説明

制御整合ステージを備える装置

【課題】比較的簡単な、制御整合ステージ、方法、およびプロセッサ・プログラム製品を提供する。
【解決手段】第1のステージに第2のステージを整合させるための制御整合ステージ10を備え、制御整合ステージは、第1のステージの出力信号から第1の信号と第2の信号とを導出するための導出手段11と、第1の信号と第2の信号の間の位相を検出するための検出手段12と、前記整合のために前記検出に応じて調整可能インピーダンス・ネットワーク14を制御するための制御手段13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のステージに第2のステージを整合させるための制御整合ステージ(controlled matching stage)を備える装置に関し、さらに、第1のステージに第2のステージを整合させるための制御整合ステージ、第1のステージに第2のステージを整合させるための方法、および第1のステージに第2のステージを整合させるためのプロセッサ・プログラム製品に関する。
【0002】
そのような装置の例は、モバイル電話、無線インタフェース、さらには、送信機および/または受信機である。
【背景技術】
【0003】
従来技術の装置が、WO02/063782A2により公知であり、同文献は、その図10において、制御整合ステージを開示している。この制御整合ステージは、順方向電力信号と反射電力信号とをサンプリングするために方向性カプラ(directional coupler)を使用し、電力信号を制御信号に変換する。これらの制御信号は、キャパシタ・バンク(capacitor bank)を制御する処理ユニットに、供給される。
【0004】
この既知の装置は、とりわけ、それが比較的複雑であるという不都合がある。電力信号は、制御信号に変換される必要がある。これらの制御信号は、キャパシタ・バンクを制御できるようになる前に、処理ユニットで処理される必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、とりわけ、比較的簡単な装置を提供することである。
【0006】
本発明のさらなる目的は、とりわけ、比較的簡単な、制御整合ステージ、方法、およびプロセッサ・プログラム製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による装置は、第1のステージに第2のステージを整合させるための制御整合ステージを備え、制御整合ステージは、
−第1のステージの出力信号から第1の信号と第2の信号とを導出するための導出手段と、
−第1の信号と第2の信号の間の位相を検出するための検出手段と、
−前記整合のために前記検出に応じて調整可能インピーダンス・ネットワークを制御するための制御手段とを備える。
【0008】
第1の信号と第2の信号の間の位相を検出するための検出手段を導入することにより、、もはや順方向電力信号と反射電力信号とを使用する必要がなくなる。前記検出に応じて、制御手段は、調整可能インピーダンス・ネットワークを直接制御する。その結果、本発明による装置は、比較的簡単になる。
【0009】
本発明による装置は、制御(および/または適応)整合ステージが、第1のステージおよび/または第2のステージの線形性および効率を改善し、さらなるサイズおよび/またはコスト削減とトレードオフされ得る信頼性要件を緩和し、また装置が以前ほど熱をもたない場合には装置のユーザ・フレンドリ性を改善する点で、さらに有利である。
【0010】
制御整合ステージは、例えば、開ループ(フォワード制御)または閉ループ(バックワード制御)などのループを介して(自動的に)制御される整合ステージである。
【0011】
Attila Zolomy、Ferenc Mernyei、Janos Erdelyi、Matthijs Pardoen+、およびGabor Toth、Integration Hungary Ltd.,Zahony u.7.1031 Budapest,Hungary、+Integration Associates Inc.,110 Pioneer Way,Unit L,Mountain View,California 94041 USAによる論文「Automatic Antenna Tuning for RF Transmitter IC Applying High Q Antenna」、0−7803−8333−8/04/$20.00(C)2004 IEEEが、その図3において、電力増幅器の出力信号から第1の信号を導出し(第1ステージは電力増幅器ステージである)、また電力増幅器の制御信号から第2の信号を導出するための導出手段を備えるアンテナ同調回路を開示していることに留意すべきである。そのため、第2の信号は、電力増幅器ステージの出力信号から導出されず、電力増幅器ステージ内のどこからか来る。これは、不都合な解決策である。前記論文は、第1のステージの出力信号から第1の信号と第2の信号とを導出するための有利な導出手段を示していない。
