説明

加工装置

【課題】4個の加工手段を備えた加工装置を小型に構成することができる加工装置を提供する。
【解決手段】4個の加工手段支持機構6a、6b、6c、6d、に少なくとも5個のチャックテーブル4a、4b、4d、4e、のうちの4個のチャックテーブルに対応して配設された4個の加工手段7a、7b、7c、7d、と、4個の加工手段をそれぞれチャックテーブル3の保持面に対して垂直な方向に移動せしめる4個の加工送り手段8a、8b、8c、8d、と、ターンテーブルを回動して4個のチャックテーブル3を4個の加工送り手段による加工領域に位置付けた状態において余りのチャックテーブルに被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域と、を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等の被加工物に複数の加工を施す加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列されたストリートと呼ばれる切断予定ラインによって多数の矩形領域を区画し、該矩形領域の各々に半導体回路を形成する。このように多数の半導体回路が形成された半導体ウエーハをストリートに沿って分離することにより、個々の半導体チップを形成する。また、サファイア基板等の表面に格子状に形成されたストリートによって複数の領域が区画され、この区画された領域に窒化ガリウム系化合物半導体等が積層された光デバイスが形成された光デバイスウエーハは、分割予定ラインに沿って個々の発光ダイオード、レーザーダイオード等の光デバイスに分割され、電気機器に広く利用されている。
【0003】
上述したように個々に分割されたチップの小型化および軽量化を図るために、通常、ウエーハをストリートに沿って切断し個々のチップに分割するのに先立って、ウエーハの裏面を研削して所定の厚さに形成している。ウエーハの裏面の研削は、一般にチャックテーブルに保持された被加工物を研削するための粗研削手段と仕上げ研削手段を備えた研削装置によって実施されている。しかるに、粗研削手段による粗研削加工と仕上げ研削手段による仕上げ研削加工は加工時間が異なるため、両研削作業を同期させることが難しい。このような問題を解消するために粗研削手段と仕上げ研削手段に加えて中仕上げ研削手段を備えた研削装置が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0004】
また、ウエーハの裏面を研削すると、ウエーハの裏面にマイクロクラック等の加工歪が生成され、これによって個々に分割されたチップの抗折強度が相当低減される。この研削されたウエーハの裏面に生成される加工歪を除去するために、上記粗研削手段と中仕上げ研削手段および仕上げ研削手段に加えて研磨手段を備えた加工装置が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平2−15257号公報
【特許文献1】実開平4−2776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
而して、上述した特許文献2に開示された加工装置は、被加工物を保持するための複数のチャックテーブルが配設されたターンテーブルの外周に沿って粗研削手段と中仕上げ研削手段と仕上げ研削手段および研磨手段とからなる4個の加工手段が配設されるため、加工装置全体が大型となり、広い設置面積が必要となり設備コストを圧迫するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、4個の加工手段を備えた加工装置を小型に構成することができる加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術課題を解決するために、本発明によれば、回転可能に配設されたターンテーブルと、
該ターンテーブルに正多角形の頂点の位置に配設され被加工物を保持する保持面を備えた少なくとも5個のチャックテーブルと、
該ターンテーブルの該開口を挿通して立設された支持台と、
該ターンテーブルの周囲に正方形の隅部にそれぞれ立設された第1の支持柱と、該支持台上に立設された第2の支持柱と、該第1の支持柱61と該第2の支持柱62に取り付けられた支持部材とを備えた4個の加工手段支持機構と、
該4個の加工手段支持機構に少なくとも5個のチャックテーブルのうちの4個のチャックテーブルに対応して配設された4個の加工手段と、
該4個の加工手段をそれぞれチャックテーブルの保持面に対して垂直な方向に移動せしめる4個の加工送り手段と、
該ターンテーブルを回動して4個のチャックテーブルを4個の加工送り手段による加工領域に位置付けた状態において余りのチャックテーブルに被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域と、を具備している、
