説明

冷却装置及び画像形成装置

【課題】冷却部材の用紙搬送方向下流側端部付近で冷却効率が低下するのを抑制できる冷却装置及びその冷却装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】冷却媒体が流れる流路が内部に形成され、記録材搬送方向下流側端部と上流側端部それぞれに流入口と排出口とが設けられた冷却部材と、前記流入口と前記排出口とに繋げた配管を通して冷却部材内に冷却媒体を搬送する冷却媒体搬送手段とを備え、前記冷却部材の冷却面に記録材を直接または熱伝達部材を介して接触させて該記録材を冷却する冷却装置において、複数の前記冷却部材を各冷却部材間に隙間をあけるか断熱部材を配置して設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に用いられる冷却装置、及び、その冷却装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置としては、電子写真技術を用いて記録材である用紙上にトナー画像を形成し、熱定着装置を通過させることでトナーを溶融し融着させるものが知られている。一般に熱定着装置の温度は、トナーや用紙の種類、用紙搬送スピードなどによって異なるが180[℃]〜200[℃]程度の温度に設定され制御されて、トナーを瞬時に融着させる。熱定着装置を通過した直後の用紙の表面温度は、用紙の熱容量(比熱、密度など)に左右されるが例えば100[℃]〜130[℃]程度の高い温度となっている。トナーの溶融温度はもっと低いので、熱定着装置通過直後の時点ではトナーは少し軟らかいままであり、用紙が冷えるまでは、しばらく粘着状態にある。そのため、連続的に画像出力動作が繰り返され熱定着装置通過後の用紙が排紙収容部に積載される場合、用紙上のトナーが十分に硬化できず軟化状態にあると、用紙上のトナーが別の用紙に貼り付く所謂ブロッキング現象が起こり、画像品質が著しく低下することがある。
【0003】
電子写真方式の画像形成装置では定着装置によって加熱・加圧を行うことで用紙上に転写されたトナーを定着させる。このとき、用紙が熱を持ったまま排紙トレイにスタックされていくと積み重なった用紙内にこもった熱によってトナーが軟化し、さらに用紙が重なることで自重による圧力が生じ、トナーによって用紙間が貼りついてしまう。これを無理に剥がそうとするとトナー像が壊れてしまう。このブロッキングと呼ばれる現象を抑制するためには、定着後の用紙を十分に冷却するための装置が必要である。
【0004】
特許文献1に記載の画像形成装置では、内部に設けられた流路を用紙搬送方向上流側から下流側に向けて冷却媒体である冷却液が流れ、搬送されている用紙に接触しつつ冷却するブロック状の冷却部材を備えた冷却装置が、熱定着装置よりも用紙搬送方向下流側に設けられている。熱定着装置通過後の用紙が冷却装置の冷却部材によって冷却されることで、用紙上のトナーも冷やされ硬化し、上記ブロッキング現象が起こるのを抑えることができる。また、冷却部材の用紙搬送方向下流側端部に設けられた流入口から前記流路を通り用紙搬送方向上流側端部に設けられた排出口に向かって冷却部材内に冷却液が流され、用紙から熱を奪うことで温度が上昇した冷却部材が冷却液により冷却される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
冷却部材の用紙搬送方向上流側から下流側に向けて冷却液を流して用紙の冷却を行った場合には、冷却部材の用紙搬送方向上流側から下流側で順次、搬送される用紙の熱を奪う。そのため、冷却部材内を流れる冷却液の温度が用紙搬送方向上流側から用紙搬送方向下流側に行くにつれて高くなるので、用紙搬送方向下流側で冷却部材の内部を流れる冷却液と用紙との温度差が小さくなり過ぎて、冷却効率が低下してしまう。
【0006】
一方、特許文献1に記載の冷却装置のように、冷却部材の用紙搬送方向下流側から上流側に向けて冷却液を流すことで、用紙搬送方向上流側から下流側に向けて冷却液を流す場合よりも、用紙搬送方向下流側で温度の低い冷却液により用紙を冷却することができる。そのため、用紙搬送方向上流側から下流側に向けて冷却液を流す場合よりも、用紙搬送方向下流側で冷却部材の内部を流れる冷却液と用紙との温度差を大きくすることができ、冷却部材の用紙搬送方向下流側端部付近での冷却効率を向上させることができる。
【0007】
しかしながら、冷却部材の用紙搬送方向上流側で用紙から吸熱した熱が用紙搬送方向下流側に伝わり、その熱によって冷却部材内の用紙搬送方向下流側端部付近を流れる冷却液の温度が上昇してしまう。そのため、冷却部材内で用紙搬送方向下流側から上流側に向けて冷却液を流したとしても、用紙搬送方向上流側から下流側に伝わった冷却部材の熱によって用紙搬送方向下流側端部付近を流れる冷却液の温度が上昇してしまう分、冷却部材の用紙搬送方向下流側端部付近で冷却効率が低下するといった問題が生じる。
【0008】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、冷却部材の用紙搬送方向下流側端部付近で冷却効率が低下するのを抑制できる冷却装置及びその冷却装置を備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、冷却媒体が流れる流路が内部に形成され、記録材搬送方向下流側端部と上流側端部それぞれに流入口と排出口とが設けられた冷却部材と、前記流入口と前記排出口とに繋げた配管を通して冷却部材内に冷却媒体を搬送する冷却媒体搬送手段とを備え、前記冷却部材の冷却面に記録材を直接または熱伝達部材を介して接触させて該記録材を冷却する冷却装置において、複数の前記冷却部材を各冷却部材間に隙間をあけるか断熱部材を配置して設けたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明においては、冷却部材間に隙間をあけるか断熱部材を配置して複数の冷却部材を設けているので、冷却部材間で熱が伝わるのを抑制することができる。これにより、各冷却部材の用紙搬送方向の幅の合計と同程度の用紙搬送方向の幅を有する1つの冷却部材を用いて用紙の冷却を行う場合よりも、冷却部材内で用紙搬送方向上流側から下流側に伝わる熱が少なくなり、冷却部材の用紙搬送方向下流側端部付近の温度上昇を低減させることができる。よって、冷却部材の用紙搬送方向下流側端部付近を流れる冷却液の温度上昇を低減でき、冷却部材の用紙搬送方向下流側端部付近で冷却効率が低下するのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上、本発明によれば、冷却部材の用紙搬送方向下流側端部付近で冷却効率が低下するのを抑制できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ある長さX[mm]に関して冷却プレート1を一つ設けた場合と、同じ長さに関して2分割した2つの冷却部材を設けた場合それぞれの冷却部材の温度分布に関する図。
【図2】本実施形態に係る冷却装置を搭載したタンデム型中間転写ベルト方式のカラー画像形成装置の構成概略図。
【図3】構成例1に係る冷却装置の全体構成図。
【図4】冷却装置の冷却プレート1b周辺の模式図。
【図5】冷却装置の冷却プレート1a周辺の模式図。
【図6】冷却部材周辺の側面図と、それに対応した温度分布のグラフ。
【図7】冷却部材間に断熱部材を設けた場合の冷却装置の全体構成図。
