説明

剛性および弾性のエチレンコポリマー組成物を含む製品

本発明は、高い弾性および剛性の独特の組合せを有する、有機酸またはその塩とブレンドされたアイオノマーコポリマーを含む製品が開示されている。本発明による製品には、限定されるわけではないが、履物構造物構成要素(例えば、ヒールカウンター、先心、およびソール)、ゴルフクラブ構成要素、および工業用途(例えば、コーキング材料、シーラント、セメントおよびアスファルト用の改質剤、コーティング、包装用フィルム、成形部品、および運動具用の弾性フォームなどの材料)が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機酸または有機酸の塩とブレンドされたアイオノマーエチレンコポリマーを含む製品に関する。ポリマーブレンドは、高い弾性および剛性の独特の組合せを特徴とする。このような特性が望ましい製品には、限定されるわけではないが、履物構造物構成要素、ゴルフクラブ構成要素、および工業材料が含まれる。
【背景技術】
【0002】
多くの製品は、高い弾性および剛性を含めて特性のバランスから恩恵を受けるはずである。例えば、ヒールカウンター、先心、シャンク、およびソールなどの履物構造物構成要素は、履物構造に形状サポートを提供する。金属、皮革、ボール紙、積層材料、フォーム、熱可塑性樹脂などを含めて、広範囲の材料が、これらの履物構成要素を調製するために使用されている。
【0003】
ある種のタイプの履物の構造構成要素については、剛性および弾性の組合せを有する材料を開発して、改善された形状サポートおよび圧縮抵抗を提供することは有用なはずである。履物構造物構成要素のための他の望ましい特性には、低密度、低コスト、生地への接着性、ならびに改善された熱安定性および溶融加工性を含めて加工自由度が含まれる。経済および環境適合性のためには、このような材料がリサイクルできることも望ましい。
【0004】
その弾性、剛性、靭性、および耐久性の結果、さらにリサイクルできるので、本願特許出願人から商標サーリン(Surlyn)(登録商標)で、ならびにエクソンコーポレーション(Exxon Corporation)から販売名エスコー(Escor)(商標)およびロテック(lotek)(商標)で販売されている様々なアイオノマー樹脂は、ある種の履物構成要素の構造物を含めて、いくつかの用途に最適の材料となる。
【0005】
さらに、履物構造物構成要素に使用するためにいくつかのアイオノマーブレンドが知られている。例えば、(特許文献1)には、(a)不飽和カルボン酸が5〜30重量%、メルトフローインデックスが0.1〜100g/10分、曲げ弾性率が150mPa超である部分中和されたエチレン酸コポリマー、(b)不飽和カルボン酸が20〜50重量%、メルトフローインデックスが20〜1000g/10分である部分中和されたエチレン酸コポリマー、および(c)補強繊維を含むアイオノマー組成物が記載されている。
【0006】
(特許文献2)には、10〜80%中和されたエチレン酸コポリマーとポリエステル酸コポリマーのブレンドを含むアイオノマー組成物が記載されている。
【0007】
(特許文献3)には、5〜40%中和された(メタ)アクリル酸を17〜30重量%含むエチレン酸コポリマーを含むアイオノマー組成物が記載されている。
【0008】
上記に記載するように、ある種の通常のアイオノマーおよびブレンドは、履物構造物構成要素での使用に適していることが判明しているが、通常のアイオノマーより高い剛性および高い弾性の組合せを有する材料を開発することは有用なはずである。このような材料は、改善された形状サポートおよび圧縮抵抗を履物構造物構成要素および他の用途に提供するはずである。
【0009】
【特許文献1】特開平10−120842号公報
【特許文献2】特許第3034614号公報
【特許文献3】特開平9−108007号公報
【特許文献4】米国特許第3,836,153号明細書
【特許文献5】米国特許第4,326,716号明細書
【特許文献6】米国特許第4,504,520号明細書
【特許文献7】米国特許第5,078,398号明細書
【特許文献8】米国特許第6,146,571号明細書
【特許文献9】欧州特許第737,493B号明細書
【特許文献10】仏国特許出願公開第2523854A号明細書
【特許文献11】英国特許第2132092B号明細書
【特許文献12】特開平02−124182A号公報
【特許文献13】特開平04−144704A号公報
【特許文献14】特開平04−002375A号公報
【特許文献15】特開平09−225076A号公報
【特許文献16】特開昭57−203460A号公報
【特許文献17】特開昭59−194802A号公報
【特許文献18】特開昭62−224382A号公報
【特許文献19】特許第3302407B号公報
【特許文献20】特公平4−015702B号公報
【特許文献21】国際公開第2002004694号パンフレット
【特許文献22】国際公開第2002010470号パンフレット
【非特許文献1】Modern Plastics Encyclopedia、1995年、米国ニューヨーク州ニューヨークマグローヒル(McGraw−Hill, New York, NY)
