説明

加熱調理器及び排気口カバー

【課題】本体の吸気口や排気口の開口上に鍋等が置かれた場合、開口部の通気性が極端に低下することで調理器本体内部の冷却効率の悪化を防止できる加熱調理器及び排気口カバーを得る。
【解決手段】誘導加熱コイル3R等の発熱部材を冷却するための送風機21と、この送風機21によって空気が導入されるよう本体1の後方上面に設けられた吸気口7と、この吸気口7の開口部を着脱自在に覆う通気性を備えた第2の吸気口カバー11と、本体1の後方上面に設けられた排気口8とを備え、第2の吸気口カバー11には、その側面には開口部、背面には吸気孔11Eが形成され、またその天井面は吸気口7の上方に配置され、また排気口の上に配置した排気口カバーには、その頂部が前方から後方に行くに従って漸次高くなるように上方に突出して配置された複数のリブを有することで、リブの下方には後方に向かって拡がる排気空間が確保される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般家庭等の使用に適した誘導加熱調理器などの加熱調理器及びこの加熱調理器に用いられる排気口カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理器の代表的なものとして、組込式(ビルトイン式ともいう)の誘導加熱調理器が知られている。この従来の組込式誘導加熱調理器は、流し台などの厨房家具の上面開口部に落とし込まれて設置され、箱状の本体外郭ケース(筐体ともいう)で囲まれた本体内部には、誘導加熱コイルや、電力制御用半導体等の多くの電子部品を備えた回路基板、それら両者を冷却するファンモ−タ、シーズヒータ等の加熱ヒ−タを備えた加熱室(ロ−スタケ−ス又はグリル庫ともいう)等を有し、また本体上面の大部分は耐熱ガラス板で覆われている。本体後部の上面には冷却用大気を吸気する吸気口を設け、その吸気口から本体内部に繋がった吸気経路にはファンモ−タによって回転駆動される冷却用ファンを設け、吸気口から吸引された室内空気は、回路基板の電子回路部品及び加熱コイルを冷却した後、本体後部上面に設けた排気口から室内へ放出されるものである(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3319365号公報(請求項1、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したような従来の加熱調理器においては、吸気口の上方に、金網やパンチングメタル等のような、平面的構造物であるバックグリルと呼ばれる金属製の吸気口カバーが置かれてあり、使用者の手指や異物が吸気口の中に入らないようにしているだけであるから、吸気口の上に鍋が置かれた場合、吸気口部分の通気性が極端に低下し、調理器本体内部の冷却効率が悪化し、熱に弱い電子部品を焼損したり、プラスチック部品の変形を招いたりするといった問題が懸念されていた。また排気口の上にも同様に鍋などが放置されると、本体内部を汚染するだけでなく高温の排気が熱に弱い電子部品を焼損したり、プラスチック部品の変形を招いたりするといった問題が懸念されていた。
【0005】
本発明は係る課題を解決するためになされたものであり、吸気口の通気性を確保し、通気口からの冷却風を確実に導入できる加熱調理器を提供することを第1の目的とするものである。
【0006】
また排気口の通気性を確保し、排気口からの冷却風の排出を維持しながら、調理器周辺の厨房家具への熱的悪影響も抑制できる加熱調理器及びこの加熱調理器に用いられる排気口カバーを提供することを第2の目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る加熱調理器は、加熱源を有する本体と、この本体の上面を覆うように設けられ、加熱源によって加熱される被加熱物を載置するトッププレートと、を備え、本体は、加熱源を含む発熱部材を冷却するための冷却ファンと、この冷却ファンによって空気が内部に導入されるよう後部上面に設けられた吸気口と、吸気口カバーと、を備え、吸気口カバーは、通気性を備えた略矩形状の板材で構成される第1の吸気口カバーと、この第1の吸気口カバーの開口部を覆うように着脱自在に設けられ、前面と側面と天井面と背面とを有する第2の吸気口カバーとを備え、第2の吸気口カバーの天井面は、トッププレートの上面より上方に突出した位置にあり、天井面、前面、側面及び背面の少なくとも一方には吸気孔が形成されるものである。
【0008】
また、本発明に係る加熱調理器は、加熱源を有する本体と、この本体の上面を覆うように設けられ、加熱源によって加熱される被加熱物を載置するトッププレートと、を備え、本体は、加熱源を含む発熱部材を冷却するための冷却ファンと、この冷却ファンによって空気が内部に導入されるよう後部上面に設けられた吸気口と、吸気口を介して内部に導入された空気が発熱部材を冷却後、外部へ排出されるように後部上面に吸気口と並んで設けられた排気口と、排気口カバーと、を備え、排気口カバーは、長手方向に平行且つほぼ等間隔に配され上方に突出する複数のリブを有する略矩形状の金属板で構成されるものである。
また、本発明に係る排気口カバーは、長手方向に平行且つほぼ等間隔に配され上方に突出する複数のリブを有する略矩形状の金属板で構成されるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、加熱調理器は、前面と側面と天井面と背面で構成され、加熱調理器本体の吸気口を覆うように配置されたとき、天井面は加熱調理器のトッププレートの上面より上方に突出した位置にあり、前面、側面及び背面の少なくとも一方には吸気孔が形成される吸気口カバーを備えたので、吸気口から冷却用の空気を加熱調理器本体の内部へ確実に導入することができる。
