説明

冊子作成装置及び冊子作成方法

【課題】セットする冊子の種類を誤った場合であっても、操作員による作業負担を軽減できる冊子作成装置および冊子作成方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、冊子作成装置は、受信部と、供給部と、読取部と、判定部と、記録部と、中止部とを有する。受信部は、個人用の冊子の作成指示と作成する冊子の種類とを受信する。供給部は、セットされた初期状態の冊子を1冊ずつ供給する。読取部は、供給部が供給する冊子の表紙の情報を読取る。判定部は、読取部により読み取った冊子の表紙の情報により供給部が供給する冊子が作成指示された種類の冊子であるか否かを判定する。記録部は、判定部により供給部が供給する冊子が作成指示された種類の冊子であると判定した場合、当該冊子に個人情報を記録する。中止部は、判定部により供給部が供給する冊子が作成指示された種類の冊子でないと判定した場合、供給部からの当該冊子の供給を中止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冊子作成装置及び冊子作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冊子作成装置は、初期状態の冊子を取り込んで個人情報を記録した個人用の冊子を作成する装置である。冊子には複数の種類があるため、従来の冊子作成装置は、取り込んだ冊子内に予め記録されている冊子の固有の情報を読み込むことにより、取り込んだ冊子の種類が作成すべき冊子の種類であるかを確認している。従来の冊子作成装置は、冊子を装置内に取り込んでから種類を判別するため、冊子の種類誤りが発生した場合には、操作者が装置内部から冊子取り除くなどの復帰作業に手間や時間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−92105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、セットする冊子の種類を誤った場合であっても、操作員による作業負担を軽減できる冊子作成装置および冊子作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、冊子作成装置は、受信部と、供給部と、読取部と、判定部と、記録部と、中止部とを有する。受信部は、個人用の冊子の作成指示と作成する冊子の種類とを受信する。供給部は、セットされた初期状態の冊子を1冊ずつ供給する。読取部は、供給部が供給する冊子の表紙の情報を読取る。判定部は、読取部により読み取った冊子の表紙の情報により供給部が供給する冊子が作成指示された種類の冊子であるか否かを判定する。記録部は、判定部により供給部が供給する冊子が作成指示された種類の冊子であると判定した場合、当該冊子に個人情報を記録する。中止部は、判定部により供給部が供給する冊子が作成指示された種類の冊子でないと判定した場合、供給部からの当該冊子の供給を中止する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、実施形態に係る冊子作成システムの構成例を概略的に示す図である。
【図2】図2は、実施形態に係る冊子作成装置の構成例を示す図である。
【図3】図3は、正しい種類の冊子がセットされた冊子作成装置による冊子作成処理における動作シーケンスを示す図である。
【図4】図4は、誤った種類の冊子がセットされた冊子作成装置による冊子作成処理における動作シーケンスを示す図である。
【図5】図5は、冊子作成装置における冊子作成処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る冊子作成システムの構成例を示す図である。
冊子作成システムは、冊子作成装置11、入力端末12、および、監視端末13より構成される。操作員(オペレータ)Pは、入力端末12あるいは監視端末13を操作し、作成する個人用の冊子に記録する個人情報などの情報を入力する。冊子作成装置11は、入力端末12あるいは監視端末13で入力された情報に基づいて個人情報を記録した個人用の冊子を作成する。
【0008】
なお、本実施形態の冊子作成システムにおいて、冊子作成装置11は、メモリとしてのICチップを内蔵した冊子に個人情報を記録したものを個人用の冊子として作成するものとする。また、個人用の冊子は、初期状態で複数の種類が存在する。個人用の冊子を作成する場合、作成する冊子の種類が選択され、選択された種類の初期状態の冊子に個人情報を記録したものが個人用の冊子として作成されるものとする。