ことを特徴とする加工装置が提供される。
【0009】
上記4個の加工送り手段は、搬入・搬出領域とターンテーブルの回転中心とを結ぶ線を対称軸として線対称に配設されていることが望ましい。
また、上記4個の加工送り手段は、3個が被加工物を研削するための研削手段であり、1個が被加工物を研磨するための研磨手段である。
【発明の効果】
【0010】
本発明による加工装置においては、少なくとも5個のチャックテーブルが配設されたターンテーブルの周囲に配設される4個の加工手段支持機構は、それぞれターンテーブルの周囲に正方形の隅部にそれぞれ立設された第1の支持柱と、ターンテーブルの開口を挿通して立設された支持台上に立設された第2の支持柱と、第1の支持柱61と第2の支持柱62に取り付けられた支持部材とからなっているので、最小の設置面積とすることができる。従って、装置全体が小型となり、広い設置面積を必要としないため、設備コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に従って構成された加工装置の斜視図。
【図2】図1に示す加工装置における加工手段支持機構および加工手段を除去した状態を示す要部斜視図。
【図3】図1に示す加工装置を構成する加工手段支持機構および加工手段を示す斜視図。
【図4】図1に示す加工装置を構成するターンテーブルに配設された5個のチャックテーブルと4個の加工手段との関係を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に従って構成された加工装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1には本発明に従って構成された加工装置の斜視図が示されている。
図1に示す加工装置は、全体を番号2で示す装置ハウジングを具備している。この装置ハウジング2は、細長く延在する直方体形状に形成されている。このように形成された装置ハウジング2の作業領域21には、ターンテーブル3が回転可能に配設されている。このターンテーブル3は、図2に示すように中心部に開口31が設けられた円環状に形成され、図示しないテーブル回動手段によって矢印Aで示す方向に適宜回転せしめられる。このように形成されたターンテーブル3には、図2に示すように上面に被加工物を保持する保持面を備えた5個のチャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eが配設されている。この5個のチャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eは、開口31の周囲に正五角形の頂点の位置に配設されている。このように構成されたターンテーブル3の開口31を挿通して支持台5が立設されている。
【0014】
図示の実施形態における加工装置は、図1、図2および図4に示すようにターンテーブル3に配設された5個のチャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eに保持された被加工物に加工を施す後述する4個の加工手段を支持するための4個の加工手段支持機構6a、6b、6c、6dを具備している。4個の加工手段支持機構6a、6b、6c、6dは、それぞれ上記ターンテーブル3の周囲に正方形の隅部にそれぞれ立設された第1の支持柱61と、上記支持台5上に立設された第2の支持柱62と、該第1の支持柱61と第2の支持柱62の上部に取り付けられた支持部材63とからなっている。第1の支持柱61および第2の支持柱62の下端にはそれぞれ取り付け部611および621が設けられており、この取り付け部611および621に設けられた挿通穴611aおよび621aを挿通して配設された締結ボルト60を装置ハウジング2の作業領域211および支持台5にそれぞれ設けられた雌ネジ穴211aおよび51aに螺合することにより、第1の支持柱61および第2の支持柱62は装置ハウジング2の作業領域211および支持台51に立設される。このように4個の加工手段支持機構6a、6b、6c、6dは、ターンテーブル3の周囲に配設される第1の支持柱61が正方形の隅部にそれぞれ立設されるので、最小の設置面積とすることができる。
【0015】
