説明

冷媒回路システム

【課題】2重蒸発器システムでの接続ラインの相互接続の簡略化。
【解決手段】冷媒は、冷媒ライン23に沿ってコンプレッサ22及びガス冷却器24を通って流れ、組み合わせ構成要素27の高圧入口25に入る。内部熱交換器26を通過した冷媒は、前記アキュムレータ28から取り出された冷媒と熱接触する。冷媒ライン23は、互いに並行に切り替えられる冷媒ライン23の2つの別々の分岐部34、35に分割され、各分岐部が膨張部材36、37と下流側の蒸発器38、39とを有し、分岐部34、35は、蒸発器38、39から組み合わせ構成要素27の低圧入口40、41を通ってアキュムレータ28に続き、その結果、冷媒は、冷媒ライン23に沿って組み合わせ構成要素27の低圧出口42を通ってコンプレッサ22に再び達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒回路システムに関し、より詳細にはCO2を冷媒として利用する車両HVAC用の冷媒回路システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば冷媒としてCO2を利用する冷媒回路システムは、特に自動車HVAC用に使用されている。冷媒回路システムは、ガスを圧縮するためのコンプレッサと、このコンプレッサから排出されたガスを冷却するガス冷却器とを備えている。ガスは、ガス冷却器内で冷却された後、内部熱交換器に流入する。内部熱交換器は、システム内で過冷却の熱を高圧側から低圧側に伝達するように機能し、これにより加熱が行われる。内部熱交換器の高圧出口は、冷媒を膨張部材に誘導し、この部材が冷媒の圧力を低下させる役割を果たす。膨張冷媒は、蒸発器を通過し、その外部に空気が配向される結果、空気が冷却されて車両空調用に使用される。蒸発器から来た冷媒はアキュムレータに供給され、ここで冷媒が中間的に蓄えられた後、運転状態に応じて必要とされる冷媒量が再度コンプレッサに達する。アキュムレータの別の機能は、メンテナンス期間で生じる漏出損失を補償する冷媒予備貯蔵分を提供することである。
【0003】
HVACでは、並行して切り替えられる2つの蒸発器を含むシステムが使用されることが増えてきた。並行して切り替えられる2つの蒸発器に加えて、従来技術のHVACなどの冷媒回路は、2つの並行蒸発器の上流側に配置されたコンプレッサ、ガス冷却器、内部熱交換器、及び2つの膨張部材を備える。高圧の冷媒がコンプレッサからガス冷却器に達し、ここで周囲気流によって冷媒が冷却される。次いで、高圧入口を通って内部熱交換器に流入し、内部熱交換器を通過した後、高圧出口を通ってマニホルド接続部に入る。マニホルド接続部は、冷媒ライン上に位置付けられ、マニホルドは、冷媒ラインを互いに並行に延びる2つの分岐路に分割した三方ネジ留めコネクタとして設定される。分岐路の各々の下流側には最初に膨張部材が配置され、冷媒がマニホルドを通った後にここに達する。次いで、冷媒ラインの2つの分岐路の各々において膨張冷媒が蒸発器に配向され、該蒸発器の外部には空気が配向されており、これによりその空気の一部が冷却されて車両空調用に使用される。次に、両分岐路は、それぞれの蒸発器から2つの別々の入口を通ってコレクタ(アキュムレータ)に続き、ここで冷媒が中間的に蓄えられた後、低圧入口を通って内部熱交換器に流入し、更にそこから低圧出口を通って再びコンプレッサに達する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、2重蒸発器システムでの接続ラインの相互接続を簡単にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この問題は、特に冷媒としてCO2を利用する自動車用HVACの冷媒回路システムによって解決され、本システムは、並行に切り替えられる2つの蒸発器と、内部熱交換器及びアキュムレータの機能が単一の構成要素内で組み合わされるように内部熱交換器及びアキュムレータを含む組み合わせ構成要素とを備える。本発明は、従来技術では冷媒ライン上に配置されていた三方ネジ留めポイントをアキュムレータ及び内部熱交換器を備えた組み合わせ構成要素に移したことによって特徴付けられる。
【0006】
