説明

利用実績処理装置及び利用実績処理方法

【課題】 クレジットカードの利用者にとって利用価値の高い情報を提供することができる利用実績処理装置及び利用実績処理方法を提供する。
【解決手段】
利用実績処理装置1は、利用者のクレジットカードの利用実績を利用分野別に生成する利用実績生成手段と、前記利用実績生成手段によって生成された一の利用者の利用実績と他の利用者の利用実績とを利用分野毎に比較する利用実績比較手段と、前記利用実績比較手段による比較の結果に基づいて、前記一の利用者について他の利用分野と比べて利用実績が少ない少利用分野を特定する少利用分野特定手段と、前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野を前記一の利用者に対して通知するための通知情報を生成する通知情報生成手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットカードの利用実績を処理する利用実績処理装置及び利用実績処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカードの利用者に対して、その利用実績に応じて定められた各種の情報を提供するためのコンピュータシステムが種々提案されている。例えば、特許文献1には、クレジットカード等による取引の履歴に基づいて利用者の嗜好を特定し、その嗜好に関連する商品に関する情報等を当該利用者に対して提供する情報提供システムが開示されている。この情報提供システムによれば、利用者は、クレジットカード等を利用することによって、自身が関心のある情報を自動的に取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−344510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、仮に利用者の嗜好にあった商品に関する情報を提供することができたとしても、その商品を利用者が購入するか否かは当該利用者が支出可能な金額次第であるため、その提供された情報は利用者にとって必ずしも利用価値が高いわけではない。すなわち、利用者の支出可能な金額を超える範囲において利用可能な情報が提供された場合、利用者にとって当該情報は利用価値が乏しいことが多く、したがってクレジットカードの利用促進を図ることが困難であるという問題がある。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、クレジットカードの利用者にとって利用価値が高い情報を提供することにより、クレジットカードの利用促進を確実に図ることができる利用実績処理装置及び利用実績処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の利用実績処理装置は、各利用者のクレジットカードの利用実績を利用分野別に生成する利用実績生成手段と、前記利用実績生成手段によって生成された一の利用者の利用実績と他の利用者の利用実績とを利用分野毎に比較する利用実績比較手段と、前記利用実績比較手段による比較の結果に基づいて、前記一の利用者について他の利用分野と比べて利用実績が少ない少利用分野を特定する少利用分野特定手段と、前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野を前記一の利用者に対して通知するための通知情報を生成する通知情報生成手段とを備える。
【0007】
前記態様の利用実績処理装置が、前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野についてクレジットカードを将来利用した場合に、前記一の利用者に対して適用されるポイント付与率を決定するポイント付与率決定手段をさらに備え、前記通知情報生成手段が、前記ポイント付与率決定手段によって決定されたポイント付与率を示すポイント付与率情報を含む前記通知情報を生成するように構成されていてもよい。
【0008】
また、前記態様の利用実績処理装置において、前記通知情報生成手段が、前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野を含む複数の利用分野を各軸とするレーダーチャートを含む前記通知情報を生成するように構成されていてもよい。
【0009】
また、前記態様の利用実績処理装置において、前記通知情報生成手段が、前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野を含む複数の利用分野を各軸とするレーダーチャートを含む前記通知情報を生成するように構成されており、前記ポイント付与率決定手段が、前記レーダーチャートの面積に基づいて、前記一の利用者に対して適用されるポイント付与率を決定するように構成されていてもよい。
【0010】
また、前記態様の利用実績処理装置において、前記通知情報生成手段が、前記利用実績比較手段による比較の結果に基づいて、前記一の利用者について他の利用分野と比べて利用実績が多い利用分野を特定し、当該利用分野を基準にして生成されたレーダーチャートと、前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野を含む複数の利用分野を各軸とするレーダーチャートとを対応付けたレーダーチャート情報を含む前記通知情報を生成するように構成されていてもよい。
【0011】
また、前記態様の利用実績処理装置において、前記通知情報生成手段が、前記一の利用者と収入が同程度の利用者の利用実績に基づいて生成されたレーダーチャートと、前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野を含む複数の利用分野を各軸とするレーダーチャートとを対応付けたレーダーチャート情報を含む前記通知情報を生成するように構成されていてもよい。
【0012】
また、前記態様の利用実績処理装置において、前記通知情報生成手段が、前記一の利用者と利用総額が同程度の利用者の利用実績に基づいて生成されたレーダーチャートと、前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野を含む複数の利用分野を各軸とするレーダーチャートとを対応付けたレーダーチャート情報を含む前記通知情報を生成するように構成されていてもよい。
【0013】
本発明の一の態様の利用実績処理方法においては、コンピュータが、各利用者のクレジットカードの利用実績を利用分野別に生成する利用実績生成工程と、前記利用実績生成工程によって生成された一の利用者の利用実績と他の利用者の利用実績とを利用分野毎に比較する利用実績比較工程と、前記利用実績比較工程による比較の結果に基づいて、前記一の利用者について他の利用分野と比べて利用実績が少ない少利用分野を特定する少利用分野特定工程と、前記少利用分野特定工程によって特定された少利用分野を前記一の利用者に対して通知するための通知情報を生成する通知情報生成工程とを実行する。
