説明

内燃機関およびそれを備えた鞍乗型車両

【課題】シリンダブロック以外の部分にノックセンサが取り付けられる単気筒の内燃機関において、ノッキングを好適に検出することを可能とする。
【解決手段】クランクケース11とシリンダブロック12とシリンダヘッド13とは、ボルト60によって結合されている。クランクケース11に、ノックセンサ41が取り付けられるボス40が形成されている。ボス40の軸方向から見たときに、ボス40の中心40cはシリンダ軸線L1に対して、ボルト60が設けられた方に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノッキングを検出するセンサが取り付けられた内燃機関およびそれを備えた鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関において、運転状態によってはノッキングが発生する場合がある。ノッキングは異音の発生や内燃機関の性能の低下等を招くため、できるだけ回避すべきである。従来から、ノッキングを検出するセンサ、すなわちノックセンサを内燃機関に取り付け、ノッキングを検出すると、点火時期を変更する等の対応をとることが知られている。
【0003】
特許文献1には、シリンダブロックにノックセンサを取り付けた水冷エンジンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−301106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ノッキングは燃焼室内で発生する。ノッキングが生じると、ノッキングに起因する振動が燃焼室からシリンダブロックに伝播し、クランクケースに伝わる。シリンダブロックはクランクケースよりも燃焼室に近いため、ノックセンサをクランクケースに設けるよりもシリンダブロックに設けた方が、ノッキングを高精度に検出することができる。シリンダヘッドには、吸気バルブ、排気バルブ、およびそれら吸気バルブおよび排気バルブを開閉するためのカム機構が配置される。シリンダヘッドは燃焼室に近いが、シリンダブロックに比べると、ノッキング以外の他の振動が生じやすい。そのため、ノックセンサをシリンダヘッドに設けるよりもシリンダブロックに設けた方が、他の振動の影響を受けにくい。
【0006】
ところが、内燃機関のレイアウト上の制約や、ノックセンサの耐熱性等の理由から、ノックセンサをシリンダブロックに配置できない場合がある。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シリンダブロック以外の部分にノックセンサが取り付けられる単気筒の内燃機関において、ノッキングを好適に検出することを可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る内燃機関は、車両用の単気筒の内燃機関であって、孔が形成されたクランクケースと、貫通孔が形成され、内部にシリンダが形成されたシリンダブロックと、貫通孔が形成され、前記シリンダを覆うように前記シリンダブロックに重ねられたシリンダヘッドと、前記クランクケースの孔、前記シリンダブロックの貫通孔、および前記シリンダヘッドの貫通孔に挿入され、前記クランクケースと前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとを固定するボルトと、前記クランクケースまたは前記シリンダヘッドに形成されたセンサ取付用のボスと、前記ボスに取り付けられ、ノッキングを検出するセンサと、を備え、前記ボスの軸方向から見たときに、前記ボスの中心は、前記シリンダの軸線に対して前記ボルトが設けられた方に位置しているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シリンダブロック以外の部分にノックセンサが取り付けられる単気筒の内燃機関において、ノッキングを好適に検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】第1実施形態に係るエンジンの一部分の右側面図である。
【図4】エンジンの一部分をボスの軸方向から見た図であり、その一部を破断して示す図である。
【図5】変形例に係るエンジンの一部分をボスの軸方向から見た模式図である。
【図6】第2実施形態に係るエンジンの一部分をボスの軸方向から見た図であり、その一部を破断して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
図1に示すように、第1実施形態に係る鞍乗型車両は、スクータ型の自動二輪車1である。自動二輪車1は本発明に係る鞍乗型車両の一例であるが、本発明に係る鞍乗型車両はスクータ型の自動二輪車1に限定される訳ではない。本発明に係る鞍乗型車両は、いわゆるモペット型、オフロード型、またはオンロード型等の他の型式の自動二輪車であってもよい。また、本発明に係る鞍乗型車両は、乗員が跨って乗車する任意の車両を意味し、二輪車に限られない。本発明に係る鞍乗型車両は、車体を傾けることによって進行方向を変える型式の三輪車等であってもよく、ATV(All Terrain Vehicle)等の他の鞍乗型車両であってもよい。