【0012】
本発明による装置の一実施形態は、アンテナ・ステージを備える第2のステージと、電力増幅器ステージまたはスイッチング・ステージを備える第1のステージとによって定義される。この場合、制御整合ステージは、一方の電力増幅器ステージまたはスイッチング・ステージと他方のアンテナ・ステージとの間に配置される。電力増幅器ステージは、例えば、電力増幅器を備え、アンテナ・ステージは、例えば、アンテナおよび/またはアンテナ接続を備える。
【0013】
本発明による装置の一実施形態は、電力増幅器ステージを備える第1のステージと、スイッチング・ステージまたはアンテナ・ステージを備える第2のステージとによって定義される。この場合、制御整合ステージは、一方の電力増幅器ステージと他方のアンテナ・ステージまたはスイッチング・ステージとの間に配置される。
【0014】
本発明による装置の一実施形態は、素子を備える導出手段によって定義され、第1の信号は、出力信号であり、第2の信号は、素子を介して導出される。そのような素子は、例えば、ダイオードまたはスイッチ(の抵抗)を備えてもよく、出力信号は、出力電圧であり、第1の信号は、この出力電圧であり、第2の信号は、素子の両端の電圧である。そのため、導出手段の部分は、同じ制御整合ステージのその他の部分と同一空間を占めてもよく、または後続ステージの部分と同一空間を占めてもよい。
【0015】
本発明による装置の一実施形態は、受動素子を備える素子と、調整可能キャパシタを備える調整可能インピーダンス・ネットワークとによって定義される。そのような受動素子は、抵抗器とすることができ、その場合、信号の1つは、位相シフトされる必要があり、位相シフタが、制御整合ステージに導入されるべきである。そのような受動素子は、インダクタとすることもでき、その場合、インダクタは、調整可能インピーダンス・ネットワークから導出手段に移されてもよい。出力信号が出力電圧、第1の信号がこの出力電圧、第2の信号がインダクタの両端の電圧であれば、もはや位相シフタを制御整合ステージに導入する必要はない。これは、インダクタの両端の電圧およびインダクタを流れる電流は、すでに位相シフトされているためである。調整可能インピーダンス・ネットワークは、例えばキャパシタ・バンクに対応する調整可能キャパシタを備え、さらにインダクタを備えてもよい。そのような受動素子は、キャパシタなどとすることもできる。
【0016】
本発明による装置の一実施形態は、位相検出器を備える検出手段によって定義される。
そのような位相検出器は、有利(低コストかつ簡単)な一実施形態である。
【0017】
本発明による装置の一実施形態は、第1および第2の信号を制限するための第1および第2のリミッタを備え、また制限された第1および第2の信号を混合するためのミキサを備える位相検出器によって定義される。そのような第1および第2のリミッタ、およびそのようなミキサは、有利(低コストかつ簡単)な一実施形態である。
【0018】
本発明による装置の一実施形態は、アナログ−デジタル変換器と、デジタル回路とを備える制御手段によって定義される。そのようなデジタル回路は、有利(低コストかつ簡単)な一実施形態であり、したがって、アナログ−デジタル変換器は、アナログ部分をできるだけ小さく、デジタル部分をできるだけ大きくするために、検出手段のすぐ後に配置されるべきである。
【0019】
本発明による装置の一実施形態は、アップ−ダウン・カウンタを備えるデジタル回路によって定義され、アップ−ダウン・カウンタは、アナログ−デジタル変換器に結合されるカウント入力と、ベースバンド・コントローラに結合されるイネーブル入力とを備える。
そのようなアップ−ダウン・カウンタは、有利(低コストかつ簡単)な一実施形態である。アップ−ダウン・カウンタの出力は、例えばDC−DCレベル・シフタを介して、調整可能インピーダンス・ネットワークの制御入力に結合される。ベースバンド・コントローラは、例えば、送信機モードなどの装置のモード(例えばTDMAフレーム)に依存して、例えば、イネーブル入力にパルスを供給する。パルスの立ち上がりエッジは、例えば、カウント入力を介するアップ−ダウン・カウンタのローディング(正または負の値)を定義し、パルスの立ち下がりエッジは、例えば、ローディングに依存するカウンタ加算(up−counting)(ロードされた正の値の場合)またはカウンタ減算(down−counting)(ロードされた負の値の場合)を定義する。