【非特許文献2】Paint Flow and Pigment Dispersion、第2版、テンプル・C.・パットン(Temple C. Patton)、1979年(ジョン・ワイリー&サンズ(John Wiley & Sons))
【非特許文献3】Wiley Encyclopedia of Packaging Technology、第2版、A.L. BrodyおよびK.S.マーシュ(Marsh)編、ワイリーインターサイエンス(Wiley−Interscience)(ホーボーケ(Hoboken)、1997年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
通常の高度の酸アイオノマーによって発現されるものに匹敵する、またはそれを超える剛性および弾性を発現する低度から中度の酸含量のエチレン/酸コポリマーの組成物を開発することが、特に望ましい。このような材料は、限定されるわけではないが、履物構造物構成要素、ゴルフクラブ構成要素を含めて多くの製品で使用され、さらにコーキング材料、シーラント、セメントおよびアスファルト用の改質剤、コーティング、包装用フィルム、成形部品、および運動具用の弾性フォームなど広範囲の工業材料で使用される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明は、有機酸塩の組込みによって改質されるアイオノマー組成物を含む製品を提供する。これらの有機酸で改質されたアイオノマー組成物は、典型的な非改質アイオノマー組成物より剛性で弾性であり、良好な溶融加工性、および好ましい機械的諸特性のバランスを提供するので有利である。
【0012】
より具体的には、第1の態様では、本発明は、履物構造物構成要素、ゴルフクラブ構成要素、または工業材料などの製品であって、
(a)(メタ)アクリル酸含量がコポリマーの約5〜約30重量%の範囲である少なくとも1つのエチレン/(メタ)アクリル酸コポリマー、またはそのアイオノマーと、
(b)構成要素(a)、(b)、および(c)の全重量を基準にして約5重量%〜約50重量%の、6〜50個の炭素原子を有する1つまたは複数の有機モノカルボン酸と、任意選択的に、
(c)構成要素(a)および(c)の全重量を基準にして約20重量%までの、E/X/Yコポリマー(ただし、Eは、エチレンであり、Xは、C〜Cα,β−エチレン性不飽和カルボン酸であり、Yは、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートから選択される軟化コモノマーであり、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を有し、さらにXの量は、E/X/Yコポリマーの重量を基準にして、約3〜約30重量%の範囲であり、Yの量は、E/X/Yコポリマーの重量を基準にして、約5〜約50重量%の範囲である)とを含む溶融加工可能な熱可塑性組成物を含む製品を提供する。
【0013】
(a)、(b)、および(存在する場合は)(c)中のカルボン酸官能基をすべて合わせたうち70%超は、1つまたは複数のアルカリ金属、遷移金属、またはアルカリ土類金属カチオンで中和されている。
【0014】
本発明は、溶融加工可能な熱可塑性組成物が少なくとも1つの非アイオノマー熱可塑性樹脂をさらに含む製品も提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下の定義は、特有の場合に限定されていない限り、本明細書を通して使用されている用語に適用される。
【0016】
本明細書では「ヒールカウンター」という用語は、形状および構造を靴のヒール領域に提供する剛性の曲げ部分を指す。
【0017】
本明細書では「先心」および「先芯」という用語は、同義語であり、形状および構造を靴のつま先領域に提供する剛性のアーチ形部分を指す。
【0018】
「コポリマー」は、2つ以上の異なるモノマーを含むポリマーを意味する。「ダイポリマー」および「ターポリマー」用語は、それぞれ異なるモノマー2つおよび3つしか含まないポリマーを意味する。「様々なモノマーのコポリマー」というフレーズは、その単位が様々なモノマーから誘導されるコポリマーを意味する。
【0019】
「(メタ)アクリル酸」という用語は、メタクリル酸および/またはアクリル酸を意味する。同様に、「(メタ)アクリレート」という用語は、メタクリレートおよび/またはアクリレートを意味する。
【0020】
本明細書では「アイオノマー」という用語は、単独で、または例えば「アイオノマーの」などの派生形で、無機塩基などの中和剤で少なくとも部分中和され、中和剤から誘導される対イオンを有するカルボン酸塩を含む酸コポリマーを指す。
【0021】
本明細書では、有機酸、例えば「脂肪酸」および「ステアリン酸」と呼ばれる「酸」という用語は、酸、酸の塩、あるいは酸および1つまたは複数のその塩の混合物を指す。したがって、用語が本明細書で使用される場合、有機酸は、カルボン酸官能基(−C(O)OH)、カルボキシレート官能基(−C(O)O)、またはカルボン酸およびカルボキシレートの両官能基を有することがある。
【0022】