また、本発明によれば、加熱調理器は、複数のリブを有する略矩形状の金属板で構成された排気口カバーを備えたので、仮に熱い調理器具等が不用意に排気口の上方に置かれたとしても、排気口から排気を確実に外部へ導出できるため、調理器具等による厨房器具への熱的な悪影響、ダメージ等を避けることができる。
また、本発明によれば、排気口カバーは、複数のリブを有する略矩形状の金属板で構成されるので、仮に熱い調理器具等が不用意に排気口の上方に置かれたとしても、排気口から排気を確実に外部へ導出できるため、調理器具等による厨房器具への熱的な悪影響、ダメージ等を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係る組込式誘導加熱調理器の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器のトッププレートを取り外した時の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の吸気口部分を示す縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る組込式誘導加熱調理器の斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の吸気口部分を示す縦断面図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の排気口部分を示す縦断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の排気口カバーの一例を示す平面図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の排気口カバーの別の例を示す平面図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の排気口及びその周辺を示す縦断面図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の排気口カバーのリブの別の構成を示す側断面図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の排気口カバーのリブの別の構成を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。
図1〜図4は本発明の実施の形態1における加熱調理器の構成を示すものであり、図1は加熱調理器の斜視図、図2は、加熱調理器のトッププレートを取り外した時の斜視図、図3は、同縦断面図、図4は同加熱調理器の吸気口部分を示す縦断面図である。図1に示すように、本実施の形態1の加熱調理器は、天井面が開口された箱状の本体1の上面に、耐熱性のガラス板2Aと、これを囲むような額縁状の金属製枠体2Bとで構成するトッププレート2が取り付けられるように構成されている。このトッププレート2には、鍋やフライパンなどの被加熱物Nが載置される。
【0012】
本体1は金属板からなる本体ケース(筐体ともいう)1Aで周囲を囲まれ、その本体1内の上部空間には、トッププレート2に載置された被加熱物Nを誘導加熱する2つの独立した誘導加熱コイル3R、3Lが設けられている。また図1及び図2に示すようにトッププレート2の左右中心線CLの上でトッププレート2の後部下方には、ラジェンドヒーターと呼ばれる速熱式の円形電気ヒータ4が配置され、トッププレート2を通してその下方から被加熱物Nを輻射熱で加熱するようになっている。
【0013】
図1及び図2に示すように、トッププレート2の表面には、本体1内の誘導加熱コイル3R、3Lと電気ヒータ4がそれぞれ配設された真上位置に、加熱領域を示す目的で略円形の表示(「加熱口」ともいう)5R、5L、5Cが印刷等で形成されている。なお、これら加熱口の表示寸法は誘導加熱コイル3R、3L、電気ヒータ4の加熱可能領域を厳密に示すものではなく、あくまでも目安的に設定されている。
【0014】
本実施の形態1では加熱口5が3つの場合を説明するが、本発明はこれに限るものではない。またトッププレート2の中央後方の電気ヒータ4は、他の輻射式熱源、例えばハロゲンヒータを用いても良いし、誘導加熱コイルに変えても良い。
【0015】
トッププレート2の上面手前側にある枠体2Bの前側部には、加熱調理に関する操作を入力する操作部6(以下、「上面操作部」ということもある)が設けられている。上面操作部6は、例えば、液晶(LCD)画面によって文字や図形などを表示する表示部40を備えている。表示部40は、加熱調理に関する設定情報や、調理モードの選択表示、自動調理の進行状況、警告表示などが表示される。また加熱調理時の投入火力(加熱量)や調理時間(調理開始からの経過時間含む)などを文字や記号等の視角情報で表示する。詳しくはあとで述べる。
【0016】
トッププレート2の右後方部には、本体1内部と連通し、本体1の内部に外気を取り込むための吸気口7が設けられている。また、トッププレート2の左後方部には、本体1の内部と連通し、本体1の内部に取り込んだ空気と、後述するグリル庫15からの熱気を排出するための排気口8が設けられている。
【0017】
