加熱容器
【課題】安全性を向上し得る加熱容器を提供する。
【解決手段】本体Kを電源プレートPに載置した給電姿勢において、本体Kの底面に備えられた受電機構3と電源プレートPの上面に備えられた給電機構5とが導通状態に接続されて、給電機構5から受電機構3に給電されるように構成された加熱容器であって、電源コード4と電源プレートPとが、電源コード4に設けられたマグネットプラグ6と、電源プレートPに設けられて、磁石22の吸引力によりマグネットプラグ6を着脱自在に保持するプラグ受け7とにより接続され、プラグ受け7を収納するプラグ受けボックス8が、電源プレートPの上面から上方に突出し、且つ、少なくとも上部が電源プレートPに給電姿勢で載置された本体Kの側方に位置する状態で、電源プレートPの周方向の一部に連設されている。
【解決手段】本体Kを電源プレートPに載置した給電姿勢において、本体Kの底面に備えられた受電機構3と電源プレートPの上面に備えられた給電機構5とが導通状態に接続されて、給電機構5から受電機構3に給電されるように構成された加熱容器であって、電源コード4と電源プレートPとが、電源コード4に設けられたマグネットプラグ6と、電源プレートPに設けられて、磁石22の吸引力によりマグネットプラグ6を着脱自在に保持するプラグ受け7とにより接続され、プラグ受け7を収納するプラグ受けボックス8が、電源プレートPの上面から上方に突出し、且つ、少なくとも上部が電源プレートPに給電姿勢で載置された本体Kの側方に位置する状態で、電源プレートPの周方向の一部に連設されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱対象の湯水を貯留する貯留部及びその貯留部の湯水を加熱する加熱手段を備え、並びに、外部から供給される電力を前記加熱手段に供給する受電機構を底面に備えた本体と、電源コードを通して電源から供給される電力を外部に出力する給電機構を上面に備えた電源プレートとを備え、前記本体を前記電源プレートに載置した給電姿勢において、前記受電機構と前記給電機構とが導通状態に接続されて、前記給電機構から前記受電機構に給電されるように構成された加熱容器に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる加熱容器は、本体を電源プレートに載置すると、本体の底面に備えられた受電機構と電源プレートの上面に備えられた給電機構とが導通状態に接続されて、加熱手段に給電されるように構成されたものである。ちなみに、このような加熱容器の一例としては、電気ケトルが挙げられる。
そして、貯留部に貯留されている湯水を極力速く沸騰させることができるように、加熱手段には比較的大きい電力(例えば1100W程度)を供給するように構成されるものである。
【0003】
このような加熱容器において、従来は、電源コードが電源プレートに直接接続されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−125357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の加熱容器は、上述のように電源コードが電源プレートに直接接続されているので、電源コードが引っ張られると、その電源コードに引っ張られて電源プレートが動いて、その電源プレートに載置された本体が揺れ、最悪の場合転倒する虞があり、安全性を向上する上で改善の余地があった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全性を向上し得る加熱容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る加熱容器は、加熱対象の湯水を貯留する貯留部及びその貯留部の湯水を加熱する加熱手段を備え、並びに、外部から供給される電力を前記加熱手段に供給する受電機構を底面に備えた本体と、電源コードを通して電源から供給される電力を外部に出力する給電機構を上面に備えた電源プレートとを備え、前記本体を前記電源プレートに載置した給電姿勢において、前記受電機構と前記給電機構とが導通状態に接続されて、前記給電機構から前記受電機構に給電されるように構成された加熱容器であって、
その特徴構成は、前記電源コードと前記電源プレートとが、前記電源コードに設けられたマグネットプラグと、前記電源プレートに設けられて、磁石の吸引力により前記マグネットプラグを着脱自在に保持するプラグ受けとにより接続され、
前記プラグ受けを収納するプラグ受けボックスが、前記電源プレートの上面から上方に突出し、且つ、少なくとも上部が前記電源プレートに前記給電姿勢で載置された前記本体の側方に位置する状態で、前記電源プレートの周方向の一部に連設されている点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、電源コードと電源プレートとが、電源コードに設けられたマグネットプラグと電源プレートに設けられたプラグ受けとにより接続されているので、電源コードが引っ張られても、マグネットプラグがプラグ受けから外れるので、電源プレートが動くのを抑制することができて、電源プレートに載置された本体が揺れたり転倒するのを抑制することができる。
しかも、プラグ受けを収納するプラグ受けボックスが、電源プレートの上面から上方に突出し、且つ、少なくとも上部が電源プレートに給電姿勢で載置された本体の側方に位置する状態で、電源プレートの周方向の一部に連設される構造であるので、電源プレートにおけるプラグ受けボックス以外の部分、即ち、本体を載置する部分には、厚さがプラグ受けよりもかなり薄い部材を採用することができる。つまり、加熱手段に比較的大きい電力を供給するために、マグネットプラグが大型になるのに伴ってプラグ受けが大型になっても、電源プレートにおけるプラグ受けボックス以外の部分を薄型化することができるようになり、電源プレートに本体を載置した状態の加熱容器全体の高さが高くなって不安定となるのを回避することができる。それにより、不測に電源コードが引っ張られてマグネットプラグがプラグ受けから外れるときに、電源プレートに載置された本体が揺れたり転倒するのをより一層抑制することができる。又、電源プレート内に不要な空間が形成されるのを防止することができる。
従って、安全性を向上し得る加熱容器を提供することができるようになった。
【0009】
本発明に係る加熱容器の更なる特徴構成は、複数の滑り止め部材が、前記電源プレートの底面に分散して設けられると共に、前記電源プレートの底面において前記プラグ受けボックスが存在する部分に対応した位置にある滑り止め部材の底面積をあわせた総底面積を、前記底面において前記プラグ受けボックスが存在しない部分に対応した位置にある滑り止め部材の底面積を合わせた総底面積以上にする状態で配置されている点にある。
【0010】
上記特徴構成では、テーブル上等におかれている電源プレートが滑るのを妨げる力は、プラグ受けボックスが存在する部分に対応した位置にある滑り止め部材による力の方が、プラグ受けボックスが存在しない部分に対応した位置にある滑り止め部材による力よりも大きい。ちなみに、滑り止め部材により電源プレートがテーブル上等を滑るのを妨げる力は、滑り止め部材の静止摩擦力、吸着力、粘着力等により得られる。
つまり、電源プレートがテーブル上等におかれているときに、電源プレートの底面のうち、マグネットプラグが保持されているプラグ受けボックスが存在する部分は、プラグ受けボックスが存在しない部分よりもテーブル上等を滑り難くなり、電源コードと電源プレートとが接続されたままで、電源コードが引っ張られても、電源プレートの周方向のうちマグネットプラグが保持されているプラグ受けボックスが存在する部分が動くのを抑制することができる。又、電源コードが引っ張られても、電源プレートの周方向のうちマグネットプラグが保持されているプラグ受けボックスが存在する部分がテーブル上等を滑り難いので、マグネットプラグがプラグ受けから外れ易くなり、安全性を向上することができる。
従って、安全性をより一層向上することができるようになった。
【0011】
本発明に係る加熱容器の更なる特徴構成は、前記複数の滑り止め部材夫々が、平面視において、前記電源プレートに前記給電姿勢で載置された前記本体の外周近傍でその本体と重なる位置に位置するように、前記電源プレートの底面に設けられている点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、本体の重量を複数の滑り止め部材に極力均等に分散して印加させるようにすることが可能となるため、電源コードが引っ張られても、電源プレートの周方向のうちマグネットプラグが保持されているプラグ受けボックスが存在する部分が動くのを確実に抑制することができる。しかも、複数の滑り止め部材により、電源プレートにおける極力外周側の部分を支持するようにすることが可能となるので、テーブル上等に置かれる電源プレートががたつくのを可及的に抑制することができるようになり、電源プレートにより本体を安定して載置支持することができる。
従って、安全性を更に向上することができるようになった。
【0013】
本発明に係る加熱容器の更なる特徴構成は、前記受電機構が、前記本体の底面の中央部に備えられ、前記給電機構が、前記電源プレートの上面の中央部に備えられ、
前記本体の底部における周方向の一部に、径方向外方に突出する突出部が、前記本体を前記給電姿勢で前記電源プレートに載置した状態で前記受電機構を中心に回転させた場合、前記プラグ受けボックスに当たる位置関係で設けられ、
前記本体が、その底部の突出部が前記プラグ受けボックスに乗り上がり、前記電源プレートの上面と前記プラグ受けボックスの上部とに跨った傾斜姿勢で前記電源プレートに載置された状態で、前記受電機構の接点と前記給電機構の接点とが非導通状態となる点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、使用者が、本体を、その底部の突出部がプラグ受けボックスに乗り上がった状態で、電源プレートの上面とプラグ受けボックスの上部とに跨った傾斜姿勢で電源プレートに載置しても、受電機構の接点と給電機構の接点とが非導通状態である。従って、本体が転倒の虞がある不安定な傾斜姿勢で電源プレートに載置された状態で、加熱手段に給電されて湯水を加熱してしまうことを防止することができる。
又、接点の不安定な導通状態を防止できるため、接触抵抗の増大による接点部の発熱を抑制することができる。
【0015】
ところで、上述の突出部は、例えば以下に記載する目的で設けられることになる。
即ち、通常、本体の側周面には、加熱手段への通電を断続するスイッチ手段を操作するための操作具等が設けられる。そこで、上述のように本体に突出部を設けて、その突出部の上方に操作具等を設けるようにすることにより、操作具等の少なくとも下方側を突出部によりカバーするのである。
従って、万が一、本体を傾斜姿勢で電源プレートに載置しても、本体の貯留部に貯留されている湯水が加熱されることがなく、又、接点の不安定な導通状態に起因した接点部の発熱を抑制することができるので、安全性を更に向上することができる。
【0016】
本発明に係る加熱容器の更なる特徴構成は、前記プラグ受けボックスにおける前記電源プレートの内方側に向く内側壁面が、前記電源プレートの内方側ほど下方側に位置する形態の内側下がり傾斜面に構成され、且つ、その内側下がり傾斜面状の内側壁面の両横部分の少なくとも下方側の部分が、水平面に対する傾斜度が前記内側壁面の周方向中央側の部分よりも大きい状態で側端の方ほど大きくなる急内側下がり傾斜面部に構成されて、
前記内側壁面における前記電源プレートの上面に接する下端縁のうち、前記急内側下がり傾斜面部に対応する下端縁が、側端の方ほど前記電源プレートの径方向外方に位置する構成とされている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、プラグ受けボックスの内側壁面が内側下がり傾斜面に構成されているので、本体を電源プレートに載置するときに、本体の底部がプラグ受けボックスの内側下がり傾斜面状の内側壁面に当たっても、その内側下がり傾斜面状の内側壁面により本体が電源プレートの中央側に向けて案内されるので、載置し易くなり使い勝手が良い。
