剥離紙付きラベルおよびラベルプリンタ
【課題】欠損なくラベルへの印字を行う。
【解決手段】剥離紙12の表面12aに複数のラベル個体14が貼着され、裏面12bにラベル個体の後端縁から次のラベル個体の先端縁までの間に亘って基準マーク85が印刷されたラベル10が使用される。ラベル個体の間隔が基準の間隔となっているかどうかに関係なく、基準マークの後縁85aはラベル個体の先端縁15aとなる。基準マークの後縁を基準にして印字処理が制御される。そのため、読み取りセンサで基準マークを読み取り、波形をパルス波に成形し、その後端縁に相当する立ち下がり点(または立ち上がり点)を基準にして印字開始点Pcを決める。そうすれば、ラベル個体間の間隔にばらつきがあっても、ラベル個体の印字エリアに正確に情報を印字できる。印字情報の欠損などは発生しない。
【解決手段】剥離紙12の表面12aに複数のラベル個体14が貼着され、裏面12bにラベル個体の後端縁から次のラベル個体の先端縁までの間に亘って基準マーク85が印刷されたラベル10が使用される。ラベル個体の間隔が基準の間隔となっているかどうかに関係なく、基準マークの後縁85aはラベル個体の先端縁15aとなる。基準マークの後縁を基準にして印字処理が制御される。そのため、読み取りセンサで基準マークを読み取り、波形をパルス波に成形し、その後端縁に相当する立ち下がり点(または立ち上がり点)を基準にして印字開始点Pcを決める。そうすれば、ラベル個体間の間隔にばらつきがあっても、ラベル個体の印字エリアに正確に情報を印字できる。印字情報の欠損などは発生しない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、剥離紙付きラベルおよびそのラベル個体への印字を行うラベルプリンタに関する。
【0002】
詳しくは、ラベル個体の位置を検出するための基準マークを、剥離紙の一の面であって、ラベル個体とラベル個体との隙間に対応した位置に予め印刷することで、ラベル個体の先端縁検出用として活用できるようにしたものである。
【0003】
また、剥離紙付きラベルに印刷された基準マークから、ラベル個体の先端縁を検出して印字制御を行うことで、欠損することなく印字情報をラベル個体の所定位置に確実に印字できるようにしたものである。
【背景技術】
【0004】
各種商品のラベルを始めとしてスーパーマーケットなどの食品売り場における商品のラベル、出荷票、現品票、製品メーカなどでの部品ラベルなど、あらゆる産業分野において、日常業務としてラベルプリンタと称される、ラベルに印字するプリンタが活躍している。
【0005】
このラベルプリンタに使用されるラベルとしては通常、剥離紙付きのラベルが使用される。図9はこの剥離紙付きのラベル10の一例を示すもので、図9Aに示すように、帯状をなす剥離紙(台紙)12の一の面例えば表面12aに、一列に所定の間隔(ラベル間隔)Wを以て複数枚のラベル個体14が貼着されたものである。
【0006】
ラベル個体14に所定の情報を印字する場合、ラベル個体14の先端縁を検出する必要があるが、この先端縁の検出としてはラベル個体14と剥離紙12との透過率の違いからラベル個体14の先端縁を検出したり、ラベル個体14の貼着面(表面)12aとは反対側の裏面12bに基準マーク16を印刷し、この基準マーク15を検出することでラベル個体14の貼着位置を検出することが知られている。
【0007】
後者の場合には、図9Bに示すようにラベル個体14の後端縁を基準にして基準マーク16が印刷される場合がある(例えば、特許文献1)。基準マーク16は棒状のマークであって、特許文献1では剥離紙の左右両端縁を基準にして短冊状に印刷されている。
【0008】
【特許文献1】特開2005−178303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した特許文献1に開示されたプリンタにあっては、基準マークはその後縁がラベル個体の後端縁と重なるようにその印刷形成位置が設定されている。
【0010】
図10に示すラベル個体14は通常打ち抜きによって個体化されるものであるから、ラベル個体14間の間隔Wはほぼ一定であるとの前提に立って、ラベル個体14の後端縁を基準にして、次のラベル個体14の先端縁を決定している。ラベル個体のサイズによっても多少の差はあるが、剥離紙12の切断を考慮して、間隔Wは通常2〜3mm程度に設定されている。
【0011】
ところで、上述したようにラベル個体14に対する先端縁までの距離は、直前に貼着されたラベル個体14の後端縁を基準にして算出される。これは、ラベル個体14間の間隔Wは通常一定であるものとの前提に立った処理である。
【0012】
しかし、図10に示すように打ち抜き工程のばらつきによって、間隔Wがばらつくことがあることが判明した。例えば、間隔Wxを基準の間隔(設定値)であるとしたとき、場合によってはこれよりも長い間隔Wyとして打ち抜かれたり、逆に短い間隔として打ち抜かれる場合がある。
【0013】
これに対して、ラベル個体14への印字エリア14bは、そのラベル個体14のサイズによって予め設定されている。特に最近では印字すべき情報量が多いため、ラベル個体14のサイズに近いエリアを印字エリア14bとして設定するケースが多くなりつつある。
【0014】
そのため、間隔Wのばらつきが印字処理に影響を及ぼす場合がある。基準の間隔Wxよりも短めにばらつきたときは、バランスよく印字されない点を除けば、特に問題ない。これとは逆に、例えば、図10に示すようにWy>Wxのように差が開くようにばらついたときは、最初の印字が欠損するおそれがある。場合によっては1行分だけ印字されないケースも発生する。
【0015】
また、最近ではラベル個体14に予め所定の個別情報を印刷したものも存在する。
【0016】
図11を参照して説明すると、この場合ラベル個体14の後半部分が特定の情報を印刷する印刷エリア14aとして設定する場合が多い。個別情報は、個別識別情報であって、例えば図12に示すように、商品の提供者(製造元、販売元など)の法人名や、その住所、電話番号などのような、商品提供者側の情報などが考えられる。
【0017】
ラベル個体14に印刷エリア14aを確保すると、実際に印字できる印字エリア14bはさらに狭くなるから、必要な情報量を印字するためには、ラベル個体14の先端縁15aに近いところから印字を開始しなければならない。したがって、このような場合には僅かな間隔Wのばらつきであっても影響を受けることがある。例えば図11に示すように、特に基準の間隔Wxよりも広過ぎる間隔Wyとなっている場合が、印字処理上大きな問題となる。このような印字処理上の問題は、上述したようにラベル個体14の後端縁15bを基準にしたのでは解決できない。ラベル個体14の先端縁15aの位置は、あくまでもラベル個体14の後端縁15bを基準にして推定した距離に他ならないからである。