【0012】
以下の説明において、前、後、左、右は、それぞれ自動二輪車1の乗員から見た前、後、左、右を意味するものとする。図面に付した符号F、Re、L、Rは、それぞれ前、後、左、右を表す。
【0013】
自動二輪車1は、車両本体2と、前輪3と、後輪4と、後輪4を駆動するエンジンユニット5とを備えている。車両本体2は、乗員によって操作されるハンドル6と、乗員が着座するシート7とを備えている。エンジンユニット5は、いわゆるユニットスイング式のエンジンユニットであり、ピボット軸8を中心として揺動可能なように、図示しない車体フレームに支持されている。すなわち、エンジンユニット5は、車体フレームに対して揺動可能に支持されている。
【0014】
図2は、図1のII−II線断面図である。図2に示すように、エンジンユニット5は、本発明に係る内燃機関の一例としてのエンジン10と、Vベルト式無段変速機(以下、CVTという)20とを備えている。本実施形態では、エンジン10とCVT20とが一体となってエンジンユニット5を構成しているが、エンジン10と変速機とが別々であってもよいことは勿論である。
【0015】
エンジン10は、単一の気筒を備えたエンジン、すなわち単気筒エンジンである。エンジン10は、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、および排気行程を順次繰り返す4ストロークエンジンである。エンジン10は、クランクケース11と、クランクケース11から前方に延びるシリンダブロック12と、シリンダブロック12の前部に接続されたシリンダヘッド13と、シリンダヘッド13の前部に接続されたシリンダヘッドカバー14とを備えている。シリンダブロック12の内部には、シリンダ15が形成されている。
【0016】
なお、シリンダ15は、シリンダブロック12の本体(すなわち、シリンダブロック12のうちのシリンダ15以外の部分)内に挿入されたシリンダライナー等によって形成されていてもよく、シリンダブロック12の本体と一体化されていてもよい。言い換えると、シリンダ15は、シリンダブロック12の本体と分離可能に形成されていてもよく、シリンダブロック12の本体と分離できないように形成されていてもよい。シリンダ15内には、図示しないピストンが摺動自在に収容されている。
【0017】
シリンダヘッド13は、シリンダ15を覆っている。シリンダヘッド13には、図示しない凹部と、この凹部につながる図示しない吸気ポートおよび排気ポートとが形成されている。この吸気ポートには吸気管35(図3参照)が接続され、排気ポートには排気管38が接続されている。上記ピストンの頂面とシリンダ15の内周壁と上記凹部とにより、図示しない燃焼室が形成されている。上記ピストンは、コンロッド16を介してクランク軸17に連結されている。クランク軸17は左方および右方に延びており、クランクケース11内に収容されている。
【0018】
図3に示すように、本実施形態に係るエンジン10は、シリンダブロック12およびシリンダヘッド13が水平方向または水平方向から若干前上がりに傾斜した方向に延びる型式のエンジン、すなわち、いわゆる横置き式のエンジンである。符号L1は、シリンダ15(図2参照)の中心を通る線(以下、シリンダ軸線という)を表している。シリンダ軸線L1は、水平方向または水平方向から若干傾斜した方向に延びている。ただし、シリンダ軸線L1の方向は特に限定される訳ではない。例えば、水平面に対するシリンダ軸線L1の傾斜角度は0〜15°であってもよく、それ以上であってもよい。
【0019】
本実施形態では、クランクケース11、シリンダブロック12、シリンダヘッド13、およびシリンダヘッドカバー14は別体であり、互いに組み立てられている。図2に示すように、クランクケース11、シリンダブロック12、シリンダヘッド13、およびシリンダヘッドカバー14は、シリンダホールディングボルト(以下、ボルトと言う)60によって結合されている。
【0020】
詳しくは図4に示すように、クランクケース11には孔11hが形成され、シリンダブロック12には貫通孔12hが形成され、シリンダヘッド13には貫通孔13hが形成され、シリンダヘッドカバー14には貫通孔14hが形成されている。これらの孔11h、貫通孔12h、貫通孔13h、および貫通孔14hは、それぞれシリンダ軸線L1と平行に延びており、互いの中心が一致している。ボルト60は、これらの孔11h、貫通孔12h、貫通孔13h、および貫通孔14hに挿入されている。なお、クランクケース11の孔11hは、本実施形態のように底を有する孔であってもよく、底を有さない貫通孔であってもよい。
【0021】
ボルト60の形状は特に限定されないが、ここでは、ボルト60の上部60aおよび下部60bの外周面には螺旋溝が形成されており、上部60aおよび下部60bは雄ねじ部を構成している。ボルト60の中途部60cの外周面には螺旋溝は形成されていない。シリンダヘッドカバー14の貫通孔14hの内周面には、ボルト60の上部60aの螺旋溝と係合する螺旋溝が形成されている。クランクケース11の孔11hの内周面には、ボルト60の下部60bの螺旋溝と係合する螺旋溝が形成されている貫通孔14hおよび孔11hは、雌ねじ部を構成している。ボルト60を孔11h、貫通孔12h、貫通孔13h、および貫通孔14hに挿入し且つ回転させることにより、下部60bは孔11hと係合し、上部60aは貫通孔14hと係合する。これにより、クランクケース11、シリンダブロック12、シリンダヘッド13、およびシリンダヘッドカバー14は、ボルト60によって結合される。