【0018】
又、本体を電源プレートから持ち上げるときは、その前に、本体に設けられているハンドルを手前に位置させるように、電源プレートに載置されている本体を受電機構を中心に回転させ、あるいは、本体を電源プレートに載置したときは、ハンドルを邪魔にならない位置に位置させるように、電源プレートに載置されている本体を受電機構を中心に回転させることができ、使い勝手が良い。
そして、電源プレートに載置されている本体を受電機構を中心に回転させるときに、本体の底部の突出部がプラグ受けボックスの下部に当たっても、本体の底部の突出部がプラグ受けボックスの内側壁面の下端部に乗り上げた中途半端な姿勢で、本体が電源プレートに載置されるのを防止することができる。
つまり、電源プレートに載置されている本体を受電機構を中心に回転させた場合でも、急内側下がり傾斜面部があるので、給電姿勢と傾斜姿勢(給電されない)との2つの姿勢のいずれかをとることとなるので、本体が中途半端な姿勢になることがない。
従って、給電機構の接点と受電機構の接点とが近接状態になってスパークするといった不都合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】電気ケトルの外観を示す斜視図
【図2】ケトル本体が電源プレートから持ち上げられた状態での電気ケトルの斜視図
【図3】ケトル本体の縦断側面図
【図4】ケトル本体が電源プレートから持ち上げられた状態での電気ケトルの下部の縦断面図
【図5】ケトル本体が電源プレートに載置された給電状態での電気ケトルの下部の縦断面図
【図6】電源プレートの平面図
【図7】電源プレートの底面図
【図8】電源プレートの分解斜視図
【図9】電源プレートのプラグ受けボックスを説明する図
【図10】ケトル本体が電源プレートの載置部の上面とプラグ受けボックスの上部とに跨った傾斜姿勢で電源プレートに載置された状態を示す図
【図11】別実施形態に係る電源プレートの底面図
【図12】別実施形態に係る電源プレートの底面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて、本発明を加熱容器の一例としての電気ケトルに適用した場合の実施形態を説明する。
図1及び図2に示すように、電気ケトルは、電源プレートPとその電源プレートPに載置自在なケトル本体(本体に相当する)Kとを備えて構成されている。
図3〜図5に示すように、ケトル本体Kには、加熱対象の湯水を貯留する貯留部1及びその貯留部1の湯水を加熱する加熱手段としての電気ヒータ2が備えられ、並びに、外部から供給される電力を電気ヒータ2に供給する受電機構3が底面の中央部に位置する状態で備えられている。
図2、図4及び図5に示すように、電源プレートPには、電源コード4を通して電源(商用電源のコンセント等)から供給される電力を外部に出力する給電機構5が上面の中央部に位置する状態で備えられている。
そして、ケトル本体Kを電源プレートPに載置した給電姿勢において、受電機構3と給電機構5とが導通状態に接続されて、給電機構5から受電機構3に給電されるように構成されている。
【0021】
図1、図2及び図5に示すように、本発明では、電源コード4と電源プレートPとが、電源コード4に設けられたマグネットプラグ6と、電源プレートPに設けられて、磁石22(後述するようにマグネットプラグ6に設けられている)の吸引力によりマグネットプラグ6を着脱自在に保持するプラグ受け7とにより接続され、プラグ受け7を収納するプラグ受けボックス8が、電源プレートPの上面から上方に突出し、且つ、少なくとも上部が電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの側方に位置する状態で、電源プレートPの周方向の一部に連設されている。
【0022】
次に、電気ケトルの各部について説明を加える。
図1〜図3に示すように、前記ケトル本体Kは、前記貯留部1を内部に備えて上側開放の概略有底円筒状に構成された本体ボディ9と、その開放された開口を覆う蓋体10とを主な部材として備えて構成されている。本体ボディ9の下部は、底部ほど小径となる下窄み状に構成されている。
蓋体10は、本体ボディ9の開口の外周部に設けられた横方向の揺動軸10a(図3参照)周りに揺動自在に構成されており、蓋体10を上側に揺動させて蓋を開放した状態で、本体ボディ9内に水を注水することが可能となる。一方、蓋体10が本体ボディ9の開口を閉止した状態で、湯水の加熱が可能となっている。ここで、貯留部1内の湯水とは、貯留部1内に注水された水、及び、その注水された水が電気ヒータ2により加熱された湯を総称するものである。
【0023】
ケトル本体Kの蓋体10には、前記貯留部1に貯留されている湯水を注ぐ注口11、蓋体10を開閉するための蓋体開閉操作部12、及び、蒸気を排出する蒸気口13が設けられている。
又、ケトル本体Kの本体ボディ9の上側部における注口11に対してケトル本体前後方向反対側に対応する箇所には、上下方向に延びる状態で棒状のハンドル14が設けられている。
本体ボディ9の側部には、後述する蒸気路15を収納する空間を形成するために、上端から下端に延びる帯状の膨出部9aが形成され、本体ボディ9の底部の周方向の一部には、径方向外方に突出して本体ボディ9の側部の膨出部9aの底部を閉じる突出部9bが設けられている。
前記ハンドル14は、その上端が膨出部9aの上端に支持される片持ち状態で設けられている。
【0024】
図3に示すように、注口11の内部側には、その注口11を開閉する給湯操作用の弁16が設けられており、更に、ハンドル14の上端部には、弁16を開閉操作するための給湯操作ボタン17が設けられている。
弁16は、上方側に復帰付勢された状態で上下方向に移動操作自在に設けられ、下方に押し下げる力が働いていない状態で、注口11を閉じるように構成されている。
給湯操作ボタン17は、押し込み操作自在に構成されて、図3に示すように、給湯操作ボタン17が押し込まれていない状態では、弁16を下方側に押し下げる力が働いていない状態となって弁16が閉じられ、図示を省略するが、給湯操作ボタン17が押し込み姿勢に操作されると、弁16が下方側に押し下げられて弁16が開かれるように構成されている。
つまり、給湯操作ボタン17が押し込み姿勢に無い限り、ケトル本体Kを傾けても注口11から湯がでることがなく、給湯操作ボタン17を押し込み操作すると、注口11からの出湯が可能となる。
【0025】
図3〜図5に示すように、前記電気ヒータ2は、貯留部1の底面に、環状に設けられている。
前記受電機構3について説明を加えると、図3〜図5に示すように、受電機構3は、ケトル本体Kの底部の中心側の箇所に、その底面から引っ込んだ状態で、前記給電機構5を嵌め込むことが可能な円状の給電機構嵌め込み用凹部18d内に設けられている。
その受電機構3は、ピン状の中心電極3a(接点に相当する)と、その中心電極3aの外周部にその中心電極3aと同心状に設けられた環状電極3b(接点に相当する)と、その環状電極3bの外周部に設けられた環状のアース用電極3cとを備えて構成されている。ちなみに、中心電極3aと環状電極3bは、後述する給電機構5の中心穴5Aと環状穴5Bに夫々設けられた給電用の中心電極5a、外側電極5b(接点に相当する)に接続されて、それらの電極から供給される電力を受ける受電用の電極であり、アース用電極3cは、後述する給電機構5のアース用電極5cに接続される。尚、受電機構3のアース用電極3c及び給電機構5のアース用電極5cは省略しても良い。
【0026】
本体ボディ9における底部の突出部9bの上方には、電気ヒータ2への通電を断続するスイッチ手段としての連動ユニット18を操作する操作具19が設けられている。
この連動ユニット18は、電気ケトルにおいて広く用いられているものであり、受電機構3と操作具19とを連結している。
この連動ユニット18について、詳細な説明を省略して簡単に説明すると、底部側に前記給電機構嵌め込み用凹部18dが形成されたユニット本体18aと、そのユニット本体18aから横方向に延びる固定腕部18bと、その固定腕部18bの上部側に設けられ、ユニット本体18aに対して上下方向に揺動自在な揺動腕部18cとを備えて構成され、その揺動腕部18cの遊端に、その揺動腕部18cと一体的に揺動操作自在なように前記操作具19が連結されている。
前記受電機構3は、その外側環状電極3cが連動ユニット18の給電機構嵌め込み用凹部18dに内嵌される形態で、その給電機構嵌め込み用凹部18d内に設けられている。
【0027】
固定腕部18bの外周側端には、ケトル本体K上部から蒸気路15を通して導かれる蒸気を検知する蒸気検知具20(具体的にはバイメタル等の蒸気感応板からなり、蒸気に感応して変形する)が備えられている。
図5で実線で示すように、ケトル本体Kが電源プレートPに給電姿勢で載置されていても、操作具19が上方側の待機姿勢に保たれている状態では、連動ユニット18にて構成されるスイッチ手段がオフ状態になっている。
そして、ケトル本体Kが電源プレートPに給電姿勢で載置された状態で、図5で一点鎖線で示すように、操作具19が押し下げ操作されて揺動腕部18cが下方に揺動されると、貯留部1内の湯水が沸騰していない状態では蒸気が蒸気検知具20に導かれることがなくて蒸気検知具20が変形しないので、揺動腕部18cが加熱維持姿勢に維持されて、連動ユニット18にて構成されるスイッチ手段がオン状態に保持されることになって、電気ヒータ2への給電が行われる。従って、水の加熱が開始される。
加熱によりケトル本体K内の水が沸騰すると、その湯から発生する蒸気がケトル本体K側部に設けられた蒸気路15を通って蒸気検知具20に到達し、この蒸気検知具20の蒸気検知に伴って、下方に揺動姿勢保持されていた前記揺動腕部18cの姿勢保持が解除されて、上方に揺動復帰されるとともに、連動ユニット18にて構成されるスイッチ手段がオフ状態になって電気ヒータ2への給電が停止される。同時に操作具19は、加熱維持姿勢から待機姿勢に復帰する。
【0028】
図1に示すように、マグネットプラグ6は、プラグケース21を用いて構成されている。つまり、プラグケース21には、一対の磁石22がプラグケース21の前面中央から突出する状態で設けられ、一対の接点用凹部23が一対の磁石22の両側に振り分けた状態で設けられている。図示を省略するが、各接点用凹部23の底部には接点が設けられている。
図1及び図8に示すように、プラグ受け7は、矩形状の枠部25を備えたプラグ受けケース24を用いて構成されている。つまり、プラグ受けケース24の枠部25内に、鉄片26がその枠部25内の中央に位置する状態で設けられ、並びに、一対の円柱状の電極27が鉄片26の両側に振り分けられた状態で鉄片26よりも突出するように設けられている。ちなみに、プラグ受けケース24は、耐熱性及び難燃性の優れた樹脂、例えば、フェノール樹脂により形成される。
そして、図1及び図2に示すように、マグネットプラグ6の先端部をプラグ受け7の枠部25に挿入すると、一対の磁石22の鉄片26に対する引き付け作用により、一対の接点用凹部23に一対の電極27が嵌まり込んだ状態で保持されて、プラグ受け7とマグネットプラグ6とが導通状態で接続される。
【0029】
電源プレートPについて説明を加えると、図2、図5及び図6に示すように、電源プレートPは、ケトル本体Kの円状底部よりも大径の円形プレート状の載置部28とその載置部28の周方向の一部に連接された前記プラグ受けボックス8とを備えて構成されている。つまり、プラグ受けボックス8の略全体が、ケトル本体Kを載置する載置部28の側方に位置する構造である。
【0030】
給電機構5は、外観形状が概略円柱状に構成されて、載置部28の中央にその上面から突出するように設けられている。