吸気口7の上方には、全体が通気性を有する金属製の網又は格子状の吸気口カバー9(以下、「第1の吸気口カバー」という)を設けて、本体1内部への埃や異物侵入を防止している。また排気口8の上方には、全体が通気性を有する金属製の網又は格子状の排気口カバー10を設けて、本体1内部への埃や異物侵入を防止している。これら第1の吸気口カバー9と排気口カバー10は、吸気口7や排気口8の口縁部に単に載せておいても良いが、簡単には取り外せないようにネジ等で固定しても良い。H1は、トッププレート2のガラス板2A表面から第1の吸気口カバー9までの高さ寸法であり、数mm以下が良く、枠体2Bを凹ませて、そこに設置する場合は、ゼロmm(ガラス板2A表面と面一ということ)又はガラス板2A表面より下位置でも良い。
【0018】
第2の吸気口カバー11は第1の吸気口カバー9の上方に着脱自在に設置されたものであり、全体がステンレス等の金属薄板からプレス成形等で製造されており、図1に示すように右側面は開口部11Dを有し、底面全体が開放された縦断面形状を有しており、少なくとも吸気口7と第1の吸気口カバー9の横幅よりも大きな横幅寸法に形成されている。また、第2の吸気口カバー11の左側面は、排気口8に近いため、ここに開口部を設けると排気口8からの排気を吸い込んでしまう虞が高い。そこで、第2の吸気口カバー11の左側面は、排気口8からの排気を吸い込まないようにするために、閉じた面を構成している。また、第2の吸気口カバー11の前面は、被加熱物Nによって塞がれる虞があるため、閉じているが、開口部を設けてもよい。
【0019】
リブ11Aは、第2の吸気口カバー11の上面前部全長に亘って一体に形成され、リブ11Bは同じく第2の吸気口カバー11の上面後部全長に亘って一体に形成され、平面的な載置部11Cは、これら一対のリブ11A、11Bの間に形成されたものである。この載置部11Cには図4に示すように調味料等の容器(缶や瓶等)BTや軽量な付属具等を一時的に置ける。載置部11Cの高さはトッププレート2のガラス板2A表面からH4の寸法になっている。H4は例えば30mmである。
【0020】
吸気孔11Eは、第2の吸気口カバー11の背面に大きく横長に形成されている。なお、第2の吸気口カバー11は単に第1の吸気口カバー9の上面に載せて置くという方法以外に、例えば簡単な固定具、例えば蝶ネジのようなもので枠体2Bに固定状態に設置しても良い。
【0021】
本体1の中央下部には魚等の焙焼調理(「グリル調理」ともいう)を行うため、前面が開口した箱状のグリル庫15が設けられている。グリル庫15内には、庫内に載置された被調理物を加熱するための熱源となるグリルヒータ(図示せず)が備えられている。このグリルヒータは、例えばシーズヒータ等からなり、グリル庫15内の上部および下部に配置される。
【0022】
グリル庫15の前面には、グリル庫15の内部を視認できるような視認窓16と取っ手17とを有する扉が設けられている。また、グリル庫15の内部において加熱時に排出される煙等の排気風は、本体1の奥部に設けた前記排気口8より排気される。
【0023】
本体前面右部に設けた前面操作部18には、前記した左右の誘導加熱コイル3R、3L、中央部の電気ヒータ4及びグリル庫15の全ての電源を一斉に投入・遮断する主電源スイッチの操作ボタン(図示せず)と、誘導加熱コイル3Rの通電とその通電量(火力)を制御する右電源スイッチ(図示せず)の電気接点を開閉する右操作ダイアル19Rと、同じく誘導加熱コイル3Lの通電とその通電量(火力)を制御する左制御スイッチ(図示せず)の左操作ダイアル19Lと、がそれぞれ設けられている。
【0024】
冷却ユニットCUは、図3に示す通り、本体1の内部で前記グリル庫15より右側の空間に上方から挿入されて固定されたものであり、インバータ回路を含む電気回路が実装された回路基板を収容した部品ケース30と、この部品ケース30に結合され内部に送風機21を格納しているファンケース20との構造物から構成されている。
【0025】
前記送風機21は、その駆動用モータ(図示せず)の回転軸23が水平になっている、いわゆる横軸型である。送風機21の回転翼(図示せず)を囲むようにファンケース20内部には円形の送風空間22が形成されている。24はファンケース20の吸い込み筒であり、その最上位には吸い込み口25が形成されている。26はファンケース20の一端部に形成した排気口(出口)であり、部品ケース30の入口に接続されている。なお、本実施の形態1の送風機21は、遠心型多翼式送風機(代表的なものとしてシロッコファン)を使用している。22Aは送風空間22の入口部を示す。
【0026】
前記部品ケース30内部に収納した前記回路基板には、共振コンデンサや、スイッチング手段となる電力制御用半導体であるIGBT、フライホイールダイオード等の電子部品を具備し、そのIGBTなどの電力制御用半導体スイッチング素子やその他発熱性部品が取り付けられたアルミ製の2つの放熱フィン31を並べて配置している。図3において、Y2は送風機21から送り出された冷却風の流れを示し、Y3、Y4はその冷却風が分岐して部品ケース30の中を流れる様子を示している。
【0027】
前記部品ケース30の上面部には、送風機21からの冷却風の流れる方向に沿って第1の排気口32と第2の排気口33を2個、離して形成している。第2の排気口33は、部品ケース30において冷却風の流れの最も下流側位置にあり、また第1の排気口32よりも数倍大きな開口面積を有している。
【0028】
冷却ダクト(「コイルベース」ともいう)34は全体がプラスチックで成型されたものであり、プラスチックの一体成形品である上ケース34Aと、同じくプラスチックの一体成形品である平板状の蓋(以下、「下ケース」という)34Bとを重ねてネジで固定することで、その両者の間の内部に3つの通風空間35、36、37が形成される。冷却ダクト34は、2つの(左右の)誘導加熱コイル3R、3Lの両方に対応するように、本体1の中に右から左へ長く設置されている。