【0022】
ただし上述の通り、ボルト60の形状は何ら限定されず、例えば、ボルト60の中途部60cの外周面に螺旋溝が形成されていてもよい。シリンダブロック12の貫通孔12hおよびシリンダヘッド13の貫通孔13hの一方または両方の内周面に、ボルト60の中途部60cの螺旋溝と係合する螺旋溝が形成されていてもよい。ボルト60は必ずしも一体的に形成された頭部60dを有していなくてもよい。頭部60dの代わりに、ボルト60の上部60aに別体のナットを嵌め込むようにしてもよい。
【0023】
後述するように、ボルト60は振動を伝達する役割も果たす。振動を伝達しやすいように、ボルト60は中実体であることが好ましい。ただし、振動を良好に伝達できる限り、ボルト60は中空体であってもよい。また、振動を伝達しやすいように、ボルト60は一体成形されていることが好ましい。ただし、振動を良好に伝達できる限り、ボルト60は複数の部材を組み合わせることによって形成されていてもよい。ボルト60の外周面とシリンダブロック12の貫通孔12hの内周面とは、直接接触していてもよく、直接接触していなくてもよい。ボルト60の外周面とシリンダヘッド13の貫通孔13hの内周面とは、直接接触していてもよく、直接接触していなくてもよい。
【0024】
クランクケース11、シリンダブロック12、シリンダヘッド13、およびシリンダヘッドカバー14は、金属材料によって形成されている。金属材料として、例えば鋳鉄やアルミニウム等を好適に用いることができる。クランクケース11とシリンダブロック12との間、シリンダブロック12とシリンダヘッド13との間には、それぞれ上記金属材料よりも熱伝導率の低いガスケット51,52が設けられている。ここでは、金属材料に樹脂コーティングを施してなるガスケット51、52が設けられている。このようにガスケット51,52が複数の材料を組み合わせたものである場合、ガスケット51,52の熱伝導率は、表面に配置された材料の熱伝導率を意味するものとする。ただし、ガスケット51,52の構成および材料は特に限定されず、ガスケット51,52は単一の材料からなっていてもよい。例えば、ガスケット51,52は、樹脂材料から形成されていてもよい。ガスケット51とガスケット52との材料は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0025】
なお、本実施形態では、クランクケース11、シリンダブロック12、シリンダヘッド13、およびシリンダヘッドカバー14は別体であるが、必ずしもそれら全てが別体でなくてもよく、適宜に一体化されていてもよい。例えば、クランクケース11とシリンダブロック12とが一体的に形成されていてもよく、シリンダブロック12とシリンダヘッド13とが一体的に形成されていてもよい。また、シリンダヘッド13とシリンダヘッドカバー14とが一体的に形成されていてもよい。
【0026】
シリンダブロック12、シリンダヘッド13およびシリンダヘッドカバー14の全体は、略四角柱状に形成されている。シリンダブロック12は、上面12a、右面12b、下面12c(図3参照)、および左面12dを有している。シリンダヘッド13およびシリンダヘッドカバー14も同様である。ボルト60の位置および個数は特に限定されないが、本実施形態では、シリンダブロック12、シリンダヘッド13およびシリンダヘッドカバー14の四隅部のそれぞれにボルト60が配置されている。すなわち、シリンダブロック12等の右上部分、右下部分、左上部分、および左下部分のそれぞれにボルト60が配置されている。
【0027】
図3および図4に示すように、クランクケース11の上面11aには、センサ取付用のボス40が形成されている。ボス40はクランクケース11と一体的に形成され、肉厚の大きな円筒形状に形成されている。ボス40の上には、ノッキングを検出するノックセンサ41が配置されている。ノッキングが生じると、燃焼圧が急激に変動するので、シリンダブロック12およびシリンダヘッド13等に特有の振動が生じる。ノックセンサ41として、振動を検出し、その振動を電気信号に変換して出力するセンサ等(例えば、圧電素子を備えたセンサ等)を好適に用いることができる。
【0028】
ノックセンサ41の形状は特に限定されないが、本実施形態では、ノックセンサ41は上面および下面が平坦な円筒形状に形成されている。ここでは、ノックセンサ41は、内径および外径がボス40と略同一の円筒形状に形成されている。ただし、ノックセンサ41の形状は円筒形状に限らず、他の形状であってもよい。ノックセンサ41の内径はボス40の内径と異なっていてもよく、ノックセンサ41の外径はボス40の外径と異なっていてもよい。ノックセンサ41は、ボルト42によってボス40に取り付けられている。ボルト42は、ボス40の孔およびノックセンサ41の孔に挿通されている。
