説明

内視鏡用シートのローリング装置

内視鏡用シートを巻いて管状構造とするための医療用装置及び方法が提供されている。該装置は、ローラー(22)と、細長く伸長している基部(24)と、第一の固定部材(26)及び第二の固定部材(28)と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、内視鏡シートに関し、更に特定すると内視鏡用シートを調製するためのローリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
体内の器官又は血管の壁穴又は開口部は、自然に発生したり又は意図的に若しくは意図しないで形成されたりする。これらの穴は隣接の体構造へのアクセスを得るために使用され、このような技術は一般的に経管腔処置と呼ばれている。例えば骨盤腔鏡検査法は、70年以上前に開発されたものであり、盲嚢内に穴を形成することによって経腔的に腹膜腔にアクセスすることを含んでいる。この腹膜腔へのアクセスは、医療専門家が多くの解剖学的構造を視覚によって検査すると共に種々の処置例えば生検又は卵間結紮のような他の処置を行なうことを可能にする。他の体管腔を使用して種々の体腔へのアクセスを得るために、多くの経管腔処置もまた開発されて来た。口、鼻、耳、肛門、又は膣のような本来存在する穴は、このような体内管腔及び体腔へのアクセスを提供することができる。胃腸管の体内管腔は内視鏡によって診査される場合が多く、これらは全て腹膜腔及びその他の体腔ヘの最少侵襲方法によるアクセスを提供するために使用できる。
【0003】
経管腔処置は、伝統的な切開手術又は腹腔鏡手術と比較すると、腹部切開(又はその他の外表面切開)及び切開に関する合併症を排除することによって侵襲性が少ない一方で、術後の回復時間を短縮させ、痛みを低減し、及び美容上の外観を改良する。これと同時に、経管腔処置に対する課題も依然として残っている。これらの課題としては、穴及び体腔への適切な導管を提供すること、導管を介して操作でき且つ体腔内で作動させることができる丈夫な医療器具を提供すること、導管の滅菌性を提供すること、体腔の通気性を維持すること、穴の閉塞、及び感染の防止を提供することがある。これらの処置は、切開されつつある体壁の向こう側に位置している体構造又は診査されつつあり若しくは作業が行なわれている体腔内に位置する体構造に穴を開けてしまう虞がある。例えば、胃壁に穴を開ける際に不意に血管にぶつかる可能性は出血合併症につながり得る。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、内視鏡用シートを巻いて平らな形状からロール形状にする医療器具及び方法を提供している。本発明の教示に従って作られた器具の一つの実施例は、概ね、ローラーと、細長く伸長している基部と、第一及び第二の固定部材とからなる。ローラーは、第一の細長いロッドと第二の細長いロッドとを備えており、該第一の細長いロッドと第二の細長いロッドとは、それらの間に内視鏡用シートの端縁を収容できる大きさの空間を形成している。前記の第一の固定部材は、前記の基部に取り付けられ且つ該基部から外方へ突出している第一のフランジを形成している。該第一のフランジは、前記の第一のロッドと第二のロッドとを摺動可能に且つ回転可能に収容できる大きさの第一の穴を形成している。該第一のロッドと第二のロッドとは、前記の第一の固定部材に対して長手方向に摺動可能であり且つ該第一の固定部材に対して回転可能である。第二の固定部材もまた、前記の基部に取り付けられており且つ該基部から離れる方向に突出している第二のフランジを形成している。該第二のフランジは、前記の第一のロッドと第二のロッドとを摺動可能に且つ回転可能に収容できる大きさとされている第二の穴を形成している。該第一のロッドと第二のロッドとは、前記の第二の固定部材に対して長手方向に摺動可能であり且つ該第二の固定部材に対して回転可能である。
【0005】