【0014】
前記態様の利用実績処理方法において、前記コンピュータが、前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野についてクレジットカードを将来利用した場合に、前記一の利用者に対して適用されるポイント付与率を決定するポイント付与率決定工程をさらに実行し、前記通知情報生成工程において、前記コンピュータが、前記ポイント付与率決定工程によって決定されたポイント付与率を示すポイント付与率情報を含む前記通知情報を生成するようにしてもよい。
【0015】
また、前記態様の利用実績処理方法の前記通知情報生成工程において、前記コンピュータが、前少記利用分野特定工程によって特定された少利用分野を含む複数の利用分野を各軸とするレーダーチャートを含む前記通知情報を生成するようにしてもよい。
【0016】
さらに、前記態様の利用実績処理方法の前記通知情報生成工程において、前記コンピュータが、前記少利用分野特定工程によって特定された少利用分野を含む複数の利用分野を各軸とするレーダーチャートを含む前記通知情報を生成し、前記ポイント付与率決定工程において、前記コンピュータが、前記レーダーチャートの面積に基づいて、前記一の利用者に対して適用されるポイント付与率を決定するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る利用実績処理装置及び利用実績処理方法によれば、利用者の支出可能な金額の範囲内において利用可能な情報を提供することが可能となるため、クレジットカードの利用促進を確実に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る利用実績処理装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係る利用実績処理装置に設けられている売上情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図3】本発明の実施の形態に係る利用実績処理装置に設けられている利用分野別売上情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係る利用実績処理装置に設けられている売上ランクテーブルの一例を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係る利用実績処理装置に設けられている利用分野別ランクテーブルの一例を示す図。
【図6】本発明の実施の形態に係る利用実績処理装置に設けられている利用実績情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図7】本発明の実施の形態に係る利用実績処理装置に設けられているポイント付与率決定テーブルの一例を示す図。
【図8】本発明の実施の形態1に係る利用実績処理装置が実行する利用分野別売上集計処理の手順を示すフローチャート。
【図9】本発明の実施の形態1に係る利用実績処理装置が実行する通知情報生成処理の手順を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施の形態1に係る利用実績処理装置が実行するレーダーチャート生成処理の手順を示すフローチャート。
【図11】本発明の実施の形態1に係る利用実績処理装置1によって生成されるレーダーチャートの一例を示す図。
【図12】本発明の実施の形態1に係る利用実績処理装置が実行するポイント付与率決定処理の手順を示すフローチャート。
【図13】本発明の実施の形態1に係る利用実績処理装置が実行する利用成績表生成処理の手順を示すフローチャート。
【図14】本発明の実施の形態1に係る利用実績処理装置により生成される利用成績表の一例を示す図。
【図15】本発明の実施の形態2に係る利用実績処理システムの構成を示すブロック図。
【図16】本発明の実施の形態2に係る利用実績処理システムが備える利用実績処理装置及び会員端末装置の動作の流れを示すフローチャート。
【図17】本発明の実施の形態2に係る会員端末装置のディスプレイ上に表示される目標設定画面の一例を示す図。
【図18】本発明の実施の形態2に係る会員端末装置のディスプレイ上に表示される目標設定画面の他の例を示す図。
【図19】本発明の実施の形態2に係る利用実績処理装置の動作の流れを示すフローチャート。
【図20】本発明の実施の形態2に係る利用実績処理装置により生成される目標達成率情報の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0020】
(実施の形態1)
[利用実績処理装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る利用実績処理装置の構成を示すブロック図である。図1に示すとおり、コンピュータ(利用実績処理装置)1は、CPU10、ROM11、RAM12、及びハードディスク13を備えており、これらのCPU10、ROM11、RAM12及びハードディスク13は、バス14によって接続されている。
【0021】
CPU10は、RAM12にロードされた各種のコンピュータプログラムを実行する。これにより、コンピュータ1が本実施の形態の利用実績処理装置1として機能することになる。
【0022】
ROM11は、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、又はEEPROM(Electrically Erasable PROM)等によって構成されており、CPU10にて実行されるコンピュータプログラム及びその実行の際に用いられるデータ等が記憶されている。
【0023】
RAM12は、SRAM又はDRAMなどによって構成されている。このRAM12は、ハードディスク13に記憶されている各種のコンピュータプログラムの読み出し等に用いられる。また、CPU10が各種のコンピュータプログラムを実行するときに、CPU10の作業領域としても利用される。
【0024】