【0029】
ノックセンサ41をボス40の上に置き、上方からボルト42をノックセンサ41およびボス40に差し込んだ後、ボルト42を締め付けることにより、ノックセンサ41を取り付けることができる。ボス40の内周面には、ボルト42と係合する螺旋溝が形成されていてもよい。これにより、ボルト42を回転させると、ボルト42とボス40とが直接係合することになる。ただし、ボルト42の固定方法は特に限定されない。他の固定方法として、例えば、予めボス40にボルト42(頭部がなく、軸部のみからなるボルト)を埋め込んでおき、そのボルト42にノックセンサ41およびナットを順に嵌め込んだ後、ナットを締め付けるようにしてもよい。
【0030】
図3において、符号L2はボス40の中心線を表している。中心線L2の延びる方向は、ボスの軸方向である。矢印Xは、ボスの軸方向を表している。図4は、エンジン10の一部を矢印Xの方から見た図である。言い換えると、図4は、エンジン10の一部をボス40の軸方向から見た図である。
【0031】
図4に示すように、ボス40の軸方向から見て、ボス40の中心40cはシリンダ軸線L1から右方に偏倚している。ボス40の軸方向から見て、ボルト60はシリンダ軸線L1の右方に位置している。ボス40の軸方向から見て、ボス40の中心40cはシリンダ軸線L1に対して、ボルト60が設けられた方に位置している。
【0032】
ボス40の軸方向から見て、ボス40の中心40cはボルト60よりも右方の位置にあってもよく、ボルト60と重なる位置にあってもよいが、本実施形態では、ボルト60よりも左方に位置している。すなわち、ボス40の軸方向から見て、ボス40の中心40cは、シリンダ軸線L1とボルト60との間に位置している。
【0033】
ボス40の軸方向から見て、ボス40の右側部分40Rは、クランクケース11の孔11hの周縁部11eと重なる位置に設けられている。すなわち、ボス40の少なくとも一部は、クランクケース11の孔11hの周縁部11eと重なる位置に設けられている。
【0034】
ボス40の前端40fは、ボルト60の後端60rよりも前方に位置している。ボス40の後端40rは、ボルト60の前端60fよりも後方に位置している。言い換えると、ボス40とボルト60の一部とは、左右に並ぶように配置されている。
【0035】
ボス40はクランクケース11の上面11aと直交する方向に延びている。ただし、ボス40の突出方向は特に限定されず、クランクケース11の上面11aに対して斜めの方向であってもよい。
【0036】
図3に示すように、シリンダヘッド13の上面13aには、吸気管35が接続されている。吸気管35には、図示しないスロットル弁を収容したスロットルボディ36が接続されている。側面視において、ノックセンサ41は、吸気管35またはスロットルボディ36の下方に配置されている。吸気管35の前方には、燃料噴射弁37が配置されている。側面視において、ノックセンサ41は、吸気管35の燃料噴射弁37が配置された側と反対の側に配置されている。シリンダヘッド13の下面13cには、排気管38が接続されている。
【0037】
図2に示すように、CVT20は、駆動側のプーリである第1プーリ21と、従動側のプーリである第2プーリ22と、第1プーリ21と第2プーリ22とに巻き掛けられたVベルト23とを備えている。クランク軸17の左端部は、クランクケース11から左方に突出している。第1プーリ21は、クランク軸17の左端部に取り付けられている。第2プーリ22はメイン軸24に取り付けられている。メイン軸24は、図示しないギア機構を介して後輪軸25に連結されている。なお、図2では、第1プーリ21の前側部分と後側部分とでは、変速比が異なる状態を表している。第2プーリ22についても同様である。クランクケース11の左方には、変速機ケース26が設けられている。CVT20は、変速機ケース26内に収容されている。
【0038】
クランク軸17の右側部分には、発電機27が設けられている。クランク軸17の右端部には、ファン28が固定されている。ファン28はクランク軸17と共に回転する。ファン28は、回転することによって空気を左方に吸引するように形成されている。クランクケース11、シリンダブロック12およびシリンダヘッド13の右方には、エアシュラウド30が配置されている。発電機27およびファン28は、エアシュラウド30内に収容されている。エアシュラウド30およびファン28は導風部材の一例であって、主にクランクケース11、シリンダブロック12およびシリンダヘッド13に対して空気を導く役割を果たす。エアシュラウド30には、吸入口31が形成されている。吸入口31はファン28の右方に位置している。吸入口31は、ファン28と対向する位置に形成されている。図2の矢印Aのように、ファン28によって吸引される空気は、吸入口31を通じてエアシュラウド30内に導入され、クランクケース11、シリンダブロック12およびシリンダヘッド13等に供給される。
【0039】