給電機構5について説明を加えると、図4〜図6に示すように、給電機構5は、中心穴5Aと、その中心穴5Aと同心に設けられた環状穴5Bとを備え、これら穴5A、5Bに夫々設けられる中心電極5a、外側電極5b(接点に相当する)と、給電機構5の円柱状外周部位の周方向一部に設けられるアース用電極5cとを備えて構成されている。
そして、図4及び図5に示すように、ケトル本体Kが電源プレートP上に給電姿勢で載置されると、給電機構5がケトル本体K底部の給電機構嵌め込み用凹部18d内に嵌り込んで、給電機構5と受電機構3の互いの電極が電気的に接続されて給電が可能となる。
【0031】
図1、図5〜図7及び図9に示すように、プラグ受けボックス8は、電源プレートPの径方向内方側に向く内側壁面8f、上下側両壁面8t、8b及び左右側両壁面8h、8mの5壁面で覆われて、電源プレートPの径方向外方側を向く開口部を備えた箱状に構成されている。
【0032】
図5及び図8に示すように、電源プレートPは、載置部28の底面及びプラグ受けボックス8の下側壁面8bを形成する下側部材31と、載置部28の上面並びにプラグ受けボックス8の内側壁面8f、上側壁面8t及び左右側両壁面8h、8mを形成する上側部材32とを、プラグ受け7を挟持する状態で組み付けることにより構成される。下側部材31及び上側部材32は、プラグ受けケース24を形成する樹脂よりも耐熱性及び難燃性が低い樹脂、例えばPP(ポリプロピレン)樹脂により形成される。
【0033】
上側部材32におけるプラグ受けボックス8の上側壁面8tを形成する部分の裏面には、一対の四角筒状の係合部32cが突設され、プラグ受けケース24の上部には、前記一対の係合部32cが嵌まり込んで係止される一対の四角枠状の嵌め込み部24cが設けられている。そして、プラグ受けケース24の一対の嵌め込み部24cに上側部材32の一対の係合部32cを嵌め込んだ状態で、下側部材31と上側部材32とをプラグ受け7を挟持する状態で組み付けることにより、プラグ受け7が、確実に抜け止めされた状態でプラグ受けボックス8内に収納されることになる。
【0034】
更に、図1及び図5に示すように、上述のように下側部材31と上側部材32とをプラグ受け7を挟持する状態で組み付けると、プラグ受けケース24の枠部25がプラグ受けボックス8の開口部から突出する状態となるように構成されている。
つまり、プラグ受けボックス8はプラグ受けケース24を形成するフェノール樹脂よりも耐熱性及び難燃性が低いPP樹脂にて形成されているが、プラグ受けケース24の枠部25をプラグ受けボックス8の開口部から突出させることにより、マグネットプラグ6をプラグ受け7に装着するときやプラグ受け7から取り外すときにスパークが発生しても、スパークの影響がプラグ受けボックス8に及ぶのを抑制して、プラグ受けボックス8の開口部の劣化を防止するようにしている。
【0035】
図示を省略するが、プラグ受けボックス8内に収納されたプラグ受け7と給電機構5とを接続するケーブルは、下側部材31と上側部材32との間に形成される空間のうち、載置部28に対応する部分の内部に配線される。
つまり、プラグ受けボックス8の略全体(少なくとも上部)が電源プレートPの載置部28に載置されたケトル本体Kの側方に位置する構造とすることにより、電源プレートPの載置部28内には、前記ケーブル等、厚さがプラグ受け7よりもかなり薄い部材を収納することで足りる。それによって、載置部28を薄型化することができ、電源プレートPにケトル本体Kを載置した状態の電気ケトル全体の高さが高くなるのを回避することができる。
【0036】
図1、図2及び図6に示すように、プラグ受けボックス8の上側壁面8tには、使用者に電源プレートを水洗いしないように警告するためのメッセージ(例えば、「水洗い禁止」等)を表示したラベル29が貼付されている。
【0037】
図5、図6及び図9に示すように、プラグ受けボックス8の内側壁面8fが、電源プレートPの内方側ほど下方側に位置する形態の内側下がり傾斜面に構成され、且つ、その内側下がり傾斜面状の内側壁面8fの両横部分の少なくとも下方側の部分が、水平面に対する傾斜度(図9の(b)において傾斜角度α2)が内側壁面8fの周方向中央側の部分の傾斜度(図9の(b)において傾斜角度α1)よりも大きい状態で側端の方ほど大きくなる急内側下がり傾斜面部8fsに構成されて、内側壁面8fにおける電源プレートPの上面に接する下端縁8eのうち、急内側下がり傾斜面部8fsに対応する下端縁8esが、側端の方ほど電源プレートPの径方向外方に位置する状態となるように構成されている。
尚、図9の(a)は、プラグ受けボックス8の斜視図であり、(b)は、内側壁面8fの周方向中央側の部分と両横部分との間の水平面に対する傾斜度の違いを説明する図である。
【0038】
具体的には、図5に示すように、プラグ受けボックス8の内側壁面8fは、下窄み状のケトル本体Kの下部外周面に沿うように、凹状湾曲面状の内側下がり傾斜面に構成されている。
又、図6及び図9に示すように、両側の急内側下がり傾斜面部8fsの下端縁は、弧状になるように構成されている。
【0039】
図1及び図5に示すように、ケトル本体Kを前記給電姿勢で電源プレートPに載置した状態で受電機構3を中心に回転させると、そのケトル本体Kの底部の突出部9bがプラグ受けボックス8の下部に当たることとなる。
そして、プラグ受けボックス8の内側壁面8fの両横部分が急内側下がり傾斜面部8fsに構成されて、その急内側下がり傾斜面部8fsに対応する下端縁8esが側端の方ほど電源プレートPの径方向外方に位置する弧状となるように構成されているので、ケトル本体Kが給電姿勢で電源プレートPに載置された状態で受電機構3を中心に回転されても、ケトル本体Kの底部の突出部9bがプラグ受けボックス8の内側壁面8fの下部に乗り上げて、その乗り上げ姿勢が維持されることがないように構成されている。
【0040】
又、図10に示すように、ケトル本体Kが、その底部の突出部9bがプラグ受けボックス8の上部に完全に乗り上がり、電源プレートPの載置部28の上面とプラグ受けボックス8の上部とに跨った傾斜姿勢で電源プレートPに載置された状態で、受電機構3と給電機構5とが非導通状態となるように、受電機構3、給電機構5が夫々ケトル本体K、電源プレートPに設けられている。
具体的には、ケトル本体Kが上述のような傾斜姿勢で電源プレートPに載置された状態では、給電機構5がケトル本体K底部の給電機構嵌め込み用凹部18d内に嵌まり込まない状態となって、接点同士が接触しない(スパークしない)ように、受電機構3、給電機構5が夫々ケトル本体K、電源プレートPに設けられて、受電機構3と給電機構5とが非導通状態になるようになっている。
【0041】
図5及び図7に示すように、複数(この実施形態では4個)の滑り止め部材33が、電源プレートPの底面に分散して設けられ、この設置形態が本願の特徴とされている。尚、以下の説明、及び、図面においては、電源プレートPの底面に分散して設けられた滑り止め部材の設置位置を区別するために、滑り止め部材を示す符号(例えば「33」)に添え字「a」を付して、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置に位置する滑り止め部材を示し、滑り止め部材を示す符号(例えば「33」)に「b」を付して、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在しない部分に対応した位置に位置する滑り止め部材を示す。
即ち、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置にある滑り止め部材33aの底面積を合わせた総底面積を、前記底面においてプラグ受けボックス8が存在しない部分に対応した位置にある滑り止め部材33bの底面積を合わせた総底面積以上にする状態で配置されている。
更に、この実施形態では、複数の滑り止め部材33が、電源プレートPの底面においてその周方向に分散して設けられている。
【0042】
電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置とは、図7において、一点鎖線のハッチングにて示すように、平面視において、プラグ受けボックス8の最外周部にて囲まれた領域Hを示す。ちなみに、プラグ受けボックス8の最外周部のうち、電源プレートPの内方側の部分は、プラグ受けボックス8の内側壁面8fにおける電源プレートPの上面に接する下端縁8eであり、その他の部分は、下側壁面8bの周縁部である。
そして、滑り止め部材33aが電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置にあるとは、滑り止め部材33aの底面の少なくとも一部が領域H内に存在する状態をいう。
【0043】
4個の滑り止め部材33は、夫々、同径(底面積が同一)の円柱状滑り止め部材34にて構成されている。そして、4個の円柱状滑り止め部材34のうちの2個の円柱状滑り止め部材34aが電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置に周方向に沿って並べて設けられ、残りの2個の円柱状滑り止め部材34bが電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在しない部分に対応した位置に設けられている。ここで、2個の円柱状滑り止め部材34aは、電源プレートPの載置部28の中心からプラグ受けボックスを2分割する方向に向かう直線(図7において、載置部28の中心から左方向に向かう直線)に対して、それぞれ10°程度ずれて配置されている。一方、2個の円柱状滑り止め部材34bは、同直線に対してそれぞれ120°程度ずれて配置されている。従って、円柱状滑り止め部材34a(2個)と2個の円柱状滑り止め部材34bとはそれぞれ、電源プレートPの載置部28を中心とする中心角で、概ね120°ずれた3箇所に分散配置されている。
ちなみに、円柱状滑り止め部材34はゴム製であり、静止摩擦力、吸着力、粘着力等により、滑り止めするように構成され、円柱状滑り止め部材34の底面積が大きいほどテーブル上等を滑るのを妨げる力が大きくなる。
【0044】
更に、この実施形態では、4個の円柱状滑り止め部材34夫々が、平面視において、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの外周近傍でそのケトル本体Kと重なる位置(即ち、ケトル本体Kの最外周部(図7で破線で示した部分)の内方側近傍)に位置するように、電源プレートPの底面に設けられている。
図5に示すように、この実施形態では、ケトル本体Kは、その本体ボディ9の底面における中央側の部分が電源プレートPの載置部28の上面に当接する状態で、電源プレートPに給電姿勢で載置されるように構成されている。
【0045】
ちなみに、電源プレートPをテーブル上等に載置したときに電源プレートPのがたつきを防止するには、電源プレートPをその底面の周方向に略均等に分散した3点で支持するのが好ましく、滑り止め部材33を電源プレートPの底面の周方向に略均等に分散した3箇所に設けるのが好ましい。
本実施形態では、4個の滑り止め部材33としての円柱状滑り止め部材34を電源プレートPの底面に設けることになるが、電源プレートPの底面の周方向に略均等に分散した3箇所のうち、電源プレートPの周方向においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した1箇所には、2個の円柱状滑り止め部材34aを互いに近づけて設け、他の2箇所には円柱状滑り止め部材34bを1個ずつ設けるので、実質的には、電源プレートPをその底面の周方向に略均等に分散した3点で支持することになる。勿論、2個の円柱状滑り止め部材34aは近づけて設ける必要はなく、2個の円柱状滑り止め部材34aを電源プレートPの周方向に離して設けて、4点支持にしても良い。
