光路変換部材及び光モジュール
【課題】低損失での光接続を可能とし、また、生産性の向上を図ることが可能な光路変換部材及び光モジュールを提供する。
【解決手段】光モジュール1における光路変換部材5は、光路変換用光ファイバ7と第一保持部材8と第二保持部材9とを含んで構成される。光路変換部材5は、第一保持部材8と第二保持部材9との組み付けに伴い光路変換用光ファイバ7が曲げられて曲げ部が形成されると、この曲げ部の内縁側に第一保持部材8の円弧部22が配置され、曲げ部の外縁側には第二保持部材9の空間部36が配置される。光路変換用光ファイバ7は、第一保持部材8と第二保持部材9との組み付け後、曲げ部を円弧部22から遠ざかる方向へ撓ませて曲げ撓み部13が形成される。曲げ撓み部13が形成されてもこの外縁側には、空間部36の空間が存在する。
【解決手段】光モジュール1における光路変換部材5は、光路変換用光ファイバ7と第一保持部材8と第二保持部材9とを含んで構成される。光路変換部材5は、第一保持部材8と第二保持部材9との組み付けに伴い光路変換用光ファイバ7が曲げられて曲げ部が形成されると、この曲げ部の内縁側に第一保持部材8の円弧部22が配置され、曲げ部の外縁側には第二保持部材9の空間部36が配置される。光路変換用光ファイバ7は、第一保持部材8と第二保持部材9との組み付け後、曲げ部を円弧部22から遠ざかる方向へ撓ませて曲げ撓み部13が形成される。曲げ撓み部13が形成されてもこの外縁側には、空間部36の空間が存在する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光路変換用光ファイバを曲げることにより光路を変換する光路変換部材と、この光路変換部材を含む光モジュールとに関する。
【背景技術】
【0002】
基板に面実装される光素子と、この光素子を実装する実装面に平行な方向にのびる光ファイバとを光学的に接続するにあたって、下記特許文献1には、45度ミラーやプリズム等の光路変換部品とレンズとを組み合わせて接続する方法や、光ファイバを曲げて接続する方法が開示されている。
【0003】
上記の光路変換部品とレンズとを組み合わせて接続する方法においては、レンズと光素子との間に比較的大きな空間が必要になり、このため光接続に係る部分、すなわち光モジュールの高さ寸法が大きくなり、結果、光モジュールの小型化を図ることが困難であるという問題点を有している。
【0004】
また、上記の光ファイバを曲げて接続する方法においては、光ファイバを曲げるにあたり加熱溶融して曲げる方法と、保持部材を用いて曲げる方法とがある。加熱溶融して光ファイバを曲げる方法に関して、下記特許文献1には特に開示されていないが、光ファイバの取り扱いが難しく生産性が悪いという問題点を有している。一方、保持部材で曲げる方法に関しては、下記特許文献1に二つの例が開示されている。一つ目は下記特許文献1の背景技術の欄に開示されている例であって、この場合は基板上での光路変換が困難である。二つ目は下記特許文献1の発明に係る例である。以下、図面を参照しながら二つ目の例について説明をする。
【0005】
図12において、引用符号101は光モジュールを示している。光モジュール101は、基板102の上面に実装される面発光又は面受光の光素子103と、基板102の上面に平行な方向にのびる複数本の光ファイバ104と、この複数本の光ファイバ104の光路を変換して光素子103に光学的に接続する光路変換部材105と、光路変換部材105を基板102の上面に載置固定する固定部106とを備えて構成されている。
【0006】
光路変換部材105は、第一保持部材107と、この第一保持部材107に組み付けられる第二保持部材108とを備えて構成されている。光路変換部材105は、第一保持部材107に第二保持部材108を組み付けると、この組み付けに伴って複数本の光ファイバ104の光路変換部分109が光素子103側へと曲がるような構造のものに形成されている。引用符号110は光路変換部分109の曲げ部を示している。
【0007】
第一保持部材107は、光路変換部材105においてベースとなる部材であって、平坦な上面111と、この上面111から滑らかに続く湾曲先端面112と、上面111及び湾曲先端面112にわたって形成される複数の位置決め溝113とを有している。複数の位置決め溝113は、複数本の光ファイバ104における光路変換部分109の下縁側を収容することができるように形成されている。複数の位置決め溝113は、複数本の光ファイバ104の光路変換部分109を整列状態にすることができるように形成されている。
【0008】
第二保持部材108は、光路変換部材105において蓋状となる部材であって、第一保持部材107の上面111に対向する平坦な下面114と、この下面114から滑らかに続き第一保持部材107の湾曲先端面112に対向する湾曲面115とを有している。下面114及び湾曲面115は、複数の位置決め溝113に収容された複数本の光ファイバ104の光路変換部分109の上縁側を押さえつける面として形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−52028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記従来技術の光路変換部材105にあっては、複数本の光ファイバ104の光路変換部分109が第二保持部材108により押さえつけられている。具体的には、光路変換部分109の直線部116が第二保持部材108の下面114により押さえつけられるとともに、光路変換部分109の曲げ部110が湾曲面115により押さえつけられている。従って、上記の如く押さえつけられると言うことは直線部116及び曲げ部110ともこの上縁側(外縁側)に空気層が存在しない状態にあることから、屈折率差は空気層がある場合よりも小さくなり、結果、曲げ損失が大きくなってしまうという問題点を有している。尚、押さえつけにより曲げ半径が非常に小さくなる場合には、曲げ損失が増大してしまうという虞がある。
【0011】
また、上記従来技術の光路変換部材105にあっては、第一保持部材107に上面111及び湾曲先端面112が形成されている。しかしながら、湾曲先端面112と光素子103との間を見ると、基板102の上面に対し垂直な面は存在しない形状に形成されている。従って、光ファイバ104の光路変換部分109の先端部が光素子103に対して斜めに配置される可能性があり、光素子103との接続損失が増大してしまうという問題点を有している。
【0012】
さらに、上記従来技術の光路変換部材105にあっては、第一保持部材107の上面111及び湾曲先端面112にわたって複数の位置決め溝113が形成されている。従って、湾曲先端面112に位置決め溝113を施すための金型加工が難しく、溝位置や溝深さにバラツキがあると光路変換部分109の先端位置がずれて、結果、光素子103との低損失な接続が困難になってしまうという問題点を有している。
【0013】
さらにまた、上記従来技術の光路変換部材105にあっては、光ファイバ104の光路変換部分109の長さ管理を厳密に行わないと、光路変換部分109の先端位置が光素子103に近づきすぎたり遠くなりすぎたりする虞がある。しかしながら、長さ管理を厳密に行うと、生産性が悪くなってしまうという問題点を有している。尚、長さ管理を厳密に行わない場合には、光路変換部分109の先端を研磨する必要がある。先端を研磨するには複数工程が必要で時間を要してしまうことになる。
【0014】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、低損失での光接続を可能とし、また、生産性の向上を図ることが可能な光路変換部材及び光モジュールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明の光路変換部材は、光路変換用光ファイバと、該光路変換用光ファイバを挟み込むように組み付けられる第一保持部材及び第二保持部材とを備え、前記光路変換用光ファイバを所定位置に配置して前記第一保持部材と前記第二保持部材とを組み付けると、該組み付けに伴い前記光路変換用光ファイバが曲げられる光路変換部材において、前記第一保持部材は、前記組み付けに伴う前記光路変換用光ファイバの曲げに作用する円弧部を有し、且つ、該円弧部は、前記曲げにより形成される前記光路変換用光ファイバの曲げ部の内縁側に配置され、前記第二保持部材は、前記曲げ部の外縁側に配置される空間部を有し、且つ、該空間部は、前記曲げ部の外縁から遠ざかる方向に空間が広がる形状に形成されることを特徴とする。
【0016】
このような特徴を有する本発明によれば、光路変換用光ファイバの曲げ部外縁側に配置され、この外縁から遠ざかる方向に空間が広がる形状の空間部を有することから、光路変換用光ファイバの曲げ部外縁に空気層が存在する光路変換部材として提供することができる。本発明によれば、光路変換用光ファイバと空気層との屈折率差を、空気層のない場合と比べて大きくすることができ、以て曲げ損失を低減することができる。このため、光路変換用光ファイバの曲げ半径を小さくすることができ、以て光モジュールに用いる場合、この小型化を図ることができる。
【0017】
請求項2に記載の本発明の光路変換部材は、請求項1に記載の光路変換部材に係り、前記光路変換用光ファイバは、前記曲げ部の一端及び他端にそれぞれ連続して入射端及び出射端へ向けてのびる入射側直線部及び出射側直線部を有し、前記第一保持部材と前記第二保持部材のそれぞれは、前記入射側直線部及び前記出射側直線部を挟み込む入射側平面部及び出射側平面部を有し、前記第一保持部材及び/又は前記第二保持部材に形成される前記入射側平面部及び前記出射側平面部は、前記入射側直線部及び前記出射側直線部を収容する入射側溝部及び出射側溝部を有することを特徴とする。
【0018】
