前照灯光軸調整装置の光軸調整ドライブユニット
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前照灯の光軸調整ドライブユニットの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、前照灯光軸調整装置には、特開平8−164789号公報に開示する構成のものが知られている。図1はその従来の前照灯光軸調整装置を示し、図1において、20はランプハウジングである。ランプハウジング20にはレンズ21がランプハウジング20の前面開口部を覆って装着されている。このランプハウジング20にはリフレクタ22が図示を略す球継手によって傾動可能に支承されると共に、光軸調整ドライブユニット23が装着されている。前照灯の照明光軸はリフレクタ22の傾動に伴って傾動調整される。
【0003】リフレクタ22にはブラケット24が一体に形成されている。このブラケット24には、スクリューマウンティング部材25が回転可能に支承されている。このスクリューマウンティング部材25はメネジ部を有する。このスクリューマウンティング部材25にはスクリュネジロッド部材26が螺合されている。符号26aはそのスクリュネジロッド部材26のオネジ部を示している。このスクリュネジロッド部材26は前後進筒27と共にドライブロッド28を構成している。前後進筒27には図示を略すラックが設けられている。
【0004】光軸調整ドライブユニット23はケース23aを有し、そのケース23a内にはリフレクタ22の傾動角度調整のためのモータ29が設置されている。このモータ29の出力軸29aには図示を略すウオームギヤが取り付けられ、このウオームギヤが減速機構を介して前後進筒27のラックに伝達され、ドライブロッド28に伝達される。
【0005】また、ケース23aには、モータ29の制御用の回路基板30が設けられている。この回路基板30には位置検出センサ31が設けられている。この位置検出センサ31は移動子32を備え、その移動子32はドライブロッド28に連結部材33を介して連結されている。ケース23aの背部には、外部と回路基板30とを電気的に接続する端子34aを有するコネクタ部34が設けられている。コネクタ部34の突出基部にはパッキン部材35が配設されて、ランプハウジング20とコネクタ部34との間がパッキン部材35によりシールされている。
【0006】また、光軸調整ドライブユニット23には、図2、図3に示すよう構造のものも提案されている。このものでは、モータ29と回路基板30とがケース内に水平に配置され、ドライブロッド28とモータ29の出力軸29aとが減速機構36を介して連結されている。そのケース23aには取り付け板部37〜39、40’が設けられ、その各取り付け板部37〜40には取り付け穴37a〜39a、40’aが設けられている。取り付け穴40’aの形成位置はそのドライブロッド28の中心とコネクタ部34の中心とを結ぶ直線L1に対して左右方向にずれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ランプハウジング20の内部空間には、バルブ、リフレクタ等を設けなければならず、できるだけ光軸調整ドライブユニット23をコンパクト化することが望まれている。また、モータ29、回路基板30、減速機構36を構成する各部品を手作業によりケース23a内に組み込まなければならないが、光軸調整ドライブユニット23をコンパクト化すると、ケース内の部品配設空間が一層狭くなるため、組み込み作業がそれだけ難しくなり、できるだけ組立性の向上を図ることが望まれる。更に、ランプハウジング20とコネクタ部34との間のシールもより一層確実に図ることができるようにするのが望ましい。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的は、コンパクトでかつ組立性の向上を図ることができ、しかも、ランプハウジングとコネクタ部との間のシール性の確実化を図ることのできる前照灯の光軸調整ドライブユニットを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の前照灯光軸調整装置の光軸調整ドライブユニットは、リフレクタを傾動させるドライブロッドと、該ドライブロッドを前後進させるモータと、前記ドライブロッドに連結されて一体に移動される移動子と該移動子と協同して前記ドライブロッドの前後方向の位置を検出する固定子とからなる位置検出センサと、該位置検出センサを担持して前記モータを駆動する制御用の回路基板と、前記モータの回転を前記ドライブロッドに伝達する回転伝達軸と、これらの各構成要素を内蔵するケースとを備え、前記ドライブロッドは前記ケースの上方側に配設され、前記回路基板は前記ケースに水平に配設され、前記モータは前記ケース内でかつ前記回路基板の下方側にその出力軸が前記ドライブロッドに近づくようにして斜めに配置され、前記回転伝達軸は前記ケースの側壁に対して斜めに設けられている