熱可塑性組成物は、加圧下で加熱された場合、流動することができるポリマー材料である。メルトインデックス(MI)は、温度および圧力の制御条件下で、指定されたオリフィスを通り抜けるポリマーのフロー速度である。本明細書に報告されているメルトインデックスは、ASTM 1238に従って、190℃で、2160gの荷重を使用して決定され、MIの値は、グラム/10分の単位で報告されている。
【0023】
本明細書では「有限量」および「有限値」という用語は、0に等しくない量または値を指す。
【0024】
本明細書では「約」という用語は、量、サイズ、配合、パラメータ、ならびに他の量および特性が、その通りでなく、かつその通りである必要はないが、許容誤差、換算係数、端数計算、測定誤差など、および当業者知られている他の要因を反映して、近似であり、かつ/あるいは所望どおりにより大きくまたはより小さいことがあることを意味する。一般に、量、サイズ、配合、パラメータ、または他の量もしくは特性は、「約」または「近似の」であると明示されていてもいなくても、そういう意味である。
【0025】
本発明は、溶融加工可能な熱可塑性組成物を含む製品を提供する。本発明による製品の例には、履物構造物構成要素(例えば、ヒールカウンター、先心、およびソール)、ゴルフクラブ構成要素、および工業材料(例えば、コーキング材料、シーラント、セメントおよびアスファルト用の改質剤;コーティング、包装用フィルム、成形部品、および運動具用の弾性フォームなどの材料)が含まれる。
【0026】
溶融加工可能な熱可塑性組成物は、少なくとも1つのエチレン/(メタ)アクリル酸コポリマー、またはそのアイオノマーを含む。本発明に有用なエチレン/(メタ)アクリル酸(E/(M)AA)コポリマーには、ダイポリマーの全重量を基準にして約5〜約30重量%の(M)AA、好ましくは約10〜約25重量%の(M)AA、より好ましくは約12〜約20重量%の(M)AAを有するダイポリマーが含まれる。E/(M)AAコポリマーは、下記に詳細に説明するように、好ましくは「直接」酸コポリマーであり、好ましくは少なくとも部分中和されてもいる。
【0027】
本発明に有用なE/(M)AAコポリマーは中和されている場合、好ましくはメルトインデックスが約0.3〜約30である。メルトインデックスが約0.7〜約15である樹脂は、注目すべきである。
【0028】
溶融加工可能な熱可塑性組成物は、少なくとも1つの有機酸も含む。本発明で使用することができる有機酸は、好ましくは非揮発性および非移行性である。適切な有機酸には、直鎖または分枝状の構造を有することがある脂肪族部分、芳香族部分、エチレン性不飽和部分、あるいはこれらの部分の任意の組合せが含まれる。好ましくは、有機酸は、6〜50個の炭素原子を含む。有機酸がモノカルボン酸であることも好ましい。結晶質であり、または室温を超える温度で結晶化できる有機酸は、特に注目すべきである。
【0029】
脂肪酸または脂肪酸塩、具体的には6〜36個の炭素原子を有する飽和脂肪族モノ官能性有機酸が好ましい。6〜22個の炭素原子を有する飽和脂肪族モノ官能性有機酸がより好ましい。本発明に特に有用な酸には、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、エイコサン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸、およびフェニル酢酸が含まれる。ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、安息香酸、およびフェニル酢酸からなる群から選択される有機酸がより好ましい。ステアリン酸が特に好ましい。
【0030】
有機酸は、コポリマーの剛性および/または弾性の特性を非改質コポリマーより向上させるのに十分な程度の量で存在する。有機酸は、熱可塑性組成物の全重量を基準にして少なくとも約5重量%から約50重量%までの量で存在することが好ましい。有機酸を少なくとも約15重量%の量で添加することがより好ましい。有機酸が少なくとも約25重量%の量で添加された熱可塑性組成物は、注目すべきである。
【0031】
好ましくは、有機酸は、ポリマーブレンドに添加されたとき塩の形に少なくとも部分中和される。塩の形で添加される場合、有機酸は、ナトリウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛、またはこれらのカチオンのうちの2つ以上の組合せで中和されていることが好ましい。より好ましいカチオンには、ナトリウム、リチウム、カルシウム、またはこれらのカチオンのうちの2つ以上の組合せが含まれる。ナトリウムは、特に好ましいカチオンであり、ステアリン酸ナトリウムは、特に好ましい有機酸塩である。
【0032】
溶融加工可能な熱可塑性組成物は、ポリマーの結晶化度を妨害する第3の「軟化」モノマーを含む少なくとも1つのエチレン酸コポリマーを任意選択的に含むことがある。これらの酸コポリマーを、E/X/Yコポリマー(ただし、Eは、エチレンであり、Xは、(メタ)アクリル酸などのα,βエチレン性不飽和カルボン酸であり、Yは、軟化コモノマーである)と記述することができる。好ましい軟化コモノマーは、C〜Cアルキル(メタ)アクリル酸エステルである。好ましくは、Xは、E/X/Yコポリマーの約3重量%〜約35重量%の量で存在し、Yは、E/X/Yコポリマーの約5重量%〜約50重量%の量で存在する。Xコモノマーの酸官能性は、下記に詳細に説明するように少なくとも部分中和されていることも好ましい。