本発明による冷媒回路システムにおいて、冷媒は、冷媒ラインに沿ってコンプレッサ及びガス冷却器を通って流れ、内部熱交換器の高圧入口に入り、該内部熱交換器は、過冷却用の熱をシステム内で高圧側から低圧側に伝達し、これによりその一部が加熱されるようにする必要がある。内部熱交換器の高圧出口の下流側では、冷媒ラインが互いに並行に切り替えられる2つの別々の分岐部に分割され、その各々が、膨張部材と該膨張部材の下流側に蒸発器とを備えている。本発明によれば、内部熱交換器並びにアキュムレータは共に組み合わせ構成要素の形態で1つの構成要素を形成する。この組み合わせ構成要素において、高圧側の内部熱交換器を通る冷媒は、アキュムレータから取られた冷媒と熱接触し、該アキュムレータではその低圧側に中間的に冷媒が蓄えられている。本発明によれば、冷媒ラインの2つの並行切替分岐部は、その各々に膨張部材と該膨張部材の下流側に位置する蒸発器とが配置され、該分岐部は、内部熱交換器とアキュムレータとを備えた組み合わせ構成要素の高圧出口の1つから始まり、組み合わせ構成要素の低圧入口で終わる。内部熱交換器とアキュムレータとを備えた組み合わせ構成要素の低圧入口は、組み合わせ構成要素の低圧領域に続き、該領域は、低圧の冷媒を中間的に蓄えるのに利用される。中間的に蓄えられた冷媒が取られると、冷媒は、内部熱交換器とアキュムレータとを備えた組み合わせ構成要素の低圧出口を通って、冷媒ラインに沿って再度コンプレッサに流れ、冷媒回路システムが閉じられるようになる。
【0007】
本発明の原理は、2つの蒸発器に対する接続ポイントが冷媒ライン(従来技術)から内部熱交換器とアキュムレータとを備えた組み合わせ構成要素に移されたことである。これを達成するために、マニホルドは、本発明の好ましい実施形態の内部熱交換器とアキュムレータとを備えた組み合わせ構成要素上に配置される。該マニホルドは、互いに並行に切り替えられる2つの分岐部に組み合わせ構成要素を接続するためのネジ留めポイントを含む。
【0008】
好ましくは、マニホルドは、二重接続要素を備える。これにより、ネジ留めポイントの数がかなり低減され、ラインの相互接続を簡素化することが可能となり、結果としてより明確に配置されたライン設計が得られる。
【0009】
好ましくは、二重接続要素により、いずれの場合も高圧側と低圧側の両方に膨張部材及び蒸発器を備えた冷媒ラインの並行切替分岐部の一方に組み合わせ構成要素を接続することが確保される。
【0010】
従って、第1の二重接続要素は、冷媒ラインの並行切替分岐部の第1の分岐部に対して冷媒ラインに2つの接続部を提供する。1つの接続部は、組み合わせ構成要素からの第1の高圧出口に位置し、第1の高圧出口から第1の膨張部材に続く冷媒ラインの当該部分に設けられている。もう一つの接続部は、第1の低圧入口に設けられ、冷媒ラインを介して組み合わせ構成要素の第1の低圧入口に第1の蒸発器を接続することを可能にする。
【0011】
第2の二重接続要素は、第2の分岐部において冷媒ライン用に2つの接続部を備える。この二重接続要素は、第1の二重接続要素に対向して平行に、或いはその上又は下に平行にそれぞれ配置することができる。しかしながら、これらの二重接続要素が異なる高さで又は両側に平行に配置される構成も可能である。全ての場合において、組み合わせ構成要素の第2の高圧出口に配置された第1の接続部は、第2の高圧出口から第2の膨張部材に続く冷媒ラインの当該部分に設けられる。組み合わせ構成要素の第2の高圧入口に配置された第2の接続部は、第2の蒸発器から第2の低圧入口に続く冷媒ラインの当該部分を取り付ける役割を果たす。
【0012】
好ましくは、二重接続要素を締結するために、1つ又は2つのネジのみが必要とされる。従って、二重接続要素は時間を要するネジ留め作業を節約する。従来技術と比べて、有利な実施形態を含む本発明による解決策は、コスト効果のある製造プロセスの利用を可能にする。
【0013】