【0009】
入力端末12は、オペレータPが冊子作成装置11により作成する個人用の冊子に記録する情報を入力したり、冊子の作成指示を入力したりするものである。入力端末12は、たとえば、監視端末13及び冊子作成装置11との通信が可能なコンピュータ(PC)などにより構成される。また、入力端末12は、オペレータが操作指示を入力するための操作部12aおよび情報を記憶する12bを有する。入力端末12は、操作部12aでオペレータPが入力した個人情報などに基づいて、作成する冊子の種類、および、個人用の冊子に印刷する情報、および、当該冊子に内蔵されるメモリ(ICチップ)に記録する情報を作成し、作成した情報を記憶部12bに記憶する。
【0010】
監視端末13は、冊子作成装置11による冊子の作成状況を監視する。また、監視端末13は、冊子作成装置11の処理状況をオペレータに報知する機能も有する。監視端末13は、入力端末12及び冊子作成装置11との通信機能を有するコンピュータ(PC)により構成できる。また、監視端末13は、情報を表示する表示部13aおよび音声を鳴らすスピーカ13bを有している。監視端末13は、冊子作成装置11からの処理状況を示す通知を受けて、冊子作成装置11における処理状況を表示部13aに表示したり、オペレータへの警告が必要な場合にはスピーカ13bで音を鳴らしたりする。
【0011】
冊子作成装置11は、ICチップを内蔵した記録媒体としての冊子に個人情報などの情報を記録した個人用の冊子を作成する。冊子作成装置11には、作成処理が施される初期状態の冊子として、オペレータが選択した種類の冊子がセットされる。冊子作成装置11は、オペレータがセットした初期状態の冊子を1冊ずつ装置内に取り込み、取り込んだ冊子に内蔵されたICチップに個人情報などの情報を書込み、当該冊子の券面に個人情報などの情報を印刷することにより、個人用の冊子を作成する。
【0012】
図2は、冊子作成装置11の構成例を示す図である。
図2に示すように、冊子作成装置11は、制御部20、供給部21、表紙情報読込部22、読込部23、書込部24、印刷部25、集積部26、および、通信部27を有する。制御部20は、冊子作成装置11全体の制御を司るものであり、プロセッサ、ROM、RAM及び各種インターフェースなどにより構成する。制御部20は、プロセッサがROMなどに記憶されたプログラムを実行することにより種々のデータ処理を実現している。
【0013】
また、通信部27は、ネットワークを介して、入力端末12および監視端末13とのデータ通信を行うインターフェースである。たとえば、通信部27は、冊子作成装置11と監視端末13との間、および、冊子作成装置11と入力端末12との間において、双方向通信を行うためのインターフェースである。また、通信部27は、冊子作成装置11から監視端末13への単方向通信を行うものであっても良い。
制御部20は、通信部27に接続され、通信部27を介して入力端末12あるいは監視端末13から情報を取得したり、入力端末12あるいは監視端末13へ情報を通知したりするようになっている。
【0014】
供給部21は、複数冊の冊子を格納する格納部を有する。供給部21の格納部には、オペレータが初期状態の冊子をセットする。オペレータは、作成する冊子の種類に応じて選択した初期状態の冊子を供給部21内の格納部にセットする。供給部21は、オペレータが初期状態の冊子を格納部にセットしたり、格納部にセットされている冊子を取り出したりし易いように構成される。供給部21は、後述する表紙情報読込部22により読み込んだ表紙情報により供給する冊子の種類が正しいことが確認された場合に、当該冊子を装置内へ供給する。
【0015】
供給部21内には、格納部にセットされた初期状態の冊子のうち次に供給される冊子の表紙を読取る表紙情報読込部22が設けられている。表紙情報読込部22は、冊子の表紙から冊子の種類が判別できる情報(例えば、色、文字、バーコード等の情報)を読み込むものである。たとえば、表紙情報読込部22は、表紙における冊子の種類を示す情報を読み取るために、カラーセンサ、ラインセンサ、バーコードリーダなどが1つ以上設置された構成を有する。表紙情報読込部22は、冊子の表紙を読み込んだ表紙情報を、制御部20へ供給する。制御部20は、表紙情報読込部22から供給される表紙情報により当該冊子の種類を判別し、当該冊子が作成対象とする冊子の種類と一致しているか否かを判定する。