【0033】
E/X/Yコポリマーは、当技術分野で知られている任意の方法によって作製することができる。適切なE/X/Yコポリマーには、エチレン/(メタ)アクリル酸、エチレン/(メタ)アクリル酸/無水マレイン酸、エチレン/(メタ)アクリル酸/マレイン酸モノエステル、エチレン/マレイン酸、エチレン/マレイン酸モノエステル、エチレン/(メタ)アクリル酸/n−ブチル(メタ)アクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/イソ−ブチル(メタ)アクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/エチル(メタ)アクリレートターポリマーなどのエチレン酸コポリマーが含まれる。
【0034】
E/X/Yコポリマーを使用する場合、構成要素(a)および(c)の全重量を基準にして約20重量%までの有限量、より好ましくは約5重量%〜約20重量%の量で存在することができる。
【0035】
任意選択的に、本発明の組成物は、組成物の特性を改変することが望ましい場合追加の非アイオノマー熱可塑性樹脂をさらに含むことができる。例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル、およびポリカーボネートからなる群から選択される熱可塑性ポリマー構成要素を使用して、改善された熱抵抗性を、組成物に付与することができる。熱可塑性エラストマーなど他のポリマー構成要素を、強靱化剤として使用することができる。
【0036】
適切な非アイオノマー熱可塑性樹脂には、例えばポリウレタンなどの熱可塑性エラストマー;ポリエーテルエステル;ポリアミドエーテル;ポリエーテルウレア;本願特許出願人から入手可能なハイトレル(HYTREL)(登録商標)ポリエステルエラストマー;米国ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia, PA)のアトフィナケミカルズ(Atofina Chemicals, Inc.)から入手可能なポリエーテル−ブロック−アミドをベースとするペバックス(PEBAX)(商標)ブロックコポリマー;スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロックコポリマー;スチレン(エチレン−ブチレン)−スチレンブロックコポリマー;ポリウレタン;メチルセルロース;4,6−ナイロン;6−ナイロン;一般にポリアミド(オリゴマーおよびポリマー);ポリエステル;ポリビニルアルコール;ポリエチレン、ポリプロピレン、およびエチレン/プロピレンコポリマーを含めてポリオレフィン;メタロセンを触媒として使用したポリオレフィン;エチレン/酢酸ビニル、エチレン/(メタ)アクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸、エチレン/エポキシ官能化モノマー、エチレン/COなど様々なコモノマーを含むエチレンコポリマー;例えば、ポリビニルアルコールまたはポリアクリレートを含むメタロセンを触媒として使用したエチレンおよびそのコポリマー;日本 東京のクラレ(Kuraray Co., Ltd.)から入手可能なエルバル(ELVAL)(商標)などのエチレン/ビニルアルコールコポリマー;グラフトされた無水マレイン酸官能基およびエポキシ化ポリマーを有する官能化ポリマー;エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)などのエラストマー;メタロセンを触媒として使用したポリエチレンおよびそのコポリマー;熱硬化エラストマーの粉砕粉末などが含まれる。溶融加工可能な熱可塑性組成物は、これらの材料の任意の2つ以上を含むことができる。
【0037】
追加の熱可塑性ポリマー構成要素は、溶融加工可能な熱可塑性組成物中に、E/(M)AAコポリマー、有機酸、およびE/X/Yコポリマーブレンドの全重量を基準にして50重量%未満、好ましくは30重量%未満、あるいは15重量%未満の量で存在することができる。
【0038】
任意選択的に、溶融加工可能な熱可塑性ブレンドは、1つまたは複数の充填剤を含むこともできる。充填剤は、ポリマーブレンドの機械的諸特性を改善する。したがって、具体的な充填剤の選択は、最終使用用途、すなわち履物構成要素またはコーキング材料に望ましい特性に依存している。充填剤、および充填剤をポリマー組成物に組み込む方法を選択するための基準は、当業者に知られている。例えば、(非特許文献1)を参照のこと。一般に、マイカ、有機または無機のチョップトファイバー、フィブリル、パルプなどの充填剤、および熱可塑性組成物で使用する他の周知の充填剤と使用することができる。充填剤材料は、非反応性、または本質的に非反応性であることが好ましい。充填剤は、溶融加工可能な熱可塑性ポリマーブレンド100重量部を基準にして、1つまたは複数の充填剤が170重量部までの量で存在することができる。
【0039】