本発明の追加の詳細、特徴、及び機能は、添付図面を参照しながら実施形態の実施例に関する以下の説明から容易に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1のブロック図は、車両用空調に利用可能な従来技術のHVACを示している。このようなHVACは、好適な冷媒を備えた冷媒回路システム1を有する。冷媒は、コンプレッサ2から高圧側の冷媒ライン3を通ってガス冷却器4に流れ、ここで周囲気流によって冷媒が冷却される。次いで、冷媒は、高圧入口5を通って内部熱交換器6に入り、内部熱交換器6を通過した後、高圧出口7を通ってマニホルド接続部8に流れる。マニホルド接続部8は、冷媒ライン3上に配置されているので、三方ネジ留めコネクタとして設定されたマニホルド9は、冷媒ライン3を互いに並行に延びる2つの分岐部10、11に分割する。分岐部10、11の各々において、最初に膨張部材12、13が下流側に配置されており、冷媒はマニホルド9を通過した後に流入する。冷媒ライン3の両分岐路10、11において、膨張冷媒は蒸発器14、15に配向される。次いで、冷媒ライン3の両分岐路10,11は、蒸発器14、15の各々から2つの別々の入口16、17を通ってコレクタ18(アキュムレータ)に続き、ここで冷媒が中間的に蓄えられた後、低圧入口19を通って内部熱交換器6に流入し、更にそこから低圧出口20を通って再びコンプレッサ2に流入する。
【0015】
他方、図2は、本発明による車両用空調に利用可能なHVACのブロック図を示している。このようなHVACは、好適な冷媒を有する冷媒回路システム21を備える。冷媒は、コンプレッサ22から高圧側の冷媒ライン23を通ってガス冷却器24に流れ、ここで周囲気流によって冷却される。次いで、冷媒は高圧入口25を通って内部熱交換器26に入り、該内部熱交換器26は、アキュムレータ28と内部熱交換器26とを備える組み合わせ構成要素27の一部である。2つの二重接続要素30、31を備えたマニホルド29では、内部熱交換器26の高圧出口が2つの単一の高圧出口32、33に分割されており、これらは、冷媒ライン23の2つの並行分岐部34、35に続く。内部熱交換器26から外部に続く第1の高圧出口32は、二重接続要素30を通って冷媒ライン23の第1の分岐部34に続く。内部熱交換器26から外部に続く第2の高圧出口33は、二重接続要素31を通って冷媒ライン23の第2の分岐部35に続く。冷媒ライン23の分岐部34、35の各々において、冷媒は、膨張部材36、37、すなわち第1の分岐部34では第1の膨張部材36に、第2の分岐部35では第2の膨張部材37に至る。最終的には膨張した冷媒は、膨張部材36、37から蒸発器、すなわち第1の分岐部34では第1の蒸発器38に、第2の分岐部35では第2の蒸発器39に達する。冷媒ライン23は同様に、並行切替蒸発器38、39からマニホルド29の二重接続要素30、31に、すなわち、第1の蒸発器38から第1の二重接続要素30に、第2の蒸発器39から第2の二重接続要素31に続く。冷媒ライン23は、第1の二重接続要素30では第1の低圧入口40を通り、第2の二重接続要素31では第2の低圧入口41を通って冷媒を、組み合わせ構成要素27のアキュムレータ28に導いて、該冷媒は、低圧出口42を通ってコンプレッサ22に再度達することができ、この結果、冷媒回路システム1が閉じることになる。
【0016】
図3aには、従来技術による冷媒ライン3の分岐部分が示されており、該分岐部分は、コレクタ18及び内部熱交換器6を互いに接続し、更に冷媒ライン3の両分岐部10、11において並行切替蒸発器14、15及び膨張部材12、13に接続することを可能にする。内部熱交換器6の高圧出口7の下流側では、三方ネジ留めポイントとして設定されたマニホルド9が配置されている。マニホルド接続部8を通ると、マニホルド9は冷媒ライン3を介して内部熱交換器6の高圧出口7へ接続される。マニホルド9には、ネジ留めポイント44がある。図3aで分かるように、マニホルド9は、冷媒ライン3を該冷媒ライン3の第1の分岐部10と第2の分岐部11とに分割している。冷媒ライン3の両分岐部10、11は、第2の三方ネジ留めポイントすなわちマニホルド43で終端する。再結合された冷媒ライン3は、マニホルド43からコレクタ18(アキュムレータ)の入口に続く。冷媒ライン3の別の部分がコレクタ18から低圧入口19を通って内部熱交換器6内に続く。図3aに示すように、この分岐部分では全体で6つのネジ留めポイントが必要とされ、冷媒ライン3上のマニホルド9、43では全部で2つのネジ留めポイントがある。これにより、高圧側と低圧側各々で1つのネジ留めプロセスを付加することが必要となる。
【0017】