【0016】
供給部21が冊子作成装置11内に供給する冊子は、読込部23に取り込まれる。読込部23は、供給部21から取り込まれた冊子から冊子固有の情報を取得する。たとえば、読込部23は、冊子に内蔵されているICチップから予め記憶されている固有情報を読み込む。
【0017】
読込部23により固有情報が読み込まれた冊子のICチップには、書込部24により個人情報を含む情報が書き込まれる。書込部24は、冊子に内蔵されたICチップに個人情報などを含む情報を書き込む。たとえば、冊子に内蔵されるICチップは、プロセッサ、メモリ及び非接触式通信部などを有し、上位装置(読込部23、書込部24)からのコマンドに応じてデータの書き込み及び読み出しなどの処理を行う装置である。この場合、読込部23及び書込部24は、ICリーダライタRWとして一体的に形成される装置で構成しても良い。
【0018】
印刷部25は、冊子に印刷を行う。印刷部25は、たとえば、冊子におけるパーソナル頁に個人情報(氏名、顔画像等)を含む情報を印刷する。印刷部25は、顔画像を印刷するためのカラープリンタ、蛍光画像を印刷するための蛍光プリンタ、および、所定のフォーマットで所定情報を所定位置(MRZ:マシンリーダブルエリア)にプリントするモノクロプリンタなどにより構成する。印刷部25により印刷処理が施された冊子は、正常に作成された個人用の冊子として、集積部26に集積される。集積部26は、複数の冊子が集積可能な集積庫を有し、作成された個人用の冊子が集積される。
【0019】
次に、上記冊子作成システムの動作について説明する。
図3は、冊子作成システムにおいて、正しい種類の冊子がセットされた冊子作成装置が冊子を作成する処理を含む動作シーケンスを示す図である。
まず、オペレータは、入力端末12の操作部12aを使用し、作成する冊子の種類を指定して作成する冊子に記録及び印刷する個人情報を入力する(ステップS10)。入力端末12は、入力された情報を基に作成する冊子のICチップに書き込むべき情報と作成する冊子の券面(パーソナル頁)に印刷すべき情報とを作成する。入力端末12は、入力された情報から作成した冊子に記録及び印刷すべき情報を記憶部12bに保存する(ステップS11)。冊子に記録する情報を保存すると、入力端末12は、冊子作成装置11に対して、作成する冊子の種類を指定して冊子の作成を指示するとともに、冊子のICチップに書き込むべき情報と券面に印刷すべき情報と送信する(ステップS12)。
【0020】
入力端末12からの冊子作成指示は、冊子作成装置11の通信部27により受信される。入力端末12からの冊子の作成指示を受信する場合、制御部20は、冊子の作成指示とともに、作成する冊子の種類を指定する情報と、冊子のICチップに記録する情報と、冊子の券面に印刷する情報とを受信する。
【0021】
入力端末12からの冊子の作成指示を受信すると、制御部20は、供給部21内において表紙情報読込部22により次に供給される冊子の表紙情報を読み込む(ステップS13)。表紙情報読込部22は、読み込んだ冊子の表紙情報を制御部20へ供給する。制御部20は、表紙情報読込部22から供給される表紙情報により次に供給される冊子の種類を判別する(ステップS14)。制御部20は、たとえば、表紙情報に基づいて、表紙の色、または、表紙の所定位置に記載される文字などのより冊子の種類を判別する。
【0022】
冊子の種類を判別すると、制御部20は、供給部21から次に供給される冊子の種類と作成が指示された冊子の種類とが一致するか否かを判断する(ステップS15)。供給される冊子の種類と作成すべき冊子の種類とが一致とすると判断すると、制御部20は、供給部21により冊子を装置内へ供給させる(ステップS16)。供給部21が冊子を供給すると、読込部23は、供給部21から取り込んだ冊子から固有情報を読み込む(ステップS17)。さらに、書込部24は、入力端末12から冊子のICチップへの書き込みが指示された個人情報を当該冊子のICチップへ書き込む処理を行う(ステップS18)。
【0023】
たとえば、書込部24は、データの書き込みコマンドを冊子のICチップへ供給し、冊子のICチップから当該コマンドに対する書き込み完了を示すレスポンスを受けることより、データの書き込み処理を行う。なお、情報の書込処理が正常に完了した場合、書込部24は、当該ICチップにおけるデータの書き換えなどができないように、当該ICチップを閉塞する閉塞処理を行うようにしても良い。このICチップへの閉塞処理により、ICチップに書き込んだデータのセキュリティが保護される。