【0018】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、特にラベル個体とラベル個体との隙間(間隔)に基準マークを印刷することで、ラベル個体の先端縁を確実に検出できるようにしたものであり、この基準マークを基準にして印字制御を行うことで、必要な情報量を漏らさず正確に印字できるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載したこの発明に係る剥離紙付きラベルは、剥離紙の一の面に一定間隔で貼着されたラベル個体と、上記剥離紙の他の面に印刷された上記ラベル個体の後端縁から次のラベル個体の先端縁までの間に亘って印刷された上記ラベル個体に対する基準マークとからなる剥離紙付きラベルにおいて、上記剥離紙の他の面に、上記ラベル個体の印字禁止エリアに対応して印字を禁止する印字禁止マークが印刷されたことを特徴とする。
【0020】
また、請求項7に記載したこの発明に係るラベルプリンタは、剥離紙の一の面に一定間隔で貼着された印字禁止エリアを備えるラベル個体と、上記剥離紙の他の面に、上記ラベル個体の後端縁から次のラベル個体の先端縁までの間に亘って印刷された上記ラベル個体に対する基準マークと、上記剥離紙の他の面に、上記印刷禁止エリアに対応して印刷された印刷禁止マークとからなる剥離紙付きラベルの、上記基準マーク及び上記印字禁止マークを読み取る読み取りセンサと、上記読み取りセンサによって読み取ったそれぞれのマーク信号を処理する処理部とを有し、上記処理部では、上記印字禁止マークに対応する上記マーク信号に基づいて、該ラベル個体への印字処理を禁止することを特徴とする。
【0021】
この発明に係る剥離紙付きラベルは、剥離紙の一の面(例えば表面)に所定の間隔で複数のラベル個体が貼着されている。他の面(裏面)にはラベル個体の後端縁から次のラベル個体の先端縁までの間に亘って基準マークが印刷される。基準マークは短冊状をなす1条のマークである。
【0022】
このようにラベル個体の後端縁から次のラベル個体の先端縁までの間が埋まるように基準マークを印刷すれば、ラベル個体の間隔が基準の間隔となっているかどうかに関係なく、基準マークの後縁はラベル個体の先端縁となる。
【0023】
したがってこの基準マークの後縁を基準にして印字処理が制御される。そのため、読み取りセンサで基準マークを読み取り、波形をパルス波に成形し、その後端縁に相当する立ち下がり点(または立ち上がり点)を基準にして印字開始点を決める。そうすれば、ラベル個体間の間隔にばらつきがあっても、ラベル個体の印字エリアに正確に情報を印字できる。印字情報の欠損などは発生しない。
【0024】
ラベル個体に印刷エリアが確保されている場合には、この印刷エリアの先端縁に相当する剥離紙の裏面に、印字禁止マークを印刷しておく。印字禁止マークはばらつきを考慮した最大のラベル個体の間隔よりも僅かに長く設定する。印字禁止マークの後縁は印刷エリアの先端縁に合わせる。
【0025】
印字モードのときこの印字禁止マークを読み取る。印字モードの直前にこの印字禁止マークの読み取り処理を実行する必要はない。印字禁止マークか基準マークかの識別は、例えばマークの長短によって判断する。印字禁止マークであるときは、その後縁から印字禁止処理を行う。これで、印刷エリアに印字情報が重ねて記録されることはない。
【発明の効果】
【0026】
この発明では、剥離紙の他の面に印字禁止マークが印刷され、ラベル個体の印字禁止エリアに対応して印字を禁止する剥離紙付きラベルを提供する。また、この剥離紙付きラベルから読み取った印字禁止マークに対応するマーク信号に基づいて、該ラベル個体への印字処理を禁止するラベルプリンタを提供する。
【0027】
これによれば、予め製造元や、販売元、その住所や、連絡先等が印刷された印字エリア(箇所)等への印字を回避できるようになる。しかも、ラベル個体とラベル個体との間の間隔にばらつきがあっても、基準マークの後縁は常にラベル個体の先端縁に対応させることができるので、基準マークを印字処理のマークとして利用できる。
【0028】
また、このラベルプリンタによれば、読み取られたマークが印字禁止マークであるときは、その後縁から印字禁止処理が行われるので、印刷エリアに印字情報が重ねて記録されることはない。しかも、ラベル個体とラベル個体との間の間隔にばらつきがあっても常にラベル個体の先端縁を検出して印字を制御できるから、印字処理時に印字の欠損が発生したりすることなく、正確に情報を指定したエリア内に印字できる特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明に係るラベルプリンタの一例を示す要部の系統図である。
【図2】印字ヘッドとラベル検知手段との配置関係を示す側面図である。
【図3】印字ヘッドとラベル検知手段との配置関係を示す平面図である。
【図4】この発明に係る剥離紙付きラベルの構成例を示す表裏面の図である(その1)。
【図5】この発明に係る剥離紙付きラベルの構成例を示す表裏面の図である(その2)。
【図6】印字エリアと基準マークとの関係および印刷エリアと基準マークとの関係を示す図である。
【図7】基準マークを使用した印字開始処理例を示すタイミングチャートである。
【図8】印字禁止マークと基準マークを使用した印字禁止処理および印字開始処理例を示すタイミングチャートである。
【図9】従来の剥離紙付きラベルの一例を示す表裏図である。
【図10】ラベル個体と印刷エリアとの関係を示すラベル個体の図である。
【図11】印字エリアと印刷エリアとの関係を示すラベル個体の図である。
【図12】印刷エリアの印刷内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
続いて、この発明に係る剥離紙付きラベルおよびラベルプリンタの一実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0031】
図1は、この発明に係るラベルプリンタ20の要部の系統図である。図4および図5はこの発明に係る剥離紙付きラベル10の要部の一例を示す。まず、図4および図5を参照して剥離紙付きラベル10を説明する。
【0032】
図4に示すように、剥離紙付きラベル10は剥離紙12と、その一の面のこの例では表面12aに貼着された複数のラベル個体14とで構成される。剥離紙12は帯状をなす台紙であって、この例では半透明なフィルムが使用される。
【0033】
図4Aに示すラベル個体14は感熱紙であり、品質の違った数種類の感熱紙が用意されている。これには、上質感熱紙、光沢感熱紙、熱転写用アート紙などが含まれる。両面接着剤が塗布されたこのラベル個体14は剥離紙12の一の面(表面)に貼着されている。ラベル個体14は型抜きされて生成される。したがってラベル個体14は一定間隔W(Wx、Wy、Wz等)を置いて剥離紙12の長手方向に配列されたものとなる。実際には多少のばらつきがあるので、Wx,Wy,Wzは同じでない場合が多い。場合によっては1〜3mm程度ばらつくことがある。図4Aの例は、間隔Wxを基準の設定間隔としたとき、Wy>Wx、Wx>Wzのようにばらついて打ち抜かれた場合を示す。
【0034】
またこの例では、ラベル個体14のサイズは1種類のみ用意されている。貼付すべき商品によってラベル個体14に印字すべき情報量の過多が発生するが、情報量の過多は印字すべきライン数や印字間隔などによって調整される。ラベル個体14が1種類であることから、後述するラベルプリンタに剥離紙付きラベル10がセットされると、最後のラベル個体14への印字が終了するまでは剥離紙付きラベル10は交換されない。つまり使い切りである。もちろん、このような使用例に限られないことは言うまでもない。