【0046】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(A) 複数の滑り止め部材33を、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置にある滑り止め部材33aの底面積を合わせた総底面積を、前記底面においてプラグ受けボックス8が存在しない部分に対応した位置にある滑り止め部材33bの底面積を合わせた総底面積以上にする状態で、電源プレートPの底面に周方向に分散して設けるに当たって、その配置形態、配置位置、個数、各滑り止め部材33の形状等は、上記の実施形態において例示したものに限定されるものではなく、以下、その別実施形態として一例を説明する。
【0047】
(A−1) 例えば、図11の(a)に示すように、上記の実施形態と同様の円柱状滑り止め部材34を4個設ける場合、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置に設ける2個の滑り止め部材34aを、平面視において、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部(図11の(a)で破線で示した部分)の外方側近傍と内方側近傍とに振り分けた状態で、電源プレートPの径方向に沿って並べて設けても良い。
【0048】
(A−2) 又、図11の(b)〜(d)に示すように、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置には、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在しない部分に対応した位置にある滑り止め部材33bの底面積を合わせた総底面積よりも大きい底面積を有する1個の滑り止め部材33aを設けても良い。この場合、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置には、滑り止め部材33aがその中央を、電源プレートPの載置部28の中心からプラグ受けボックスを2分割する方向に向かう直線(図11(b)〜(d)において、載置部28の中心から左方向に向かう直線)上に位置させるように配置されている。一方、2個の滑り止め部材33bは、同直線に対してそれぞれ120°程度ずれて配置されている。従って、滑り止め部材33aと2個の滑り止め部材33bとはそれぞれ、電源プレートPの載置部28を中心とする中心角で、概ね120°ずれた3箇所に分散配置されている。これにより、電源プレートPをその底面の周方向に略均等に分散した3点で支持することになり、電源プレートPをがたつかないようにテーブル上等に載置することが可能となる。
【0049】
以下、例えば、電源プレートPの周方向において略均等に分散した3箇所のうち、プラグ受けボックス8が存在しない部分に対応した2箇所には、上記の実施形態と同様に円柱状滑り止め部材34bを1個ずつ設ける場合について説明を加える。
図11の(b)及び(c)に示すように、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置には、2個の円柱状滑り止め部材34bの底面積を合わせた総底面積よりも大きい面積の長方形状の底面を有する1個の長方形状滑り止め部材35を設けても良い。
そして、そのような長方形状滑り止め部材35は、図11の(b)に示すように、長手方向を電源プレートPの周方向に沿わせた状態で設けても良い。あるいは、図11の(c)に示すように、長方形状滑り止め部材35を、長手方向を電源プレートPの径方向に沿わせて設けても良い。尚、図11の(b)の例では、長方形状滑り止め部材35を、平面視において、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部(図11の(b)で破線で示した部分)の内方側近傍に設け、図11の(c)に示す例では、長方形状滑り止め部材35を、平面視において、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部(図11の(c)で破線で示した部分)の真下に設けてある。
又、図11の(d)に示すように、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置には、2個の円柱状滑り止め部材34bの底面積を合わせた総底面積よりも大きい面積の円形の底面を有する大径円柱状滑り止め部材36を設けても良い。尚、図11の(d)に示す例では、大径円柱状滑り止め部材36を、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部(図11の(d)で破線で示した部分)の真下に設けてある。
【0050】
(A−3) 更に、複数の滑り止め部材33を電源プレートPの底面に周方向に分散して設けるに当たっては、上記の実施形態のように、全ての滑り止め部材33を、平面視において、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部の内方側近傍に位置するように設ける場合に限定されるものではない。
例えば、全ての滑り止め部材33を、平面視において、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部の真下に位置するように設けても良い。
あるいは、平面視において、複数の滑り止め部材33のうちの一部を、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部の内方側に位置し、残りを、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部の外方側に位置するように設けても良い。
例えば、図12の(a)に示すように、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置では、2個の円柱状滑り止め部材34aをケトル本体Kの最外周部(図12の(a)で破線で示した部分)の外方側近傍に設け、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在しない部分に対応した位置では、2個の円柱状滑り止め部材34bをケトル本体Kの最外周部の内方側近傍に設けても良い。
あるいは、図12の(c)に示すように、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置では、2個の円柱状滑り止め部材34aをケトル本体Kの最外周部(図12の(c)で破線で示した部分)の外方側近傍に設け、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在しない部分に対応した位置では、2個の円柱状滑り止め部材34bをケトル本体Kの中央側に偏らせて設けても良い。
これら図12の(a)、(c)に示すように、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置では、2個の円柱状滑り止め部材34aを左側壁面8hの近傍と右側壁面8mの近傍とに電源プレートPの周方向に離して設けて、4点支持にしても良い。
又、図12の(b)に示すように、全ての滑り止め部材33を、平面視において、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部(図12の(b)で破線で示した部分)の外方側近傍に設けても良い。
【0051】
(A−4) 又、ケトル本体Kの底部に、電源プレートPの上面に当接する脚部を環状に設ける。そして、複数の滑り止め部材33を、平面視において、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの環状の脚部の真下に位置するように設けても良い。
【0052】
(B) プラグ受けボックス8の外形は、上記の実施形態において例示した形状に限定されるものではなく、種々の形状に構成することができる。例えば、プラグ受けボックス8の内側壁面8fを、上記の実施形態では内側下がり傾斜面に構成したが、載置部28の上面に垂直な面に構成しても良い。
【0053】
(C) 上記の実施形態では、受電機構3をケトル本体Kの底面の中央部に備え、給電機構5を電源プレートPの載置部28における上面の中央部に備える場合について例示したが、ケトル本体Kの底面における受電機構3の位置、及び、電源プレートPの上面における給電機構5の位置は種々に変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上説明したように、安全性を向上し得る電気ケトル等の加熱容器を提供することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 貯留部
2 電気ヒータ(加熱手段)
3 受電機構
3a 中心電極(受電機構の接点)
3b 環状電極(受電機構の接点)
4 電源コード
5 給電機構
5a 中心電極(給電機構の接点)
5b 外側電極(給電機構の接点)
6 マグネットプラグ
7 プラグ受け
8 プラグ受けボックス
8e 下端縁
8f 内側壁面
8fs 急内側下がり傾斜面部
9b 突出部
22 磁石
33 滑り止め部材
K ケトル本体(本体)
H 電源プレートの底面においてプラグ受けボックスが存在する部分に対応した位置
P 電源プレート
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱対象の湯水を貯留する貯留部及びその貯留部の湯水を加熱する加熱手段を備え、並びに、外部から供給される電力を前記加熱手段に供給する受電機構を底面に備えた本体と、電源コードを通して電源から供給される電力を外部に出力する給電機構を上面に備えた電源プレートとを備え、前記本体を前記電源プレートに載置した給電姿勢において、前記受電機構と前記給電機構とが導通状態に接続されて、前記給電機構から前記受電機構に給電されるように構成された加熱容器に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる加熱容器は、本体を電源プレートに載置すると、本体の底面に備えられた受電機構と電源プレートの上面に備えられた給電機構とが導通状態に接続されて、加熱手段に給電されるように構成されたものである。ちなみに、このような加熱容器の一例としては、電気ケトルが挙げられる。
そして、貯留部に貯留されている湯水を極力速く沸騰させることができるように、加熱手段には比較的大きい電力(例えば1100W程度)を供給するように構成されるものである。
【0003】
このような加熱容器において、従来は、電源コードが電源プレートに直接接続されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−125357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の加熱容器は、上述のように電源コードが電源プレートに直接接続されているので、電源コードが引っ張られると、その電源コードに引っ張られて電源プレートが動いて、その電源プレートに載置された本体が揺れ、最悪の場合転倒する虞があり、安全性を向上する上で改善の余地があった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全性を向上し得る加熱容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る加熱容器は、加熱対象の湯水を貯留する貯留部及びその貯留部の湯水を加熱する加熱手段を備え、並びに、外部から供給される電力を前記加熱手段に供給する受電機構を底面に備えた本体と、電源コードを通して電源から供給される電力を外部に出力する給電機構を上面に備えた電源プレートとを備え、前記本体を前記電源プレートに載置した給電姿勢において、前記受電機構と前記給電機構とが導通状態に接続されて、前記給電機構から前記受電機構に給電されるように構成された加熱容器であって、
その特徴構成は、前記電源コードと前記電源プレートとが、前記電源コードに設けられたマグネットプラグと、前記電源プレートに設けられて、磁石の吸引力により前記マグネットプラグを着脱自在に保持するプラグ受けとにより接続され、