【図8】構成例2に係る冷却装置の冷却プレート周辺の模式図。
【図9】2つの冷却部材を上下方向で対向させて設けた構成の概略図。
【図10】2つの冷却部材を上下方向で対向させて設けた他の構成の概略図。
【図11】用紙の上面に形成されたトナー像を効率良く冷却することができる構成の他例を示した概略図。
【図12】図11に示した冷却装置の冷却プレート周辺の模式図。
【図13】2つの冷却部材を上下方向で対向させて設けた他の構成の概略図。
【図14】用紙両面をほぼ均等に冷却することができる構成の他例を示した概略図。
【図15】図14に示した冷却装置の冷却プレート周辺の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態に係る冷却装置18を搭載したタンデム型中間転写ベルト方式のカラー画像形成装置の構成概略図を図2に示す。
【0014】
なお、冷却装置18は、画像形成装置に設けられるものに限定されることなく、シート状部材の冷却が必要な装置であれば適応可能である。また、本構成例では、冷却媒体として液体を用いて説明するが、流体の媒体であれば気体でも構わない。
【0015】
複数のローラによって中間転写媒体としての中間転写ベルト51を展張し、中間転写ベルト51はこれらのローラにより回転するように構成すると共に、中間転写ベルト51のまわりに画像形成用のプロセス手段を配置している。
【0016】
中間転写ベルト51の回転方向を図中矢印aとするとき、中間転写ベルト51の上方であってローラ52とローラ53との間には、中間転写ベルト51の回転方向の上流側から順に画像形成用のプロセス手段として、画像ステーション54Y、画像ステーション54C、画像ステーション54M、画像ステーション54Bkが配置されている。例えば画像ステーション54Yは、ドラム状の感光体111Yの周囲に帯電装置10Y、光書き込み装置12Y、現像装置13Y、クリーニング装置14Yが配置されている。さらに中間転写ベルト51を挟んで感光体111Yの対向位置に中間転写ベルト51への転写手段としての一次転写ローラ15Yが設けられている。また、他の3つの画像ステーション54C,54M,54Bkも同一構成となっている。そして、それら4つの画像ステーション54Y,54C,54M,54Bkが互いに所定のピッチ間隔となるように左右並列に配置されている。
【0017】
本実施形態では光書き込み装置12をLEDを光源とする光学系としているが、半導体レーザーを光源とするレーザー光学系で構成することもでき、感光体111に対して画像情報に応じた露光を行う。
【0018】
中間転写ベルト51の下方には、シート状部材である用紙Pの用紙収納部19および給紙コロ223、レジストローラ対221、中間転写ベルト51を張架するローラ55に中間転写ベルト51を介して対向するように設けられ中間転写ベルト51から用紙Pへのトナー像の転写手段としての二次転写ローラ56、中間転写ベルト51の裏面に接するローラ58の対向位置で中間転写ベルト51のおもて面に接するように設けられ中間転写ベルト51のおもて面をクリーニングするクリーニング装置59、熱定着装置16、用紙Pを冷却する冷却プレート1a及び冷却プレート1bを有する冷却装置18、トナー定着後の用紙Pの排出部である排紙収容部17などが配置されている。そして、用紙収納部19から排紙収容部17へ至る用紙搬送路28が延びている。また、両面画像形成時に用紙Pの裏面への画像形成を行う際に、冷却装置18を一度通過した用紙Pの表裏を反転させ、再度、レジストローラ対221へ搬送する両面画像形成用の用紙搬送路29も備えている。
【0019】
なお、冷却装置18には、冷却プレート1a及び冷却プレート1b、ポンプ100、タンク101、ラジエータ103、冷却ファン104などが設けられている。冷却プレート1a及び冷却プレート1bは、用紙Pの熱を受熱する受熱部である。タンク101は、冷却媒体である冷却液を貯留する貯留部である。配管105は、冷却プレート1a及び冷却プレート1bそれぞれに設けられた流入口と排出口とに接続されるとともに、冷却プレート1aと冷却プレート1bとラジエータ103とタンク101とポンプ100との間で冷却液が循環できるようにそれらを連結させる配管である。ポンプ100は、タンク101に貯留された冷却液を配管105を通して搬送する冷却媒体搬送手段である。ラジエータ103は、冷却プレート1a及び冷却プレート1bで用紙Pから冷却液が奪った熱を画像形成装置外に放熱する放熱部である。冷却ファン104は、ラジエータ103に装着されておりラジエータ104周辺に気流を発生させてラジエータ103を冷やす気流発生手段である。
【0020】
冷却液の循環経路は配管105の矢印で示すように、ラジエータ103で冷やされた冷却液を、冷却プレート1a及び冷却プレート1bへ供給し、そして冷却プレート1a及び冷却プレート1b内を廻ってから排出する。その後にタンク101、ポンプ100へ送り、再び、ラジエータ103に戻す順序である。ポンプ100の回転圧力により冷却液を循環させ、ラジエータ103で放熱することで冷却液、如いては冷却プレート1a及び冷却プレート1bを冷やす。ポンプ100の送液能力やラジエータ103の大きさなどは、熱設計条件(冷却プレート1a及び冷却プレート1bが冷却すべき熱量と温度の条件)によって決定される流量、圧力、冷却効率などを元に選定される。
【0021】
画像の形成プロセスは、画像ステーション54Yに着目すれば、一般の静電記録方式に準じていて、暗中にて帯電装置10Yにより一様に帯電された感光体111Y上に光書き込み装置12Yにより露光して静電潜像を形成する。そして、この静電潜像を現像装置13Yによりトナー像として可視像化する。そのトナー像は一次転写ローラ15Yにより感光体111Y上から中間転写ベルト51に転写される。転写後の感光体111Yの表面はクリーニング装置14Yによりクリーニングされる。他の画像ステーション54も画像ステーション54Yと同構成であり、同様の画像形成プロセスが行われる。
【0022】
画像ステーション54Y,54C,54M,54Bkにおける各現像装置13Y,13C,13M,13Bkは、それぞれ異なる4色のトナーによる可視像化機能を有している。そのため、各画像ステーション54Y,54C,54M,54Bkでイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを分担すれば、フルカラー画像を形成することができる。よって、中間転写ベルト51の同一画像形成領域が4つの画像ステーション54Y,54C,54M,54Bkを順次通過する間に、中間転写ベルト51を挟むようにして各感光体111とそれぞれ対向して設けられた一次転写ローラ15により与えられる転写バイアスによって、それぞれ1色ずつトナー像を中間転写ベルト51上で重ね合わせるように転写する。これにより、上記同一画像形成領域が各画像ステーション54Y,54C,54M,54Bkを1回通過した時点で、この同一画像領域に、重ね転写によってフルカラートナー画像を得ることができる。
【0023】
そして、中間転写ベルト51上に形成されてフルカラートナー画像は、用紙Pに転写される。転写後の中間転写ベルト51はクリーニング装置59によりクリーニングされる。用紙Pへの転写は転写時において二次転写ローラ56に転写バイアスを印加して、中間転写ベルト51を介して二次転写ローラ56とローラ55との間に転写電界を形成し、二次転写ローラ56と中間転写ベルト51とのニップ部に用紙Pを通過させることにより行なわれる。中間転写ベルト51から用紙Pへのフルカラートナー像の転写後、用紙P上に担持されたフルカラートナー像を熱定着装置16で用紙P上に定着することにより、用紙P上にフルカラーの最終画像が形成され、その後、用紙Pは排紙収容部17に積載される。