【0024】
印刷部25は、書込部24によりICチップに個人情報が書き込まれた冊子のパーソナル頁に入力端末12から取得した個人情報(氏名、顔画像等)を含む情報を印刷する(ステップS19)。印刷部25は、たとえば、顔画像、蛍光画像、および、MRZにおける所定の情報を当該冊子のパーソナル頁に印刷する。印刷部25による個人情報を含む情報の印刷が正常終了した冊子は、正常に作成された個人用の冊子として、集積部26に排出される(ステップS20)。正常に作成された個人用の冊子を集積部26に集積すると、制御部20は、監視端末13および入力端末12へ冊子の作成完了を通知する(ステップS21、S22)。なお、入力端末12は、作成完了の通知を受けた場合、記憶部12bに記憶した当該冊子に記録及び印刷する情報を削除する。
【0025】
図4は、冊子作成システムにおいて、冊子作成装置11にセットされている冊子の種類の誤り(不一致)を検出した場合の動作シーケンスを示す図である。
まず、オペレータは、入力端末12の操作部12aを使用し、作成する冊子の種類を指定して作成する冊子に記録及び印刷する個人情報を入力する(ステップS10)。入力端末12は、入力された情報から作成する冊子に記録及び印刷すべき情報を記憶部12bに保存する(ステップS11)。冊子に記録する情報を保存すると、入力端末12は、冊子作成装置11に対して、作成する冊子の種類を指定して冊子の作成を指示するとともに、冊子のICチップに書き込むべき情報と券面に印刷すべき情報と送信する(ステップS12)。
【0026】
入力端末12からの冊子の作成指示を受信すると、制御部20は、供給部21内において表紙情報読込部22により供給部21から次に供給される冊子の表紙情報を読み込む(ステップS13)。表紙情報読込部22は、読み込んだ冊子の表紙情報を制御部20へ供給する。制御部20は、表紙情報読込部22から供給される表紙情報により次に供給される冊子の種類を判別する(ステップS14)。冊子の種類を判別すると、制御部20は、供給部21から次に供給される冊子の種類と作成が指示された冊子の種類とが一致するか否かを判断する(ステップS15)。
【0027】
供給部21から供給される冊子(供給部21にセットされている冊子)の種類と作成すべき冊子の種類とが一致しないと判断すると、制御部20は、冊子の作成処理を中止する(ステップS20)。冊子の作成処理を中止する中止処理として、制御部20は、供給部21による冊子の供給を直ちに中止するとともに、当該冊子の作成指示を取り消し、当該冊子に記録及び印刷すべき情報を削除する。冊子の作成処理を中止すると、制御部20は、通信部27により供給部21にセットされている冊子の種類が作成すべき冊子の種類と一致しないこと(冊子種類の誤りであること)を監視端末13と入力端末12とへ通知する(ステップS21、S22)。
【0028】
冊子作成装置11の供給部21にセットされている冊子の種類と作成すべき冊子の種類とが一致しない旨の通知を受けた場合、監視端末13は、供給部21にセットされている冊子の種類が誤っている(作成すべき冊子の種類と一致しない)旨を表示部13aに表示するとともに(ステップS23)、スピーカ13bからオペレータの注意を喚起するための音を鳴らす(ステップS24)。たとえば、監視端末13は、冊子作成装置11の供給部21にセットした冊子種類の誤りを案内するとともに、正しい種類の冊子を入れなおす旨の案内を表示する。
【0029】
この状態において、オペレータは、冊子作成装置11における供給部21にセットされている冊子を抜き取り(ステップS25)、正しい種類の冊子を供給部21に再セットする(ステップS26)。これらの作業が終了すると、オペレータは、入力端末12により冊子の作成再開を指示入力する(ステップS27)。作成再開が指示されると、入力端末12は、記憶部12bに記憶しておいた先に入力された入力情報(冊子に記録及び印刷すべき情報)を読み出す(ステップS28)。
【0030】
冊子に記録する情報を読み出すと、入力端末12は、上記ステップS12と同様に、冊子作成装置11に対して、作成する冊子の種類を指定して冊子の作成を指示するとともに、冊子のICチップに書き込むべき情報と券面に印刷すべき情報と送信する(ステップS29)。すなわち、ステップS29の冊子の作成指示は、上記ステップS12と同様なものである。従って、冊子の作成指示を受けた冊子作成装置11は、上記ステップS13からの処理を再び実施する。