図3bには、従来技術による冷媒ライン3の分岐部分の別の実施形態が示されており、該分岐部分は、コレクタ18(アキュムレータ)と内部熱交換器6とをそれぞれ互いに接続し、更に両分岐部10、11において並行切替蒸発器及び膨張部材に接続することを可能にする。
【0018】
ここで図3bを参照すると、図3aの実施形態とは対照的に、2つではなく3つのネジ留めポイントがコレクタ18(アキュムレータ)に直接設定されている。冷媒ライン3の両分岐部10、11は、図3bで分かるように、コレクタ18(アキュムレータ)の2つの別々の入口16、17に続く。図3bによる冷媒ライン3を入口16、17に締結するために、コレクタ18(アキュムレータ)にある3つのネジ留めポイント44のうちの2つが提供される。ここでもまた、コレクタ18(アキュムレータ)から内部熱交換器6の低圧入口19までの接続ラインが設けられる。また、図1によるブロック図の構成にも相当する分岐部分のこの実施形態において、全体で6つのネジ留めポイントが必要とされ、冷媒ライン3上のマニホルド9には1つのネジ留めポイント44が配置される。
【0019】
図4aは、互いに並行に反対向きに配置された二重接続要素30、31とネジ留めポイント44とを備えたマニホルド29を含め、アキュムレータ28及び内部熱交換器26を備える組み合わせ構成要素27の外観図である。マニホルド29は、互いに並行に切り替えられる冷媒ライン23の2つの分岐部34、35に組み合わせ構成要素27を接続するよう機能する。冷媒ライン23の第2の分岐部34は、第1の高圧出口32から始まり第1の低圧入口40で終わる。第1の高圧出口32及び第1の低圧入口40への冷媒ライン23の第1の分岐部34の締結は、第1の二重接続要素30を介して確保される。第2の高圧出口33及び第2の低圧入口41への冷媒ライン23の第2の分岐部35の締結は、第2の二重接続要素31を介して行われる。図4aによる二重接続要素30、31は、ネジ留めポイント44に対し1つのネジを必要とする。二重接続要素30、31を使用することに起因して、ネジ留めポイント44の数は6つ(図3a及び図3bによる従来技術)から2つに低減することができる。
【0020】
図4bは、図4aと同様の配置のマニホルド29を含め、アキュムレータ28と内部熱交換器26を備える組み合わせ構成要素27の外観図であり、図4bの二重接続要素30、31は対向して配置されず、互いに一方の側部上に並行に配置されている点で相違する。
【0021】
図4a及び図4bによる本発明の構成に起因して、ネジ留めポイント44の数は2つに低減されるが、図3a及び図3bに示される従来技術と比べて冷媒ライン3の相互接続が実質的に簡素化される。
【0022】
図5は、互いに対向して並行な接続部を有するマニホルド29の詳細図を示し、二重接続要素30、31は図示されていない。マニホルド29は、内部熱交換器26及びアキュムレータ28を備える組み合わせ構成要素27のカバー45上に配置された、基本的に矩形載置本体として存在する。図5aは、マニホルド29の側面図を示し、この透視法ではカバー上に載置され中央に位置付けられた矩形本体のように見える。円筒組み合わせ構成要素27の中心円筒軸46、すなわちカバー46の円形カバー平面47に垂直に延びる軸46に沿って、図5aによる右側側面図は鏡面対称である。
【0023】
図5bは、カバー面47の平面図である。マニホルド29の長手方向縁部48は、カバー面47の鏡面対称軸49に対し等間隔に置かれた両側に平行に延びる。マニホルド29の内側縁部50は、マニホルド29の長手方向縁部48及びカバー面47の鏡面対称軸49に垂直に延び、該鏡面対称軸49は、中心でマニホルド29の内側縁部50と交差する。マニホルド29の外側縁部51は、図5bの平面図においてカバー縁部52と適合するような形態で丸みが付けられて設定される。図5bによれば、マニホルド29の長手方向縁部48の長さは、カバー45の半径よりも長く、カバーの直径よりも短い。マニホルド29は、カバー面47の軸53に対して非対称で配置されており、軸53は鏡面対称軸49に垂直である。
【0024】