【0024】
本実施形態の画像形成装置においては、排紙収容部17に用紙Pが積載される前に、用紙Pが熱定着装置16の直後に配置された冷却装置18を通過する。通過する際、熱定着装置16で熱せられた用紙Pが受熱部である冷却プレート1a及び冷却プレート1bに接触しながら通過することになる。このとき、冷却プレート1a及び冷却プレート1bの用紙Pと対向する冷却面で用紙Pから熱を吸熱し、この熱を冷却プレート1a及び冷却プレート1b内部の冷却液へ伝達する。熱が伝達され高温となった冷却液は、この後、冷却プレート1a及び冷却プレート1bから排出されタンク101やポンプ100を経て、冷却ファン104を装着したラジエータ103に送られ、そこで熱が画像形成装置外に排熱される。ラジエータ103で熱が除去され室温近くにまで下げられた冷却液は、その後、再び冷却プレート1a及び冷却プレート1bへと送られる。このような冷却液による高い冷却性能の排熱サイクルによって、熱定着装置16で熱せられて高温となった用紙Pが効率良く冷やされる。
【0025】
用紙Pが排紙収容部17に積載される時点で、用紙P上のトナーを確実に硬化状態とさせることができる。特に、熱定着装置16により用紙Pに対して2度の定着動作がなされる両面画像形成出力の際に大きな問題となっていたブロッキング現象を回避することができる。
【0026】
[構成例1]
図3は、本構成例に係る冷却装置18の全体構成について説明する図である。
冷却装置18内の液冷システムとして、例えば図3のような構成を考える。本構成では内部に冷却液循環経路が形成された冷却部材である冷却プレート1a及び冷却プレート1b、ポンプ100、ラジエータ103、及び、タンク101が、ゴムチューブからなる配管105によって接続されている。
【0027】
図4は冷却装置18の冷却プレート1b周辺の模式図である。
冷却プレート1bの用紙搬送方向下流側端部付近の側面に、冷却プレート1b内に冷却液を流入する流入口70bが設けられている。また、冷却プレート1bの用紙搬送方向上流側端部付近の側面に、冷却プレート1b内から冷却液を排出する排出口71bが設けられている。流入口70bと排出口71bとは、冷却プレート1b内で用紙搬送方向と直交する方向である用紙幅方向で往復するように曲った内部流路73bに繋がっている。そして、一端側がポンプ100に接続された配管105aの他端側が流入口70bに接続されており、配管105cの一端側が排出口71bに接続されている。
【0028】
図5は冷却装置18の冷却プレート1a周辺の模式図である。
冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近の側面に、冷却プレート1a内に冷却液を流入する流入口70aが設けられている。また、冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側端部付近の側面に、冷却プレート1a内から冷却液を排出する排出口71aが設けられている。流入口70aと排出口71aとは、冷却プレート1a内で用紙搬送方向と直交する方向である用紙幅方向で往復するように曲った内部流路73aに繋がっている。そして、一端側が冷却プレート1bの排出口71bに接続された配管105cの他端側が流入口70aに接続されており、一端側がラジエータ103に接続された配管105bの他端側が排出口71aに接続されている。
【0029】
本構成例では、図4や図5に示すように、冷却プレート1aの同側面に流入口70aと排出口71aとを設けたり、冷却プレート1bの同側面に流入口70bと排出口71bとを設けたりしている。これにより、配管105a、配管105b及び配管105cを用紙幅方向で冷却プレート1a及び冷却プレート1bの片側に集中させることができ、装置内で配管105の無駄な這い回しを低減でき、省スペース化を図ることができる。
【0030】
タンク101内の冷却液はポンプ100によって送液されることで配管105aを通って流入口70bから冷却プレート1b内に流入する。そして冷却液は冷却プレート1b内を流れながら吸熱を行い、排出口71bから配管105cへと冷却プレート1b内から冷却液が排出され、その排出された冷却液が配管105cを通って流入口70aから冷却プレート1a内に流入する。そして、冷却プレート1a内部を冷却液が流れ吸熱を行った後、排出口71aから配管105bへと冷却プレート1a内から冷却液が排出される。このように冷却プレート1a及び冷却プレート1bの内部を流れている間に吸熱によって高温となった冷却液は、ラジエータ103内を通過することで放熱を行い、低温になってタンク101に戻ってくる。
【0031】
熱定着装置16に設けられた内部にヒータを持つ加熱定着ローラ対116によって表面にトナーが加熱定着され高温となった用紙Pは、搬送ローラ対60から搬送力を受けて冷却プレート1a及び冷却プレート1bの上面である冷却面11a及び冷却面11bに接触しながら搬送される。このとき、冷却プレート1a及び冷却プレート1bは、それぞれの冷却面11a及び冷却面11bに接した用紙Pから熱伝導によって熱を奪い、用紙Pの冷却が行われる。
【0032】
図6は、冷却プレート1a周辺を側面側から見た側面図と、それに対応した冷却プレート1a、用紙P及び冷却液の用紙搬送方向における温度分布図とを示したものである。なお、図6に示した温度分布図は、横軸を用紙搬送方向の位置とし、縦軸を温度としてプロットしている。
【0033】
加熱定着ローラ対116によって加熱された用紙Pが、搬送ローラ対60からの搬送力で冷却プレート1aの冷却面11aに接触しながら搬送され冷却されると、用紙Pから熱を奪った冷却プレート1aに用紙搬送方向で温度分布が生じる。
【0034】
図6中の太線(線A、破線B及び一点鎖線C)は、冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近の側面に設けられた流入口70aから冷却プレート1a内に冷却液を流入させ、内部流路73aを通して冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側端部付近の側面に設けられた排出口71bから冷却液を排出させたときの温度分布を示している。すなわち、冷却プレート1a内を冷却液が用紙搬送方向下流側から上流側に向かって流れる場合での温度分布を示している。
【0035】
なお、線Aは、冷却プレート1aの用紙搬送方向における温度分布曲線である。破線Bは、冷却プレート1a内を流れる冷却液の用紙搬送方向における温度分布曲線である。一点鎖線Cは、用紙Pの用紙搬送方向における表面温度曲線である。
【0036】
図6中の細線(線a、破線b及び一点鎖線c)は、比較例として冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側端部付近の側面に設けられた排出口71aから冷却プレート1a内に冷却液を流入させ、内部流路73aを通して冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近の側面に設けられた流入口70aから冷却液を排出させたときの温度分布を示している。すなわち、冷却プレート1a内を冷却液が用紙搬送方向上流側から下流側に向かって流れる場合での温度分布を示している。
