説明

制御装置及び空調システム

【課題】制御装置及び空調システムにおいて、室温調整を安価かつ有効に行う。
【解決手段】室内を空調する複数の空調手段(HP1,HP2,HK)を制御する制御装置において、複数の空調手段のうち運転していない空調手段がある場合にその運転していない空調手段のうちの1台の空調手段の運転を開始する複数の運転開始温度KON1,ON2と、複数の空調手段のうち運転している空調手段がある場合にその運転している空調手段のうちの1台の空調手段の運転を停止する複数の運転停止温度KOFF1,OFF2と、が設定される構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の空調手段を制御する制御装置、並びに、この制御装置及び上記複数の空調手段を備える空調システムに関し、更に詳しくは、室温調整を安価かつ有効に行うことができる温室制御装置及び空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス温室、ビニルハウス等の温室において、所望の環境で農作物等の植物が栽培されている。温室で植物を栽培する場合、栽培する植物に適した温度条件が必要となる。例えば、温室を暖房する場合には、ヒートポンプ、燃焼式暖房機、これらの組み合わせ等が用いられている。なお、ヒートポンプ及び燃焼式暖房機を同時に制御する制御装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1記載の制御装置は、室温が設定室温より低下した場合に、ランニングコストの安価なヒートポンプ部のみを運転させ、室温が更に低下した場合に、外気温の影響を受けにくい油焚燃焼部を付加的に運転させている。
【特許文献1】特開平5−336847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1記載の制御装置は、例えば、ヒートポンプ部の設定温度を18℃、油焚燃焼部の設定温度を16℃と設定した場合、室温が18℃まで低下した時点でヒートポンプ部の暖房が開始され、更に室温が低下し16℃に達した時点で油焚燃焼部の暖房が開始される。
【0005】
そのため、熱負荷が小さくヒートポンプ部のみで室温を維持できている間は管理温度が18℃であるが、例えば、外気温の低下により熱負荷が大きくなった場合は、室温を維持できなくなり、室温は低下していく。
【0006】
なお、室温が16℃以下まで低下した時点で油焚燃焼部の運転を開始するが、上述の熱負荷の影響によって室温を18℃まで上昇させることができない場合には、管理温度が16℃に低下してしまう。これでは管理温度が2種類あることになってしまい、作物に対する最適な温度管理は不可能である。
【0007】
上記2種類の管理温度の発生を避けるため、両機の設定温度を接近させていくと、ヒートポンプ部のみの運転時間が短くなり、ランニングコスト低減等の両機を併用したメリットが得られなくなってしまう。
【0008】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、室温調整を安価かつ有効に行うことができる制御装置及び空調システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の制御装置は、室内を空調する複数の空調手段を制御する制御装置において、上記複数の空調手段のうち運転していない空調手段がある場合にその運転していない空調手段のうちの1台の空調手段の運転を開始する複数の運転開始温度と、上記複数の空調手段のうち運転している空調手段がある場合にその運転している空調手段のうちの1台の空調手段の運転を停止する複数の運転停止温度と、が設定される
構成とする。
【0010】
また、上記複数の空調手段のうち運転していない全ての空調手段の運転を開始する強制運転温度と、上記複数の空調手段のうち運転している全ての空調手段の運転を停止する強制停止温度と、が更に設定される構成とするとよい。
【0011】
また、上記複数の空調手段は、上記室内を暖房し、上記制御装置は、上記室温が低下して上記運転開始温度に達した場合で、且つ、上記複数の空調手段のうち運転していない空調手段がある場合に、その運転していない空調手段のうちの1台の空調手段の運転を開始し、上記制御装置は、上記室温が上昇して上記運転停止温度に達した場合で、且つ、上記複数の空調手段のうち運転している空調手段がある場合に、その運転している空調手段のうちの1台の空調手段の運転を停止する構成とするとよい。
【0012】
また、上記複数の運転開始温度は、高温側運転開始温度及び低温側運転開始温度の2つの運転開始温度であり、上記複数の運転停止温度は、高温側運転停止温度及び低温側運転停止温度の2つの運転停止温度であり、上記制御装置が上記運転していない空調手段のうちの1台の空調手段の運転を上記低温側運転開始温度において開始するのは、上記室温が上記高温側運転開始温度から上記低温側運転開始温度に低下して達した場合であり、上記制御装置が上記運転していない空調手段のうちの1台の空調手段の運転を上記高温側運転開始温度において開始するのは、上記室温が上記低温側運転停止温度から上記高温側運転開始温度に低下して達した場合であり、上記制御装置が上記運転している空調手段のうちの1台の空調手段の運転を上記高温側運転停止温度において停止するのは、上記室温が上記低温側運転停止温度から上記高温側運転停止温度に上昇して達した場合であり、上記制御装置が上記運転している空調手段のうちの1台の空調手段の運転を上記低温側運転停止温度において停止するのは、上記室温が上記高温側運転開始温度から上記低温側運転停止温度に上昇して達した場合である構成とするとよい。
