説明

内面クランプ装置

【課題】自重が数100kgから1000kgを越える大きなパイプの溶接接合においては、2本のパイプの接合に対し、芯合せ作業および溶接作業中の芯保持作業が、溶接品質に重要な影響があり、これまでは、仮付けや手作業に依存し、少なくとも全作業の自動溶接機の利用はできなかった。一部に内面クランプ装置が実用されているが、上記のような大きなパイプの高い品質の溶接には適用できなかった。
【解決手段】放射状のキーまたはキー溝を有する中央円板を設け、外側の一端面を複数のテーパ面すなわち多角錘体とした。複数個のキーまたはキー溝を有し、反対の面にはテーパ面として半径方向押し金を嵌合し、複数個の半径方向押し金のテーパ面に等しく当接したテーパ面すなわち多角錘体を構成した押し金を設け、押し金に流体圧力を作用させて、半径方向押し金により芯合せすることにより、精度の高い芯合せが可能となった。また、流体力を大きくすることにより、芯保持機能を大きくすることができた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
2本のパイプの溶接接合やパイプの先にエルボなどを溶接接合するとき、接合するパイプやエルボの内面を基準に芯合せをするとともに、溶接中には、同心保持を行うクランプ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】 特許公開平9−164491
【特許文献2】 特許第3520698号
【特許文献3】 特開平9−253888
【特許文献4】 特許第3010735号
【特許文献5】 特開平4−200867
【発明の詳細な説明】

【発明が解決しようとする課題】
【0003】
2本のパイプを溶接接合するとき、両者を同心にし、溶接中も、同心保持する必要がある。パイプの質量が数100kgから1000kgを越えるようになると、この作業は簡単にはいかず、図1に示すような内面クランプ装置が用いられる。この装置は、パイプA201の中に、内面クランプ装置を挿入し、図2に示すように円周3ヶ所のローラ203が、等しくパイプA201の内面に張り付くように、ナット214などで寸法を調整し、その上でパイプの接合部に当て金203が当る位置まで押し込み、セットする。次に、他方のパイプ202を当て金203に嵌合させ、パイプA201に当るように軸方向の位置決めをしたところで、エアシリンダ205に、エア継手215を介してエアを送り、図3に示すように円周4個のトラニオン208の作用で、プランジャ204を半径方向外側に伸ばし、当て金203をパイプ201およびパイプB202の内側に押し当て、2本のパイプを同心にするとともに、そのままエア圧力を保持することにより、同心保持するものである。
【0004】
このような内面クランプ装置をパイプ質量が数100kgから1000kgを越えるようなパイプに適用するとき、当て金203を押し付ける力も大きくし、トラニオン208やプランジャ204を大きくし、数を増す必要があるが、寸法的に困難である。
【0005】
質量の大きいパイプは、高圧の機械装置やプラントなどの重要機器に使用されるケースが多く、溶接後X線による検査が要求され、溶接箇所内側はシーニング加工され、溶接においても確実な裏波を出すことが必要である。しかし、図1のような装置では、クランプ力不足、ローラと内面クランプ装置の同心度誤差やトラニオンのピン部のすきまあるいはトラニオンや円板の弾性変形などのため芯合せ精度が不十分で、このような重要な溶接部では、1〜2mmの狂いがあれば、確実な溶接はできず、特別な治具を用いて、手作業による仮付けするなどの方法を取らねばならないという問題があった。
【課題を解決する手段】
【0006】
放射状の複数個のキーを有する中央円板を挟んで、このキーに嵌合し、半径方向にのみ移動可能な複数個の半径方向押し金を設け、この半径方向押し金の反対側にテーパ面を設け、複数個の半径方向押し金のテーパ面に等しく当接する面すなわち多角錘体となる形状の軸方向の押し金に、流体圧力を作用させることにより、半径方向押し金を一方のパイプ内周面シーニング部に張付けることにより、内面クランプ装置をパイプシーニング部と同心にし、次に他方のパイプを装着し、同様に流体圧力を作用させることにより、内面クランプ装置の芯と他方のパイプの芯を合わせ、結果的に一方のパイプと他方のパイプの芯合せをする。
