説明

円形温風暖房器

【課題】衣服内や寝具内、また屋内外にて携帯使用可能な効果の高い暖房器を得る。
【解決手段】小型で円形の発熱暖房器本体から温熱を発するとともに、内部送風機により本体外周から温風を放射するものとし、充電池式にて携帯使用可能なものとする。発熱体3の内側にファンモーター4をモーターが発熱体皿1に接するように設置し発生熱を外側表面に伝えるようにしている。ファンモーター4を回転させ放射状に温風を発生させて、吐出しスリット2を通して発熱体皿1外周へ温風を放出する。発熱体皿1と充電池皿はその間に給気流入経路を挟み込むように分離して備えられ、円筒かつ遠心方向に湾曲させた形状により伸縮バネ特性を生じた弾性網21によって保持されることで伸縮復元性を奏した外郭構造を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
衣服内や寝具内、また屋内外にて携帯使用可能な暖房器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
衣服内や携帯使用型の暖房器については、燃料式または充電池式の懐炉がよく知られている。他にも服地に電熱線を組み込んだもの等や、外部装置から管を介して衣服内に温風を吹き込むもの等がある。寝具内の暖房器については、布団乾燥機兼用のものも含め、外部装置から管を介して寝具内に温風を吹き込むもの等がある。
【先行技術文献】
【0003】
特開2006−136628 登録実用3007630 実開昭56−135720 特開平4−159119 実開昭63−015415 特開平10−9678 特開平7−39688
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料式または充電池式の懐炉は受熱部位の狭さが難点である。服地に電熱線を組み込んだもの等はチョッキ型のものや全身上着型のもの等があるが、衣服の上に装着するものであり、衣服内に装着する懐炉に比べ受熱効率は低くまた外気に放熱する割合が高くなる。外部装置から管を介して衣服内に温風を吹き込むもの等は外部装置や管の装着に煩わしさを伴いがちである。また空気は熱せられやすく同時に冷めやすい特性であるため、管経路内での熱損失が大きくなる。外部装置から管を介して寝具内に温風を吹き込むもの等についても同様に管経路内での熱損失を生じるものであり、就寝時においては送風機の騒音も課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は、衣服内や寝具内で使用されるべく比較的小型で円形の発熱暖房器本体から温熱を発するとともに、内部送風機により本体外周から温風を放射するものとし、充電池式にて携帯使用可能なものとする。
【発明の効果】
【0006】
本発明において、利便性や受熱効率は懐炉と同等であるが、受熱部位は格段に広くなる。温風は管を介さず本体より直接放出されるため、管経路内での熱損失というものは無くなる。就寝時においては、比較的小型であることおよび送風機を含む本体が寝具内にて使用されるため、寝具が防音材の役目となり騒音は低減される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】円形温風暖房器の実施例を示す発熱体皿の平面図である。
【図2】円形温風暖房器の実施例を示す本体の中央付近断面図である。
【図3】円形温風暖房器の実施例を示す本体の中央付近断面図である。
【図4】円形温風暖房器の実施例を示す本体の正面図である。
【図5】円形温風暖房器の実施例を示す本体の正面図である。
【図6】円形温風暖房器の使用実施例を示す側面図である。
【図7】円形温風暖房器の使用実施例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施するためにまず発熱体を環状に配する。環状発熱体を保持するケースは円形とし外側表面より温熱を発するようにする。環状発熱体の内側に送風機を設置し羽根車を回転させ放射状に温風を発生させる。
【0009】
衣服内で使用する際は衣服の外側から、また寝具内で使用する際は暗闇でも手探りで緊急停止あるいは段階調節ができるように、本体に伸縮復元性をもたせ本体自体を圧縮することによりスイッチの切り替えを行えるようにする。
【0010】
充電池や回路基板は、発熱体の熱による悪影響を抑えるべくあるいは充電時の余熱等を外側表面に放熱利用するべく、発熱体とは反対側に位置するケースに収める。また、発熱体側と充電池側の間に挟むように送風機の吸込み流路を設け、充電池や回路基板の内部発熱を冷却するとともに温風加熱への助力とする。