様々な他の添加剤は、その存在によって、高い剛性および弾性という特性が実質的に変更されないことを条件として、本明細書に記載する組成物中に存在することができる。例えば、酸化防止剤および熱安定剤、紫外(UV)光安定剤、顔料および染料、充填剤、滑り防止剤、可塑剤、他の処理助剤などを使用できることは有利である。適切なレベルのこれらの添加剤、およびこれらの添加剤をポリマー組成物に組み込む方法は、当業者に知られている。例えば、(非特許文献1)を参照のこと。
【0040】
本明細書に記載する溶融加工可能な熱可塑性組成物は、通常は化学塩基である1つまたは複数の中和剤で少なくとも部分中和されている。熱可塑性組成物中のE/MAAダイポリマー、有機酸、および(存在する場合は)E/X/Yコポリマーの、かつて中和されたカルボン酸基は、中和剤から誘導されるカチオンである対イオンと会合するカルボキシレート基になる。溶融加工可能な熱可塑性組成物中に存在するすべての酸官能基のうち70%超、あるいは80%超、あるいは90%超、あるいは100%が、中和されていることが好ましい。
【0041】
好ましくは、溶融加工可能な熱可塑性組成物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または遷移金属カチオンを含む。好ましい組成物は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、スズ、または亜鉛の1つまたは複数を含む。より好ましい組成物は、ナトリウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、または亜鉛の1つまたは複数を含む。ナトリウムは、特に好ましいカチオンである。
【0042】
溶融加工可能な熱可塑性組成物の構成要素は、当技術分野で知られている任意の手段で組み合わせることができる。通常は、ポリマーブレンドの構成要素を、高せん断下で相互に溶融ブレンドする。構成要素を、まず材料それぞれの「ごま塩」ブレンド、すなわちペレットブレンド中、相互に組み合わせることができ、あるいは様々な構成要素を同時または別々に計量することにより相互に組み合わせることができ、あるいは押出機、バンバリー(Banbury)、バス(Buss)ニーダ、ファーレル(Farrell)連続ミキサー、または他の混合装置など混合装置の1つまたは複数の区分への1つまたは複数の通過の際に分割かつブレンドすることができる。例えば、材料の1つまたは複数を連続的に添加することができるフィードゾーンを2つ以上有する押出機を使用することができる。
【0043】
溶融ブレンドは、熱可塑性組成物の構成要素を組み合わせる好ましい方法である。例えば、ワーナー&フライダー(Werner & Pfleider)(W&P)二軸押出機のホッパ中で、化学量論量の有機酸、E/MAAコポリマーまたはアイオノマー、および必要なら中和剤を含むペレットブレンドを作製することができる。ペレットブレンドを、W&P二軸押出機で、添加された水の存在下に溶融混合して、中和を促進する。
【0044】
この点について、溶融加工可能な熱可塑性組成物の酸性構成要素を、ポリマーブレンドに、酸の形、塩の形、または酸と塩の混合物として添加することができる。押出機加工の高い温度およびせん断速度、またはより温和な条件でより長い時間によって、有機酸の中和レベルと酸コポリマーの中和レベルとの間にある程度平衡があることは、当業者には明らかとなる。
【0045】
したがって、ブレンドに望ましい全体の中和レベルに応じて、アイオノマーが溶融加工可能なままであることを条件として、酸コポリマーを過度に中和し、有機酸をその酸の形で添加することによって逆滴定することが可能である。逆に、完全に中和された有機酸を、中和レベルがポリマーブレンドに望ましいものより低い酸コポリマーに添加することが可能である。また、ブレンドする前に、酸コポリマーの中和、および有機酸の中和をそれぞれ、溶融加工可能な熱可塑性組成物の所望の最終レベルに等しくなるように調整することもできる。当業者は、他の順列が可能であることを理解し、特定の状況下でどの方法が望ましい可能性があるかを決定することができる。
【0046】
当業者は、同様の主材および方法を使用して所望のカチオンバランスを実現できることも知っている。例えば、有機酸をそのナトリウム塩の形で、酸コポリマーと直接ブレンドして、所望の溶融加工可能な熱可塑性組成物を生成することができる。さらに中和が必要である、または望ましい場合、水酸化カリウムなど1つまたは複数の追加の中和剤をポリマーブレンドに添加することによってもたらすことができる。あるいは、酸コポリマーを1つまたは複数の有機酸の塩のブレンドで中和することができ、そのカチオンの比は、化学量論的にアイオノマーに望ましい比に対応している。また、1つのカチオンを含むアイオノマーは、1つまたは複数の異なるカチオンを含む有機酸の1つまたは複数の塩でブレンドすることができる。過度の中和であればそれを、酸で逆滴定することによって修正することができる。これらの場合では、典型的な溶融ブレンドおよび押出機加工方法を使用すると仮定して、カチオンの濃度は、ポリマーブレンドのバルク全体で均一であると予想される。さらに、当業者は、他の順列が可能であることを理解し、特定の一組の状況下でカチオンレベルを操作するどの方法が望ましい可能性があるかを決定することができる。