【0035】
一方、図4Bに示すように、剥離紙12の他の面(裏面)12bには、印字処理の基準として使用される基準マーク85が印刷形成される。
【0036】
ラベル個体14を基準にして、ラベル個体14の後端縁15bから次のラベル個体14の先端縁15aまでの間が基準マーク85として規定される。基準マーク85は短冊状をなす棒状のマークであって、透過率の低いインク(黒インク)を使用して印刷される。
【0037】
基準マーク85は打ち抜かれたラベル個体14の端縁を基準にして、ラベル個体14の後端縁15bから次のラベル個体14の先端縁15aまでの間に亘って印刷形成される。したがって、基準マーク85の先端縁85bはラベル個体14の後端縁15bに対応し、基準マーク85の後端縁85aはラベル個体14の先端縁15aに対応する。その結果、基準マーク85は間隔Wのばらつきに応じた幅をもって形成されたことになる。
【0038】
このように基準マーク85を印刷形成した剥離紙付きラベル10を使用することで、間隔Wのばらつきがあったとしても、印字の欠損、印字漏れなどを回避できる。基準マーク85の後端縁85aはラベル個体14の先端に一致するから、この先端から印字開始位置を決定できるからである。
【0039】
基準マーク85は図4Bのように、剥離紙12の横幅全体に印刷するか、あるいは図示はしないが短冊状に間欠的に印刷してもよく、さらには図9Bのように左右端縁側のみに印刷してもよい。
【0040】
剥離紙12の裏面12bにはこの基準マーク85の他に、印刷済みとなる印刷エリア14aに対応した印字禁止マークを印刷形成することもできる。図5を参照して説明する。
【0041】
印刷エリア14aは上述したように個別識別情報などを記録するためのエリアであって(図5A)、この印刷エリア14aは印字処理時には印字禁止エリアとなる。
【0042】
そのため、図5Bに示すように剥離紙12の裏面にはさらに印刷エリア14aに対応して印字禁止マーク87が印刷形成される。この場合も印刷エリア14aの先端部(前縁)が印字禁止マーク87の後端部(後縁)に合うように相対的な位置関係が選定される。印字禁止マーク87の長さWpは間隔Wに関係する。最も大きくばらついたときの間隔Wmaxよりも僅かに長く設定される。印字禁止マーク87と基準マーク85とを峻別するためである。
【0043】
なお、印刷エリア14aが存在しないときは、図6A,Bに示すように印字エリア14bはある程度のエリアを確保できるが、印刷エリア14aが存在するときは図6A,Cに示すように印字エリア14bが制限される。
【0044】
印刷エリア14aが存在するときは印字エリア14bが狭くなるが、上述したように基準マーク85を利用することで、このような場合でも正確に情報を印字エリア14b内に収めることができる。
【0045】
図5Bの例は、印刷エリア14aの先端側に印字禁止マーク87を印刷したが、図5Cのように印刷エリア14aのエリアに相当するエリアに帯状の印字禁止マーク87を印刷して基準マーク85と一体化することもできる。
【0046】
この場合には、後述するマーク読み取り情報に対する処理においては、基準マーク85と印字禁止マーク87との識別が不要になることと、ラベルの一側にマーク検知手段を設けるだけで基準マークのみが設けられた従来の印字と同様に印字エリア14bへのみ印字を行うことができるというメリットがある。
【0047】
ラベルプリンタ20では、上述した基準マーク85などを読み取って印字制御処理が行われる。図5Bの印字禁止マーク87を用いた例を以下に示す。図1はこの発明に係るラベルプリンタ20の一例を示す要部の系統図であって、ラベル個体の位置検出機能を有する。
【0048】
図1において、モータ、この例ではステッピングモータ22によって、プラテンローラ24が駆動され、図2および図3にも示すように、このプラテンローラ24に圧接された剥離紙付きラベル10に対して所定の方向aに所定速度で走行力が付与される。剥離紙付きラベル10はステッピングモータ22によって1ピッチずつ順次紙送りされる。
【0049】
プラテンローラ24には剥離紙付きラベル10を介して印字ヘッド(この例ではライン状をなす感熱ヘッド)26が圧接され、印字ヘッド26に上述した印字レイアウト情報を供給することによって、レイアウト情報がラベル個体14に印字される。
【0050】
印字ヘッド26より所定の間隔Laだけ先行する位置にラベル個体14の位置検知を行うための手段、具体的には基準マーク85を読み取る読み取りセンサとして機能する検知手段30が配置されている。マーク検知手段30としては反射型の検知手段が使用される。図示するように剥離紙12の裏面12b側にマーク検知手段30が配置される。マーク検知手段(反射型センサ)30は、発光素子と受光素子が同一筐体内に収容されたものが使用され、反射率の違いから基準マーク85が読み取られる。
【0051】
ラベルプリンタ20には印字ヘッド26よりも出口側に剥離紙付きラベル10、より具体的には剥離紙12を切断するカッタ手段32が配される。カッタ手段32は剥離紙付きラベル10を挟むように上刃32aと下刃32bが配されたもので、上刃32a、下刃32bのいずれか一方又は双方を上下動させることで剥離紙12の切断処理が行われる。
【0052】
上述した剥離紙付きラベル10に対する一連の印字処理は、情報処理部40の制御の下で行われる。情報処理部40はコンピュータが使用され、ラベルプリンタ20の全体の制御を司るCPU42を始めとして、印字処理を行うに必要な制御プログラムが格納されたメモリ手段(ROM)44、ワーキング用のメモリ手段(RAM)45などで情報処理部40が構成される。この情報処理部40では、上述した印字処理時に、印字開始位置を制御する処理も併せて行われる。
【0053】
印字モードのときこの印字禁止マークを読み取る。したがって、印字モードの直前にこの印字禁止マークの読み取り処理を実行する必要はない。ラベル個体14の先端縁15aを基準にして印字開始点を決定できるからであり、リアルタイム処理が可能である。
【0054】
またマーク検知手段30で得たセンサ出力がI−V変換部46に供給されて電流電圧変換されたのち、情報処理部40において二値化処理などを経て最終的には印字開始パルスが生成される。
【0055】
情報処理部40で生成された印字データは印字データ出力部50を介して印字ヘッド26に供給される。このとき情報処理部40ではステッピングモータ22に対する駆動信号(ライン駆動信号)が生成され、この駆動信号に同期してプラテンローラ24が回転駆動されて1ラインずつ印字処理がなされる。剥離紙付きラベル10に対するカッタ処理信号も情報処理部40で生成されるが、これについての詳細は割愛する。
【0056】
情報処理部40には、印字データなどを入力するための入力部(キーボード)52、入力印字データを表示する表示部(LCD等)54、入力した印字データ等をストアするメモリ手段56やラベル切れなどのときに使用するランプ、ブザーなどの警告手段58が関連付けられている。メモリ手段56はメモリフラッシュやカード状メモリ素子等、着脱できるリムーバブルメモリ手段などを利用できる。情報処理部40にはさらにこの例ではUSB端子72が設けられ、印字レイアウト情報を作成する端末装置70との間での情報の授受が行われる。