【0010】請求項2に記載の前照灯光軸調整装置の光軸調整ドライブユニットは、前記ケースの背部には外部と前記回路基板とを電気的に接続する略左右対称形状のコネクタ部が突出形成され、前記ケースの下方側と前記ケースの上方側とにはランプハウジングに前記ケースを取り付けるための取り付け穴が形成され、前記ケースの上方側の取り付け穴は前記ドライブロッドを挟んで略左右対称位置に一対形成され、各取り付け穴は前記コネクタの中央の端子から略等距離に位置されている。
【0011】
【発明の実施の形態】図4は本発明に係わる光軸調整ドライブユニット23を前照灯のランプハウジングに取り付けた状態を示す部分断面図を示し、図4において、図1R>1と同一構成要素に同一符号を付して主として異なる部分について説明することとする。
【0012】ケース23は本体ケース40と蓋ケース41とから構成されている。コネクタ部34は本体ケース40の背部に形成されている。ランプハウジング20にはそのコネクタ部34を案内するコネクタ案内開口20’が形成されている。蓋ケース41には図5に示すようにその一側部に可撓性係合爪片42、42が設けられ、本体ケース40には図6に示すようにその一側部でかつ係合爪42、42に対応する箇所に係合開口43、43が設けられている。蓋ケース41の他側部には、同様に1個の係合爪片が形成され、本体ケース40の他側部には、同様に1個の係合開口が形成され、その蓋ケース41は本体ケース40に対して着脱可能である。ケース23の内部には、図7に示すように、モータ29を駆動する回路基板30が水平方向に配設されている。その回路基板30には各種の電気回路部品が搭載されている。
【0013】ドライブロッド28は、図8、図9、図10R>0に示すようにケース23aの上方側に配設されている。蓋ケース41の下方側には図9に示すように取り付け板部42が形成されている。符号42aはその取り付け板部42の取り付け穴である。ケース23aは、その正面から見て平面的輪郭形状が、ドライブロッド28の中心と取り付け穴42aの中心とを結ぶ直線L2を境に略左右対称に形成されている。
【0014】蓋ケース41の上方側にはドライブロッド28を挟んでその左右両側にほぼ左右対称に取り付け板部43、44が形成されている。その取り付け板部43、44には取り付け穴43a、44aが形成されている。
【0015】モータ29は、ケース23aの内部に、その出力軸29aがドライブロッド29に近づくようにして回路基板30に対して斜めに配設されている。これにより、その出力軸29aとドライブロッド28との横方向の距離がモータ29を水平方向に配置した図2に示す従来の光軸調整ドライブユニットに較べて小さくされ、その分だけ、後述する中継歯車の径、ピッチを小さくすることができることになり、ケース23aの横幅を小さくでき、光軸調整ドライブユニット23のコンパクト化が図られる。また、モータ29と回路基板30との間には略三角形状の空間30’が形成されるので、モータ29、回路基板30の組み込み作業が容易となる。
【0016】その出力軸29aにはウオームギヤ45が装着されている。このウオームギヤ45は回転伝達機構46の一部を構成する回転伝達軸47の一端部に形成されたウオームホイール48に噛合されている。制御用回路基板30には図11に示すように切り欠き30aが形成されている。回転伝達軸47は図7に示すように、本体ケース40の側壁40’’に対して斜めに配置され、その切り欠き30aを通じてドライブロッド28に向かって延びている。側壁40’’と回転伝達軸47との間には略三角形の空間47’が形成され、これにより、回転伝達軸47の本体ケース40への組付けの容易化が図られている。回転伝達軸47の他端部にはウオームギヤ49が形成され、ウオームギヤ49の回転はウオームホイールとピニオンとが同軸の中継歯車50に伝達される。前後進筒27のラックは中継歯車50のピニオンに噛み合わされている。