【0031】
上述した動作シーケンスでは、冊子の取り込み前に冊子種類を特定し、作成する冊子の種類と取り込む冊子の種類との一致を確認し、セットした冊子の種類が間違っている場合、当該冊子を装置内に供給することなく、冊子種類の誤りを通知する。これにより、操作者は、冊子の作成を指示してから短時間で冊子の入れ間違いを認識できる。また、誤った種類の冊子は、装置内に供給される前(供給部内)で留まっているため、冊子の入れ替えをするだけで冊子の再作成が可能となる。このため、装置内に補充された冊子を入れ替えてから、冊子の作成を再開するまでに実施する操作者の作業量と作業時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0032】
次に、冊子作成装置11の冊子の作成処理について説明する。
図5は、冊子作成装置11における冊子の処理を説明するためのフローチャートである。
冊子作成装置11は、入力端末12からの冊子作成指示を通信部27により受信する。入力端末12から冊子の作成指示を受信すると(ステップS31、YES)、制御部20は、供給部21内に冊子がセットされているか否かをチェックする(ステップS32)。
【0033】
供給部21内に冊子がセットされていないと判断した場合(ステップS32、NO)、制御部20は、監視端末13および入力端末12に対して初期状態の冊子を供給部21に補充する旨を通知する(ステップS34、S35)。冊子の補充を通知した後、制御部20は、受信した冊子の作成指示を取り消し(ステップS35)、上記ステップS31へ戻る。受信した冊子の作成指示を取り消す場合、制御部20は、受信した冊子の作成指示とともに、冊子に記録及び印刷すべき情報として受信した情報なども削除する。
【0034】
供給部21内に冊子がセットされていると判断した場合(ステップS32、YES)、制御部20は、供給部21内において表紙情報読込部22により次に供給される冊子の表紙情報を読み込む(ステップS36)。表紙情報読込部22は、読み込んだ冊子の表紙情報を制御部20へ供給する。制御部20は、表紙情報読込部22から供給される表紙情報により次に供給される冊子の種類を判別する(ステップS37)。供給部21が次に供給する冊子の種類を判別すると、制御部20は、供給される冊子の種類と作成が指示された冊子の種類とが一致するか否かを判断する(ステップS38)。
【0035】
供給される冊子の種類と作成すべき冊子の種類とが一致とすると判断した場合(ステップS38、YES)、制御部20は、供給部21から冊子を装置内へ供給させる(ステップS39)。供給部21が冊子を供給すると、読込部23は、供給部21から取り込んだ冊子から固有情報を読み込み(ステップS40)、書込部24は、入力端末12から冊子のICチップへの書き込みが指示された個人情報を含む情報を当該冊子のICチップへ書き込む(ステップS41)。書込部24によりICチップに個人情報が書き込まれると、印刷部25は、当該冊子の所定の頁(パーソナル頁)に入力端末12から取得した個人情報(氏名、顔画像等)を含む情報を印刷する(ステップS42)。印刷部25による個人情報を含む情報の印刷が正常終了した場合、制御部20は、当該冊子を正常に作成された個人用の冊子として、集積部26に排出する(ステップS43)。なお、正常に作成された個人用の冊子を集積部26に集積すると、制御部20は、監視端末13および入力端末12へ冊子の作成完了を通知する(ステップS44、S45)。
【0036】
また、供給部21から次に供給される冊子の種類と作成すべき冊子の種類とが一致しないと判断した場合(ステップS38、NO)、制御部20は、供給部21による冊子の供給を直ちに中止する(ステップS46)。さらに、制御部は、通信部27により供給部21にセットされている冊子の種類が作成すべき冊子の種類と一致しないこと(冊子種類の誤りであること)を監視端末13および入力端末12へ通知する(ステップS47、S48)。冊子の種類誤りを通知した後、制御部20は、受信した冊子の作成指示を取り消し(ステップS35)、上記ステップS31へ戻る。
【0037】