加工手段支持機構6a、6b、6c、6dを構成する支持部材63は、それぞれ直角に形成された2個の装着部631、632を備えている。この2個の装着部631、632には、それぞれ上下方向(チャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eの上面である保持面に対して垂直な方向)に延びる案内溝631a、632aが設けられている。このように構成された加工手段支持機構6a、6b、6c、6dを構成する支持部材63に加工手段7a,7b,7c,7dがそれぞれ案内溝631a、632aに沿って移動可能に配設される。なお、図示の実施形態における加工手段7aは粗研削手段、加工手段7bは中仕上げ研削手段、加工手段7cは仕上げ研削手段、加工手段7dは研磨手段からなっている。粗研削手段7a、中仕上げ研削手段7b、仕上げ研削手段7c、研磨手段7dは、それぞれ移動基台71と、該移動基台71に装着されたスピンドルハウジング72と、該スピンドルハウジング72に回転自在に配設された回転スピンドル73と、該回転スピンドル73を回転駆動するためのサーボモータ74とを具備している。回転スピンドル73の下端部はスピンドルハウジング72の下端を越えて下方に突出せしめられており、その下端にはマウンター75が設けられている。このマウンター75の下面に加工工具76が装着される。なお、粗研削手段7aの加工工具76は粗研削砥石を備えた粗研削ホイールからなり、中仕上げ研削手段7bの加工工具76は中仕上げ研削砥石を備えた中仕上げ研削ホイールからなり、仕上げ研削手段7cの加工工具76は仕上げ研削砥石を備えた仕上げ研削ホイールからなり、研磨手段7dの加工工具76は研磨パッドを備えた研磨ホイールからなっている。
【0016】
このように構成された粗研削手段7a、中仕上げ研削手段7b、仕上げ研削手段7c、研磨手段7dの移動基台71には、それぞれ上記加工手段支持機構6a、6b、6c、6dを構成する支持部材63の装着部631、632にそれぞれ設けられた案内溝631a、632aと嵌合する被案内レール711、711が形成されており、この被案内レール711、711を案内溝631a、632aに嵌合することにより、粗研削手段7a、中仕上げ研削手段7b、仕上げ研削手段7c、研磨手段7dはそれぞれ案内溝631a、632aに沿って移動可能に構成される。なお、このようにして支持部材63の装着部631、632に装着される粗研削手段7a、中仕上げ研削手段7b、仕上げ研削手段7c、研磨手段7dは、図示の実施形態においてはそれぞれ軸心が第1の支持柱61と第2の支持柱62とを結ぶ線上に回転スピンドル73の回転軸が位置付けられている。
【0017】
図示の実施形態における加工装置は、上記粗研削手段7a、中仕上げ研削手段7b、仕上げ研削手段7c、研磨手段7dをそれぞれチャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eの上面である保持面に対して垂直な方向に移動せしめる4個の加工送り手段8a、8b、8c、8dを具備している。4個の加工送り手段8a、8b、8c、8dは、図示しない周知のボールスクリュー式の移動機構からなっている。この4個の加工送り手段8a、8b、8c、8dは、それぞれパルスモータ81を正転および逆転駆動することにより、移動基台71即ち粗研削手段7a、中仕上げ研削手段7b、仕上げ研削手段7c、研磨手段7dを案内溝631a、632aに沿って下方(チャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eの上面である保持面に接近する方向)および上方(チャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eの上面である保持面から離反する方向)に移動せしめる。
【0018】
ここで、粗研削手段7a、中仕上げ研削手段7b、仕上げ研削手段7c、研磨手段7dの加工工具76と5個のチャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eとの関係について、図4を参照して説明する。
ターンテーブル3に配設された5個のチャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eが図2に示す位置に位置付けられた状態においては、チャックテーブル4bが粗研削手段7aの加工工具76が位置する加工領域70aに位置付けられ、チャックテーブル4cが中仕上げ研削手段7bの加工工具76が位置する加工領域70bに位置付けられ、チャックテーブル4dが仕上げ研削手段7cの加工工具76が位置する加工領域70cに位置付けられ、チャックテーブル4eが研磨手段7dの加工工具76が位置する加工領域70dに位置付けられるようになっている。そして、余りのチャックテーブル4aは、被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域70eに位置付けられる。このように位置付けられた5個のチャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eは、チャックテーブル4bの中心が粗研削手段7aの加工工具76が通過する位置に位置付けられ、チャックテーブル4cの中心が中仕上げ研削手段7bの加工工具76が通過する位置に位置付けられ、チャックテーブル4dの中心が仕上げ研削手段7cの加工工具76が通過する位置に位置付けられ、チャックテーブル4eの中心が研磨手段7dの加工工具76が通過する位置に位置付けられる。
