説明

光記録媒体及びこれを用いた光記録再生方法

【課題】低速記録から高速記録に亘って良好な記録特性を得ることができる追記型の光記録媒体を提供する。
【解決手段】有機色素を含有する記録層を備えた光記録媒体において、記録層に、少なくとも下記化1に示す一般式で表される有機色素(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又は連結して3〜6員環を形成する基を表し、Y1及びY2は各々独立に有機基を表し、XはClO、BF、PF、SbFを表す)と、下記化2に示す一般式で表される有機色素(式中、R1、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又は連結して3〜6員環を形成する基を表し、Y1、Y2は各々独立に有機基を表し、XはClO、BF、PF、SbFを表す)とを有する構成とする。
【化1】


【化2】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光記録媒体、特に記録層として有機色素を用いる光記録媒体及びこれを用いた光記録再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光記録媒体として、光学的有機色素材料を記録層に用いる光記録媒体は、プラスチックなどの透明な基板上に有機色素を主成分とする記録層、また必要に応じて反射層、保護層等を設けて成り、この記録層の表面にレーザー光を走査させ、照射した表面の部分にのみピット形成を行うことで情報を高密度に記録する。
【0003】
CD−R(追記型CD:Compact Disc、登録商標)に代表される有機色素記録媒体は、構成がシンプルであり、安価に製造できるため、データや画像などのバックアップや音楽用途として市場に広く受け入れられている。しかし、近年のコンピュータの急速な進化に伴い、記録メディアの更なる大容量化が望まれており、有機色素を用いた光記録媒体の需要はCD−RなどからDVD−RやDVD+R(追記型DVD:Digital Versatile Disc、登録商標)へと移行しつつある。
【0004】
有機色素を用いた光記録媒体への情報の記録は、ヒートモードにより行われる。記録層にレーザー光を照射することで、照射された部分の有機色素はレーザー光を吸収して発熱し分解する。有機色素が分解した部分は、分解していない部分とは反射率が異なるため、記録層中にピットが形成されることとなる。そのため有機色素を用いた光記録媒体においては、熱を吸収するメカニズムが重要になる。
記録層中の有機色素を分解させるために必要な熱量は吸光スペクトルにより決定される。一般に、ある波長における光の吸収が大きくなれば記録感度は高くなるが、反射率は低下してしまう。逆に、吸収が小さくなると記録感度は低下するが、反射率が上昇する。
【0005】
有機色素を用いた光記録媒体においては、記録層の反射率特性と記録感度特性が重要であるが、上述したようにこれらの特性は互いに深い相関を持っており、光記録媒体の記録特性に大きな影響を与える。DVDでは、記録密度を高めるためにCDより短い650nm(DVD−R)若しくは655nm(DVD+R)の波長のレーザー光が用いられており、従来CD−Rに利用してきた有機色素は、この波長領域で吸収が大きいため最適記録感度から大きくずれてしまいDVD−RやDVD+Rに用いることはできない。
【0006】
更に、DVD−R、DVD+Rにおいても、CD−Rと同様に高速記録が求められている。高速記録を行う記録材料には、反射率が高いだけでなく、記録感度が高感度であること、熱による色素の分解スピードが速いことが求められる。
【0007】
DVD−Rなどに適用して好適な色素材料は各種提案されている(例えば特許文献1及び2参照。)。
しかしながら、高速記録時の記録再生特性については十分には検討されていない。
【0008】
また、色素の分解スピードを単に高めることにより高速記録に最適化すると、低速記録時の信号特性の悪化が見られ、逆の場合も同様で、低速記録に最適化すると、高速記録時の信号特性が悪化してしまう。
更に、高感度の有機色素記録媒体は、耐光特性が劣化する可能性がある。
従って、1枚の有機色素記録媒体で低速から高速記録に亘って記録特性、及び耐光特性の全てを同時に満足するのは非常に困難である。
【0009】
【特許文献1】特開2002−52829号公報
【特許文献2】特開2003−231359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、DVD−R、DVD+R等の追記型の光記録媒体において、低速記録から高速記録に亘って良好な記録特性を得ることができる光記録媒体及びこれを用いた光記録再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は、有機色素を含有する記録層を備えた光記録媒体において、記録層に、少なくとも下記化1に示す一般式で表される有機色素(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又は連結して3〜6員環を形成する基を表し、Y1及びY2は各々独立に有機基を表し、XはClO、BF、PF、SbFを表す)と、下記化2に示す一般式で表される有機色素(式中、R1、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又は連結して3〜6員環を形成する基を表し、Y1、Y2は各々独立に有機基を表し、XはClO、BF、PF、SbFを表す)とを有することを特徴とする。
【0012】
【化1】