【0017】コネクタ部34は直線L2を境に左右対称に形成されると共にドライブロッド28と取り付け板42との間に位置されている。取り付け穴42a〜44aは中央の端子34aから略等距離に位置している。この中央の端子34aは取り付け穴42aの中心とドライブロッド28の中心とを結ぶ直線L2上に位置している。コネクタ部34の基部には図8、図9に示すようにパッキン部材35が配設される。パッキン部材35は光軸調整ドライブユニット23をランプハウジング20に締結手段により締結する際、取り付け穴42a〜44aがコネクタ部34の中央の端子34aから略等距離に位置しているので、ランプハウジング20に略均等に押圧され、これにより、コネクタ部34とコネクタ案内口20’との間のシールの確実化が図られる。
【0018】本体ケース40への各部品の組付けは、例えば、回転伝達軸47を本体ケース40にセットし、次にモータ29を所定の位置に組み込み、回路基板30を組み付け、最後にドライブロッド28を挿入する手順を踏んで行われる。
【0019】モータ29はその後部が回路基板30から下方に遠ざかるようにして、本体ケース40内に配置されるので、モータ29の回転によりモータ29の軸受け部が摩耗し、その金属摩耗粉がモータ29の後部から排出されたとしても、その金属摩耗粉は落下して本体ケース40の下方に溜まり、回路基板30に金属摩耗粉が付着しにくい構成となっているので、回路基板30が金属摩耗粉によりショートするのが防止される。
【0020】このものによれば、そのモータ29の制御は、自動車の運転席からのスイッチ操作によって行われ、モータ29が回転すると、スクリュネジロッド部材26が回転されつつ前後進され、これにより、スクリューマウンティング部材25を介してリフレクタ22が傾動される。その際、ドライブロッド28の前後進に伴って移動子が一体に移動され、ドライブロッド28の位置がリアルタイムで検出される。
【0021】
【発明の効果】請求項1に記載の前照灯の光軸調整ドライブユニットは、以上説明したように構成したので、コンパクトでかつ組立作業性が良好であるという効果を奏する。また、モータの後部から排出される金属摩耗粉がケースの下方に落下し、回路基板に付着しにくい構成となっているので、金属摩耗粉による回路基板のショートも防止できる。
【0022】請求項2に記載の発明によれば、ランプハウジングとコネクタ部との間のシール性の確実化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の前照灯の光軸調整装置の部分断面図である。
【図2】 従来の光軸調整ドライブユニットの他の例を示す説明図であって、その内部構造を示す平面図である。
【図3】 図2に示す光軸調整ドライブユニットの外観形状を示す平面図である。
【図4】 本発明に係わる光軸調整ドライブユニットを前照灯のランプハウジングに取り付けた状態を示す部分断面図である。
【図5】 本発明に係わる光軸調整ドライブユニットの蓋ケースを示す側面図である。
【図6】 本発明に係わる光軸調整ドライブユニットのケース本体を示す側面図である。
【図7】 本発明に係わる光軸調整ドライブユニットの内部構造を示す図であって、ケース蓋を取り除いた状態を示す図である。
【図8】 本発明に係わる光軸調整ドライブユニットの外観形状を示す側面図である。
【図9】 本発明に係わる光軸調整ドライブユニットの外観形状を示す平面図である。
【図10】 図9の矢印B−B線に沿う断面図である。
【図11】 図10の矢印F−F線に沿う断面図である。
【符号の説明】
22…リフレクタ
28…ドライブロッド
29…モータ
30…回路基板
31…位置検出センサ
32…移動子
34…コネクタ部
42…取り付け板部
45…回転伝達機構
40’’…側壁
L2…直線
43、44…取り付け板部
29a…出力軸
23a…ケース
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前照灯の光軸調整ドライブユニットの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、前照灯光軸調整装置には、特開平8−164789号公報に開示する構成のものが知られている。図1はその従来の前照灯光軸調整装置を示し、図1において、20はランプハウジングである。ランプハウジング20にはレンズ21がランプハウジング20の前面開口部を覆って装着されている。このランプハウジング20にはリフレクタ22が図示を略す球継手によって傾動可能に支承されると共に、光軸調整ドライブユニット23が装着されている。前照灯の照明光軸はリフレクタ22の傾動に伴って傾動調整される。