【0019】
上述したように構成された加工装置は、5個のチャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eが配設されたターンテーブル3の周囲に配設される4個の加工手段支持機構6a、6b、6c、6dは、それぞれターンテーブル3の周囲に正方形の隅部にそれぞれ立設された第1の支持柱61と、上記支持台5上に立設された第2の支持柱62と、該第1の支持柱61と第2の支持柱62の上部に取り付けられた支持部材63とからなっているので、最小の設置面積とすることができる。従って、装置全体が小型となり、広い設置面積を必要としないため、設備コストを抑制することができる。
また、図示の実施形態における加工装置は、ターンテーブル3の周囲に配設された4個の加工手段支持機構6a、6b、6c、6dによって支持される4個の加工手段としての粗研削手段7a、中仕上げ研削手段7b、仕上げ研削手段7c、研磨手段7dは、図4に示すように被加工物の搬入・搬出領域70eとターンテーブル3の回転中心とを結ぶ線Bを対称軸として線対称に配設されている。従って、剛性のバランスがよく加工精度が向上するとともに、左右で部品の共通化を図ることができ、部品点数を減らすことができる。
【0020】
図1に戻って説明を続けると、装置ハウジング2の作業領域21の前端部(図1において左下端部)には、第1のカセット11と、第2のカセット12と、中心合わせ手段13と、スピンナー洗浄手段14と、被加工物搬送手段15と、被加工物搬入手段16および被加工物搬出手段17が配設されている。第1のカセット11は加工前の被加工物としてのサファイアウエーハ、SiCウエーハ、半導体ウエーハ等のウエーハ10を収納し、装置ハウジング2のカセット搬入域に載置される。なお、第1のカセット11に収容されるウエーハ10は、表面に保護テープTを貼着した状態で裏面を上にして収容される。第2のカセット12は装置ハウジング2のカセット搬出域に載置され、加工後のウエーハ10を収納する。中心合わせ手段13は第1のカセット11と被加工物の搬入・搬出領域70eとの間に配設され、加工前のウエーハ10の中心合わせを行う。スピンナー洗浄手段14は被加工物の搬入・搬出領域70eと第2のカセット12との間に配設され、加工後のウエーハ10を洗浄する。被加工物搬送手段15は第1のカセット11と第2のカセット12との間に配設され、第1のカセット11内に収納された被加工物としてのウエーハ10を中心合わせ手段13に搬出するとともにスピンナー洗浄手段14で洗浄されたウエーハ10を第2のカセット12に搬送する。
【0021】
上記被加工物搬入手段16は中心合わせ手段13と被加工物の搬入・搬出領域70eとの間に配設され、中心合わせ手段13上に載置された加工前のウエーハ10を被加工物の搬入・搬出領域70eに位置付けられたチャックテーブル4(4a、4b、4c、4d、4e)上に搬送する。被加工物搬出手段17は、被加工物の搬入・搬出領域60eとスピンナー洗浄手段14との間に配設され、搬入・搬出領域70eに位置付けられたチャックテーブル4(4a、4b、4c、4d、4e)上に載置されている加工後のウエーハ10を洗浄手段14に搬送する。
【0022】
なお、加工前のウエーハ10を所定数収容した第1のカセット11は、装置ハウジング2所定のカセット搬入域に載置される。そして、カセット搬入域に載置された第1のカセット11に収容されていた加工前のウエーハ10が全て搬出されると、空のカセット11に代えて加工前の複数個のウエーハ10を所定数収容した新しいカセット11が手動でカセット搬入域に載置される。一方、装置ハウジング2の所定のカセット搬出域に載置された第2のカセット12に加工後のウエーハ10が所定数搬入されると、かかる第2のカセット12が手動で搬出され、新しい空の第2のカセット12が載置される。
【0023】
図示の実施形態における加工装置は以上のように構成されており、以下その作用について主に図1を参照して説明する。