【0007】
また、放射状の複数個のキーを有する中央円板とテーパ面による半径方向押し金およびこれに当接する多角錘体面を有する軸方向の押し金は、バックラッシュや弾性変形が小さく、コンパクトで大きな力を生じさせることが可能である。したがって、溶接作業中には流体圧力を作用させておくことにより、大きな内面クランプ力を発生させ、同心保持する。
【発明の効果】
【0008】
内面クランプ装置の移動用ローラなどの精度に関係なく、テーパ面で半径方向のクランプ力を発生させるため、コンパクトで大きな力を発生させることができる。そして、この力で内面クランプ装置を一方のパイプのシーニング部を芯出しし、これに合わせて他方のパイプの芯を合わせるので、非常に精度のよい芯合せができる。
【0009】
薄肉パイプなどで、真円度の悪いものや、弾性変形などをしているパイプなどは、内面クランプ装置の大きなクランプ力により、真円に矯正される。
【0010】
また、多角錘面を有する押し金とテーパ面を有する当て金では、大きな力を作用させるので、溶接時にも、大きなクランプ力を出すことができ、内面クランプ作動後は、自動溶接機を取付け、初層から、最終層の盛付けまで、自動溶接機で行うことができるので、裏波を確実に出し、全自動溶接による溶接品質を高めるとともに、工数低減にも有益である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図4は、発明を実施するため形態を示す図である。また図5は、内面クランプ装置の放射状にキー4を配置した中央円板3の説明で、図6は、図4の矢視“D”から見た側面図である。図4、図6は、上半分が直径の大きなパイプの例で、当て金8の外径が大きいものを用いた例で、下半分は直径の小さいパイプの例を示したものである。
【0012】
図4において、パイプA1とパイプB2XX部で溶接接合するもので、高い品質が要求される溶接接合のときは、パイプA1とパイプB2の内面を切削加工によりシーニングし、直径の寸法精度と真円度を確保するが、これと同時に、セッティング精度を上げることにより、外周からの溶接に対し、内面に安定した裏波を形成させることができる。真円度や同心度は、パイプA1、パイプB2の直径が、300mmから1000mm程度の大径管においても0.2mm〜0.3mm以下の精度が要求される。
【0013】
かかる要求に対し、内面クランプ装置は、中央に中央円板3を配し、中心部に左右に2本のピストンを取付けられた軸9が、タイボルト6によりタイトに取付けられている。中央円板3の両面には、図4の例では、図5に示すように、放射状にキー4が植込まれている。このキー3に対し、キー溝を有し、円周方向に分割された半径方向押し金5を嵌合させ、半径方向押し金5の内側、両側面にはテーパ面とし、この面に複数のテーパ面を有し、多角錘体を構成する軸方向の押し金7を当接摺動するようにし、軸方向の押し金7は、油圧シリンダを構成せしめ、内側に該軸を嵌合させ、油圧シリンダ部に高圧の油圧を供給したときには、軸方向の押し金7に大きな軸方向の押付け力が作用する構造とする。この軸方向の押付力が、半径方向押し金5に作用するときは、テーパ面で半径方向の力に変換され、半径方向押し金5が放射状に移動し、当て金8を介して、パイプA1またはパイプB2の内側より、押し付ける力となる。
【0014】
このとき、中央円板3には、前述のように放射状にキー4が設けられているので、半径方向押し金5は、全体が一様に、半径が大きくなるように移動する。例えば、パイプA1の内周面に、当て金8が当り、半径方向押し金8に力が作用すると、結果的に中央円板3がパイプA1の中央にセットされることになる。
【0015】
また、このとき、パイプA1が薄肉管などで弾性変形し、楕円になっている場合は、中央円板3のキー4の作用で、内径の小さい部分の半径方向押付け力が大きくなるので、パイプA1の楕円が矯正され真円になる。
【0016】