該器具の実施例の更に詳細な特徴によると、前記ローラーを回転させると、内視鏡用シートの端縁が前記第一のロッドと第二のロッドとの間の空間に合わせられ、該内視鏡用シートは、前記第一のロッドと第二のロッドとの周りに巻かれて管形状にされる。ローラーとその第一及び第二のロッドとは、前記の管状の内視鏡用シート並びに第一及び第二の固定部材に対して長手方向に摺動可能である。第一及び第二のロッドの直径は、約0.5mm〜約2.0mmの範囲であるのが好ましい。ローラーは更に、第一のロッドと第二のロッドとの相互に隣接している端部に取り付けられている巻き上げノブを備えており、前記の隣接している端部同士は固定の距離だけ相互に隔てられている。一つの実施例においては、第一のフランジ及び第二のフランジにおける第一及び第二の穴の直径は、第一のロッドの直径プラス第二のロッドの直径プラス内視鏡シートの厚みの合計に等しいかこれより小さい。別の実施例においては、第一の軸受けが前記第一の固定部材の第一の穴に嵌め込まれている。前記第一の軸受けは、前記第一及び第二のロッドを摺動可能に収容できる一対の穴を有している。同様に、第二の固定部材の第二の穴内に第二の軸受けが設けられている。
【0006】
該器具の更に別の詳細な特徴によると、前記の第一の固定部材は、前記基部に摺動可能に取り付けられているのが好ましい。該第一の固定部材とその第一のフランジとは、前記基部に対して長手方向に摺動可能である。前記第一の固定部材には第一のクランプが結合されており、該クランプは、該第一の固定部材の前記基部に沿った位置を選択的に固定する。前記基部は、その内部を貫通して細長く伸長している溝を形成している。第一のクランプは、ねじが切られている締結部材とクランプ板とを備えており、該ねじが切られている締結部材は、前記第一の固定部材の穴を貫通し且つ前記溝の中を通ってクランプ板内に螺結されている。同様に、第二の固定部材も前記基部に摺動可能に取り付けられている。
【0007】
本発明の教示による内視鏡用シートを巻いて管形状とする方法の一つの実施例は、概ね以下のステップを含んでいる。ローリング器具が準備され、該器具は、間に内視鏡用シートの端縁を収容できる大きさとされた空間を形成している第一の細長く伸長しているロッドと第二の細長く伸長しているロッドとを備えたローラーと、細長く伸長している基部と、該基部に取り付けられ且つ該基部から離れる方向に突出している第一及び第二のフランジを形成しており且つ前記第一及び第二のロッドを摺動可能に且つ回転可能に収容できる大きさとされている第一及び第二の穴を形成している第一の固定部材及び第二の固定部材と、を備えている。内視鏡用シートの端縁が、前記のローラーの第一のロッドと第二のロッドとの間の空間内に配置される。ローラーが回転せしめられて内視鏡用シートが第一及び第二のロッドの周りに巻かれて管状構造とされる。第一及び第二のロッドは、内視鏡用シートがローラーから解放されるまで管状の内視鏡用シートと前記第一及び第二の固定部材とに対して摺動せしめられる。
【0008】
該方法の実施例の更に詳細な特徴によると、前記第一の固定部材と第二の固定部材とのうちの少なくとも1つが前記基部に対して長手方向に摺動せしめられる。該摺動ステップは、内視鏡用シートを配置するステップの後に行なわれるのが好ましい。また、該摺動ステップは、ローラーを回転させるステップの前に行われるのが好ましい。該摺動ステップは、前記巻き上げステップの後で前記第一及び第二のロッドを長手方向に摺動させるステップの前に行なわれる。前記摺動ステップは、管状の内視鏡用シート上に圧縮力をかけるのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に組み入れられており且つ明細書の一部を形成している添付図面は、本明細書の幾つかの特徴を示しており且つ詳細な設明と共に本発明の原理を説明する役目を果たしている。
【図1】図1は、本発明の教示に従って作られた内視鏡用シートを巻き上げる装置の斜視図である。
【図2】図2は、図1に示されている器具の別の斜視図である。
【図3】図3は、図1に示されている医療器具の一部分を形成しているローラーの側面図である。
【図4】図4は、図1に示されている器具の一部分を形成している基部の側面図である。
【図5】図5は、図4と類似しているが、前記基部のもう一つ別の実施例を示している断面図である。
【図6】図6は、図1に示されている器具の一部分を形成している固定部材とクランプとの断面図である。