ハードディスク13には、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなど、CPU10に実行させるための各種のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータ等が予めインストールされている。また、このハードディスク13には、クレジットカードの会員に関する会員情報が格納される会員情報データベース(DB)13Aと、各会員についての売上に関する売上情報が格納される売上情報データベース(DB)13Bと、クレジットカードの利用分野に関する利用分野マスタ情報が格納される利用分野マスタデータベース(DB)13Cと、当該利用分野別の売上情報が格納される利用分野別売上情報データベース(DB)13Dと、売上のランクを規定する売上ランクテーブル13Eと、利用分野別の売上ランクを規定する利用分野別ランクテーブル13Fと、各会員の利用実績に関する利用実績情報が格納される利用実績情報データベース(DB)13Gと、各会員に適用されるポイント付与率を規定するポイント付与率決定テーブル13Hとが設けられている。これらの各データベース及び各テーブルの詳細については後述する。
【0025】
さらに、ハードディスク13には、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、各種のコンピュータプログラムが当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0026】
以下、ハードディスク13に設けられている各データベース及び各テーブルの詳細について説明する。
(A)会員情報DB13A
会員情報DB13Aには、各会員の会員番号、氏名、連絡先(住所・電話番号・電子メールアドレス等)、及び年収等が格納されている。その他にも、会員情報DB13Aには、各会員が自己の端末を用いて利用実績処理装置1に対してログインするために必要となる利用者ID及びパスワード等が格納されている。
【0027】
(B)売上情報DB13B
図2は、本発明の実施の形態に係る利用実績処理装置1に設けられている売上情報DB13Bのレイアウトの一例を示す図である。図2に示すように、売上情報DB13Bは、クレジットカードを利用した会員の会員番号が格納される会員番号フィールド101、クレジットカードを利用した日時が格納される利用日時フィールド102、クレジットカードを利用した店舗を示す情報が格納される利用店舗フィールド103、クレジットカードを利用して会員が購入した商品を示す情報が格納される商品フィールド104、及びクレジットカードの利用金額が格納される利用金額フィールド105を有している。利用実績処理装置1は、クレジットカード会社が運用するクレジットカードシステムから上記の売上情報を受信し、これを売上情報DB13Bに登録する。
【0028】
(C)利用分野マスタDB13C
利用分野マスタDB13Cでは、クレジットカードの利用分野と、当該利用分野に属する商品とが定義されている。本実施の形態においては、クレジットカードの利用分野として、食料品、娯楽・飲食、電子マネー、公共料金、ガソリン、衣料品、及び公共移動手段の合計7つが定義されており、さらにこれらの利用分野に属する商品が定義されている(例えば、「婦人服」は「衣料品」に属する等)。なお、これらの利用分野は例示であって、その他の利用分野であってもよいことは言うまでもない。
【0029】
(D)利用分野別売上情報DB13D
図3は、本発明の実施の形態に係る利用実績処理装置1に設けられている利用分野別売上情報DB13Dのレイアウトの一例を示す図である。図3に示すように、利用分野別売上情報DB13Dは、会員の会員番号が格納される会員番号フィールド201と、当該会員の利用金額のうち、食料品、娯楽・飲食、電子マネー、公共料金、ガソリン、衣料品、及び公共移動手段のそれぞれに係る利用金額が格納される、食料品フィールド202、娯楽・飲食フィールド203、電子マネーフィールド204、公共料金フィールド205、ガソリンフィールド206、衣料品フィールド207、及び公共移動手段フィールド208とを有している。利用実績処理装置1は、後述する利用分野別売上集計処理を実行することによって利用分野別売上情報を生成し、これを利用分野別売上情報DB13Dに登録する。
【0030】
(E)売上ランクテーブル13E
図4は、本発明の実施の形態に係る利用実績処理装置1に設けられている売上ランクテーブル13Eの一例を示す図である。図4に示すように、売上ランクテーブル13Eでは、“売上ランク”と“利用総額”とが対応付けられている。この“利用総額”はクレジットカードの年間の利用総額であり、売上ランクテーブル13Eでは、当該額が大きくなるほど高いランクになるように“売上ランク”と“利用総額”とが対応付けられている。この売上ランクテーブル13Eは、クレジットカード会社によって予め設定されている。
【0031】
(F)利用分野別ランクテーブル13F
図5は、本発明の実施の形態に係る利用実績処理装置1に設けられている利用分野別ランクテーブル13Fの一例を示す図である。図5に示すように、利用分野別ランクテーブル13Fでは、“売上ランク”と各利用分野における年間の利用金額の“平均値”及び“偏差値”とが対応付けられている。この利用分野別ランクテーブル13Fは、次のようにして利用実績処理装置1により生成される。
【0032】
まず、利用実績処理装置1は、利用分野別売上情報DB13Dに格納されている利用金額を、売上ランクテーブル13Eで規定されている売上ランク別に集計し、その集計額の平均値を算出する。これにより、利用分野別に、売上ランク別の利用金額の平均値が得られることになる。次に、利用実績処理装置1は、利用分野別に利用金額の標準偏差を求め、その標準偏差と上記の売上ランク別の利用金額の平均値とを用いて、利用分野別に、売上ランクの偏差値を算出する。このようにして得られた売上ランク別の利用金額の平均値と売上ランクの偏差値とを利用分野別にまとめることによって、利用実績処理装置1は利用分野別ランクテーブル13Fを生成する。
【0033】
(G)利用実績情報DB13G
図6は、本発明の実施の形態に係る利用実績処理装置1に設けられている利用実績情報DB13Gのレイアウトの一例を示す図である。図6に示すとおり、利用実績情報DB13Gは、会員の会員番号が格納される会員番号フィールド301と、当該会員の利用総額に関する情報が格納される利用総額フィールド302と、当該会員の食料品、娯楽・飲食、電子マネー、公共料金、ガソリン、衣料品、及び公共移動手段のそれぞれに係る利用金額が格納される、食料品フィールド303、娯楽・飲食フィールド304、電子マネーフィールド305、公共料金フィールド306、ガソリンフィールド307、衣料品フィールド308、及び公共移動手段フィールド309とを有している。
【0034】