【0020】
本発明による制御整合ステージ、本発明による方法、および本発明によるプロセッサ・プログラム製品の実施形態は、本発明による装置の実施形態に相応する。
【0021】
本発明は、とりわけ、順方向電力信号と反射電力信号の使用が、装置を不必要に複雑に(かつ双方向カプラにおける方向性を生成するために大きく)するという洞察に基づいており、また、とりわけ、第1の信号と第2の信号が第1のステージの出力信号から導出されるべきであり、第1の信号と第2の信号の間の位相が検出されべきであり、調整可能インピーダンス・ネットワークが前記整合のために前記検出に応じて制御されるべきであるという基本的考えに基づいている。
【0022】
本発明は、とりわけ、比較的簡単な、とりわけ、制御整合ステージが、第1のステージおよび/または第2のステージの線形性および効率を改善し、さらなるサイズおよび/またはコスト削減とトレードオフされ得る信頼性要件を緩和し、また装置が以前ほど熱をもたない場合には装置のユーザ・フレンドリ性を改善する点で有利である、装置を提供するという問題を解決する。
【0023】
本発明の上記およびその他の態様は、以下で説明される実施形態から明らかとなり、それらの実施形態を参照して解明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1に示される本発明による装置5は、電力増幅器ステージ1と、本発明による制御整合ステージ10と、アンテナ・ステージ2とを備える。電力増幅器ステージ1の出力は、制御整合ステージ10の入力に結合され、制御整合ステージ10の出力は、アンテナ・ステージ2の入力に結合される。電力増幅器ステージ1は、例えば、電力トランジスタを備え、アンテナ・ステージ2は、例えば、アンテナおよび/またはアンテナ接続を備える。
【0025】
図2に示される本発明による装置5は、電力増幅器ステージ1と、受信機ステージ4と、スイッチング・ステージ3と、本発明による制御整合ステージ10と、アンテナ・ステージ2とを備える。電力増幅器ステージ1の出力は、スイッチング・ステージ3の入力に結合され、受信機ステージ4の入力は、スイッチング・ステージ3の出力に結合され、スイッチング・ステージ3の入/出力は、制御整合ステージ10の入/出力に結合される。
制御整合ステージ10のさらなる入/出力は、アンテナ・ステージ2の入/出力に結合される。送信機モードでは、制御整合ステージ10は、アクティブ化され、受信機モードでは、制御整合ステージ10は、例えば、短絡(図示されず)されることによって、またはそれを切断(図示されず)することによって、非アクティブ化される。並列して(さらなる)ステージをもつという選択肢は、排除されべきでない。
【0026】
図3に示される本発明による装置5は、電力増幅器ステージ1と、受信機ステージ4と、本発明による制御整合ステージ10と、スイッチング・ステージ3と、アンテナ・ステージ2とを備える。電力増幅器ステージ1の出力は、制御整合ステージ10の入力に結合され、制御整合ステージ10の出力は、スイッチング・ステージ3の入力に結合され、受信機ステージ4の入力は、スイッチング・ステージ3の出力に結合され、スイッチング・ステージ3の入/出力は、アンテナ・ステージ2の入/出力に結合される。
【0027】
図4に示される本発明による制御整合ステージ10は、第1のステージ1、3の出力信号から第1の信号と第2の信号とを導出するための導出手段11と、第1の信号と第2の信号の間の位相を検出するための検出手段12と、前記整合のために前記検出に応じて調整可能インピーダンス・ネットワーク14を制御するための制御手段13とを備える。導出手段11は、例えば、インダクタまたは代替として(可変)キャパシタなどの素子21を備え、第1の信号は、出力信号(接地に対する第1のステージ1、3の出力における電圧)であり、第2の信号は、素子21を介して導出される(インダクタの両端の電圧)。
調整可能インピーダンス・ネットワーク14は、例えば、並列の4つの調整可能キャパシタ(2進加重4ビット・スイッチト・キャパシタ・アレイ(binary weighted 4−bit switched capacitor array))などの調整可能キャパシタを備える。
【0028】