【図7】図7は、図6と類似しているが、フランジの代替的な実施例を示している断面図である。
【図8】図8は、図1に示されている医療器具の斜視図であり、内視鏡用シートを巻き上げる方法を示している。
【図9】図9は、図1に示されている医療器具の斜視図であり、内視鏡用シートを巻き上げる方法を示している。
【図10】図10は、図1に示されている医療器具の斜視図であり、内視鏡用シートを巻き上げる方法を示している。
【図11】図11は、図1に示されている医療器具の斜視図であり、内視鏡用シートを巻き上げる方法を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願において、“近位”という用語は、概ね、医療処置の際に医師に近づく方向を指しており、“遠位”という用語は、概ね、医療処置の際に患者の解剖学的構造内の目標部位に近づく方向を指している。
【0011】
図面を参照すると、図1及び2は、本発明の教示に従って作られた医療器具20を示している。器具20は、概ね、ローラー22と、長手方向に伸長している基部24と、各々第一及び第二の固定部材26,28とを備えている。ローラー22は、概して、内視鏡用シート10(図8)と係合し且つ該シートを巻いて管形状(図10)とするために使用される。種々のサイズのシート10に適合すると共に管形状に対する均等性を改良し且つシートの巻き上げを補助するために、第一及び第二の固定部材26,28は、図2に示されているように基部24に沿って摺動可能であるのが好ましい。
【0012】
図3に示されているように、ローラー22は、概ね、第一のロッド32と第二のロッド34との互いに隣接している端部に取り付けられている巻き上げノブ30を備えている。第一ロッド32及び第二のロッド34はノブ30に固定されており、これらの互いに隣接している端部は所定の距離PDだけ互いに隔てられている。所定の距離PDは、内視鏡用シート10の厚みにほぼ等しいのが好ましい。ロッド32,34は、断面が丸いのが好ましく、(必ずしも必須ではないが)円形断面であるのが最も好ましく、外径が約0.5mm〜約2.0mmであるのが好ましい。第一及び第二のロッド32,34は、直径が同じであっても良いし又は異なっていても良い。これらのロッドは、金属、プラスチック、又はセラミックによって形成することができるが、薄い内視鏡用シートを密に巻き且つ該シートのためのクランプ用の心棒として機能するための適当な寸法(長さ及び薄さ)を有している中実金属ワイヤーによって作られるのが好ましい。
【0013】
図4を参照すると、基部24は、図示されているように概ね端部キャップ33によって相互に嵌め合わせられた細長い棒40を備えている(図1)。これらの棒40は、取り付け部材、接着剤、ボンディング、溶接等を含むあらゆる公知の手段によって端部キャップ33に取り付けられる。基部24の内部には溝35が形成されており、該溝は垂直部分36と水平部分38とを有している。溝35は、第一及び第二の固定部材26,28とそれらのクランプ54(図6)とを収容して固定部材26,28の細長い基部24に沿った位置を選択的に固定するために使用される。基部の一つの代替的な実施例124が図5に示されている。この実施例においては、一体形成された棒140に一体の溝135が形成されており、該溝は垂直部分136と水平部分138とを有している。
【0014】
図6を参照すると、第一の固定部材26と第二の固定部材28との一つの実施例の断面図が示されている。第一の固定部材26と第二の固定部材28とは、一般的には全く同じように形成されるが、必ずしもそうでなくても良く、実際には内視鏡用シート10の特別な用途及び構造に応じてこれらの固定部材のうちの一方を改造することが望ましいのかも知れない。固定部材26,28は、一般的に、垂直方向のフランジ44に結合されている水平方向のスライド42を備えている。フランジ44は、スライド42から離れる方向に突出しており且つ図1において最も良くわかるように細長い基部24から離れる方向に突出している。スライド42は、細長い基部24の上面に沿って進むようになされている。フランジ44は、内部に軸受け48が収容されている穴46を形成している。軸受け48は、穴46に回転可能に取り付けられており、これらの軸受けと穴とのかみ合い面は、表面潤滑剤又は摩擦低減コーティングを含んでいても良い。軸受け48は更に一対の穴50を有しており、これらの穴はローラー22の第一のロッド32及び第二のロッド34を摺動可能に収容する。ロッド32,34は、穴50を介して固定部材26,28に対して長手方向に並進せしめられる。
