説明

内燃機関用防水形回路ユニット

【課題】回路ユニット本体を被覆する防水被覆部に設けるシールド被覆層をプリント基板のアースパターンに最短距離で接続してノイズの漏洩防止効果を高めることができる内燃機関用防水形回路ユニットを提供する。
【解決手段】回路ユニット本体を被覆する防水被覆部3を、プリント基板1のアースパターンの少なくとも一部の領域を非絶縁被覆領域Eaとして残した状態で回路ユニット本体の要被覆部を被覆する絶縁被覆層301と、絶縁被覆層301と非絶縁被覆領域Eaとを被覆するように設けられて非絶縁被覆領域Eaの箇所でプリント基板のアースパターンに電気的に接続された導電性樹脂からなるシールド被覆層302とにより構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用点火装置や燃料噴射装置等の内燃機関用電装品を動作させるために用いる内燃機関用防水回路ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関用点火装置や燃料噴射装置等を動作させるために、ECUなどの回路ユニットが用いられている。この種の回路ユニットは、雨水に触れる箇所に設置されることが多いため、防水性を有していることが必要とされる。そのため、この種の回路ユニットは、特許文献1に示されているように、プリント基板と該プリント基板に実装された電子部品とプリント基板に取り付けられた基板用コネクタとを備えた回路ユニット本体を、絶縁樹脂からなる防水被覆部で被覆した構造を有している。
【0003】
ところで、内燃機関用電装品は、点火装置を初め、高周波ノイズの発生源を含むことが多いため、上記のように絶縁樹脂からなる防水被覆部により回路ユニット本体を被覆した場合には、ユニットから漏れた高周波ノイズが周辺の機器に障害を与えるおそれがある。
【0004】
高周波ノイズが漏洩するのを防ぐようにした回路ユニットとして、特許文献2に示されているように、回路ユニット本体を被覆する絶縁樹脂層の外面を覆うように導電性樹脂層を形成して、この導電性樹脂層を、プリント基板のアース電位部から引き出された端子に接続するようにしたものが知られている。
【特許文献1】特開2004−316436号公報
【特許文献2】特開平7−22541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に示されているように、回路ユニット本体を被覆する絶縁樹脂層の外面に導電性樹脂層を形成して、この導電性樹脂層を、プリント基板のアース電位部から引き出された端子に接続するようにすれば、導電性樹脂層により高周波シールドを形成することができるため、回路ユニットから高周波ノイズが外部に漏洩するのを防ぐことができるだけでなく、外来ノイズが回路ユニットに影響を及ぼすのを防ぐことができる。
【0006】
しかしながら、このように構成するためには、プリント基板から外部に引き出す多数の端子のうち、アース電位部につながる端子のみを導電性樹脂層に電気的に接続した状態で引き出し、他の端子は導電性樹脂層に対して絶縁した状態で引き出す必要があるため、端子の引き出し構造が複雑になるのを避けられない。
【0007】
特に、基板用コネクタをプリント基板に取り付けて、回路ユニットと外部回路との間の接続を、基板用コネクタに相手方コネクタを介して接続されるワイヤハーネスを通して行う構成をとる場合には、プリント基板のアースパターンにつながる端子もコネクタを通して外部に導出されるため、プリント基板のアースパターンにつながる端子を導電性樹脂層に接続した状態で導出することは困難である。
【0008】
この場合、プリント基板のアースパターンは、外部回路側でアース電位部に接続するか、または回路ユニットを外部回路に接続するワイヤハーネスとは別に設けたアース線を通して接地電位部に接続する必要がある。しかしながら、このように構成した場合には、プリント基板のアースパターンと接地電位部との間を最短距離で接続することができず、アース回路を回路ユニットの外部で長く引き回す必要があるため、このアース回路を通して高周波ノイズが漏れたり、外来ノイズが侵入したりするおそれがあり、ノイズ対策の万全を期すことができない。
【0009】
本発明の目的は、基板用コネクタがプリント基板に取り付けられた内燃機関用防水形回路ユニットにおいて、回路ユニット本体を被覆した絶縁被覆層を外側から覆うシールド被覆層とプリント基板との間を最短距離で接続して、高周波ノイズが外部に漏れたり、外来ノイズが直接回路ユニットに影響を与えたりするのを確実に防ぐことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、アースパターンを含む回路パターンが形成されたプリント基板と前記プリント基板に実装されて前記プリント基板の回路パターンと共に電子回路を構成する電子部品と前記プリント基板に取り付けられた基板用コネクタとを備えた回路ユニット本体と、回路ユニット本体の防水を図るために被覆することが必要な回路ユニット本体の要被覆部を被覆した防水被覆部とを備えた内燃機関用防水形回路ユニットに適用される。