【0013】
また、上記制御装置には、上記複数の空調手段のうち運転していない全ての空調手段の運転を開始する強制運転温度が更に設定され、上記制御装置は、上記低温側運転開始温度において上記空調手段の運転を開始した後、上記室温が一定時間以上上記強制運転温度と上記高温側運転開始温度との間の範囲にある場合で、且つ、上記複数の空調手段のうち運転していない空調手段がある場合に、この運転していない空調手段のうちの1台の空調手段の運転を開始する構成とするとよい。
【0014】
また、上記制御装置には、上記複数の空調手段のうち運転している全ての空調手段の運転を停止する強制停止温度が更に設定され、上記制御装置は、上記高温側運転停止温度において上記空調手段の運転を停止した後、上記室温が一定時間以上上記強制停止温度と上記低温側運転停止温度との間の範囲にある場合で、且つ、上記複数の空調手段のうち運転している空調手段がある場合に、この運転している空調手段のうちの1台の空調手段の運転を停止する構成とするとよい。
【0015】
また、上記制御装置は、上記高温側運転開始温度において上記空調手段の運転を開始した後、上記室温が一定時間以上上記低温側運転開始温度と上記低温側運転停止温度との間の範囲にある場合で、且つ、上記複数の空調手段のうち運転していない空調手段がある場合に、この運転していない空調手段のうちの1台の空調手段の運転を開始する構成とするとよい。
【0016】
また、上記制御装置は、上記低温側運転停止温度において上記空調手段の運転を停止した後、上記室温が一定時間以上上記高温側運転停止温度と上記高温側運転開始温度との間の範囲にある場合で、且つ、上記複数の空調手段のうち運転している空調手段がある場合
に、この運転している空調手段のうちの1台の空調手段の運転を停止する構成とするとよい。
【0017】
また、上記複数の空調手段は、1又は2以上のヒートポンプ及び1又は2以上の燃焼式暖房機を含み、上記制御装置は、上記燃焼式暖房機の運転よりも上記ヒートポンプの運転を優先的に開始し、上記ヒートポンプの運転よりも上記燃焼式暖房機の運転を優先的に停止する構成とするとよい。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の空調システムは、上記いずれかの構成の制御装置と、この制御装置により制御される複数の空調手段と、を備える構成とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、制御装置に複数の運転開始温度と複数の運転停止温度とが設定されるようにしている。そのため、外気温等の影響で温度環境が高温或いは低温に偏った場合であっても、各運転開始温度及び各運転停止温度における空調手段の運転台数を、温度環境に応じて変動させることができる。よって、本発明によれば、室温調整を安価かつ有効に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係る制御装置及び空調システムについて、図面を参照しながら説明する。
(一実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態に係る制御装置2を備える空調システム1を示す概略ブロック図である。
図2は、本実施の形態に係る室温変化に応じた制御装置2による制御を示す説明図である。
【0021】
図1において、空調システム1は、制御装置2と、この制御装置2により制御される複数の空調手段(暖房機)としての第1ヒートポンプHP1、第2ヒートポンプHP2及び燃焼式暖房機HKと、循環扇3と、日射センサ4と、2つの温度センサ5,5と、湿度センサ6とを備えている。
【0022】
なお、同図に破線で示すように、第1ヒートポンプHP1、第2ヒートポンプHP2、燃焼式暖房機HK及び循環扇3には、それぞれ同条件で運転する第1ヒートポンプHP1´、第2ヒートポンプHP2´、燃焼式暖房機HK´及び循環扇3´を配置することができる。
【0023】
また、破線で示してはいないが、日射センサ4、温度センサ5,5及び湿度センサ6の数を加減するようにしてもよい。
本実施の形態では、第1ヒートポンプHP1、第2ヒートポンプHP2及び燃焼式暖房機HKは、ガラス温室、ビニルハウス等の温室を暖房しているものとする。
【0024】
ヒートポンプHP1,HP2は、外気を熱源として利用するため、外気温が低下すると能力が低下する。また、ヒートポンプHP1,HP2は、同一熱出力を得るのに、燃焼式暖房機HKよりも初期費用が高い半面、燃焼式暖房機HKよりも運転費用を節減することができる。そのため、本実施の形態では、ヒートポンプHP1,HP2と燃焼式暖房機HKとを併用している。
【0025】
詳しくは後述するが、本実施の形態では、第1ヒートポンプHP1、第2ヒートポンプHP2及び燃焼式暖房機HKのうち最も優先的に運転を開始するのを第1ヒートポンプH
P1とし、次に優先的に運転を開始するのを第2ヒートポンプHP2、そして優先順位の最も低いのを燃焼式暖房機HKとしている。
【0026】
一方、第1ヒートポンプHP1、第2ヒートポンプHP2及び燃焼式暖房機HKのうち最も優先的に運転を停止するのを燃焼式暖房機HKとし、次に優先的に運転を停止するのを第2ヒートポンプHP2、そして優先順位の最も低いのを第1ヒートポンプHP1としている。