【0015】
固定部材26,28は更に、細長い基部24に沿った固定部材26,28の位置を選択的に固定するためのクランプ54を備えているのが好ましい。クランプ54は制御ノブ56を備えており、該制御ノブはねじが切られている締結部材58に取り付けられている。ねじが切られている締結部材58は、固定部材26,28のスライド42の穴52を貫通している。締結部材58は、ねじ穴62を介してクランプ板60に螺結されている。クランプ板60は、矩形若しくは長方形、さもなければ細長い基部24の溝35内に取り付けられる構造とされて水平に回転することが出来ないようになされている。従って、制御ノブ56によってねじが切られた締結部材58が回転せしめられると、締結部材58がクランプ板60に対して回転してクランプ板に沿って垂直方向に移動せしめられる。従って、クランプ54を使用して、細長い基部24に沿った固定部材26,28の位置を選択的に固定することができる。
【0016】
固定部材126,128の別の実施例が図7に示されている。以前の実施例の場合と同様に、固定部材126,128は、スライド142とフランジ144とを有している。この実施例においては、フランジ134は、軸受48を備えていない穴146を形成している。穴146の内径IDは、第一及び第二のロッド32,34の直径とこれらのロッドが相互に隔てられている所定の距離PDとの合計にほぼ等しい大きさにされているのが好ましい。別の方法として、穴146の内径IDは、第一及び第二のロッド32,34の直径と内視鏡用シート10の厚みとの合計にほぼ等しい大きさとされる。穴146は、概ね、ロッド32,34が内部でこれらのロッド間に内視鏡用シート38が配置された状態で回転するのを許容する大きさ及び構造とされている。穴146は、摩擦低減コーティング又はその他の材料によって覆われても良い。
【0017】
以下図8〜11を参照して、器具20のロール及び内視鏡用シート10の使用方法を説明する。ローリング器具の一つの実施例20が準備され、内視鏡シート10の端縁12が、ローラー22の第一のロッド32と第二のロッド34との間の空間に配置される。第一の固定部材26と第二の固定部材28とは、図9に示されているように、巻き上げ行程中にシートの側方端縁にガイド面を提供しつつ基部24に対してほぼ長手方向に摺動して内視鏡用シート10を収容する。ローラー22が回転せしめられ、内視鏡用シート10が第一及び第二のロッド32,34に巻かれて図10に示されている管構造とされる。任意であるが、固定部材26、28の一方または両方が再度長手方向に沿って滑らされて、管状の内視鏡シート10に圧縮力がかけられるか又は管状の内視鏡用シート10に対する圧縮力が低減される。図11に示されているように、ローラー22の第一のロッド32及び第二のロッド34は、管状の内視鏡シートがローラーから外されるまで管状の内視鏡シート10に対して(並びに、第一及び第二の固定部材26,28に対して)長手方向に沿って滑らされる。望ましい場合には、固定部材26,28は所望通りに再度長手方向に沿って滑らせても良い。
【0018】
従って、本願の器具及び方法は、内視鏡用シートを迅速且つ効率良く巻くための頑丈な垂直方向の装置を示していることがわかる。管状の内視鏡用シートの例示的な使用方法は、2009年10月26日に出願された米国特許出願第12/605,794号に開示されている。該米国特許出願の全開示内容は、これに言及することによりその全体が本明細書に参考として組み入れられている。
【0019】