【0011】
なお基板用コネクタは、プリント基板に直接取り付けられるコネクタで、例えば、複数のコンタクトを収容したコネクタハウジングと、複数のコンタクトにそれぞれつながる複数のリード端子をコネクタハウジングの背面側から導出した構造を有し、コネクタハウジングの背面側から導出された複数のリード端子がプリント基板に設けられた端子パターンに半田付けされて取り付けられる。コネクタハウジングの前面側には、複数のコンタクトの接点部が配置され、これらの接点部に相手側コネクタの接点部が接続される。
【0012】
本発明においては、防水被覆部が、アースパターンの少なくとも一部の領域を絶縁被覆が施されない非絶縁被覆領域として残した状態で前記回路ユニット本体の前記要被覆部を被覆するように設けられた絶縁樹脂からなる絶縁被覆層と、この絶縁被覆層と前記非絶縁被覆領域とを被覆するように設けられて非絶縁被覆領域の箇所でアースパターンに電気的に接続された導電性樹脂からなるシールド被覆層とにより構成される。
【0013】
上記のように、回路ユニット本体を被覆するように絶縁被覆層を形成する際に、プリント基板のアースパターンの少なくとも一部を絶縁被覆層により被覆しない非絶縁被覆領域として残しておいて、絶縁被覆層と該絶縁被覆層により被覆されることなく残された非絶縁被覆領域とを被覆するようにシールド被覆層を設けるようにすると、シールド被覆層を直接プリント基板のアースパターンに接続することができるため、プリント基板のアースパターンとシールド被覆層との間を最短距離で接続してシールド効果を高めることができ、高周波ノイズの漏洩を防止する効果及び外来ノイズの遮蔽効果を高めることができる。
【0014】
また上記のように構成すると、シールド被覆層を形成する際に、シールド被覆層とプリント基板のアースパターンとを自動的に接続することができるため、構成部品の数を増やすことなく、かつ製造工数を増加させることなく、シールド効果を高めることができる。
【0015】
また本発明の好ましい態様では、基板用コネクタが、プリント基板のアースパターンに接続されたアース端子を有し、防水被覆部は、アースパターンの少なくとも一部の領域を絶縁被覆が施されない非絶縁被覆領域として残し、かつ基板用コネクタのアース端子の一部を被覆しない状態で回路ユニット本体の要被覆部を被覆するように設けられた絶縁樹脂からなる絶縁被覆層と、絶縁被覆層と非絶縁被覆領域と基板用コネクタのアース端子の絶縁被覆層により被覆されていない部分とを被覆するように設けられて非絶縁被覆領域の箇所でアースパターンに電気的に接続されるとともに、基板用コネクタのアース端子の絶縁被覆層により被覆されていない部分に電気的に接続された導電性樹脂からなるシールド被覆層とにより構成される。
【0016】
このように、プリント基板のアースパターンの一部とコネクタのアース端子の一部とを絶縁被覆層により被覆しないでおいて、アースパターン及びアース端子の絶縁被覆層により被覆されていない部分をシールド被覆層により被覆するようにすると、シールド被覆層302と回路ユニット内のアース回路とを確実に接続して、シールド効果を高めることができる。
【0017】
本発明の好ましい態様では、上記防水被覆部が、ユニットの取付箇所に固定される取付部を一体に有し、防水被覆部の取付部をアース電位にある取付箇所に固定した際にシールド被覆が取付箇所に接触して該シールド被覆層がアースされるように構成されている。
【0018】
上記のように構成すると、ユニットを、自動車のシャーシ等のアース電位にある取付箇所に取り付けた際にシールド被覆が自動的に取付箇所にアースされるため、アース回路を構成するための配線を不要にすることができ、回路ユニットの取付作業を簡単にすることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、プリント基板のアースパターンの少なくとも一部を絶縁被覆層により被覆しない非絶縁被覆領域として残しておいて、絶縁被覆層と非絶縁被覆領域とを被覆するようにシールド被覆層を設けることにより、シールド被覆層を非絶縁被覆領域の箇所でアースパターンに接触させる構造にしたので、シールド被覆層を直接プリント基板のアースパターンに接続することができる。そのため、プリント基板のアースパターンとシールド被覆層との間を最短距離で接続して、高周波ノイズの漏洩防止効果及び外来ノイズの遮蔽効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1ないし図3は、本発明の第1の実施形態を示したもので、図1は上面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は図1のIII−III線断面図である。