【0027】
循環扇3は、温室内に配置され制御装置2により制御されている。また、循環扇3は、温室内の空気を送風により循環させることで、室温ムラ及び湿度ムラを解消している。なお、循環扇3の運転条件としては、例えば、第1ヒートポンプHP1等の運転と連動させることや、温度センサ5,5により検出された室温ムラが一定条件以上となることなどが挙げられる。
【0028】
日射センサ4は、日射量を測定している。制御装置2は、日射センサ4により測定された積算日射量に基づいて、天候を判断している。そして、制御装置2は、例えば、天候が晴れと判断した場合には図2に示す設定温度Kを引き上げたり、天候が曇りと判断した場合には設定温度Kを引き下げたりするなど、設定温度Kを自動調整している。なお、設定温度Kは、1日を複数(例えば4つ)の時間帯に分け、時間帯毎に設定されるようにするとよい。
【0029】
制御装置2には、複数の運転開始温度として、図2に示す2つの運転開始温度KON1,KON2及び2つの運転停止温度KOFF1,KOFF2が設定されている。これら2つの運転開始温度KON1,KON2及び2つの運転停止温度KOFF1,KOFF2は、例えば、ユーザにより設定される設定温度K及びこの設定温度Kからの予め設定されている差温を基にして、自動設定するようにすればよい。
【0030】
上記設定温度Kからの差温としては、例えば、高温側運転開始温度KON1と低温側運転停止温度KOFF1との差温であるディファレンシャルDiff(設定温度KからはそれぞれDiff/2)、低温側運転開始温度KON2と設定温度Kとの差温(図2に示す「(Lo/Mid)差温」,「(Mid/Hi)差温」)、並びに、高温側運転停止温度KOFF2と設定温度Kとの差温(図2に示す「(Mid/Lo)差温」,「(Hi/Mid)差温」)を設定しておくとよい。
【0031】
制御装置2は、室温が低下して運転開始温度KON1,KON2に達したときに、第1ヒートポンプHP1、第2ヒートポンプHP2及び燃焼式暖房機HKのうち運転していない暖房機がある場合にその運転していない暖房機のうちの1台の暖房機の運転を開始するように設定されている。
【0032】
また、制御装置2は、室温が上昇して運転停止温度KOFF1,KOFF2に達したときには、第1ヒートポンプHP1、第2ヒートポンプHP2及び燃焼式暖房機HKのうち運転している暖房機がある場合にその運転している暖房機のうちの1台の暖房機の運転を停止するように設定されている。
【0033】
なお、制御装置2が、運転していない暖房機のうちの1台の暖房機の運転を低温側運転開始温度KON2において開始するのは、室温が高温側運転開始温度KON1から低温側運転開始温度KON2に低下して達した場合である(例えば、図2に示すT6,T11,T20,T24)。
【0034】
また、制御装置2が、運転していない暖房機のうちの1台の暖房機の運転を高温側運転
開始温度KON1において開始するのは、室温が低温側運転停止温度KOFF1から高温側運転開始温度KON1に低下して達した場合である(例えばT1,T3,T5,T8,T10,T13,T16,T19,T23,T28)。
【0035】
そして、制御装置2が、運転している暖房機のうちの1台の暖房機の運転を高温側運転停止温度KOFF2において停止するのは、室温が低温側運転停止温度KOFF1から高温側運転停止温度KOFF2に上昇して達した場合である(例えばT15,T18,T26)。
【0036】
また、制御装置2が、運転している暖房機のうちの1台の暖房機の運転を低温側運転停止温度KOFF1において停止するのは、室温が高温側運転開始温度KON1から低温側運転停止温度KOFF1に上昇して達した場合である(例えばT2,T4,T7,T9,T12,T14,T17,T22,T25,T31)。
【0037】
制御装置2には、強制運転温度KON3及び強制停止温度KOFF3も設定されている。これら強制運転温度KON3及び強制停止温度KOFF3についても、予め設定されている差温を基に自動設定するようにすればよい。上記差温としては、例えば、低温側運転開始温度KON2と強制運転温度との差温(強制運転差温)、及び、高温側運転停止温度KOFF2と強制停止温度KOFF3との差温(強制停止差温)を設定することが挙げられる。
【0038】
そして、制御装置2は、室温が低下して強制運転温度KON3に達したときに、運転していない全ての暖房機の運転を開始し、また、室温が上昇して強制停止温度KOFF3に達したときに、運転している全ての暖房機の運転を停止するように設定されている。
【0039】
また、制御装置2は、低温側の運転開始温度KON2に室温が達した後、一定時間、室温が高温側の運転開始温度KON1に達しないときには、複数の暖房機のうち運転していない暖房機がある場合にその運転していない暖房機のうちの1台の暖房機の運転を開始するように設定されている。
【0040】
更には、制御装置2は、高温側の運転停止温度KOFF2に室温が達した後、一定時間、室温が低温側の運転停止温度KOFF1に達しないときには、複数の暖房機のうち運転している空調手段がある場合にその運転していない暖房機のうちの1台の暖房機の運転を開始するようにも設定されている。
【0041】
制御装置2には、暖房モードが設定されている。この暖房モードは、「強制Off」、「Off/Lo」、「Lo/Mid」、「Mid/Hi」、「強制Hi」の5段階に設定されている。例えば、同一の運転開始温度KON1においても、運転モードが「Off/Lo」である場合には第1ヒートポンプHP1の運転を開始し、「Lo/Mid」である場合には第2ヒートポンプHP2の運転を開始し、「Mid/Hi」である場合には燃焼式暖房機HKの運転を開始するように設定されている。