図3に示すように、エアシュラウド30は、クランクケース11、シリンダブロック12およびシリンダヘッド13に取り付けられ、シリンダブロック12およびシリンダヘッド13に沿うように前方に延びている。エアシュラウド30は、主にクランクケース11、シリンダブロック12およびシリンダヘッド13の右側部分を覆っている。また、エアシュラウド30の一部は、シリンダブロック12およびシリンダヘッド13の上側部分および下側部分の一部も覆っている。
【0040】
本実施形態に係るエンジン10は、その全体が空気によって冷却される空冷エンジンである。図2に示すように、シリンダブロック12およびシリンダヘッド13には、複数の冷却用のフィン33が形成されている。ただし、エンジン10は、冷却用のフィン33を備えつつ、その一部が冷却水によって冷却されるエンジンであってもよい。すなわち、エンジン10は、一部が空気によって冷却され且つ一部が冷却水によって冷却されるエンジンであってもよい。また、エンジン10は、フィン33を備えていない水冷式のエンジンであってもよい。
【0041】
前述したように、ノッキングは燃焼室内で発生する。ノッキングが発生すると、それに伴う振動が燃焼室からエンジン10の各部に伝播される。クランクケース11は、シリンダヘッド13およびシリンダブロック12に比べると、燃焼室から遠い位置にある。ノッキングの振動は、概ね、シリンダヘッド13、シリンダブロック12、クランクケース11の順に伝達されると考えられる。本実施形態に係るエンジン10では、ボス40はクランクケース11に形成されており、ノックセンサ41はクランクケース11に取り付けられている。そのため、ボス40の配置に工夫を施さなければ、ノッキングが発生したときにノックセンサ41に十分な振動が伝わらず、ノッキングの検出精度が低下するおそれがある。
【0042】
ところで、ノッキングの振動は、シリンダブロック12からクランクケース11に伝わるだけでなく、シリンダヘッド13またはシリンダブロック12からボルト60を通じても、クランクケース11に伝わる。すなわち、ノッキングの振動経路としては、シリンダブロック12とクランクケース11との合面(シリンダブロック12とクランクケース11とが合わされている面)を通過する経路と、シリンダブロック12等からボルト60を通じてクランクケース11に伝わる経路とが存在する。なお、本実施形態では、シリンダブロック12とクランクケース11との間にガスケット51が介在している。そのため厳密には、上記合面は、シリンダブロック12およびクランクケース11のうち、ガスケット51と接触している面である。
【0043】
シリンダブロック12とクランクケース11との合面を通過する振動を検出する観点からは、ボス40は燃焼中心の近傍の位置にあることが好ましいと考えられる。すなわち、ボス40の軸方向から見たときに、ボス40はシリンダ軸線L1上に位置していることが好ましいと考えられる。一方、ボルト60を通過する振動を検出する観点からは、ボス40はボルト60の近傍に位置していることが好ましい。
【0044】
そこで本実施形態では、ボルト60を通過するノッキングの振動を好適に検出できるように、ボス40の配置を工夫することとした。すなわち、図4に示すように、ボス40の軸方向から見たときに、ボス40の中心40cを、シリンダ軸線L1に対してボルト60が配置されている方(すなわち、右方)に位置付けることとした。
【0045】
本実施形態によれば、ボス40とボルト60との距離が短くなっている。そのため、ボス40には、ボルト60を通じて伝達されるノッキングの振動が伝わりやすくなっている。したがって、ノックセンサ41は、ボルト60を通じて伝わってくるノッキングの振動を良好に検出することができる。本実施形態によれば、ノックセンサ41をクランクケース11に取り付けているにも拘わらず、ノッキングを好適に検出することが可能となる。
【0046】
前述したように、クランクケース11はシリンダブロック12に比べると、燃焼室から遠い位置にある。そのため、クランクケース11はシリンダブロック12に比べると温度が低い。シリンダブロック12にボス40を形成した場合、ボス40の温度は高くなる傾向にある。その場合、ノックセンサ41がボス40によって加熱され、ノックセンサ41の温度が過剰に高くなるおそれがある。その結果、ノックセンサ41の信頼性が低下するおそれがある。しかし、本実施形態によれば、ボス40はクランクケース11に形成されている。そのため、ボス40の温度を抑制することができる。したがって、ノックセンサ41の温度上昇を抑えることができ、ノックセンサ41の信頼性を高めることができる。
【0047】
図4に示すように、ボス40の軸方向から見たときに、ボス40の中心40cはボルト60の中心線L3よりも右方に位置していてもよいが、本実施形態では、ボス40の中心40cは、シリンダ軸線L1とボルト60の中心線L3との間に位置している。ボス40は、ボルト60から近い位置にあると共に、シリンダ軸線L1から近い位置にある。本実施形態によれば、ボス40には、シリンダブロック12とクランクケース11との合面を通過するノッキングの振動と、ボルト60を通過するノッキングの振動とが伝達される。ノックセンサ41により、上記両振動を好適に検出することができる。
【0048】
