周波数成分を測定する周波数成分測定部(20)を備え、
前記信号処理部は、前記周波数成分測定部の測定する前記アンテナ受信信号の周波数成分を用いて前記無線信号のスペクトラムを求め、前記周波数成分測定部の測定する前記光信号の光電変換信号の周波数成分を用いて前記光信号のスペクトラムを求める
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光無線システム評価装置。
【請求項4】
前記信号処理部は、前記無線信号のスペクトラムと前記光信号のスペクトラムを比較する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光無線システム評価装置。
【請求項5】
前記測定部は、前記信号切り替え部の選択出力する前記アンテナ受信信号のベースバンドOFDM(Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)信号の周波数成分を測定し、前記信号切り替え部の選択出力する前記光信号の光電変換信号のベースバンドOFDM信号の周波数成分を測定するベースバンド信号測定部(22)を備え、
前記信号処理部は、前記ベースバンド信号測定部の測定する前記アンテナ受信信号のベースバンドOFDM信号の周波数成分を用いて前記無線信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを求め、前記ベースバンド信号測定部の測定する前記光信号の光電変換信号のベースバンドOFDM信号の周波数成分を用いて前記光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを求める
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光無線システム評価装置。
【請求項6】
前記ベースバンド信号測定部は、
データのサンプリングのタイミングを示す同期信号を出力する同期信号発生部(26)と、
前記信号切り替え部の選択出力する前記アンテナ受信信号をベースバンドOFDM信号に変換して出力し、前記信号切り替え部の選択出力する前記光信号の光電変換信号をベースバンドOFDM信号に変換して出力するダウンコンバート部(23)と、
前記ダウンコンバート部の出力する前記アンテナ受信信号のベースバンドOFDM信号又は前記光信号の光電変換信号のベースバンドOFDM信号を、前記同期信号発生部からの前記同期信号に従ったタイミングでサンプリングしてデジタル信号に変換して出力するAD変換器(24)と、
前記AD変換器の出力するデジタル信号をフーリエ変換して周波数領域に変換してサブキャリアの周波数ごとに分離する周波数変換部(25)と、
を備える
ことを特徴とする請求項5に記載の光無線システム評価装置。
【請求項7】
前記信号処理部は、前記無線信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムと前記光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを比較する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の光無線システム評価装置。
【請求項8】
無線信号を受信し、受信したアンテナ受信信号の周波数成分を測定部で測定し、信号処理部で前記無線信号のスペクトラムを求めるととともに、
被測定光ファイバで伝送される光信号を光電変換部で光電変換して周波数成分を前記測定部で測定し、前記信号処理部で前記光信号のスペクトラムを求めるととともに、
前記光信号とは異なる波長のパルス光を前記被測定光ファイバに出力し、前記被測定光ファイバからの前記パルス光を前記光電変換部で光電変換して前記パルス光の発生に同期したタイミングの時間波形を前記測定部で測定し、前記信号処理部で前記被測定光ファイバでの光損失を求める測定手順(S101)
を有する光無線システム評価方法。
【請求項9】
前記測定手順で求めた前記無線信号のスペクトラムと前記光信号のスペクトラムを前記信号処理部で比較する受信信号比較手順(S102)を、
前記測定手順の後にさらに有する
ことを特徴とする請求項8に記載の光無線システム評価方法。
【請求項10】
前記測定手順において、
前記アンテナ受信信号を前記測定部でベースバンドOFDM信号に変換してデジタル信号に変換し、前記測定部で周波数領域に変換してサブキャリアの周波数ごとに分離し、前記信号処理部で前記無線信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを求めるととともに、
前記被測定光ファイバからの前記光信号を前記光電変換部で光電変換し、光電変換した信号を前記測定部でベースバンドOFDM信号に変換してデジタル信号に変換し、前記測定部で周波数領域に変換してサブキャリアの周波数ごとに分離し、前記信号処理部で前記光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを求める
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の光無線システム評価方法。
【請求項11】
前記無線信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムと前記光信号のベースバンドOFDM信号のスペクトラムを前記信号処理部で比較するベースバンド信号比較手順(S103)を、
前記測定手順の後であって前記受信信号比較手順の前、後又は同時にさらに有する
ことを特徴とする請求項10に記載の光無線システム評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−158445(P2011−158445A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22757(P2010−22757)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】