このような特徴を有する本発明によれば、光路変換用光ファイバの入射側直線部及び出射側直線部を挟み込む入射側平面部及び出射側平面部を有し、この入射側平面部及び出射側平面部を円弧部に連続させるように配置形成することから、光路変換用光ファイバの先端位置及び後端位置を安定させることができる。また、本発明によれば、光路変換用光ファイバの入射側直線部及び出射側直線部を収容する入射側溝部及び出射側溝部を形成するとともに、この入射側溝部及び出射側溝部を入射側平面部及び出射側平面部にだけ形成し、円弧部には形成しないことから、構造を簡素化することができる。構造の簡素化に関し、例えば、第一保持部材及び第二保持部材を樹脂製のものとすると、成型金型の加工を簡素化することができる。また、精度良く金型加工をすることができる。
【0019】
請求項3に記載の本発明の光路変換部材は、請求項2に記載の光路変換部材に係り、前記入射側平面部及び前記出射側平面部は、直交する方向に配置形成されることを特徴とする。
【0020】
このような特徴を有する本発明によれば、入射側平面部及び出射側平面部を直交する方向に配置形成していることから、例えば、基板に面実装される光素子(面発光又は面受光の光素子)と、この光素子を実装する実装面に平行な方向にのびる光ファイバとを光学的に接続することができる。本発明によれば、光素子の光軸と光路変換用光ファイバの光軸とを平行に配置(同軸に配置)することができる。また、基板に平行な光ファイバの光軸と光路変換用光ファイバの光軸とを平行に配置(同軸に配置)することができる。
【0021】
請求項4に記載の本発明の光路変換部材は、請求項1、2、又は3に記載の光路変換部材に係り、前記光路変換用光ファイバは、前記第一保持部材と前記第二保持部材との組み付け後、前記曲げ部を前記円弧部から遠ざかる方向へ撓ませて形成される曲げ撓み部を有し、前記空間部は、前記曲げ撓み部の外縁側に前記空間が存在する形状に形成されることを特徴とする。
【0022】
このような特徴を有する本発明によれば、光路変換用光ファイバの曲げ部外縁側に配置され、この外縁から遠ざかる方向に空間が広がる形状の空間部を有し、さらには、曲げ部を円弧部から遠ざかる方向へ撓ませて曲げ撓み部を形成し、この曲げ撓み部外縁側に空間が存在する形状の空間部を有することから、光路変換用光ファイバの曲げ部及び曲げ撓み部のいずれであってもこの外縁に空気層が存在する光路変換部材として提供することができる。
【0023】
この他、本発明によれば、光路変換用光ファイバに曲げ撓み部を形成するにあたり、光路変換用光ファイバの先端を光路変換部材の内部へ押し込むようにすれば、また、この時に所定位置まで押し込むようにすれば、光路変換部材を光モジュールに用いる場合、光素子との位置関係を良好にすることができる。すなわち、光路変換用光ファイバの長さ管理を厳密に行わなくても、光素子に対し光路変換用光ファイバの先端を最適な位置に配置することができる。
【0024】
上記の如く光路変換用光ファイバの先端を光路変換部材の内部へ押し込むようにすれば、先端位置を調整するための研磨を不要にすることができる。この部分の研磨は、複数工程が必要で時間を要することから、製造コストの増大を抑えることができる。
【0025】
また、上記課題を解決するためになされた請求項5に記載の本発明の光モジュールは、基板に面実装される光素子と、該光素子の光軸に交差する方向にのびる光ファイバと、前記光素子及び前記光ファイバの間に配設される請求項1、2、3、又は4に記載の光路変換部材とを含むことを特徴とする。
【0026】
このような特徴を有する本発明によれば、請求項1、2、3、又は4に記載の光路変換部材を含む光モジュールとなる。
【発明の効果】
【0027】
請求項1に記載された本発明によれば、空間部を形成することにより光路変換用光ファイバの曲げ部外縁側に空気層が存在する光路変換部材となることから、光路変換用光ファイバの曲げ部での損失を低減することができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、低損失での光接続が可能な光路変換部材を提供することができるという効果を奏する。この他、本発明によれば、光路変換用光ファイバの曲げ半径を小さくすることができ、以て光モジュールに用いる場合、この小型化を図ることができるという効果を奏する。
【0028】
請求項2に記載された本発明によれば、入射側溝部及び出射側溝部を入射側平面部及び出射側平面部にだけ形成することから、金型の加工性が向上して溝部の位置や深さにバラツキが生じ難くなり、以て光路変換用光ファイバの先端位置及び後端位置を安定させることができるという効果を奏する。従って、光素子や光ファイバとの低損失な接続をすることができるという効果を奏する。本発明によれば、低損失での光接続が可能な光路変換部材を提供することができるという効果を奏する。
【0029】
請求項3に記載された本発明によれば、請求項2の効果に加え次のような効果を奏する。すなわち、基板に面実装される光素子と、この光素子を実装する実装面に平行な方向にのびる光ファイバとを光学的に接続するにあたり、光路変換用光ファイバの光軸を光素子及び光ファイバの各光軸に対し平行に配設することができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、より良い光路変換部材を提供することができるという効果を奏する。また、生産性の良い光路変換部材を提供することもできるという効果を奏する。
【0030】
請求項4に記載された本発明によれば、空間部を形成することにより光路変換用光ファイバの曲げ部外縁側でも、また、曲げ撓み部外縁側でも空気層が存在する光路変換部材となることから、光路変換用光ファイバの曲げ部及び曲げ撓み部での損失を低減することができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、低損失での光接続が可能な光路変換部材を提供することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、曲げ部から曲げ撓み部を形成するにあたり、例えば光路変換用光ファイバの先端を光路変換部材の内部へ押し込むようにすれば、光路変換用光ファイバの先端を最適な位置に配置することができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、光路変換用光ファイバの長さ管理を簡素化することができ、以て光路変換部材の生産性を向上させることができるという効果を奏する。さらに、本発明によれば、光路変換用光ファイバの先端位置を調整するにあたり、上記の如く光路変換部材の内部へ押し込み、これにより複数工程を必要とする研磨処理をなくすことができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、製造コストの増大を抑えることができるという効果を奏する。
【0031】
請求項5に記載された本発明によれば、請求項1、2、3、又は4に記載の光路変換部材を構成に含むことから、低損失での光接続を可能とし、また、生産性の向上を図ることが可能な光モジュールを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る光路変換部材及び光モジュールの断面図である。
【図2】光路変換部材の斜視図である。
【図3】第一保持部材の斜視図である。
【図4】第一保持部材の断面図である。
【図5】第二保持部材の斜視図である。
【図6】第一保持部材及び第二保持部材を組み付けた状態の断面図である。
【図7】光路変換部材の製造に係る図であり、第一工程の説明図である。
【図8】光路変換部材の製造に係る図であり、第二工程の説明図である。
【図9】光路変換部材の製造に係る図であり、第三工程の説明図である。
【図10】光路変換部材の製造に係る図であり、第四工程の説明図である。
【図11】光路変換用光ファイバの曲げ部及び曲げ撓み部の説明図である。
【図12】従来例の光路変換部材及び光モジュールの図であり、(a)は従来例の光モジュールの断面図、(b)は従来例の光路変換部材の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
光路変換部材は、光路変換用光ファイバと第一保持部材と第二保持部材とを含んで構成される。光路変換部材は、第一保持部材と第二保持部材との組み付けに伴い光路変換用光ファイバが曲げられて曲げ部が形成されると、この曲げ部の内縁側に第一保持部材の円弧部が配置され、曲げ部の外縁側には第二保持部材の空間部が配置される。光路変換用光ファイバは、第一保持部材と第二保持部材との組み付け後、光ファイバ先端位置を調整するために、曲げ部を円弧部から遠ざかる方向へ撓ませて曲げ撓み部が形成される。曲げ撓み部が形成されてもこの外縁側には、空間部の空間が存在する。
【0034】
光モジュールは、基板に面実装される光素子と、この光素子を実装する実装面に平行な方向にのびる光ファイバと、これらを光学的に接続する上記光路変換部材とを含んで構成される。光モジュールは、光路変換を必要とする場合に有効な構成及び構造を有している。
【実施例】
【0035】
以下、図面を参照しながら実施例を説明する。図1は本発明に係る光路変換部材及び光モジュールの断面図である。また、図2は光路変換部材の斜視図、図3及び図4は第一保持部材の斜視図及び断面図、図5は第二保持部材の斜視図、図6は第一保持部材及び第二保持部材を組み付けた状態の断面図、図7〜図10は光路変換部材の製造に係る説明図、図11は光路変換用光ファイバの曲げ部及び曲げ撓み部の説明図である。
【0036】
以下の説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等に合わせて適宜変更することができるものとする。
【0037】
図1において、引用符号1は光モジュールを示している。光モジュール1は、基板2の上面に実装される面発光又は面受光の光素子3と、この光素子3の光軸に交差する方向にのびる光ファイバ4と、光素子3及び光ファイバ4の間に配設される光路変換部材5と、この光路変換部材5を基板2の上面に載置固定する固定部6とを含んで構成されている。先ず、上記の各構成部材について説明をする。