中央円板3、左右の軸方向の押し金5,軸9、半径方向押し金8および当て金11で構成される内面クランプ装置本体には、図4の例では、本体を支持し、パイプA1の中を移動し、所定の位置に搬入し、セッティングするために、複数個のローラと、パイプA1の内径に沿うようにローラ17の半径方向の位置を変えるためのリンク14、15やリンク14、15の関係位置を調整するためのねじ軸16、および、これに嵌合し、移動と張り力を出すためのネジ18とこれを回すためのハンドル19が取付けられている。
【0017】
当て金8の外周には、パイプA1とパイプB2の接合部内側に円周溝ができ、ここには不活性ガスが供給できるように配管24がある。そして、円周溝は、分割されているため、分割部から、不活性ガスが漏れるので、これを最少にするために、板をL字形に曲げられた形状のシールが左右に取付けられている。
【0018】
また、パイプ溶接時に、パイプの材料によって予熱が必要なときがあるが、このときは、油圧シリンダの油の過熱を防止する必要があり、押し金5の外周部には、冷却水で冷却が可能な構造となっている。
【0019】
内面クランプ装置をパイプ溶接にするときは、パイプA1のみを所定の位置に置き、この中に内面クランプ装置を、図4では、左側より挿入し、ハンドル19を回して、ローラ17がパイプA1の内径に沿うように調整する。次に、図4の例では、移動用モータ22をONにし、内面クランプ装置をパイプA1の右側いっぱいまで移動させる。その時点で、内面クランプの左側の押し金5(油圧シリンダ)に、油圧を供給し、押し金8、当て金11をパイプA1の内側に押し付ける。これによって、パイプA1と内面クランプ装置が同心状になる。その上で、パイプB2を当て金11に嵌合させ、パイプB2をセットする。そして、静かに内面クランプ装置の右側の押し金5に油圧を供給し、パイプ2の内側に当て金8を張り付ける。内面クランプ装置の油圧が立った時点では、内面クランプ装置とパイプ2が同心状となり、結果的に、パイプA1とパイプB2が完全な同心状となり、芯出しが完了する。
【0020】
この状態で、油圧を保持したまま、自動溶接機を取付け、準備ができたら不活性ガスを供給し、自動溶接を行う。パイプの直径によっては、円周上2ヶ所同時溶接などを行う。
【0021】
自動溶接完了後は、自動溶接機を取り外し、図4の左手の方に内面クランプ装置を移動させ、取り出す。
【0022】
この内面クランプ装置は、図4に示すように、本体より右側には、ローラ17などのような移動用の装置や位置決め用の装置がないため、エルボやチーズなどの形状の複雑な配管部材の溶接にも活用することができる。
【0023】
以上のように、中央円板3の放射状に設けられたキー4の作用により、軸方向の押し金5に、油圧作用時は、半径方向押し金7や当て金8の外周に対し、中央円板3の中心がパイプA1の中心と一致するようになる。この中心と、右側の軸方向押し金5を作用せしめて、パイプB2の中心を中央円板3の中心と一致させるので、結果的にパイプA1とパイプB2の芯が一致する。
【0024】
キー4と半径方向押し金8のキー溝とのすきまが、芯出し精度の大きな誤差要因となるが、すきまは非常に小さいので、高い精度を得ることができる。
【0025】
このことは、移動用のローラ17などの精度あるいはセッティングの精度の影響を受けることはない。また、パイプA1やパイプB2が薄肉管で、楕円に弾性変形しているようなときは、これを矯正し、真円にした上で、溶接することになるので、高い品質の溶接ができる。
【第2の実施例】
【0026】
図7、図8、図9、図10にて、第2の実施例について説明する。この実施例においても、中央円板103を挟んで、左右からピストン112が取付けられた軸106をタイボルト110で締め付けることにより、一体となるような構造とする。なお、この実施例では、後述する支持台車の本体枠120も同時に締付け、一体的にする。中央円板103には、図10に示すように放射状に複数個のキー溝124を設ける。中央円板103には、両面のキー溝124に、1個の割で半径方向押し金107を嵌合させ、全周に配設する。半径方向押し金107の中央円板103に接しない背面は、テーパになっており、このテーパ面は、ピストン106に嵌合した軸方向の押し金105のテーパ面に接触し、摺動する構造となっている。押し金105は、複数個の半径方向押し金105と滑らかに摺動するように、当り面は多角錘体を構成している。押し金105は、両端にカバーを取付け、軸106や押し金105の円周部にピストン112を設け、シリンダを構成している。シリンダの圧力室に高圧流体を供給することにより、押し金105に大きな押付け力を発生することが可能な構造となっている。