【0013】
【化2】

【0014】
更に、本発明による光記録再生方法は、上述の本発明構成の光記録媒体を用いることを特徴とする。
【0015】
上述したように、本発明による光記録媒体は、上記化1及び化2の一般式で表される有機色素を混合して記録層を構成することによって、従来得られなかった1倍速から16倍速という低速記録から高速記録に亘ってジッターを抑え、良好な記録再生特性を得ることができる。
そして、このような光記録媒体を用いて記録再生を行うことにより、少なくとも1倍速記録から16倍速記録に亘って良好な記録再生が可能な光記録再生方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明の光記録媒体によれば、低速記録から高速記録に亘って良好な記録再生特性を得ることができる。
更に、本発明の光記録媒体において、基板に形成するグルーブの溝深さDを
100nm≦D≦200nm
に選定することによって、ジッター及び反射率を良好な範囲に保持することができ、1倍速記録から16倍速記録に亘って良好な記録再生特性を得ることができる。
また、本発明の光記録媒体において、基板に形成するグルーブの幅を
230nm≦Wg≦400nm
に選定することによって、ジッターを良好な範囲に保持することができ、1倍速記録から16倍速記録に亘って良好な記録再生特性を得ることができる。
【0017】
更に、本発明の光記録媒体において、上記化1に示す有機色素を下記の化3に示す構造式の材料を用いることによって、1倍速記録から16倍速記録に亘って良好な記録再生特性を得ることができる。
【0018】
【化3】

【0019】
また、本発明の光記録媒体において、上記化2に示す有機色素を下記の化4に示す構造式の材料を用いることによって、1倍速記録から16倍速記録に亘って良好な記録再生特性を得ることができる。
【0020】
【化4】

【0021】
また、本発明の光記録媒体において、上記化1に示す有機色素の重量をW1、上記化2に示す有機色素の重量をW2としたとき、
0.1≦W2/(W1+W2)≦0.8
として構成することによって、低速記録から高速記録に亘って記録パワー範囲を適切な範囲に選定することが可能となる。
【0022】
更に、本発明の光記録媒体において、記録層に失活剤を添加することによって、耐光性を向上することができる。
また、この光記録媒体において、上記化1に示す有機色素の重量をW1、上記化2に示す有機色素の重量をW2、失活剤の添加量W3とするとき、
0.08<W3/(W1+W2+W3)≦0.35
として構成することにより、耐光性を向上させ、かつジッターを確実に抑制して、良好な記録再生特性を得ることができる。
【0023】
また、本発明の光記録媒体において、有機色素の吸収の極大波長における光学濃度(Optical Density)をODとすると、
0.25≦OD≦0.70
として構成することによって、より確実に低速記録から高速記録に亘ってジッターを抑制し、良好な記録再生特性を得ることができる。
【0024】
更に、上述の本発明構成の光記録媒体を用いて記録再生を行うことにより、少なくとも1倍速から16倍速の記録速度に亘って確実に良好な記録再生特性が可能な光記録再生方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
本発明は、有機色素より成る記録層を有する例えばディスク型の光記録媒体に関するものであり、特にDVD−R、DVD+Rディスクに対応可能で、かつ高速記録を可能にする有機色素型の光記録媒体及びこれを用いた光記録再生方法を提供する。
【0026】
本発明による光記録媒体の一実施の形態例による要部の概略断面構成を図1に示す。記録層2は、スピンコート法等により厚さ例えば0.6mmの光透過性の基板1上に成膜され、その上にスパッタリング法等によって、銀、銀合金、Al、Al合金、金等の例えば銀より成る反射層3を積層させ、紫外線硬化樹脂等を介して例えば厚さ0.6mmの光透過性の基板4を接着させ、光記録媒体が構成される。
記録層2の有機色素の塗布液は、有機色素の溶媒となるテトラフルオロプロパノール(TFP)、オクタフルオロペンタノール(OFP)等の例えばTFPを用いることができる。記録層2の有機色素としては、上記化1に示す一般式のうち、例として上記化3に示す構造式の色素を用いることができる。
また、有機色素のうち、上記化2に示す一般式のうち、例えば上記化4に示す構造式の色素を用いることができる。
【0027】
これらの材料を用いて光記録媒体を作製し、記録再生特性を検討した。以下この結果を説明する。
以下の例では、記録層2の光学濃度OD(Optical Density)は、吸収の極大波長λmaxにおける透過率をTとした時に、
OD=−log(T)
で定義し、OD=0.50とした。
【0028】
使用した基板は、図2の概略断面構成図に示す形状をしており、トラックピッチTpが0.74μm、グルーブの溝深さDと幅Wgはそれぞれ150nm、350nmとした。ここでは、ランド部とグルーブ部との間の傾斜の中間点の幅をグルーブ幅Wgと定義する。信号の記録再生には、Pulstec社製のDDU−1000(商品名)を用いた。この評価機のレーザー光の波長は655nm、集光レンズの開口数NAは0.65であり、DVDに用いられているEFM plus信号を最短マーク長0.40μmでランダム記録した際の再生信号のジッター値を測定した。
【0029】
記録条件は、DVD+Rの1倍速記録方式の規格によるPulse Strategyを用いて1倍速記録(線速3.5m/s)、2.4倍速記録(線速8.4m/s)、またDVD+Rの4倍速記録方式の規格によるBlock Strategyを用いて4倍速記録(線速14.0m/s)、更にDVD+Rの8倍速記録方式の規格によるCastle Strategyを用いて8倍速記録(線速27.9m/s)、16倍速記録(線速55.8m/s)とし、1倍速で再生を行った際の記録パワーに対するジッター値を測定した。ジッター値は、再生時の記録マークとスペースの時間軸におけるばらつきを表すため、記録されたマークとスペースの精度を表す指標であり、ジッター値が小さいほど信号品質が高いことを意味する。
【0030】
記録層の有機色素のうち、上記化3に示す材料の重量をW1、上記化4に示す材料の重量をW2としたときに、重量比がW2/(W1+W2)=0.5の時の各倍速記録方式によるジッター値を測定した。この結果を下記の表1に示す。
【0031】
【表1】