これらの図において、1は長方形のプリント基板で、このプリント基板には、アースパターンを含む所定の回路パターンが形成されている。図示してないが、プリント基板1には、該プリント基板の回路パターンと共に電子回路を構成する電子部品が実装されている。この例では、プリント基板1の表面1aに電子部品が配置され、アースパターンを含む回路パターンはプリント基板1の裏面1bに形成されている。各電子部品の端子は、プリント基板を貫通して設けられたスルーホールを通して該プリント基板の裏面の回路パターンに半田付けされている。
【0021】
2はプリント基板1に形成された回路を外部回路に接続するためにプリント基板1に直接取り付けられた基板用コネクタである。基板用コネクタは、絶縁樹脂の成形品からなるコネクタハウジング201と、該コネクタハウジング内に収容された多数のコンタクトと、コネクタハウジング201内の多数のコンタクトにそれぞれ接続されてコネクタハウジング201の背面201a側から外部に導出された多数のリード端子202及び203,203,…とを備えた公知のものである。コネクタハウジング201の前面側は、外部回路につながるワイヤハーネスの端部に取りつけられた相手方コネクタ(図示せず。)を接続するための接続部204となっていて、この接続部204にコネクタハウジング内の多数のコンタクトの接点部(相手側コネクタの接点部に接続される部分)が、相手方コネクタを接続し得る状態で配置されている。
【0022】
基板用コネクタ2は、その接続部204をプリント基板1上の電子部品とは反対側に向けた状態でプリント基板1の長手方向の一端側で該基板の表面1a上に配置され、コネクタハウジング201の端部に一体に突設された取付部205がプリント基板1にネジ止めされている。コネクタハウジングの背面側から導出された多数のリード端子202及び203,203,…は、相互に干渉することがないようにしてL型に成形され、各リード端子の先端がプリント基板1に設けられたスルーホールを通してプリント基板1の裏面側の回路パターンに半田付けされている。
【0023】
リード端子202及び203,203,…のうち、プリント基板から最も離れた位置に配置されたリード端子202はアース端子で、このリード端子202はプリント基板のアースパターンに半田付けされている。
【0024】
プリント基板1と、プリント基板に実装された図示しない電子部品と基板用コネクタ2とにより回路ユニット本体が構成されている。この回路ユニット本体の防水を図るために、その要被覆部を被覆する防水被覆部3が設けられている。回路ユニット本体の要被覆部は、回路ユニット本体の防水を図るために被覆する必要がある部分で、図示の例では、プリント基板1の全体と、プリント基板1に実装されたすべての電子部品と、基板用コネクタ2のコネクタハウジングの接続部204側の端部201Aを除いた部分とを回路ユニット本体の要被覆部としている。
【0025】
防水被覆部3は、絶縁樹脂からなる絶縁被覆層301と、導電性樹脂からなるシールド被覆層302とにより構成されている。
【0026】
絶縁被覆層301は、プリント基板1の裏面に形成されたアースパターンの少なくとも一部の領域を絶縁被覆が施されない非絶縁被覆領域Eaとして残した状態で、回路ユニット本体の要被覆部、即ち、プリント基板1の全体と、プリント基板1に実装されたすべての電子部品と、基板用コネクタ2のコネクタハウジングの接続部204側の端部201Aを除いた部分とを被覆するように設けられている。
【0027】
絶縁被覆層301は、回路ユニット本体の要被覆部を射出成形用金型内にインサートした状態で、該金型内に溶融樹脂を射出することにより(射出成形により)形成される。本実施形態では、アースパターンの非絶縁被覆領域Eaが円形の輪郭形状を有するように設定され、絶縁被覆層301には、領域Eaを取り囲む断面円形の穴hが形成されている。シールド被覆層302が形成される前の状態では、非絶縁被覆領域Eaが穴hを通して絶縁被覆層301の外部に露呈されている。また本実施形態では、コネクタ2のアース端子202の角部202Aを非絶縁被覆部として被覆することなく露呈させておくように、絶縁被覆層301が形成されている。
【0028】