【0042】
暖房モードは、「Off/Lo」から始まる。そして、室温が低下して高温側運転開始温度KON1から低温側運転開始温度KON2に達すると、暖房モードが「Off/Lo」である場合は「Lo/Mid」へと、また、暖房モードが「Lo/Mid」である場合は「Mid/Hi」へと切り替えられる。
【0043】
一方、室温が上昇して低温側運転停止温度KOFF1から高温側運転停止温度KOFF2に達すると、暖房モードが「Mid/Hi」である場合は「Lo/Mid」へと、また、暖房モードが「Lo/Mid」である場合は「Off/Lo」へと切り替えられる。
【0044】
また、室温が低下して低温側運転開始温度KON2から強制運転温度KON3に達すると、いずれのモードにあっても暖房モードは「強制Hi」となる。なお、この後、室温が上昇して低温側運転停止温度KOFF1に達すると「強制Hi」から「Mid/Hi」へと切り替えられ、更に室温が上昇して高温側運転停止温度KOFF2に達すると、「Lo/Mid」へと切り替えられる。
【0045】
一方、室温が上昇して高温側運転停止温度KOFF2から強制停止温度KOFF3に達すると、暖房モードは「強制Off」となる。なお、この後、室温が低下して高温側運転開始温度KON1に達すると「強制Off」から「Off/Lo」へと切り替えられ、更に室温が低下して低温側運転開始温度KON2に達すると、「Lo/Mid」へと切り替えられる。
【0046】
以下、制御装置2による制御について、図3に示すフローチャートについて説明した後、図2に示す室温変化に応じた制御について説明する。
図3は、本実施の形態に係る制御装置2による制御を示すフローチャートである。
まず、本実施の形態では、温室を暖房するため、暖房設定がONであるか否か、即ち制御装置2が暖房可能に設定されているか否かを判断する(S1)。
【0047】
暖房設定がONであれば、暖房と冷房のどちらを優先的に運転させるように設定されているかを判断し(S2)、冷房を優先的に運転させるように設定されている場合には、ユーザに選択されている冷房設定温度から、予め設定されている冷暖房温度差を引いた値を暖房設定温度として決定する(S3)。暖房設定温度と冷房設定温度とを同一のツマミ等で設定している場合、冷房優先時には、冷房用の設定温度が設定されているからである。
【0048】
次に、制御装置2は、複数の温度センサ5,5による測定温度を検出して基準室温を決定する(S4)。
そして、暖房機のうちいずれか1つでも暖房運転中であるか否かを判断し(S5)、いずれの暖房機も暖房運転していない場合には、室温が低下して高温側運転開始温度KON1以下に変化したか否かを判断する(S6)。
【0049】
そして、室温が高温側運転開始温度KON1以下に変化していれば(例えば、図2に示すT1,T3,T5,T19,T28)、最小レベル暖房機の運転、即ち、運転開始の優先順位が最も高い第1ヒートポンプHP1の運転を開始する(S7)。このとき、暖房モードは最小、即ち「OFF/Lo」となる。
【0050】
一方、暖房機のうちいずれか1つでも運転中であった場合(S5)には、室温が強制運転温度KON3以下に変化したか否かを判断し(S8)、変化した場合には(例えばT30)、全暖房機の運転を開始する(S9)。このとき、暖房モードは「強制Hi」となる。
【0051】
室温が強制運転温度KON3以下に変化していなかった場合(S8)には、室温が低温側運転開始温度KON2以下に変化したか否かを判断する(S10)。変化した場合には(例えばT6,T11,T20,T24,T29)、最大レベル暖房機で運転中でなければ(S11)、即ち全暖房機がONでなければ、次レベル暖房機、即ち運転していない暖房機のうち運転開始の優先順位が最も高い暖房機を運転させる(S12)。このとき、暖房モードは引き上げられる。
【0052】
室温が低温側運転開始温度KON2以下に変化していなかった場合(S10)には、室温が高温側運転開始温度KON1以下に変化したか否かを判断する(S13)。変化した
場合には(例えばT8,T10,T13,T16,T23)、次レベル暖房機をONにする(S14)。このとき、暖房モードに変更はない。
【0053】
室温が高温側運転開始温度KON1以下に変化していなかった場合(S13)には、室温が上昇して強制停止温度KOFF3以上に変化したか否かを判断する(S15)。変化した場合には(例えばT27)、全暖房機をOFFにする(S16)。このとき、暖房モードは「強制Off」になる。
【0054】
室温が強制停止温度KOFF3以上に変化していなかった場合(S15)には、室温が高温側運転停止温度KOFF2以上に変化したか否かを判断する(S17)。変化した場合で且つ最小レベル暖房機で運転中(S18)であれば(例えばT18)、全暖房機をOFFにする(S19)。このとき、暖房モードに変更はない。
【0055】
一方、最小レベル暖房機で運転中(S18)でなければ(例えばT15,T26)、現レベル暖房機、即ち、運転している暖房機のうち運転停止の優先順位が最も高い暖房機をOFFにする(S20)。このとき、暖房モードは引き下げられる。
【0056】