利用総額フィールド302は、金額サブフィールド302a、偏差値サブフィールド302b、及びランクサブフィールド302cを有しており、金額サブフィールド302aには各会員の年間の利用金額の総額が、偏差値サブフィールド302bには当該総額の偏差値(全ての会員の利用総額における当該総額の偏差値)が、ランクサブフィールド302cには売上ランクテーブル13Eにおいて当該総額と対応付けられている売上ランクが、それぞれ格納される。同様にして、食料品フィールド303、娯楽・飲食フィールド304、電子マネーフィールド305、公共料金フィールド306、ガソリンフィールド307、衣料品フィールド308、及び公共移動手段フィールド309の各フィールドも、金額サブフィールド、偏差値サブフィールド、及びランクサブフィールドを有しており、金額サブフィールドには利用分野別の各会員の年間の利用金額の総額が、偏差値サブフィールドには当該総額の偏差値(全ての会員の利用分野別の利用総額における当該総額の偏差値)が、ランクサブフィールド302cには利用分野別ランクテーブル13Fに規定されているランク(当該総額と最も近い平均値と対応付けられているランク)が、それぞれ格納されている。
【0035】
利用実績処理装置1は、利用分野別売上情報DB13D、売上ランクテーブル13E、及び利用分野別ランクテーブル13Fを適宜参照しながら上記の利用実績情報を生成し、これを利用実績情報DB13Gに登録する。
【0036】
(H)ポイント付与率決定テーブル13H
図7は、本発明の実施の形態に係る利用実績処理装置1に設けられているポイント付与率決定テーブル13Hの一例を示す図である。図7に示すとおり、ポイント付与率決定テーブル13Hでは、後述するレーダーチャートの面積と各会員に適用されるポイント付与率とが対応付けられている。利用実績処理装置1は、後述するようにして利用実績に基づいてレーダーチャートを生成し、ポイント付与率決定テーブル13Hにおいてその面積と対応付けられているポイント付与率を特定することにより、各会員に適用されるポイント付与率を決定することになる。
【0037】
[利用実績処理装置の動作]
次に、上述したように構成された本実施の形態の利用実績処理装置1の動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。なお、本実施の形態の利用実績処理装置1にて実行される主な処理には、(1)利用分野別売上情報を生成するための利用分野別売上集計処理、(2)会員に対してクレジットカードの利用実績に関する情報を通知するための通知情報を生成する通知情報生成処理等がある。ここで、(2)通知情報生成処理では、(2−1)各会員の利用実績に基づいてレーダーチャートを生成するためのレーダーチャート生成処理、(2−2)各会員に適用されるポイント付与率を決定するためのポイント付与率決定処理、及び(2−3)各会員の利用実績を整理した利用成績表を生成するための利用成績表生成処理の各処理が実行される。以下では、これらの各処理の詳細について説明する。
【0038】
(1)利用分野別売上集計処理
図8は、本発明の実施の形態1に係る利用実績処理装置1が実行する利用分野別売上集計処理の手順を示すフローチャートである。図8に示すように、利用実績処理装置1は、本処理の対象となる会員を設定し(S101)、処理対象となっている会員に係る売上情報を売上情報DB13Bから抽出する(S102)。次に、利用実績処理装置1は、利用分野マスタDB13Cを参照し(S103)、ステップS102にて抽出した売上情報に格納されている利用金額を利用分野別に集計する(S104)。この集計処理の結果得られた利用分野別売上情報を、利用実績処理装置1は、利用分野別売上情報DB13Dに登録する(S105)。
【0039】
次に、利用実績処理装置1は、全ての会員が処理対象に設定されたか否かを判定する(S106)。ここで、まだ処理対象になっていない会員がいると判定した場合(S106でNO)、利用実績処理装置1は、ステップS101に戻り、それ以降の処理を繰り返す。他方、全ての会員が処理対象になったと判定した場合(S106でYES)、利用実績処理装置1は利用分野別売上集計処理を終了する。
【0040】
上記の利用分野別売上集計処理は、例えば日次で行われる。これにより、利用分野別売上情報DB13Dが日々更新されることになる。また、この利用分野別売上情報DB13Dが更新される都度、利用実績処理装置1は利用実績情報DB13Gの更新処理を行う。これにより、利用実績情報DB13Gを最新の内容に維持することができる。
【0041】
(2)通知情報生成処理
図9は、本発明の実施の形態1に係る利用実績処理装置1が実行する通知情報生成処理の手順を示すフローチャートである。図9に示すように、通知情報生成処理では、レーダーチャート生成処理(S201)、ポイント付与率決定処理(S202)、及び利用成績表生成処理(S203)が、この順に実行される。以下、各処理について説明する。
【0042】
なお、この通知情報生成処理は、例えば年次で行われる。これにより、通知情報が毎年生成され、各会員に対して提供されることになる。
【0043】
(2−1)レーダーチャート生成処理
図10は、本発明の実施の形態1に係る利用実績処理装置1が実行するレーダーチャート生成処理の手順を示すフローチャートである。図10に示すように、利用実績処理装置1は、本処理の対象となる会員を利用実績情報DB13Gから抽出する(S301)。このとき、利用実績処理装置1は、利用実績情報DB13Gの偏差値サブフィールド303b乃至309bを参照して40以下の偏差値が含まれている利用実績情報を特定し、その利用実績情報に係る会員を処理対象として抽出する。これにより、他の会員と比べて利用実績が少ない利用分野を有している会員を処理対象とすることができる。以下では、このような他の会員と比べて利用実績が少ない利用分野のことを「少利用分野」と称する。なお、上記抽出された会員は、2以上の少利用分野を有してもよい。
【0044】
次に、利用実績処理装置1は、その会員について生成するレーダーチャートの各軸となる利用分野を特定する(S302)。本実施の形態では、ステップS302において、五角形のレーダーチャートを生成するために5つの利用分野を特定するものとする。上述したように、本実施の形態においては7つの利用分野が設けられているため、利用実績処理装置1はこれらの7つの利用分野の中から5つの利用分野を特定することになる。なお、特定される5つの利用分野には、少利用分野が必ず含まれるものとする。
【0045】
上記の利用分野の特定の方法は様々なものが想定される。例えば、会員からの希望に応じて5つの利用分野を特定してもよく、また、クレジットカード会社側によって5つの利用分野が予め特定されていてもよい。その他にも、次のような内容のアンケートを、会員を対象として行い、その結果に応じて5つの利用分野を特定するようにしてもよい。
[アンケート項目]
(1)車の使用頻度
A)通勤 B)休日のみ C)なし