前記プラグ受けを収納するプラグ受けボックスが、前記電源プレートの上面から上方に突出し、且つ、少なくとも上部が前記電源プレートに前記給電姿勢で載置された前記本体の側方に位置する状態で、前記電源プレートの周方向の一部に連設されている点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、電源コードと電源プレートとが、電源コードに設けられたマグネットプラグと電源プレートに設けられたプラグ受けとにより接続されているので、電源コードが引っ張られても、マグネットプラグがプラグ受けから外れるので、電源プレートが動くのを抑制することができて、電源プレートに載置された本体が揺れたり転倒するのを抑制することができる。
しかも、プラグ受けを収納するプラグ受けボックスが、電源プレートの上面から上方に突出し、且つ、少なくとも上部が電源プレートに給電姿勢で載置された本体の側方に位置する状態で、電源プレートの周方向の一部に連設される構造であるので、電源プレートにおけるプラグ受けボックス以外の部分、即ち、本体を載置する部分には、厚さがプラグ受けよりもかなり薄い部材を採用することができる。つまり、加熱手段に比較的大きい電力を供給するために、マグネットプラグが大型になるのに伴ってプラグ受けが大型になっても、電源プレートにおけるプラグ受けボックス以外の部分を薄型化することができるようになり、電源プレートに本体を載置した状態の加熱容器全体の高さが高くなって不安定となるのを回避することができる。それにより、不測に電源コードが引っ張られてマグネットプラグがプラグ受けから外れるときに、電源プレートに載置された本体が揺れたり転倒するのをより一層抑制することができる。又、電源プレート内に不要な空間が形成されるのを防止することができる。
従って、安全性を向上し得る加熱容器を提供することができるようになった。
【0009】
本発明に係る加熱容器の更なる特徴構成は、複数の滑り止め部材が、前記電源プレートの底面に分散して設けられると共に、前記電源プレートの底面において前記プラグ受けボックスが存在する部分に対応した位置にある滑り止め部材の底面積をあわせた総底面積を、前記底面において前記プラグ受けボックスが存在しない部分に対応した位置にある滑り止め部材の底面積を合わせた総底面積以上にする状態で配置されている点にある。
【0010】
上記特徴構成では、テーブル上等におかれている電源プレートが滑るのを妨げる力は、プラグ受けボックスが存在する部分に対応した位置にある滑り止め部材による力の方が、プラグ受けボックスが存在しない部分に対応した位置にある滑り止め部材による力よりも大きい。ちなみに、滑り止め部材により電源プレートがテーブル上等を滑るのを妨げる力は、滑り止め部材の静止摩擦力、吸着力、粘着力等により得られる。
つまり、電源プレートがテーブル上等におかれているときに、電源プレートの底面のうち、マグネットプラグが保持されているプラグ受けボックスが存在する部分は、プラグ受けボックスが存在しない部分よりもテーブル上等を滑り難くなり、電源コードと電源プレートとが接続されたままで、電源コードが引っ張られても、電源プレートの周方向のうちマグネットプラグが保持されているプラグ受けボックスが存在する部分が動くのを抑制することができる。又、電源コードが引っ張られても、電源プレートの周方向のうちマグネットプラグが保持されているプラグ受けボックスが存在する部分がテーブル上等を滑り難いので、マグネットプラグがプラグ受けから外れ易くなり、安全性を向上することができる。
従って、安全性をより一層向上することができるようになった。
【0011】
本発明に係る加熱容器の更なる特徴構成は、前記複数の滑り止め部材夫々が、平面視において、前記電源プレートに前記給電姿勢で載置された前記本体の外周近傍でその本体と重なる位置に位置するように、前記電源プレートの底面に設けられている点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、本体の重量を複数の滑り止め部材に極力均等に分散して印加させるようにすることが可能となるため、電源コードが引っ張られても、電源プレートの周方向のうちマグネットプラグが保持されているプラグ受けボックスが存在する部分が動くのを確実に抑制することができる。しかも、複数の滑り止め部材により、電源プレートにおける極力外周側の部分を支持するようにすることが可能となるので、テーブル上等に置かれる電源プレートががたつくのを可及的に抑制することができるようになり、電源プレートにより本体を安定して載置支持することができる。
従って、安全性を更に向上することができるようになった。
【0013】
本発明に係る加熱容器の更なる特徴構成は、前記受電機構が、前記本体の底面の中央部に備えられ、前記給電機構が、前記電源プレートの上面の中央部に備えられ、
前記本体の底部における周方向の一部に、径方向外方に突出する突出部が、前記本体を前記給電姿勢で前記電源プレートに載置した状態で前記受電機構を中心に回転させた場合、前記プラグ受けボックスに当たる位置関係で設けられ、
前記本体が、その底部の突出部が前記プラグ受けボックスに乗り上がり、前記電源プレートの上面と前記プラグ受けボックスの上部とに跨った傾斜姿勢で前記電源プレートに載置された状態で、前記受電機構の接点と前記給電機構の接点とが非導通状態となる点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、使用者が、本体を、その底部の突出部がプラグ受けボックスに乗り上がった状態で、電源プレートの上面とプラグ受けボックスの上部とに跨った傾斜姿勢で電源プレートに載置しても、受電機構の接点と給電機構の接点とが非導通状態である。従って、本体が転倒の虞がある不安定な傾斜姿勢で電源プレートに載置された状態で、加熱手段に給電されて湯水を加熱してしまうことを防止することができる。
又、接点の不安定な導通状態を防止できるため、接触抵抗の増大による接点部の発熱を抑制することができる。
【0015】
ところで、上述の突出部は、例えば以下に記載する目的で設けられることになる。
即ち、通常、本体の側周面には、加熱手段への通電を断続するスイッチ手段を操作するための操作具等が設けられる。そこで、上述のように本体に突出部を設けて、その突出部の上方に操作具等を設けるようにすることにより、操作具等の少なくとも下方側を突出部によりカバーするのである。
従って、万が一、本体を傾斜姿勢で電源プレートに載置しても、本体の貯留部に貯留されている湯水が加熱されることがなく、又、接点の不安定な導通状態に起因した接点部の発熱を抑制することができるので、安全性を更に向上することができる。
【0016】
本発明に係る加熱容器の更なる特徴構成は、前記プラグ受けボックスにおける前記電源プレートの内方側に向く内側壁面が、前記電源プレートの内方側ほど下方側に位置する形態の内側下がり傾斜面に構成され、且つ、その内側下がり傾斜面状の内側壁面の両横部分の少なくとも下方側の部分が、水平面に対する傾斜度が前記内側壁面の周方向中央側の部分よりも大きい状態で側端の方ほど大きくなる急内側下がり傾斜面部に構成されて、
前記内側壁面における前記電源プレートの上面に接する下端縁のうち、前記急内側下がり傾斜面部に対応する下端縁が、側端の方ほど前記電源プレートの径方向外方に位置する構成とされている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、プラグ受けボックスの内側壁面が内側下がり傾斜面に構成されているので、本体を電源プレートに載置するときに、本体の底部がプラグ受けボックスの内側下がり傾斜面状の内側壁面に当たっても、その内側下がり傾斜面状の内側壁面により本体が電源プレートの中央側に向けて案内されるので、載置し易くなり使い勝手が良い。
【0018】
又、本体を電源プレートから持ち上げるときは、その前に、本体に設けられているハンドルを手前に位置させるように、電源プレートに載置されている本体を受電機構を中心に回転させ、あるいは、本体を電源プレートに載置したときは、ハンドルを邪魔にならない位置に位置させるように、電源プレートに載置されている本体を受電機構を中心に回転させることができ、使い勝手が良い。
そして、電源プレートに載置されている本体を受電機構を中心に回転させるときに、本体の底部の突出部がプラグ受けボックスの下部に当たっても、本体の底部の突出部がプラグ受けボックスの内側壁面の下端部に乗り上げた中途半端な姿勢で、本体が電源プレートに載置されるのを防止することができる。
つまり、電源プレートに載置されている本体を受電機構を中心に回転させた場合でも、急内側下がり傾斜面部があるので、給電姿勢と傾斜姿勢(給電されない)との2つの姿勢のいずれかをとることとなるので、本体が中途半端な姿勢になることがない。
従って、給電機構の接点と受電機構の接点とが近接状態になってスパークするといった不都合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】電気ケトルの外観を示す斜視図
【図2】ケトル本体が電源プレートから持ち上げられた状態での電気ケトルの斜視図
【図3】ケトル本体の縦断側面図
【図4】ケトル本体が電源プレートから持ち上げられた状態での電気ケトルの下部の縦断面図
【図5】ケトル本体が電源プレートに載置された給電状態での電気ケトルの下部の縦断面図
【図6】電源プレートの平面図
【図7】電源プレートの底面図
【図8】電源プレートの分解斜視図
【図9】電源プレートのプラグ受けボックスを説明する図
【図10】ケトル本体が電源プレートの載置部の上面とプラグ受けボックスの上部とに跨った傾斜姿勢で電源プレートに載置された状態を示す図
【図11】別実施形態に係る電源プレートの底面図
【図12】別実施形態に係る電源プレートの底面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて、本発明を加熱容器の一例としての電気ケトルに適用した場合の実施形態を説明する。
図1及び図2に示すように、電気ケトルは、電源プレートPとその電源プレートPに載置自在なケトル本体(本体に相当する)Kとを備えて構成されている。
図3〜図5に示すように、ケトル本体Kには、加熱対象の湯水を貯留する貯留部1及びその貯留部1の湯水を加熱する加熱手段としての電気ヒータ2が備えられ、並びに、外部から供給される電力を電気ヒータ2に供給する受電機構3が底面の中央部に位置する状態で備えられている。
図2、図4及び図5に示すように、電源プレートPには、電源コード4を通して電源(商用電源のコンセント等)から供給される電力を外部に出力する給電機構5が上面の中央部に位置する状態で備えられている。
そして、ケトル本体Kを電源プレートPに載置した給電姿勢において、受電機構3と給電機構5とが導通状態に接続されて、給電機構5から受電機構3に給電されるように構成されている。
【0021】
図1、図2及び図5に示すように、本発明では、電源コード4と電源プレートPとが、電源コード4に設けられたマグネットプラグ6と、電源プレートPに設けられて、磁石22(後述するようにマグネットプラグ6に設けられている)の吸引力によりマグネットプラグ6を着脱自在に保持するプラグ受け7とにより接続され、プラグ受け7を収納するプラグ受けボックス8が、電源プレートPの上面から上方に突出し、且つ、少なくとも上部が電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの側方に位置する状態で、電源プレートPの周方向の一部に連設されている。
【0022】
次に、電気ケトルの各部について説明を加える。
図1〜図3に示すように、前記ケトル本体Kは、前記貯留部1を内部に備えて上側開放の概略有底円筒状に構成された本体ボディ9と、その開放された開口を覆う蓋体10とを主な部材として備えて構成されている。本体ボディ9の下部は、底部ほど小径となる下窄み状に構成されている。