検出手段12は、位相検出器22〜24を備える。この位相検出器22〜24は、第1および第2の信号を制限するための第1および第2のリミッタ22、23を備え、また制限された第1および第2の信号を混合するためのミキサ24を備え、キャパシタ27は、望まれないRF周波数成分を除去するために接地に結合される。制御手段13は、例えば、その入力がミキサ24の出力に結合される第3のリミッタなどのアナログ−デジタル変換器25を備える。制御手段13はさらに、例えば、アナログ−デジタル変換器25の出力に結合されたカウント入力と、ベースバンド・コントローラ(図示されず)の出力に結合されるイネーブル入力とを有するアップ−ダウン・カウンタなどのデジタル回路26を備える。デジタル回路26の出力は、4つの調整可能(切り換え可能)キャパシタを制御するために、DC−DCレベル・シフタ28を介して、調整可能インピーダンス・ネットワーク14の制御入力に結合される。ベースバンド・コントローラ(図示されず)は、例えば、送信機モードなどの装置5のモードに依存して、例えば、イネーブル入力にパルスを供給する。パルスの立ち上がりエッジは、例えば、カウント入力を介するアップ−ダウン・カウンタのローディング(正または負の値)を定義し、パルスの立ち下がりエッジは、例えば、ローディングに依存するカウンタ加算(ロードされる正の値の場合)またはカウンタ減算(ロードされる負の値の場合)を定義する。
【0029】
第1のステージ1(またはそれぞれ3もしくは1)と第2のステージ2(またはそれぞれ2もしくは3)との間に、制御整合ステージ10は、いわゆる直列LCネットワークを導入する。この直列LCネットワークのうち、インダクタLは、固定値をもち、キャパシタCは、調整可能値をもつ。この直列LCネットワークの使用は、以下で説明されるように、非常に有利である。
【0030】
今日、携帯電話の形態の装置5は通常、板状逆Fアンテナ(PiFa:planar inverted−F antenna)として構成される組み込みアンテナを利用している。デュアルバンド板状逆Fアンテナは、両方の動作帯域で直列共振するように設計される。ボディ効果(body−effect)が、アンテナ共振周波数を下方に離調させ、両方の帯域においてアンテナの誘導性挙動を引き起こす。アンテナ・インピーダンスの抵抗性部分のこの変動は一般に、放射抵抗を表すアンテナ・インピーダンスの抵抗性部分の変化よりもはるかに大きい。制限されたアンテナ帯域幅は主に、帯域の低い方の端においてアンテナ給電インピーダンスの容量性挙動を生じさせ、高い方の端において誘導性挙動を生じさせる。ボディ効果と制限されたアンテナ帯域幅が主に、アンテナ給電インピーダンスのリアクタンスの変化を引き起こす。したがって、この給電点の近くに配置される可変直列LCネットワークは、実用時に発生するアンテナ・インピーダンス変化の大部分を補償するために効果的に使用されることができる。この直列LCネットワークは、自動的に不整合を補正するために、導出手段11と、検出手段12と、制御手段13とを備える制御ループ内に埋め込まれる。
【0031】
制御ループは、整合インピーダンスの検出された位相φZdetをゼロに制御する。この位相は、直列LCネットワークの入力電圧uと入力電流iの間の位相差によって与えられる。それは、入力信号がリミッタ22、23によってハードウェア的に制限される(ギルバート・セル(Gilbert cell))ミキサ24によって検出される。入力電流iの位相は、ほぼ周波数独立な+90度位相シフタとして動作する直列インダクタLの両端の電圧から導出される。位相検出器の出力信号φZdetは、位相誤差の符号を決定するために、リミッタの形態のアナログ−デジタル変換器25に供給される。位相誤差のこの符号に応じて、アップ−ダウン・カウンタは、ベースバンド・イネーブル信号の制御下で、その出力値を最小有効ビット1つの刻みで増加または減少させる。時分割多元接続ベースのシステムでは、位相誤差の読み取りは、電力バースト(power burst)が送信されている間に、ベースバンド・イネーブル信号の立ち上がりエッジで発生することができ、一方、キャパシタ値の更新は、電力バーストの外で、ベースバンド・イネーブル信号の立ち下がりエッジで行われることができる。これは、適応中における、スプリアス放射(spurious emission)およびホット・スイッチング(hot−switching)を回避する。
【0032】
制御整合ステージ10は、例えば、4ビット2進加重スイッチト・キャパシタ・アレイを用いて可変にされる。そのキャパシタンスは、0.25pF刻みで最大8pFまで変化させられることができる。スイッチト・キャパシタ・アレイの可能な実施は、高作動電圧を必要とするRF−MEMS装置を使用してもよい。したがって、アップ−ダウン・カウンタの出力とスイッチト・キャパシタの制御ラインの間のレベル・シフタが、使用される必要があってよい。
【0033】