図5cは、マニホルド29の正面図である。この正面図が示すように、マニホルド29は長手方向側表面54に、小さな中央ネジ孔55と、その両側に位置し、中心が共通の水平軸58上にある2つの大きな円形孔56、57とを備えている。小さな中央ネジ孔5は、二重接続要素30、31のネジ留めポイント44を設定するように形成されている。カバー45の中心領域にほぼ位置付けられている広い低圧入口孔56は、低圧の冷媒用の入口孔として機能する。カバー45の縁部領域に配置された高圧出口孔57は、内部熱交換器26からの高圧の冷媒用の出口孔として機能する。
【0025】
図5cの切断面A−A及びB−Bの表示を参照すると、図5dには、切断面A−Aに沿った断面が、組み合わせ構成要素27の円筒軸46に平行な方向で見た状態で示されている。図5では、長手方向側表面の各々に、低圧入口孔56.1、56.2及び高圧出口孔57.1、57.2が示されている。断面図である図5dには、内側低圧入口マニホルド59と内側高圧出口マニホルド60が示されている。内側低圧マニホルド59は、中空チャネル61.1の中央で、組み合わせ構成要素27のアキュムレータ28に2つの低圧入口孔56.1、56.2を接続し、この中空チャネル61.1は、第1の低圧入口孔56.1から第2の低圧入口孔56.2まで延び、統合チャネル62が、低圧入口孔から流入する冷媒が一緒に統合チャネル62に入るように、中空チャネル61.6に直交して配置されている。
【0026】
内側高圧出口マニホルド60は、中空チャネル61.2内で、2つの高圧出口孔57.1、57.2を組み合わせ構成要素27の内部熱交換器26に接続し、この中空チャネル61.2は、第1の高圧出口孔57.1から第2の高圧出口孔57.2まで延び、中空チャネル61.2に直交して延びる接続チャネル63の円形孔があり、この円形孔は内部熱交換器26のパイプに通じている。
【0027】
内部低圧入口マニホルド59のT字型構成が、図5cによる切断面B−Bに沿った断面図で図5eに示されている。第1の低圧入口孔56.1から第2の低圧入口孔56.2まで延びる中空チャネル61.1は、中心において、中空チャネル61.1に垂直に位置付けられた統合チャネル62により分割される。統合チャネルは、中空チャネル61.1からカバー45内部を通ってカバー内表面まで延びている。
【0028】
図5fは、マニホルド29とのカバー45の等角図を示しており、該マニホルドは、両長手方向側表面54の各々に3つの異なる孔55、56、57を備えている。マニホルド29は、カバー縁部52と同様に湾曲しているマニホルド29の外側縁部51の縁部側表面を除いては、略矩形である。
【0029】
上下に平行に配置された接続部を備えたマニホルド29の詳細図が図6で示されている。マニホルド29は、内部熱交換器26及びアキュムレータ28を備える組み合わせ構成要素27のカバー上に配置された略矩形の本体として存在する。図6aは、マニホルド29の側面図を示し、この透視法では、矩形であるがカバー45上の中心に正確ではなく近似的に位置付けられた本体のように見える。
【0030】
図6bは、カバー面47の平面図である。マニホルド29の両長手方向縁部65、66は、カバー45の軸68に平行に延びる。マニホルド29の内側縁部67は、両長手方向縁部65、66及びカバー45の軸68に直交して延び、カバー45の軸68は、内側縁部67の中心から外部で内側縁部67と交差する。しかしながら、マニホルド29の外側縁部69は、図6bの平面図で外側縁部69がカバー縁部52と適合するような形態で湾曲して設定されている。図6bによれば、長手方向縁部65、66の長さは、カバー45の半径よりも長いがカバー直径よりも短い。マニホルド29は、カバー45の軸68に垂直な軸に対して非対称に配置されている。
【0031】
図6cは、この代替の実施形態のマニホルド29の正面図を示している。この正面図が示すように、マニホルド29は、両長手方向側表面に、上下に配置された2つの小さな中央円形ネジ孔71と、上下に配置された2つの広い円形孔72、73とを備え、これらの広い孔は、一方が低圧入口孔72であり、他方が高圧出口孔73である。3つの上側円形孔71,72、73の中心は、共通の上側水平軸74上に配置され、3つの下側円形孔71、72、73の中心は、上側水平軸74に平行に延びる下側水平軸75上に配置されている。小さな中央ネジ孔71は、二重接続要素30、31のネジ留めポイント44を設定するように形成される。カバー45の中心領域にほぼ位置付けられている、互いに上に載置される大きな低圧入口孔72は、低圧の冷媒用の入口孔として機能する。カバー45の縁部領域に配置された、互いに上に載置される両方の高圧出口孔73は、内部熱交換器26からの高圧の冷媒用の出口孔として機能する。