上記第1のカセット11に収容された加工前の被加工物であるウエーハ10は被加工物搬送手段15の上下動作および進退動作により搬送され、中心合わせ手段13に載置され6本のピンの中心に向かう径方向運動により中心合わせされる。中心合わせ手段13においてウエーハ10が中心合わせされたならば、被加工物搬入手段16を作動せしめて中心合わせ手段13において中心合わせされたウエーハ10を吸引保持し、被加工物の搬入・搬出領域70eに位置付けられているチャックテーブル4a上に搬送する。このようにしてチャックテーブル4a上に搬送されたウエーハ10は、図示しない吸引手段を作動することによりチャックテーブル4a上に吸引保持される。次に、ターンテーブル3を図示しない回転駆動機構によって矢印Aで示す方向に所定量回動して、ウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4aを粗研削手段7aの加工工具76が位置する加工領域70aに位置付ける。なお、上記ターンテーブル3の回動により、チャックテーブル4bが中仕上げ研削手段7bの加工工具76が位置する加工領域70bに位置付けられ、チャックテーブル4cが仕上げ研削手段7cの加工工具76が位置する加工領域70cに位置付けられ、チャックテーブル4dが研磨手段7dの加工工具76が位置する加工領域70dに位置付けられ、チャックテーブル4eが被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域70eに位置付けられる。
【0024】
粗研削手段7aの加工工具76が位置する加工領域70aに位置付けられたチャックテーブル4aに保持されたウエーハ10の裏面(上面)には、粗研削手段7aによって荒研削加工が施される。なお、この間に被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域70eに位置付けられチャックテーブル4eには加工前のウエーハ10が載置される。そして、チャックテーブル4e上に載置されたウエーハ10は、図示しない吸引手段を作動することによりチャックテーブル4e上に吸引保持される。
【0025】
次に、ターンテーブル3を図示しない回転駆動機構によって矢印Aで示す方向に所定量回動する。この結果、搬入・搬出領域70eにおいて加工前のウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4eが粗研削手段7aの加工工具76が位置する加工領域70aに位置付けられ、上述したように荒研削加工が施されたウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4aが中仕上げ研削手段7bの加工工具76が位置する加工領域760bに位置付けられ、チャックテーブル4bが仕上げ研削手段7cの加工工具76が位置する加工領域70cに位置付けられ、チャックテーブル4cが研磨手段7dの加工工具76が位置する加工領域70dに位置付けられ、チャックテーブル4dが被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域70eに位置付けられる。
【0026】
上述したように、粗研削手段7aの加工工具76が位置する加工領域70aに位置付けられチャックテーブル4eに保持されたウエーハ10の裏面(上面)には、粗研削手段7aによって荒研削加工が施される。また、中仕上げ研削手段7bの加工工具76が位置する加工領域70bに位置付けられたチャックテーブル4aに保持され荒研削加工が施されたウエーハ10の裏面(上面)には、中仕上げ研削手段7bによって中仕上げ研削加工が施される。なお、この間に被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域70eに位置付けられチャックテーブル4dには加工前のウエーハ10が載置される。そして、チャックテーブル4d上に載置されたウエーハ10は、図示しない吸引手段を作動することによりチャックテーブル4d上に吸引保持される。
【0027】
次に、ターンテーブル3を図示しない回転駆動機構によって矢印Aで示す方向に所定量回動する。この結果、搬入・搬出領域70eにおいて加工前のウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4dが粗研削手段7aの加工工具76が位置する加工領域70aに位置付けられ、上述したように荒研削加工が施されたウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4eが中仕上げ研削手段7bの加工工具76が位置する加工領域70bに位置付けられ、上述したように中仕上げ研削が施されウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4aが仕上げ研削手段7cの加工工具76が位置する加工領域70cに位置付けられ、チャックテーブル4bが研磨手段7dの加工工具76が位置する加工領域70dに位置付けられ、チャックテーブル4cが被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域70eに位置付けられる。