本発明による制御整合ステージ10で使用される、直列LCネットワーク設計と対応するスミスチャート(Smith chart)が、図5に示されている。直列LCネットワークは、Z整合(Z−matched)を得るために、X−L直列、X−C直列、X負荷、およびR負荷の直列回路を備える。X−L直列とX−C直列とは一緒になって、X−corを形成する。
【0034】
図5に示される直列LCネットワーク設計のインダクタ値Lの関数である、最大対最小キャパシタ比Cmax/Cmin比と、キャパシタの両端の最大ピーク電圧Vpkが、図6に示されている。
【0035】
これらの図5および図6は、以下のように見られるべきである。可変直列LCネットワークは、容量性および誘導性両方の不整合の補正を可能にする。負荷リアクタンスX−corの補正は、一定の抵抗R負荷の太線の円弧上の回転(rotation over the bold circle segment)として、図5のスミスチャートに視覚化されている。X−corは、負荷が容量性の場合は正の数(誘導性)であり、負荷が誘導性の場合は負の数(容量性)である。最大対最小キャパシタンス比は、直列インダクタ・リアクタンスX−L直列と、一定の抵抗R負荷の円弧の両端において望ましい補正量とに依存する。図6には、Cmax/Cmin対L直列の曲線が、一例として示されており、反射係数|Γ|の大きさは、容量性不整合の場合は約0.6から0.3に、誘導性不整合の場合は約0.7から0.3に減少する。特に、L直列の小さな値について、この比は非常に大きくなる。直列LCネットワークでは、可変キャパシタの両端の相対的に高い電圧Vpkが、高電力および大きな不整合状態において発生する。このピーク電圧Vpkの典型的な値は、図6では、右手側のY軸上で与えられる。これらは、900MHzで50Ω負荷抵抗に供給される2ワットについて有効である。これらの高いRF電圧では、典型的なGSMシステム仕様を満たすことができるように、静電RF−MEMS装置の自己作動(self−actuation)は回避されるべきであり、高調波歪み(harmonic distortion)は−70dBcより低く維持されるべきである。
【0036】
上述の実施形態は、本発明を限定ではなく、むしろ説明するものであり、当業者であれば、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの代替実施形態を設計することができることに留意すべきである。請求項では、括弧で囲われた参照符号が請求項を限定すると解釈されるべきではない。動詞「to comprise(備える/含む)」およびその活用形の使用は、請求項で述べられた要素またはステップ以外の要素またはステップの存在を排除しない。要素の前に置かれる冠詞「a」または「an」は、複数のそのような要素の存在を排除しない。本発明は、複数の別個の要素を備えるハードウェアによって、また適切にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。複数の手段を列挙する装置請求項では、複数のこれらの手段は、ハードウェアの同一の物品によって実施されてもよい。ある手段が互いに異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用され得ないことを表さない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】電力増幅器ステージと、本発明による制御整合ステージと、アンテナ・ステージとを備える、本発明による装置を図式化して示した図である。
【図2】電力増幅器ステージと、受信機ステージと、本発明による制御整合ステージと、アンテナ・ステージとを備え、スイッチング・ステージが、一方の電力増幅器ステージおよび受信機ステージと、他方の制御整合ステージとの間に配置される、本発明による装置を図式化して示した図である。
【図3】電力増幅器ステージと、受信機ステージと、本発明による制御整合ステージと、アンテナ・ステージとを備え、スイッチング・ステージが、一方の電力増幅器ステージ、制御整合ステージ、および受信機ステージと、他方のアンテナ・ステージとの間に配置される、本発明による装置を図式化して示した図である。
【図4】本発明による装置で使用される、本発明による制御整合ステージをより詳細に図式化して示した図である。
【図5】本発明による制御整合ステージで使用される、直列LCネットワーク設計と対応するスミスチャートを示した図である。
【図6】図5に示される直列LCネットワーク設計のインダクタ値Lの関数である、最大対最小キャパシタ比Cmax/Cmin比と、キャパシタの両端の最大ピーク電圧Vpkを示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のステージに第2のステージを整合させるための制御整合ステージを備える装置であって、