シート10は種々の材料によって作られるのが好ましく、該材料としては、編まれた繊維、織られた繊維、又は不織繊維、ガーゼ、メッシュ、スポンジシート、発泡シート、プラスチックシート、組織層、及びECM材料がある。合成材料もまた使用することができ、例えば、PIFE繊維、ポリプロピレン繊維、及びポリエステルの繊維又はメッシュ等を使用することができる。シート10は、丸、正方形、長方形、三角形等のような多くの種々の形態及び形状を有していても良い。ほぼ長方形のシートが図8に示されており、該シートは幅が約1cm〜約5cmであり、長さが約2cm〜約15cmであり、厚みが約0.1mm〜約1.2mmである。シート10は、幅が約2cmで長さが約8cmで厚みが0.3mmであるのが最も好ましい。
【0020】
シートとして形成される一つの好ましい種類の材料としては、細胞間マトリックス(ECM)材料がある。例えば、シート10は、インディアナ州ブルーミントンにあるCook Medical Inc(クック メディカル インク)から市販されているSURGISIS BIODESIGN(登録商標)の商品名で販売されているもののような小さな小腸粘膜下組織(SIS)からなる。このシートは、宿主組織細胞によってコロニー化されている三次元細胞間マトリックス(ECM)によってきちんとした組織の再構築を提供し且つECM構成要素と共に結合性で且つ上皮組織成長及び分化のための枠組みを提供する。シート24は、何個かの組織工学製品によって作られた1〜4層からなる凍結乾燥軟組織移植片であるのが好ましい。再構築されるか又は天然由来のコラーゲン材料を使用することができ、少なくとも生体吸収性であるこのような物質は有利であり、生体再構築性であり且つ細胞内進入及び内部成長を促進する物質は特別な利点を提供する。適切生体再構築性の物質は、ある種の形態の血管由来のコラーゲン性細胞間マトリックス物質を含んでいる生体親和性を有するコラーゲン性ECMによって提供することができる。例えば、適切なコラーゲン物質としては、粘膜下組織のようなECM、腎被膜、真皮コラーゲン、硬膜、心膜、大腿筋膜、漿膜、腹膜、又は肝基底膜を含む基底膜層がある。これらの目的に適する粘膜下組織物質としては、例えば、小腸粘膜下組織、胃粘膜下組織、膀胱粘膜下組織、子宮粘膜下組織を含む腸粘膜下組織がある。シート24はまた生体適合材料と生物分解性高分子との複合材料をも含んでいても良い。更なる詳細は、クックらに付与された米国特許第6,206,931号に見出すことができる。該米国特許は、これに言及することにより、その開示内容全体が参考として本明細書に組み込まれている。
【0021】
更に本発明のECM材料は、該材料を膨張させるプロセスを受ける。ある種の形態においては、このような膨張せしめられた材料は、膨張するまで該ECM材料を1以上のアルカリ性の物質と接触させることによって形成することができる。例示すると、このような接触は、ECM材料をその元のかさ容積の少なくとも120%(即ち、1.2倍)又は幾つかの形態においてはその元の体積の少なくとも約2倍まで膨張させるのに十分である。膨張せしめられた材料は、その後に、任意であるが例えば中和及び/又はすすぎによってアルカリ性媒体から分離される。集められた膨張せしめられた材料は、あらゆる適当な方法で使用することができる。例示すると、膨張せしめられた材料は、所望の形状又は構造のシートに形成する際に、生体活性要素を富化させるか、乾燥するか、且つ/又は成形等することができる。ある種の実施例においては、膨張せしめられたECM材料は、例えばカニューレを挿入された給送器具の管腔内から送り込むために圧縮し、その後に器具から配備したときに拡張して患者の体内に係留される状態となり、患者の体内の管の閉塞を生じさせ且つ/又は血流遮断を生じさせることができる。更なる詳細は、2009年6月22日に出願された米国特許出願第12/488,974号、2009年6月22日に出願された米国特許出願第12/488,996号、及び2009年6月22日に出願された米国特許出願第12/489,199号、及び2009年6月29日に出願されたPCT/US2009/04907号に見出すことができる。
これらの特許出願は、これに言及することによりその開示内容全体が参考として本明細書に組み入れられている。
【0022】