室温が高温側運転停止温度KOFF2以上に変化しなかった場合(S17)、室温が低温側運転停止温度KOFF1以上に変化したか否かを判断する(S21)。変化した場合(例えばT2,T4,T7,T9,T12,T14,T17,T22,T25,T31)には、現レベル暖房機、即ち、運転している暖房機のうち運転停止の優先順位が最も高い暖房機をOFFにする(S22)。このとき、暖房モードに変更はない。
【0057】
室温が低温側運転停止温度KOFF1以上に変化しなかった場合(S21)、一定時間Tc以上、室温が強制運転温度KON3と高温側運転開始温度KON1との間の範囲にあるか否かを判断する(S23)。具体的には、ステップS23では、低温側運転開始温度KON2において暖房機の運転を開始した後、一定時間Tc以上、室温が強制運転温度KON3と高温側運転開始温度KON1との間の範囲にあるか否かを判断する。
【0058】
上記ステップS23に該当する場合、即ち、一定時間Tc以上変化しなかった場合で、且つ最大レベル暖房機で運転中(S24)でない場合には(例えばT21)、次レベル暖房機をONにする(S25)。このとき、暖房モードは引き上げられる。
【0059】
上記ステップS23に該当しない場合、即ち、一定時間Tc以内に変化した場合、一定時間(図2に該当例なし)以上、室温が強制停止温度KOFF3と低温側運転停止温度KOFF1との間の範囲にあるか否かを判断する(S26)。具体的には、ステップS26では、高温側運転停止温度KOFF2において暖房機の運転を停止した後、室温が一定時間Tc以上、強制停止温度KOFF3と低温側運転停止温度KOFF1との間の範囲にあるか否かを判断する。
【0060】
上記ステップS26に該当する場合、即ち、一定時間以上室温が低温側運転停止温度KOFF1以下に変化しなかった場合、最小レベル暖房機で運転中であるか否かを判断する(S27)。そして、最小レベル暖房機で運転中である場合には、全暖房機をOFFにする(S28)。このとき、暖房モードに変更はない。
【0061】
一方、最小レベル暖房機で運転中(S27)でない場合には、現レベル暖房機をOFFにする(S29)。このとき、暖房モードは引き下げられる。
以上のような制御により、制御装置2は、暖房機HP1,HP2,HKを制御している。
【0062】
以下、図2に示す室温変化に応じた制御について説明する。
まず、室温が低下して高温側運転開始温度KON1以下に変化すると(T1)、運転していない暖房機(ここでは全暖房機)のうちの1台として、運転開始の優先順位が最も高い第1ヒートポンプHP1の運転を開始する。
【0063】
また、室温が上昇して高温側運転開始温度KON1から低温側運転停止温度KOFF1に変化すると(T2)、運転している暖房機(ここでは第1ヒートポンプHP1のみ)のうちの1台として、第1ヒートポンプHP1の運転を停止する。
【0064】
同様に、室温が低下して低温側運転停止温度KOFF1から高温側運転開始温度KON1に変化すると(T3,T5)、第1ヒートポンプHP1の運転を開始し、また、室温が上昇して高温側運転開始温度KON1から低温側運転停止温度KOFF1に変化すると(T4,T6)、第1ヒートポンプHP1の運転を停止する。
【0065】
また、室温が更に低下して高温側運転開始温度KON1から低温側運転開始温度KON2に変化すると(T6)、運転していない暖房機(ここでは第2ヒートポンプHP2及び燃焼式暖房機HK)のうちの1台として、運転開始の優先順位が高い第2ヒートポンプHP2の運転を開始する。このとき、暖房モードは「Off/Lo」から「Lo/Mid」に引き上げられる。
【0066】
時間T7〜時間T14においても以上のような制御を繰り返す。
そして、室温が上昇して低温側運転停止温度KOFF1から高温側運転停止温度KOFF2に変化すると(T15)、運転している暖房機(ここでは第1ヒートポンプHP1及び第2ヒートポンプHP2)のうちの1台として、運転停止の優先順位が高い第2ヒートポンプHP2の運転を停止する。このとき、暖房モードは「Lo/Mid」から「Off/Lo」に引き下げられる。
【0067】
時間T16〜時間T19においても以上のような制御を繰り返す。
そして、室温が低下して高温側運転開始温度KON1から低温側運転開始温度KON2に変化し、第2ヒートポンプHP2の運転を開始した後(T20)、一定時間Tc以上、室温が強制運転温度KON3と高温側運転開始温度KON1との間の範囲にある場合(T21)、運転していない暖房機(ここでは燃焼式暖房機HKのみ)のうちの1台として、燃焼式暖房機HKの運転を開始する。このとき、暖房モードは「Lo/Mid」から「Mid/Hi」に引き上げられる。
【0068】
時間T22〜時間T26においても以上のような制御を繰り返す。
そして、室温が上昇して高温側運転停止温度KOFF2から強制停止温度KOFF3に変化すると(T27)、全暖房機の運転を停止する。このとき、暖房モードは「強制Off」に引き下げられる。なお、後のモード引き上げ又はモード引き下げの際には、「強制Off」は「Off/Lo」であるものとみなされる。
【0069】
時間T28及び時間T29においても以上のような制御を繰り返す。
そして、室温が低下して低温側運転開始温度KON2から強制運転温度KON3に変化すると(T30)、全暖房機の運転を開始する。このとき、暖房モードは「強制Hi」に引き上げられる。なお、後のモード引き上げ又はモード引き下げの際には、「強制Hi」は「Mid/Hi」であるものとみなされる。
【0070】
なお、本実施の形態では、空調手段として、第1ヒートポンプHP1、第2ヒートポンプHP2及び燃焼式暖房機HKの3つの暖房機を用いて、制御装置2により温室等の暖房を行う例について説明したが、暖房機の数は2以上であれば本実施の形態と同様の効果を