【0038】
光ファイバ4は、本実施例において、光素子3が実装される基板2の上面(実装面)に対し平行な方向にのびるように配設されている(一例であるものとする)。すなわち、光ファイバ4は、本実施例において、上記光軸に直交する方向に配設されている。
【0039】
光ファイバ4と光素子3は、公知のものが用いられている。
【0040】
光路変換部材5は、光路変換用光ファイバ7と、この光路変換用光ファイバ7を挟み込むように組み付けられる第一保持部材8及び第二保持部材9とを含んで構成されている。
【0041】
光素子3、光ファイバ4、及び、光路変換用光ファイバ7は、本実施例において二つ(二本)ずつ備えられている(数は一例であるものとする)。光素子3に関しては、一方が送信用、他方が受信用のものとなっている。すなわち、細い実線となる引き出し線で図示される方が送信用で面発光の光素子3a、細い破線となる引き出し線で図示される方が受信用で面受光の光素子3bとなっている。同様に、光ファイバ4及び光路変換用光ファイバ7は、光素子3に応じて送信用、受信用のものとなっている。すなわち、細い実線となる引き出し線で図示される方が送信用の光ファイバ4a及び光路変換用光ファイバ7a、細い破線となる引き出し線で図示される方が受信用の光ファイバ4b及び光路変換用光ファイバ7bとなっている。尚、光ファイバ4及び光路変換用光ファイバ7は、本実施例において送信用及び受信用のいずれであっても同じものが用いられている。
【0042】
光路変換用光ファイバ7としては、曲げ耐性光ファイバが用いられている。この曲げ耐性光ファイバは、曲げ損失を低減するためにコアとクラッドの屈折率差が大きい光ファイバであり、例えば屈折率分布がトレンチ型構造のマルチモード光ファイバが用いられている。光路変換用光ファイバ7は、これを小径で曲げた場合であっても破断しないように、スクリーニングレベルを上げて製造したり、汎用品よりもファイバ外径が小さなものを使用したりしている。光路変換用光ファイバ7は、本実施例において、この被覆を剥いだ状態で使用されている。
【0043】
光路変換用光ファイバ7は、この全長が上記挟み込まれる分の長さよりも長くなるものが用いられている。挟み込まれる分の長さよりも長くて良いと言うことは、第一保持部材8及び第二保持部材9に挟み込まれる前の時点において、光路変換用光ファイバの長さ管理を厳密に行わなくても良いと言うことである。
【0044】
光路変換用光ファイバ7は、第一保持部材8と第二保持部材9との組み付けに伴い曲げられて曲げ部10(図8参照)が形成されるとともに、この曲げ部10の一端及び他端にそれぞれ連続するように直線部11、12が形成されるようにもなっている。
【0045】
直線部11は、光素子3側に配設されており、光素子3aの場合には、この部分は特許請求の範囲に記載された入射側直線部11aに、光素子3bの場合には、この部分は特許請求の範囲に記載された出射側直線部11bに相当するものとする。一方、直線部12は、光ファイバ4側に配設されており、光素子3aの場合には、この部分は特許請求の範囲に記載された出射側直線部12aに、光素子3bの場合には、この部分は特許請求の範囲に記載された入射側直線部12bに相当するものとする。
【0046】
光路変換用光ファイバ7は、第一保持部材8と第二保持部材9とを組み付けた後、曲げ部10(図8参照)を所定方向(図8を参照しながら後述する)へ撓ませることにより曲げ撓み部13が形成されるようになっている。
【0047】
光路変換用光ファイバ7は、光素子3側の端面を先端面14、光ファイバ4側の端面を後端面15とすると、先端面14が第一保持部材8及び第二保持部材9の後述する下面17及び25に面一となるように配置(配置に関しては後述する)されている。また、後端面15も第一保持部材8及び第二保持部材9の後述する後面19及び27に面一となるように加工(加工に関しては後述する)されている。尚、ここでは、図1の紙面左右方向を前後、紙面垂直方向を左右、紙面上下方向を上下と定義するものとする。
【0048】
図1ないし図4において、第一保持部材8は、成型金型に樹脂材料を充填して成型されるブロック状の樹脂成型品(雄型)であって、平坦な上面16と、この上面16に平行で平坦な下面17と、上面16及び下面17に垂直で平坦な前面18と、同じく上面16及び下面17に垂直で平坦な後面19と、上記各面に垂直で平坦な左側面20及び右側面21と、上面16及び前面18を滑らかに繋ぐ曲面状の円弧部22と、上面16から突出するガイド突起23とを有している。
【0049】
上面16は、ここに配置される直線部12が出射側直線部12aであれば、この部分は特許請求の範囲に記載された出射側平面部16aに相当するものとする。また、直線部12が入射側直線部12bであれば、この部分は特許請求の範囲に記載された入射側平面部16bに相当するものとする。一方、前面18は、ここに配置される直線部11が入射側直線部11aであれば、この部分は特許請求の範囲に記載された入射側平面部18aに相当するものとする。また、直線部11が出射側直線部11bであれば、この部分は特許請求の範囲に記載された出射側平面部18bに相当するものとする。
【0050】
前面18及び上面16は、光路変換用光ファイバ7の直線部11及び12が光素子3及び光ファイバ4の光軸に対して平行に配置することができるように形成されている。
【0051】
円弧部22は、上記の如く曲面状に形成されている。円弧部22は、図1及び図4の場合、紙面斜め左上方向に凸となる曲面状(円弧状)に形成されている。このような円弧部22は、破断しないように光路変換用光ファイバ7を押し付けて曲げることができるように形成されている。円弧部22は、光路変換用光ファイバ7の曲げに作用する部分として形成されている。
【0052】
ガイド突起23は、第二保持部材9との組み付けの際の案内部分であって、後面19の位置から前方へ真っ直ぐのびる直方体形状に形成されている。ガイド突起23は、上面16における出射側平面部16aと入射側平面部16bとの間に配置形成されている。
【0053】
図1、図2、図5、及び図6において、第二保持部材9は、成型金型に樹脂材料を充填して成型されるブロック状の樹脂成型品(雌型)であって、平坦な上面24と、この上面24に平行で平坦な下面25と、上面24及び下面25に垂直で平坦な前面26と、同じく上面24及び下面25に垂直で平坦な後面27と、上記各面に垂直で平坦な左側面28及び右側面29と、下面25及び後面27を開口するように形成される凹部30と、上面24及び凹部30を連通するように後面27を切り欠いて形成されるガイド溝31とを有している。
【0054】
凹部30は、第一保持部材8に対する組み付け部分であって、上面24に平行で平坦な凹部上面32と、凹部上面32に垂直で平坦な凹部前面33と、同じく凹部上面32に垂直で平坦な凹部左側面34及び凹部右側面35とを有している。凹部上面32の中央位置には、ガイド溝31が形成されている。このガイド溝31は、第一保持部材8のガイド突起23を案内する部分であって、凹部前面33の位置まで真っ直ぐのびるように切り欠き形成されている。
【0055】
凹部上面32は、ここに配置される直線部12が出射側直線部12aであれば、特許請求の範囲に記載された出射側平面部32aに相当するものとする。また、直線部12が入射側直線部12bであれば、特許請求の範囲に記載された入射側平面部32bに相当するものとする。一方、凹部前面33は、ここに配置される直線部11が入射側直線部11aであれば、特許請求の範囲に記載された入射側平面部33aに相当するものとする。また、直線部11が出射側直線部11bであれば、特許請求の範囲に記載された出射側平面部33bに相当するものとする。
【0056】
凹部前面33及び凹部上面32は、光路変換用光ファイバ7の直線部11及び12を光素子3及び光ファイバ4の光軸に対して平行に配置することができるように形成されている。
【0057】
凹部前面33及び凹部上面32の交差部分近傍は、空間部36として形成されている。
【0058】
空間部36は、第一保持部材8の組み付けにより生じる空間であって、第一保持部材8の円弧部22から遠ざかる方向に空間が広がるような形状に、また、光路変換用光ファイバ7の曲げ部10(図8参照)の外縁や曲げ撓み部13の外縁から遠ざかる方向に空間が広がるような形状に形成されている。
【0059】
空間部36は、後の説明で分かるようになるが、光路変換用光ファイバ7の撓み空間を提供する機能と、空気層及び光路変換用光ファイバ7の側面による光閉じ込め効果により曲げ損失を低減させる機能の二つを有している。
【0060】
また、空間部36は、後の説明で分かるようになるが、光路変換用光ファイバ7の撓み空間を提供していることから、第一保持部材8及び第二保持部材9の下面17及び25から突き出した僅かな長さの光ファイバ先端部分(後述する先端部分40)を押し込むことができるようにもなっている。
【0061】
凹部前面33及び凹部上面32には、溝部37及び38が形成されている。溝部37及び38は、光路変換用光ファイバ7を収容してこの位置決めをする溝状の部分として形成されている。溝部37及び38は、第一保持部材8の前面18及び上面16に対応する位置に配置形成されている。また、溝部37及び38は、真っ直ぐにのびるように形成されている。溝部37及び38は、空間部36側に若干のびるように形成されている。溝部37及び38は、本実施例においてV字状の溝に形成されている(この限りでないものとする。例えばU字状の溝や矩形の溝であってもよいものとする)。
【0062】