図4に示すように、ボス40の前端40fはボルト60の後端60rよりも前方に位置し、ボス40の後端40rはボルト60の前端60fよりも後方に位置している。ボス40とボルト60の一部とは、左右に並んでいる。前後の位置に関して、ボス40とボルト60の一部とは重なった位置にある。したがって、ボス40とボルト60との距離がより短くなり、ノックセンサ41によるノッキングの検出精度を向上させることができる。
【0049】
図4に示すように、ボス40の軸方向から見たときに、ボス40の右側部分40Rはクランクケース11の孔11hの周縁部11eと重なる位置に設けられている。そのため、ボス40とボルト60との距離を更に短くすることができ、ノックセンサ41によるノッキングの検出精度を更に向上させることができる。
【0050】
本実施形態によれば、クランクケース11とシリンダブロック12との間に、ガスケット51が介在している。そのため、シリンダブロック12からクランクケース11への熱の移動量を低減することができ、クランクケース11の温度上昇を抑えることができる。よって、ボス40の温度上昇を抑制することができ、ノックセンサ41がボス40によって過熱されることを防止することができる。しかし、ガスケット51は熱の移動を抑制する一方、振動を減衰させるおそれがある。ところが、ガスケット51は、クランクケース11とシリンダブロック12との合面を通過する振動は減衰させるが、ボルト60を通過する振動を減衰させるおそれは少ない。前述の通り、本実施形態では、ノックセンサ41はボルト60を通過する振動を好適に検出することができる。そのため、ガスケット51を設けているにも拘わらず、ノッキングを好適に検出することが可能である。本実施形態によれば、ノックセンサ41の温度上昇を抑えつつ、ノッキングを好適に検出することができる。
【0051】
ところで、自動二輪車1の走行に伴って、地面から小石や泥等が跳ね上げられることがある。そのように跳ね上がられた小石等がノックセンサ41に衝突すると、ノックセンサ41の取付状態が悪化し、検出精度が低下するおそれがある。また、ノックセンサ41の故障を招くおそれがある。しかし、本実施形態によれば、ボス40は、クランクケース11の上面11aに形成されている。そのため、地面から跳ね上げられた小石等がノックセンサ41に当たることを抑制することができる。
【0052】
また、ボス40をクランクケース11の上面11aに形成することにより、クランクケース11の上方のスペースをノックセンサ41の設置スペースとして有効活用することができる。また、図3に示すように本実施形態では、ノックセンサ41の上方に吸気管35またはスロットルボディ36が配置されている。吸気管35やスロットルボディ36は、ノックセンサ41よりも強度の大きな部品である。万一、上方から落下物が落下してきたとしても、吸気管35またはスロットルボディ36により、ノックセンサ41を保護することができる。
【0053】
図3に示すように、ボス40はクランク軸17よりも前方に配置されている。概ね、ノッキングの振動はボス40に対して前方から伝わるが、クランク軸17の回転振動はボス40に対して後方から伝わる。そのため、本実施形態によれば、ボス40をクランク軸17よりも後方に配置する場合に比べて、ボス40に伝達されるノッキングの振動は、クランク軸17の回転振動の影響を受けにくい。したがって、ノックセンサ41により、ノッキングをより安定して検出することができる。
【0054】
また、本実施形態に係るエンジン10によれば、エアシュラウド30によって、クランクケース11、シリンダブロック12およびシリンダヘッド13に対して、気流を導くことができる。クランクケース11、シリンダブロック12およびシリンダヘッド13を効果的に冷却することができる。エアシュラウド30の形状および寸法は特に限定されず、エアシュラウド30によってボス40に気流を導くことができる。空気によりボス40を効果的に冷却することが可能である。これにより、ボス40の冷却性を高めることができ、ボス40の温度上昇を抑制することができる。よって、ノックセンサ41の温度上昇を更に抑制することができる。
【0055】
また、エアシュラウド30によって導かれた空気は、ボス40だけでなくノックセンサ41にも供給することができる。そのため、空気により、ノックセンサ41自体も効果的に冷却することが可能となる。
【0056】
図4では1本のボルト60しか図示していないが、前述したように、エンジン10は複数のシリンダホールディングボルトを備えている。ボス40の軸方向から見たときに、シリンダ軸線L1に対する距離が、ボルトによって相違する場合がある。例えば、図5の模式図に示すように、ボス40の軸方向から見て、ボルト71の中心線L71とシリンダ軸線L1との距離k1が、他のボルト72の中心線L72とシリンダ軸線L1との距離k2よりも短い場合がある。このような場合、シリンダ軸線L1との距離が短い方のボルト、すなわちボルト71の方にボス40を設けるようにしてもよい。言い換えると、ボス40の軸方向から見たときに、ボス40の中心40cは、シリンダ軸線L1に対して、ボルト71およびボルト72のうちシリンダ軸線L1に近い方のボルト71の方に位置していてもよい。これにより、ノッキングをより好適に検出することができる。