【0057】
このようにCPU構成のこの情報処理部40では、基準マーク85等の検出処理、ラベル走行制御処理、ラベルの残量表示処理などが実行されることになる。
【0058】
図7は上述した基準マーク85の検出処理例である。剥離紙付きラベル10が走行を開始し、マーク検知手段30上を基準マーク85が通過すると、図7A,Bに示すように基準マーク85に対応してマーク信号が得られる。このマーク信号はアナログ信号であるから、これを二値化することで図7Cに示すマーク検知信号Maが得られる。マーク検知信号Maのパルス幅Waは基準マーク85の長さ(ラベル走行方向に対して)に相当し、マーク検知信号Maの立ち上がりは基準マーク85の先端縁85bに対応し、マーク検知信号Maの立ち下がりは基準マーク85の後端縁85aに対応する。
【0059】
基準マーク85の先端縁85bは、上述したようにラベル個体14の後端縁15bに対応し、基準マーク85の後端縁85aはラベル個体14の先端縁15aに対応することから、図7A,Cのようにマーク検知信号Maの立ち下がりを基準にして所定長ΔWaだけ進んだ位置Pcで印字開始パルス(図7D)が生成される。この印字開始パルスに同期して印字処理がスタートする。
【0060】
このように基準マーク85の後端縁85aに対応したラベル個体14の先端縁15aを基準にして印字開始パルスが生成される。そのため、図6A,Bのように打ち抜き精度が悪く、間隔Wにばらつきがあったとしても、常に設定された印字開始点Pcから印字処理を開始できる。その結果、印字が欠損したりすることなく、ラベル個体14に所定の印字情報を印字できる。
【0061】
これはラベル個体14に印刷エリア14aが設定されている場合も同じである。図8を参照して説明する。
【0062】
剥離紙付きラベル10が走行を開始すると、基準マーク85に先行して印字禁止マーク87がマーク検知手段30上を通過する。印字禁止マーク87が通過すると、図8A,Bに示すように印字禁止マーク87に対応してマーク信号が得られる。このマーク信号はアナログ信号であるから、これを二値化することで図8Cに示すマーク検知信号Mbが得られる。
【0063】
マーク検知信号Mbのパルス幅Wbは印字禁止マーク87の長さ(ラベル走行方向に対して)に相当するが、印刷エリア14aよりもラベル間は短くなっていることから、このパルス幅Wbは基準マーク85に対応したパルス幅の最大値Wmaxよりも長い。情報処理部40ではこの長さの長短が判別され、したがって印字禁止マーク87が通過する時点では印刷エリア14aに相当するマーク信号であると判断する。
【0064】
ここで、マーク検知信号Mbの立ち上がりは印字禁止マーク87の先端部87bに対応し、マーク検知信号の立ち下がりは印字禁止マーク87の後端部87aに対応する。印字禁止マーク87の後端部87aは印刷エリア14aの先端縁17aに対応する。また基準マーク85が通過することによって、基準マーク85に対応したマーク信号が得られ、これを成形することでマーク検知信号Maとなる(図8B,C)。
【0065】
そこで、最初に検知されたマーク検知信号Mbの最初の立ち下がりから、次に得られるマーク検知信号Maの立ち上がりまでの区間ΔWcがほぼ印字禁止エリアに対応し、この区間ΔWcでの印字処理が禁止される。したがって仮に区間ΔWc内に印字処理すべき情報が存在したとしても、その情報は無視されて印字処理は行われない。
【0066】
基準マーク85に対応するマーク検知信号Maの立ち下がりを基準にして印字開始パルス(図8E)が生成され、この印字開始パルスに同期して印字処理がスタートすることは前述した通りである。
【0067】
なお、上述した実施例はあくまでもこの発明の一例にすぎないので、この発明の思想を逸脱することなく、種々の変形、変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0068】
この発明は物流業界、製品メーカ、スーパーマーケット等で使用されているラベルプリンタに適用できる。
【符号の説明】
【0069】
10・・・剥離紙付きラベル、12・・・剥離紙、14・・・ラベル個体、12a・・・表面、12b・・・裏面、14a・・・印刷エリア、14b・・・印字エリア、20・・・ラベルプリンタ、22・・・ステッピングモータ、26・・・印字ヘッド、30・・・マーク検知手段、40・・・情報処理部、42・・・CPU、W・・・ラベル間隔、85・・・基準マーク、87・・・印字禁止マーク
【技術分野】
【0001】
この発明は、剥離紙付きラベルおよびそのラベル個体への印字を行うラベルプリンタに関する。
【0002】
詳しくは、ラベル個体の位置を検出するための基準マークを、剥離紙の一の面であって、ラベル個体とラベル個体との隙間に対応した位置に予め印刷することで、ラベル個体の先端縁検出用として活用できるようにしたものである。
【0003】
また、剥離紙付きラベルに印刷された基準マークから、ラベル個体の先端縁を検出して印字制御を行うことで、欠損することなく印字情報をラベル個体の所定位置に確実に印字できるようにしたものである。
【背景技術】
【0004】
各種商品のラベルを始めとしてスーパーマーケットなどの食品売り場における商品のラベル、出荷票、現品票、製品メーカなどでの部品ラベルなど、あらゆる産業分野において、日常業務としてラベルプリンタと称される、ラベルに印字するプリンタが活躍している。
【0005】
このラベルプリンタに使用されるラベルとしては通常、剥離紙付きのラベルが使用される。図9はこの剥離紙付きのラベル10の一例を示すもので、図9Aに示すように、帯状をなす剥離紙(台紙)12の一の面例えば表面12aに、一列に所定の間隔(ラベル間隔)Wを以て複数枚のラベル個体14が貼着されたものである。
【0006】
ラベル個体14に所定の情報を印字する場合、ラベル個体14の先端縁を検出する必要があるが、この先端縁の検出としてはラベル個体14と剥離紙12との透過率の違いからラベル個体14の先端縁を検出したり、ラベル個体14の貼着面(表面)12aとは反対側の裏面12bに基準マーク16を印刷し、この基準マーク15を検出することでラベル個体14の貼着位置を検出することが知られている。
【0007】
後者の場合には、図9Bに示すようにラベル個体14の後端縁を基準にして基準マーク16が印刷される場合がある(例えば、特許文献1)。基準マーク16は棒状のマークであって、特許文献1では剥離紙の左右両端縁を基準にして短冊状に印刷されている。
【0008】
【特許文献1】特開2005−178303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した特許文献1に開示されたプリンタにあっては、基準マークはその後縁がラベル個体の後端縁と重なるようにその印刷形成位置が設定されている。
【0010】