【0032】
図6cの切断面A−A及びB−Bのそれぞれの表示を参照すると、図6dでは、接続ブロック29の切断面A−Aに沿った断面は、組み合わせ構成要素27の円筒軸46に平行な方向で見た状態で示されている。図6dから、長手方向縁部65の下の長手方向側表面70上だけに孔71、72、73があることが分かる。図6dの断面図は、内部低圧入口マニホルド76と内部高圧出口マニホルド77とを示している。両方の低圧入口孔78から流入する冷媒が統合チャネル79で集められるようにして、短い入口チャネル78が入口チャネル78に垂直に位置付けられた統合チャネル79に続くことから、内部低圧入口マニホルド76は、組み合わせ構成要素27のアキュムレータ28への2つの低圧入口チャネル72の接続を形成する。
【0033】
短い入口チャネル78は、入口チャネル78に垂直に位置付けられた接続チャネル80に続くので、内部高圧出口マニホルド77は、組み合わせ構成要素27の内部熱交換器26への2つの高圧出口孔73の接続を形成する。
【0034】
内部低圧入口マニホルド76のF字型構成が、図6cによる切断面B−Bに沿った断面図を用いて図6eに示されている。入口チャネル78は、入口チャネル78に垂直に並んだ接続チャネル80に続き、該接続チャネル80は、カバー45内部を通ってカバー内表面まで延びている。
【0035】
図6fは、マニホルド29とのカバー45の等角図を示しており、該マニホルドは、長手方向縁部の下の長手方向側表面70上にだけ孔71、72、73を備える。マニホルド29は、カバー縁部52と同様に湾曲しており、マニホルド29の外側縁部69の下にある縁部側表面64を除いては、基本的に矩形である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】従来技術による2つの並行切替蒸発器を備えたHVACのブロック図である。
【図2】アキュムレータ及び内部熱交換器を備えた組み合わせ構成要素と2つの二重接続ブロックとを有するブロック図である。
【図3a】冷媒ライン3上に配置された2つの三方ネジ留めポイントを備えた従来技術の冷媒ライン3の分岐部分の図である。
【図3b】冷媒ライン3上に配置された1つの三方ネジ留めポイントを備えた従来技術の冷媒ライン3の分岐部分の図である。
【図4a】対向して平行に配置された二重接続要素及びネジ留めポイントを備えたマニホルドを含む、アキュムレータ及び内部熱交換器を備える組み合わせ構成要素の外観図である。
【図4b】上下に配置された二重接続要素及びネジ留めポイントを備えたマニホルドを含む、アキュムレータ及び内部熱交換器を備える組み合わせ構成要素の外観図である。
【図5】互いに対向して配置された接続部を有するマニホルドの詳細図である。
【図6】互いに上に配置された接続部を有するマニホルドの詳細図である。
【符号の説明】
【0037】
1 冷媒回路システム
2 コンプレッサ
3 冷媒ライン
4 ガス冷却器
5 高圧入口
6 内部熱交換器
7 高圧出口
8 マニホルド接続部
9 マニホルド
10 冷媒ライン3の第1の分岐部
11 冷媒ライン3の第2の分岐部
12 第1の膨張部材
13 第2の膨張部材
14 第1の蒸発器
15 第2の蒸発器
16 第1の入口
17 第2の入口
18 コレクタ(アキュムレータ)
19 低圧入口
20 低圧出口
21 冷媒回路システム
22 コンプレッサ
23 冷媒ライン
24 ガス冷却器
25 高圧入口
26 内部熱交換器
27 組み合わせ構成要素
28 アキュムレータ
29 マニホルド
30 第1の二重接続要素
31 第2の二重接続要素
32 第1の高圧出口
33 第2の高圧出口
34 冷媒ライン23の第1の分岐部
35 冷媒ライン23の第2の分岐部
36 第1の膨張部材
37 第2の膨張部材
38 第1の蒸発器
39 第2の蒸発器
40 第1の低圧入口
41 第2の低圧入口
42 低圧出口
43 マニホルド
44 ネジ留めポイント
45 カバー
46 円筒軸
47 カバー面
48 マニホルド29の長手方向縁部
49 鏡面対称軸
50 マニホルド29の内部縁部