【0037】
なお、線aは、冷却プレート1aの用紙搬送方向における温度分布曲線である。破線bは、冷却プレート1a内を流れる冷却液の用紙搬送方向における温度分布曲線である。一点鎖線cは、用紙Pの用紙搬送方向における表面温度曲線である。
【0038】
図6からわかるように、冷却プレート1aの用紙搬送方向の温度分布を示した線Aと線aとを比較すると、線Aのほうが線aに比べて用紙搬送方向上流側端部付近の温度が高くなる。一方、冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近では、線Aのほうが線aに比べて低温になっている。このような温度分布の違いは、冷却プレート1a内を流れる冷却液の温度による影響である。
【0039】
冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近の側面に設けられた流入口70aから冷却プレート1a内に冷却液を流入させた場合は、破線Bからわかるように冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近を最も冷たい冷却液が流れる。そして、流入口70aから冷却プレート1a内に流入した冷却液は、冷却プレート1aを用紙搬送方向下流側から上流側に向かって流れて吸熱を行いながら徐々に温度が上昇し、最高温となって冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側端部付近の側面に設けられた排出口71aから排出される。
【0040】
一方、冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側端部付近の側面に設けられた排出口71aから冷却プレート1a内に冷却液を流入させた場合は、破線bからわかるように冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側端部付近を最も冷たい冷却液が流れる。そして、排出口71aから冷却プレート1a内に流入した冷却液は、冷却プレート1aを用紙搬送方向上流側から下流側に向かって流れて吸熱を行いながら徐々に温度が上昇し、最高温となって冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近の側面に設けられた流入口70aから排出される。
【0041】
このように、冷却プレート1a内で用紙搬送方向下流側から上流側に向かって冷却液を流したほうが、冷却プレート1a内で用紙搬送方向上流側から下流側に向かって冷却液を流すよりも、冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近が低温になり、用紙搬送方向上流側端部付近が高温になる。
【0042】
このような冷却プレート1aの用紙搬送方向の温度分布の違いによる用紙表面の冷却効果の差は、一点鎖線Cと一点鎖線cとを比較するとわかるように、用紙搬送方向上流側、言い換えれば、冷却初期においては一点鎖線cのほうが低温となるが、用紙搬送方向下流側、言い換えれば、最終的には一点鎖線Cのほうが低温になる。これは、冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近において、より低温となった冷却面11aの部分に用紙Pが触れるからである。
【0043】
ここで、前述したようなブロッキング現象が生じないようにするためには、冷却装置18によって用紙Pをできるだけ低温にして排紙収容部17に排出すべきである。そのため、排紙収容部17に排出される用紙Pの温度を低くするためには、冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側端部付近がある程度高温になったとしても、用紙Pを最終的に冷却する部分である冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近がより低温であることが望ましい。
【0044】
よって、本構成例のように、冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近の側面に設けられた流入口70aから冷却プレート1a内に冷却液を流入させ、冷却プレート1a内で用紙搬送方向に対して逆流となるように冷却液を内部流路73aで流し、冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側端部付近の側面に設けた排出口71aから冷却液を排出する。これにより、冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近で冷却効率が低下するのを抑制し、用紙Pの冷却効果を向上させることができる。
【0045】
同様に、冷却プレート1bについても、冷却プレート1bの用紙搬送方向下流側端部付近の側面に設けられた流入口70bから冷却プレート1b内に冷却液を流入させ、冷却プレート1b内で用紙搬送方向に対して逆流となるように冷却液を内部流路73bで流し、冷却プレート1bの用紙搬送方向上流側端部付近の側面に設けた排出口71bから冷却液を排出する。これにより、冷却プレート1bの用紙搬送方向下流側端部付近で冷却効率が低下するのを抑制し、用紙Pの冷却効果を向上させることができる。
【0046】
ここで、熱定着装置16では加熱定着ローラ対116の熱によってトナーを溶融し用紙Pに定着させるので、用紙Pが含んでいる水分が蒸発することにより周囲の雰囲気が高湿な状態となる。こうした雰囲気中では、加熱定着ローラ対116の近くに設けられた冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側が冷た過ぎると蒸気との温度差が大きくなり過ぎて冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側の表面で結露を起こし易くなる。
【0047】
一方、本構成例のように冷却プレート1a内で冷却液を用紙搬送方向下流側から上流側に流すことで、冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側端部付近の温度が高くなり蒸気との温度差が小さくなる。そのため、冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側端部付近の表面に生じる結露を低減させる効果が得られる。
【0048】
図1は、用紙搬送方向の長さがX[mm]の冷却プレート1を一つ設けた場合と、同じ長さに関して2分割した領域に2つの冷却プレート1aと冷却プレート1bとを隙間をあけて用紙搬送方向に沿って並べて設けた場合それぞれにおける冷却プレート周辺を側面から見た側面図、及び、それに対応した温度分布図とを示したものである。なお、図1に示した温度分布図は、横軸を用紙搬送方向の位置とし、縦軸を温度としてプロットしている。
【0049】
冷却プレート1を1つ設けた場合には、冷却プレート1の用紙搬送方向下流側端部付近の側面に設けられた流入口70から冷却プレート1内に冷却液を流入させ、内部流路73を通して冷却プレート1の用紙搬送方向上流側端部付近の側面に設けられた排出口71から冷却液を排出させる。
【0050】