蓋体10は、本体ボディ9の開口の外周部に設けられた横方向の揺動軸10a(図3参照)周りに揺動自在に構成されており、蓋体10を上側に揺動させて蓋を開放した状態で、本体ボディ9内に水を注水することが可能となる。一方、蓋体10が本体ボディ9の開口を閉止した状態で、湯水の加熱が可能となっている。ここで、貯留部1内の湯水とは、貯留部1内に注水された水、及び、その注水された水が電気ヒータ2により加熱された湯を総称するものである。
【0023】
ケトル本体Kの蓋体10には、前記貯留部1に貯留されている湯水を注ぐ注口11、蓋体10を開閉するための蓋体開閉操作部12、及び、蒸気を排出する蒸気口13が設けられている。
又、ケトル本体Kの本体ボディ9の上側部における注口11に対してケトル本体前後方向反対側に対応する箇所には、上下方向に延びる状態で棒状のハンドル14が設けられている。
本体ボディ9の側部には、後述する蒸気路15を収納する空間を形成するために、上端から下端に延びる帯状の膨出部9aが形成され、本体ボディ9の底部の周方向の一部には、径方向外方に突出して本体ボディ9の側部の膨出部9aの底部を閉じる突出部9bが設けられている。
前記ハンドル14は、その上端が膨出部9aの上端に支持される片持ち状態で設けられている。
【0024】
図3に示すように、注口11の内部側には、その注口11を開閉する給湯操作用の弁16が設けられており、更に、ハンドル14の上端部には、弁16を開閉操作するための給湯操作ボタン17が設けられている。
弁16は、上方側に復帰付勢された状態で上下方向に移動操作自在に設けられ、下方に押し下げる力が働いていない状態で、注口11を閉じるように構成されている。
給湯操作ボタン17は、押し込み操作自在に構成されて、図3に示すように、給湯操作ボタン17が押し込まれていない状態では、弁16を下方側に押し下げる力が働いていない状態となって弁16が閉じられ、図示を省略するが、給湯操作ボタン17が押し込み姿勢に操作されると、弁16が下方側に押し下げられて弁16が開かれるように構成されている。
つまり、給湯操作ボタン17が押し込み姿勢に無い限り、ケトル本体Kを傾けても注口11から湯がでることがなく、給湯操作ボタン17を押し込み操作すると、注口11からの出湯が可能となる。
【0025】
図3〜図5に示すように、前記電気ヒータ2は、貯留部1の底面に、環状に設けられている。
前記受電機構3について説明を加えると、図3〜図5に示すように、受電機構3は、ケトル本体Kの底部の中心側の箇所に、その底面から引っ込んだ状態で、前記給電機構5を嵌め込むことが可能な円状の給電機構嵌め込み用凹部18d内に設けられている。
その受電機構3は、ピン状の中心電極3a(接点に相当する)と、その中心電極3aの外周部にその中心電極3aと同心状に設けられた環状電極3b(接点に相当する)と、その環状電極3bの外周部に設けられた環状のアース用電極3cとを備えて構成されている。ちなみに、中心電極3aと環状電極3bは、後述する給電機構5の中心穴5Aと環状穴5Bに夫々設けられた給電用の中心電極5a、外側電極5b(接点に相当する)に接続されて、それらの電極から供給される電力を受ける受電用の電極であり、アース用電極3cは、後述する給電機構5のアース用電極5cに接続される。尚、受電機構3のアース用電極3c及び給電機構5のアース用電極5cは省略しても良い。
【0026】
本体ボディ9における底部の突出部9bの上方には、電気ヒータ2への通電を断続するスイッチ手段としての連動ユニット18を操作する操作具19が設けられている。
この連動ユニット18は、電気ケトルにおいて広く用いられているものであり、受電機構3と操作具19とを連結している。
この連動ユニット18について、詳細な説明を省略して簡単に説明すると、底部側に前記給電機構嵌め込み用凹部18dが形成されたユニット本体18aと、そのユニット本体18aから横方向に延びる固定腕部18bと、その固定腕部18bの上部側に設けられ、ユニット本体18aに対して上下方向に揺動自在な揺動腕部18cとを備えて構成され、その揺動腕部18cの遊端に、その揺動腕部18cと一体的に揺動操作自在なように前記操作具19が連結されている。
前記受電機構3は、その外側環状電極3cが連動ユニット18の給電機構嵌め込み用凹部18dに内嵌される形態で、その給電機構嵌め込み用凹部18d内に設けられている。
【0027】
固定腕部18bの外周側端には、ケトル本体K上部から蒸気路15を通して導かれる蒸気を検知する蒸気検知具20(具体的にはバイメタル等の蒸気感応板からなり、蒸気に感応して変形する)が備えられている。
図5で実線で示すように、ケトル本体Kが電源プレートPに給電姿勢で載置されていても、操作具19が上方側の待機姿勢に保たれている状態では、連動ユニット18にて構成されるスイッチ手段がオフ状態になっている。
そして、ケトル本体Kが電源プレートPに給電姿勢で載置された状態で、図5で一点鎖線で示すように、操作具19が押し下げ操作されて揺動腕部18cが下方に揺動されると、貯留部1内の湯水が沸騰していない状態では蒸気が蒸気検知具20に導かれることがなくて蒸気検知具20が変形しないので、揺動腕部18cが加熱維持姿勢に維持されて、連動ユニット18にて構成されるスイッチ手段がオン状態に保持されることになって、電気ヒータ2への給電が行われる。従って、水の加熱が開始される。
加熱によりケトル本体K内の水が沸騰すると、その湯から発生する蒸気がケトル本体K側部に設けられた蒸気路15を通って蒸気検知具20に到達し、この蒸気検知具20の蒸気検知に伴って、下方に揺動姿勢保持されていた前記揺動腕部18cの姿勢保持が解除されて、上方に揺動復帰されるとともに、連動ユニット18にて構成されるスイッチ手段がオフ状態になって電気ヒータ2への給電が停止される。同時に操作具19は、加熱維持姿勢から待機姿勢に復帰する。
【0028】
図1に示すように、マグネットプラグ6は、プラグケース21を用いて構成されている。つまり、プラグケース21には、一対の磁石22がプラグケース21の前面中央から突出する状態で設けられ、一対の接点用凹部23が一対の磁石22の両側に振り分けた状態で設けられている。図示を省略するが、各接点用凹部23の底部には接点が設けられている。
図1及び図8に示すように、プラグ受け7は、矩形状の枠部25を備えたプラグ受けケース24を用いて構成されている。つまり、プラグ受けケース24の枠部25内に、鉄片26がその枠部25内の中央に位置する状態で設けられ、並びに、一対の円柱状の電極27が鉄片26の両側に振り分けられた状態で鉄片26よりも突出するように設けられている。ちなみに、プラグ受けケース24は、耐熱性及び難燃性の優れた樹脂、例えば、フェノール樹脂により形成される。
そして、図1及び図2に示すように、マグネットプラグ6の先端部をプラグ受け7の枠部25に挿入すると、一対の磁石22の鉄片26に対する引き付け作用により、一対の接点用凹部23に一対の電極27が嵌まり込んだ状態で保持されて、プラグ受け7とマグネットプラグ6とが導通状態で接続される。
【0029】
電源プレートPについて説明を加えると、図2、図5及び図6に示すように、電源プレートPは、ケトル本体Kの円状底部よりも大径の円形プレート状の載置部28とその載置部28の周方向の一部に連接された前記プラグ受けボックス8とを備えて構成されている。つまり、プラグ受けボックス8の略全体が、ケトル本体Kを載置する載置部28の側方に位置する構造である。
【0030】
給電機構5は、外観形状が概略円柱状に構成されて、載置部28の中央にその上面から突出するように設けられている。
給電機構5について説明を加えると、図4〜図6に示すように、給電機構5は、中心穴5Aと、その中心穴5Aと同心に設けられた環状穴5Bとを備え、これら穴5A、5Bに夫々設けられる中心電極5a、外側電極5b(接点に相当する)と、給電機構5の円柱状外周部位の周方向一部に設けられるアース用電極5cとを備えて構成されている。
そして、図4及び図5に示すように、ケトル本体Kが電源プレートP上に給電姿勢で載置されると、給電機構5がケトル本体K底部の給電機構嵌め込み用凹部18d内に嵌り込んで、給電機構5と受電機構3の互いの電極が電気的に接続されて給電が可能となる。
【0031】
図1、図5〜図7及び図9に示すように、プラグ受けボックス8は、電源プレートPの径方向内方側に向く内側壁面8f、上下側両壁面8t、8b及び左右側両壁面8h、8mの5壁面で覆われて、電源プレートPの径方向外方側を向く開口部を備えた箱状に構成されている。
【0032】
図5及び図8に示すように、電源プレートPは、載置部28の底面及びプラグ受けボックス8の下側壁面8bを形成する下側部材31と、載置部28の上面並びにプラグ受けボックス8の内側壁面8f、上側壁面8t及び左右側両壁面8h、8mを形成する上側部材32とを、プラグ受け7を挟持する状態で組み付けることにより構成される。下側部材31及び上側部材32は、プラグ受けケース24を形成する樹脂よりも耐熱性及び難燃性が低い樹脂、例えばPP(ポリプロピレン)樹脂により形成される。
【0033】
上側部材32におけるプラグ受けボックス8の上側壁面8tを形成する部分の裏面には、一対の四角筒状の係合部32cが突設され、プラグ受けケース24の上部には、前記一対の係合部32cが嵌まり込んで係止される一対の四角枠状の嵌め込み部24cが設けられている。そして、プラグ受けケース24の一対の嵌め込み部24cに上側部材32の一対の係合部32cを嵌め込んだ状態で、下側部材31と上側部材32とをプラグ受け7を挟持する状態で組み付けることにより、プラグ受け7が、確実に抜け止めされた状態でプラグ受けボックス8内に収納されることになる。
【0034】
更に、図1及び図5に示すように、上述のように下側部材31と上側部材32とをプラグ受け7を挟持する状態で組み付けると、プラグ受けケース24の枠部25がプラグ受けボックス8の開口部から突出する状態となるように構成されている。
つまり、プラグ受けボックス8はプラグ受けケース24を形成するフェノール樹脂よりも耐熱性及び難燃性が低いPP樹脂にて形成されているが、プラグ受けケース24の枠部25をプラグ受けボックス8の開口部から突出させることにより、マグネットプラグ6をプラグ受け7に装着するときやプラグ受け7から取り外すときにスパークが発生しても、スパークの影響がプラグ受けボックス8に及ぶのを抑制して、プラグ受けボックス8の開口部の劣化を防止するようにしている。
【0035】
図示を省略するが、プラグ受けボックス8内に収納されたプラグ受け7と給電機構5とを接続するケーブルは、下側部材31と上側部材32との間に形成される空間のうち、載置部28に対応する部分の内部に配線される。
つまり、プラグ受けボックス8の略全体(少なくとも上部)が電源プレートPの載置部28に載置されたケトル本体Kの側方に位置する構造とすることにより、電源プレートPの載置部28内には、前記ケーブル等、厚さがプラグ受け7よりもかなり薄い部材を収納することで足りる。それによって、載置部28を薄型化することができ、電源プレートPにケトル本体Kを載置した状態の電気ケトル全体の高さが高くなるのを回避することができる。
【0036】
図1、図2及び図6に示すように、プラグ受けボックス8の上側壁面8tには、使用者に電源プレートを水洗いしないように警告するためのメッセージ(例えば、「水洗い禁止」等)を表示したラベル29が貼付されている。
【0037】
図5、図6及び図9に示すように、プラグ受けボックス8の内側壁面8fが、電源プレートPの内方側ほど下方側に位置する形態の内側下がり傾斜面に構成され、且つ、その内側下がり傾斜面状の内側壁面8fの両横部分の少なくとも下方側の部分が、水平面に対する傾斜度(図9の(b)において傾斜角度α2)が内側壁面8fの周方向中央側の部分の傾斜度(図9の(b)において傾斜角度α1)よりも大きい状態で側端の方ほど大きくなる急内側下がり傾斜面部8fsに構成されて、内側壁面8fにおける電源プレートPの上面に接する下端縁8eのうち、急内側下がり傾斜面部8fsに対応する下端縁8esが、側端の方ほど電源プレートPの径方向外方に位置する状態となるように構成されている。