図10に示すラベル個体14は通常打ち抜きによって個体化されるものであるから、ラベル個体14間の間隔Wはほぼ一定であるとの前提に立って、ラベル個体14の後端縁を基準にして、次のラベル個体14の先端縁を決定している。ラベル個体のサイズによっても多少の差はあるが、剥離紙12の切断を考慮して、間隔Wは通常2〜3mm程度に設定されている。
【0011】
ところで、上述したようにラベル個体14に対する先端縁までの距離は、直前に貼着されたラベル個体14の後端縁を基準にして算出される。これは、ラベル個体14間の間隔Wは通常一定であるものとの前提に立った処理である。
【0012】
しかし、図10に示すように打ち抜き工程のばらつきによって、間隔Wがばらつくことがあることが判明した。例えば、間隔Wxを基準の間隔(設定値)であるとしたとき、場合によってはこれよりも長い間隔Wyとして打ち抜かれたり、逆に短い間隔として打ち抜かれる場合がある。
【0013】
これに対して、ラベル個体14への印字エリア14bは、そのラベル個体14のサイズによって予め設定されている。特に最近では印字すべき情報量が多いため、ラベル個体14のサイズに近いエリアを印字エリア14bとして設定するケースが多くなりつつある。
【0014】
そのため、間隔Wのばらつきが印字処理に影響を及ぼす場合がある。基準の間隔Wxよりも短めにばらつきたときは、バランスよく印字されない点を除けば、特に問題ない。これとは逆に、例えば、図10に示すようにWy>Wxのように差が開くようにばらついたときは、最初の印字が欠損するおそれがある。場合によっては1行分だけ印字されないケースも発生する。
【0015】
また、最近ではラベル個体14に予め所定の個別情報を印刷したものも存在する。
【0016】
図11を参照して説明すると、この場合ラベル個体14の後半部分が特定の情報を印刷する印刷エリア14aとして設定する場合が多い。個別情報は、個別識別情報であって、例えば図12に示すように、商品の提供者(製造元、販売元など)の法人名や、その住所、電話番号などのような、商品提供者側の情報などが考えられる。
【0017】
ラベル個体14に印刷エリア14aを確保すると、実際に印字できる印字エリア14bはさらに狭くなるから、必要な情報量を印字するためには、ラベル個体14の先端縁15aに近いところから印字を開始しなければならない。したがって、このような場合には僅かな間隔Wのばらつきであっても影響を受けることがある。例えば図11に示すように、特に基準の間隔Wxよりも広過ぎる間隔Wyとなっている場合が、印字処理上大きな問題となる。このような印字処理上の問題は、上述したようにラベル個体14の後端縁15bを基準にしたのでは解決できない。ラベル個体14の先端縁15aの位置は、あくまでもラベル個体14の後端縁15bを基準にして推定した距離に他ならないからである。
【0018】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、特にラベル個体とラベル個体との隙間(間隔)に基準マークを印刷することで、ラベル個体の先端縁を確実に検出できるようにしたものであり、この基準マークを基準にして印字制御を行うことで、必要な情報量を漏らさず正確に印字できるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載したこの発明に係る剥離紙付きラベルは、剥離紙の一の面に一定間隔で貼着されたラベル個体と、上記剥離紙の他の面に印刷された上記ラベル個体の後端縁から次のラベル個体の先端縁までの間に亘って印刷された上記ラベル個体に対する基準マークとからなる剥離紙付きラベルにおいて、上記剥離紙の他の面に、上記ラベル個体の印字禁止エリアに対応して印字を禁止する印字禁止マークが印刷されたことを特徴とする。
【0020】
また、請求項7に記載したこの発明に係るラベルプリンタは、剥離紙の一の面に一定間隔で貼着された印字禁止エリアを備えるラベル個体と、上記剥離紙の他の面に、上記ラベル個体の後端縁から次のラベル個体の先端縁までの間に亘って印刷された上記ラベル個体に対する基準マークと、上記剥離紙の他の面に、上記印刷禁止エリアに対応して印刷された印刷禁止マークとからなる剥離紙付きラベルの、上記基準マーク及び上記印字禁止マークを読み取る読み取りセンサと、上記読み取りセンサによって読み取ったそれぞれのマーク信号を処理する処理部とを有し、上記処理部では、上記印字禁止マークに対応する上記マーク信号に基づいて、該ラベル個体への印字処理を禁止することを特徴とする。
【0021】
この発明に係る剥離紙付きラベルは、剥離紙の一の面(例えば表面)に所定の間隔で複数のラベル個体が貼着されている。他の面(裏面)にはラベル個体の後端縁から次のラベル個体の先端縁までの間に亘って基準マークが印刷される。基準マークは短冊状をなす1条のマークである。
【0022】
このようにラベル個体の後端縁から次のラベル個体の先端縁までの間が埋まるように基準マークを印刷すれば、ラベル個体の間隔が基準の間隔となっているかどうかに関係なく、基準マークの後縁はラベル個体の先端縁となる。
【0023】
したがってこの基準マークの後縁を基準にして印字処理が制御される。そのため、読み取りセンサで基準マークを読み取り、波形をパルス波に成形し、その後端縁に相当する立ち下がり点(または立ち上がり点)を基準にして印字開始点を決める。そうすれば、ラベル個体間の間隔にばらつきがあっても、ラベル個体の印字エリアに正確に情報を印字できる。印字情報の欠損などは発生しない。
【0024】
ラベル個体に印刷エリアが確保されている場合には、この印刷エリアの先端縁に相当する剥離紙の裏面に、印字禁止マークを印刷しておく。印字禁止マークはばらつきを考慮した最大のラベル個体の間隔よりも僅かに長く設定する。印字禁止マークの後縁は印刷エリアの先端縁に合わせる。
【0025】
印字モードのときこの印字禁止マークを読み取る。印字モードの直前にこの印字禁止マークの読み取り処理を実行する必要はない。印字禁止マークか基準マークかの識別は、例えばマークの長短によって判断する。印字禁止マークであるときは、その後縁から印字禁止処理を行う。これで、印刷エリアに印字情報が重ねて記録されることはない。
【発明の効果】
【0026】
この発明では、剥離紙の他の面に印字禁止マークが印刷され、ラベル個体の印字禁止エリアに対応して印字を禁止する剥離紙付きラベルを提供する。また、この剥離紙付きラベルから読み取った印字禁止マークに対応するマーク信号に基づいて、該ラベル個体への印字処理を禁止するラベルプリンタを提供する。
【0027】
これによれば、予め製造元や、販売元、その住所や、連絡先等が印刷された印字エリア(箇所)等への印字を回避できるようになる。しかも、ラベル個体とラベル個体との間の間隔にばらつきがあっても、基準マークの後縁は常にラベル個体の先端縁に対応させることができるので、基準マークを印字処理のマークとして利用できる。
【0028】
また、このラベルプリンタによれば、読み取られたマークが印字禁止マークであるときは、その後縁から印字禁止処理が行われるので、印刷エリアに印字情報が重ねて記録されることはない。しかも、ラベル個体とラベル個体との間の間隔にばらつきがあっても常にラベル個体の先端縁を検出して印字を制御できるから、印字処理時に印字の欠損が発生したりすることなく、正確に情報を指定したエリア内に印字できる特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明に係るラベルプリンタの一例を示す要部の系統図である。