【0047】
本明細書に記載する剛性および弾性の有機酸で改質されたアイオノマー組成物は、広範囲の製品に使用するための当技術分野で教示されているレベルの当技術分野で教示されている1つまたは複数の材料の有用な代替物または付属物である。本発明によって提供される製品は、当技術分野で知られている任意の適切な手段によって調製して、溶融加工可能なポリマー組成物を含めて物体を作製することができる。
【0048】
好ましくは、上記に記載する熱可塑性ブレンドの押出物を、射出または圧縮成形によって履物構造物構成要素を所望の形状に形成する。熱形成を使用して、所望の形状の履物構造物構成要素を調製することができる。例えば、1つのタイプの射出成形では、組成物を、ある時間約50°F〜100°Fの金型温度で射出成形して、所望の最終形状の成形部品を形成する。圧縮成形では、組成物を、射出成形またはシート押出によって、例えば約380°F〜約450°Fで予備造形されたブランクに形成し、加圧下、例えば200°F〜400°Fで短時間、圧縮成形にかけ、続いて50°F〜70°Fで冷却して、所望の最終形状の成形部品を形成する。
【0049】
本発明による製品は、他のスポーツ用品応用例、具体的にはゴルフ靴転び止め、ゴルフクラブフェースプレートまたはインサートなどのゴルフクラブの様々な構成要素、成形ゴルフクラブヘッド、クラブヘッドコーティングまたはケーシング、およびゴルフクラブヘッドのインナーキャビティー用の充填剤などが含まれる。充填剤または繊維で強化されたポリイミド、メチル(メタ)アクリレートコポリマー、炭素繊維強化ポリカーボネート、PM(M)Aおよび架橋できるモノマーをベースとする材料、および架橋合成ゴムなどクラブフェースに使用するための当技術分野で教示されている材料と共に、またはその代わりに、溶融加工可能な熱可塑性組成物を使用することができる。これらは、ウッドクラブヘッドに含浸させるために使用する硬化アクリルモノマー、オリゴマー、ポリマー、クラブヘッド中のゴム様弾性コア、および成形ポリウレタンクラブヘッドの代わりに、またはそれと共に使用することもできる。これらは、運動具用の弾性フォームで使用することもできる。
【0050】
溶融加工可能な熱可塑性組成物は、例えばコーキング材料、シーラント、セメントおよびアスファルト用の改質剤、ならびにコーティングなどの様々な工業用途にも有用である。組成物は、包装用フィルム、および上記に記載していない様々な成形部品に使用することもできる。これらの製品は、当技術分野で知られている任意の手段によって作製することができる。例えば、溶融加工可能な熱可塑性組成物の構成要素を押出機で混合した後、溶融加工可能な熱可塑性組成物は、射出成形、流延、溶融押出、フラットダイ押出、ラミネート法、カレンダー成形、突出、または所望の形状を生成する他のいかなる技法で造形することができる溶融物である。例えば、(非特許文献1);(非特許文献2);および(非特許文献3)を参照のこと。
【0051】
材料および用途の例、具体的にはゴルフ用品に関して、米国特許公報(特許文献4);米国特許公報(特許文献5);米国特許公報(特許文献6);米国特許公報(特許文献7);米国特許公報(特許文献8);(特許文献9);(特許文献10);(特許文献11);(特許文献12);(特許文献13);(特許文献14);(特許文献15);(特許文献16);(特許文献17);(特許文献18);(特許文献19);(特許文献20);(特許文献21);および(特許文献22)も参照のこと。
【0052】
明細書に記載する組成物は、70kpsi超、あるいは80kpsi超,あるいは90kpsi超、あるいは100kpsi超、あるいは110kpsi超、あるいは120kpsi超の曲げ弾性率を有することが好ましい。150kpsi超、あるいは170kpsi超、あるいは180kpsi超の曲げ弾性率を有する組成物は、注目すべきである。
【0053】
本発明をさらに詳細に説明するため、以下の実施例を提供する。本発明を実施するために現在考えられている好ましい態様を記載するこのような実施例は、本発明を例示するためのものであって、限定するものではない。
【実施例】
【0054】
(実施例および比較例)
(使用材料)
非中和エチレン/(メタ)アクリル酸コポリマーは、商品名ニュクレル(Nucrel)(登録商標)で本願特許出願人から市販されている。アイオノマー樹脂は、商品名サーリン(Surlyn)(登録商標)で本願特許出願人から市販されている(代表的なアイオノマー樹脂については下記のアイオノマーA〜Hの説明を参照のこと)。実施例で使用するアイオノマーは、メルトインデックス(MI)が約60であるメタクリル酸を15重量%または19重量%有するエチレン/(メタ)アクリル酸コポリマーから誘導される。エチレン/(メタ)アクリル酸コポリマーを標準条件下で中和して、メルトインデックスが約0.7〜約3であるアイオノマー樹脂を提供する。実施例で使用するアイオノマー樹脂を表1に特定する。表1では、Eはエチレンを表し、MAAは、メタクリル酸を表し、数字%は、コポリマーに存在するモノカルボン酸コモノマーの重量%を表し、中和レベルは、中和された利用可能なカルボン酸部分を%で示し、原子記号は中和するカチオンを表す。例えば、樹脂Aは、85%のエチレンおよび15%のメタクリル酸のコポリマーであり、メルトインデックスが0.93である。また、樹脂A中の酸基59%が、ナトリウム原子で中和されている。