【0029】
噴き出し孔38は上ケース34Aの上面で、誘導加熱コイル3R、3Lの真下位置全体に亘りその壁面を貫通するよう多数形成されたものであり、送風機21からの冷却風を真上方向に分散して噴き出すために形成されている。39は連通孔を設けた仕切り壁である。
【0030】
図3において、41は前記トッププレート2の上面手前側にある上面操作部6の真下に配置された表示部の液晶画面を示している。42は前部部品ケースで、前記上面操作部6の各種電気・電子部品や誘導加熱調理時の火力を光で表示する発光素子(LED)などを取り付けて固定した取付基板43を内部に収容している。57は通気用間隙、58は上面操作部6の入力キー等の信号を処理する電子部品類、59はそれらを収容する電気絶縁性のダクトで左右両端部は開口し、冷却風が一方から導入され、他方から排出されるようになっている。
【0031】
仕切り板45は前記本体1の内部を上下に仕切るよう、前記グリル庫15の上方に水平に設置されたものであり、この仕切り板45の上方が、前記誘導加熱コイル3R、3Lや電気ヒータ4、冷却ダクト34等の主要部品を収容した上部空間46となる。送風機21からの冷却風はこの上部空間46を経由した後、最終的には、トッププレート2の左後方部に形成した排気口8から室内へ放出される。
【0032】
前記排気口8には、中央から右側位置にグリル庫15からの排気が案内される排気ダクト47(図示せず)の末端部があり、上部空間46からの空気は排気口8の中央から左側位置より室内に放出される。つまりグリル庫15内部からの熱気と上部空間46内の空気とは途中で合流して混合することはなく、排気口8の部分で互いに隣接した位置から室内へ放出されるものである。
【0033】
本実施の形態1における加熱調理器の操作手段は、前面操作部18と上面操作部6とからなっている。上面操作部6は、図示していないが、右側の誘導加熱コイル3R用の右火力設定用操作部、左側の誘導加熱コイル3L用の左火力設定用操作部及びグリル庫熱源用と中央部の電気ヒータ用を兼用した中央操作部とからなっている。また前記した表示部の液晶画面41は、右火力設定用操作部、左火力設定用操作部及び中央操作部の3つに対してそれぞれ1個ずつ設けてあるが、これは前記送風機21から供給された冷却風の一部でそれぞれ冷却される構造になっている。
【0034】
次に、上記の構成からなる加熱調理器の動作の概要を説明する。
主電源を投入後、調理器の制御回路において調理開始準備が完了すると、使用者の選択に応じて加熱調理開始できる。例えば、右側の誘導加熱コイル3Rを使用する場合を例にして説明すると、前面操作部18の右操作ダイアル19Rを前方に突出させてから、右か左へ回す(回した量に応じて火力が設定される)と、右側誘導加熱コイル3Rが駆動される。
【0035】
すると、インバータ回路から誘導加熱コイル3Rに高周波電流が印加されるので、その高周波電流がもたらす電磁誘導作用により誘導加熱コイル3R上方のトッププレート2上に載置された鍋等の被加熱物Nに渦電流が発生する。こうして、被加熱物Nに生じた渦電流はジュール熱となって被加熱物Nが発熱し、調理に用いることが可能となる。なお、主電源投入後は、上面操作部6でも誘導加熱調理は開始・停止できる。
【0036】
このように正常な運転環境下で送風機21が駆動された場合には、本体1の外部の室内空気が図3及び図4に示すようにファンケース20の吸い込み筒24の吸い込み口25からファンケース20の内部に吸引される。吸引された空気はファンケース20の内部で高速回転している回転翼部により排気口(出口)26から水平方向に吐き出される。
【0037】
ここで、最初に第1の吸気口カバー9の上方に着脱自在に設置された第2の吸気口カバー11の背面に設けられた吸気孔11Eと、第2の吸気口カバー11の、排気口8側(左側)とは反対側(右側)の開口部11Dから、図1に矢印Y1で示すように室内の空気は吸気口7に吸引される。図4に示すように載置部11Cの高さはトッププレート2のガラス板2A表面からH4の寸法になっていて、吸気口7の上端からH1寸法に近い間隔が保たれているので、空気は吸気口7に向かって円滑に流れる。
【0038】
そして図1のY2に示すように、送風機21から送り出された冷却風の流れは、Y3、Y4のように途中で分岐するが、何れも上部空間46内部に案内され、前記誘導加熱コイル3R、3Lの下方や上面操作部6の真下に配置された前部部品ケース42内部に案内され、図1に破線の矢印で示すように最終的には後部の排気口8から室内へ放出される。
【0039】
以上のように、本実施の形態1においては、誘導加熱コイル3R等の発熱部材を冷却するための送風機21と、この送風機21によって空気が導入されるよう本体1の上面に設けられた吸気口7と、この吸気口7の開口部を着脱自在に覆う通気性を備えた第2の吸気口カバー11とを備え、この第2の吸気口カバー11は、その側面及び背面に開口部11D、吸気孔11Eが形成され、またその天井面はトッププレート2の上面より上方に突出し、かつその天井面の下方には吸気路が形成される構成にしたものであるから、簡単な構造の第1の吸気口カバー9によって本体1の後方上面の吸気口7から冷却用の空気を確実に導入することができる。
【0040】
しかも、第2の吸気口カバー11の天井面には、前後に突起状のリブ11A、11Bで挟まれた平面的な載置部11Cが設けられているので、この載置部11Cに調味料等の容器(缶や瓶等)BTや軽量な付属具などを簡単に置くことができるという効果がある。
【0041】
実施の形態2.