また、冷却プレート1aと冷却プレート1bとを隙間をあけて用紙搬送方向に沿って並べて設けた場合には、まず、冷却プレート1bの用紙搬送方向下流側端部付近の側面に設けられた流入口70bから冷却プレート1b内に冷却液を流入させ、内部流路73bを通して冷却プレート1bの用紙搬送方向上流側端部付近の側面に設けられた排出口71bから配管105cに冷却液を排出させる。そして、配管105cに排出された冷却液を、冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近の側面に設けられた流入口70aから冷却プレート1a内に流入させ、内部流路73aを通して冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側端部付近の側面に設けられた排出口71aから配管105bに冷却液を排出させる。
【0051】
図1中の細線(線1A及び一点鎖線7A)は、冷却プレート1を1つ設けた場合の温度分布を示している。なお、線1Aは、冷却プレート1の用紙搬送方向における温度分布曲線である。一点鎖線7Aは、用紙Pの用紙搬送方向における表面温度曲線である。
【0052】
一方、図1中の太線(線1B及び一点鎖線7B)は、冷却プレート1aと冷却プレート1bとを用紙搬送方向に沿って並べて設けた場合の温度分布を示している。なお、線1Bは、冷却プレート1a及び冷却プレート1bの用紙搬送方向における温度分布曲線である。一点鎖線7Aは、用紙Pの用紙搬送方向における表面温度曲線である。
【0053】
図1からわかるように、冷却プレート1の温度に対して、冷却プレート1aの温度は全体的に高いが冷却プレート1bでは全体的に低くなっている。
【0054】
これは、冷却プレート1aと冷却プレート1bとの間に隙間をあけて、冷却プレート1aと冷却プレート1bとの間で熱伝導が生じるのを抑制することにより得られる効果である。仮に、冷却プレート1aと冷却プレート1bとが隙間をあけずに接触していると、冷却プレート1aと冷却プレート1bとの間で熱伝導が生じる。そのため、用紙搬送方向で冷却プレート1aと冷却プレート1bとの間で温度分布がならされ、冷却プレート1を1つ設けた場合と同等の温度分布になってしまう。
【0055】
上述したように、排紙収容部17に排出される用紙Pの温度を低くするためには、最終的に用紙P冷却する部分の温度が低い方が有利である。そのため、1つの冷却プレート1によって用紙Pを冷却する場合よりも、用紙搬送方向に沿って隙間をあけて並べられた冷却プレート1aと冷却プレート1bとにより用紙Pを冷却したほうが、用紙搬送方向上流側にある冷却プレート1aから用紙搬送下流側にある冷却プレート1bに熱が伝わるのを抑制でき、冷却プレート1bの用紙搬送方向下流側端部付近の温度上昇を低減することができる。よって、冷却プレート1bの用紙搬送方向下流側端部付近を流れる冷却液の温度上昇を低減でき、冷却プレート1bの用紙搬送方向下流側端部付近で冷却効率が低下するのを抑えられ、高い冷却効果を得ることができる。
【0056】
また、図7に示すように、冷却プレート1aと冷却プレート1bとの間に断熱部材80を設けて冷却プレート1aと冷却プレート1bとの間で熱が伝わるのを抑制するように構成しても、上述したのと同様の効果を得ることができる。
【0057】
[構成例2]
図8は本構成例に係る冷却装置18の冷却プレート周辺の模式図である。
ポリイミド製の冷却搬送ベルト45は、駆動ローラ61と複数の従動ローラ62,63,64とによって回転可能に張架されている。また、冷却搬送ベルト45と対向して、従動ローラ65と従動ローラ66とによって張架された、アクリルゴムなどの弾性材料製もしくはポリイミド製あるいはこれらによる多層構造を持つ搬送ベルト46が設けられている。そして、用紙Pは、駆動ローラ61からの駆動力によって回転する冷却搬送ベルト45と、冷却搬送ベルト45に連れまわる搬送ベルト46とによって挟持されながら搬送される。
【0058】
冷却搬送ベルト45の内周面には、配管105cで接続された2つの冷却プレート1a及び冷却プレート1bが用紙搬送方向に沿って両者間に隙間をあけて整列して固定配置されている。冷却プレート1a及び冷却プレート1bは、回転する冷却搬送ベルト45の内周面と接触しながら冷却搬送ベルト45越しに、冷却搬送ベルト45と搬送ベルト46とによって挾持されながら搬送される用紙Pから熱を吸熱する。
【0059】
冷却プレート1bの用紙搬送方向下流側端部付近の側面に、冷却プレート1b内に冷却液を流入する流入口70bが設けられている。また、冷却プレート1bの用紙搬送方向上流側端部付近の側面に、冷却プレート1b内から冷却液を排出する排出口71bが設けられている。流入口70bと排出口71bとは、冷却プレート1b内で用紙搬送方向と直交する方向である用紙幅方向で往復するように曲った内部流路73bに繋がっている。そして、一端側がポンプ100に接続された配管105aの他端側が流入口70bに接続されており、配管105cの一端側が排出口71bに接続されている。
【0060】
冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近の側面に、冷却プレート1a内に冷却液を流入する流入口70aが設けられている。また、冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側端部付近の側面に、冷却プレート1a内から冷却液を排出する排出口71aが設けられている。流入口70aと排出口71aとは、冷却プレート1a内で用紙搬送方向と直交する方向である用紙幅方向で往復するように曲った内部流路73aに繋がっている。そして、一端側が冷却プレート1bの排出口71bに接続された配管105cの他端側が流入口70aに接続されており、一端側がラジエータ103に接続された配管105bの他端側が排出口71aに接続されている。
【0061】
冷却プレート1a及び冷却プレート1bには、配管105aから冷却プレート1b内に冷却液を流入させ、冷却プレート1b内から配管105cを通して冷却プレート1a内に冷却液を流入させ、冷却プレート1a内から配管105bを通して冷却液を排出する。
【0062】
また、搬送ベルト46の内周面側から冷却プレート1a及び冷却プレート1bに向かって押圧力をかける複数の押圧ローラ26を、搬送ベルト46の内側に設けている。これにより、冷却搬送ベルト45の外周面と用紙Pとの接触状態や、冷却プレート1a及び冷却プレート1bと冷却搬送ベルト45の内周面との接触状態をより高めたり、冷却搬送ベルト45と搬送ベルト46とによる用紙Pの挟持搬送力を高めたりすることができる。
【0063】
本構成例では、冷却搬送ベルト45と搬送ベルト46とで挾持搬送された用紙Pを、熱伝達部材である冷却搬送ベルト45を介して冷却プレート1a及び冷却プレート1bにより冷却する。これにより、冷却プレート1a及び冷却プレート1bと用紙Pとの摺動を排し、摺動による用紙表面の汚れを避けることができる。
【0064】
また、本構成例の冷却装置18でも構成例1で説明したように、用紙搬送方向に隙間をあけて並べられた冷却プレート1bから冷却プレート1aに、用紙搬送方向下流側から用紙搬送方向上流側へと冷却液を流して、冷却プレート1a及び冷却プレート1bにより用紙Pを冷却する。これにより、構成例1で説明したように、用紙Pを最終的に冷却する部分である冷却プレート1bの用紙搬送方向下流側端部付近がより低温となり、冷却効率を向上させることができる。さらに、構成例1で説明したように、冷却プレート1aと冷却プレート1bとを用紙搬送方向に沿って並べて設けたときの用紙搬送方向の幅と同程度の用紙搬送方向の幅を有する1つの冷却プレートで用紙Pを冷却する場合よりも、高い冷却効果を得ることができる。