【0028】
上述したように、粗研削手段7aの加工工具76が位置する加工領域70aに位置付けられチャックテーブル4dに保持されたウエーハ10の裏面(上面)には、粗研削手段7aによって荒研削加工が施される。また、中仕上げ研削手段7bの加工工具76が位置する加工領域70bに位置付けられチャックテーブル4eに保持され荒研削加工が施されたウエーハ10の裏面(上面)には、中仕上げ研削手段7bによって中仕上げ研削加工が施される。また、仕上げ研削手段7cの加工工具76が位置する加工領域70cに位置付けられチャックテーブル4aに保持され中仕上げ研削加工が施されたウエーハ10の裏面(上面)には、仕上げ研削手段7cによって仕上げ研削加工が施される。なお、この間に被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域70eに位置付けられチャックテーブル4cには加工前のウエーハ10が載置される。そして、チャックテーブル4c上に載置されたウエーハ10は、図示しない吸引手段を作動することによりチャックテーブル4c上に吸引保持される。
【0029】
次に、ターンテーブル3を図示しない回転駆動機構によって矢印Aで示す方向に所定量回動する。この結果、搬入・搬出領域70eにおいて加工前のウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4cが粗研削手段7aの加工工具76が位置する加工領域70aに位置付けられ、上述したように荒研削加工が施されたウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4dが中仕上げ研削手段7bの加工工具76が位置する加工領域70bに位置付けられ、上述したように中仕上げ研削加工が施されウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4eが仕上げ研削手段7cの加工工具76が位置する加工領域70cに位置付けられ、上述したように仕上げ研削加工が施されウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4aが研磨手段7dの加工工具76が位置する加工領域70dに位置付けられ、チャックテーブル4bが被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域70eに位置付けられる。
【0030】
上述したように、粗研削手段7aの加工工具76が位置する加工領域70aに位置付けられチャックテーブル4cに保持されたウエーハ10の裏面(上面)には、粗研削手段7aによって荒研削加工が施される。また、中仕上げ研削手段7bの加工工具76が位置する加工領域70bに位置付けられたチャックテーブル4dに保持され荒研削加工が施されたウエーハ10の裏面(上面)には、中仕上げ研削手段7bによって中仕上げ研削加工が施される。また、仕上げ研削手段7cの加工工具76が位置する加工領域70cに位置付けられたチャックテーブル4eに保持され中仕上げ研削加工が施されたウエーハ10の裏面(上面)には、仕上げ研削手段7cによって仕上げ研削加工が施される。また、研磨手段7dの加工工具76が位置する加工領域70dに位置付けられたチャックテーブル4aに保持され仕上げ研削加工が施されたウエーハ10の裏面(上面)には、研磨手段7dによって研磨加工が施され、研削加工によって生成された研削歪が除去される。なお、この間に被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域70eに位置付けられチャックテーブル4bには加工前のウエーハ10が載置される。そして、チャックテーブル4b上に載置されたウエーハ10は、図示しない吸引手段を作動することによりチャックテーブル4b上に吸引保持される。
【0031】
次に、ターンテーブル3を図示しない回転駆動機構によって矢印Aで示す方向に所定量回動する。この結果、搬入・搬出領域70eにおいて加工前のウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4bが粗研削手段7aの加工工具76が位置する加工領域70aに位置付けられ、上述したように荒研削加工が施されたウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4cが中仕上げ研削手段7bの加工工具76が位置する加工領域70bに位置付けられ、上述したように中仕上げ研削加工が施されウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4dが仕上げ研削手段7cの加工工具76が位置する加工領域70cに位置付けられ、上述したように仕上げ研削加工が施されたウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4eが研磨手段7dの加工工具76が位置する加工領域70dに位置付けられ、上述したように研磨加工が施されウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4aが被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域70eに位置付けられる。