【0055】
【表1】

【0056】
下記に記載するように、本発明に有用な剛性のアイオノマー組成物を調製して、実施例1〜12を行い、表2に報告した(表2に挙げる構成要素の量は、組成物全重量に対する重量%である)。比較例は、同様な方式で調製しかつ射出成形された、有機酸塩改質剤を含まないアイオノマーまたはブレンドである。これらは、本発明で使用する実施例組成物に対応するように番号付けされている(例えば、実施例1は、記載された改質剤を添加すると共に、比較例C1と同じアイオノマー樹脂を使用する)。表2では、「−−」は、構成要素が、組成物中に存在しないことを示唆している。
【0057】
【表2】

【0058】
ワーナー&フライダー(Werner & Pfleider)二軸押出機を使用して、アイオノマー樹脂、有機酸塩改質剤(すなわち、ステアリン酸ナトリウム)および塩基コンセントレートを溶融ブレンドすることによって、組成物を調製した。二軸押出機で溶融ブレンドした後、組成物を、機械的特性試験に適した形状に射出成形した。周囲温度(約23℃〜25℃)で2週間アニールした後、ショアーD硬度および曲げ弾性率を下記に記載するように測定し、表3に報告する。ASTM D−3418に従って、示差走査熱分析(DSC)分析を使用して、融点(Tm)、第2融点(Tm2)、および全融解熱(Hf)によって測定された全結晶化度の特性を明らかにし、これも表3に報告する。より具体的には、メルトインデックス(MI)は、ASTM D−1238に従って、条件E、190℃で、2160gの荷重を使用して測定し、MIの値は、グラム/10分の単位で報告した。ショアーD硬度は、ASTM D−2240に従って測定し、組成物の曲げ弾性率は、ASTM方法D790を使用して決定した。
【0059】
【表3】

【0060】
表3に提示されたデータを調査すると、エチレン酸コポリマーから誘導されるアイオノマーの、有機酸塩の添加による改質は、対応する非改質アイオノマーより大幅に高い曲げ弾性率を提供することが判明する。これらの改質組成物は、少なくとも72.9kpsiから211kpsiまでの曲げ弾性率を示す。
【0061】
向上したその曲げ弾性率が証拠になるように、本明細書に記載する有機酸塩で改質された組成物の剛性が向上したことによって、これらの組成物が、履物構造物構成要素および他の工業材料を調製するのに特に望ましくなる。
【0062】
本発明の好ましい実施形態のいくつかを上記に記載し、具体的に例示したが、本発明をこのような実施形態に限定するものではない。冒頭の特許請求の範囲に記載するとおり、本発明の範囲および精神から逸脱することなく様々な変更を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融加工可能な熱可塑性組成物を含む製品であって、
(a)(メタ)アクリル酸含量がコポリマーの約5〜約30重量%の範囲である少なくとも1つのエチレン/(メタ)アクリル酸コポリマー、またはそのアイオノマーと、
(b)(a)、(b)、および(c)の全重量を基準にして約5重量%〜約50重量%の、6〜50個の炭素原子を有する1つまたは複数の有機モノカルボン酸と、任意選択的に、
(c)(a)および(c)の全重量を基準にして約20重量%までの、E/X/Yコポリマー(ただし、Eは、エチレンであり、Xは、C〜Cα,β−エチレン性不飽和カルボン酸であり、Yは、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートから選択される軟化コモノマーであり、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を有し、さらにXの量は、E/X/Yコポリマーの重量を基準にして、約3〜約30重量%の範囲であり、Yの量は、E/X/Yコポリマーの重量を基準にして、約5〜約50重量%の範囲である)とを含み、(a)、(b)、および(c)中のカルボン酸官能基をすべて合わせたうち70%超は、1つまたは複数のアルカリ金属、遷移金属、またはアルカリ土類金属カチオンで中和されていることを特徴とする製品。
【請求項2】
構成要素(c)が、(a)および(c)の全重量を基準にして約5重量%〜約20重量%の量で存在することを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記組成物中のすべての酸官能基のうち80%超が中和されていることを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項4】
前記組成物に存在するすべての酸官能基のうち90%超が中和されていることを特徴とする請求項3に記載の製品。
【請求項5】
構成要素(a)のコポリマーの(メタ)アクリル酸含量が、コポリマーの約10重量%〜約25重量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項6】
構成要素(a)のコポリマーの(メタ)アクリル酸含量が、コポリマーの約12重量%〜約20重量%の範囲であることを特徴とする請求項5に記載の製品。