【0065】
[構成例3]
図9は上下方向に2つの冷却プレートを対向させて設けた冷却装置18の冷却プレート周辺の模式図である。
図9に示した冷却装置18では、冷却搬送ベルト45が駆動ローラ61と複数の従動ローラ62,63,64とによって回転可能に張架されている。また、搬送ベルト46が駆動ローラ67と複数の従動ローラ65,66,68とによって回転可能に張架されている。そして、用紙Pの表裏両面を同時に冷却するために、冷却搬送ベルト45と搬送ベルト46とを挟むように冷却プレート1aと冷却プレート1bとを対向させて設けている。
【0066】
このような構成にすることで、図1で示したような冷却プレート1を1つだけ設けて用紙Pの冷却を行う構成よりも、加熱された用紙Pを表裏両面から冷却プレート1aと冷却プレート1bとによって効率よく熱を奪い、短い冷却パス長さで高い冷却効果を得ることができる。
【0067】
図10は、図9に示したような上下方向に冷却プレート1aと冷却プレート1bとを対向させて設けた場合における、冷却プレート1aと冷却プレート1bとへの冷却液の流し方の一例を示したものである。
【0068】
上側にある冷却プレート1bの用紙搬送方向下流側端部付近の側面に、冷却プレート1b内に冷却液を流入する流入口70bが設けられている。また、冷却プレート1bの用紙搬送方向上流側端部付近の側面に、冷却プレート1b内から冷却液を排出する排出口71bが設けられている。流入口70bと排出口71bとは、冷却プレート1b内で用紙搬送方向と直交する方向である用紙幅方向で往復するように曲った内部流路73bに繋がっている。そして、一端側がポンプ100に接続された配管105aの他端側が流入口70bに接続されており、配管105cの一端側が排出口71bに接続されている。
【0069】
下側にある冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近の側面に、冷却プレート1a内に冷却液を流入する流入口70aが設けられている。また、冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側端部付近の側面に、冷却プレート1a内から冷却液を排出する排出口71aが設けられている。流入口70aと排出口71aとは、冷却プレート1a内で用紙搬送方向と直交する方向である用紙幅方向で往復するように曲った内部流路73aに繋がっている。そして、一端側が冷却プレート1bの排出口71bに接続された配管105cの他端側が流入口70aに接続されており、一端側がラジエータ103に接続された配管105bの他端側が排出口71aに接続されている。
【0070】
そして、上側にある冷却プレート1bの用紙搬送方向下流側端部付近の流入口70bから冷却プレート1b内に冷却液を流入させて、これよりも用紙搬送方向上流に設けた排出口71bから配管105cに冷却液を排出させる。そして、配管105に排出した冷却液を、配管105cと接続された下側にある冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近に設けた流入口70aから冷却プレート1a内に流入させ、これよりも用紙搬送方向上流に設けた排出口71aから配管105bに冷却液を排出する。このようにして、冷却プレート1aと冷却プレート1bとに順次冷却液を流す。
【0071】
図10に示すように、用紙Pの上面だけに画像が形成された場合では、冷却される用紙Pの上面に加熱定着ローラ対116によって定着されたトナー像Tがある。そのため、トナー像Tが定着した用紙Pの上面と対向する上側の冷却プレート1bに、下側にある冷却プレート1aよりも先に低温の冷却液を送液する。これにより、冷却プレート1bを低温にし、用紙Pの上面に形成されたトナー像Tを効率良く冷却することができる。
【0072】
また、用紙Pを表裏両面から冷却プレート1aと冷却プレート1bとによって熱を奪って冷却するので、用紙搬送方向上流側で冷却プレート1aや冷却プレート1bがそれぞれ用紙Pから奪う熱量は、上側と下側とのどちらか一方だけに冷却プレートを設けて用紙Pを冷却した場合よりも少なくなる。そのため、上側の冷却プレート1bや下側の冷却プレート1aそれぞれにおいて、用紙搬送方向上流側から下流側に伝わる熱も少なくなり、上側の冷却プレート1bや下側の冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近の温度上昇を低減させることができる。よって、用紙Pを最終的に冷却する部分である上側の冷却プレート1bや下側の冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近を流れる冷却液の温度上昇を低減でき、上側の冷却プレート1bや下側の冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近で冷却効率が低下するのを抑えられ、高い冷却効果を得ることができる。
【0073】
図11は、図10に示した冷却装置18のように用紙Pの上面に形成されたトナー像Tを効率良く冷却することができる構成の他例を示したものである。図11に示した冷却装置18においては、冷却搬送ベルト45の内周面に、配管105c1で接続された2つの冷却プレート1b及び冷却プレート1aが用紙搬送方向に沿って両者間に隙間をあけて整列して固定配置されている。また、搬送ベルト25の内周面に、配管105c3で接続された2つの冷却プレート1b’及び冷却プレート1a’が用紙搬送方向に沿って両者間に隙間をあけて整列して固定配置されている。
【0074】
冷却液の流し方としては、まず装置上側にある2つの冷却プレートに冷却液を流した後、装置下側にある2つの冷却プレートに冷却液を流す。
【0075】
すなわち、図12に示すように、冷却プレート1bの用紙搬送方向下流側端部付近の側面に設けられた流入口70bから冷却プレート1b内に冷却液を流入させ、内部流路73bを通して冷却プレート1bの用紙搬送方向上流側端部付近の側面に設けられた排出口71bから配管105c1に冷却液を排出させる。そして、配管105c1に排出された冷却液を、冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近の側面に設けられた流入口70aから冷却プレート1a内に流入させ、内部流路73aを通して冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側端部付近の側面に設けられた排出口71aから配管105c2に冷却液を排出させる。
【0076】
そして、配管105c2に排出させた冷却液を冷却プレート1b’の用紙搬送方向下流側端部付近の側面に設けられた流入口70b’から冷却プレート1b’内に冷却液を流入させ、内部流路73b’を通して冷却プレート1b’の用紙搬送方向上流側端部付近の側面に設けられた排出口71b’から配管105c3に冷却液を排出させる。そして、配管105c3に排出された冷却液を、冷却プレート1a’の用紙搬送方向下流側端部付近の側面に設けられた流入口70a’から冷却プレート1a’内に流入させ、内部流路73a’を通して冷却プレート1a’の用紙搬送方向上流側端部付近の側面に設けられた排出口71a’から配管105bに冷却液を排出させる。
【0077】