【0003】リフレクタ22にはブラケット24が一体に形成されている。このブラケット24には、スクリューマウンティング部材25が回転可能に支承されている。このスクリューマウンティング部材25はメネジ部を有する。このスクリューマウンティング部材25にはスクリュネジロッド部材26が螺合されている。符号26aはそのスクリュネジロッド部材26のオネジ部を示している。このスクリュネジロッド部材26は前後進筒27と共にドライブロッド28を構成している。前後進筒27には図示を略すラックが設けられている。
【0004】光軸調整ドライブユニット23はケース23aを有し、そのケース23a内にはリフレクタ22の傾動角度調整のためのモータ29が設置されている。このモータ29の出力軸29aには図示を略すウオームギヤが取り付けられ、このウオームギヤが減速機構を介して前後進筒27のラックに伝達され、ドライブロッド28に伝達される。
【0005】また、ケース23aには、モータ29の制御用の回路基板30が設けられている。この回路基板30には位置検出センサ31が設けられている。この位置検出センサ31は移動子32を備え、その移動子32はドライブロッド28に連結部材33を介して連結されている。ケース23aの背部には、外部と回路基板30とを電気的に接続する端子34aを有するコネクタ部34が設けられている。コネクタ部34の突出基部にはパッキン部材35が配設されて、ランプハウジング20とコネクタ部34との間がパッキン部材35によりシールされている。
【0006】また、光軸調整ドライブユニット23には、図2、図3に示すよう構造のものも提案されている。このものでは、モータ29と回路基板30とがケース内に水平に配置され、ドライブロッド28とモータ29の出力軸29aとが減速機構36を介して連結されている。そのケース23aには取り付け板部37〜39、40’が設けられ、その各取り付け板部37〜40には取り付け穴37a〜39a、40’aが設けられている。取り付け穴40’aの形成位置はそのドライブロッド28の中心とコネクタ部34の中心とを結ぶ直線L1に対して左右方向にずれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ランプハウジング20の内部空間には、バルブ、リフレクタ等を設けなければならず、できるだけ光軸調整ドライブユニット23をコンパクト化することが望まれている。また、モータ29、回路基板30、減速機構36を構成する各部品を手作業によりケース23a内に組み込まなければならないが、光軸調整ドライブユニット23をコンパクト化すると、ケース内の部品配設空間が一層狭くなるため、組み込み作業がそれだけ難しくなり、できるだけ組立性の向上を図ることが望まれる。更に、ランプハウジング20とコネクタ部34との間のシールもより一層確実に図ることができるようにするのが望ましい。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的は、コンパクトでかつ組立性の向上を図ることができ、しかも、ランプハウジングとコネクタ部との間のシール性の確実化を図ることのできる前照灯の光軸調整ドライブユニットを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の前照灯光軸調整装置の光軸調整ドライブユニットは、リフレクタを傾動させるドライブロッドと、該ドライブロッドを前後進させるモータと、前記ドライブロッドに連結されて一体に移動される移動子と該移動子と協同して前記ドライブロッドの前後方向の位置を検出する固定子とからなる位置検出センサと、該位置検出センサを担持して前記モータを駆動する制御用の回路基板と、前記モータの回転を前記ドライブロッドに伝達する回転伝達軸と、これらの各構成要素を内蔵するケースとを備え、前記ドライブロッドは前記ケースの上方側に配設され、前記回路基板は前記ケースに水平に配設され、前記モータは前記ケース内でかつ前記回路基板の下方側にその出力軸が前記ドライブロッドに近づくようにして斜めに配置され、前記回転伝達軸は前記ケースの側壁に対して斜めに設けられている