シールド被覆層302は、絶縁被覆層301が形成された回路ユニット本体を二次成形用金型内にインサートした状態で、該二次成形用金型内に溶融した導電性樹脂を射出することにより形成される。シールド被覆層302を形成する過程で、導電性樹脂が絶縁被覆層301の穴h内に充填されてプリント基板1のアースパターンの非絶縁被覆領域Eaに接触させられ、非絶縁被覆領域Eaの箇所でシールド被覆層302とプリント基板1のアースパターンとが電気的に接続される。またシールド被覆層302は、コネクタ2のアース端子202の角部(非絶縁被覆部)202Aを完全に被覆するように設けられ、角部202Aの箇所でシールド被覆層302とアース端子202とが電気的に接続されている。
【0029】
上記のように、本実施形態では、シールド被覆層302が、プリント基板のアースパターンの非絶縁被覆領域Eaの箇所で該アースパターンに直接接続されると共に、コネクタのアース端子202の角部202Aの箇所で該アース端子202に直接接続される。
【0030】
本実施形態では、防水被覆部3の幅方向の両端の相対する位置に、ほぼ三角形を呈する取付部3A,3Aが形成され、これらの取付部には、金属カラー4が内周部にインサートされたゴム製のブッシュ5が、その両端を防水被覆部3の表面3a及び裏面3bから僅かに突出させた状態で埋め込まれている。
【0031】
回路ユニット本体と該回路ユニット本体の要被覆部を被覆した防水被覆部3とにより、本発明に係わる内燃機関用防水回路ユニット10が構成されている。防水被覆部3は、回路ユニット本体の要被覆部の各部を必要最小限の厚みを持って被覆するように設けられているため、防水被覆部の表面3a側のコネクタ2を被覆した部分は高さが高い凸部3a1となっており、この凸部3a1に隣接する領域は、凸部3a1よりも高さが低い扁平部3a2となっている。防水被覆部3の裏面3bは平坦に形成されている。
【0032】
この回路ユニット10は、自動車等のシャーシ等に固定された、アース電位にある導電性の取付フレーム(取付箇所)11の上に載せられて、ゴムブッシュ5,5をそれぞれ貫通させたボルト6,6により取付フレーム11に締結され、その防水被覆部3のシールド被覆層302が適宜の手段により取付フレーム11に電気的に接続される。図示の例では、防水被覆部3の裏面に当接する凸部11aが取付フレーム11に形成され、防水被覆部3に設けれた取付部3A,3Aを取付フレーム11に締結し際に、取付フレーム11の凸部11aとシールド被覆層302とが接触することにより、シールド被覆層302がアース電位部に電気的に接続されるようになっている。
【0033】
上記のように、本発明においては、プリント基板1のアースパターンの少なくとも一部を絶縁被覆層により被覆しない非絶縁被覆領域Eaとして残しておいて、絶縁被覆層301と非絶縁被覆領域Eaとを被覆するようにシールド被覆層302を設けることにより、シールド被覆層302を非絶縁被覆領域Eaの箇所でアースパターンに接触させる構造にしたので、シールド被覆層302を直接プリント基板1のアースパターンに接続することができる。そのため、プリント基板のアースパターンとシールド被覆層との間を最短距離で接続して、高周波ノイズの漏洩防止効果及び外来ノイズの遮蔽効果を高めることができる。
【0034】
上記の例では、取付箇所側に突出部11aを設けて、防水被覆部3のシールド被覆層302とアース電位部との接続を図るようにしているが、シールド被覆層302側に凸部を設けて、回路ユニットをアース電位部にある取付箇所に締結した際にこの凸部を取付箇所に接触させてシールド被覆層302とアース電位部との電気的な接続を図るようにしてもよい。
【0035】
図4ないし図6は本発明の第2の実施形態に係わる防水回路ユニット10′を示したもので、図4は上面図、図5は、図4のV−V線断面を取付金具とともに示した断面図、図6は図4のVI−VI線断面図である。この実施形態では、防水被覆部3の表面3a側の扁平部分3a2に、回路ユニットの長手方向(プリント基板の長手方向)に一定の厚みを持って延びる突出部からなる取付部7が形成され、この取付部7の内側に、スリット状の取付金具挿入孔7aが形成されている。取付部7はシールド被覆層302を形成する際に、該シールド被覆層を形成する導電性樹脂と同じ樹脂によりシールド被覆層302と一体に形成される。取付金具挿入孔7aは任意の方向に延びるように形成できるが、図示の例では、取付金具挿入孔7aがプリント基板1の長手方向に延びるように設けられている。図1ないし図3に示した実施形態で設けられていた取付部3A,3Aは省略されている。その他の点は図1ないし図3に示された回路ユニットと同様に構成されている。
【0036】
本実施形態の防水形回路ユニット10′は、車両のシャーシなどに固定された、アース電位にある取付金具12(図5参照)に設けられた板状の支持板部12aを、取付部7の取付金具挿入孔7a内に圧入することにより、取付金具12に結合されて、取付箇所に取りつけられる。取付金具の支持板部12aと取付金具挿入孔7aの内面との接触により、シールド被覆層302がアース電位部に電気的に接続される。