尚、図9の(a)は、プラグ受けボックス8の斜視図であり、(b)は、内側壁面8fの周方向中央側の部分と両横部分との間の水平面に対する傾斜度の違いを説明する図である。
【0038】
具体的には、図5に示すように、プラグ受けボックス8の内側壁面8fは、下窄み状のケトル本体Kの下部外周面に沿うように、凹状湾曲面状の内側下がり傾斜面に構成されている。
又、図6及び図9に示すように、両側の急内側下がり傾斜面部8fsの下端縁は、弧状になるように構成されている。
【0039】
図1及び図5に示すように、ケトル本体Kを前記給電姿勢で電源プレートPに載置した状態で受電機構3を中心に回転させると、そのケトル本体Kの底部の突出部9bがプラグ受けボックス8の下部に当たることとなる。
そして、プラグ受けボックス8の内側壁面8fの両横部分が急内側下がり傾斜面部8fsに構成されて、その急内側下がり傾斜面部8fsに対応する下端縁8esが側端の方ほど電源プレートPの径方向外方に位置する弧状となるように構成されているので、ケトル本体Kが給電姿勢で電源プレートPに載置された状態で受電機構3を中心に回転されても、ケトル本体Kの底部の突出部9bがプラグ受けボックス8の内側壁面8fの下部に乗り上げて、その乗り上げ姿勢が維持されることがないように構成されている。
【0040】
又、図10に示すように、ケトル本体Kが、その底部の突出部9bがプラグ受けボックス8の上部に完全に乗り上がり、電源プレートPの載置部28の上面とプラグ受けボックス8の上部とに跨った傾斜姿勢で電源プレートPに載置された状態で、受電機構3と給電機構5とが非導通状態となるように、受電機構3、給電機構5が夫々ケトル本体K、電源プレートPに設けられている。
具体的には、ケトル本体Kが上述のような傾斜姿勢で電源プレートPに載置された状態では、給電機構5がケトル本体K底部の給電機構嵌め込み用凹部18d内に嵌まり込まない状態となって、接点同士が接触しない(スパークしない)ように、受電機構3、給電機構5が夫々ケトル本体K、電源プレートPに設けられて、受電機構3と給電機構5とが非導通状態になるようになっている。
【0041】
図5及び図7に示すように、複数(この実施形態では4個)の滑り止め部材33が、電源プレートPの底面に分散して設けられ、この設置形態が本願の特徴とされている。尚、以下の説明、及び、図面においては、電源プレートPの底面に分散して設けられた滑り止め部材の設置位置を区別するために、滑り止め部材を示す符号(例えば「33」)に添え字「a」を付して、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置に位置する滑り止め部材を示し、滑り止め部材を示す符号(例えば「33」)に「b」を付して、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在しない部分に対応した位置に位置する滑り止め部材を示す。
即ち、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置にある滑り止め部材33aの底面積を合わせた総底面積を、前記底面においてプラグ受けボックス8が存在しない部分に対応した位置にある滑り止め部材33bの底面積を合わせた総底面積以上にする状態で配置されている。
更に、この実施形態では、複数の滑り止め部材33が、電源プレートPの底面においてその周方向に分散して設けられている。
【0042】
電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置とは、図7において、一点鎖線のハッチングにて示すように、平面視において、プラグ受けボックス8の最外周部にて囲まれた領域Hを示す。ちなみに、プラグ受けボックス8の最外周部のうち、電源プレートPの内方側の部分は、プラグ受けボックス8の内側壁面8fにおける電源プレートPの上面に接する下端縁8eであり、その他の部分は、下側壁面8bの周縁部である。
そして、滑り止め部材33aが電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置にあるとは、滑り止め部材33aの底面の少なくとも一部が領域H内に存在する状態をいう。
【0043】
4個の滑り止め部材33は、夫々、同径(底面積が同一)の円柱状滑り止め部材34にて構成されている。そして、4個の円柱状滑り止め部材34のうちの2個の円柱状滑り止め部材34aが電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置に周方向に沿って並べて設けられ、残りの2個の円柱状滑り止め部材34bが電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在しない部分に対応した位置に設けられている。ここで、2個の円柱状滑り止め部材34aは、電源プレートPの載置部28の中心からプラグ受けボックスを2分割する方向に向かう直線(図7において、載置部28の中心から左方向に向かう直線)に対して、それぞれ10°程度ずれて配置されている。一方、2個の円柱状滑り止め部材34bは、同直線に対してそれぞれ120°程度ずれて配置されている。従って、円柱状滑り止め部材34a(2個)と2個の円柱状滑り止め部材34bとはそれぞれ、電源プレートPの載置部28を中心とする中心角で、概ね120°ずれた3箇所に分散配置されている。
ちなみに、円柱状滑り止め部材34はゴム製であり、静止摩擦力、吸着力、粘着力等により、滑り止めするように構成され、円柱状滑り止め部材34の底面積が大きいほどテーブル上等を滑るのを妨げる力が大きくなる。
【0044】
更に、この実施形態では、4個の円柱状滑り止め部材34夫々が、平面視において、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの外周近傍でそのケトル本体Kと重なる位置(即ち、ケトル本体Kの最外周部(図7で破線で示した部分)の内方側近傍)に位置するように、電源プレートPの底面に設けられている。
図5に示すように、この実施形態では、ケトル本体Kは、その本体ボディ9の底面における中央側の部分が電源プレートPの載置部28の上面に当接する状態で、電源プレートPに給電姿勢で載置されるように構成されている。
【0045】
ちなみに、電源プレートPをテーブル上等に載置したときに電源プレートPのがたつきを防止するには、電源プレートPをその底面の周方向に略均等に分散した3点で支持するのが好ましく、滑り止め部材33を電源プレートPの底面の周方向に略均等に分散した3箇所に設けるのが好ましい。
本実施形態では、4個の滑り止め部材33としての円柱状滑り止め部材34を電源プレートPの底面に設けることになるが、電源プレートPの底面の周方向に略均等に分散した3箇所のうち、電源プレートPの周方向においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した1箇所には、2個の円柱状滑り止め部材34aを互いに近づけて設け、他の2箇所には円柱状滑り止め部材34bを1個ずつ設けるので、実質的には、電源プレートPをその底面の周方向に略均等に分散した3点で支持することになる。勿論、2個の円柱状滑り止め部材34aは近づけて設ける必要はなく、2個の円柱状滑り止め部材34aを電源プレートPの周方向に離して設けて、4点支持にしても良い。
【0046】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(A) 複数の滑り止め部材33を、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置にある滑り止め部材33aの底面積を合わせた総底面積を、前記底面においてプラグ受けボックス8が存在しない部分に対応した位置にある滑り止め部材33bの底面積を合わせた総底面積以上にする状態で、電源プレートPの底面に周方向に分散して設けるに当たって、その配置形態、配置位置、個数、各滑り止め部材33の形状等は、上記の実施形態において例示したものに限定されるものではなく、以下、その別実施形態として一例を説明する。
【0047】
(A−1) 例えば、図11の(a)に示すように、上記の実施形態と同様の円柱状滑り止め部材34を4個設ける場合、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置に設ける2個の滑り止め部材34aを、平面視において、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部(図11の(a)で破線で示した部分)の外方側近傍と内方側近傍とに振り分けた状態で、電源プレートPの径方向に沿って並べて設けても良い。
【0048】
(A−2) 又、図11の(b)〜(d)に示すように、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置には、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在しない部分に対応した位置にある滑り止め部材33bの底面積を合わせた総底面積よりも大きい底面積を有する1個の滑り止め部材33aを設けても良い。この場合、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置には、滑り止め部材33aがその中央を、電源プレートPの載置部28の中心からプラグ受けボックスを2分割する方向に向かう直線(図11(b)〜(d)において、載置部28の中心から左方向に向かう直線)上に位置させるように配置されている。一方、2個の滑り止め部材33bは、同直線に対してそれぞれ120°程度ずれて配置されている。従って、滑り止め部材33aと2個の滑り止め部材33bとはそれぞれ、電源プレートPの載置部28を中心とする中心角で、概ね120°ずれた3箇所に分散配置されている。これにより、電源プレートPをその底面の周方向に略均等に分散した3点で支持することになり、電源プレートPをがたつかないようにテーブル上等に載置することが可能となる。
【0049】
以下、例えば、電源プレートPの周方向において略均等に分散した3箇所のうち、プラグ受けボックス8が存在しない部分に対応した2箇所には、上記の実施形態と同様に円柱状滑り止め部材34bを1個ずつ設ける場合について説明を加える。
図11の(b)及び(c)に示すように、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置には、2個の円柱状滑り止め部材34bの底面積を合わせた総底面積よりも大きい面積の長方形状の底面を有する1個の長方形状滑り止め部材35を設けても良い。
そして、そのような長方形状滑り止め部材35は、図11の(b)に示すように、長手方向を電源プレートPの周方向に沿わせた状態で設けても良い。あるいは、図11の(c)に示すように、長方形状滑り止め部材35を、長手方向を電源プレートPの径方向に沿わせて設けても良い。尚、図11の(b)の例では、長方形状滑り止め部材35を、平面視において、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部(図11の(b)で破線で示した部分)の内方側近傍に設け、図11の(c)に示す例では、長方形状滑り止め部材35を、平面視において、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部(図11の(c)で破線で示した部分)の真下に設けてある。
又、図11の(d)に示すように、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置には、2個の円柱状滑り止め部材34bの底面積を合わせた総底面積よりも大きい面積の円形の底面を有する大径円柱状滑り止め部材36を設けても良い。尚、図11の(d)に示す例では、大径円柱状滑り止め部材36を、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部(図11の(d)で破線で示した部分)の真下に設けてある。