【0010】請求項2に記載の前照灯光軸調整装置の光軸調整ドライブユニットは、前記ケースの背部には外部と前記回路基板とを電気的に接続する略左右対称形状のコネクタ部が突出形成され、前記ケースの下方側と前記ケースの上方側とにはランプハウジングに前記ケースを取り付けるための取り付け穴が形成され、前記ケースの上方側の取り付け穴は前記ドライブロッドを挟んで略左右対称位置に一対形成され、各取り付け穴は前記コネクタの中央の端子から略等距離に位置されている。
【0011】
【発明の実施の形態】図4は本発明に係わる光軸調整ドライブユニット23を前照灯のランプハウジングに取り付けた状態を示す部分断面図を示し、図4において、図1R>1と同一構成要素に同一符号を付して主として異なる部分について説明することとする。
【0012】ケース23は本体ケース40と蓋ケース41とから構成されている。コネクタ部34は本体ケース40の背部に形成されている。ランプハウジング20にはそのコネクタ部34を案内するコネクタ案内開口20’が形成されている。蓋ケース41には図5に示すようにその一側部に可撓性係合爪片42、42が設けられ、本体ケース40には図6に示すようにその一側部でかつ係合爪42、42に対応する箇所に係合開口43、43が設けられている。蓋ケース41の他側部には、同様に1個の係合爪片が形成され、本体ケース40の他側部には、同様に1個の係合開口が形成され、その蓋ケース41は本体ケース40に対して着脱可能である。ケース23の内部には、図7に示すように、モータ29を駆動する回路基板30が水平方向に配設されている。その回路基板30には各種の電気回路部品が搭載されている。
【0013】ドライブロッド28は、図8、図9、図10R>0に示すようにケース23aの上方側に配設されている。蓋ケース41の下方側には図9に示すように取り付け板部42が形成されている。符号42aはその取り付け板部42の取り付け穴である。ケース23aは、その正面から見て平面的輪郭形状が、ドライブロッド28の中心と取り付け穴42aの中心とを結ぶ直線L2を境に略左右対称に形成されている。
【0014】蓋ケース41の上方側にはドライブロッド28を挟んでその左右両側にほぼ左右対称に取り付け板部43、44が形成されている。その取り付け板部43、44には取り付け穴43a、44aが形成されている。
【0015】モータ29は、ケース23aの内部に、その出力軸29aがドライブロッド29に近づくようにして回路基板30に対して斜めに配設されている。これにより、その出力軸29aとドライブロッド28との横方向の距離がモータ29を水平方向に配置した図2に示す従来の光軸調整ドライブユニットに較べて小さくされ、その分だけ、後述する中継歯車の径、ピッチを小さくすることができることになり、ケース23aの横幅を小さくでき、光軸調整ドライブユニット23のコンパクト化が図られる。また、モータ29と回路基板30との間には略三角形状の空間30’が形成されるので、モータ29、回路基板30の組み込み作業が容易となる。
【0016】その出力軸29aにはウオームギヤ45が装着されている。このウオームギヤ45は回転伝達機構46の一部を構成する回転伝達軸47の一端部に形成されたウオームホイール48に噛合されている。制御用回路基板30には図11に示すように切り欠き30aが形成されている。回転伝達軸47は図7に示すように、本体ケース40の側壁40’’に対して斜めに配置され、その切り欠き30aを通じてドライブロッド28に向かって延びている。側壁40’’と回転伝達軸47との間には略三角形の空間47’が形成され、これにより、回転伝達軸47の本体ケース40への組付けの容易化が図られている。回転伝達軸47の他端部にはウオームギヤ49が形成され、ウオームギヤ49の回転はウオームホイールとピニオンとが同軸の中継歯車50に伝達される。前後進筒27のラックは中継歯車50のピニオンに噛み合わされている。
【0017】コネクタ部34は直線L2を境に左右対称に形成されると共にドライブロッド28と取り付け板42との間に位置されている。取り付け穴42a〜44aは中央の端子34aから略等距離に位置している。この中央の端子34aは取り付け穴42aの中心とドライブロッド28の中心とを結ぶ直線L2上に位置している。コネクタ部34の基部には図8、図9に示すようにパッキン部材35が配設される。パッキン部材35は光軸調整ドライブユニット23をランプハウジング20に締結手段により締結する際、取り付け穴42a〜44aがコネクタ部34の中央の端子34aから略等距離に位置しているので、ランプハウジング20に略均等に押圧され、これにより、コネクタ部34とコネクタ案内口20’との間のシールの確実化が図られる。