【図2】印字ヘッドとラベル検知手段との配置関係を示す側面図である。
【図3】印字ヘッドとラベル検知手段との配置関係を示す平面図である。
【図4】この発明に係る剥離紙付きラベルの構成例を示す表裏面の図である(その1)。
【図5】この発明に係る剥離紙付きラベルの構成例を示す表裏面の図である(その2)。
【図6】印字エリアと基準マークとの関係および印刷エリアと基準マークとの関係を示す図である。
【図7】基準マークを使用した印字開始処理例を示すタイミングチャートである。
【図8】印字禁止マークと基準マークを使用した印字禁止処理および印字開始処理例を示すタイミングチャートである。
【図9】従来の剥離紙付きラベルの一例を示す表裏図である。
【図10】ラベル個体と印刷エリアとの関係を示すラベル個体の図である。
【図11】印字エリアと印刷エリアとの関係を示すラベル個体の図である。
【図12】印刷エリアの印刷内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
続いて、この発明に係る剥離紙付きラベルおよびラベルプリンタの一実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0031】
図1は、この発明に係るラベルプリンタ20の要部の系統図である。図4および図5はこの発明に係る剥離紙付きラベル10の要部の一例を示す。まず、図4および図5を参照して剥離紙付きラベル10を説明する。
【0032】
図4に示すように、剥離紙付きラベル10は剥離紙12と、その一の面のこの例では表面12aに貼着された複数のラベル個体14とで構成される。剥離紙12は帯状をなす台紙であって、この例では半透明なフィルムが使用される。
【0033】
図4Aに示すラベル個体14は感熱紙であり、品質の違った数種類の感熱紙が用意されている。これには、上質感熱紙、光沢感熱紙、熱転写用アート紙などが含まれる。両面接着剤が塗布されたこのラベル個体14は剥離紙12の一の面(表面)に貼着されている。ラベル個体14は型抜きされて生成される。したがってラベル個体14は一定間隔W(Wx、Wy、Wz等)を置いて剥離紙12の長手方向に配列されたものとなる。実際には多少のばらつきがあるので、Wx,Wy,Wzは同じでない場合が多い。場合によっては1〜3mm程度ばらつくことがある。図4Aの例は、間隔Wxを基準の設定間隔としたとき、Wy>Wx、Wx>Wzのようにばらついて打ち抜かれた場合を示す。
【0034】
またこの例では、ラベル個体14のサイズは1種類のみ用意されている。貼付すべき商品によってラベル個体14に印字すべき情報量の過多が発生するが、情報量の過多は印字すべきライン数や印字間隔などによって調整される。ラベル個体14が1種類であることから、後述するラベルプリンタに剥離紙付きラベル10がセットされると、最後のラベル個体14への印字が終了するまでは剥離紙付きラベル10は交換されない。つまり使い切りである。もちろん、このような使用例に限られないことは言うまでもない。
【0035】
一方、図4Bに示すように、剥離紙12の他の面(裏面)12bには、印字処理の基準として使用される基準マーク85が印刷形成される。
【0036】
ラベル個体14を基準にして、ラベル個体14の後端縁15bから次のラベル個体14の先端縁15aまでの間が基準マーク85として規定される。基準マーク85は短冊状をなす棒状のマークであって、透過率の低いインク(黒インク)を使用して印刷される。
【0037】
基準マーク85は打ち抜かれたラベル個体14の端縁を基準にして、ラベル個体14の後端縁15bから次のラベル個体14の先端縁15aまでの間に亘って印刷形成される。したがって、基準マーク85の先端縁85bはラベル個体14の後端縁15bに対応し、基準マーク85の後端縁85aはラベル個体14の先端縁15aに対応する。その結果、基準マーク85は間隔Wのばらつきに応じた幅をもって形成されたことになる。
【0038】
このように基準マーク85を印刷形成した剥離紙付きラベル10を使用することで、間隔Wのばらつきがあったとしても、印字の欠損、印字漏れなどを回避できる。基準マーク85の後端縁85aはラベル個体14の先端に一致するから、この先端から印字開始位置を決定できるからである。
【0039】
基準マーク85は図4Bのように、剥離紙12の横幅全体に印刷するか、あるいは図示はしないが短冊状に間欠的に印刷してもよく、さらには図9Bのように左右端縁側のみに印刷してもよい。
【0040】
剥離紙12の裏面12bにはこの基準マーク85の他に、印刷済みとなる印刷エリア14aに対応した印字禁止マークを印刷形成することもできる。図5を参照して説明する。
【0041】
印刷エリア14aは上述したように個別識別情報などを記録するためのエリアであって(図5A)、この印刷エリア14aは印字処理時には印字禁止エリアとなる。
【0042】
そのため、図5Bに示すように剥離紙12の裏面にはさらに印刷エリア14aに対応して印字禁止マーク87が印刷形成される。この場合も印刷エリア14aの先端部(前縁)が印字禁止マーク87の後端部(後縁)に合うように相対的な位置関係が選定される。印字禁止マーク87の長さWpは間隔Wに関係する。最も大きくばらついたときの間隔Wmaxよりも僅かに長く設定される。印字禁止マーク87と基準マーク85とを峻別するためである。
【0043】
なお、印刷エリア14aが存在しないときは、図6A,Bに示すように印字エリア14bはある程度のエリアを確保できるが、印刷エリア14aが存在するときは図6A,Cに示すように印字エリア14bが制限される。
【0044】
印刷エリア14aが存在するときは印字エリア14bが狭くなるが、上述したように基準マーク85を利用することで、このような場合でも正確に情報を印字エリア14b内に収めることができる。
【0045】
図5Bの例は、印刷エリア14aの先端側に印字禁止マーク87を印刷したが、図5Cのように印刷エリア14aのエリアに相当するエリアに帯状の印字禁止マーク87を印刷して基準マーク85と一体化することもできる。
【0046】
この場合には、後述するマーク読み取り情報に対する処理においては、基準マーク85と印字禁止マーク87との識別が不要になることと、ラベルの一側にマーク検知手段を設けるだけで基準マークのみが設けられた従来の印字と同様に印字エリア14bへのみ印字を行うことができるというメリットがある。
【0047】
ラベルプリンタ20では、上述した基準マーク85などを読み取って印字制御処理が行われる。図5Bの印字禁止マーク87を用いた例を以下に示す。図1はこの発明に係るラベルプリンタ20の一例を示す要部の系統図であって、ラベル個体の位置検出機能を有する。
【0048】
図1において、モータ、この例ではステッピングモータ22によって、プラテンローラ24が駆動され、図2および図3にも示すように、このプラテンローラ24に圧接された剥離紙付きラベル10に対して所定の方向aに所定速度で走行力が付与される。剥離紙付きラベル10はステッピングモータ22によって1ピッチずつ順次紙送りされる。