実施の形態1では、吸気カバーの側面及び背面の少なくとも一方に吸気孔または開口部を設けることで被加熱物によって吸気カバーの天井面が塞がれる場合でも空気を確実に本体内部に導入する場合について説明したが、排気口についても同様のことが考えられる。本実施の形態2では、このような場合の形態について説明する。
図1及び図2は本実施の形態2でも用いられる。
次に図5〜図7は本発明の実施の形態2に係る図であり、図5は、本発明の実施の形態2に係る組込式誘導加熱調理器の斜視図、図6は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の吸気口部分を示す縦断面図、図7は本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の吸気口部分を示す縦断面図である。以下、本実施の形態2について図5〜図7を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態1と同一又は相当部分は同一の符号を付し、説明は省略する。
【0042】
本実施の形態2では、本体1の内部冷却用空気の流れが図5に破線の矢印で示すように、吸気口7から入る最初の段階で二つに分かれており、しかも最後に本体1の前方に一部の冷却風が排出されるものである。
【0043】
また、本実施の形態2では、吸気口7の中に、調理物破片が落下することを防止するための格子状の保持部材60を備えたものである。すなわち、保持部材60は、全体が通気性を保つような籠状又は少なくとも底面が格子状になった筒形のものであり、プラスチック等で一体に形成されており、上端の鍔部を吸気口7の上にある第1の吸気口カバー9の開口口縁に載せることで着脱自在に設置している。なお、この場合、第1の吸気口カバー9は、実施の形態1のような、全体が通気性を有する金属製の網又は格子状でなく、一枚の板の中央部に開口があるという単純な形状で良い。
【0044】
61は、保持部材60の底面に多数個、規則正しく形成された貫通孔であり、口径は数mm以下が望ましいが、あまり細かいメッシュ状にすると通気抵抗が大きくなり、送風機21の吸い込み風量が低下するおそれがあるので、適宜設定する。
【0045】
図6に示すように第2の吸気口カバー11の前面に大きく形成された吸気孔11Fを設けてもよい。この吸気孔11Fは、背面の吸気孔11Eと相俟って、室内空気をできるだけ円滑に抵抗なく導入する役目を期待して形成したものである。吸気孔11Fは、トッププレート2のガラス板2A表面を基準として、H2からH3の高さまで形成されている。なお、H5はガラス板2A表面から第2の吸気口カバー11最上部までの高さ寸法である。また第2の吸気口カバー11は、第1の吸気口カバー9の上方に着脱自在に設置してあるので、第2の吸気口カバー11を取り除けば、次に保持部材60を取り出すことができるので、調理物の破片が万一吸気孔11Fから落下した場合、それを容易に回収することができる。
【0046】
さらに、本実施の形態2では、本体1の排気口8における排気口カバー10を改良している。排気口カバー10の場合には、排気が周囲のものを汚染する関係上、その側面や背面に排気孔や開口部を設けることができない。従って、天井面に開口部が設けられている。この天井面が被加熱物Nによって塞がれると、排気が本体内に回り込んで本体内の壁面などを汚染するだけでなく、高温の排気が回路基板を通過すると、回路基板上の素子類が損傷する虞が高い。このため、天井面の開口部は塞がれないようにしておく必要がある。そこで、本実施の形態2では、排気口カバー10にリブを設けるように構成する。この場合、排気口カバー10は、図7の縦断面図及び図8に示すように、アルミや鉄等の金属材料を引き抜きや鍛造などの加工によって開口部を有する略矩形条の金属板の開口部の中に、金属板の長手方向に平行且つほぼ等間隔に配された細長い帯条部が複数本平行に並んだ形に形成したものである。なお、図7において、紙面の左側は前方、右側は後方を示す。
【0047】
ここで「並行」の向きは、本体1の横幅(左右)方向である。また、本実施の形態2では、複数の帯条部として、通気性を阻害しない程度に互いに並行に5本の壁面で構成されたリブ10A、10B、10C、10D、10Eを数mm間隔で本体1の横幅(左右)方向に形成しているが、最も前方のリブ10Aから最も後方のリブ10Eまで、それらの突出高さが順次大きくなり、その頂部同士を結ぶ線LXがほぼ直線になり、その直線は図7に示すように所定の傾斜角度θを有するようにしてある。
【0048】
なお、θは10度以下が望ましい。あまり大きな角度にすると、正面から見た場合に全体が平面的なトッププレート2のデザイン性を損なう懸念があり、また調理器具を万一置いた場合に手前に転倒してくる可能性が大きくなるためである。なお、逆に後方に傾くように設定すると万一調理器具から調理汁などが零れて背後の厨房器具KTや台所の壁などを汚すことになり好ましくない。
【0049】
また、図9に示すように排気口カバー10のリブ10A〜10Eを壁面でなく格子状に配列した棒状体として構成してもよい。この場合、排気口カバー10の金属板の開口部の複数の帯条部のそれぞれからほぼ等間隔に複数の棒状体を立設させることにより、上方から見ると格子状に配列されたリブを構成する。また、トッププレート2の中央側からトッププレート2の左端に行くに連れて漸次リブ10A〜10Eの高さが高くなるようリブを構成する。
これにより、排気口カバー10の天井面の開口部が被加熱物Nによって塞がれることがなくなり、被加熱物Nがさらにトッププレート2の外側に出るという問題を抑制することもできる。
また本体1の横幅(左右)方向ではなく、前後方向に各リブ10A〜10Eを設けても良く、さらには前後・左右方向にそれぞれ形成し、互いに直角に交差するような格子状に形成しても良い。
【0050】
以上のように、本実施の形態2においては、実施の形態1における効果に加え、さらに第2の吸気口カバー11の前面に大きく形成された吸気孔11Fからも室内空気を導入することができるという効果がある。
【0051】
しかも、排気口カバー10には、被加熱物Nが万一置かれた場合でも、それを図7に破線で示すように前方に傾けた状態になるようにそれぞれの高さを調整した複数個のリブ10A〜10Eを形成しているので、調理中又は調理終了後に排気口8の上方に、熱い調理器具、例えばフライパン等が万一不用意に置かれたとしても、そのような調理器具の底面に後方に向かって拡がる空間が確保されるから、調理器本体1の枠体2Bは勿論、その周囲にある流し台等の厨房家具KTを異常高温にして焼損してしまうという危険性を回避できる効果が期待できる。