本発明の種々の実施例の上記の説明は、例示及び説明の目的で提供されたものである。本発明をここに開示された実施例を排他的なものとし又は本発明をこれらの実施例そのものに限定することは意図されていない。上記の教示を参考にして多くの改造又は変更が可能である。上記した実施例は、本発明の原理及び実際の用途の最良の例示を提供して当業者が本発明を種々の実施例において或いは想定される特別な用途に適するように種々改造して使用できるように選択し且つ記載したものである。このような改造及び変更の全てが、添付の特許請求の範囲が公平に、法的に、公正に権利が付与される範囲に従って解釈されたときに、該特許請求の範囲によって決定される発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0023】
10 内視鏡用シート、
22 ローラー、
24 基部、
26 第一の固定部材、
28 第二の固定部材、
30 巻き上げノブ、
32 第一のロッド、
33 端部キャップ、
34 第二のロッド、
35 溝、
36 溝の垂直部分、
38 溝の水平部分、
40 細長い棒、
42 スライド、
44 フランジ、
46 穴、
48 軸受け、
50 一対の穴、
54 クランプ、
56 制御ノブ、
58 締結部材、
60 クランプ板、
126,128 固定部材、
134 フランジ、
135 溝、
136 溝の垂直部分、
138 溝の水平部分、
140 棒、
142 スライド、
144 フランジ、
146 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡用シートを巻いて平らな形状から巻かれた形状にする器具であり、
間に前記内視鏡用シートの端縁を収容する大きさの空間を形成している長手方向に伸長している第一のロッドと長手方向に伸長している第二のロッドとを備えているローラーと、
細長い基部と、
該基部に取り付けられ且つ該基部から離れる方向に突出している第一のフランジを形成している第一の固定部材と、
前記基部に取り付けられ且つ該基部から離れる方向に突出している第二のフランジを形成している第二の固定部材と、を備えており、
前記第一のフランジは、前記第一のロッドと第二のロッドとを摺動可能に且つ回転可能に収容できる大きさとされている第一の穴を形成しており、
前記第一のロッドと第二のロッドとは、前記第一の固定部材に対して長手方向に摺動可能であり且つ該第一の固定部材に対して回転可能であり、
前記第二のフランジは、前記第一のロッドと第二のロッドとを摺動可能に且つ回転可能に収容できる大きさとされている第二の穴を形成しており、
前記第一のロッドと第二のロッドとは、前記第二の固定部材に対して長手方向に摺動可能であり且つ該第二の固定部材に対して回転可能である、ことを特徴とする器具。
【請求項2】
前記第一及び第二のロッドの直径が、約0.5mm〜約2.0mmの範囲内である、ことを特徴とする請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記ローラーが、前記第一及び第二のロッドの互いに隣接している端部に取り付けられた巻き上げ用のノブを更に備えており、前記互いに隣接している端部同士が一定距離だけ相互に隔てられている、ことを特徴とする請求項1に記載の器具。
【請求項4】
前記第一及び第二のフランジ内の前記第一及び第二の穴の直径が、前記第一のロッドの直径と、前記第二のロッドの直径と、前記内視鏡用シートの厚みとの合計にほぼ等しいか又はそれより小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の器具。
【請求項5】
前記第一の固定部材が前記基部に摺動可能に取り付けられており、該第一の固定部材とその第一のフランジとが前記基部に対して長手方向に摺動可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の器具。
【請求項6】
前記第一の固定部材に結合され且つ前記基部に沿った前記第一の固定部材の位置を選択的に固定する第一のクランプを更に備えている、ことを特徴とする請求項5に記載の器具。
【請求項7】
前記基部の中に、貫通して伸長している細長い溝が形成されており、前記第一のクランプがねじ付きの締結部材とクランプ板とを有し、該締結部材が前記第一の固定部材の穴を通され且つ前記溝を貫通して前記クランプ板内にねじ込まれる、ことを特徴とする請求項6に記載の器具。