上記したように、冊子作成装置は、冊子の作成指示を受けた場合、供給部にセットされている冊子の種類を特定し、供給部にセットされている冊子の種類と作成が指示された冊子の種類とが一致するか否かを確認する。供給部にセットされている冊子の種類と作成すべき冊子の種類とが一致しない場合、冊子作成装置は、当該冊子を装置内に取り込むことを中止し、供給部にセットされている冊子の種類が誤っている(作成すべき冊子の種類と適合しない)旨を監視端末および入力端末へ通知する。
【0038】
これにより、操作者は、冊子の作成を指示してから短時間で冊子作成装置にセットした冊子の種類が作成すべき冊子の種類と異なっていることを認識できる。また、誤った種類の冊子を供給部内に留めた状態で作成を中止するため、操作者は、供給部内の冊子を正しい種類の冊子に入れ替えをするだけで冊子の再作成が可能となる。これにより、正しい種類の冊子をし直して冊子の作成を再開するまでに要する操作者の作業量と作業時間とが削減できる。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0040】
11…冊子作成装置、12…入力端末、12a…操作部、12b…記憶部、13…監視端末、13a…表示部、13b…スピーカ、20…制御部、21…供給部、22…表紙情報読込部、23…読込部、24…書込部、25…印刷部、26…集積部、27…通信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人用の冊子を作成する冊子作成装置において、
個人用の冊子の作成指示と作成する冊子の種類とを受信する受信部と、
セットされた初期状態の冊子を1冊ずつ供給する供給部と、
前記供給部が供給する冊子の表紙の情報を読取る読取部と、
前記読取部により読み取った冊子の表紙の情報により前記供給部が供給する冊子が作成指示された種類の冊子であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記供給部が供給する冊子が作成指示された種類の冊子であると判定した場合、当該冊子に個人情報を記録する記録部と、
前記判定部により前記供給部が供給する冊子が作成指示された種類の冊子でないと判定した場合、前記供給部からの当該冊子の供給を中止する中止部と、
を具備することを特徴とする冊子作成装置。
【請求項2】
さらに、前記判定部により前記供給部が供給する冊子が作成指示された種類の冊子でないと判定した場合、前記供給部が供給する冊子の種類と作成が指示された冊子の種類とが不一致であることを通知する通知部を有する、
ことを特徴とする前記請求項1に記載の冊子作成装置。
【請求項3】
前記中止部は、前記判定部により前記供給部が供給する冊子が作成指示された種類の冊子でないと判定した場合、前記供給部からの当該冊子の供給を中止するとともに、前記受信部により受信した冊子の作成指示を取り消す、
ことを特徴とする前記請求項1又は2に何れかに記載の冊子作成装置。
【請求項4】
個人情報を記録した冊子を作成する冊子作成方法であって、
個人用の冊子の作成指示と作成する冊子の種類とを受信し、
作成処理の対象となる初期状態の冊子の表紙の情報を読取り、
前記読み取った冊子の表紙の情報により作成処理の対象となる初期状態の冊子の種類が作成指示された種類の冊子であるか否かを判定し、
前記作成処理の対象となる初期状態の冊子の種類が作成指示された種類の冊子であると判定された場合、当該初期状態の冊子に個人情報を記録して個人用の冊子を作成し、
前記作成処理の対象となる初期状態の冊子の種類が作成指示された種類の冊子でないと判定された場合、当該初期状態の冊子に対する処理を中止する、
ことを特徴とする冊子作成方法。
【請求項5】
さらに、前記作成処理の対象となる初期状態の冊子の種類が作成指示された種類の冊子でないと判定された場合、前記作成処理の対象となる初期状態の冊子の種類と作成が指示された冊子の種類とが不一致であることを通知する、
ことを特徴とする前記請求項4に記載の冊子作成方法。
【請求項6】
さらに、前記作成処理の対象となる初期状態の冊子の種類が作成指示された種類の冊子でないと判定された場合、前記受信した冊子の作成指示を取り消す、
ことを特徴とする前記請求項4又は5に何れかに記載の冊子作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−67048(P2013−67048A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205931(P2011−205931)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)