【0027】
押し金105に作用した軸方向の力は、中央円板103の間にある半径方向押し金107を挟むように作用し、その結果、半径方向押し金107が半径方向外向きに移動し、その移動が拘束されると、力となって、半径方向の大きな力を生ずる。中央円板103や軸106は、正しく同心が保持されているので、これに嵌合した押し金106も同心が保たれる。したがって、押し金106のテーパ面に接触し、円板103のキー溝124に嵌合し、半径方向以外の移動を拘束した半径方向押し金107は、中央円板103の中心に対し、正しく同心状に半径方向外向きに移動する。パイプA101やパイプB102が変形し、楕円となっているようなときは、小径部に先に接触することになるが、前述のように、動きが拘束された押し金107にのみ押し金105の力が作用するので、パイプA101またはパイプB102の小径部に大きな力が作用し、パイプA101またはパイプB102の真円度が矯正される。パイプA101またはパイプB102が真円になったところで、全周一様の内面クランプ力となる。
【0028】
本発明の内面クランプ装置は、左右の軸方向の押し金105に対し、独立に高圧流体を供給することが可能であり、作業の手順からは、パイプA101の内面クランプをまず行い、パイプA101に対し、内面クランプ装置の中心、すなわち、中央円板103の中心を正しく合わせることによって基準とし、これに対し、パイプB102の押し金105に流体圧を作用させ、内面クランプを行うことにより、パイプB102の芯をパイプA101の芯と正確に一致させ、芯出しを行う。
【0029】
パイプA101、パイプB102の内周面は、高い溶接品質を得るためには、機械加工によりシーニング加工し、内径、真円度などの寸法精度が確保されていることが前提となる。そして、本発明の内面クランプ装置では、半径方向押し金108の先端に取付けられた当て金109は、このシーニング部に接触させ、半径方向の力を加えて、クランプするものである。
【0030】
当て金108には、周方向の継目にはすきまが存在するが、ここには、図9、図10に示すように、L字状に曲げたような形状のシール109がねじ止めされており、周方向の動きを拘束せず、小さなすきまを保持し、左右の当て金108で構成される円周溝には、TIG溶接では、不活性ガスが供給されたときのこのガスの消費量が少なくなるようにしている。
【0031】
本発明の内面クランプ装置を用いて、実際のパイプの溶接作業においては、パイプA101に対し、パイプB102を芯出しし、同心保持し、自動溶接をすることとなる。その手順は、まず、パイプA101を作業し易いような高さにセットし、図7において左側より内面クランプ装置を挿入し、ハンドル119を回して、ローラ115はパイプA101の内面に張り付かせる。このローラで芯ダシをするのではないので、固く張り付かせる必要はない。ほぼ、内面クランプ装置が中心に納まったところで、内面クランプ装置を左側より右方向に押し込み、パイプA101の右端に来たところで、溶接部と内面クランプの両方の当て金108の軸方向中心を合わせ、静かにパイプA101側の流体圧を供給し、圧力を上昇させる。十分流体圧力が上昇したところで、パイプB2を10させ、内面クランプ力が十分作用したことを確認した上で、パイプ101またはパイプ102に自動溶接機を取付け、不活性ガスを供給し、初層より溶接を行う。初層が完了した時点で溶接部を点検し、内面クランプ装置の流体圧力を抜き、内面クランプ装置左側に抜き出す。その後、2層、3層と溶接を盛り上げていく。
【0033】