【0049】
プラテンローラ24には剥離紙付きラベル10を介して印字ヘッド(この例ではライン状をなす感熱ヘッド)26が圧接され、印字ヘッド26に上述した印字レイアウト情報を供給することによって、レイアウト情報がラベル個体14に印字される。
【0050】
印字ヘッド26より所定の間隔Laだけ先行する位置にラベル個体14の位置検知を行うための手段、具体的には基準マーク85を読み取る読み取りセンサとして機能する検知手段30が配置されている。マーク検知手段30としては反射型の検知手段が使用される。図示するように剥離紙12の裏面12b側にマーク検知手段30が配置される。マーク検知手段(反射型センサ)30は、発光素子と受光素子が同一筐体内に収容されたものが使用され、反射率の違いから基準マーク85が読み取られる。
【0051】
ラベルプリンタ20には印字ヘッド26よりも出口側に剥離紙付きラベル10、より具体的には剥離紙12を切断するカッタ手段32が配される。カッタ手段32は剥離紙付きラベル10を挟むように上刃32aと下刃32bが配されたもので、上刃32a、下刃32bのいずれか一方又は双方を上下動させることで剥離紙12の切断処理が行われる。
【0052】
上述した剥離紙付きラベル10に対する一連の印字処理は、情報処理部40の制御の下で行われる。情報処理部40はコンピュータが使用され、ラベルプリンタ20の全体の制御を司るCPU42を始めとして、印字処理を行うに必要な制御プログラムが格納されたメモリ手段(ROM)44、ワーキング用のメモリ手段(RAM)45などで情報処理部40が構成される。この情報処理部40では、上述した印字処理時に、印字開始位置を制御する処理も併せて行われる。
【0053】
印字モードのときこの印字禁止マークを読み取る。したがって、印字モードの直前にこの印字禁止マークの読み取り処理を実行する必要はない。ラベル個体14の先端縁15aを基準にして印字開始点を決定できるからであり、リアルタイム処理が可能である。
【0054】
またマーク検知手段30で得たセンサ出力がI−V変換部46に供給されて電流電圧変換されたのち、情報処理部40において二値化処理などを経て最終的には印字開始パルスが生成される。
【0055】
情報処理部40で生成された印字データは印字データ出力部50を介して印字ヘッド26に供給される。このとき情報処理部40ではステッピングモータ22に対する駆動信号(ライン駆動信号)が生成され、この駆動信号に同期してプラテンローラ24が回転駆動されて1ラインずつ印字処理がなされる。剥離紙付きラベル10に対するカッタ処理信号も情報処理部40で生成されるが、これについての詳細は割愛する。
【0056】
情報処理部40には、印字データなどを入力するための入力部(キーボード)52、入力印字データを表示する表示部(LCD等)54、入力した印字データ等をストアするメモリ手段56やラベル切れなどのときに使用するランプ、ブザーなどの警告手段58が関連付けられている。メモリ手段56はメモリフラッシュやカード状メモリ素子等、着脱できるリムーバブルメモリ手段などを利用できる。情報処理部40にはさらにこの例ではUSB端子72が設けられ、印字レイアウト情報を作成する端末装置70との間での情報の授受が行われる。
【0057】
このようにCPU構成のこの情報処理部40では、基準マーク85等の検出処理、ラベル走行制御処理、ラベルの残量表示処理などが実行されることになる。
【0058】
図7は上述した基準マーク85の検出処理例である。剥離紙付きラベル10が走行を開始し、マーク検知手段30上を基準マーク85が通過すると、図7A,Bに示すように基準マーク85に対応してマーク信号が得られる。このマーク信号はアナログ信号であるから、これを二値化することで図7Cに示すマーク検知信号Maが得られる。マーク検知信号Maのパルス幅Waは基準マーク85の長さ(ラベル走行方向に対して)に相当し、マーク検知信号Maの立ち上がりは基準マーク85の先端縁85bに対応し、マーク検知信号Maの立ち下がりは基準マーク85の後端縁85aに対応する。
【0059】
基準マーク85の先端縁85bは、上述したようにラベル個体14の後端縁15bに対応し、基準マーク85の後端縁85aはラベル個体14の先端縁15aに対応することから、図7A,Cのようにマーク検知信号Maの立ち下がりを基準にして所定長ΔWaだけ進んだ位置Pcで印字開始パルス(図7D)が生成される。この印字開始パルスに同期して印字処理がスタートする。
【0060】
このように基準マーク85の後端縁85aに対応したラベル個体14の先端縁15aを基準にして印字開始パルスが生成される。そのため、図6A,Bのように打ち抜き精度が悪く、間隔Wにばらつきがあったとしても、常に設定された印字開始点Pcから印字処理を開始できる。その結果、印字が欠損したりすることなく、ラベル個体14に所定の印字情報を印字できる。
【0061】
これはラベル個体14に印刷エリア14aが設定されている場合も同じである。図8を参照して説明する。
【0062】
剥離紙付きラベル10が走行を開始すると、基準マーク85に先行して印字禁止マーク87がマーク検知手段30上を通過する。印字禁止マーク87が通過すると、図8A,Bに示すように印字禁止マーク87に対応してマーク信号が得られる。このマーク信号はアナログ信号であるから、これを二値化することで図8Cに示すマーク検知信号Mbが得られる。
【0063】
マーク検知信号Mbのパルス幅Wbは印字禁止マーク87の長さ(ラベル走行方向に対して)に相当するが、印刷エリア14aよりもラベル間は短くなっていることから、このパルス幅Wbは基準マーク85に対応したパルス幅の最大値Wmaxよりも長い。情報処理部40ではこの長さの長短が判別され、したがって印字禁止マーク87が通過する時点では印刷エリア14aに相当するマーク信号であると判断する。
【0064】
ここで、マーク検知信号Mbの立ち上がりは印字禁止マーク87の先端部87bに対応し、マーク検知信号の立ち下がりは印字禁止マーク87の後端部87aに対応する。印字禁止マーク87の後端部87aは印刷エリア14aの先端縁17aに対応する。また基準マーク85が通過することによって、基準マーク85に対応したマーク信号が得られ、これを成形することでマーク検知信号Maとなる(図8B,C)。
【0065】
そこで、最初に検知されたマーク検知信号Mbの最初の立ち下がりから、次に得られるマーク検知信号Maの立ち上がりまでの区間ΔWcがほぼ印字禁止エリアに対応し、この区間ΔWcでの印字処理が禁止される。したがって仮に区間ΔWc内に印字処理すべき情報が存在したとしても、その情報は無視されて印字処理は行われない。
【0066】
基準マーク85に対応するマーク検知信号Maの立ち下がりを基準にして印字開始パルス(図8E)が生成され、この印字開始パルスに同期して印字処理がスタートすることは前述した通りである。
【0067】
なお、上述した実施例はあくまでもこの発明の一例にすぎないので、この発明の思想を逸脱することなく、種々の変形、変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0068】