これにより、トナー像Tが定着した用紙Pの上面と対向する上側の冷却プレート1a及び冷却プレート1bに、下側にある冷却プレート1a’及び冷却プレート1b’よりも先に低温の冷却液を送液することができる。よって、このような構成にすることで、加熱された用紙Pを表裏両面から効率よく熱を奪い高い冷却効果を得ることができるとともに、装置上側にある冷却プレート1a及び冷却プレート1bを低温にし、用紙Pの上面に形成されたトナー像Tを効率良く冷却することができる。
【0078】
さらに、用紙搬送方向上流側にある冷却プレート1aや冷却プレート1a’から用紙搬送下流側にある冷却プレート1bや冷却プレート1b’に熱が伝わるのを抑制でき、冷却プレート1bや冷却プレート1b’の用紙搬送方向下流側端部付近の温度上昇を低減することができる。よって、用紙Pを最終的に冷却する部分である冷却プレート1bや冷却プレート1b’の用紙搬送方向下流側端部付近を流れる冷却液の温度上昇を低減でき、冷却プレート1bや冷却プレート1b’の用紙搬送方向下流側端部付近で冷却効率が低下するのを抑えられ、高い冷却効果を得ることができる。
【0079】
図13は、図9に示したような上下方向に冷却プレート1aと冷却プレート1bとを対向させて設けた場合における、冷却プレート1aと冷却プレート1bとへの冷却液の流し方の他例を示したものである。
【0080】
上側にある冷却プレート1bの内部には、用紙搬送方向と直交する方向である用紙幅方向に貫通させて複数の内部流路73b1,73b2,73b3,73b4が、用紙搬送方向下流側から上流側へ順に設けられている。内部流路73b1,73b2,73b3,73b4は、それぞれ一端側(図中手前側)が流入口70b1,70b2,70b3,70b4と繋がっており、他端側(図中奥側)が排出口71b1,71b2,71b3,71b4と繋がっている。
【0081】
同様に下側にある冷却プレート1aの内部には、用紙搬送方向と直交する方向である用紙幅方向に貫通させて複数の内部流路73a1,73a2,73a3,73a4が、用紙搬送方向下流側から上流側へ順に設けられている。内部流路73a1,73a2,73a3,73a4は、それぞれ一端側(図中手前側)が排出口71a1,71a2,71a3,71a4と繋がっており、他端側(図中奥側)が流入口70a1,70a2,70a3,70a4と繋がっている。
【0082】
流入口70b1には一端がポンプ100に接続された配管105aの他端が接続されている。排出口71b1と流入口70a1とは配管105c1に接続されており、排出口71a1と流入口70b2とが配管105c2に接続されている。排出口71b2と流入口70a2とは配管105c3に接続されており、排出口71a1と流入口70b2とが配管105c4に接続されている。排出口71b3と流入口70a2とは配管105c5に接続されており、排出口71a2と流入口70b3とが配管105c6に接続されている。排出口71a4と流入口70a3とは配管105c7に接続されており、排出口71a4には一端がラジエータ103に接続された配管105bの他端が接続されている。
【0083】
そして、上側の冷却プレート1bの用紙搬送方向最下流側にある流入口70b1から冷却プレート1a内に冷却液を流入させて冷却プレート1aと冷却プレート1bとの間で交互にらせん状に冷却液を通して、最終的に冷却プレート1bの用紙搬送方向最上流側にある排出口71a4から冷却液を排出する。
【0084】
これにより、冷却プレート1a及び冷却プレート1bの温度は用紙搬送方向下流側端部付近でより低温となり、且つ、冷却プレート1aと冷却プレート1bとの間で温度差が小さくなるため用紙両面をほぼ均等に冷却することができる。
【0085】
また、用紙Pを表裏両面から冷却プレート1aと冷却プレート1bとによって熱を奪って冷却するので、用紙搬送方向上流側で冷却プレート1aや冷却プレート1bがそれぞれ用紙Pから奪う熱量は、上側と下側とのどちらか一方だけに冷却プレートを設けて用紙Pを冷却した場合よりも少なくなる。そのため、上側の冷却プレート1bや下側の冷却プレート1aそれぞれにおいて、用紙搬送方向上流側から下流側に伝わる熱も少なくなり、上側の冷却プレート1bや下側の冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近の温度上昇を低減させることができる。よって、用紙Pを最終的に冷却する部分である上側の冷却プレート1bや下側の冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近を流れる冷却液の温度上昇を低減でき、上側の冷却プレート1bや下側の冷却プレート1aの用紙搬送方向下流側端部付近で冷却効率が低下するのを抑えられ、高い冷却効果を得ることができる
【0086】
図14は、図13に示した冷却装置18のように用紙両面をほぼ均等に冷却することができる構成の他例を示したものである。
【0087】
図14に示した冷却装置18においては、装置上側にある冷却搬送ベルト45の内周面に冷却プレート1b及び冷却プレート1b’が用紙搬送方向に沿って両者間に隙間をあけて、冷却プレート1bが冷却プレート1b’よりも用紙搬送方向下流側となるように固定配置されている。また、装置下側にある搬送ベルト25の内周面に2つの冷却プレート1a及び冷却プレート1aが用紙搬送方向に沿って両者間に隙間をあけて、冷却プレート1aが冷却プレート1a’よりも用紙搬送方向下流側となるように固定配置されている。
【0088】
そして、図15に示すように、冷却プレート1bの用紙搬送方向下流側端部付近に接続された配管105aを通して冷却プレート1bに冷却液を送り、冷却プレート1bと冷却プレート1aとの間で配管105c1から配管105c7までの各配管を用いて交互にらせん状に冷却液を用紙搬送方向下流側から上流側に向かって流す。その後、一端が冷却プレート1aの用紙搬送方向上流側端部付近に接続され、他端が冷却プレート1b’の用紙搬送方向下流側端部付近に接続された配管105c8を通して、冷却プレート1aから冷却プレート1b’に冷却液を送る。そして、冷却プレート1b’と冷却プレート1a’との間で配管105c9から配管105c15までの各配管を用いて交互にらせん状に冷却液を用紙搬送方向下流側から上流側に向かって流し、最終的に冷却プレート1a’の用紙搬送方向上流側端部付近に接続された配管105bに冷却液を排出する。
【0089】
これにより、冷却プレート1a及び冷却プレート1bの温度は用紙搬送方向下流側端部付近でより低温となる。また、冷却プレート1aと冷却プレート1bとの間や、冷却プレート1a’と冷却プレート1b’との間で温度差が小さくなるため用紙両面をほぼ均等に冷却することができる。
【0090】
さらに、用紙搬送方向上流側にある冷却プレート1b’や冷却プレート1a’から用紙搬送下流側にある冷却プレート1bや冷却プレート1aに熱が伝わるのを抑制でき、冷却プレート1aや冷却プレート1bの用紙搬送方向下流側端部付近の温度上昇を低減することができる。よって、用紙Pを最終的に冷却する部分である冷却プレート1aや冷却プレート1bの用紙搬送方向下流側端部付近を流れる冷却液の温度上昇を低減でき、冷却プレート1aや冷却プレート1bの用紙搬送方向下流側端部付近で冷却効率が低下するのを抑えられ、高い冷却効果を得ることができる。
【0091】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