【請求項8】
前記第一及び第二の固定部材が前記基部に摺動可能に取り付けられており、前記第一の固定部材とその第一のフランジとが前記基部に対して長手方向に摺動可能であり、前記第二の固定部材とその第二のフランジとが前記基部に対して長手方向に摺動可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の器具。
【請求項9】
前記第一の固定部材の第一の穴内に嵌め込まれた第一の軸受けを更に備えており、該第一の軸受けは、前記第一及び第二のロッドを摺動可能に収容する一対の穴を備えており、前記第一の軸受けは、前記第一の固定部材の前記第一の穴内に回転可能に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の器具。
【請求項10】
前記第二の固定部材の第二の穴内に嵌め込まれた第二の軸受けを更に備えており、該第二の軸受けは、前記第一及び第二のロッドを摺動可能に収容する一対の穴を備えており、前記第二の軸受けは、前記第二の固定部材の前記第二の穴内に回転可能に取り付けられている、ことを特徴とする請求項9に記載の器具。
【請求項11】
前記内視鏡用シートの端縁が前記第一のロッドと第二のロッドとの間の空間内に入れられた状態で前記ローラーを回転させると、前記内視鏡用シートが前記第一のロッドと第二のロッドとの周りに巻かれて管形状とされる、ことを特徴とする請求項1に記載の器具。
【請求項12】
前記第一及び第二のロッドが金属ワイヤーによって作られたものである、ことを特徴とする請求項1に記載の器具。
【請求項13】
内視鏡用シートを巻いて平らな形状から巻かれた形状にする方法であり、
間に前記内視鏡用シートの端縁を収容する大きさの空間を形成している細長く伸長している第一及び第二のロッドを備えているローラーと、細長く伸長している基部と、それぞれ、前記基部に取り付けられ且つ該基部から離れる方向に突出している第一及び第二のフランジを有している第一及び第二の固定部材と、を備えており、前記第一及び第二のフランジがそれぞれ前記第一及び第二のロッドを摺動可能に且つ回転可能に収容できる大きさとされている第一及び第二の穴を有しているローリング器具を準備するステップと、
前記内視鏡用シートの端縁を、前記ローラーの前記第一のロッドと第二のロッドとの間の空間内に配置するステップと、
前記ローラーを回転させて前記内視鏡用シートを前記第一及び第二のロッドの周りに巻き付けて前記管形状とするステップと、
前記第一及び第二のロッドを、前記管状とされた内視鏡用シートが前記ローラーから解放されるまで、前記管状とされた内視鏡用シート及び前記第一及び第二の固定部材に対して摺動させるステップと、を含む方法。
【請求項14】
前記第一及び第二の固定部材が前記基部に対して長手方向に摺動可能であり、
前記第一及び第二の固定部材のうちの少なくとも一方を、前記基部に対して長手方向に摺動させるステップを更に含んでいる、ことを特徴とする請求項13の記載の方法。
【請求項15】
前記摺動させるステップが、前記内視鏡用シートの端縁を配置するステップの後であって、前記ローラーを回転させるステップの前に行われる、ことを特徴とする請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−512112(P2012−512112A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540892(P2011−540892)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/067511
【国際公開番号】WO2010/068763
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(511152957)クック メディカル テクノロジーズ エルエルシー (76)
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
【Fターム(参考)】