【0011】
特に寝具内にて使用する際、安全性あるいは温風作用範囲を確保するべく、本体に突起カバー網を取り付けることができるものとする。
【実施例】
【0012】
実施例について図面を参照して説明すると、図1、2、3、4、5に示される実施例では、発熱体3は環状に配されており、発熱体3自体はコイル状電熱線、被覆電熱線、棒あるいは管状の発熱素子等、多種のものが想定される。発熱体3は円形の発熱体皿1にて保持されており、金属板や耐熱部材から成る発熱体皿1の外側表面より温熱を発するようにしている。発熱体3の内側にファンモーター4をモーターが発熱体皿1に接するように設置し発生熱を外側表面に伝えるようにしている。本実施例においてファンモーター4は遠心ファンであるが、配置等調整により軸流ファン等を除外するものでは無い。ファンモーター4を回転させ放射状に温風を発生させて、吐出しスリット2を通して発熱体皿1外周へ温風を放出する。
【0013】
発熱体皿1と充電池皿11はその間に給気流入経路を挟み込むように分離して備えられ、円筒かつ遠心方向に湾曲させた形状により伸縮バネ特性を生じた弾性網21によって保持されることで伸縮復元性を奏した外郭構造を形成し、どちらかの皿の外部を一時的に押圧することにより、図2から図3のように収縮した状態となり、押圧をやめると図2の状態に戻るようにする。この時、充電池皿11に設置されたリターンスイッチ16を作動させスイッチの切り替えを行うようにする。発熱体皿1と充電池皿11を分離して備えることにより、自由度のある収縮可能状態を生み出し、多少斜め方向から押圧してもスイッチの切り替えを行えるものである。
【0014】
充電池14や回路基板15は充電池皿11に収め、充電時の余熱等を外側表面に放熱させる。回路基板15は所定温度を超えるとサーモスタットを組み入れたヒータ回路にて発熱を遮断するものとする。ファンモーター4への給気は吸込みスリット12より内円盤5に沿って行い、充電池14や回路基板15の内部発熱を冷却するとともに温風加熱への助力とする。
【0015】
発熱体皿1と充電池皿11の外側表面を布地22で覆い、図6に示される使用実施例では、本体31は吊り紐32にて保持され衣服41内にて使用される。また、図7に示される使用実施例において、安全性あるいは温風作用範囲を確保するべく突起カバー網33や34を取り付けた本体31が、寝具51内にて使用されている。
【産業上の利用可能性】
【0016】
エアコンやストーブ等の暖房機器は居室内の開放された空間にて使用され、発熱エネルギーに対する使用者の受熱割合は限られたものとなる。また、コタツや電気マット等の局所暖房の場合、行動範囲が制限されがちである。省エネルギー暖房の観点において衣服内や寝具内の身体周囲最小限暖房は有効的であると思われ、屋内外にて携帯使用可能な暖房器は利便性が高いと思われる。
【符号の説明】
【0017】
1 発熱体皿、2 吐出しスリット、3 発熱体、4 ファンモーター
5 内円盤、11 充電池皿、12 吸込みスリット、14 充電池
15 回路基板、16 リターンスイッチ、21 弾性網、22 布地
31 本体、32 吊り紐、33 突起カバー網、34 突起カバー網
41 衣服、51 寝具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機を有した発熱体皿と回路基板を有した充電池皿がその間に給気流入経路を挟み込むように分離して備えられることにより自由度のある収縮可能状態を生み出し、円筒かつ遠心方向に湾曲させた形状により伸縮バネ特性を生じた弾性網によって保持されることで伸縮復元性を奏した外郭構造を形成し、どちらかの皿の外部を一時的に押圧することにより内部のスイッチを切り替えることを特徴とする円形温風暖房器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−47436(P2012−47436A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206096(P2010−206096)
【出願日】平成22年8月28日(2010.8.28)
【特許番号】特許第4725904号(P4725904)
【特許公報発行日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(391039612)
【Fターム(参考)】