この発明は物流業界、製品メーカ、スーパーマーケット等で使用されているラベルプリンタに適用できる。
【符号の説明】
【0069】
10・・・剥離紙付きラベル、12・・・剥離紙、14・・・ラベル個体、12a・・・表面、12b・・・裏面、14a・・・印刷エリア、14b・・・印字エリア、20・・・ラベルプリンタ、22・・・ステッピングモータ、26・・・印字ヘッド、30・・・マーク検知手段、40・・・情報処理部、42・・・CPU、W・・・ラベル間隔、85・・・基準マーク、87・・・印字禁止マーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
剥離紙の一の面に一定間隔で貼着されたラベル個体と、
上記剥離紙の他の面に、上記ラベル個体の後端縁から次のラベル個体の先端縁までの間に亘って印刷された上記ラベル個体に対する基準マークとからなる剥離紙付きラベルにおいて、
上記剥離紙の他の面に、上記ラベル個体の印字禁止エリアに対応して印字を禁止する印字禁止マークが印刷された
ことを特徴とする剥離紙付きラベル。
【請求項2】
上記ラベル個体に貼着された剥離紙の他の面には、上記印字禁止エリアの先端部に対応して印字禁止マークの先端縁が印刷された
ことを特徴とする請求項1に記載の剥離紙付きラベル。
【請求項3】
上記ラベル個体に対する基準マークと上記印字禁止エリアに対応する印字禁止マークとが一体に印刷されていることを特徴とする請求項1及び2に記載の剥離紙付きラベル。
【請求項4】
上記印字禁止マークに対応する印字禁止エリアは、
上記ラベル個体の後端縁から次のラベルの先端縁まのでの間と隣接していることを特徴とする請求項3に記載の剥離紙付きラベル。
【請求項5】
上記印字禁止マークに対応する印字禁止エリアは、予め所定情報が印刷された印刷エリアであることを特徴とする請求項1乃至4に記載の剥離紙付きラベル。
【請求項6】
上記印字禁止マークの長さは、上記基準マークの剥離紙の長手方向の長さよりも長く設定される
ことを特徴とする請求項1乃至5に記載の剥離紙付きラベル。
【請求項7】
剥離紙の一の面に一定間隔で貼着された印字禁止エリアを備えるラベル個体と、
上記剥離紙の他の面に、上記ラベル個体の後端縁から次のラベル個体の先端縁までの間に亘って印刷された上記ラベル個体に対する基準マークと、
上記剥離紙の他の面に、上記印刷禁止エリアに対応して印刷された印刷禁止マークとからなる剥離紙付きラベルの、上記基準マーク及び上記印字禁止マークを読み取る読み取りセンサと、
上記読み取りセンサによって読み取ったそれぞれのマーク信号を処理する処理部とを有し、
上記処理部では、
上記印字禁止マークに対応する上記マーク信号に基づいて、該ラベル個体への印字処理を禁止する
ことを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項8】
上記剥離紙付きラベルの上記基準マークと上記印字禁止エリアの印字禁止マークとが一体に印字されている
ことを特徴とする請求項7に記載のラベルプリンタ。
【請求項9】
上記剥離紙付きラベルの上記基準マークと上記印字禁止エリアの印字禁止マークとは、その印刷された剥離紙の長さ方向の長さによるマーク信号のパルス幅によって両者を判別する
ことを特徴とする請求項8に記載のラベルプリンタ。
【請求項10】
上記印字禁止エリアは予め所定情報が印刷された印刷エリアであることを特徴とする請求項7乃至9に記載の剥離紙付きラベル。
【請求項1】
剥離紙の一の面に一定間隔で貼着されたラベル個体と、
上記剥離紙の他の面に、上記ラベル個体の後端縁から次のラベル個体の先端縁までの間に亘って印刷された上記ラベル個体に対する基準マークとからなる剥離紙付きラベルにおいて、
上記剥離紙の他の面に、上記ラベル個体の印字禁止エリアに対応して印字を禁止する印字禁止マークが印刷された
ことを特徴とする剥離紙付きラベル。
【請求項2】
上記ラベル個体に貼着された剥離紙の他の面には、上記印字禁止エリアの先端部に対応して印字禁止マークの先端縁が印刷された
ことを特徴とする請求項1に記載の剥離紙付きラベル。
【請求項3】
上記ラベル個体に対する基準マークと上記印字禁止エリアに対応する印字禁止マークとが一体に印刷されていることを特徴とする請求項1及び2に記載の剥離紙付きラベル。
【請求項4】
上記印字禁止マークに対応する印字禁止エリアは、
上記ラベル個体の後端縁から次のラベルの先端縁まのでの間と隣接していることを特徴とする請求項3に記載の剥離紙付きラベル。
【請求項5】
上記印字禁止マークに対応する印字禁止エリアは、予め所定情報が印刷された印刷エリアであることを特徴とする請求項1乃至4に記載の剥離紙付きラベル。
【請求項6】
上記印字禁止マークの長さは、上記基準マークの剥離紙の長手方向の長さよりも長く設定される
ことを特徴とする請求項1乃至5に記載の剥離紙付きラベル。
【請求項7】
剥離紙の一の面に一定間隔で貼着された印字禁止エリアを備えるラベル個体と、
上記剥離紙の他の面に、上記ラベル個体の後端縁から次のラベル個体の先端縁までの間に亘って印刷された上記ラベル個体に対する基準マークと、
上記剥離紙の他の面に、上記印刷禁止エリアに対応して印刷された印刷禁止マークとからなる剥離紙付きラベルの、上記基準マーク及び上記印字禁止マークを読み取る読み取りセンサと、
上記読み取りセンサによって読み取ったそれぞれのマーク信号を処理する処理部とを有し、
上記処理部では、
上記印字禁止マークに対応する上記マーク信号に基づいて、該ラベル個体への印字処理を禁止する
ことを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項8】
上記剥離紙付きラベルの上記基準マークと上記印字禁止エリアの印字禁止マークとが一体に印字されている
ことを特徴とする請求項7に記載のラベルプリンタ。
【請求項9】
上記剥離紙付きラベルの上記基準マークと上記印字禁止エリアの印字禁止マークとは、その印刷された剥離紙の長さ方向の長さによるマーク信号のパルス幅によって両者を判別する
ことを特徴とする請求項8に記載のラベルプリンタ。
【請求項10】
上記印字禁止エリアは予め所定情報が印刷された印刷エリアであることを特徴とする請求項7乃至9に記載の剥離紙付きラベル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−113320(P2012−113320A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−44126(P2012−44126)
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【分割の表示】特願2005−346078(P2005−346078)の分割
【原出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【分割の表示】特願2005−346078(P2005−346078)の分割
【原出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
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