前記制御整合ステージが、
前記第1のステージの出力信号から第1の信号と第2の信号とを導出するための導出手段と、
前記第1の信号と前記第2の信号の間の位相を検出するための検出手段と、
前記整合のために前記検出に応じて調整可能インピーダンス・ネットワークを制御するための制御手段と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記導出手段が、素子を備え、前記第1の信号が、前記出力信号であり、前記第2の信号が、前記素子を介して導出される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記素子は、調整可能なキャパシタおよび/またはインダクタを含む、請求項に記載の2に記載の装置。
【請求項4】
前記制御手段は、アップ−ダウン・カウンタを含むデジタル回路を備える、請求項1乃至3の何れかに記載の装置。
【請求項5】
前記デジタル回路の出力は、DC−DCシフタを介して、前記調整可能インピーダンス・ネットワークの制御入力に結合される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記アップ−ダウン・カウンタは、1最下位ビット刻みで、出力値を増加または減少させる、請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のステージが、電力増幅器ステージまたはスイッチング・ステージを備え、前記第2のステージが、アンテナ・ステージを備える、請求項1乃至6の何れかに記載の装置。
【請求項8】
前記第1のステージが、電力増幅器ステージを備え、前記第2のステージが、アンテナ・ステージまたはスイッチング・ステージを備える、請求項1乃至6の何れかに記載の装置。
【請求項9】
前記制御手段に対して送信機モードに関する情報を与えるベースバンド・コントローラをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
送信機モードにおいて、前記制御整合ステージがアクティブ化され、かつ、受信機モードにおいて、前記制御整合ステージが非アクティブ化される、請求項1乃至9の何れかに記載の装置。
【請求項11】
前記制御整合ステージは、前記第1のステージと前記第2のステージとの間の直列LCネットワークを含み、前記直列LCネットワークは、固定値をもつインダクタLと、調整可能値をもつキャパシタCとを含む、請求項1乃至10の何れかに記載の装置。
【請求項12】
前記直列LCネットワークは、制御ループに組み込まれ、前記制御ループは、前記導出手段と、前記検出手段と、前記制御手段とを含み、自動的にインピーダンスの不整合を補正する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第2のステージは、板状逆Fアンテナに接続される、請求項1乃至12の何れかに記載の装置。
【請求項14】
前記制御整合ステージは、4ビット2進加重スイッチト・キャパシタ・アレイを用いて可変にされる、請求項1乃至13の何れかに記載の装置。
【請求項15】
前記4ビット2進加重スイッチト・キャパシタ・アレイは、RF−MEMS装置を含む、請求項1乃至14の何れかに記載の装置。
【請求項16】
請求項1に記載の装置を駆動させる方法であって、
前記制御手段が、最下位ビットで表されるステップで前記調整可能インピーダンス・ネットワークを調整する、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−31189(P2013−31189A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−184233(P2012−184233)
【出願日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【分割の表示】特願2007−542412(P2007−542412)の分割
【原出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(300002160)エプコス アクチエンゲゼルシャフト (318)
【氏名又は名称原語表記】EPCOS  AG
【住所又は居所原語表記】St.−Martin−Strasse 53, D−81669 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】