溝部37は、ここに収容される直線部11が入射側直線部11aであれば、この部分は特許請求の範囲に記載された入射側溝部37aに相当するものとする。また、直線部11が出射側直線部11bであれば、この部分は特許請求の範囲に記載された出射側溝部37bに相当するものとする。一方、溝部38は、ここに収容される直線部12が出射側直線部12aであれば、この部分は特許請求の範囲に記載された出射側溝部38aに相当するものとする。また、直線部12が入射側直線部12bであれば、この部分は特許請求の範囲に記載された入射側溝部38bに相当するものとする。
【0063】
本実施例において、溝部37及び38は、第二保持部材9側に形成されているが、この限りでないものとする。すなわち、第一保持部材8側に形成したり、第一保持部材8及び第二保持部材9の両方に形成してもよいものとする。但し、成型金型の加工を簡素化するためとして、また、成型金型の加工を精度良くするためとして、円弧部22には形成しないものとする(溝部37及び38を平面に形成する本実施例は、成型金型の加工を容易にすることができるとともに寸法精度も良くすることができる。従って、低損失で光接続を行うことに寄与する)。
【0064】
次に、上記構成及び構造に基づきながら、光路変換部材5の組み付け及び光モジュール1について説明をする。光路変換部材5は、以下の第一工程から第四工程を順に経ることにより組み付けが完了するようになっている。
【0065】
図7において、第一工程では、光路変換用光ファイバ7(曲げ耐性光ファイバを使用)の被覆を剥ぎ、クリービング(切断)により光路変換用光ファイバ7の端面39を平滑面にする作業を行う。そして、この後に図7に示す状態、すなわち第二保持部材9の下面25及び後面27の位置において、溝部37及び38に入り込むように光路変換用光ファイバ7を配置する作業を行う。尚、光路変換用光ファイバ7の長さ管理は厳密に行われてないものとする(但し、第一保持部材8及び第二保持部材9に挟み込まれる分の長さよりも長いものとする。また、後述する突き出し量にも配慮するものとする)。
【0066】
第一工程では、光路変換用光ファイバ7が第二保持部材9の下面25及び後面27よりも突出する状態に配置される。
【0067】
図7及び図8において、第二工程では、第一保持部材8及び第二保持部材9を組み付ける作業を行う。具体的には、第二保持部材9に対し第一保持部材8をスライドさせてこれらを組み付ける作業を行う。この時、光路変換用光ファイバ7は、第一保持部材8の円弧部22からの押し付けにより曲げられて曲げ部10が形成される。また、曲げ部10の一端及び他端にそれぞれ連続する状態で直線部11、12も形成される。曲げ部10は、円弧部22の曲率で曲げられて形成される。直線部11は、凹部前面33及び前面18に挟み込まれて、また、直線部12は、凹部上面32及び上面16に挟み込まれて形成される。
【0068】
尚、第二工程では、光路変換用光ファイバ7の先端部分40が0.42mm以下で下面17及び25から突き出すように調整されるものとする(突き出し量に関しては図11を参照しながら後述する)。
【0069】
図8及び図9において、第三工程では、下面17及び25から突き出した光路変換用光ファイバ7の先端部分40を例えばガラス板のような平板41で押しつけて、光路変換用光ファイバ7の先端面14を下面17及び25と面一にする作業を行う。光路変換用光ファイバ7の先端部分40が押し込まれると、第一保持部材8及び第二保持部材9の組み付けにより形成される空間部36において曲げ部10が円弧部22から遠ざかる方向へ撓み、これにより曲げ撓み部13が形成される。
【0070】
図9及び図10において、第四工程では、光路変換用光ファイバ7の先端部分40を平板41で押しつけた状態、且つ、曲げ撓み部13を形成した状態で、接着剤により第一保持部材8、第二保持部材9、及び光路変換用光ファイバ7を接着固定する作業を行う。尚、接着剤を注入する孔は、第一保持部材8又は第二保持部材9の適宜位置に形成するものとする。接着剤は、空間部36にまで注入されないものとするが、仮に注入される場合には、曲げ損失を低減するために、光路変換用光ファイバ7よりも小さな屈折率を持つ接着剤を使用するものとする。
【0071】
接着固定後は、後面19及び27から突き出した光路変換用光ファイバ7の後端部分42を後面19及び27の位置で切断して研磨する作業を行う。これにより後面19及び27に面一となる光路変換用光ファイバ7の後端面15が形成され、光路変換部材5の一連の組み付けが完了する。
【0072】
ここで、図11を参照しながら上記突き出し量(0.42mm以下)に関して説明をする。
【0073】
図11において、光路変換用光ファイバ7の曲げ部10は押し込み前の状態であり、この時の曲げ半径をRとする。また、光路変換用光ファイバ7の曲げ撓み部13は押し込み後の状態であり、この時の曲げ半径をrとする。
【0074】
光路変換用光ファイバ7の押し込み前の空間部36における長さをLとすると、この長さLは式(1)で示される。すなわち、L=πR/2 …(1)。
【0075】
また、押し込んだ状態での光路変換用光ファイバ7の空間部36における長さをMとすると、この長さMは式(2)で示される。すなわち、M=(πr/2)+2(R−r) …(2)。
【0076】
押し込み量をxとすると、式(3)が成り立つ。すなわち、L+x=M …(3)。
【0077】
曲げ半径の変動を1mmにする場合は、R−r=1mmの時で式(3)からx=0.429mmとなる。従って、押し込み量xを0.42mm以下、すなわち上記突き出し量0.42mm以下にすれば、曲げ半径の変動を1mm以下に抑制することができる。
【0078】
図1に戻り、基板2に面実装される光素子3と、光ファイバ4との間に光路変換部材5を配設すると、光モジュール1の組み付けが完了する。
【0079】
以上、図1ないし図11を参照しながら説明してきたように、光路変換部材5及び光モジュール1によれば、空間部36により光路変換用光ファイバ7の曲げ部10の外縁や曲げ撓み部13の外縁に空気層が存在するため曲げ損失を小さく、また、曲げ半径を小さくすることができる。従って、光路変換部材5の低背化が可能で光モジュール1(光コネクタ)を小型化することができる。
【0080】
また、光路変換部材5及び光モジュール1によれば、光素子3側となる光路変換用光ファイバ7の先端面14を研磨する必要がなく、結果、製造コストを抑えることや、生産性を向上させることができる。
【0081】
さらに、光路変換部材5及び光モジュール1によれば、前面18及び凹部前面33により光路変換用光ファイバ7の直線部11の光軸が光素子3の光軸に対して平行に配置され(同軸に配置され)、結果、光素子3との接続損失を小さくすることができる。同様に、光路変換用光ファイバ7の直線部12の光軸も光ファイバ4の光軸に対して平行に配置され(同軸に配置され)、結果、光ファイバ4との接続損失を小さくすることができる。
【0082】
さらにまた、光路変換部材5及び光モジュール1によれば、第二保持部材9の円弧部22に溝部37及び38を形成してない構造であることから、すなわち曲面上に溝部37及び38を設けてない構造であることから、成型金型の加工を容易にすることができる。直線の溝加工は容易で寸法精度を出し易くできることから、溝位置や溝深さのバラツキを最小限に抑えることができる。従って、光素子3と光ファイバ4との間でこれらを低損失に接続することができる。
【0083】
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0084】
1…光モジュール、 2…基板、 3…光素子、 4…光ファイバ、 5…光路変換部材、 6…固定部、 7…光路変換用光ファイバ、 8…第一保持部材、 9…第二保持部材、 10…曲げ部、 11、12…直線部、 13…曲げ撓み部、 14…先端面、 15…後端面、 16…上面、 17…下面、 18…前面、 19…後面、 20…左側面、 21…右側面、 22…円弧部、 23…ガイド突起、 24…上面、 25…下面、 26…前面、 27…後面、 28…左側面、 29…右側面、 30…凹部、 31…ガイド溝、 32…凹部上面、 33…凹部前面、 34…凹部左側面、 35…凹部右側面、 36…空間部、 37、38…溝部、 39…端面、 40…先端部分、 41…平板、 42…後端部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、光路変換用光ファイバを曲げることにより光路を変換する光路変換部材と、この光路変換部材を含む光モジュールとに関する。
【背景技術】
【0002】
基板に面実装される光素子と、この光素子を実装する実装面に平行な方向にのびる光ファイバとを光学的に接続するにあたって、下記特許文献1には、45度ミラーやプリズム等の光路変換部品とレンズとを組み合わせて接続する方法や、光ファイバを曲げて接続する方法が開示されている。
【0003】
上記の光路変換部品とレンズとを組み合わせて接続する方法においては、レンズと光素子との間に比較的大きな空間が必要になり、このため光接続に係る部分、すなわち光モジュールの高さ寸法が大きくなり、結果、光モジュールの小型化を図ることが困難であるという問題点を有している。
【0004】
また、上記の光ファイバを曲げて接続する方法においては、光ファイバを曲げるにあたり加熱溶融して曲げる方法と、保持部材を用いて曲げる方法とがある。加熱溶融して光ファイバを曲げる方法に関して、下記特許文献1には特に開示されていないが、光ファイバの取り扱いが難しく生産性が悪いという問題点を有している。一方、保持部材で曲げる方法に関しては、下記特許文献1に二つの例が開示されている。一つ目は下記特許文献1の背景技術の欄に開示されている例であって、この場合は基板上での光路変換が困難である。二つ目は下記特許文献1の発明に係る例である。以下、図面を参照しながら二つ目の例について説明をする。
【0005】