51 マニホルド29の外部縁部
52 カバー縁部
53 カバー面47の軸
54 長手方向側表面
55 ネジ孔
56 低圧入口孔、円形孔
56.1 第1の低圧入口孔
56.2 第2の低圧入口孔
57 高圧出口孔、円形孔
57.1 第1の高圧出口孔
57.2 第2の高圧出口孔
58 水平軸
59 内側低圧入口マニホルド
60 内側高圧出口マニホルド
61.1 中空チャネル
61.2 中空チャネル
62 統合チャネル
63 接続チャネル
64 縁部側面
65 長手方向縁部
66 長手方向
67 内側縁部
68 カバー45の軸
69 マニホルド29の外側縁部
70 長手方向側表面
71 ネジ孔
72 低圧入口孔
73 高圧出口孔
74 上側水平軸
75 下側水平軸
76 内側低圧入口マニホルド
77 内側高圧出口マニホルド
78 入口チャネル
79 統合チャネル
80 接続チャネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に冷媒としてCO2を利用する自動車用HVACの冷媒回路システムであって、
前記冷媒が、冷媒ライン(23)に沿ってコンプレッサ(22)及びガス冷却器(24)を通って流れ、内部熱交換器(26)及びアキュムレータ(28)を1つの構成要素に組み合わせた組み合わせ構成要素の高圧入口(25)に入り、これにより高圧側の前記内部熱交換器(26)を通過した冷媒は、低圧側で前記アキュムレータ(28)内に中間的に蓄えられて該アキュムレータから取り出された冷媒と熱接触し、これにより前記前記内部熱交換器(26)を通過した後、前記組み合わせ構成要素(27)の高圧出口(32、33)に位置する前記冷媒ライン(23)が、互いに並行に切り替えられる前記冷媒ライン(23)の2つの別々の分岐部(34、35)に分割され、各分岐部が膨張部材(36、37)と該膨張部材(36、37)の下流側にある蒸発器(38、39)とを有し、これにより互いに並行に切り替えられる前記冷媒ライン(23)の分岐部(34、35)は共に、前記蒸発器(38、39)から前記組み合わせ構成要素(27)の低圧入口(40、41)を通って前記アキュムレータ(28)に続き、その結果、前記中間的に蓄えられた冷媒は、前記冷媒ライン(23)に沿って前記組み合わせ構成要素(27)の低圧出口(42)を通って前記コンプレッサ(22)に再び達することができる、
ことを特徴とする冷媒回路システム(1)。
【請求項2】
前記内部熱交換器(26)及び前記アキュムレータ(28)を備えた前記組み合わせ構成要素(27)と、互いに並行に切り替えられる前記2つの分岐部(34、35)に前記組み合わせ構成要素(27)に接続するためにマニホルド(29)が配置されている、
請求項1に記載の冷媒回路システム(1)。
【請求項3】
前記マニホルド(29)が、前記冷媒ライン(23)の第1の分岐部(34)において前記第1の膨張部材(36)及び前記第1の蒸発器(38)に接続するための接続部を有する第1の二重接続要素(30)を備えている、
請求項2に記載の冷媒回路システム(1)。
【請求項4】
前記マニホルド(29)が、前記冷媒ライン(23)の第2の分岐部(35)において前記第2の膨張部材(37)及び前記第2の蒸発器(39)に接続するための接続部を有する第2の二重接続要素(31)を備えている、
請求項3に記載の冷媒回路システム(1)。
【請求項5】
前記第1の二重接続要素(30)が、前記第2の二重接続要素(31)と平行に対向して配置されている、
請求項4に記載の冷媒回路システム(1)。
【請求項6】
前記第1の二重接続要素(30)及び前記第2の二重接続要素(31)が、互いの上に平行に配置されている、
請求項4に記載の冷媒回路システム(1)。
【請求項7】
前記二重接続要素(30、31)の各々が、締結用に1つのネジを必要とする、
請求項3ないし6のいずれか1項に記載の冷媒回路システム(1)。
【請求項8】
前記二重接続要素(30、31)の各々が、締結用に2つのネジを必要とする、
請求項3ないし7のいずれか1項に記載の冷媒回路システム(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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