(2)家族構成
A)1人 B)世帯あり(子供なし) C)世帯あり(子供あり)
(3)住居
A)持ち家 B)賃貸 C)寮・集団生活
(4)趣味
A)ドライブ B)ショッピング C)スポーツ D)音楽 E)旅行 F)お酒
上記のアンケートにおいて、例えば、項目(1)の回答がA)の場合は“ガソリン”に+100点、B)の場合は“ガソリン”に+70点、C)の場合は“ガソリン”に−100点を加える。また、項目(2)の回答がA)の場合は“食料品”に−50点、“娯楽・飲食”に+70点、“公共料金”に+20点、“衣料品”に+50点を加え、B)の場合は“食料品”に+50点、“公共料金”に+50点、“衣料品”に+30点を加え、C)の場合は“食料品”に+70点を加える。このようにして、各利用分野について点数を加え、その合計点が高い順に5つの利用分野を特定することにより、ステップS302における利用分野の特定を行うようにしてもよい。この場合、特定された5つの利用分野のうちで最も合計点が低い利用分野(又は合計点が低い順に特定された複数の利用分野)が小利用分野となる。なお、上記のアンケートは、書面で行ってもよく、ウェブサイトを介して行うようにしてもよい。
【0046】
上述したようなアンケートを行うことにより、個人のライフスタイルに沿った利用分野を特定することが可能となる。そのため、例えば、車を所有していない会員に対してガソリンについてクレジットカードの利用を提案する等、利用価値の低い情報を会員に提供することを防止することができる。
【0047】
なお、特定された5つの利用分野のすべてにおいて相当程度のクレジットカードの利用がなされている場合、この会員は少利用分野を有していないと判断し、当該会員について以降の処理を終了するようにしてもよい。また、少利用分野における現在の利用がゼロである場合は、今後も利用する可能性が低いと判断し、同様にして以降の処理を終了するようにしてもよい。
【0048】
ステップS302にて利用分野の特定を行った後、利用実績処理装置1は、特定された5つの利用分野を軸とする五角形のレーダーチャートを生成する(S303)。図11は、本発明の実施の形態1に係る利用実績処理装置1によって生成されるレーダーチャートの一例を示す図である。図11には、ステップS302において“食料品”,“ガソリン”,“公共料金”,“電子マネー”,“娯楽・飲食”の5つの利用分野が特定された場合の例が示されている。なお、各軸の目盛りは、各会員が属する売上ランクの平均値等、適宜の値で正規化されているものとする。
【0049】
次に、利用実績処理装置1は、ステップS303において生成したレーダーチャートの面積を算出する(S304)。以下では、レーダーチャートの各軸に目盛りが設けられているものとし、その目盛りの1つを1ポイントと換算して、レーダーチャートの面積をこのポイントで表すものとする。
【0050】
以上でレーダーチャート生成処理(S201)が終了し、次にポイント付与率決定処理(S202)が実行される。
【0051】
(2−2)ポイント付与率決定
図12は、本発明の実施の形態1に係る利用実績処理装置1が実行するポイント付与率決定処理の手順を示すフローチャートである。図12に示すように、利用実績処理装置1は、ステップS304にて算出されたレーダーチャートの面積と対応付けられているポイント付与率を特定するために、ポイント付与率決定テーブル13Hを参照する(S401)。そして、利用実績処理装置1は、ポイント付与率決定テーブル13Hにおいて当該面積と対応付けられているポイント付与率を特定し、これを処理対象の会員に適用されるポイント付与率に決定する(S402)。
【0052】
以上でポイント付与率決定処理(S202)が終了し、次に利用成績表生成処理(S203)が実行される。
【0053】
(2−3)利用成績表生成処理
図13は、本発明の実施の形態1に係る利用実績処理装置1が実行する利用成績表生成処理の手順を示すフローチャートである。図13に示すように、利用実績処理装置1は、処理対象の会員の利用分野別のランク(利用実績情報DB13Gに格納されている各利用分野のランク)の中で最も高いランク(以下、「最高ランク」という)を特定し、その最高ランクと同じランクの利用金額の平均値で構成されるレーダーチャート(以下、「最高ランクベースの平均レーダーチャート」という)を生成する(S501)。例えば、処理対象の会員の利用分野別のランクの中で“ガソリン”に係るランクが“7”と最も高かった場合では、他の利用分野でランクが“7”の場合の利用金額の平均値を、利用分野別ランクテーブル13Fを用いて特定し、それらの平均値を用いて最高ランクベースの平均レーダーチャートが生成されることになる。
【0054】
次に、利用実績処理装置1は、処理対象の会員の年収と同程度の年収の会員に係る利用分野別の利用金額の平均値で構成されるレーダーチャート(以下、「年収ベースの平均レーダーチャート」という)を生成する(S502)。具体的に説明すると、利用実績処理装置1はまず、会員情報DB13Aを参照することにより、処理対象の会員の年収を特定し、さらにその特定した年収と同程度の年収(例えば、当該会員の年収からプラスマイナス50万円の範囲の年収等)の会員を特定する。そして、利用実績処理装置1は、それらの会員の各利用分野における利用金額を利用実績情報DB13Gから取得し、その利用金額の平均値を用いて年収ベースの平均レーダーチャートを生成する。
【0055】
次に、利用実績処理装置1は、処理対象の会員の利用総額と同程度の利用総額の会員に係る利用分野別の利用金額の平均値で構成されるレーダーチャート(以下、「利用総額ベースの平均レーダーチャート」という)を生成する(S503)。具体的に説明すると、利用実績処理装置1はまず、利用実績情報DB13Gを参照することにより、処理対象の会員の利用総額を特定し、さらにその特定した利用総額と同程度の利用総額(例えば、当該会員の利用総額からプラスマイナス10万円の範囲の利用総額等)の会員を特定する。そして、利用実績処理装置1は、それらの会員の各利用分野における利用金額を利用実績情報DB13Gから取得し、その利用金額の平均値を用いて利用総額ベースの平均レーダーチャートを生成する。
【0056】