中央円板103の放射状のキー107の作用、軸方向の押し金105と半径方向押し金105のテーパ面での半径方向押し出し、および、押し付け力を生成させる構造により、パイプA101およびパイプB102に対し、非常に精度の良い芯合せができること、また多角錘体を用いた押し金105と複数個の半径方向押し金107により、弾性変形やガタなどの誤差が小さく、コンパクトにして強力な内面クランプ力を発生させることができるため、溶接作業においては、仮付けなどの手作業をすることなく自動溶接機を用いて、初層から自動溶接が可能であり、安定した裏波を出すなどの高い溶接品質を確保することができる。また、内面クランプによる芯合せは、中央円板103や押し金105、半径方向押し金107が行うため、搬送用ローラ115などは移動用のものであり、芯合せ、芯保持は簡単な作業で済むこと、それに、全面的に自動溶接機が利用できることから、工数低減など経済的な効果も大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 代表的な従来形の内面クランプ装置である。
【図2】 図1のA−A断面図である。
【図3】 図1の矢視“B”の側面図である。
【図4】 本発明の内面クランプ装置の横断面図で、上半分には、大径のパイプに、下半分には、小径のパイプに取付けた図となっている。
【図5】 図4のC−Cにおける部分断面図である。
【図6】 図4の矢視“D”の側面図である。
【図7】 本発明の内面クランプ装置の実施例を示す横断面図である。
【図8】 図7のE−E断面図である。
【図9】 図7の半径方向押し金、当て金部を部分拡大したものである。
【図10】 図9の矢視“F”の側面図である。
【符号の説明】
図1、図2、図3において、
201 パイプA
202 パイプB
203 当て金
204 プランジャ
205 シリンダ
206 ピストン
207 円板
208 トラニオン
209 ピン
210 カバー
211 支持体
212 ローラブラケット
213 ローラ
214 ナット
215 エア継手
216 エア継手
図4、図5、図6において、
1 パイプA
2 パイプB
3 中央円板
4 キー
5 押し金
6 タイボルト
7 半径方向押し金
8、8′ 当て金
9 軸
10 ナット
11 シール
12 ピストン
13 ローラ支持部材
14 リンク
15 リンク
16 ねじ軸
17 ローラ
18 ねじスリーブ
19 ハンドル
20 台車固定軸
21 台車本体
22 モータ
23 水冷用カバー
24 不活性ガス供給管
XX 溶接接合部
図7、図8、図9において、
101 パイプA
102 パイプB
103 中央円板
104 キー
105 押し金
106 軸
107 半径方向押し金
108 当て金
109 シール
110 タイボルト
111 ナット
112 ピストン
113 リンク
114 リンク
115 ローラ
116 軸受
117 送りねじ軸
118 送りねじ円板
119 ハンドル
120 台車固定軸
121 リンク
122 不活性ガス供給管
123 不活性ガス供給孔
124 キー溝
である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の放射状のキー溝またはキーを左右両面に設けた中央円板の中心に、左右垂直にピストンを有する軸を一体的に取付け、左右の該軸に設けたピストンに嵌合し、両側にリークタイトのカバーを設け、一方のカバーの軸貫通部にはシールを設けて、該軸に平行に移動自在で、一方に多面のテーパ面すなわち多角錘体を形成した軸方向の押し金を取付け、該押し金と該中央円板の間に、テーパ面が押し金の多角錘体の一面に当接し、反対の面は、該中央円板に当接するとともに、キーまたはキー溝が該中央円板のキーまたはキー溝に嵌合した複数個の半径方向押し金を設け、左右の該軸に取付けられたピストンと押し金および両側に設けられたカバーで構成される左右の空間に、左右独立に高圧流体を供給可能にしたことを特徴とするパイプ溶接用の内面クランプ装置。
【請求項2】
請求項1の内面クランプ装置において、左右一方のみの軸または軸方向の押し金に、移動用ローラを取付けた台車本体を固定し、これにパイプ内周面に張付け可能で、かつパイプ内面を長手方向に移動可能な複数個のローラを設けたこと。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−100280(P2008−100280A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−312200(P2006−312200)
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(592150608)小椋鉄工株式会社 (11)