【0057】
<第2実施形態>
第1実施形態に係るエンジン10では、ボス40はクランクケース11に形成されていた。しかし、ボス40をシリンダブロック12以外の箇所に設ける場合、その設置箇所はクランクケース11に限定される訳ではない。
【0058】
図6に示すように、第2実施形態に係るエンジン10は、ボス40をシリンダヘッド13に形成したものである。ボス40は、シリンダヘッド13の上面13aに形成されている。本実施形態においても、ボス40はシリンダ軸線L1の右方に位置している。ボス40の軸方向から見たときに、ボス40の中心40cは、シリンダ軸線L1に対してボルト60の方に位置している。
【0059】
本実施形態においても、ボス40の前端はボルト60の後端よりも前方に位置し、ボス40の後端はボルト60の前端よりも後方に位置している。ボス40の軸方向から見たときに、ボス40の一部はシリンダヘッド13の貫通孔と重なる位置に設けられている。言い換えると、ボス40の軸方向から見たときに、ボス40の一部はボルト60と重なる位置に設けられている。シリンダヘッド13とシリンダブロック12との間には、金属材料に樹脂コーディングを施してなるガスケット52が介在している。
【0060】
前述したように、ボルト60はノッキングの振動を伝達する役割を果たす。本実施形態によれば、ボス40に取り付けられるノックセンサにより、ボルト60を通じてシリンダヘッド13に伝達される振動を良好に検出することができる。
【0061】
シリンダヘッド13はクランクケース11よりも燃焼室に近いため、クランクケース11に比べると、シリンダヘッド13にはノッキングの振動が伝わりやすい。本実施形態によれば、ノッキングをより高精度に検出することができる。
【0062】
しかし、シリンダヘッド13とシリンダブロック12との間には、ガスケット52が介在している。このガスケット52により、シリンダブロック12からシリンダヘッド13に伝播する振動が減衰するおそれがある。ところが、本実施形態によれば、シリンダブロック12からシリンダヘッド13に直接伝わる振動だけでなく、ボルト60を通じて伝わる振動も良好に検出することができる。したがって、シリンダヘッド13とシリンダブロック12との間にガスケット52が介在しているに拘わらず、ノッキングを良好に検出することができる。
【0063】
<その他の実施形態>
第1実施形態では、ノックセンサ41はボス40の上に直接設けられていた。すなわち、ノックセンサ41とボス40とは直接接触していた。しかし、ノックセンサ41がボス40によって加熱されることを抑えるために、ボス40とノックセンサ41との間に断熱部材を介在させてもよい。
【0064】
断熱部材は、ボス40の材料よりも熱伝導率の低い材料によって形成されていることが好ましい。また、ノックセンサ41は振動を検出するセンサであるため、断熱部材は振動を減衰させにくい材料によって形成されていることが好ましい。すなわち、断熱部材は、熱伝導を抑制する一方、振動を減衰させにくい材料で形成されていることが好ましい。断熱部材の材料は特に限定されないが、例えば、ボス40の材料よりも熱伝導率が1/10以下(好ましくは1/100以下)かつ密度が1/10以上の材料を好適に用いることができる。
【0065】
ボス40の材料、言い換えると、ボス40が形成されたクランクケース11またはシリンダヘッド13等の材料は特に限定されないが、例えば、JISR1611に基づいて測定された熱伝導率が96W/(m・K)程度かつ密度が2.68kg/m程度のADC12(DC材)、熱伝導率が134W/(m・K)程度かつ密度が2.77kg/m程度のAC4B(LP)、熱伝導率が50W/(m・K)程度かつ密度が7.3kg/m程度のFC250(鋳鉄)、熱伝導率が29W/(m・K)程度かつ密度が3.9kg/m程度のアルミナセラミックス等を用いることができる。断熱部材の材料として、例えば、フェノール樹脂等を好適に用いることができる。JISA1412に基づいて測定されたフェノール樹脂の熱伝導率は0.2W/(m・K)程度であり、上記各材料の熱伝導率の1/100以下である。また、フェノール樹脂の密度は1.25kg/m程度であり、上記各材料の密度の1/10以上である。
【0066】
前記各実施形態に係るエンジン10は、シリンダ軸線L1が水平またはほぼ水平に延びる横置き式のエンジンであった。しかし、シリンダ軸線L1の方向は、水平またはほぼ水平に限定されない。エンジン10は、シリンダ軸線L1がほぼ垂直に延びるいわゆる縦置き式のエンジンであってもよい。例えば、シリンダ軸線L1の水平面からの傾斜角は、45°以上または60°以上であってもよい。
【0067】
エンジン10は、車体フレームに対して揺動するユニットスイング式のエンジンに限らず、車体フレームに揺動不能に固定されたエンジンであってもよい。
【0068】