図12において、引用符号101は光モジュールを示している。光モジュール101は、基板102の上面に実装される面発光又は面受光の光素子103と、基板102の上面に平行な方向にのびる複数本の光ファイバ104と、この複数本の光ファイバ104の光路を変換して光素子103に光学的に接続する光路変換部材105と、光路変換部材105を基板102の上面に載置固定する固定部106とを備えて構成されている。
【0006】
光路変換部材105は、第一保持部材107と、この第一保持部材107に組み付けられる第二保持部材108とを備えて構成されている。光路変換部材105は、第一保持部材107に第二保持部材108を組み付けると、この組み付けに伴って複数本の光ファイバ104の光路変換部分109が光素子103側へと曲がるような構造のものに形成されている。引用符号110は光路変換部分109の曲げ部を示している。
【0007】
第一保持部材107は、光路変換部材105においてベースとなる部材であって、平坦な上面111と、この上面111から滑らかに続く湾曲先端面112と、上面111及び湾曲先端面112にわたって形成される複数の位置決め溝113とを有している。複数の位置決め溝113は、複数本の光ファイバ104における光路変換部分109の下縁側を収容することができるように形成されている。複数の位置決め溝113は、複数本の光ファイバ104の光路変換部分109を整列状態にすることができるように形成されている。
【0008】
第二保持部材108は、光路変換部材105において蓋状となる部材であって、第一保持部材107の上面111に対向する平坦な下面114と、この下面114から滑らかに続き第一保持部材107の湾曲先端面112に対向する湾曲面115とを有している。下面114及び湾曲面115は、複数の位置決め溝113に収容された複数本の光ファイバ104の光路変換部分109の上縁側を押さえつける面として形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−52028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記従来技術の光路変換部材105にあっては、複数本の光ファイバ104の光路変換部分109が第二保持部材108により押さえつけられている。具体的には、光路変換部分109の直線部116が第二保持部材108の下面114により押さえつけられるとともに、光路変換部分109の曲げ部110が湾曲面115により押さえつけられている。従って、上記の如く押さえつけられると言うことは直線部116及び曲げ部110ともこの上縁側(外縁側)に空気層が存在しない状態にあることから、屈折率差は空気層がある場合よりも小さくなり、結果、曲げ損失が大きくなってしまうという問題点を有している。尚、押さえつけにより曲げ半径が非常に小さくなる場合には、曲げ損失が増大してしまうという虞がある。
【0011】
また、上記従来技術の光路変換部材105にあっては、第一保持部材107に上面111及び湾曲先端面112が形成されている。しかしながら、湾曲先端面112と光素子103との間を見ると、基板102の上面に対し垂直な面は存在しない形状に形成されている。従って、光ファイバ104の光路変換部分109の先端部が光素子103に対して斜めに配置される可能性があり、光素子103との接続損失が増大してしまうという問題点を有している。
【0012】
さらに、上記従来技術の光路変換部材105にあっては、第一保持部材107の上面111及び湾曲先端面112にわたって複数の位置決め溝113が形成されている。従って、湾曲先端面112に位置決め溝113を施すための金型加工が難しく、溝位置や溝深さにバラツキがあると光路変換部分109の先端位置がずれて、結果、光素子103との低損失な接続が困難になってしまうという問題点を有している。
【0013】
さらにまた、上記従来技術の光路変換部材105にあっては、光ファイバ104の光路変換部分109の長さ管理を厳密に行わないと、光路変換部分109の先端位置が光素子103に近づきすぎたり遠くなりすぎたりする虞がある。しかしながら、長さ管理を厳密に行うと、生産性が悪くなってしまうという問題点を有している。尚、長さ管理を厳密に行わない場合には、光路変換部分109の先端を研磨する必要がある。先端を研磨するには複数工程が必要で時間を要してしまうことになる。
【0014】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、低損失での光接続を可能とし、また、生産性の向上を図ることが可能な光路変換部材及び光モジュールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明の光路変換部材は、光路変換用光ファイバと、該光路変換用光ファイバを挟み込むように組み付けられる第一保持部材及び第二保持部材とを備え、前記光路変換用光ファイバを所定位置に配置して前記第一保持部材と前記第二保持部材とを組み付けると、該組み付けに伴い前記光路変換用光ファイバが曲げられる光路変換部材において、前記第一保持部材は、前記組み付けに伴う前記光路変換用光ファイバの曲げに作用する円弧部を有し、且つ、該円弧部は、前記曲げにより形成される前記光路変換用光ファイバの曲げ部の内縁側に配置され、前記第二保持部材は、前記曲げ部の外縁側に配置される空間部を有し、且つ、該空間部は、前記曲げ部の外縁から遠ざかる方向に空間が広がる形状に形成されることを特徴とする。
【0016】
このような特徴を有する本発明によれば、光路変換用光ファイバの曲げ部外縁側に配置され、この外縁から遠ざかる方向に空間が広がる形状の空間部を有することから、光路変換用光ファイバの曲げ部外縁に空気層が存在する光路変換部材として提供することができる。本発明によれば、光路変換用光ファイバと空気層との屈折率差を、空気層のない場合と比べて大きくすることができ、以て曲げ損失を低減することができる。このため、光路変換用光ファイバの曲げ半径を小さくすることができ、以て光モジュールに用いる場合、この小型化を図ることができる。
【0017】
請求項2に記載の本発明の光路変換部材は、請求項1に記載の光路変換部材に係り、前記光路変換用光ファイバは、前記曲げ部の一端及び他端にそれぞれ連続して入射端及び出射端へ向けてのびる入射側直線部及び出射側直線部を有し、前記第一保持部材と前記第二保持部材のそれぞれは、前記入射側直線部及び前記出射側直線部を挟み込む入射側平面部及び出射側平面部を有し、前記第一保持部材及び/又は前記第二保持部材に形成される前記入射側平面部及び前記出射側平面部は、前記入射側直線部及び前記出射側直線部を収容する入射側溝部及び出射側溝部を有することを特徴とする。
【0018】
このような特徴を有する本発明によれば、光路変換用光ファイバの入射側直線部及び出射側直線部を挟み込む入射側平面部及び出射側平面部を有し、この入射側平面部及び出射側平面部を円弧部に連続させるように配置形成することから、光路変換用光ファイバの先端位置及び後端位置を安定させることができる。また、本発明によれば、光路変換用光ファイバの入射側直線部及び出射側直線部を収容する入射側溝部及び出射側溝部を形成するとともに、この入射側溝部及び出射側溝部を入射側平面部及び出射側平面部にだけ形成し、円弧部には形成しないことから、構造を簡素化することができる。構造の簡素化に関し、例えば、第一保持部材及び第二保持部材を樹脂製のものとすると、成型金型の加工を簡素化することができる。また、精度良く金型加工をすることができる。
【0019】
請求項3に記載の本発明の光路変換部材は、請求項2に記載の光路変換部材に係り、前記入射側平面部及び前記出射側平面部は、直交する方向に配置形成されることを特徴とする。
【0020】
このような特徴を有する本発明によれば、入射側平面部及び出射側平面部を直交する方向に配置形成していることから、例えば、基板に面実装される光素子(面発光又は面受光の光素子)と、この光素子を実装する実装面に平行な方向にのびる光ファイバとを光学的に接続することができる。本発明によれば、光素子の光軸と光路変換用光ファイバの光軸とを平行に配置(同軸に配置)することができる。また、基板に平行な光ファイバの光軸と光路変換用光ファイバの光軸とを平行に配置(同軸に配置)することができる。
【0021】
請求項4に記載の本発明の光路変換部材は、請求項1、2、又は3に記載の光路変換部材に係り、前記光路変換用光ファイバは、前記第一保持部材と前記第二保持部材との組み付け後、前記曲げ部を前記円弧部から遠ざかる方向へ撓ませて形成される曲げ撓み部を有し、前記空間部は、前記曲げ撓み部の外縁側に前記空間が存在する形状に形成されることを特徴とする。
【0022】
このような特徴を有する本発明によれば、光路変換用光ファイバの曲げ部外縁側に配置され、この外縁から遠ざかる方向に空間が広がる形状の空間部を有し、さらには、曲げ部を円弧部から遠ざかる方向へ撓ませて曲げ撓み部を形成し、この曲げ撓み部外縁側に空間が存在する形状の空間部を有することから、光路変換用光ファイバの曲げ部及び曲げ撓み部のいずれであってもこの外縁に空気層が存在する光路変換部材として提供することができる。
【0023】
この他、本発明によれば、光路変換用光ファイバに曲げ撓み部を形成するにあたり、光路変換用光ファイバの先端を光路変換部材の内部へ押し込むようにすれば、また、この時に所定位置まで押し込むようにすれば、光路変換部材を光モジュールに用いる場合、光素子との位置関係を良好にすることができる。すなわち、光路変換用光ファイバの長さ管理を厳密に行わなくても、光素子に対し光路変換用光ファイバの先端を最適な位置に配置することができる。
【0024】
上記の如く光路変換用光ファイバの先端を光路変換部材の内部へ押し込むようにすれば、先端位置を調整するための研磨を不要にすることができる。この部分の研磨は、複数工程が必要で時間を要することから、製造コストの増大を抑えることができる。
【0025】