【0018】本体ケース40への各部品の組付けは、例えば、回転伝達軸47を本体ケース40にセットし、次にモータ29を所定の位置に組み込み、回路基板30を組み付け、最後にドライブロッド28を挿入する手順を踏んで行われる。
【0019】モータ29はその後部が回路基板30から下方に遠ざかるようにして、本体ケース40内に配置されるので、モータ29の回転によりモータ29の軸受け部が摩耗し、その金属摩耗粉がモータ29の後部から排出されたとしても、その金属摩耗粉は落下して本体ケース40の下方に溜まり、回路基板30に金属摩耗粉が付着しにくい構成となっているので、回路基板30が金属摩耗粉によりショートするのが防止される。
【0020】このものによれば、そのモータ29の制御は、自動車の運転席からのスイッチ操作によって行われ、モータ29が回転すると、スクリュネジロッド部材26が回転されつつ前後進され、これにより、スクリューマウンティング部材25を介してリフレクタ22が傾動される。その際、ドライブロッド28の前後進に伴って移動子が一体に移動され、ドライブロッド28の位置がリアルタイムで検出される。
【0021】
【発明の効果】請求項1に記載の前照灯の光軸調整ドライブユニットは、以上説明したように構成したので、コンパクトでかつ組立作業性が良好であるという効果を奏する。また、モータの後部から排出される金属摩耗粉がケースの下方に落下し、回路基板に付着しにくい構成となっているので、金属摩耗粉による回路基板のショートも防止できる。
【0022】請求項2に記載の発明によれば、ランプハウジングとコネクタ部との間のシール性の確実化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の前照灯の光軸調整装置の部分断面図である。
【図2】 従来の光軸調整ドライブユニットの他の例を示す説明図であって、その内部構造を示す平面図である。
【図3】 図2に示す光軸調整ドライブユニットの外観形状を示す平面図である。
【図4】 本発明に係わる光軸調整ドライブユニットを前照灯のランプハウジングに取り付けた状態を示す部分断面図である。
【図5】 本発明に係わる光軸調整ドライブユニットの蓋ケースを示す側面図である。
【図6】 本発明に係わる光軸調整ドライブユニットのケース本体を示す側面図である。
【図7】 本発明に係わる光軸調整ドライブユニットの内部構造を示す図であって、ケース蓋を取り除いた状態を示す図である。
【図8】 本発明に係わる光軸調整ドライブユニットの外観形状を示す側面図である。
【図9】 本発明に係わる光軸調整ドライブユニットの外観形状を示す平面図である。
【図10】 図9の矢印B−B線に沿う断面図である。
【図11】 図10の矢印F−F線に沿う断面図である。
【符号の説明】
22…リフレクタ
28…ドライブロッド
29…モータ
30…回路基板
31…位置検出センサ
32…移動子
34…コネクタ部
42…取り付け板部
45…回転伝達機構
40’’…側壁
L2…直線
43、44…取り付け板部
29a…出力軸
23a…ケース
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リフレクタを傾動させるドライブロッドと、該ドライブロッドを前後進させるモータと、前記ドライブロッドに連結されて一体に移動される移動子と該移動子と協同して前記ドライブロッドの前後方向の位置を検出する固定子とからなる位置検出センサと、該位置検出センサを担持して前記モータを駆動する制御用の回路基板と、前記モータの回転を前記ドライブロッドに伝達する回転伝達軸と、これらの各構成要素を内蔵するケースとを備え、前記ドライブロッドは前記ケースの上方側に配設され、前記回路基板は前記ケースに水平に配設され、前記モータは前記ケース内でかつ前記回路基板の下方側にその出力軸が前記ドライブロッドに近づくようにして斜めに配置され、前記回転伝達軸は前記ケースの側壁に対して斜めに設けられている前照灯光軸調整装置の光軸調整ドライブユニット。