次に、利用実績処理装置1は、処理対象の会員に対してポイント付与率に関するアドバイスを含むアドバイス情報を生成する(S504)。このアドバイス情報には、少利用分野についてクレジットカードを利用した場合にポイント付与率がどのように変動するのかを示すアドバイスメッセージが含まれている。このアドバイスメッセージの生成は、利用実績処理装置1によって次のようにして行われる。まず、利用実績処理装置1は、最高ランクベース、年収ベース及び/又は利用総額ベースの平均レーダーチャート中の少利用分野における値を特定する。次に、利用実績処理装置1は、その値と同じ金額だけ処理対象の会員が少利用分野についてクレジットカードを利用した場合の当該会員のレーダーチャートを生成し、そのレーダーチャートの面積を算出する。そして、利用実績処理装置1は、ポイント付与率決定テーブル13Hを参照して、算出したレーダーチャートの面積と対応付けられているポイント付与率を特定する。利用実績処理装置1は、このようにして得られたレーダーチャートの面積及びポイント付与率を用いて、後述するようなアドバイスメッセージを生成する。
【0057】
最後に、利用実績処理装置1は、上述したようにして生成された、最高ランクベース、年収ベース及び利用総額ベースの平均レーダーチャートと、アドバイス情報とを含み、さらに利用実績情報DB13Gに格納されている情報と、レーダーチャート生成処理により生成されたレーダーチャート及びその面積と、ポイント付与率決定処理により決定されたポイント付与率とを含む利用成績表を生成する(S505)。
【0058】
以上のようにして処理対象の会員向けの利用成績表が生成される。この利用成績表は、紙媒体に印刷され、当該会員に提供される。それ以外にも、例えば各会員がパーソナルコンピュータ等を用いて利用実績処理装置1にアクセスすることにより利用成績表を電子的に取得するようにしてもよく、また利用実績処理装置1が電子メール等を用いて利用成績表を各会員に対して送信するようにしてもよい。
【0059】
図14は、本発明の実施の形態1に係る利用実績処理装置1により生成される利用成績表の一例を示す図である。図14に示すように、利用成績表には、1)利用実績、2)ポイント付与率、及び3)アドバイスの3項目が設けられており、さらに、参考情報として昨年度の実績が掲載されている。1)利用実績の項目には、利用実績情報DB13Gに格納されている当該会員の利用実績情報と、会員のレーダーチャートの面積と、各レーダーチャートとが表されている。ここで、各レーダーチャートは、それらの差異が明瞭になるように、重ねて表示されている。図14に示す例では、最高ランクベース、年収ベース及び利用総額ベースの平均レーダーチャートが、この順に大きな正五角形を形成しており、また、会員のレーダーチャートは“食料品”の値が極端に小さくなっている。これを参照することにより、会員は、“食料品”におけるクレジットカードの利用が他の会員と比較して少ないことを把握することができる。
【0060】
また、2)ポイント付与率の項目には、昨年度及び今年度のレーダーチャート面積及びポイント付与率が表されている。これを参照することにより、会員は、昨年度と今年度との差異を容易に確認することができる。なお、この2)ポイント付与率の項目の下方には、昨年度の実績が、利用金額並びにレーダーチャート及びその面積を用いて表されており、会員は昨年度の実績の詳細を併せて確認することができる。
【0061】
3)アドバイスの項目には、上述したようにして生成されたアドバイスメッセージと、そのアドバイスどおりに少利用分野についてクレジットカードを利用した場合に形成される会員のレーダーチャートとが表されている。図14には、会員の本年度のレーダーチャートと利用総額ベースの平均レーダーチャートとを比較した場合の例が示されている。すなわち、利用総額ベースの平均レーダーチャートの値と同じ金額だけ会員が少利用分野についてクレジットカードを利用した場合の当該会員のレーダーチャートと、そのレーダーチャートの面積と、その場合に適用されるポイント付与率とが表されている。これを参照することにより、会員は、自身と同程度の利用総額の他会員の少利用分野における利用状況を確認するとともに、その他会員と同程度の額を少利用分野において利用した場合において自身に適用されるポイント付与率を把握することができる。利用総額が同程度の会員同士では、支出可能金額も同程度であると考えられる。また、消費行動も同様である場合が多いと考えられる。これらのことから、利用総額が同程度の会員同士では、同一の利用分野において同程度の金額が支出可能であると推測される。そのため、少利用分野においては、当該会員が他会員と同程度の支出が可能であるにもかかわらず、何らかの理由によりクレジットカードを利用していないことが推測される。これは、当該会員が、少利用分野においては現金で支出していたり、他のクレジットカードを利用していたりすること等が原因として考えられる。そこで、利用成績表中のアドバイスの項目を用いて、少利用分野について本年度よりも多く利用した場合により高いポイント付与率が適用されることを当該会員に通知することにより、クレジットカードの利用を促す。このように、本実施の形態の場合、会員が支出可能と推測される金額の範囲内で有用な情報を当該会員に提供することができるため、クレジットカードの利用促進を効果的に図ることが可能になる。なお、ここでは、少利用分野が1つの例について説明したが、少利用分野が複数あってもよいことは上述したとおりである。
【0062】
なお、ここでは、利用総額ベースの平均レーダーチャートと会員のレーダーチャートとを比較した場合の例について説明したが、利用総額ベースの平均レーダーチャートの代わりに、また当該平均レーダーチャートと併せて、最高ランクベース及び/又は年収ベースの平均レーダーチャートと会員のレーダーチャートとを比較した結果得られる情報を、3)アドバイスの項目に表すようにしてもよい。これらの場合でも、同程度の支出可能金額と推測される会員との比較が行われることになり、会員が支出可能と推測される金額の範囲内で有用な情報を当該会員に提供することができる。
【0063】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る利用実績処理装置は、会員が自らの利用金額の目標を設定することを可能にするものである。以下、この利用実績処理装置を備える利用実績処理システムの構成及び動作について説明する。
【0064】
[利用実績処理システムの構成]
図15は、本発明の実施の形態2に係る利用実績処理システムの構成を示すブロック図である。図15に示すとおり、本実施の形態の利用実績処理システムは、利用実績処理装置1と、各会員側で用いられる複数の会員端末装置2,2,…とを備えている。会員端末装置2,2,…としては、例えばパーソナルコンピュータ、携帯型電話機及びPDA(Personal Digital Assistant)等の通信機能を有する装置が用いられる。これらの利用実績処理装置1及び会員端末装置2,2,…は、インターネット等の通信ネットワークNTWを介して通信可能に接続されている。
【0065】
[利用実績処理システムの動作]