また、上記課題を解決するためになされた請求項5に記載の本発明の光モジュールは、基板に面実装される光素子と、該光素子の光軸に交差する方向にのびる光ファイバと、前記光素子及び前記光ファイバの間に配設される請求項1、2、3、又は4に記載の光路変換部材とを含むことを特徴とする。
【0026】
このような特徴を有する本発明によれば、請求項1、2、3、又は4に記載の光路変換部材を含む光モジュールとなる。
【発明の効果】
【0027】
請求項1に記載された本発明によれば、空間部を形成することにより光路変換用光ファイバの曲げ部外縁側に空気層が存在する光路変換部材となることから、光路変換用光ファイバの曲げ部での損失を低減することができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、低損失での光接続が可能な光路変換部材を提供することができるという効果を奏する。この他、本発明によれば、光路変換用光ファイバの曲げ半径を小さくすることができ、以て光モジュールに用いる場合、この小型化を図ることができるという効果を奏する。
【0028】
請求項2に記載された本発明によれば、入射側溝部及び出射側溝部を入射側平面部及び出射側平面部にだけ形成することから、金型の加工性が向上して溝部の位置や深さにバラツキが生じ難くなり、以て光路変換用光ファイバの先端位置及び後端位置を安定させることができるという効果を奏する。従って、光素子や光ファイバとの低損失な接続をすることができるという効果を奏する。本発明によれば、低損失での光接続が可能な光路変換部材を提供することができるという効果を奏する。
【0029】
請求項3に記載された本発明によれば、請求項2の効果に加え次のような効果を奏する。すなわち、基板に面実装される光素子と、この光素子を実装する実装面に平行な方向にのびる光ファイバとを光学的に接続するにあたり、光路変換用光ファイバの光軸を光素子及び光ファイバの各光軸に対し平行に配設することができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、より良い光路変換部材を提供することができるという効果を奏する。また、生産性の良い光路変換部材を提供することもできるという効果を奏する。
【0030】
請求項4に記載された本発明によれば、空間部を形成することにより光路変換用光ファイバの曲げ部外縁側でも、また、曲げ撓み部外縁側でも空気層が存在する光路変換部材となることから、光路変換用光ファイバの曲げ部及び曲げ撓み部での損失を低減することができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、低損失での光接続が可能な光路変換部材を提供することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、曲げ部から曲げ撓み部を形成するにあたり、例えば光路変換用光ファイバの先端を光路変換部材の内部へ押し込むようにすれば、光路変換用光ファイバの先端を最適な位置に配置することができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、光路変換用光ファイバの長さ管理を簡素化することができ、以て光路変換部材の生産性を向上させることができるという効果を奏する。さらに、本発明によれば、光路変換用光ファイバの先端位置を調整するにあたり、上記の如く光路変換部材の内部へ押し込み、これにより複数工程を必要とする研磨処理をなくすことができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、製造コストの増大を抑えることができるという効果を奏する。
【0031】
請求項5に記載された本発明によれば、請求項1、2、3、又は4に記載の光路変換部材を構成に含むことから、低損失での光接続を可能とし、また、生産性の向上を図ることが可能な光モジュールを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る光路変換部材及び光モジュールの断面図である。
【図2】光路変換部材の斜視図である。
【図3】第一保持部材の斜視図である。
【図4】第一保持部材の断面図である。
【図5】第二保持部材の斜視図である。
【図6】第一保持部材及び第二保持部材を組み付けた状態の断面図である。
【図7】光路変換部材の製造に係る図であり、第一工程の説明図である。
【図8】光路変換部材の製造に係る図であり、第二工程の説明図である。
【図9】光路変換部材の製造に係る図であり、第三工程の説明図である。
【図10】光路変換部材の製造に係る図であり、第四工程の説明図である。
【図11】光路変換用光ファイバの曲げ部及び曲げ撓み部の説明図である。
【図12】従来例の光路変換部材及び光モジュールの図であり、(a)は従来例の光モジュールの断面図、(b)は従来例の光路変換部材の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
光路変換部材は、光路変換用光ファイバと第一保持部材と第二保持部材とを含んで構成される。光路変換部材は、第一保持部材と第二保持部材との組み付けに伴い光路変換用光ファイバが曲げられて曲げ部が形成されると、この曲げ部の内縁側に第一保持部材の円弧部が配置され、曲げ部の外縁側には第二保持部材の空間部が配置される。光路変換用光ファイバは、第一保持部材と第二保持部材との組み付け後、光ファイバ先端位置を調整するために、曲げ部を円弧部から遠ざかる方向へ撓ませて曲げ撓み部が形成される。曲げ撓み部が形成されてもこの外縁側には、空間部の空間が存在する。
【0034】
光モジュールは、基板に面実装される光素子と、この光素子を実装する実装面に平行な方向にのびる光ファイバと、これらを光学的に接続する上記光路変換部材とを含んで構成される。光モジュールは、光路変換を必要とする場合に有効な構成及び構造を有している。
【実施例】
【0035】
以下、図面を参照しながら実施例を説明する。図1は本発明に係る光路変換部材及び光モジュールの断面図である。また、図2は光路変換部材の斜視図、図3及び図4は第一保持部材の斜視図及び断面図、図5は第二保持部材の斜視図、図6は第一保持部材及び第二保持部材を組み付けた状態の断面図、図7〜図10は光路変換部材の製造に係る説明図、図11は光路変換用光ファイバの曲げ部及び曲げ撓み部の説明図である。
【0036】
以下の説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等に合わせて適宜変更することができるものとする。
【0037】
図1において、引用符号1は光モジュールを示している。光モジュール1は、基板2の上面に実装される面発光又は面受光の光素子3と、この光素子3の光軸に交差する方向にのびる光ファイバ4と、光素子3及び光ファイバ4の間に配設される光路変換部材5と、この光路変換部材5を基板2の上面に載置固定する固定部6とを含んで構成されている。先ず、上記の各構成部材について説明をする。
【0038】
光ファイバ4は、本実施例において、光素子3が実装される基板2の上面(実装面)に対し平行な方向にのびるように配設されている(一例であるものとする)。すなわち、光ファイバ4は、本実施例において、上記光軸に直交する方向に配設されている。
【0039】
光ファイバ4と光素子3は、公知のものが用いられている。
【0040】
光路変換部材5は、光路変換用光ファイバ7と、この光路変換用光ファイバ7を挟み込むように組み付けられる第一保持部材8及び第二保持部材9とを含んで構成されている。
【0041】
光素子3、光ファイバ4、及び、光路変換用光ファイバ7は、本実施例において二つ(二本)ずつ備えられている(数は一例であるものとする)。光素子3に関しては、一方が送信用、他方が受信用のものとなっている。すなわち、細い実線となる引き出し線で図示される方が送信用で面発光の光素子3a、細い破線となる引き出し線で図示される方が受信用で面受光の光素子3bとなっている。同様に、光ファイバ4及び光路変換用光ファイバ7は、光素子3に応じて送信用、受信用のものとなっている。すなわち、細い実線となる引き出し線で図示される方が送信用の光ファイバ4a及び光路変換用光ファイバ7a、細い破線となる引き出し線で図示される方が受信用の光ファイバ4b及び光路変換用光ファイバ7bとなっている。尚、光ファイバ4及び光路変換用光ファイバ7は、本実施例において送信用及び受信用のいずれであっても同じものが用いられている。
【0042】
光路変換用光ファイバ7としては、曲げ耐性光ファイバが用いられている。この曲げ耐性光ファイバは、曲げ損失を低減するためにコアとクラッドの屈折率差が大きい光ファイバであり、例えば屈折率分布がトレンチ型構造のマルチモード光ファイバが用いられている。光路変換用光ファイバ7は、これを小径で曲げた場合であっても破断しないように、スクリーニングレベルを上げて製造したり、汎用品よりもファイバ外径が小さなものを使用したりしている。光路変換用光ファイバ7は、本実施例において、この被覆を剥いだ状態で使用されている。
【0043】
光路変換用光ファイバ7は、この全長が上記挟み込まれる分の長さよりも長くなるものが用いられている。挟み込まれる分の長さよりも長くて良いと言うことは、第一保持部材8及び第二保持部材9に挟み込まれる前の時点において、光路変換用光ファイバの長さ管理を厳密に行わなくても良いと言うことである。
【0044】
光路変換用光ファイバ7は、第一保持部材8と第二保持部材9との組み付けに伴い曲げられて曲げ部10(図8参照)が形成されるとともに、この曲げ部10の一端及び他端にそれぞれ連続するように直線部11、12が形成されるようにもなっている。
【0045】
直線部11は、光素子3側に配設されており、光素子3aの場合には、この部分は特許請求の範囲に記載された入射側直線部11aに、光素子3bの場合には、この部分は特許請求の範囲に記載された出射側直線部11bに相当するものとする。一方、直線部12は、光ファイバ4側に配設されており、光素子3aの場合には、この部分は特許請求の範囲に記載された出射側直線部12aに、光素子3bの場合には、この部分は特許請求の範囲に記載された入射側直線部12bに相当するものとする。