【0032】
この表1から、1倍速から16倍速全ての記録速度に亘ってジッター値がDVD+Rの規格上限値である9.0%を大きく下回っており、十分な信号品質が得られることがわかる。
【0033】
次に、グルーブの溝深さDについて検討した結果を図3に示す。上記重量比W2/(W1+W2)=0.5の条件の記録層を用いて、グルーブの溝深さDが、100nm≦D≦200nmの領域における16倍速記録時のジッターのボトム値と反射率を測定した。
図3の結果から、ジッター値はD≧100nmで9%を十分に下回り、反射率はD=200nmで追記型DVDの規格の下限である45%を下回る。
従って、信号特性と反射率を同時に満足するグルーブ深さは、
100nm≦D<200nm
であることがわかる。
また、ジッターを8%以下とする場合には、グルーブ深さDは、
110nm≦D
とすることが望ましい。更に、よりジッターを抑えて7%以下とする場合には、
130nm≦D
とすることがより望ましい。
また、反射率を46%程度とする場合には、
D≦190nm
とすることが望ましく、更に反射率を47%以上とする場合は、
D≦180nm
とすることがより好ましい。
【0034】
図4は、グルーブ幅Wgについて検討した結果を示す。上記重量比W2/(W1+W2)=0.5の条件の記録層を用いて、グルーブの溝深さDを150nmとして、グルーブ幅Wgを変えて1倍速記録と16倍速記録時のジッター値を測定し、最適記録パワーでのジッター値をプロットした。この図4から、1倍速記録から16倍速記録に亘って十分な信号品質が得られるグルーブ幅Wgの条件は、
230nm≦Wg≦400nm
であることがわかる。
また、ジッターを8%以下とする場合には、グルーブ幅Wgは、
240nm≦Wg≦390nm
とすることが望ましい。更に、よりジッターを抑えて7%以下とする場合には、
260nm≦Wg≦370nm
とすることがより望ましい。
【0035】
次に、上記化3に示す構造式の有機色素と、上記化4に示す構造式の有機色素との配合比について検討した結果を図5に示す。グルーブの溝深さDと幅Wgはそれぞれ150nm、350nmとした。1倍速記録時と16倍速記録時の最適記録パワーをPoとすると、W2/(W1+W2)が増加するに従い記録感度が低感度側にシフトして、記録パワーが増加することがわかる。
ここで、16倍速記録の最適記録パワーは45mW以下であることが望ましいことから、重量比W2/(W1+W2)=0.8が上限となる。
下限値は、1倍速記録時の最適記録パワーにより決定され、1倍速記録の最適記録パワーは6mW以上が望まれることから、重量比W2/(W1+W2)=0.1が下限となる。従って、この場合、重量比としては、
0.1≦W2/(W1+W2)≦0.8
が好適であることがわかる。
また、より好ましい条件として、1倍速記録時の記録パワーを6.5mW以上、16倍速記録時の記録パワーを42mW以下とする場合は、この重量比としては、
0.3≦W2/(W1+W2)≦0.65
が好適であることがわかる。
【0036】
次に、記録層の材料を上記化3及び化4の有機色素を用い、その重量比をW2/(W1+W2)=0.5として光記録媒体を構成し、耐光性の検討を行った。
この例においては、記録層2に、失活剤として、下記の化5に示す構造式の材料を添加した。
【0037】
【化5】