得ることは可能である。
【0071】
また、制御装置2は、複数のヒートポンプのみ或いは複数の燃焼式暖房機のみを制御するようにしてもよい。その場合には、運転費用の安価な暖房機の運転を優先的に開始するなどすることで、室温調整を安価かつ有効に行うことができ、本実施の形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0072】
また、制御装置2は、複数の暖房機ではなく、複数の冷房機、複数の循環扇等を、上述の暖房機と同様に制御するようにすることでも、本実施の形態と同様の効果を得ることは可能である。例えば、複数の冷房機を制御する場合には、運転開始温度KON1,KON2や強制運転温度KON3を設定温度Kよりも高く設定すると共に、運転停止温度KOFF1,KOFF2や強制停止温度KOFF3を設定温度Kよりも低く設定するようにすればよい。
【0073】
また、本実施の形態では、運転開始温度KON1,KON2及び運転停止温度KOFF1,KOFF2をそれぞれ2つとして制御する例について説明したが、3つ以上とすることも考えられる。
【0074】
以上説明した本実施の形態では、複数の運転開始温度KON1,KON2と複数の運転停止温度KOFF1,KOFF2とが制御装置2に設定されるようにしている。そのため、外気温等の影響で温度環境が高温或いは低温に偏った場合であっても、各運転開始温度KON1,KON2及び各運転停止温度KOFF1,KOFF2における暖房機HP1,HP2,HKの運転台数を、温度環境に応じて変動させることができる。よって、本実施の形態によれば、室温調整を安価かつ有効に行うことができる。
【0075】
更には、本実施の形態では、制御装置2は、第1ヒートポンプHP1、第2ヒートポンプHP2、燃焼式暖房機HK、循環扇3等を制御するため、容易に室温調整及び湿度調整を行うことができる。
【0076】
また、本実施の形態では、運転していない全ての暖房機HP1,HP2,HKの運転を開始する強制運転温度KON3と、運転している全ての暖房機HP1,HP2,HKの運転を停止する強制停止温度とKOFF3とが制御装置2に更に設定されるようにしている。そのため、室温が極端な高温又は低温になった場合であっても、安定的に室内を空調することができ、したがって、室温調整を一層、安価かつ有効に行うことができる。
【0077】
また、本実施の形態では、制御装置2は、低温側運転開始温度KON2において暖房機の運転を開始した後、室温が一定時間以上強制運転温度KON3と高温側運転開始温度KON1との間の範囲にある場合で、且つ、複数の暖房機のうち運転していない暖房機がある場合に、その運転していない暖房機のうちの1台の暖房機の運転を開始するようにしている。そのため、より有効に室内を空調することができ、したがって、室内の暖房を一層、安価かつ有効に行うことができる。
【0078】
また、本実施の形態では、制御装置2は、高温側運転停止温度KOFF2において暖房機の運転を停止した後、室温が一定時間以上強制停止温度KOFF3と低温側運転停止温度KOFF1との間の範囲にある場合で、且つ、複数の暖房機のうち運転している暖房機がある場合に、その運転している暖房機のうちの1台の暖房機の運転を停止するようにしている。そのため、より有効に室内を空調することができ、したがって、室内の暖房を一層、安価かつ有効に行うことができる。
【0079】
また、本実施の形態では、空調手段として、1又は2以上(2台)のヒートポンプHP
1,HP2及び1又は2以上(1台)の燃焼式暖房機HKを用い、制御装置2は、燃焼式暖房機HKの運転よりもヒートポンプHP1,HP2の運転を優先的に開始し、ヒートポンプHP1,HP2の運転よりも燃焼式暖房機HKの運転を優先的に停止させるようにしている。そのため、外気温が低下すると効率が低下すると共に運転費用の安価なヒートポンプHP1,HP2を優先的に運転させることができ、したがって、室内の暖房を一層、安価かつ有効に行うことができる。
【0080】
更には、本実施の形態では、空調手段としてヒートポンプHP1,HP2を用いているため、ヒートポンプHP1,HP2を暖房機としてのみならず冷房機としても使用することができ、冷房や除湿をも行うことができ、したがって、室温調整及び湿度調整を安価かつ有効に行うことができる。
【0081】
(他の実施の形態)
本実施の形態では、空調手段として1台のヒートポンプHP及び1台の燃焼式暖房機HKの2台の暖房機を用いている点、並びに、強制運転温度及び強制停止温度を採用していない点において、上述の一実施の形態と主に相違するため、室温変化に応じた制御についてのみ説明する。なお、上述の相違点に起因して、本実施の形態における暖房モードは「Off/Lo」及び「Lo/Hi」の2つのみである。
【0082】
図4は、本発明の他の実施の形態に係る室温変化に応じた制御装置による制御を示す説明図である。
まず、室温が低下して高温側運転開始温度KON1に変化すると(T41)、運転していない暖房機(ここではヒートポンプHP及び燃焼式暖房機HK)のうちの1台として、運転開始の優先順位が最も高いヒートポンプHPの運転を開始する。
【0083】
室温が上昇して高温側運転開始温度KON1から低温側運転停止温度KOFF1に変化すると(T42)、運転している暖房機(ここではヒートポンプHPのみ)のうちの1台として、ヒートポンプHPの運転を停止する。