図16は、本発明の実施の形態2に係る利用実績処理システムが備える利用実績処理装置1及び会員端末装置2の動作の流れを示すフローチャートである。図16に示すとおり、会員端末装置2は、利用金額の目標の設定を希望する会員から利用者ID及びパスワード等のログイン情報の入力を受け付け、そのログイン情報を利用実績処理装置1に対して送信する(S601)。
【0066】
利用実績処理装置1は、会員端末装置2から送信されたログイン情報を受信する(S701)。このとき、利用実績処理装置1は、受信したログイン情報を用いて会員の認証を行う。ここでは、この認証が成功したものとして、説明を続ける。
【0067】
利用実績処理装置1は、利用額の目標を設定するための目標設定画面を示す目標設定画面情報を生成し(S702)、その目標設定画面情報を会員端末装置2に対して送信する(S703)。なお、この目標設定画面情報には、入力された数値を用いてレーダーチャートを生成したり、ポイント付与率を決定したりするためのアプリケーションプログラムが組み込まれている。
【0068】
会員端末装置2は、利用実績処理装置1から送信された目標設定画面情報を受信した場合(S602)、その目標設定画面情報で示される目標設定画面をディスプレイ上に表示する(S603)。
【0069】
図17は、本発明の実施の形態2に係る会員端末装置2のディスプレイ上に表示される目標設定画面の一例を示す図である。図17に示すように、目標設定画面S1には、昨年度の実績として、利用総額及び利用分野別の利用金額、会員のレーダーチャート及びその面積、並びにポイント付与率が表されている。また、この目標設定画面S1には、利用総額及び利用分野別の利用金額の目標(以下、「目標額」という)を入力するための入力欄F1が設けられており、さらに、その入力欄F1に入力された数値を用いて算出されたレーダーチャートの面積を表示するための表示欄F2及びその面積に応じて決定されたポイント付与率を表示するための表示欄F3が設けられている。
【0070】
会員は、会員端末装置2の入力部を用いて、入力欄F1に対して目標額を入力する。会員端末装置2は、目標額の入力を受け付けた場合(S604)、その目標額を用いてレーダーチャート(以下、「目標レーダーチャート」という)を生成し(S605)、その目標レーダーチャートの面積を算出する(S606)。さらに、会員端末装置2は、その算出された目標レーダーチャートの面積に基づいてポイント付与率を決定する(S607)。これらの目標レーダーチャートの生成(S605)、目標レーダーチャート面積の算出(S606)、及びポイント付与率の決定(S607)は、目標設定画面情報に組み込まれているアプリケーションプログラムが作動することによって会員端末装置2が実施の形態1の場合と同様な処理を実行することにより行われる。
【0071】
次に、会員端末装置2は、目標設定画面S1を用いて、目標レーダーチャート、その面積、及びポイント付与率をディスプレイ上に表示する(S608)。図18は、このようにして会員端末装置2のディスプレイ上に表示される目標設定画面の例を示す図である。図18に示すように、目標設定画面S1の表示欄F2及びF3には、目標レーダーチャートの面積及びその面積に応じて決定されたポイント付与率がそれぞれ表示されており、さらに、その下方において、昨年度のレーダーチャートと対応付けて目標レーダーチャートが表示されている。会員は、これらの表示内容を参照することにより、レーダーチャートの形状及び面積がどのように変化するのか、それに応じてポイント付与率がどのように変化するのか等を確認することができる。なお、会員が入力欄F1に対して新たな目標額を入力した場合、ステップS605乃至S608が繰り返し実行され、新たな内容が目標設定画面S1に表示されることになる。これにより、会員は自身にとって適切な目標額の検討を行うことができる。
【0072】
上述したようにして目標額の設定がなされた後、その設定後の目標額が会員端末装置2から利用実績処理装置1に対して送信され、利用実績処理装置1において記憶される。それから所定期間経過した後、利用実績処理装置1は、会員によって設定された目標額と当該会員の実際の利用額等とを比較することにより、目標の達成状況を確認する。以下、そのための処理について詳述する。
【0073】
図19は、本発明の実施の形態2に係る利用実績処理装置1の動作の流れを示すフローチャートである。図19に示すように、利用実績処理装置1はまず、利用分野別売上情報DB13Dから処理対象の会員の利用分野別売上情報を抽出する(S801)。次に、利用実績処理装置1は、年度初めからその時点までの利用分野別の利用金額の合計(以下、「現状利用金額」という)を算出するとともに、その現状利用金額と目標額とを比較することにより当該時点における目標の進捗率を算出する(S802)。次に、利用実績処理装置1は、現状利用金額を用いて1ヶ月の平均利用金額を算出し、その平均利用金額を用いて年度末における利用分野別の利用金額の合計の推測値(以下、「予測利用金額」という)を算出し、さらに、その予測利用金額と目標額とを比較することにより年度末における目標の進捗率(推測値)を算出する(S803)。その後、利用実績処理装置1は、これらの算出した現状利用金額、予測利用金額及び進捗率を含む目標達成率情報を生成する。
【0074】
以上のようにして生成された目標率達成情報は、紙媒体に印刷され、各会員に提供される。それ以外にも、例えば各会員が会員端末装置2を用いて利用実績処理装置1にアクセスすることにより目標率達成情報を電子的に取得するようにしてもよく、また利用実績処理装置1が電子メール等を用いて目標率達成情報を各会員に対して送信するようにしてもよい。
【0075】
図20は、本発明の実施の形態2に係る利用実績処理装置1により生成される目標達成率情報の一例を示す図である。図20に示すように、目標達成率情報には、会員によって予め設定された目標額に関する情報、現状利用金額、予測利用金額及び進捗率が表されている。これらの内容を参照することにより、会員は、自らが設定した目標を達成することが可能であるか否か、達成するためには今後どの程度クレジットカードを利用すればよいのか等を確認することができる。なお、この目標達成率情報に、予測利用金額に基づいて生成されるレーダーチャート、そのレーダーチャートの面積、及び/又はその面積に応じて決定されるポイント付与率等が含まれていてもよい。
【0076】
(その他の実施の形態)
上記の各実施の形態では、クレジットカードの利用実績を、レーダーチャートを用いて表現しているが、本発明はこれに限定されるわけではなく、その他の様々なグラフ及びチャート等により表現してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の利用実績処理装置及び利用実績処理方法は、例えばクレジットカードの会員が利用者となる場合の利用実績処理装置及び利用実績処理方法等として有用である。