【0052】
特に調理器使用中及び調理終了後の短時間は、送風機21は本体1内部を冷却するため送風している。このため、排気口8の上方に熱い調理器具が長時間置かれたとしても、それによる熱影響は受けにくいが、一旦調理を終了した後、高温の鍋等の調理器具が置かれると、その器具の温度が調理器本体1の枠体2Bや周囲の厨房器具KTを過剰に加熱し、変形等を招く危険性がある。
【0053】
これに対し、本実施の形態2では、熱い調理器具等が水平状態に安定的に置かれにくいように、複数個のリブ10A〜10Eの高さを変えて調理器具等を傾斜させる状態にし、しかも、同時に調理器具等の底面と調理器上面又は厨房器具KTとの対向面の間に後方に行くに連れて漸次拡がる排気空間を確保できるため、上記したような問題を解消できる。
【0054】
なお、実施の形態1及び2では、吸気口7に第1の吸気口カバー9と第2の吸気口カバー11の2つのカバーを設けたが、必ずしも2つ同時に設ける必要はなく、第2の吸気口カバー11だけでも良い。なお、その場合、吸気口7の中に、調理物破片が落下することを防止するため保持部材60を設けるか、又は第2の吸気口カバー11自体に例えば格子状のフィルター部を形成しても良い。また、第1の吸気口カバー9と第2の吸気口カバー11の2つのカバーを設ける場合で、第1の吸気口カバー9をトッププレート2に固定する場合は、第1の吸気口カバー9の端面部とトッププレート2のガラス板2A又は枠体2Bとの間にシール材やパッキンを介在させ、トッププレート2の上に零れた水や煮汁などの浸入を防止する構造にすると良い。
【0055】
なお、リブ10A〜10Eの内の少なくとも1つの高さをこの上に被加熱物を載置すると被加熱物が落下してしまうか、内容物がこぼれ落ちる程度に傾くような高さ以上に突設するように構成しても良い。これにより、使用者は、リブ10A〜10Eが異常に高いため、このリブ10A〜10Eの上に被加熱物Nを載置する気が起きない。従って、排気口カバー10の天井面の開口部から空気を確実に本体内部に導入することができる。
また、図10に示すように、排気口カバー10の前面側外周に上記とは別のストッパの役割をする突起部12を設けてもよい。これは、使用者が無意識に被加熱物Nを横ずれさせることで、被加熱物Nを排気口カバー10の上に乗り上げさせてしまうという問題を防止するものである。従って、ストッパ用の突起部12の高さは、排気口カバー10の高さの2〜3倍位でよい。この場合も、使用者が無意識に被加熱物Nを横ずれさせても、被加熱物は突起部12から後方には進まないので、排気口カバー10の天井面の開口部が確保される。
従って、排気口カバー10の天井面の開口部から空気を確実に本体内部に導入することができる。
上記の内容については、排気口カバー10だけでなく、第1の吸気口カバー9についても同様である。
また、突起部12の上に被加熱物が載置されたことを検知する検出器(光センサーなど)を本体1内の誘導加熱コイル3L、3Rが配置される床面の後方に設け、トッププレート2のガラス板2Aを介して、光を発光し、光を受光したら信号を図示しない回路基板上の図示しない制御部(マイクロプロセッサーなど)へ送り、制御部は、この検出器の出力信号に基づき、突起部12の上に被加熱物Nが載置されたと判定すると、その旨をブザーや表示部に音及び表示により警報出力するように構成しても良い。
【0056】
また、各リブ10A〜10Eの上端には、重力により傘状に拡がる金属板を取り付けても良い。
図11は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の排気口カバーのリブの別の構成を示す側断面図であり、傘状に拡がる金属板で構成された傘状部を有するリブの一例を示している。図11(a)は、傘を閉じている状態を示しており、図11(b)は、傘を開いた状態を示しており、図11(c)は、傘を開いた状態のリブ全体の様子を示している。図11に示すように、リブ10A〜10Eのそれぞれの上端にバネなどの金属製の弾性体101を取付け、さらに2枚の金属板104をヒンジ103を介して逆V字状に構成し、この逆V字状の金属板104の根本を弾性体101に軸102とヒンジ103を介して取り付ける。これにより、金属板104はリブ10A〜10Eの上端の角部に当接した位置でほぼ閉じた状態になって静止する。この場合、金属板104の先端が開放されており、この金属板104の先端を内側に丸めることで、先端がリブ10A〜10Eの側面に当接する。従って、2枚の金属板104が逆V字状のまま閉じているときに、逆V字状の2枚の板とリブの上端で囲まれた空間内に排気が流入するのを、板のリブ10の上端角部との当接及び丸い先端のリブとの当接により阻止することができる。
被加熱物Nがリブ10A〜10Eの上に載置されると、最上部に位置する金属板104の根本は重力方向の力を受ける。これにより、金属板104の根本はバネ101と軸102と共に下がると、金属板104はリブ10A〜10Eのそれぞれの上端の角部を支点として回転する。これにより、金属板104の開放された先端が上方へ移動するため、逆V字状で閉じていた2枚の金属板104は、図11(b)に示すように、傘が開いたような状態になる。リブ10A〜10Eの全てにおいて傘が開くと、被加熱物Nとリブ10A〜10Eとの間に屋根がほぼ連続的に構成される。
従って、高温の排気が直接被加熱物Nの底面に当たる機会が抑制されるため、被加熱物Nの底面が汚染されて焼き付くというような問題を抑制することができる。
【0057】
図12は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の排気口カバーのリブのさらに別の構成を示す側断面図であり、傘状に拡がる金属板で構成された傘状部を有するリブの別の例を示す図である。図12(a)は傘が閉じている状態であり、図12(b)は傘が開いている状態を示している。図12(a)に示すように、リブ10A〜10Eのそれぞれの上端にバネなどの弾性体101を取付け、さらに爪を有する一端が開放され、他端が軸102とヒンジ103を介して弾性体101に固定され、重力方向の力を受けるとヒンジ103を支点として前記一端が上方へ移動することで傘のように拡がる複数の第一の金属板から成る第一の傘状部105と、別の爪を有する一端が開放され、他端がヒンジ106を介してリブ10A〜10Eのそれぞれの側壁に固定され、一端が第一の傘状部105の金属板の一端と双方の爪により係合しているときはほぼ直立し、第一の金属板の一端が拡がると、この第一の金属板の一端との係合が外れ、重力により前記一端が下方へ移動することで傘が開いたように拡がる複数の第二の金属板から成る第二の傘状部107とから構成される。