【0037】
本実施形態によれば、防水形回路ユニット10′を、ネジ止めなどを行うことなく、ワンタッチで取付箇所に固定することができる。また防水回路ユニット10′を取付金具12に結合させるこにより自動的にシールド被覆層302をアース電位部に接続することができる。
【0038】
シールド被覆層302と回路ユニット内のアース回路とを確実に接続するためには、上記の各実施形態のように、コネクタ2のアース端子202の一部をシールド被覆層302に接触させるようにしておくことが好ましい。しかしながら本発明はこのように構成する場合に限定されるものではなく、コネクタ2のアース端子202の全体を絶縁被覆層301により被覆して、アース端子202とシールド被覆層302とを直接接触させない構造にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示す上面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の構成を示す上面図である。
【図5】図4のV−V線断面を取付金具とともに示した断面図である。
【図6】図4のVI−VI線断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 プリント基板
2 基板用コネクタ
3 防水被覆部
301 絶縁被覆層
302 シールド被覆層
Ea アースパターンの非絶縁被覆領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アースパターンを含む回路パターンが形成されたプリント基板と前記プリント基板に実装されて前記プリント基板の回路パターンと共に電子回路を構成する電子部品と前記プリント基板の回路を外部回路に接続するために前記プリント基板に直接取り付けられた基板用コネクタとを備えた回路ユニット本体と、前記回路ユニット本体の防水を図るために被覆することが必要な前記回路ユニット本体の要被覆部を被覆した防水被覆部とを備えた内燃機関用防水形回路ユニットにおいて、
前記防水被覆部は、前記アースパターンの少なくとも一部の領域を絶縁被覆が施されない非絶縁被覆領域として残した状態で前記回路ユニット本体の前記要被覆部を被覆するように設けられた絶縁樹脂からなる絶縁被覆層と、前記絶縁被覆層と前記非絶縁被覆領域とを被覆するように設けられて前記非絶縁被覆領域の箇所で前記アースパターンに電気的に接続された導電性樹脂からなるシールド被覆層とにより構成されていること、
を特徴とする内燃機関用防水形回路ユニット。
【請求項2】
アースパターンを含む回路パターンが形成されたプリント基板と前記プリント基板に実装されて前記プリント基板の回路パターンと共に電子回路を構成する電子部品と前記プリント基板の回路を外部回路に接続するために前記プリント基板に直接取り付けられた基板用コネクタとを備えた回路ユニット本体と、前記回路ユニット本体の防水を図るために被覆することが必要な前記回路ユニット本体の要被覆部を被覆した防水被覆部とを備えた内燃機関用防水形回路ユニットにおいて、
前記基板用コネクタは、前記プリント基板のアースパターンに接続されたアース端子を有し、
前記防水被覆部は、前記アースパターンの少なくとも一部の領域を絶縁被覆が施されない非絶縁被覆領域として残し、かつ前記基板用コネクタのアース端子の一部を被覆しない状態で前記回路ユニット本体の前記要被覆部を被覆するように設けられた絶縁樹脂からなる絶縁被覆層と、前記絶縁被覆層と前記非絶縁被覆領域と前記基板用コネクタのアース端子の前記絶縁被覆層により被覆されていない部分とを被覆するように設けられて前記非絶縁被覆領域の箇所で前記アースパターンに電気的に接続されるとともに、前記基板用コネクタのアース端子の前記絶縁被覆により被覆されていない部分に電気的に接続された導電性樹脂からなるシールド被覆層とにより構成されていること、
を特徴とする内燃機関用防水形回路ユニット。
【請求項3】
前記防水被覆部は、ユニットの取付箇所に固定される取付部を一体に有し、
前記防水被覆部の取付部をアース電位にある取付箇所に固定した際に前記シールド被覆が取付箇所に接触して該シールド被覆層がアースされるように構成されている請求項1または2に記載の内燃機関用防水回路ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−57434(P2008−57434A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−235470(P2006−235470)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000001340)国産電機株式会社 (191)
【Fターム(参考)】