【0038】
記録層への失活剤の添加量は、上記化3及び化4に示す材料の重量をW1、W2、上記化5に示す材料の重量をW3とし、W3/(W1+W2+W3)を0.0から0.4まで変化させた。
記録層の耐光性試験は、試験機内温度37℃、相対湿度70%の環境下において、ブルースケール(JIS規格)の5級退色相当まで光記録媒体の記録層側からキセノンランプを照射させて行った。
キセノンランプ照射後の光記録媒体に、16倍速記録した際のジッター値を図6に示す。この図6から、ジッターを9%以下に抑えるには、失活剤の重量比W3/(W1+W2+W3)は、
0.08<W3/(W1+W2+W3)≦0.35
の範囲で、好適であることがわかる。また、より低くジッターを抑えるには、
0.1≦W3/(W1+W2+W3)≦0.3
の範囲とすることが望ましい。
【0039】
上述の例においては、失活剤として上記化5に示す材料を用いた場合を検討したが、その他の失活剤、例えば下記の化6又は化7に示す失活剤を用いた場合においても、ほぼ同様の効果が得られる。
【0040】
【化6】

【0041】
【化7】

【0042】
また更に、上記の失活剤に加えて、耐光性を改善させるために、記録層中に光に安定なフタロシアニン色素やアゾ系色素を添加してもよい。
【0043】
次に、記録層の光学濃度(OD)の検討を行った。記録層材料の配合比は、上記化3及び化4に示す有機色素の重量比をW2/(W1+W2)=0.5とし、また上記化5に示す失活剤の重量比をW3/(W1+W2+W3)=0.2として、記録層の光学濃度を変えた光記録媒体を作製した。
この例においては、吸収の極大波長における有機色素膜の光学濃度(OD)が、0.25、0.40、0.50、0.60及び0.70の5条件とした光記録媒体を作製し、それぞれ1倍速記録時及び16倍速記録時のジッター値を測定した。この結果を図7に示す。
【0044】
図7の結果から、記録層の光学濃度ODが0.25のとき、16倍速記録時のジッターが9%を下回り、OD=0.70とされる場合は、ジッターが9%となることがわかる。従って、十分な信号品質が得られる光学濃度ODの領域は、
0.25≦OD≦0.70
であることがわかる。
また、ジッターを8%以下とする場合には、光学濃度ODは、
0.30≦OD≦0.65
とすることが望ましい。更に、よりジッターを抑えて7%以下とする場合には、
0.35≦OD≦0.60
とすることがより望ましい。
【0045】
以上説明したように、本発明の光記録媒体によれば、DVD型の光学系において、1倍速から16倍速までという幅広い記録速度に亘って追記型DVDの規格を十分満足する信号特性が得られる光記録媒体を提供することが可能となる。
また、失活剤を添加することによって、より耐光性に優れた有機色素型の光記録媒体を提供することができる。
【0046】
なお、本発明による光記録媒体は、上述の各例に限定されるものではなく、DVD+R型の規格に準ずるか又は略準ずる光記録媒体、或いはDVD−R型の規格に準ずるか又は略準ずる光記録媒体に適用した場合においても、同様の効果を得ることができる。
なお、DVD+R型及びDVD−R型光記録媒体の規格による記録及び再生用光波長、集光レンズの開口数、1倍速線速、最短マーク長の公差を含む数値を下記の表2に示す。
【0047】
【表2】