【符号の説明】
【0078】
1 利用実績処理装置
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 ハードディスク
13A 会員情報データベース
13B 売上情報データベース
13C 利用分野マスタデータベース
13D 利用分野別売上情報データベース
13E 売上ランクテーブル
13F 利用分野別ランクテーブル
13G 利用実績情報データベース
13H ポイント付与率決定テーブル
14 バス
2 会員端末装置
S1 目標設定画面
F1 入力欄
F2,F3 表示欄
NTW ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各利用者のクレジットカードの利用実績を利用分野別に生成する利用実績生成手段と、
前記利用実績生成手段によって生成された一の利用者の利用実績と他の利用者の利用実績とを利用分野毎に比較する利用実績比較手段と、
前記利用実績比較手段による比較の結果に基づいて、前記一の利用者について他の利用分野と比べて利用実績が少ない少利用分野を特定する少利用分野特定手段と、
前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野を前記一の利用者に対して通知するための通知情報を生成する通知情報生成手段と
を備える、利用実績処理装置。
【請求項2】
前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野についてクレジットカードを将来利用した場合に、前記一の利用者に対して適用されるポイント付与率を決定するポイント付与率決定手段をさらに備え、
前記通知情報生成手段が、前記ポイント付与率決定手段によって決定されたポイント付与率を示すポイント付与率情報を含む前記通知情報を生成するように構成されている、
請求項1に記載の利用実績処理装置。
【請求項3】
前記通知情報生成手段が、前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野を含む複数の利用分野を各軸とするレーダーチャートを含む前記通知情報を生成するように構成されている、
請求項1又は2に記載の利用実績処理装置。
【請求項4】
前記通知情報生成手段が、前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野を含む複数の利用分野を各軸とするレーダーチャートを含む前記通知情報を生成するように構成されており、
前記ポイント付与率決定手段が、前記レーダーチャートの面積に基づいて、前記一の利用者に対して適用されるポイント付与率を決定するように構成されている、
請求項2に記載の利用実績処理装置。
【請求項5】
前記通知情報生成手段が、前記利用実績比較手段による比較の結果に基づいて、前記一の利用者について他の利用分野と比べて利用実績が多い利用分野を特定し、当該利用分野を基準にして生成されたレーダーチャートと、前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野を含む複数の利用分野を各軸とするレーダーチャートとを対応付けたレーダーチャート情報を含む前記通知情報を生成するように構成されている、
請求項3又は4に記載の利用実績処理装置。
【請求項6】
前記通知情報生成手段が、前記一の利用者と収入が同程度の利用者の利用実績に基づいて生成されたレーダーチャートと、前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野を含む複数の利用分野を各軸とするレーダーチャートとを対応付けたレーダーチャート情報を含む前記通知情報を生成するように構成されている、
請求項3乃至5の何れかに記載の利用実績処理装置。
【請求項7】
前記通知情報生成手段が、前記一の利用者と利用総額が同程度の利用者の利用実績に基づいて生成されたレーダーチャートと、前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野を含む複数の利用分野を各軸とするレーダーチャートとを対応付けたレーダーチャート情報を含む前記通知情報を生成するように構成されている、
請求項3乃至6の何れかに記載の利用実績処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
各利用者のクレジットカードの利用実績を利用分野別に生成する利用実績生成工程と、
前記利用実績生成工程によって生成された一の利用者の利用実績と他の利用者の利用実績とを利用分野毎に比較する利用実績比較工程と、
前記利用実績比較工程による比較の結果に基づいて、前記一の利用者について他の利用分野と比べて利用実績が少ない少利用分野を特定する少利用分野特定工程と、
前記少利用分野特定工程によって特定された少利用分野を前記一の利用者に対して通知するための通知情報を生成する通知情報生成工程と
を実行する、利用実績処理方法。
【請求項9】
前記コンピュータが、
前記少利用分野特定手段によって特定された少利用分野についてクレジットカードを将来利用した場合に、前記一の利用者に対して適用されるポイント付与率を決定するポイント付与率決定工程をさらに実行し、
前記通知情報生成工程において、前記コンピュータが、前記ポイント付与率決定工程によって決定されたポイント付与率を示すポイント付与率情報を含む前記通知情報を生成する、
請求項8に記載の利用実績処理方法。
【請求項10】
前記通知情報生成工程において、前記コンピュータが、前記少利用分野特定工程によって特定された少利用分野を含む複数の利用分野を各軸とするレーダーチャートを含む前記通知情報を生成する、
請求項8又は9に記載の利用実績処理方法。
【請求項11】
前記通知情報生成工程において、前記コンピュータが、前記少利用分野特定工程によって特定された少利用分野を含む複数の利用分野を各軸とするレーダーチャートを含む前記通知情報を生成し、
前記ポイント付与率決定工程において、前記コンピュータが、前記レーダーチャートの面積に基づいて、前記一の利用者に対して適用されるポイント付与率を決定する、
請求項9に記載の利用実績処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−203715(P2012−203715A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68640(P2011−68640)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)