【0084】
同様に、室温が低下して低温側運転停止温度KOFF1から高温側運転開始温度KON1に変化すると(T43)、ヒートポンプHPの運転を開始する。また、室温が上昇して高温側運転開始温度KON1から低温側運転停止温度KOFF1に変化すると(T44)、ヒートポンプHPの運転を停止する。そして、室温が低下して低温側運転停止温度KOFF1から高温側運転開始温度KON1に変化すると(T45)、ヒートポンプHPの運転を開始する。
【0085】
室温が更に低下して高温側運転開始温度KON1から低温側運転開始温度KON2に変化すると(T46)、運転していない暖房機(ここでは燃焼式暖房機HKのみ)のうちの1台として、燃焼式暖房機HKの運転を開始する。このとき、暖房モードは「Off/Lo」から「Lo/Hi」に引き上げられる。
【0086】
時間T47〜時間T51においても以上のような制御を繰り返す。
そして、室温が上昇して低温側運転停止温度KOFF1から高温側運転停止温度KOFF2に変化すると(T52)、運転している暖房機(ここではヒートポンプHPのみ)のうちの1台として、ヒートポンプHPの運転を停止する。このとき、暖房モードは「Lo/Hi」から「Off/Lo」に引き下げられる。
【0087】
時間T53〜時間T56においても以上のような制御を繰り返す。
そして、室温が低下して低温側運転開始温度KOFF1から高温側開始温度KON1に変化し、ヒートポンプHPの運転を開始した後(T57)、一定時間Tc以上、室温が低
温側運転開始温度KON2と低温側運転停止温度KOFF1との間の範囲にある場合(T58)、運転していない暖房機(ここでは燃焼式暖房機HKのみ)のうちの1台として、燃焼式暖房機HKの運転を開始する。このとき、暖房モードは「Lo/Mid」から「Mid/Hi」に引き上げられる。
【0088】
なお、図4には図示していないが、制御装置は、低温側運転停止温度KOFF1において暖房機(ヒートポンプHP又は燃焼式暖房機HK)の運転を停止した後、室温が一定時間以上高温側運転停止温度KOFF2と高温側運転開始温度KON1との間の範囲にある場合で、且つ、複数の暖房機のうち運転している暖房機がある場合に、その運転している暖房機のうちの1台の暖房機の運転を停止するようにも設定されている。
【0089】
以上説明した本実施の形態においても、複数の運転開始温度KON1,KON2と複数の運転停止温度KOFF1,KOFF2とが制御装置に設定されるようにしている。そのため、外気温等の影響で温度環境が高温或いは低温に偏った場合であっても、各運転開始温度KON1,KON2及び各運転停止温度KOFF1,KOFF2における暖房機HP,HKの運転台数を、温度環境に応じて変動させることができる。よって、本実施の形態によれば、室温調整を安価かつ有効に行うことができる。
【0090】
また、本実施の形態では、制御装置は、高温側運転開始温度KON1において暖房機(ヒートポンプHP又は燃焼式暖房機HK)の運転を開始した後、室温が一定時間以上低温側運転開始温度KON2と低温側運転停止温度KOFF1との間の範囲にある場合で、且つ、複数の暖房機のうち運転していない暖房機がある場合に、その運転していない暖房機のうちの1台の暖房機の運転を開始するようにしている。そのため、より有効に室内を空調することができ、したがって、室温調整を一層、安価かつ有効に行うことができる。
【0091】
また、本実施の形態では、制御装置は、低温側運転停止温度KOFF1において暖房機の運転を停止した後、室温が一定時間以上高温側運転停止温度KOFF2と高温側運転開始温度KON1との間の範囲にある場合で、且つ、複数の暖房機のうち運転している暖房機がある場合に、その運転している暖房機のうちの1台の暖房機の運転を停止するようにしている。そのため、より有効に室内を空調することができ、したがって、室温調整を一層、安価かつ有効に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の一実施の形態に係る制御装置を備える空調システムを示す概略ブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る室温変化に応じた制御装置による制御を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る制御装置による制御を示すフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る室温変化に応じた制御装置による制御を示す説明図である。
【符号の説明】
【0093】
1 空調システム
2 制御装置
3 循環扇
4 日射センサ
5 温度センサ
6 湿度センサ
HP1 第1ヒートポンプ
HP2 第2ヒートポンプ
HP ヒートポンプ
HK 燃焼式暖房機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内を空調する複数の空調手段を制御する制御装置において、
前記複数の空調手段のうち運転していない空調手段がある場合に該運転していない空調手段のうちの1台の空調手段の運転を開始する複数の運転開始温度と、前記複数の空調手段のうち運転している空調手段がある場合に該運転している空調手段のうちの1台の空調手段の運転を停止する複数の運転停止温度と、が設定される、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記複数の空調手段のうち運転していない全ての空調手段の運転を開始する強制運転温度と、前記複数の空調手段のうち運転している全ての空調手段の運転を停止する強制停止温度と、が更に設定される、