【0032】
上述したように、粗研削手段7aの加工工具76が位置する加工領域70a、中仕上げ研削手段7bの加工工具76が位置する加工領域70b、仕上げ研削手段7cの加工工具76が位置する加工領域70cおよび研磨手段7dの加工工具76が位置する加工領域70dを経由して被加工物搬入・搬出域70eに戻ったチャックテーブル4aは、ここで研磨加工された半導体ウエーハの吸引保持を解除する。次に、被加工物搬出手段17を作動して、被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域70eに位置付けられたチャックテーブル4aに載置されている研磨加工後のウエーハ10をスピンナー洗浄手段14に搬送する。洗浄手段14に搬送されたウエーハ10は、ここで洗浄された後に被加工物搬送手段15よって第2のカセット12の所定位置に収納される。
【0033】
以上、本発明を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で種々の変形は可能である。例えば、図示の実施形態においては、4個の加工手段として3個の研削手段と1個の研磨手段を用いた例を示したが、4個の加工手段の全てを研削手段で構成することにより、サファイア等の硬質部材を効率よく所定の厚みに研削することができる。
また、上述した実施形態においてはターンテーブルに配設されるチャックテーブルを正五角形の頂点の位置に配置した例を示したが、必要に応じて正六角形、正七角形の頂点の位置にチャックテーブルを配置してもよい。
【符号の説明】
【0034】
2:装置ハウジング
3:ターンテーブル
4a、4b、4c、4d、4e:チャックテーブル
5:支持台
6a、6b、6c、6d:加工手段支持機構
61:第1の支持柱
62:第2の支持柱
63:支持部材
7a:粗研削手段
7b:中仕上げ研削手段
7c:仕上げ研削手段
7d:研磨手段
72:スピンドルハウジング
73:回転スピンドル
76:加工工具
8a、8b、8c、8d:加工送り手段
10:ウエーハ
11:第1のカセット
12:第2のカセット
13:中心合わせ手段
14:スピンナー洗浄手段
15:被加工物搬送手段
16:被加工物搬入手段
17:被加工物搬出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に配設されたターンテーブルと、
該ターンテーブルに正多角形の頂点の位置に配設され被加工物を保持する保持面を備えた少なくとも5個のチャックテーブルと、
該ターンテーブルの該開口を挿通して立設された支持台と、
該ターンテーブルの周囲に正方形の隅部にそれぞれ立設された第1の支持柱と、該支持台上に立設された第2の支持柱と、該第1の支持柱と該第2の支持柱に取り付けられた支持部材とを備えた4個の加工手段支持機構と、
該4個の加工手段支持機構に少なくとも5個のチャックテーブルのうちの4個のチャックテーブルに対応して配設された4個の加工手段と、
該4個の加工手段をそれぞれチャックテーブルの保持面に対して垂直な方向に移動せしめる4個の加工送り手段と、
該ターンテーブルを回動して4個のチャックテーブルを4個の加工送り手段による加工領域に位置付けた状態において余りのチャックテーブルに被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域と、を具備している、
ことを特徴とする加工装置。
【請求項2】
該4個の加工送り手段は、該搬入・搬出領域と該ターンテーブルの回転中心とを結ぶ線を対称軸として線対称に配設されている、請求項1記載のウエーハの加工装置。
【請求項3】
該4個の加工送り手段は、3個が被加工物を研削するための研削手段であり、1個が被加工物を研磨するための研磨手段である、請求項1記載のウエーハの加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−81556(P2012−81556A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229901(P2010−229901)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】