【0046】
光路変換用光ファイバ7は、第一保持部材8と第二保持部材9とを組み付けた後、曲げ部10(図8参照)を所定方向(図8を参照しながら後述する)へ撓ませることにより曲げ撓み部13が形成されるようになっている。
【0047】
光路変換用光ファイバ7は、光素子3側の端面を先端面14、光ファイバ4側の端面を後端面15とすると、先端面14が第一保持部材8及び第二保持部材9の後述する下面17及び25に面一となるように配置(配置に関しては後述する)されている。また、後端面15も第一保持部材8及び第二保持部材9の後述する後面19及び27に面一となるように加工(加工に関しては後述する)されている。尚、ここでは、図1の紙面左右方向を前後、紙面垂直方向を左右、紙面上下方向を上下と定義するものとする。
【0048】
図1ないし図4において、第一保持部材8は、成型金型に樹脂材料を充填して成型されるブロック状の樹脂成型品(雄型)であって、平坦な上面16と、この上面16に平行で平坦な下面17と、上面16及び下面17に垂直で平坦な前面18と、同じく上面16及び下面17に垂直で平坦な後面19と、上記各面に垂直で平坦な左側面20及び右側面21と、上面16及び前面18を滑らかに繋ぐ曲面状の円弧部22と、上面16から突出するガイド突起23とを有している。
【0049】
上面16は、ここに配置される直線部12が出射側直線部12aであれば、この部分は特許請求の範囲に記載された出射側平面部16aに相当するものとする。また、直線部12が入射側直線部12bであれば、この部分は特許請求の範囲に記載された入射側平面部16bに相当するものとする。一方、前面18は、ここに配置される直線部11が入射側直線部11aであれば、この部分は特許請求の範囲に記載された入射側平面部18aに相当するものとする。また、直線部11が出射側直線部11bであれば、この部分は特許請求の範囲に記載された出射側平面部18bに相当するものとする。
【0050】
前面18及び上面16は、光路変換用光ファイバ7の直線部11及び12が光素子3及び光ファイバ4の光軸に対して平行に配置することができるように形成されている。
【0051】
円弧部22は、上記の如く曲面状に形成されている。円弧部22は、図1及び図4の場合、紙面斜め左上方向に凸となる曲面状(円弧状)に形成されている。このような円弧部22は、破断しないように光路変換用光ファイバ7を押し付けて曲げることができるように形成されている。円弧部22は、光路変換用光ファイバ7の曲げに作用する部分として形成されている。
【0052】
ガイド突起23は、第二保持部材9との組み付けの際の案内部分であって、後面19の位置から前方へ真っ直ぐのびる直方体形状に形成されている。ガイド突起23は、上面16における出射側平面部16aと入射側平面部16bとの間に配置形成されている。
【0053】
図1、図2、図5、及び図6において、第二保持部材9は、成型金型に樹脂材料を充填して成型されるブロック状の樹脂成型品(雌型)であって、平坦な上面24と、この上面24に平行で平坦な下面25と、上面24及び下面25に垂直で平坦な前面26と、同じく上面24及び下面25に垂直で平坦な後面27と、上記各面に垂直で平坦な左側面28及び右側面29と、下面25及び後面27を開口するように形成される凹部30と、上面24及び凹部30を連通するように後面27を切り欠いて形成されるガイド溝31とを有している。
【0054】
凹部30は、第一保持部材8に対する組み付け部分であって、上面24に平行で平坦な凹部上面32と、凹部上面32に垂直で平坦な凹部前面33と、同じく凹部上面32に垂直で平坦な凹部左側面34及び凹部右側面35とを有している。凹部上面32の中央位置には、ガイド溝31が形成されている。このガイド溝31は、第一保持部材8のガイド突起23を案内する部分であって、凹部前面33の位置まで真っ直ぐのびるように切り欠き形成されている。
【0055】
凹部上面32は、ここに配置される直線部12が出射側直線部12aであれば、特許請求の範囲に記載された出射側平面部32aに相当するものとする。また、直線部12が入射側直線部12bであれば、特許請求の範囲に記載された入射側平面部32bに相当するものとする。一方、凹部前面33は、ここに配置される直線部11が入射側直線部11aであれば、特許請求の範囲に記載された入射側平面部33aに相当するものとする。また、直線部11が出射側直線部11bであれば、特許請求の範囲に記載された出射側平面部33bに相当するものとする。
【0056】
凹部前面33及び凹部上面32は、光路変換用光ファイバ7の直線部11及び12を光素子3及び光ファイバ4の光軸に対して平行に配置することができるように形成されている。
【0057】
凹部前面33及び凹部上面32の交差部分近傍は、空間部36として形成されている。
【0058】
空間部36は、第一保持部材8の組み付けにより生じる空間であって、第一保持部材8の円弧部22から遠ざかる方向に空間が広がるような形状に、また、光路変換用光ファイバ7の曲げ部10(図8参照)の外縁や曲げ撓み部13の外縁から遠ざかる方向に空間が広がるような形状に形成されている。
【0059】
空間部36は、後の説明で分かるようになるが、光路変換用光ファイバ7の撓み空間を提供する機能と、空気層及び光路変換用光ファイバ7の側面による光閉じ込め効果により曲げ損失を低減させる機能の二つを有している。
【0060】
また、空間部36は、後の説明で分かるようになるが、光路変換用光ファイバ7の撓み空間を提供していることから、第一保持部材8及び第二保持部材9の下面17及び25から突き出した僅かな長さの光ファイバ先端部分(後述する先端部分40)を押し込むことができるようにもなっている。
【0061】
凹部前面33及び凹部上面32には、溝部37及び38が形成されている。溝部37及び38は、光路変換用光ファイバ7を収容してこの位置決めをする溝状の部分として形成されている。溝部37及び38は、第一保持部材8の前面18及び上面16に対応する位置に配置形成されている。また、溝部37及び38は、真っ直ぐにのびるように形成されている。溝部37及び38は、空間部36側に若干のびるように形成されている。溝部37及び38は、本実施例においてV字状の溝に形成されている(この限りでないものとする。例えばU字状の溝や矩形の溝であってもよいものとする)。
【0062】
溝部37は、ここに収容される直線部11が入射側直線部11aであれば、この部分は特許請求の範囲に記載された入射側溝部37aに相当するものとする。また、直線部11が出射側直線部11bであれば、この部分は特許請求の範囲に記載された出射側溝部37bに相当するものとする。一方、溝部38は、ここに収容される直線部12が出射側直線部12aであれば、この部分は特許請求の範囲に記載された出射側溝部38aに相当するものとする。また、直線部12が入射側直線部12bであれば、この部分は特許請求の範囲に記載された入射側溝部38bに相当するものとする。
【0063】
本実施例において、溝部37及び38は、第二保持部材9側に形成されているが、この限りでないものとする。すなわち、第一保持部材8側に形成したり、第一保持部材8及び第二保持部材9の両方に形成してもよいものとする。但し、成型金型の加工を簡素化するためとして、また、成型金型の加工を精度良くするためとして、円弧部22には形成しないものとする(溝部37及び38を平面に形成する本実施例は、成型金型の加工を容易にすることができるとともに寸法精度も良くすることができる。従って、低損失で光接続を行うことに寄与する)。
【0064】
次に、上記構成及び構造に基づきながら、光路変換部材5の組み付け及び光モジュール1について説明をする。光路変換部材5は、以下の第一工程から第四工程を順に経ることにより組み付けが完了するようになっている。
【0065】
図7において、第一工程では、光路変換用光ファイバ7(曲げ耐性光ファイバを使用)の被覆を剥ぎ、クリービング(切断)により光路変換用光ファイバ7の端面39を平滑面にする作業を行う。そして、この後に図7に示す状態、すなわち第二保持部材9の下面25及び後面27の位置において、溝部37及び38に入り込むように光路変換用光ファイバ7を配置する作業を行う。尚、光路変換用光ファイバ7の長さ管理は厳密に行われてないものとする(但し、第一保持部材8及び第二保持部材9に挟み込まれる分の長さよりも長いものとする。また、後述する突き出し量にも配慮するものとする)。
【0066】
第一工程では、光路変換用光ファイバ7が第二保持部材9の下面25及び後面27よりも突出する状態に配置される。
【0067】
図7及び図8において、第二工程では、第一保持部材8及び第二保持部材9を組み付ける作業を行う。具体的には、第二保持部材9に対し第一保持部材8をスライドさせてこれらを組み付ける作業を行う。この時、光路変換用光ファイバ7は、第一保持部材8の円弧部22からの押し付けにより曲げられて曲げ部10が形成される。また、曲げ部10の一端及び他端にそれぞれ連続する状態で直線部11、12も形成される。曲げ部10は、円弧部22の曲率で曲げられて形成される。直線部11は、凹部前面33及び前面18に挟み込まれて、また、直線部12は、凹部上面32及び上面16に挟み込まれて形成される。
【0068】
尚、第二工程では、光路変換用光ファイバ7の先端部分40が0.42mm以下で下面17及び25から突き出すように調整されるものとする(突き出し量に関しては図11を参照しながら後述する)。
【0069】
図8及び図9において、第三工程では、下面17及び25から突き出した光路変換用光ファイバ7の先端部分40を例えばガラス板のような平板41で押しつけて、光路変換用光ファイバ7の先端面14を下面17及び25と面一にする作業を行う。光路変換用光ファイバ7の先端部分40が押し込まれると、第一保持部材8及び第二保持部材9の組み付けにより形成される空間部36において曲げ部10が円弧部22から遠ざかる方向へ撓み、これにより曲げ撓み部13が形成される。