次に、動作を説明する。
通常は、図12(a)に示すように第一の傘状部105と第二の傘状部107は双方の爪を介して係合されており、第二の傘状部107は一端を上にして直立している。このとき、弾性体101は伸びた状態になっている。
被加熱物Nがリブ10A〜10Eの上に載置されると、第一の傘状部105の最上部に位置する第一の金属板の根本は重力方向の力を受ける。これにより、第1の金属板の根本は弾性体101と軸102と共に下がると、第一の金属板はリブ10A〜10Eのそれぞれの上端の角部を支点として回転する。これにより、第一の金属板の開放された先端が上方へ移動するため、逆V字状で閉じていた2枚の金属板は、図12(b)に示すように、傘が開いたような状態になる。これにより、第一の金属板の一端と第二の金属板の一端との係合が外れる。
この結果、第二の金属板の一端は、重力により他端のヒンジ106を支点として下方へ移動することで傘が開いたように拡がる。そして、ヒンジ106の回転はこの位置で停止するので、第二の傘状部107は拡がった状態を維持する。
これにより、第二の傘状部107が被加熱物Nの底面全体を隠すため、排気が直接被加熱物Nの底面を汚すことなく、排気を排気口へ導入する排気路の一部を構成する。このように第一の傘状部及び第二の傘状部を用いることにより排気口カバー10の上に載置された被加熱物Nの汚染を防止できる。また、被加熱物Nの内容物が何らかの原因で零れた時でも、開いた第二の傘状部で内容物を拾い取ることも可能であり、零れ落ちた内容物がさらに下方の排気口を通じて加熱調理器の本体1内へ落下するのを防止できるという効果もある。
なお、第一の傘状部105は弾性体101の付勢力により元の位置に戻る。
また、第二の傘状部107を直立させる場合は、手操作で行ってもよいが、手が汚れることと操作に時間が掛かる。そこで、リブの大きさより僅かに大きい穴と切り欠け部を備え、リブの根本に切り欠け部を通してリブを穴に差し込み、切り欠け部を扉で塞ぎ、その後、手で上方へ持ち上げて第一の傘状部105と係合させることで第二の傘状部107を直立させるような治具を利用しても良い。
また、第二の金属板の両面の内、第二の傘状部107を開いた時に下方となる面に非粘着性のコーティングを予め施しておくことにより、油煙などが付着して熱によりこびりつくのを防止することができ、簡単に除去することができる。
【符号の説明】
【0058】
BT 容器、CU 冷却ダクト、KT 厨房器具、 N 被加熱物、1 本体、1A 本体ケース、2 トッププレート、2A ガラス板、2B 枠体、3R 誘導加熱コイル、3L 誘導加熱コイル、4 電気ヒータ、5R 表示、5L 表示、5C 表示、6 上面操作部、7 吸気口、8 排気口、9 第1の吸気口カバー、10 排気口カバー、10A リブ、10B リブ、10C リブ、10D リブ、10E リブ、11 第2の吸気口カバー、11A リブ、11B リブ、11C 載置部、11D 開口部、11E 吸気孔、11F 吸気孔、12 突起部、15 グリル庫、16 視認窓、17 取っ手、18 前面操作部、19L 左操作ダイアル、19R 右操作ダイアル、20 ファンケース、21 送風機、22 送風空間、22A 入口部、23 回転軸、24 吸い込み筒、25 吸い込み口、26 排気口、30 部品ケース、31 放熱フィン、32 第1の排気口、33 第2の排気口、34 冷却ダクト(コイルベース)、34A 上ケース(コイルベース)、34B 蓋、35 通風空間、36 通風空間、37 通風空間、38 噴き出し孔、39 仕切り壁、40 表示部、41 液晶画面、42 前部部品ケース、43 取付基板、45 仕切り板、46 上部空間、47 排気ダクト、57 通気用間隙、58 電子部品類、59 ダクト、60 保持部材、61 貫通孔、101 弾性体、102 軸、103 ヒンジ、104 金属板、105 第一の傘状部、106 ヒンジ、107 第二の傘状部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱源を有する本体と、
この本体の上面を覆うように設けられ、前記加熱源によって加熱される被加熱物を載置するトッププレートと、を備え、
前記本体は、前記加熱源を含む発熱部材を冷却するための冷却ファンと、
この冷却ファンによって空気が内部に導入されるよう後部上面に設けられた吸気口と、
吸気口カバーと、を備え、
前記吸気口カバーは、通気性を備えた略矩形状の板材で構成される第1の吸気口カバーと、この第1の吸気口カバーの開口部を覆うように着脱自在に設けられ、前面と側面と天井面と背面とを有する第2の吸気口カバーとを備え、
前記第2の吸気口カバーの天井面は、前記トッププレートの上面より上方に突出した位置にあり、前記天井面、前記前面、前記側面及び前記背面の少なくとも一方には吸気孔が形成されることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記第2の吸気口カバーの前記天井面、前記前面、前記側面及び前記背面の少なくとも一方は通気性を有し、
前記第1の吸気口カバーは加熱調理器本体の吸気口を覆うように配置された状態で加熱調理器本体に固定されることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記第2の吸気口カバーは、前記前面側及び前記背面側の少なくとも一方に形成された吸気孔を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記第2の吸気口カバーは、前記加熱調理器本体の排気口とは反対側に位置する側面に吸気用の開口部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記第2の吸気口カバーは、前記天井面の上に、物品を載せることが可能な載置部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記本体後方上面の、前記吸気口カバーの前方側外周に、前記吸気口カバーより上方に突出する突起部を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項7】
加熱源を有する本体と、
この本体の上面を覆うように設けられ、前記加熱源によって加熱される被加熱物を載置するトッププレートと、を備え、