【0050】
(A−3) 更に、複数の滑り止め部材33を電源プレートPの底面に周方向に分散して設けるに当たっては、上記の実施形態のように、全ての滑り止め部材33を、平面視において、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部の内方側近傍に位置するように設ける場合に限定されるものではない。
例えば、全ての滑り止め部材33を、平面視において、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部の真下に位置するように設けても良い。
あるいは、平面視において、複数の滑り止め部材33のうちの一部を、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部の内方側に位置し、残りを、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部の外方側に位置するように設けても良い。
例えば、図12の(a)に示すように、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置では、2個の円柱状滑り止め部材34aをケトル本体Kの最外周部(図12の(a)で破線で示した部分)の外方側近傍に設け、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在しない部分に対応した位置では、2個の円柱状滑り止め部材34bをケトル本体Kの最外周部の内方側近傍に設けても良い。
あるいは、図12の(c)に示すように、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置では、2個の円柱状滑り止め部材34aをケトル本体Kの最外周部(図12の(c)で破線で示した部分)の外方側近傍に設け、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在しない部分に対応した位置では、2個の円柱状滑り止め部材34bをケトル本体Kの中央側に偏らせて設けても良い。
これら図12の(a)、(c)に示すように、電源プレートPの底面においてプラグ受けボックス8が存在する部分に対応した位置では、2個の円柱状滑り止め部材34aを左側壁面8hの近傍と右側壁面8mの近傍とに電源プレートPの周方向に離して設けて、4点支持にしても良い。
又、図12の(b)に示すように、全ての滑り止め部材33を、平面視において、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの最外周部(図12の(b)で破線で示した部分)の外方側近傍に設けても良い。
【0051】
(A−4) 又、ケトル本体Kの底部に、電源プレートPの上面に当接する脚部を環状に設ける。そして、複数の滑り止め部材33を、平面視において、電源プレートPに給電姿勢で載置されたケトル本体Kの環状の脚部の真下に位置するように設けても良い。
【0052】
(B) プラグ受けボックス8の外形は、上記の実施形態において例示した形状に限定されるものではなく、種々の形状に構成することができる。例えば、プラグ受けボックス8の内側壁面8fを、上記の実施形態では内側下がり傾斜面に構成したが、載置部28の上面に垂直な面に構成しても良い。
【0053】
(C) 上記の実施形態では、受電機構3をケトル本体Kの底面の中央部に備え、給電機構5を電源プレートPの載置部28における上面の中央部に備える場合について例示したが、ケトル本体Kの底面における受電機構3の位置、及び、電源プレートPの上面における給電機構5の位置は種々に変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上説明したように、安全性を向上し得る電気ケトル等の加熱容器を提供することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 貯留部
2 電気ヒータ(加熱手段)
3 受電機構
3a 中心電極(受電機構の接点)
3b 環状電極(受電機構の接点)
4 電源コード
5 給電機構
5a 中心電極(給電機構の接点)
5b 外側電極(給電機構の接点)
6 マグネットプラグ
7 プラグ受け
8 プラグ受けボックス
8e 下端縁
8f 内側壁面
8fs 急内側下がり傾斜面部
9b 突出部
22 磁石
33 滑り止め部材
K ケトル本体(本体)
H 電源プレートの底面においてプラグ受けボックスが存在する部分に対応した位置
P 電源プレート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱対象の湯水を貯留する貯留部及びその貯留部の湯水を加熱する加熱手段を備え、並びに、外部から供給される電力を前記加熱手段に供給する受電機構を底面に備えた本体と、
電源コードを通して電源から供給される電力を外部に出力する給電機構を上面に備えた電源プレートとを備え、
前記本体を前記電源プレートに載置した給電姿勢において、前記受電機構と前記給電機構とが導通状態に接続されて、前記給電機構から前記受電機構に給電されるように構成された加熱容器であって、
前記電源コードと前記電源プレートとが、前記電源コードに設けられたマグネットプラグと、前記電源プレートに設けられて、磁石の吸引力により前記マグネットプラグを着脱自在に保持するプラグ受けとにより接続され、
前記プラグ受けを収納するプラグ受けボックスが、前記電源プレートの上面から上方に突出し、且つ、少なくとも上部が前記電源プレートに前記給電姿勢で載置された前記本体の側方に位置する状態で、前記電源プレートの周方向の一部に連設されている加熱容器。
【請求項2】
複数の滑り止め部材が、前記電源プレートの底面に分散して設けられると共に、前記電源プレートの底面において前記プラグ受けボックスが存在する部分に対応した位置にある滑り止め部材の底面積をあわせた総底面積を、前記底面において前記プラグ受けボックスが存在しない部分に対応した位置にある滑り止め部材の底面積を合わせた総底面積以上にする状態で配置されている請求項1に記載の加熱容器。
【請求項3】
前記複数の滑り止め部材夫々が、平面視において、前記電源プレートに前記給電姿勢で載置された前記本体の外周近傍でその本体と重なる位置に位置するように、前記電源プレートの底面に設けられている請求項2に記載の加熱容器。
【請求項4】
前記受電機構が、前記本体の底面の中央部に備えられ、前記給電機構が、前記電源プレートの上面の中央部に備えられ、
前記本体の底部における周方向の一部に、径方向外方に突出する突出部が、前記本体を前記給電姿勢で前記電源プレートに載置した状態で前記受電機構を中心に回転させた場合、前記プラグ受けボックスに当たる位置関係で設けられ、
前記本体が、その底部の突出部が前記プラグ受けボックスに乗り上がり、前記電源プレートの上面と前記プラグ受けボックスの上部とに跨った傾斜姿勢で前記電源プレートに載置された状態で、前記受電機構の接点と前記給電機構の接点とが非導通状態となる請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱容器。
【請求項5】
前記プラグ受けボックスにおける前記電源プレートの内方側に向く内側壁面が、前記電源プレートの内方側ほど下方側に位置する形態の内側下がり傾斜面に構成され、且つ、その内側下がり傾斜面状の内側壁面の両横部分の少なくとも下方側の部分が、水平面に対する傾斜度が前記内側壁面の周方向中央側の部分よりも大きい状態で側端の方ほど大きくなる急内側下がり傾斜面部に構成されて、
前記内側壁面における前記電源プレートの上面に接する下端縁のうち、前記急内側下がり傾斜面部に対応する下端縁が、側端の方ほど前記電源プレートの径方向外方に位置する構成とされている請求項4に記載の加熱容器。
【請求項1】
加熱対象の湯水を貯留する貯留部及びその貯留部の湯水を加熱する加熱手段を備え、並びに、外部から供給される電力を前記加熱手段に供給する受電機構を底面に備えた本体と、
電源コードを通して電源から供給される電力を外部に出力する給電機構を上面に備えた電源プレートとを備え、
前記本体を前記電源プレートに載置した給電姿勢において、前記受電機構と前記給電機構とが導通状態に接続されて、前記給電機構から前記受電機構に給電されるように構成された加熱容器であって、
前記電源コードと前記電源プレートとが、前記電源コードに設けられたマグネットプラグと、前記電源プレートに設けられて、磁石の吸引力により前記マグネットプラグを着脱自在に保持するプラグ受けとにより接続され、
前記プラグ受けを収納するプラグ受けボックスが、前記電源プレートの上面から上方に突出し、且つ、少なくとも上部が前記電源プレートに前記給電姿勢で載置された前記本体の側方に位置する状態で、前記電源プレートの周方向の一部に連設されている加熱容器。
【請求項2】
複数の滑り止め部材が、前記電源プレートの底面に分散して設けられると共に、前記電源プレートの底面において前記プラグ受けボックスが存在する部分に対応した位置にある滑り止め部材の底面積をあわせた総底面積を、前記底面において前記プラグ受けボックスが存在しない部分に対応した位置にある滑り止め部材の底面積を合わせた総底面積以上にする状態で配置されている請求項1に記載の加熱容器。
【請求項3】
前記複数の滑り止め部材夫々が、平面視において、前記電源プレートに前記給電姿勢で載置された前記本体の外周近傍でその本体と重なる位置に位置するように、前記電源プレートの底面に設けられている請求項2に記載の加熱容器。
【請求項4】
前記受電機構が、前記本体の底面の中央部に備えられ、前記給電機構が、前記電源プレートの上面の中央部に備えられ、
前記本体の底部における周方向の一部に、径方向外方に突出する突出部が、前記本体を前記給電姿勢で前記電源プレートに載置した状態で前記受電機構を中心に回転させた場合、前記プラグ受けボックスに当たる位置関係で設けられ、
前記本体が、その底部の突出部が前記プラグ受けボックスに乗り上がり、前記電源プレートの上面と前記プラグ受けボックスの上部とに跨った傾斜姿勢で前記電源プレートに載置された状態で、前記受電機構の接点と前記給電機構の接点とが非導通状態となる請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱容器。
【請求項5】
前記プラグ受けボックスにおける前記電源プレートの内方側に向く内側壁面が、前記電源プレートの内方側ほど下方側に位置する形態の内側下がり傾斜面に構成され、且つ、その内側下がり傾斜面状の内側壁面の両横部分の少なくとも下方側の部分が、水平面に対する傾斜度が前記内側壁面の周方向中央側の部分よりも大きい状態で側端の方ほど大きくなる急内側下がり傾斜面部に構成されて、
前記内側壁面における前記電源プレートの上面に接する下端縁のうち、前記急内側下がり傾斜面部に対応する下端縁が、側端の方ほど前記電源プレートの径方向外方に位置する構成とされている請求項4に記載の加熱容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−41654(P2011−41654A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191214(P2009−191214)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000002473)象印マホービン株式会社 (440)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000002473)象印マホービン株式会社 (440)
【Fターム(参考)】
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