【0048】
なお、上記表2において、DVD+Rの記録及び再生用光波長の655nm+10nm/−5nmとは、公差が+10nmかつ−5nmの意味であり、同様にDVD−Rの記録用光波長の650nm+10nm/−5nmとは、公差が+10nmかつ−5nmの意味である。
また本発明は、光記録媒体の構成において、例えば色素材料より成る記録層を2層構成とする場合にも適用できるなど、本発明構成を逸脱しない範囲において、その他種々の変形、変更が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の光記録媒体の一例の概略断面構成図である。
【図2】本発明の光記録媒体の一例の要部の概略断面構成図である。
【図3】本発明の光記録媒体におけるグルーブ深さに対するジッター及び反射率の変化を示す図である。
【図4】本発明の光記録媒体におけるグルーブ幅に対するジッターの変化を示す図である。
【図5】本発明の光記録媒体における記録層材料の重量比に対する1倍速及び16倍速記録の記録パワーの変化を示す図である。
【図6】本発明の光記録媒体における失活剤を添加した記録層材料の重量比に対するジッターの変化を示す図である。
【図7】本発明の光記録媒体における記録層の光学濃度に対するジッターの変化を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1.基板、2.記録層、3.反射層、4.基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機色素を含有する記録層を備えた光記録媒体において、
上記記録層に、少なくとも下記化1に示す一般式で表される有機色素(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又は連結して3〜6員環を形成する基を表し、Y1及びY2は各々独立に有機基を表し、XはClO、BF、PF、SbFを表す)と、
下記化2に示す一般式で表される有機色素(式中、R1、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又は連結して3〜6員環を形成する基を表し、Y1、Y2は各々独立に有機基を表し、XはClO、BF、PF、SbFを表す)とを有する
ことを特徴とする光記録媒体。
【化1】

【化2】

【請求項2】
上記光記録媒体の基板に設けるグルーブの溝深さDが、
100nm≦D<200nm
とされて成る
ことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
【請求項3】
上記光記録媒体の基板に設けるグルーブの幅Wgが、
230nm≦Wg≦400nm
とされて成る
ことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
【請求項4】
上記化1に示す有機色素が、下記の化3に示す構造式の材料とされて成る
ことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
【化3】

【請求項5】
上記化2に示す有機色素が、下記の化4に示す構造式の材料とされて成る
ことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
【化4】

【請求項6】
上記化1に示す有機色素の重量をW1、上記化2に示す有機色素の重量をW2としたとき、
0.1≦W2/(W1+W2)≦0.8
とされて成る
ことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
【請求項7】
上記記録層に、失活剤が添加されて成る
ことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
【請求項8】
上記化1に示す有機色素の重量をW1、上記化2に示す有機色素の重量をW2、上記失活剤の重量をW3とすると、
0.08<W3/(W1+W2+W3)≦0.35
とされて成る
ことを特徴とする請求項7記載の光記録媒体。
【請求項9】
上記有機色素の吸収の極大波長における光学濃度(Optical Density)をODとすると、
0.25≦OD≦0.70
とされて成る
ことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
【請求項10】
有機色素を含有する記録層を備えた光記録媒体を用いる光記録再生方法であって、
上記光記録媒体は、上記記録層に、少なくとも上記化1に示す一般式で表される有機色素(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又は連結して3〜6員環を形成する基を表し、Y1及びY2は各々独立に有機基を表し、XはClO、BF、PF、SbFを表す)と、
上記化2に示す一般式で表される有機色素(式中、R1、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又は連結して3〜6員環を形成する基を表し、Y1、Y2は各々独立に有機基を表し、XはClO、BF、PF、SbFを表す)とを有する
ことを特徴とする光記録再生方法。
【請求項11】
上記光記録媒体の記録再生用光の波長が655nm+10nm/−5nm、上記光記録媒体に上記レーザー光を集光する集光レンズの開口数NAが0.65±0.01、上記光記録媒体に記録する情報の最短マーク長が0.40μm±0.003μm、1倍速線速が3.49±0.03m/s、上記光記録媒体のトラックピッチが0.74μm±0.03μmとされて成る
ことを特徴とする請求項10記載の光記録再生方法。
【請求項12】
上記光記録媒体の再生用光の波長が650nm±5nm、記録用光の波長が650nm+10nm/−5nm、上記光記録媒体に上記レーザー光を集光する集光レンズの開口数NAが0.60±0.01、上記光記録媒体に記録する情報の最短マーク長が0.40μm±0.003μm、1倍速線速が3.49m/s±0.03m/s、上記光記録媒体のトラックピッチが0.74μm±0.03μmとされて成る
ことを特徴とする請求項10記載の光記録再生方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−123281(P2006−123281A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−312944(P2004−312944)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【出願人】(000000387)旭電化工業株式会社 (987)
【Fターム(参考)】