【請求項7】
構成要素(b)が、(a)、(b)、および(c)の全重量を基準にして少なくとも約15重量%の量で存在することを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項8】
構成要素(b)が、(a)、(b)、および(c)の全重量を基準にして少なくとも約25重量%の量で存在することを特徴とする請求項7に記載の製品。
【請求項9】
溶融加工可能な熱可塑性組成物中のカルボン酸官能基を合わせてそのうち少なくとも70%が、ナトリウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛、またはこれらのカチオンのうちの少なくとも2つの混合物によって中和されていることを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項10】
構成要素(b)が、6〜36個の炭素原子を有する飽和脂肪族有機モノカルボン酸またはその塩を含むことを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項11】
構成要素(b)が、6〜22個の炭素原子を有する飽和脂肪族有機モノカルボン酸またはその塩を含むことを特徴とする請求項10に記載の製品。
【請求項12】
構成要素(b)が、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、安息香酸、フェニル酢酸、およびベヘン酸、およびその塩からなる群から選択される少なくとも1つの有機酸を含むことを特徴とする請求項10に記載の製品。
【請求項13】
構成要素(b)が、少なくとも1つの有機酸のナトリウム塩を含むことを特徴とする請求項12に記載の製品。
【請求項14】
構成要素(b)が、ステアリン酸またはステアリン酸ナトリウムを含むことを特徴とする請求項12に記載の製品。
【請求項15】
前記組成物が、70kpsi超の曲げ弾性率を有することを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項16】
前記組成物が、100kpsi超の曲げ弾性率を有することを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項17】
前記組成物が、150kpsi超の曲げ弾性率を有することを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項18】
前記組成物が、ポリウレタン;ポリ尿素;ポリアミド;ポリエステル;ポリカーボネート;ポリスチレン;アクリル;コポリ−エーテル−エステル;コポリ−エーテル−アミド;コポリ−エーテル−ウレタン;コポリ−エーテル−ウレア;ポリオレフィン;エラストマーポリオレフィン;ポリエチレン;ポリプロピレン;エチレンと、酢酸ビニル、(メタ)アクリレート、一酸化炭素、およびエポキシ含有コモノマーからなる群から選択される極性コモノマーとの共重合から誘導されるエチレンコポリマー;無水マレイン酸で改質されたポリマー;およびスチレン−ブタジエンブロックコポリマーをベースとする熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少なくとも1つの追加の非アイオノマー熱可塑性樹脂をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項19】
履物構造物構成要素であることを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項20】
ヒールカウンター、先心、シャンク、またはソールであることを特徴とする請求項19に記載の履物構造物構成要素。
【請求項21】
ゴルフクラブ構成要素であることを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項22】
フェースプレート、インサート、成形ゴルフクラブヘッド、クラブヘッドコーティングもしくはケーシング、またはゴルフクラブヘッドのインナーキャビティー用の充填剤であることを特徴とする請求項21に記載のゴルフクラブ構成要素。
【請求項23】
工業材料であることを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項24】
コーキング材料、シーラント、セメントおよびアスファルト用の改質剤、コーティング、包装用フィルム、成形部品、または弾性フォームであることを特徴とする請求項23に記載の工業材料。
【請求項25】
前記成形部品が、ゴルフ靴転び止めであることを特徴とする請求項24に記載の工業材料。

【公表番号】特表2007−513250(P2007−513250A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542801(P2006−542801)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/040570
【国際公開番号】WO2005/056669
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】