前記各実施形態に係るエンジン10は、クランク軸17と共に回転するファン28を備えていた。前記各実施形態では、ファン28によって、シリンダブロック12等に対して空気を強制的に供給していた。しかし、本発明に係る内燃機関は、必ずしもファン28を備えていなくてもよい。自動二輪車1等の鞍乗型車両では、走行に伴って、前方から後方に向かう気流が発生する。エンジン10は、そのような気流により冷却されるように構成された空冷式エンジンであってもよい。
【0069】
また、エンジン10は空冷式のエンジンに限られない。本発明に係る内燃機関は、水冷エンジンであってもよい。また、一部が空気によって冷却され、一部が冷却水によって冷却されるエンジンであってもよい。例えば、シリンダブロックにフィンが形成されると共に、シリンダヘッドにウォータジャケットが形成され、シリンダブロックが空気によって冷却され、シリンダヘッドが冷却水によって冷却されるようになっていてもよい。
【0070】
前記各実施形態では、エンジン10は4ストロークエンジンであった。しかし、本発明に係る内燃機関は、2ストロークエンジンであってもよい。
【0071】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前記各実施形態は例示にすぎず、ここに開示される発明には前述の各実施形態を様々に変形または変更したものが含まれる。
【符号の説明】
【0072】
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
10 エンジン(内燃機関)
11 クランクケース
11h クランクケースの孔
12 シリンダブロック
12h シリンダブロックの貫通孔
13 シリンダヘッド
13h シリンダヘッドの貫通孔
14 シリンダヘッドカバー
15 シリンダ
40 ボス
40 ボスの中心
41 ノックセンサ(センサ)
42 ボルト
60 シリンダホールディングボルト(ボルト)
L1 シリンダ軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の単気筒の内燃機関であって、
孔が形成されたクランクケースと、
貫通孔が形成され、内部にシリンダが形成されたシリンダブロックと、
貫通孔が形成され、前記シリンダを覆うように前記シリンダブロックに重ねられたシリンダヘッドと、
前記クランクケースの孔、前記シリンダブロックの貫通孔、および前記シリンダヘッドの貫通孔に挿入され、前記クランクケースと前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとを固定するボルトと、
前記クランクケースまたは前記シリンダヘッドに形成されたセンサ取付用のボスと、
前記ボスに取り付けられ、ノッキングを検出するセンサと、を備え、
前記ボスの軸方向から見たときに、前記ボスの中心は前記シリンダの軸線に対して、前記ボルトが設けられた方に位置している、内燃機関。
【請求項2】
前記ボスの軸方向から見たときに、前記ボスの中心は、前記シリンダの軸線と前記ボルトの中心線との間に位置している、内燃機関。
【請求項3】
前記クランクケースと前記シリンダブロックとは別体であり、
前記クランクケースと前記シリンダブロックとの間にガスケットが介在し、
前記ボスは、前記クランクケースに設けられている、請求項1に記載の内燃機関。
【請求項4】
前記シリンダヘッドと前記シリンダブロックとは別体であり、
前記シリンダヘッドと前記シリンダブロックとの間にガスケットが介在し、
前記ボスは、前記シリンダヘッドに設けられている、請求項1に記載の内燃機関。
【請求項5】
前記ボスは、前記クランクケースの上面に設けられている、請求項1に記載の内燃機関。
【請求項6】
前記ボスの前端は、前記ボルトの後端よりも前方に位置し、
前記ボスの後端は、前記ボルトの前端よりも後方に位置している、請求項1に記載の内燃機関。
【請求項7】
前記ボスは、前記クランクケースに設けられ、
前記ボスの軸方向から見たときに、前記ボスの少なくとも一部は、前記クランクケースの孔の周縁部と重なる位置に設けられている、請求項1に記載の内燃機関。
【請求項8】
前記クランクケースの内部に配置されたクランク軸を備え、
前記ボスは、前記クランク軸よりも前方に配置されている、請求項1に記載の内燃機関。
【請求項9】
前記クランクケースの孔、前記シリンダブロックの貫通孔、前記シリンダヘッドの貫通孔、および前記ボルトは、それぞれ少なくとも2つ形成され、
前記ボルトには、前記ボスの軸方向から見たときに、前記シリンダの軸線を境として一方の側に位置する第1のボルトと、他方の側に位置する第2のボルトとが含まれ、
前記ボスの軸方向から見たときに、前記ボスの中心は、前記シリンダの軸線に対して、前記第1のボルトおよび第2のボルトのうち前記シリンダの軸線に近い方のボルトの方に位置している、請求項1に記載の内燃機関。
【請求項10】
請求項1に記載の内燃機関を備えた鞍乗型車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−24098(P2013−24098A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158620(P2011−158620)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)