冷却液などの冷却媒体が流れる内部流路73a,73bなどの流路が内部に形成され、記録材搬送方向下流側端部と上流側端部それぞれに流入口70a,70bなどの流入口と排出口71a,71bなどの排出口とが設けられた冷却プレート1a及び冷却プレート1bなどの冷却部材と、流入口と排出口とに繋げた配管105a,105b,105cなどの配管を通して冷却部材内に冷却媒体を搬送するポンプ100などの冷却媒体搬送手段とを備え、冷却部材の冷却面に用紙Pなどの記録材を直接または冷却搬送ベルト45などの熱伝達部材を介して接触させて記録材を冷却する冷却装置18などの冷却装置において、複数の冷却部材を冷却部材間に隙間をあけるか断熱部材80などの断熱部材を配置して設けた。これよれば、上記実施形態について説明したように、冷却部材の用紙搬送方向下流側端部付近で冷却効率が低下するのを抑制し、記録材の冷却効果を向上させることができる。
(態様B)
(態様A)において、複数の冷却部材が用紙搬送方向に沿って並べて配置されており、用紙搬送方向最下流側に位置する冷却部材に冷却媒体搬送手段によって冷却媒体を最初に搬送する。これによれば、上記実施形態の構成例1や構成例2について説明したように、用紙搬送方向最下流側に位置する冷却部材を低温にできるので、高い冷却効果を得ることができる。
(態様C)
(態様A)または(態様B)において、複数の冷却部材が記録材を挟むようにして対向して配置されており、冷却媒体は記録材の画像形成面と対向する側の冷却部材に最初に流入され、これを通過した後、記録材裏面と対向する冷却部材に流入される。これによれば、上記実施形態の構成例3について説明したように、上側の冷却部材を低温にし、記録材上のトナー像を効果的に冷却することができる。
(態様D)
(態様A)または(態様B)において、複数の冷却部材が記録材を挟むようにして対向して配置されており、冷却媒体がこれらの冷却部材内部の流路を交互に通過する。これによれば、上記実施形態の構成例3について説明したように、上下の冷却部材は記録材搬送方向終端側でより低温となり、且つ、上下の冷却部材間の温度差が小さくなるため記録材両面をほぼ均等に冷却できる。
(態様E)
(態様A)、(態様B)または(態様C)において、冷却部材が内部に往復流路を有し、流入口及び排出口を冷却部材の同側面に設けた。これによれば、上記実施形態について説明したように、装置内での配管の無駄な這い回しを低減でき、省スペース化を図ることができる。
(態様F)
記録材に形成された未定着画像を加熱して定着させる熱定着装置16などの定着手段と、定着手段によって画像が定着された記録材を冷却する冷却手段とを備えた画像形成装置において、前記冷却手段として、(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)または(態様E)の冷却装置を用いた。これによれば、上記実施形態について説明したように、記録材が排紙収容部に積載される時点で、用紙上のトナーを確実に硬化状態とさせることができ、ブロッキング現象を回避することができる。
【符号の説明】
【0092】
1 冷却プレート
1a 冷却プレート
1b 冷却プレート
11 冷却面
11a 冷却面
11b 冷却面
12 光書き込み装置
13 現像装置
14 クリーニング装置
15 一次転写ローラ
16 熱定着装置
17 排紙収容部
18 冷却装置
19 用紙収納部
26 押圧ローラ
28 用紙搬送路
29 用紙搬送路
45 冷却搬送ベルト
46 搬送ベルト
51 中間転写ベルト
52 ローラ
53 ローラ
54 画像ステーション
55 ローラ
56 二次転写ローラ
58 ローラ
59 クリーニング装置
60 搬送ローラ対
61 駆動ローラ
62 従動ローラ
63 従動ローラ
64 従動ローラ
65 従動ローラ
66 従動ローラ
67 駆動ローラ
68 従動ローラ
70 流入口
70a 流入口
70a1 流入口
70a2 流入口
70a3 流入口
70a4 流入口
70b 流入口
70b1 流入口
70b2 流入口
70b3 流入口
70b4 流入口
71 排出口
71a 排出口
71a1 排出口
71a2 排出口
71a3 排出口
71a4 排出口
71b 排出口
71b1 排出口
71b2 排出口
71b3 排出口
71b4 排出口
73 内部流路
73a 内部流路
73b 内部流路
73b1 内部流路
73b2 内部流路
73b2 内部流路
73b4 内部流路
73a1 内部流路
73a2 内部流路
73a3 内部流路
73a4 内部流路
80 断熱部材
100 ポンプ
101 タンク
103 ラジエータ
104 冷却ファン
105 配管
105a 配管
105b 配管
105c 配管
105c1 配管
105c2 配管
105c3 配管
105c4 配管
105c5 配管
105c6 配管
105c7 配管
111 感光体
116 加熱定着ローラ対
221 レジストローラ対
223 給紙コロ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【特許文献1】特開2006−258953号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却媒体が流れる流路が内部に形成され、記録材搬送方向下流側端部と上流側端部それぞれに流入口と排出口とが設けられた冷却部材と、
前記流入口と前記排出口とに繋げた配管を通して冷却部材内に冷却媒体を搬送する冷却媒体搬送手段とを備え、
前記冷却部材の冷却面に記録材を直接または熱伝達部材を介して接触させて該記録材を冷却する冷却装置において、
複数の前記冷却部材を冷却部材間に隙間をあけるか断熱部材を配置して設けたことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
請求項1の冷却装置において、
複数の前記冷却部材が用紙搬送方向に沿って並べて配置されており、用紙搬送方向最下流側に位置する前記冷却部材に上記冷却媒体搬送手段によって冷却媒体を最初に搬送することを特徴とする冷却装置。
【請求項3】
請求項1または2の冷却装置において、
複数の前記冷却部材が記録材を挟むようにして対向して配置されており、冷却媒体は記録材の画像形成面と面する側の冷却部材に最初に流入され、これを通過した後、記録材裏面と面する冷却部材に流入されることを特徴とする冷却装置。
【請求項4】
請求項1または2の冷却装置において、
複数の前記冷却部材が記録材を挟むようにして対向して配置されており、冷却媒体がこれらの冷却部材内部の流路を交互に通過することを特徴とする冷却装置。
【請求項5】
請求項1、2または3の冷却装置において、
上記前記冷却部材が内部に往復流路を有し、上記流入口及び上記排出口を冷却部材の同側面に設けたことを特徴とする冷却装置。
【請求項6】
記録材に形成された未定着画像を加熱して定着させる定着手段と、
前記定着手段によって画像が定着された記録材を冷却する冷却手段とを備えた画像形成装置において、
前記冷却手段として、請求項1、2、3、4または5の冷却装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−255964(P2012−255964A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129927(P2011−129927)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】