ことを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記複数の空調手段は、前記室内を暖房し、
前記制御装置は、前記室温が低下して前記運転開始温度に達した場合で、且つ、前記複数の空調手段のうち運転していない空調手段がある場合に、該運転していない空調手段のうちの1台の空調手段の運転を開始し、
前記制御装置は、前記室温が上昇して前記運転停止温度に達した場合で、且つ、前記複数の空調手段のうち運転している空調手段がある場合に、該運転している空調手段のうちの1台の空調手段の運転を停止する、
ことを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項4】
前記複数の運転開始温度は、高温側運転開始温度及び低温側運転開始温度の2つの運転開始温度であり、
前記複数の運転停止温度は、高温側運転停止温度及び低温側運転停止温度の2つの運転停止温度であり、
前記制御装置が前記運転していない空調手段のうちの1台の空調手段の運転を前記低温側運転開始温度において開始するのは、前記室温が前記高温側運転開始温度から前記低温側運転開始温度に低下して達した場合であり、
前記制御装置が前記運転していない空調手段のうちの1台の空調手段の運転を前記高温側運転開始温度において開始するのは、前記室温が前記低温側運転停止温度から前記高温側運転開始温度に低下して達した場合であり、
前記制御装置が前記運転している空調手段のうちの1台の空調手段の運転を前記高温側運転停止温度において停止するのは、前記室温が前記低温側運転停止温度から前記高温側運転停止温度に上昇して達した場合であり、
前記制御装置が前記運転している空調手段のうちの1台の空調手段の運転を前記低温側運転停止温度において停止するのは、前記室温が前記高温側運転開始温度から前記低温側運転停止温度に上昇して達した場合である、
ことを特徴とする請求項3記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御装置には、前記複数の空調手段のうち運転していない全ての空調手段の運転を開始する強制運転温度が更に設定され、
前記制御装置は、前記低温側運転開始温度において前記空調手段の運転を開始した後、前記室温が一定時間以上前記強制運転温度と前記高温側運転開始温度との間の範囲にある場合で、且つ、前記複数の空調手段のうち運転していない空調手段がある場合に、該運転していない空調手段のうちの1台の空調手段の運転を開始する、
ことを特徴とする請求項4記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御装置には、前記複数の空調手段のうち運転している全ての空調手段の運転を停
止する強制停止温度が更に設定され、
前記制御装置は、前記高温側運転停止温度において前記空調手段の運転を停止した後、前記室温が一定時間以上前記強制停止温度と前記低温側運転停止温度との間の範囲にある場合で、且つ、前記複数の空調手段のうち運転している空調手段がある場合に、該運転している空調手段のうちの1台の空調手段の運転を停止する、
ことを特徴とする請求項4記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記高温側運転開始温度において前記空調手段の運転を開始した後、前記室温が一定時間以上前記低温側運転開始温度と前記低温側運転停止温度との間の範囲にある場合で、且つ、前記複数の空調手段のうち運転していない空調手段がある場合に、該運転していない空調手段のうちの1台の空調手段の運転を開始する、
ことを特徴とする請求項4記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記低温側運転停止温度において前記空調手段の運転を停止した後、前記室温が一定時間以上前記高温側運転停止温度と前記高温側運転開始温度との間の範囲にある場合で、且つ、前記複数の空調手段のうち運転している空調手段がある場合に、該運転している空調手段のうちの1台の空調手段の運転を停止する、
ことを特徴とする請求項4記載の制御装置。
【請求項9】
前記複数の空調手段は、1又は2以上のヒートポンプ及び1又は2以上の燃焼式暖房機を含み、
前記制御装置は、前記燃焼式暖房機の運転よりも前記ヒートポンプの運転を優先的に開始し、前記ヒートポンプの運転よりも前記燃焼式暖房機の運転を優先的に停止する、
ことを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか1項記載の制御装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項記載の制御装置と、
該制御装置により制御される複数の空調手段と、
を備えることを特徴とする空調システム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−14211(P2009−14211A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173373(P2007−173373)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000111292)ネポン株式会社 (24)
【Fターム(参考)】