【0070】
図9及び図10において、第四工程では、光路変換用光ファイバ7の先端部分40を平板41で押しつけた状態、且つ、曲げ撓み部13を形成した状態で、接着剤により第一保持部材8、第二保持部材9、及び光路変換用光ファイバ7を接着固定する作業を行う。尚、接着剤を注入する孔は、第一保持部材8又は第二保持部材9の適宜位置に形成するものとする。接着剤は、空間部36にまで注入されないものとするが、仮に注入される場合には、曲げ損失を低減するために、光路変換用光ファイバ7よりも小さな屈折率を持つ接着剤を使用するものとする。
【0071】
接着固定後は、後面19及び27から突き出した光路変換用光ファイバ7の後端部分42を後面19及び27の位置で切断して研磨する作業を行う。これにより後面19及び27に面一となる光路変換用光ファイバ7の後端面15が形成され、光路変換部材5の一連の組み付けが完了する。
【0072】
ここで、図11を参照しながら上記突き出し量(0.42mm以下)に関して説明をする。
【0073】
図11において、光路変換用光ファイバ7の曲げ部10は押し込み前の状態であり、この時の曲げ半径をRとする。また、光路変換用光ファイバ7の曲げ撓み部13は押し込み後の状態であり、この時の曲げ半径をrとする。
【0074】
光路変換用光ファイバ7の押し込み前の空間部36における長さをLとすると、この長さLは式(1)で示される。すなわち、L=πR/2 …(1)。
【0075】
また、押し込んだ状態での光路変換用光ファイバ7の空間部36における長さをMとすると、この長さMは式(2)で示される。すなわち、M=(πr/2)+2(R−r) …(2)。
【0076】
押し込み量をxとすると、式(3)が成り立つ。すなわち、L+x=M …(3)。
【0077】
曲げ半径の変動を1mmにする場合は、R−r=1mmの時で式(3)からx=0.429mmとなる。従って、押し込み量xを0.42mm以下、すなわち上記突き出し量0.42mm以下にすれば、曲げ半径の変動を1mm以下に抑制することができる。
【0078】
図1に戻り、基板2に面実装される光素子3と、光ファイバ4との間に光路変換部材5を配設すると、光モジュール1の組み付けが完了する。
【0079】
以上、図1ないし図11を参照しながら説明してきたように、光路変換部材5及び光モジュール1によれば、空間部36により光路変換用光ファイバ7の曲げ部10の外縁や曲げ撓み部13の外縁に空気層が存在するため曲げ損失を小さく、また、曲げ半径を小さくすることができる。従って、光路変換部材5の低背化が可能で光モジュール1(光コネクタ)を小型化することができる。
【0080】
また、光路変換部材5及び光モジュール1によれば、光素子3側となる光路変換用光ファイバ7の先端面14を研磨する必要がなく、結果、製造コストを抑えることや、生産性を向上させることができる。
【0081】
さらに、光路変換部材5及び光モジュール1によれば、前面18及び凹部前面33により光路変換用光ファイバ7の直線部11の光軸が光素子3の光軸に対して平行に配置され(同軸に配置され)、結果、光素子3との接続損失を小さくすることができる。同様に、光路変換用光ファイバ7の直線部12の光軸も光ファイバ4の光軸に対して平行に配置され(同軸に配置され)、結果、光ファイバ4との接続損失を小さくすることができる。
【0082】
さらにまた、光路変換部材5及び光モジュール1によれば、第二保持部材9の円弧部22に溝部37及び38を形成してない構造であることから、すなわち曲面上に溝部37及び38を設けてない構造であることから、成型金型の加工を容易にすることができる。直線の溝加工は容易で寸法精度を出し易くできることから、溝位置や溝深さのバラツキを最小限に抑えることができる。従って、光素子3と光ファイバ4との間でこれらを低損失に接続することができる。
【0083】
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0084】
1…光モジュール、 2…基板、 3…光素子、 4…光ファイバ、 5…光路変換部材、 6…固定部、 7…光路変換用光ファイバ、 8…第一保持部材、 9…第二保持部材、 10…曲げ部、 11、12…直線部、 13…曲げ撓み部、 14…先端面、 15…後端面、 16…上面、 17…下面、 18…前面、 19…後面、 20…左側面、 21…右側面、 22…円弧部、 23…ガイド突起、 24…上面、 25…下面、 26…前面、 27…後面、 28…左側面、 29…右側面、 30…凹部、 31…ガイド溝、 32…凹部上面、 33…凹部前面、 34…凹部左側面、 35…凹部右側面、 36…空間部、 37、38…溝部、 39…端面、 40…先端部分、 41…平板、 42…後端部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光路変換用光ファイバと、該光路変換用光ファイバを挟み込むように組み付けられる第一保持部材及び第二保持部材とを備え、前記光路変換用光ファイバを所定位置に配置して前記第一保持部材と前記第二保持部材とを組み付けると、該組み付けに伴い前記光路変換用光ファイバが曲げられる光路変換部材において、
前記第一保持部材は、前記組み付けに伴う前記光路変換用光ファイバの曲げに作用する円弧部を有し、且つ、該円弧部は、前記曲げにより形成される前記光路変換用光ファイバの曲げ部の内縁側に配置され、
前記第二保持部材は、前記曲げ部の外縁側に配置される空間部を有し、且つ、該空間部は、前記曲げ部の外縁から遠ざかる方向に空間が広がる形状に形成される
ことを特徴とする光路変換部材。
【請求項2】
請求項1に記載の光路変換部材において、
前記光路変換用光ファイバは、前記曲げ部の一端及び他端にそれぞれ連続して入射端及び出射端へ向けてのびる入射側直線部及び出射側直線部を有し、
前記第一保持部材と前記第二保持部材のそれぞれは、前記入射側直線部及び前記出射側直線部を挟み込む入射側平面部及び出射側平面部を有し、
前記第一保持部材及び/又は前記第二保持部材に形成される前記入射側平面部及び前記出射側平面部は、前記入射側直線部及び前記出射側直線部を収容する入射側溝部及び出射側溝部を有する
ことを特徴とする光路変換部材。
【請求項3】
請求項2に記載の光路変換部材において、
前記入射側平面部及び前記出射側平面部は、直交する方向に配置形成される
ことを特徴とする光路変換部材。
【請求項4】
請求項1、2、又は3に記載の光路変換部材において、
前記光路変換用光ファイバは、前記第一保持部材と前記第二保持部材との組み付け後、前記曲げ部を前記円弧部から遠ざかる方向へ撓ませて形成される曲げ撓み部を有し、
前記空間部は、前記曲げ撓み部の外縁側に前記空間が存在する形状に形成される
ことを特徴とする光路変換部材。
【請求項5】
基板に面実装される光素子と、該光素子の光軸に交差する方向にのびる光ファイバと、前記光素子及び前記光ファイバの間に配設される請求項1、2、3、又は4に記載の光路変換部材とを含む
ことを特徴とする光モジュール。
【請求項1】
光路変換用光ファイバと、該光路変換用光ファイバを挟み込むように組み付けられる第一保持部材及び第二保持部材とを備え、前記光路変換用光ファイバを所定位置に配置して前記第一保持部材と前記第二保持部材とを組み付けると、該組み付けに伴い前記光路変換用光ファイバが曲げられる光路変換部材において、
前記第一保持部材は、前記組み付けに伴う前記光路変換用光ファイバの曲げに作用する円弧部を有し、且つ、該円弧部は、前記曲げにより形成される前記光路変換用光ファイバの曲げ部の内縁側に配置され、
前記第二保持部材は、前記曲げ部の外縁側に配置される空間部を有し、且つ、該空間部は、前記曲げ部の外縁から遠ざかる方向に空間が広がる形状に形成される
ことを特徴とする光路変換部材。
【請求項2】
請求項1に記載の光路変換部材において、
前記光路変換用光ファイバは、前記曲げ部の一端及び他端にそれぞれ連続して入射端及び出射端へ向けてのびる入射側直線部及び出射側直線部を有し、
前記第一保持部材と前記第二保持部材のそれぞれは、前記入射側直線部及び前記出射側直線部を挟み込む入射側平面部及び出射側平面部を有し、
前記第一保持部材及び/又は前記第二保持部材に形成される前記入射側平面部及び前記出射側平面部は、前記入射側直線部及び前記出射側直線部を収容する入射側溝部及び出射側溝部を有する
ことを特徴とする光路変換部材。
【請求項3】
請求項2に記載の光路変換部材において、
前記入射側平面部及び前記出射側平面部は、直交する方向に配置形成される
ことを特徴とする光路変換部材。
【請求項4】
請求項1、2、又は3に記載の光路変換部材において、
前記光路変換用光ファイバは、前記第一保持部材と前記第二保持部材との組み付け後、前記曲げ部を前記円弧部から遠ざかる方向へ撓ませて形成される曲げ撓み部を有し、
前記空間部は、前記曲げ撓み部の外縁側に前記空間が存在する形状に形成される
ことを特徴とする光路変換部材。
【請求項5】
基板に面実装される光素子と、該光素子の光軸に交差する方向にのびる光ファイバと、前記光素子及び前記光ファイバの間に配設される請求項1、2、3、又は4に記載の光路変換部材とを含む
ことを特徴とする光モジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−104884(P2013−104884A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246314(P2011−246314)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
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