前記本体は、前記加熱源を含む発熱部材を冷却するための冷却ファンと、
この冷却ファンによって空気が内部に導入されるよう後部上面に設けられた吸気口と、
この吸気口を介して内部に導入された空気が前記発熱部材を冷却後、外部へ排出されるように後部上面に前記吸気口と並んで設けられた排気口と、
この排気口を覆うように着脱自在に配置された排気口カバーと、を備え、
前記排気口カバーは、上方に突出する複数のリブを有する略矩形状の金属板で構成されることを特徴とする加熱調理器。
【請求項8】
前記リブは、前記金属板の長手方向に平行且つほぼ等間隔に配され、前記金属板の短手方向の一方から他方に行くに従って漸次高くなるように配置されることを特徴とする請求項7に記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記排気口カバーが前記排気口の開口部を覆うように配置されるとき、前記金属板の短手方向の一端は前記トッププレートに隣接する前方寄りの第一の部分に配置され、前記金属板の短手方向の他端は前記第一の部分より後方寄りの第二の部分に配置されることを特徴とする請求項8に記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記複数のリブは、前記金属板の長手方向の一端から他端まで延設され、ほぼ平行に立設した壁面であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記金属板は、長手方向に平行且つほぼ等間隔に配された帯条部を有し、
前記複数のリブは、前記帯条部から格子状に配列して立設した棒状体であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項12】
前記複数のリブは、前記金属板の長手方向の一方から他方へ行くに従って漸次高くなるよう配置されることを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項13】
前記排気口カバーが前記排気口の開口部を覆うように配置されるとき、前記金属板の長手方向の一端は前記加熱調理器のトッププレートの左右の中央寄りの第一の部分に配置され、前記金属板の長手方向の他端は前記第一の部分より排気口寄りの第二の部分に配置されることを特徴とする請求項12に記載の加熱調理器。
【請求項14】
前記リブの上端に配置された弾性体と、
一端が開放され、他端がヒンジを介して前記弾性体に固定され、重力方向の力を受けると前記リブの上端を支点として前記一端が上方へ移動することで傘状に拡がる複数の金属板と、を備えたことを特徴とする請求項7〜12のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項15】
前記リブの上端に配置された弾性体と、
一端が開放され、他端がヒンジを介して前記弾性体に固定され、重力方向の力を受けると前記リブの上端を支点として前記一端が上方へ移動することで傘状に拡がる複数の第一の金属板と、
一端が開放され、他端がヒンジを介して前記リブの側壁に固定され、前記一端が前記第一の金属板の一端と係合しているときはほぼ直立し、前記第一の金属板の一端が広がると、この第一の金属板の一端との係合が外れ、重力により前記一端が下方へ移動することで傘状に拡がる複数の第二の金属板と、
を備えたことを特徴とする請求項7〜12のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項16】
前記排気口カバーの前方側外周に、前記排気口カバーより上方に突出する突起部を設けたことを特徴とする請求項7〜15のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項17】
前記本体は前記吸気口に連通し、前記冷却ファンの入口に連通する吸気路を備え、
前記吸気路の中に、調理物破片が落下することを防止するための通気性のある保持部材を着脱自在に備えたことを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項18】
上方に突出する複数のリブを有する略矩形状の金属板で構成されることを特徴とする排気口カバー。
【請求項19】
前記リブは、前記金属板の長手方向に平行且つほぼ等間隔に配された帯条部であり、前記金属板の短手方向の一方から他方に行くに従って漸次高くなるように配置されることを特徴とする請求項18に記載の排気口カバー。
【請求項20】
前記複数のリブは、前記金属板の長手方向の一端から他端まで延設され、ほぼ平行に立設した壁面であることを特徴とする請求項18または請求項19に記載の排気口カバー。
【請求項21】
前記金属板は、長手方向に平行且つほぼ等間隔に配された帯条部を有し、
前記複数のリブは、前記帯条部から格子状に配列して立設した棒状体であることを特徴とする請求項18または請求項19に記載の排気口カバー。
【請求項22】
前記複数のリブは、前記金属板の長手方向の一方から他方へ行くに従って漸次高くなるよう配置されることを特徴とする請求項18〜21のいずれか一項に記載の排気口カバー。
【請求項23】
前記リブの上端に配置された弾性体と、
一端が開放され、他端がヒンジを介して前記弾性体に固定され、重力方向の力を受けると前記リブの上端を支点として前記一端が上方へ移動することで傘状に拡がる複数の金属板と、を備えたことを特徴とする請求項18〜22のいずれか一項に記載の排気口カバー。
【請求項24】
前記リブの上端に配置された弾性体と、
一端が開放され、他端がヒンジを介して前記弾性体に固定され、下向きの力を受けると前記リブの上端を支点として前記一端が上方へ移動することで傘状に拡がる複数の第一の金属板と、
一端が開放され、他端がヒンジを介して前記リブの側壁に固定され、前記一端が前記第一の金属板の一端と係合しているときはほぼ直立し、前記第一の金属板の一端が広がると、この第一の金属板の一端との係合が外れ、重力により前記一端が下方へ移動することで傘状に拡がる複数の第二の金属板と、
を備えたことを特徴とする請求項18〜22のいずれか一項に記載の排気口カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−54146(P2012−54146A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196715(P2010−196715)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】