【請求項2】 前記ケースの背部には外部と前記回路基板とを電気的に接続する略左右対称形状のコネクタ部が突出形成され、前記ケースの下方側と前記ケースの上方側とにはランプハウジングに前記ケースを取り付けるための取り付け穴が形成され、前記ケースの上方側の取り付け穴は前記ドライブロッドを挟んで略左右対称位置に一対形成され、各取り付け穴は前記コネクタの中央の端子から略等距離に位置されている請求項1に記載の前照灯光軸調整装置の光軸調整ドライブユニット。
【請求項1】 リフレクタを傾動させるドライブロッドと、該ドライブロッドを前後進させるモータと、前記ドライブロッドに連結されて一体に移動される移動子と該移動子と協同して前記ドライブロッドの前後方向の位置を検出する固定子とからなる位置検出センサと、該位置検出センサを担持して前記モータを駆動する制御用の回路基板と、前記モータの回転を前記ドライブロッドに伝達する回転伝達軸と、これらの各構成要素を内蔵するケースとを備え、前記ドライブロッドは前記ケースの上方側に配設され、前記回路基板は前記ケースに水平に配設され、前記モータは前記ケース内でかつ前記回路基板の下方側にその出力軸が前記ドライブロッドに近づくようにして斜めに配置され、前記回転伝達軸は前記ケースの側壁に対して斜めに設けられている前照灯光軸調整装置の光軸調整ドライブユニット。
【請求項2】 前記ケースの背部には外部と前記回路基板とを電気的に接続する略左右対称形状のコネクタ部が突出形成され、前記ケースの下方側と前記ケースの上方側とにはランプハウジングに前記ケースを取り付けるための取り付け穴が形成され、前記ケースの上方側の取り付け穴は前記ドライブロッドを挟んで略左右対称位置に一対形成され、各取り付け穴は前記コネクタの中央の端子から略等距離に位置されている請求項1に記載の前照灯光軸調整装置の光軸調整ドライブユニット。
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1】
【図4】
【図10】
【図11】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1】
【図4】
【図10】
【図11】
【特許番号】特許第3424508号(P3424508)
【登録日】平成15年5月2日(2003.5.2)
【発行日】平成15年7月7日(2003.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−183557
【出願日】平成9年7月9日(1997.7.9)
【公開番号】特開平11−28972
【公開日】平成11年2月2日(1999.2.2)
【審査請求日】平成13年9月6日(2001.9.6)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【参考文献】
【文献】特開 平8−78098(JP,A)
【文献】特開 平7−235201(JP,A)
【文献】特開 平7−186816(JP,A)
【文献】特開 平8−164789(JP,A)
【文献】特開 平2−248537(JP,A)
【文献】特開 平7−71010(JP,A)
【文献】特開 平8−254172(JP,A)
【文献】実開 平2−38242(JP,U)
【文献】実開 昭60−34030(JP,U)
【登録日】平成15年5月2日(2003.5.2)
【発行日】平成15年7月7日(2003.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成9年7月9日(1997.7.9)
【公開番号】特開平11−28972
【公開日】平成11年2月2日(1999.2.2)
【審査請求日】平成13年9月6日(2001.9.6)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【参考文献】
【文献】特開 平8−78098(JP,A)
【文献】特開 平7−235201(JP,A)
【文献】特開 平7−186816(JP,A)
【文献】特開 平8−164789(JP,A)
【文献】特開 平2−248537(JP,A)
【文献】特開 平7−71010(JP,A)
【文献】特開 平8−254172(JP,A)
【文献】実開 平2−38242(JP,U)
【文献】実開 昭60−34030(JP,U)
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